勇者「安価で旅をしよう」 (114)


※完全ノープランまったり更新安価スレです。ふと思い出した時に覗いていただけると幸いです。

※エロ・グロ・ナンセンス、ksk等は安価下となります。基準は>>1の独断と偏見によります。

※だいたい100レスくらいまで行ったら、お話をたたむ方向で考えています。


それでは、ゆっくりまったりお願いします!




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385825284



~王城・謁見の間~



勇者「どうもはじめまして、僕が勇者です」ペコッ

王女「よくぞ来たな、勇者。じつは今日お前を呼んだのは他でもない、お前の実力を見込んで依頼をしようと思ってな」

勇者「王女様に頼りにされるなんて光栄です。僕なんかでよかったらいくらでも力になりますよ!」

王女「ふふ、頼もしい限りだな」

勇者「それで、依頼というのは……?」

王女「うむ、じつは最近、魔王が>>2を始めてな……」

勇者「ええっ!? 魔王が>>2を!?」



王女「うむ、じつは最近、魔王が農作業を始めてな……」

勇者「ええっ!? 魔王が農作業を!?」

王女「しかも完全無農薬……栄養も豊富、みずみずしくて歯ごたえ抜群だ」

勇者「な、なんてことだ……!」ガクッ

王女「勇者、そこでお前には旅に出てもらいたい」

勇者「!」

王女「そして>>7をするのだ!!」

勇者「>>7を!?」

田植え



王女「そして田植えをするのだ!!」

勇者「田植えを!? いったいなぜ……!」

王女「もしも魔王印の農作物が人間の国で猛威を振るったら、どうなると思う?」

勇者「ハッ! そうか、より安くて安全でおいしい農作物に民衆は飛びつく……そうなったら人間の国の食料自給率が……!」

王女「そう……一見して穏やかに見える魔王の行動は、じつは戦略級魔道兵器の投入よりも恐ろしい侵略行為だったのだ」

勇者「な、なんとおそろしい……さすがは魔族の王といったところか!」

王女「そこで勇者。お前には手始めに、魔王印の米よりも良品質な米の開発と生産を命じる!!」

勇者「なるほどそれで田植えなんですね。わかりました! 人間の国を守るため、この勇者、全力で田植えに取り組みます!!」

王女「ふふ、さすがは私の見込んだ男だ……。そうだな、手始めに>>11にでも行くといい」

勇者「>>11……ですか?」

のうきょう



王女「ふふ、さすがは私の見込んだ男だ……。そうだな、手始めに農協にでも行くといい」

勇者「農協……ですか?」

王女「正確には農業協同組合という。つまるところ、農業に関する業務に深く携わっている組織だな」

勇者「なるほど、そこで農業についてしっかりと学んでから米の開発に取り組むということですね」

王女「お前は本当に物わかりが良くて助かるよ」ニコッ

勇者「そ、そんなこと……///」

王女「農協の会長は私の知り合いでな。あいつには私からアポを取っておくので、早速そちらへ向かってくれ」

勇者「了解です! ……ところで王女様、その会長というのはどんな人なんでしょう?」

王女「そうだな……一言で言うと、>>15といったところか」

勇者「>>15ですか!?」

矢神月



王女「そうだな……一言で言うと、夜神月といったところか」

勇者「夜神月ですか!?」

王女「ああ、DEATHN○TEの主人公のな」

勇者「王女様ってマンガとか読むんですね……」

王女「や、やっぱりまずいかな……? お、王女だってサブカルチャーに興味あるんだぞっ!」プンスカ

勇者「あ、いえ、そういう意味では……ごめんなさい」

王女「コホン。とにかく、会ってみればわかる。癖の強いヤツだが悪い奴ではないぞ」

勇者「はい、それでは行ってきます!」



~農協本部・会長室~


会長「やあ、はるばる足を運んでもらって申し訳ないね」

勇者「いえいえ、これもお仕事ですから」

