ドラミ「お兄ちゃん、タイムテレビで何みてんの?」 (94)

ドラえもん「ばばば、バカヤロウ! ノックぐらいしろよ!」アタフタ

ドラミ「あ、ごめん。机の引き出しのどこ叩けばいいのか分かんなくて」

ドラえもん「……まったく」スッ つタイムテレビ

ドラミ「あ、ポケットにしまわないでよ。何見てたの?」

ドラえもん「……お前には関係ない」/// プイッ

ドラミ「なんで怒ってんの? へんなお兄ちゃん」

ドラえもん(……めんどくさいな)イライラ

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ドラミ「まぁ見せてくれなくても『さとりヘルメット』があるから、一発で分かるんだけど」スッ

ドラえもん「うわあ! やめろ!」///

ドラミ「どれどれ……」カチャッ

ドラえもん「プライバシーの侵害だぞ!」///

ドラミ「……」ジーッ

ドラえもん「やめろってば!」///














ドラミ「……お、お兄ちゃん……」ウワァ

ドラえもん(どん引かれたー!!)ガーン




ドラミ「……お兄ちゃん……猫の交尾を見るのは、どうかな……」

ドラえもん「……」///



ドラミ「……お兄ちゃんだけならいいかもしんないけど、もしのび太さんが見てしまったらどうするの……」

ドラえもん(のび太は猫の交尾で興奮しねえよ!)///


ドラミ「……もうちょっと節度ある行動を心掛けてね。ミーさんとおつき合いするのは別に構わないけど」

ドラえもん「……う、うん」

ドラミ「……あと、マニアックな性癖も改めた方がいいと思う。野外交尾なんて破廉恥だわ」

ドラえもん「……うん」

ドラミ「……あと股間部をこすり過ぎると摩耗するかもしれないからほどほどにね」

ドラえもん「……うん」

ドラミ「それから……」

ドラえもん(しつけぇ!)


――――――
―――――
――――


20分後



ドラミ「――とまぁ、言いたいことはこのくらいです」

ドラえもん「……はい、申し訳ございません(うう……なんで妹にこんなに気をつかわなけりゃならんのだ……)」

ドラミ「本当に反省してる?」

ドラえもん「はい、のび太の前では絶対に交尾動画を見ません……」シクシク

ドラミ「ほんとのホントに?」

ドラえもん「はい……」シクシク

ドラミ「うーん……信用できないわ。一応今日からずっと、タイムテレビで監視させてもらうから」

ドラえもん「ひょ!?」

ドラミ「お兄ちゃんがそういうのを見る度に、お兄ちゃんのスペアポケットにネズミ入れるから」

ドラえもん「ふざけるな! 僕がネズミが死ぬほど嫌いなの知ってるくせに!」

ドラミ「なに? 見なきゃいいだけでしょ?」

ドラえもん「ぬぅぅ……」ギリギリ






ドラえもん(……いかん、このままではのび太が学校に行ってる間のささやかな楽しみが奪われてしまう。なんとかうまい方法は……)ハッ

ドラミ「私がこんなに、セワシさんが健全に育つように心がけているってのに、まったく……」











ドラえもん「……ドラ・ザ・……キッド……」ボソッ

ドラミ「」ビクッ




ドラミ「……な、何かしら、突然……」ドキドキ

ドラえもん「……キッドとは最近どうなんだ?」

ドラミ「ど、どどどどどどういう意味?」

ドラえもん「いや、どういった関係なのかなぁと思って」

ドラミ「べべ、別になんともないけど?」///

ドラえもん「へぇ……」ニヤリ



ドラえもん「」スッ つさとりヘルメット

ドラミ「や、やめて、お兄ちゃん! お願いだから!」///

ドラえもん(ドラミのことだ。片思いかなんかでおなってるかもしれない。ふん! いい気味だ!)カチャッ

ドラミ「さっきの話とか無かったことにするから! お願い!」ウワアアアアン

ドラえもん「……」ジーッ

ドラミ「やめてええええええええ!!!!!!!!!!!!!!」///



















ドラえもん「……キッド、この野郎!!!!!」ギン!




