ドラえもん「ノビタサンオチャガハイリマシタ」 (126)

「…ありがとうドラえもん」

のび太は限界を感じていた

20××年、ロボット工学の分野ではもう、野比のび太の名前を知らないものは居ない

源静香と大学で運命的な再会、そして交際を続け結ばれた

彼はドラえもんの望む『立派なのび太君』になったのだ

しかし、ドラえもんが居ない

元々、高校の時にのび太は気付いていた

ロボット産業の限界、低迷を

確かにロボット産業は発展の一途を辿り、彼が二十歳を過ぎる頃にはあらゆる分野での

ロボット従業員の採用が盛んに行われていた

しかし、反発は起きた

雇用問題に対する意見や、一向に慣れないロボットによる接客は所謂『コミュニケーションを主とするロボット』の発展を大きく妨げた

のび太はその時、気付いた

あぁ、ドラえもんは違う未来から来たんだ

勿論、賢明なのび太は自分のその発想が侘しい、なんとも他人任せな発想だとも気付いた

ドラえもんを知っているのは僕たちだけだ

だったらドラえもんを作れるのも僕たちだけじゃないか

海外に留学し、生物学を学んでいた出木杉やのび太と同じ大学で経済を学んでいるスネ夫に声をかけ、のび太は動き出した

まず、解決すべき

いや、解決出来ずとも触れておきたい問題を提起した

「みんな、ドラえもんって一体何だったんだと思う?」

この質問に二人は沈黙する

それは一つにドラえもんと言う単語自体、あの日を境に何故か誰も発さなくなり

何か夢を見ていたのは自分だけだったのではという気持ちになっていった

それが、殊更にのび太の口から発せられた事に何とも言えず、不思議な気持ちになっていたからだ

そしてもう一つは
恐怖だった

のび太が言う『ドラえもん』と言う言葉

確かに昔の自分だったら理由も無くほほが緩み、わくわくしていた

あの不思議なポッケからは美味しいもの、楽しいもの、不思議なもの

何でも出てきた

夏休みはドラえもんとワクワクハラハラの大冒険

裕福なスネ夫にとってそれは得難いものだった

その冒険の話を目を輝かせ、賢明に話してくれるみんな

勉強に忙しく過ごす出木過にとってこの時間がどれほど嬉しかった事か

本当の本当に終わりくぅ~究極さえも超えし者の戯れましたw これにて完結…そして、この地上に終焉が訪れる!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
真実は話のネタなかったのなどと…それを言えば嘘になる……が←
ご厚意を無駄に螺旋の内を巡るわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存だから……それは、歴史に穿たれた罪の楔――w
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ
まどか「みんな、見てくれて…フフ、また腕を上げたようだな
ちょっと腹黒なところも見えちゃった…だが(沈黙)・(沈黙)気にしないでね!」
さやか「いクク…フハハハハ……!ありがと…愚かな男よ……!
内なる意思のかわいさは二十分に伝わったかな?」
マミ「見てくれたのは嬉しい…しかしちょっと恥ずかしいわね(沈黙)・・」
京子「見てくれありがとなッ!!
正直、作中で言った内なる意思の気持ちは真実(トゥルシズム)だよ!」
断崖絶壁のリ・リィ「(沈黙)・(沈黙)ありがと」ファサ
では、
まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」

まどか、さやか、首無しガンナー、京子、輪廻を巡る救世主「であると、なんで感情のない俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」
本当の本当に終わり

しかし、彼等は知った

色々な事を知ったのだ

ドラえもんが見せてくれた美しいもの、楽しいもの、素晴らしい人格者達やその理念、思想

それらだけではないこの世界の悲しい部分

人は人を騙し、傷つけ、殺す

その事を知った

だからこそドラえもんが輝いても見えるし、また同時に恐ろしくてたまらないのだ

「…あれは、ごめん彼は…多分、間違いだったんだと僕は思うよ」

重い空気を破り最初に意見したのはスネ夫だった

「…と言うと」

出木杉が問いただす

「そうだな、君たち二人にこの分野の話をするのも気が引けるが…あり得ないだろうあんなロボット」

「…」

のび太は依然黙ったままだ

「僕らが二十歳頃に起きた、あの運動…『非人格非平等』運動。あれがあったからとは言わないが、ドラえもんの生産はなし得ないと僕はあの時悟ったよ」

「確かに運動によって所謂、人工知能をもったロボットはその生産、運用を大きく制限され、『人間よりも完璧なコミュニケーションロボットを作ってはならない』と言う何ともお粗末な法律が制定されたね」