会長「王女様から概ねのことは聞いているよ。たしかに魔王の昨今の農作物侵略には僕たちもほとほと困っていてね」

勇者「そこで、農作業や田植えについていろいろとお聞きしたいんですが」

会長「おっと、その前に」

勇者「?」

会長「勇者として一つ、引き受けてほしい依頼があるんだ。それをクリアしてもらえたら、きみに農作業指導員を一人つけよう」

勇者「えっ……依頼、ですか?」

会長「なに、そんなに警戒しなくてもいい。じつは>>20してもらいたいんだ」

勇者「>>20って……」

覚醒


良い子はそろそろ寝る時間ですので、いったん休憩ということでおねがいします。

次回「勇者、覚醒」 おたのしみに。




会長「なに、そんなに警戒しなくてもいい。じつは覚醒してもらいたいんだ」

勇者「覚醒って……」

会長「きみも知ってると思うが、勇者というのは代々、奇妙な能力を有して生まれてくるらしいね」

勇者「そうですね。逆に言えば、その変な力を持って生まれてくるのが勇者、ともいえますね。最初から使えるわけじゃないみたいですけど」

会長「きみの能力によっては、こんなまどろっこしいことをしなくても魔王を[ピーーー]なりして事件解決ができるかもしれない」

勇者「……いや、でもそんなにいきなり[ピーーー]とか殺さないとかっていうのは物騒なんじゃ……」

会長「なに言ってるんだ? 人に迷惑しかかけないような存在は一刻も早くこの世界から消すべきだよ」

勇者「は、はぁ。……それで、覚醒っていうのはどうやるんですか?」

会長「なんだ知らないのか。あのね、覚醒というのは>>24をすればいいんだよ」

勇者「>>24……!?」

やる気なさげに「かくせ~」って言う



会長「なんだ知らないのか。あのね、覚醒というのは、やる気なさげに「かくせ~」って言えばいいんだよ」

勇者「やる気なさげに「かくせ~」って言う……!?」

会長「ああ。死ぬほど気だるげにね。「ハァ~なんか1兆円くらい拾わね~かな~」みたいな脱力感でだ」

勇者「簡単そうですけど言われないと一生気づかないような条件ですね……っていうか修行とかは!?」

会長「修行して能力を得るなんて、そんなの普通の人じゃないか。きみは勇者だよ?」

勇者「な、なるほど……」

会長「じゃあ早速頼むよ」

勇者「よ、よぉし……かくせ~」ダラーン

会長「どうだい? なにか変わったところはあるかな?」

勇者「は、はい……! >>26>>27できそうです!!」

会長「>>26>>27する能力だって……!?」

農作物

水産物に変える



勇者「は、はい……! 農作物を水産物に変えられそうです!!」

会長「農作物を水産物に変える能力だって……!?」

勇者「あっ、でもここは農協なのに……」

会長「い、いや、気にしなくてもいいよ。そうか、しかし面白い能力だね。普通に考えれば野菜を魚に変えて魔王領に輸出し直せば、銀を金に変えるようなものだよ」

勇者「錬金術みたいですね!」

会長「農協の会長としては複雑な気分だが、魔王印の農作物を勇者くんの錬金術で水産物に変えて出荷し直し、その差額収入で人間の国の農業を支援すれば……」

勇者「な、なるほど! すべて解決ですね!!」

会長「さすが勇者くんだ、魔王の暴虐を阻止するためだけにピンポイントで誕生した能力のようだね」

勇者「えへへ」テレテレ

会長「そうなると農作業指導員をきみにつける理由もないんだが……せっかくだから農作業を少し体験していくといい」

勇者「そうですね! じつは一度やってみたかったんです。やっぱり自分が食べているものに、もっと感謝したいですから」

会長「殊勝な心がけだね、きみもノートに名前を書いておこう。では、そうだな……指導員はあいつにするか」ペラペラ

勇者「そ、その白いノートはなんですか? なんか人の名前がたくさん書いてありますが」

会長「白いノートには期待している優秀な人材、黒いノートには首を切る人材の名前が書かれているんだ」