ドラえもん「なんでベッドの上に寝転がったお前の横で、あいつがタバコふかしてるイメージが流れ込んできたんだ!」

ドラミ「……」シクシク

ドラえもん「しかも昨晩!? お前まさか毎晩あいつと!?」

ドラミ「違うの! 昨日はたまたま添い寝することになっただけ!」

ドラえもん「何がセワシさんを健全に育てるだ! お前子守りロボットだろ!」

ドラミ「だ、大丈夫! セワシさん、疲れて爆睡してたし! それにほら、防音壁だし!」

ドラえもん「せ、セワシ君がちゃんと寝てるか、タイムテレビで調べる!」スッ ピコピコ

ドラミ「と、隣の部屋は覗かないでね……」///

ドラえもん「ね、寝ててくれよ~」ピコピコ



――――――
―――――
――――

昨晩 セワシの部屋



オレノコカンノクウキホウ! ドッカーン! ドッカーン!

アン、ダメ! ハゲシスギ!



セワシ「……静かにやってくんないかな……」ズーン


――――
―――――
――――――



ドラえもん「丸聞こえじゃねえかっ!」

ドラミ「」

ドラえもん「なんだよ、股間の空気砲って! んなもんねぇよ!」

ドラミ「ふ、雰囲気よ! 雰囲気! さわりっこしてただけ!」///

ドラえもん「セワシ君、すごくいたたまれない顔してるぞ!?」

ドラミ「両親のエッチ現場目撃しちゃったみたいな顔してるわね……」

ドラミ「うぅ……恥ずかしくてセワシさんに会わせる顔がない……」///

ドラえもん「と、とにかくこのことはセワシ君のパパとママに報告する!」

ドラミ「や、やめなさいよ! お兄ちゃん、妹が廃品回収に出されても平気なの!?」

ドラえもん「うるさい! いったん工場に行ってこい!」

ドラミ「なによ、短足デブ!」

ドラえもん「ああ! ゆうてはならんことを! っていうか、同じ体型だろうが!」


***


のび太「ただいまー」



ボコスカボコスカ

タヌキ!

ビッチ!