「そうだろう、出木杉君。そこで黙っているのび太には悪いが僕はあれは…失礼、彼は何かの間違いだったと思っているよ」

「…君はドラえもんに会いたくないのか?」

黙っていたのび太が口を開いた

「会いたいかだって?馬鹿なこと聞くなよのび太」

「どうなんだよ」

「…会いたいさ。会いたいに決まっているだろう!?僕は…僕はなぁ!
ドラえもんに会ったから、ドラえもんに色んなものを見せてもらったから!
父さんの会社を何も考えずに継ぐんじゃなくて!
世界の辛い思いをしている子供達に!
僕たちが体験した素晴らしい青春を少しでも味わってもらいたくて!ボランティア団体の設立を…!!」

「スネ夫君、落ち着いて」

興奮し、息も絶え絶えに叫ぶスネ夫を出来杉がなだめる

「…ごめんスネ夫」

「こっちこそムキになって悪かったよ」

決まりが悪そうに謝り合う二人に出来過ぎが切り出した

「実はね、のび太君。僕もスネ夫君の意見には概ね賛成なんだ」

そう言うと、出来杉は鞄からタブレット端末を取り出した

「これを見てくれないか」


「…え」

二人は息を飲んだ

「出来杉君これって…」

「あぁ。驚いただろう?あの頃の僕らが住んでいた地域の記録写真さ。何て言っても量が膨大だからね、集めるのには本当に苦労したよ。だからこそこの写真はとんでもない事実を写しているんだ。いや、正確には写していないと言った方が正しいのかな」


「こんな馬鹿なことって!!!」

スネ夫とのび太はその膨大な量の写真を次々にスクロールしていく

そこにはご近所さんやいつもの空き地、更には人の写真に映り込んだのび太達の姿まであった

しかし、無かった

ドラえもんの姿だけは無かったのだ

のび太は何故か怒りに似た感情を持った

「何だって言うんだ!!こんな誰が撮ったかも分からない写真に居ないからって…居ないからって」

「…じゃあのび太君、君はドラえもんと写真に映ったことがあるのかい?」

「それは…航時法に引っかかるからダメだってドラえもんが」

「成る程。でもだよ?彼の道具でタイム風呂敷と言うものがあったね、それで包んだものの時間を操作出来るという道具だ」

「…そうなんだ、それは僕も引っかかっていた。タイムパトロールと言うものがあり、航時法と言うものがあるにしては、ドラえもんの道具には『時間を操作するもの』が多すぎるんだ」

「ここで一つの仮説を僕は唱えたい。『彼は未来からは来ていない』」

出来杉のその発言にのび太とスネ夫は驚きの色を隠せず、スネ夫は理解しきれないその提案に説明を求める

「それはどう言う意味なんだ出来杉君、まさか写真が無いからって
彼の存在自体を無かったことにしようって言うのか?
それは余りにも短慮だし思いやりに欠けた暴論だぞ!」

「…スネ夫、出木杉君の話を聞こう。忘れたのか?彼は誰よりも強くて、誰よりも賢くて、誰よりも優しい出来杉君だぞ」

のび太はスネ夫をなだめ出木杉のその瞳をじっと見つめる

「ありがとうのび太君。それにスネ夫君、君のその熱意があったこそ僕はこんなにもとんでもなく、恥ずかしい話が出来るよ」

「ふん、ドラえもんが居ないだの言ったら只じゃおかないからな!ジャイアンに言いつけてやる!」

「それは困るなぁ…だって彼今は」

「世界統一総合格闘技、最多ディフェンシングチャンピオンだよ」

「すごいなぁ…でも僕はドラえもんの存在を否定する訳じゃないんだから
よしてくれよ?
…さて、話を戻そう。
僕がこの暴論ともとれる仮説を立てたのにはいくつかの理由がある
まず一つにさっきの話だ
彼は写真に写りたがらない、ないし映らないのではないかという事
君たちは聞いた事があるかい?
写真に撮られると魂が取られると言う話を」

「聞いた事はあるけれど…そんなのは昔の迷信で
人形やそう言った人間に近い形の物には魂が宿りやすいとされていて
当時写真をみた日本人があまりにもそっくりだから
そっちに魂が宿ってしまいうのではと考えただけだよ
まさか未来から来たドラえもんが…」

大昔の迷信を唱える出来杉に、さっきまでとは打って変わりのび太は疑り深く意見する

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