ほむら「魔法で何でも願いを叶えてあげるって言われたらどうする?」 (40)

叛逆微ネタバレ注意


まどか「行ってきまーす」

まどか(今日はあの子に会えるかなぁ…ふふっ)

まどか(昨日はこの辺の道で会えたけど…)

まどか(今朝はいないかな…?)

まどか「あ…」

ほむら「まどか」

まどか「…」

ほむら「まどか」

まどか「わっ、ほむらちゃん!」

まどか「ご、ごめん今ちょっとボーっとして…」

ほむら「何を見てたの?」

まどか「それは…」

ほむら「あの子ね」

まどか「…うん」

2人の視線の先は道路に向かっていた。行き交う車の隙間から見えるぐったりと動かない黒猫に。

まどか「…昨日、この辺の道で見かけたんだ」

まどか「ノラみたいだったけど人懐っこくて…」

まどか「今日も会えるかな…と思ってたんだけど…」ジワ…

ほむら「まだ生きてるわ」

まどか「えっ?」

まどか「どう…かな…?」

ほむら「傷も深いし、かなり弱っているわ」

まどか「ねぇ…この子何とか助けられないかな」

ほむら「無理だわ、どんな獣医に診せても立てるようにすらならないでしょうね」

まどか「そんなぁ…」

ほむら「かわいそうだけど、このまま死ぬのを待つしかないわ」

飯行ってて放置して正直すまんかった
一言許すと言ってくれれば続ける

ほむら「この猫は私に任せて、あなたは学校に行きなさい」

まどか「その子…どうするの?」

ほむら「息絶えるのを待って、それから公園にでも埋葬するわ」

まどか「ほむらちゃん…もしよかったらなんだけど」

まどか「それ…私もついてっていい?」

ほむら「…遅刻しても知らないわよ」

2人は近くの公園を見つけ、そのベンチに並んで座った。

ほむらが膝に抱えた猫を心配そうにまどかが覗き込む。

まどか「どう…?ほむらちゃん…」

ほむら「まだ息はあるわ」

まどか「そう…」

まどか「あのね、勝手なお願いだってわかってるんだけど…」

まどか「その子、抱かせてもらえないかな…?」

ほむら「…いいわよ」

ほむら「この猫もあなたに抱かれた方が嬉しいと思うわ」

まどか「…ありがとう」

ほむら「あ…制服が汚れてしまうわよ…?血も出てるし」

まどか「ううん、全然かまわないよ」

ほむらはそっと猫の体を持ち上げて、まどかに渡した。

まどか「よーしよーし…痛かったよねー…」ナデナデ

まどか「もうすぐ…楽になるから…それまで我慢してね…?」ポロポロ

まどか「あれ…ごめんね…急に…涙が…」グスッ

ほむら「…」

まどか「昨日帰り道にこの子に会って…」

まどか「野良猫みたいだったから…もしママが許してくれたら家に連れてこうかと思ったの」

まどか「街の中じゃ危ないし…それにひとりぼっちで可哀想に思って…」

まどか「もし飼えたら、と思って名前も考えてたんだ、エイミーって」

まどか「バカみたいだよね…私…この子の為に何もしてあげられなかった」

まどか「もし昨日会った時…その時連れて帰ってあげたら…助けられたのに…」

ほむら「…」

まどか「…ごめんね、急に変な話しちゃって」

ほむら「…その子を助けてあげましょうか?」

まどか「…え?」

まどか「どうやって…?いくらなんでもそんなことは…」

ほむら「出来るわ、魔法の力でね」

まどか「…え?」

まどか(どうしたんだろ…ほむらちゃん…こんな時に…)

まどか(やっぱり変な人?でも…なんだか…)

まどか(嘘をついてるようには…見えなくて…もしかしたら…)

まどか「本当に…出来るの?」

ほむら「ええ、でもその代わりに…」

ほむら「あなたにも協力して欲しいことがあるわ」

まどか「もし、それが本当なら私、何でも協力するよ!」

ほむら「そう…?じゃあ」

ほむら「あなたの命をちょうだい?」

まどか「!」

ほむら「あなたはその子の為に命を捨てられる?」

まどか「ほむらちゃん…どうしてそんな意地悪…」

ほむら「意地悪でも何でもないわ、あなたはその猫を助けたいと願った」

ほむら「そのためにはあなたの命が必要なのよ」

ほむら「あなたが『うん』と言ってくれれば、すぐにでも猫は何もなかったように元気になるわ」

ほむら「あなたは死んでしまうけどね」

ほむら「どうする…?それと、猫が死んでしまったら私でも助けられないわ」

ほむら「あと数分で決めなくちゃね」

まどか(どう、しよう)

まどか(本気で、言ってるのかな)

まどか(どうしたんだろ…そんなこと出来っこないってわかってるのに)

まどか(もし本当だったら…!?)

まどか(私が死ねば…この子が助かる…?)

まどか「だったら…私…!」

まどか「…っ!」

ほむら「どうしたの?返事はイエス?ノー?」

まどか「えっと…その…」

ほむら「ダメよ、はっきり言わなくちゃ」

まどか「待って!ちゃんと言うから…」

まどか「お願い…!その子を助けてあげて…!」

ほむら「死んだわ」

まどか「…」

まどか「…え?」

ほむら「たった今、息が止まった。残念だったわね」

まどか「そ、」

まどか「そんなぁ…!」

ほむら「うふ、うふふふ」

ほむら「ごめんね、まどか」ギュッ

ほむら「いいのよ…あなたは何も悪くない…悪いのは全部私だもの…」

まどか「うっ…ううう…」ポロポロ

ほむら「あなたは最後までこの猫を助けようと願ったわ…」

ほむら「でもその時、頭によぎったのよね、あなたの大切な人たちが」

ほむら「家族…友達…あなたを失ったらとても悲しむ人たちがいる」

ほむら「その人たちを悲しませたくない…そう思ったのよね」

ほむら「いいのよ、それで」

まどか「でも…私…私…!」ポロポロ

ほむら「ああそれと、さっきのは全部嘘だから」

まどか「…え?」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月11日 (月) 12:15:50   ID: -GKgHhis

これはマジな悪魔、未完だが

なんかよくギャグである、三枚目キャラが一コマだけなら美形になれるのを彷彿させるな

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