ボコボコボコボコ


のび太「何だろう? 2階が騒がしい……」


***


のび太「ただいま……って、アレ? ドラミちゃん?」スーッ

ドラミ「あ、お帰りなさい、のび太さん」ギュウウウ

ドラえもん「痛だだだだだだだ!!!! ひげが、ひげが!!!」ジタバタ

のび太「兄妹喧嘩? めずらしいね」

ドラミ「ちょ、ちょっとね!」/// ギュウウウ

ドラえもん「のび太! このクソビッチを! この梅毒野郎を早く!」ジタバタ

のび太「なんてこと言うんだ、ドラえもん! お兄ちゃんだろ!?」

ドラミ「そうよそうよ!」ギュウウウ

ドラえもん「はい出た、『お兄ちゃんだから我慢しろ』! どうせ一人っ子ののび太には……痛だだだだ!!」ジタバタ



***


ドラえもん「ふぅ……ひどい目に遭った……」

のび太「なんで喧嘩してたかなんて野暮なことは訊かないけど、はいコレ。ポストに入ってたよ」スッ

ドラミ「え、お兄ちゃんあての手紙?」

ドラえもん「誰からだろ? ま、まさかミーちゃん!?」💛💛💛

のび太「ミーちゃんが書けるわけないだろ?」

ドラえもん「いや、この間会ったとき、進化退化光線銃を当てたんだ。ちゃんと戻したつもりだけど、手紙くらいは書けるようになってるのかも」

ドラミ「……進化させてなにやってたのよ」ギュウウウ

ドラえもん「痛だだ!! 野暮なこと訊くなって!」ジタバタ

のび太「……で、結局誰からなのさ?」

ドラえもん「ちょっと待って」ビリビリ

ドラえもん「!! ……王ドラからだ!」

ドラミ「手紙よこさなくても、親友テレカ使えばいいのに……」

のび太「随分と懐かしい名前だね! 10年くらい経ってない? 僕、他にはドラニコフくらいしか覚えてないや!」

ドラえもん「君は今、4年生だろ……」

ドラミ「手紙の内容は?」

ドラえもん「何々? ロボット学校同窓会のお知らせ? 王ドラが幹事なのか……」

のび太「へー、同窓会!」

ドラえもん「未来で言うところのちょうど本日あるらしい」

のび太「え? 今日なの? 今日は3:00からジャイアンリサイタルがあるんだけど」

ドラえもん「大丈夫、リサイタルの方はドラミが代わりに出るから」

ドラミ「ちょ、ちょっとお兄ちゃん!」

ドラえもん「じゃあ、ちょっと行ってくる」ガチャッ ビュイーン

のび太「行っちゃった……」


***


2112年

同窓会会場



ドラえもん「おーい、みんなー!」

王ドラ「あ、やっと来ましたね! 10分遅刻ですよ」

ドラリーニョ「ドラえもんだぁ~!」

ドラメッド三世「お久しぶりでありますな!」

ドラニコフ「がうがう」

エルマタドーラ「オレ様、待ちくたびれちゃったぜ」

ドラえもん「うふふふふふ! ごめんごめん。ちょっと取り込み中だったから」


ドラ・ザ・キッド「よう! 元気にしてたかよ?」

ドラえもん「あ゛?」



***


キャッキャキャッキャ


ニコフ「がううう……」スッ

リーニョ「なかなか王様になんないなぁ~」スッ

ドラえもん「よーし、僕が王様だぞぉ~!」スッ

ドーラ「何番に命令するんだ?」

王ドラ「3番がミミ子ちゃんに接吻とかダメですよ! 絶対にダメですからね! (大義名分)」

メッド「水怖い水怖い水怖い水怖い水怖い」←さっき女湯に入らされた

ドラえもん「そうだなぁ~……。……じゃ、そこの黄色いの」ボソッ

キッド「番号無視かよ! (な、なんだ? さっきからドラえもんがやけに厳しいんだが……)」ドキドキ

ドラえもん「……気持ちよかったか?」

キッド「な、何が?」ポカーン

ドラえもん「なんでもない。いよぉ~し! またくじを引くぞ~!」ワイワイ

キッド「ちょ、何? 気になるだろ?」アセアセ



***


のび太の部屋


のび太「はひ~、ひどい歌声だった……」ヨタヨタ

ドラミ「まだ頭がガンガンいってる……」フラフラ

のび太「ドラミちゃんの初参加でジャイアン、気合い入ってたね……」

ドラミ「私にこんなこと押し付けて……。絶対にお兄ちゃんを許さないんだから!」プンスコ

のび太「そういえばさっき喧嘩してたけど……仲直りはできそうかい?」

ドラミ「無理!」

のび太「ま、まぁそう言わずに……」

ドラミ「一人っ子ののび太さんがうらやましいわ!」

のび太「……」

ドラミ「あ、ごめんなさい! そんなつもりじゃ……」アセアセ

のび太「いや、いいんだ。ドラえもんが兄弟みたいなもんだから。確かにちょっとうるさいしね」

ドラミ「のび太さん……」

のび太「うるさいんだけど……喧嘩すると何だか、大好きなハンバーグもおいしく感じないんだ。これって変?」

ドラミ「ううん、変じゃないわ。喧嘩したままだと嫌な気分だもの」

のび太「……だからドラミちゃんも仲直りした方がいいよ。ドラえもんのやつ、意地っ張りだから……ドラミちゃんから仲直りしてくれないかなぁ」

ドラミ「……うん、わかった。確かにコピーロボットであんなことした私がいけなかったわ」

のび太「コピーロボット?」

ドラミ「ななな、なんでもないわ!」///




***


ドーラ「よっしゃあ! 今度はオレ様が王様だ!」

王ドラ「そんな! 5番がミミ子ちゃんにボディータッチだなんてそんな! (ノェ`*)っタシタシ」

リーニョ「いいな! マタドーラいいな!」

メッド「水怖い水怖い水怖い水怖い水怖い」←さっき便所に顔をぶちこまれた

ニコフ「がうう……」

ドラえもん「……」ジーッ

キッド(……ドラえもんの殺気がすごい……なんかしたっけ、俺……)ビクビク



ドーラ「じゃあ、3番が6番にキス!」

リーニョ「よかったぁ、僕2番!」

メッド「吾輩は1番」

ニコフ「がうがう(4番)」

王ドラ「え? 5番が? ミミ子ちゃんに?」///



キッド(……俺、6番。ということは……)チラッ

ドラえもん「」ニヤァ

キッド「」ダラダラ



ドラえもん「」スタスタスタスタ

キッド「」ドバドバドバドバ



ドーラ「まあ、可哀想だからほっぺちゅーくらいでいいn」ワハハ





ドラえもん「」ズギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!!!!!!!!!