勇者「……な、なるほど」ゴクリ

会長「よし、きみの指導員を決めたよ。>>29なやつだが、とても優秀で信用できる人物だよ」

勇者「>>29……ですか?」

虫嫌い



会長「よし、きみの指導員を決めたよ。虫嫌いなやつだが、とても優秀で信用できる人物だよ」

勇者「虫嫌い……ですか?」

会長「きみに教えるのは田植えだが、田んぼは虫が大量にいるので絶対に近づかないだろうね」

勇者「よくそれで農協に所属してますね!?」

会長「僕ほどじゃないが、そこそこ頭も回る子だからね。期待して良いよ」

勇者「わ、わかりました」

会長「それじゃあ僕から連絡をしておくから、きみは3階の農業実習室に向かってくれ」

勇者「その前に王女様への連絡をしてもいいですか?」

会長「それも僕が責任をもって連絡しておこう。今回は特に僕の頭脳を生かす場面もなかったしね」

勇者「そんなことありませんよ。えっと、それじゃあお言葉に甘えて、連絡はお願いしますね」

会長「ああ、任せてくれ。それじゃあまたね、勇者くん」

勇者「はい、ありがとうございました!!」



~農協・農業実習室~


指導員「あんたが勇者?」

勇者「あ、どうも。きみが指導員なんだ。よろしく!」

指導員「じゃ、田植え教えるからよく見てて」スッ

勇者「えっ、この部屋で教えるの? 学校の教室みたいな、ただの部屋だけど……」

指導員「手順を説明するだけのことを実地で行う意味は薄いでしょ。宇宙飛行士が宇宙で訓練するとでも思ってんの?」

勇者「そっか、言われてみればそうだね。ごめん」

指導員「……ふぅん、けっこう素直じゃん。勇者っていうくらいだから、もっと偉そうだと思ってた」

勇者「先生の言うことは素直に聞かないとね」

指導員「先生……!? そ、そんなの初めて言われた……!!」///

勇者「そ、そうなんだ。まあ見た目がちっこいからかな……?」ボソッ

指導員「ふふ、先生が手とり足とり教えてあげるから」ニコニコ

勇者「魔法を使わない、昔の農業なら学校で習ったんだけど」

指導員「昔の農業と現代の農業はけっこう違うわ。特に決定的な違いは、>>32かしらね」

勇者「>>32……!?」

魔術を使えば手間と時間をかけずに済む



指導員「昔の農業と現代の農業はけっこう違うわ。特に決定的な違いは、魔術を使えば手間と時間をかけずに済むことかしらね」

勇者「魔術を使えば手間と時間をかけずに済む……!?」

指導員「昔はトラクターや農薬なんかを使っていたけれど、それもたいぶ軽減されたわね」

勇者「そうなんだ。でも完全無農薬にできるのは魔王だけなんだよね?」

指導員「それもこれも全部虫が悪い。いま私は全世界から虫を絶滅させる魔法を開発してるから期待しててね」

勇者「そ、そう……」

指導員「まぁでも教えてすぐ使える魔法じゃないから、手作業で田植えをする方法を教えてあげるわね」

勇者「苗を田んぼに植えていくんだよね? こうやって」スッ

指導員「その前に、苗を適量にバラして結んで、それからその束を植えるのよ」

勇者「そっか、最初から束になってるわけじゃないもんね」

指導員「じゃあ教えてあげるから、よく見ててね」

勇者「ああ、わかった」

指導員「それが終わったら、4階の農業体験場で実地体験するわよ」



~農協・農業体験場~


勇者「よい、しょっと……ああ、これ腰に来るなぁ」

指導員「さすがに全部手作業でやるわけじゃないけど」

勇者「でもトラクターが開発される前は全部手作業だったんでしょ? すごいよなぁ……」

指導員「それだけ米が重要な食糧源だったってことね。時代を顧みれば古人の所業には常に感心するものよ」

勇者「ほんと、便利な時代になったよね。それも血と汗の結晶なんだけどさ……よし、終わり!」

指導員「お疲れ様。じゃあ向こうの洗浄室で……ちょ、ちょっ! 近づくんじゃないわよ!!」

勇者「え?」