ドーラ「」

リーニョ「」

王ドラ「」

ニコフ「」

メッド「」









キッド「」




キッド(おげえええええええええ!!!!!!! 俺のファーストキスがああああああ!!!!!!)ジタバタ

ドラえもん「」ニュルン

キッド(舌までいれてきおったあああああああああああああああ!!!!!!!!)バタバタバタバタ

キッド「もがあああああ!!!!!」バタバタ

ドラえもん「ぷはぁっ!」

キッド「はぁっはぁっ!」ガクガク


ドーラ「」

リーニョ「」

王ドラ「」

ニコフ「」

メッド「」





ドラえもん「……あいつとのキスはこんなもんじゃねえんだろ?」ギロッ

キッド「」


ドラえもん「ふん」スタスタスタスタ










キッド(まじで今日のアイツ、何なの!?)ガクガクガクガク




キッド「も、もう王様ゲームはやめよう……」フラフラ

リーニョ「え~! 僕まだ一回も王様やってない!」

キッド「やらなくていい! ゲームは楽しむもんだろ!」

リーニョ「……」

メッド「……少し可哀想であるな。ドラリーニョにも一回ぐらいやらせてあげよう」

ドーラ「いいと思うぜ」

ニコフ「がうがう」

王ドラ「私もまだおいしい思いをしていません!」

リーニョ「わーい!」

キッド(もう勘弁してくれ……)シクシク


***


リーニョ「みんなくじを引いた? じゃあ、えーっとね、5番が1番とPK戦! 負けた方が好きな娘の写真を公開!」

ドーラ「おお! いいじゃないか!」

メッド「おもしろい命令であるな。本当に好きな娘か『うそ発見器』で調べられるし」

王ドラ「どうだっていいですよ、そんなの」ブスッ

ニコフ「がうがう(まぁまぁ)」ポン

キッド(俺、5番なんだが……)チラッ

ドラえもん「」ニヤァ ←1番

キッド(まじかよおおおお!!!!!!!)



***


PK戦開始


先攻 キッド   後攻 ドラえもん


ピー!!!!!!



キッド(ま、負けたら俺がへちゃむくれのことが好きだってばれちまう。おまけにあいつの妹だもんな……)


ドラえもん「どした? 怖気づいたか?」ギンッ


キッド(うう……考えるな俺! こういうのは得意なんだ!)


キッド「いくぞぉ~! ドッカーン!」バシュッ



キッド(よし! ナイスコース!)グッ




ドラえもん「『タンマウォッチ』!!」カチッ



―――――――――――――――――――――――――――――――

ピタッ






ドラえもん「『ジャンボガン』!!」



ドラえもん「」ズドンッ


ボール「」パアンッ!!!!!!






カチッ

―――――――――――――――――――――――――――――――



キッド「よっしゃぁ、1点m……えええ?」ガーン

ボールの燃えカス「」メラメラ




キッド「ドラえもん、お前なんか道具使ったろ!」

ドラえもん「さあ?」フッ

キッド「おい審判!」

リーニョ「道具の使用はありです! ただ、一度使ったものは使えません」

キッド「そんなドラベースみたいな……」

ドラえもん「どうした? 次にどの道具使うか考えなくていいのか?」

キッド(くっ……)


ピーッ


ドラえもん「それ!」バシュッ


キッド(ん? 使ってこないのか? ならば!)

キッド「『強力うちわ「風神」』!!」ブンッ




ボール「」ビュオオオオオオオオ 






キッド「やりいっ! よし、次で決めて引き離s」



ドラえもん「『アベコンべ』」チョン→ドラリーニョ




リーニョ「得点が入りました」

キッド「うおい!」ガーン


キッド「審判の思考を変えるのは無しだろうが!」

リーニョ「審判の言うことは絶対です」←また戻した

ドラえもん「だってさ」

キッド「姑息すぎんだろおおおおおおお!!!!!!」


ピーッ!


キッド(大丈夫、ここで止めて次でいれればいいだけだ。それに道具はあとから使った方がいいことも分かった)

キッド(あいつがボールをひみつ道具ではじいた後、このラジコンアンテナで……)ピトッ

キッド「ドッカーン!」バシュッ


キッド(さあ、どう来る!?)


ドラえもん「『無生物催眠メガホン』!!」

ドラえもん「ゴールとライン、逃げろ」


サッカーゴールとゴールライン「」ヒョコヒョコ


キッド「うそん!」


ドラえもん「絶対にボールを入れるな!」


キッド「くそ! 追いかけてやる!」カチカチ





***



10分後



キッド(はぁはぁ、ダメだった……)



ピーッ


キッド(ここからはすべて止める。絶対にだ!)

ドラえもん「いっくぞ~!」バシュッ

キッド「『ビッグライト』!」ビカ

キッド(へん! この俺をゴールよりもでかくしちまえば、入れようにも入れれねーだろ!)ムクムクムク

ドラえもん「『タイムマシン』!!」ブーン



―――――――――――――

10分前


キッド「くそ! 追いかけてやる!」カチカチ  

キッド「見失ってたまるか! エド!」パカラッパカラッ



10分後のドラえもん「このあたりに『どこでもドア』をしかけて……」

10分後のドラえもん「『片づけラッカー』で見えなくして……うしししし」



―――――――――――――


ドラえもん「ただいま」

キッド「へっ、何したか知らねえがシュートを決めるのは不可n」

ボール「」スッ

キッド「」

ボール(ゴール内)「」ポテンポテン


キッド「」





ピーッ

キッド(うぅ……もうやだ……あいつ奇術師かよ……)シクシク

ドラえもん「よーし、ここが正念場だぞ~!」

キッド「くそ! ドッカーン!」バシュッ



キッド「『瞬間固定カメラ』!!」パシャッ




ドラえもん「」ピタッ



キッド「よっしゃあ! これでドラえもんは動けない!」ニヤリ


ボール「」ビスッ


キッド「決まったああああああ!!!!!!! 1点目!!!!!」




***




ピーッ

キッド(うぅ……もうやだ……あいつ奇術師かよ……)シクシク

ドラえもん「よーし、ここが正念場だぞ~!」

キッド「くそ! ドッカーン!」バシュッ



キッド「『瞬間固定カメラ』!!」パシャッ




ドラえもん「」ピタッ



キッド「よっしゃあ! これでドラえもんは動けない!」ニヤリ



ボール「」バイーン コロコロ


キッド「!?」


キッド「ぼ、ボールとゴールにSNワッペンだと!? い、いつの間に!?」



***




キッド(何故だ!? 何故知らぬ間にSNワッペンが……。あと一回ゴール決めたような気が……)ガクガク


ドラえもん(ふ、『わすれろ草』、恐ろしい道具だなぁ……)

訂正 

SNワッペン → N・Sワッペン



キッド(……どうすればゴールに入れないかじゃなくて、どうすれば得点になるのかから考えるんだ! 奇策を生むのではなく、基本に帰る。考えろ、ドラ・ザ・キッド! お前はできる!)

キッド(結局、ラインとゴールに囲まれたこの直方体の空間にボールが入っていれば向こうの勝ちとなる。ということは、この空間にボールが存在できないようにすればいい。この空間に何かがあって……存在できない……)

キッド(それも『スモールライト』なんかで小さくならない何かが……)

キッド「!」ハッ



ピーッ


ドラえもん「それっ!」バシュッ

キッド「『空気ブロックせいぞう機』!」カチーン

ドラえもん「な、なにー!?」

キッド(ここら一体の空気をブロックに変える! これでボールがこの空間に存在することは不可能!)ゴゴゴゴ



空気ブロック製造機「」プスン


キッド「」



ボール「」ビスッ



キッド「」



リーニョ「ゴール‼‼‼‼‼‼‼‼ 勝者、ドラえもん!」

ドラえもん「やったぁ~!」



キッド「何故このタイミングで製造機が壊れるんだよ!!!!!」ガンガン











ドラえもん(『あらかじめ日記』に不可能はないのさ)ニヤリ



***


リーニョ「というわけで、キッドの好きな娘の写真を見せてね!」

王ドラ「もしミミ子ちゃんだったらカンフーでぶっ殺します」

ニコフ「がうがう」

メッド「それにしてもすごい試合だったであるな。途中の記憶がないが……」

ドーラ「誰なんだ?」

キッド「うぅ……」///

キッド「」チラッ

ドラえもん「」ギロッ!