指導員「屋内の田んぼの中にだって、マダニとかはいるんだから!! そのゴム靴っとかゴム手袋に大量に……想像しただけで怖気が走るわ!!」

勇者「……あはは」

指導員「感染症とかになりたくなかったら、田んぼに素足で入るなんてバカなことしないようにしなさいよ!?」

勇者「わ、わかったよ」

指導員「そう。じゃあ……これっ」

勇者「これは……>>35?」

指導員「そう、>>35。会長から話は聞いてるわ。農協を助けてくれたらしいから……その、おみやげよ!」

純金の仮面



勇者「これは……純金の仮面 ?」

指導員「そう、純金の仮面。会長から話は聞いてるわ。農協を助けてくれたらしいから……その、おみやげよ!」

勇者「こんな高そうなもの……いいの?」

指導員「たまたま今日、知り合いに見せようと持ってきたものなんだけど……もっといいもの持ってくればよかったわね」

勇者「こんなものをポンとあげちゃうなんて、お嬢様なんだね」

指導員「そんなことないでしょ?」キョトン

勇者「自覚ないんだ……まあ、大事にさせてもらうね」

指導員「そうしなさい。じゃあ、私は仕事に戻るから、あとは会長に任せるわね」

勇者「ありがとう、いい経験できたよ!」フリフリ

指導員「ん」フリフリ



~農協・会長室~


勇者「田植えがあんなに大変だとは思いませんでした」

会長「どんなものでも、食べられる物をつくるための作業はえてして大変なことだからね。だからこそありがたみがある」

勇者「命を頂いているという自覚と責任をもって食事しようと、改めて思いました」

会長「じつに勇者らしい満点の回答だね。それから、この事を王女様に連絡したら、一応能力がどんなものか試しておけとのお達しだ」

勇者「なるほど、それでここにトマトや大根が並べられているわけですか」

会長「物わかりが良くて助かるよ。それじゃあ、頼んだよ」

勇者「はい。……えいっ!!」ピカッ

会長「……ほう、すごいな。トマトはホタテに、大根はブリになったぞ」

勇者「しかも生きてますね」

会長「これなら計画に支障はなさそうだね。一応、このことは僕や一部の農協幹部だけに通達しておくので、あまり大っぴらに触れ回らないようにしてくれよ」

勇者「会長のデスノートに載らないようにしますね」

会長「ふふ、そうしてくれ」クスッ

勇者「それじゃあこの後、僕はどこに行けばいいんでしょうか?」

会長「そうだね、>>38へ向かってくれ」

北の温泉街



会長「そうだね、北の温泉街へ向かってくれ」

勇者「北の温泉街? それはまたどうして……」

会長「いやなに、きみがあまりにもスムーズに人間の国を救ったものだからね、王女様からの褒美だそうだよ」

勇者「なるほどそういうことですか。でもまだ世界を救ったわけでもないのに遊んでいていいんでしょうか?」

会長「さすがは勇者、といった正義感と責任感だ。とはいえ農協がきみ無しではすぐに陥落してしまうような組織だと思われるのは心外だな」

勇者「あ、いえ、そういうつもりじゃ……」

会長「わかってるさ。いじわるを言って悪かったね。旅の疲れをじっくりと癒すといい」

勇者「はい、ありがとうございました!」ペコッ



~北の温泉街~


勇者「へぇ、初めて来たけどいいところだなぁ。街並みも穏やかで、自然も豊富だ」

勇者「温泉なんて久しぶりだから楽しみだし……王女様に感謝しなくちゃな」

勇者「ん? あれはもしかして……>>42か!?」

仲間の魔法使い



勇者「ん? あれはもしかして……(仲間の)魔法使いか!?」



魔法使い「」テクテク



勇者「へー、こんなところで見かけるなんて偶然だなぁ。もしかして誰かと一緒に来てるのかな?」

勇者「うわ、魔法使いが今出てきたところって、僕にあてがわれてる旅館と同じところじゃないか!」

女将「ご予約されていらっしゃる勇者様でございますか?」

勇者「えっ、あ、はい!」

女将「わたくしが宿の女将でございます。なにかございましたら、なんなりとお申し付けください」ペコッ

勇者「はあ、どうも……。あ、あの女将さん。今出て行った人って、ここに泊まっているんですか?」

女将「はい。すこし小耳にはさんだのですが、なんでも>>44なのだとか」

勇者「えっ」

腰痛の湯治に来た



女将「はい。すこし小耳にはさんだのですが、なんでも腰痛の湯治に来たのだとか」

勇者「えっ」

女将「それではお部屋にご案内いたします」スタスタ

勇者「は、はい……」

女将「勇者様のお噂とご活躍は聞き及んでおりますので、貴賓室へご案内いたしますがよろしいでしょうか?」

勇者「ありがとうございます」

女将「この温泉街の温泉はどこも顔パスで入り放題ですので、お疲れを存分に癒してくださいませ」

勇者「ええ。ついさっきまで農業体験をしていたので、体が悲鳴を上げているんですよ」

女将「でしたら、>>46が良いかと」

勇者「>>46、ですか?」

電気くらげの電気風呂



女将「でしたら、電気くらげの電気風呂が良いかと」

勇者「電気くらげの電気風呂、ですか?」

女将「ドクターフィッシュのようなもので、いま健康に良いと注目されているのです」

勇者「電気って、感電とか大丈夫なんですか?」

女将「電気クラゲは電気を発する生物ではありませんので。ですから電気風呂というのも比喩ですね」

勇者「あ、そうなんですか」

女将「しめじのように小さなクラゲなので、刺激はありますが痛みはありません」

勇者「それじゃあ、ちょっと行ってみようかな」

女将「宿を出て右手に行けばすぐに着きますよ。ちょうど、さきほどの魔法使い様にもお勧めいたしました」

勇者「じゃあもしかしたら、ばったり会うこともあるかもしれないな」



~北の温泉街・電気クラゲの電気風呂・休憩室~


勇者「ふう、面白いお風呂だったな。さて、風呂上がりにはコーヒー牛乳だな」ホカホカ

店員「いらっしゃいませ。あ、勇者様ですね。お代は結構ですよ」

勇者「な、なんか申し訳ないですね」

店員「なにを仰いますやら、人間の国の救世主様からお代なんていただけませんよ」ヒラヒラ

勇者「あはは、そんな大げさなものじゃ……。えっと、じゃあコーヒー牛乳をひとつ」

店員「かしこまり!」

勇者「ありがとうございます」ゴクゴク

店員「そういえば、さっきまでここで休んでた人もコーヒー牛乳買っていきましたよ。いまどきそんなベタなことする人は珍しいですね」

勇者「もしかしてその人、魔法使いかな。それってどんな人でしたか?」

店員「どんな人って……そうだなぁ、>>49でしたね」

勇者「あはは、それは間違いなく魔法使いですね。変わらないなぁ」

すごく礼儀正しくて元気な人



店員「どんな人って……そうだなぁ、すごく礼儀正しくて元気な人でしたね」

勇者「あはは、それは間違いなく魔法使いですね。変わらないなぁ」

店員「お知り合いですか?」

勇者「仲間の一人です。今回の旅はたまたま一人でしたが。それより、この街の名物とか、イベントとかってありますか? せっかくだから観光していきたいんですが」

店員「ああ、そりゃもう是非ゆっくり見てってくださいな! そうだなぁ今は……>>53かな」

勇者「>>53?」

乗馬



店員「ああ、そりゃもう是非ゆっくり見てってくださいな! そうだなぁ今は……乗馬かな」

勇者「乗馬?」

店員「といっても、馬に乗って温泉街を巡るっていうサービスですがね」

勇者「ああなるほど、そういう……」

店員「なかなか風情があっていいもんですよ」

勇者「さっそく探してみます。ありがとうございました」

店員「いやいや、それじゃあごゆっくり」ヒラヒラ

勇者「はい、失礼します」フリフリ



~北の温泉街・街道~


勇者「うわ、思ったより揺れますね! それに高い!」パカラ、パカラ

案内人「はは、みなさん最初はそうおっしゃいますね」

勇者(こりゃあ腰痛持ちの魔法使いは体験できないだろうな、かわいそうに)