キッド「うぅ……」ビクビク




キッド「こ、この雌猫だよ……」/// ピラッ

リーニョ「わあ、かわいい猫だねぇ~! 真っ白!」

王ドラ(み、ミミ子ちゃんよりも数段かわいい……)鼻血ダラダラ

ニコフ「がうがう(確かにかわいい)」

ドーラ「……で、これは本当に一番好きな娘なのか?」

メッド「嘘であ~る」

キッド「」





ドラえもん「てめえ何、嘘ついてんだ! あんなことしといて!」ボコボコ

キッド「わ、悪かった! 恥ずかしかったんだ! っていうか、あんなことって何!?」ゴロゴロ



キッド「ひぃひぃ……こ、このへちゃむくれだよ……」/// ピラッ

リーニョ「え!? キッドってドラミちゃんのことが好きなの?」

ドーラ「ヒュウーヒュウー! 肌の色で親近感沸いたか? ヒュウー!」

キッド「」/// カアアアアアアアアアア

ニコフ「がうがう(ありっちゃあアリ)」

王ドラ(これはナシですね……)

メッド「今度は嘘をついていないのであ~る」

キッド「も、もう暴露したんだからいいだろ! ほかのことしようぜ!」///







ドラえもん「誰がへちゃむくれだ!!」ボコボコ

キッド「うわあ、すまんすまん! 本心から言ってるわけじゃねーって!」ゴロゴロ


ドラえもん「そのへちゃむくれと昨晩、何してたんだ!」ボコボコ

キッド「さ、昨晩? 何にもしてねえよ!」ゴロゴロ

ドラえもん「嘘こけ! あいつを無理矢理すっぽんぽんにした挙句、股間の空気砲でドッカンドッカンやってたんだろうが!」ボコボコ

キッド「何だよ、股間の空気砲って!? んなもんねえよ! っていうかもとからすっぽんぽんだよアイツ!」ゴロゴロ

ドラえもん「ドラメッド! この間男をうそ発見器で調べてくれ! こいつのせいでドラミやセワシ君が!」オーイオイオイオイ

キッド(ぜ、全然話を理解できん……)ズタボロ

リーニョ「ドラえもんって妹思いなんだね!」

ドラえもん「うわあああああああああん!!!!!」ポロポロポロポロ ズルズルズルズル

キッド(そして誰も俺に同情しないこのメンバー。もう何を信じればいいの……)シクシク



メッド「さっきから調べているのだが、どうも嘘はついていないようであ~る」






ドラえもん「」




ドラえもん「ひょ?」

ドラえもん「いや、だって……昨晩ドラミと……」

キッド「昨晩はタイムパトロールの仕事してたぞ」

メッド「嘘をついていないのであ~る」


ドラえもん「」



ドーラ「なんだ? ドラえもんの妄言か?」

リーニョ「それはあんまりだよ!」

ニコフ「がうがう(これだから青ダヌキは……)」

王ドラ「それよりもさっきの白い猫ちゃんの写真を貸してください。ちょっとトイレ行ってきますんで」

ドラえもん「だって……だって……」ポロポロ

キッド「もう忘れてやるから別の話しようぜ、な!?」

ドラえもん「うぅ……」


メッド「まったくドラえもんはおとぼけさんであるなぁ」

キッド「おい! それ以上言うなよドラメッド!」

ドラえもん「う、う……うぬう!  そこまで言うなら証拠を見せてやる! 『タイムテレビ』!」ニュリン


ザワザワ ナンダナンダ


リーニョ「ドラえもんズ以外のみんなも集まってきたね!」

ドラえもん「妹の濡れ場をみんなに晒すのは兄としてつらいが! これもキッドの悪事を白日のもとにするため!」

キッド「だ、だからやましいことはしてねえって……」





ミミ子「王ドラさんがどこか知らない?」

ドーラ「あいつならトイレ行ったぜ」

ミミ子「ありがとう!」





ドラえもん「時間を昨日の夜に合わせて……」カリカリ

キッド「な、なぁホントやめねえか? なんか嫌な予感がする……」

ドラえもん「ここまできてやめられっか! かわいい妹に手を出しやがって!」ピコピコ