案内人「それにしても勇者様は筋がいいですね。体幹がしっかりしているからでしょう」

勇者「一応、昔から鍛えてますからね。さすがに乗馬訓練なんてしたことはありませんでしたけど」

案内人「さすがです。……おっと、ここは右へ曲がりましょう」

勇者「あれ、まっすぐ行けば滝があるって看板に書いてありますけど」

案内人「じつは先ほど、あちらの方で>>56という連絡がありまして……」

勇者「ええっ!?」

温泉が湧き出た



案内人「じつは先ほど、あちらの方で温泉が湧き出たいう連絡がありまして……」

勇者「ええっ!?」

案内人「まぁ温泉街ではよくあることです」シレッ

勇者「ええっ……そうなんですか? なんだか一気に足元が怖くなってきたんですが」

案内人「ということですので、あちらから回っていきましょう。明日か明後日には整備も完了して、観光スポットも見学できると思います」

勇者「なるほど、じゃあ今日は軽くぶらぶらして、後日また見て回ろうかな」

案内人「それがよろしいかと」ニコッ



~北の温泉街・宿~


女将「おかえりなさいませ」ペコッ

勇者「あ、どうも」

女将「乗馬体験はいかがでしたか?」

勇者「ええ、貴重が体験ができました。思ったよりいろんな筋肉を使うんだなって驚きましたけどね」

女将「それはようございました。ところで勇者様、さきほど勇者様にお客様がいらっしゃいました」

勇者「えっ、僕に?」

女将「まだお戻りならないとお伝えしましたところ、では待つとおっしゃって……ですので、勇者様のお部屋のお隣にある客間にお待たせしております」

勇者「そうですか、ありがとうございます。ところで、それはどんな人でしたか?」

女将「>>59

勇者「!!」

全身を鎧を身にまとった女性です…。とても堂々としておられました…



女将「全身を鎧を身にまとった女性です……。とても堂々としておられました……」

勇者「!!」

女将「いかにも怪しかったのですが、勇者様のお連れの方かもしれませんので無下にもできず……」

勇者「いえ、ありがとうございました」

女将「お部屋は宿の最奥部ですので、これからご案内いたします」

勇者「よろしくおねがいします。それと、晩御飯はまだ大丈夫ですから」

女将「かしこまりました」

勇者「いやぁ、こんな豪華な宿に泊まったのなんて初めてですから、今から料理が楽しみですよ」

女将「腕によりをかけますので、ご期待ください。……ところで、鎧の女性はお知り合いの方でしょうか? 覚えがないのであれば、用心棒をお呼びしますが」

勇者「>>62

私の師匠で姉なので通してください…



勇者「僕の師匠で姉なので通してください……」

女将「あら、そうでしたか。これは失礼なことを……」

勇者「気にしないでください、急にあんな恰好の人間が来たら驚くのも無理はありませんから」

女将「ではお食事を運ぶタイミングをあとでお聞きしますので」

勇者「ええ、ありがとうございます」

女将「それではお部屋へ向かいましょう。こちらです」

勇者「見れば見るほど立派な旅館で、楽しみだなぁ」ワクワク



~北の温泉街・旅館・貴賓室客間~


騎士「遅い」

勇者「突然押し掛けてきてなに言ってるんだよ、お姉ちゃん……」