キッド「い、いや、お前のためを思ってだな……」

ドラえもん「よし! 映ったぞ!」ポチッ




――――――――――――――――――

昨晩 ドラミの部屋



ドラミ「『どこかな窓』でキッドの腕を引っ張って……」グイッ

ドラミ「『コピーロボット』の鼻を押させる……」ポチッ

コピーロボット「」ブーン
  ↓
キッド「」ブーン

ドラミ「できたできた!」キャッキャッ

――――――――――――――――――



ドラえもん「」

キッド「」

ニコフ「」

メッド「」

リーニョ「」

ドーラ「」



 











アーン、ランボウニシチャ ヤ!

ココガキモチイイノカ?

ダ、ダメー! エッチ!

オ、オーイ…… コエガモレテルヨ ドラミチャン……

ソンナノハズカシイワヨー!! アンアン!

ダメダ キコエテネーヤ






ドラえもん「」

キッド「」

ニコフ「」

メッド「」

リーニョ「」

ドーラ「」




オレノコカンノクウキホウ! ドッカーン! ドッカーン!

アン、ダメ! ハゲシスギ!


ドラえもん「」ポチッ


――――――――ブンッ――――――――


キッド「」

ニコフ「」

メッド「」

リーニョ「」

ドーラ「」



リーニョ「……コピーロボットの悪用はダメだと思うな……」

ドラえもん「」/// カアアアアアアアアアアアア



ドーラ「……やっていいことと悪いことぐらいは教えようぜ、お兄ちゃん……」

ドラえもん「」/// カアアアアアアアアアアアア



メッド「人生、そういうこともあるぞよ」ポン

ドラえもん「」/// シクシクシクシク


ニコフ「がうがう(元気出して)」ポン

ドラえもん(?)/// ポロポロポロポロ


キッド「なんか、すまん……」

ドラえもん「」/// ズルズルズルズル




シーン



王ドラ「あれ? みなさんどうしたんですか、押し黙って。何があったんですか?」スタスタ

ドーラ「い、いや、まあ色々とな……。それよりトイレで長いこと、何やってたんだよ?」

王ドラ「え? それはまぁ……猫ちゃんの写真とプラモ化カメラでその……でゅふふふふふふふ……」///

ドーラ「……そ、そうか……。あ、そういえばミミ子ちゃんがお前のこと捜してたぞ?」

王ドラ「ミミ子ちゃんですか? それはそれは、わざわざすみません」

ドーラ「お、おう……」



王ドラ「それよりも、その猫ちゃんの実物大プラモで何をしたかというとですね……」///

ドーラ「いや、いい……。聞きたくない……」

王ドラ「まず僕の股間部にですね……」///

ドーラ「お、おい……王ドラ、後ろ……」ビクビク

王ドラ「へ?」クルリ













ミミ子「」メラメラメラメラ







王ドラ「」





王ドラ「……に、你好」ダラダラ

ミミ子「」ガシッ つ王ドラ  

王ドラ「」ズルズルズルズル





***


その日、ドラえもんはしばらく療養するという置手紙を残して、再び未来に帰っていった。

ドラミちゃんはドラえもんから何かを聞かされたあと、押し入れに閉じこもって出てこない。

ときおり泣き声が聞こえるのだが、ホントに何があったんだろう……。

それから王ドラから「救命啊 !」というオイルで書かれた手紙が来たけど、漢字が難しくて意味がよく分からない。

まぁ「お元気ですか」みたいな意味なんじゃないかなぁと思う。




――のび太の日記――





おしまい




©藤子プロ・小学館 ©藤子プロ ©藤子スタジオ 

2016年公開予定『ザ・ドラえもんズ ~ヤリチンキッドをやっつけろ!~』原案

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