騎士「まったく、もし私が勇者くんの首を狙う暗殺者だったなら一体どうなっていたと思う?」

勇者「堂々と玄関から入ってきたことに驚くと思うよ」

騎士「揚げ足を取るんじゃない。勇者に選ばれたくらいで私に勝ったつもりなのか? 私に一度だって勝ったことのない勇者くんが」

勇者「そうそう、お姉ちゃんが勇者に選ばれなかった理由が今日やっとわかったんだよ」

騎士「なんだ、言ってみろ」

勇者「ガチガチの堅物マジメ人間であるお姉ちゃんじゃ、覚醒(やるきなさ気に「かくせ~」って言う)ができないからだよ」

騎士「……?」キョトン

勇者「それよりも、いきなり押し掛けてきて一体なんの用なの?」

騎士「ふむ、それがな、聞いて驚くなよ」

勇者「な、なに? 怖いな……」

騎士「じつは、>>65

勇者「!?」

伝説の剣を持ってきたんだ


(安価は安価なのです。)



騎士「じつは、伝説の剣を持ってきたんだ」

勇者「!?」

騎士「ふふ、驚くなと言っただろうに」ニヤッ

勇者「いや、だって……」

騎士「勇者くんの言わんとしているところはわかるぞ? 王国の騎士団が長年探し求めてきたアイテムを、私が持っていることに驚きが隠せないのだろう?」

勇者「え、あの……」

騎士「この剣があれば魔王と戦うことができるという伝説の剣が盗まれてからというもの、ずっと探し続けられてきたからな。しかし私にかかれば失せ物探しなぞ朝飯前よ」

勇者「ここんところお姉ちゃんを見かけないなと思ったら、そんな旅に出てたんだ……って、だからそうじゃなくって!」

騎士「なんだ、礼も言えないのか? これで魔王の攻撃から身を守れるんだぞ? もっと私に感謝すべきだと思うが」フフン

勇者「もう魔王の侵略はとりあえず阻止したんだけど」

騎士「……。……ん?」

勇者「お姉ちゃんがいない間に、僕が魔王の農作物侵略は対策しておいたから、しばらく人間の国は平和だよ?」

騎士「……え、あの……ええっ?」

勇者「いやまぁ、伝説の剣があって損はないけどさ」

騎士「…………」グスッ

勇者「お姉ちゃん!?」



勇者「いやほんと美味しいね! この旅館、言うことなしだよ!」

騎士「……」

勇者「あのさお姉ちゃん、ご飯がまずくなるから不貞腐れないでよ」

騎士「ふてくされてなどいない!」クワッ

勇者「ならいいけど。……あ、そうそう、この旅館に魔法使いも泊まってるんだよ。知ってた?」

騎士「気配でわかる。馬鹿にするな」

勇者「……相変わらず意味わかんない気配察知能力だね」

騎士「歩き方がぎこちないところから察するに、怪我でもしているんだろう。見舞いには行ったのか?」

勇者「いや、なんか偶然見かけただけなのにプライベートでわざわざ声をかけるって変かなって思って」

騎士「なにを言っているんだ、仲間ならそれくらい当然だろう。さっさと行け」

勇者「うぅん……わかったよ。行ってきます」スクッ

騎士「ああ、そうそう忘れていた。王女様から勇者くんへ伝言だ」

勇者「え?」

騎士「『>>70』……だそうだ」

魔王軍一行が農業研修に来た



騎士「『魔王軍一行が農業研修に来た』……だそうだ」

勇者「どうしてそんな大切なことを忘れてるの!? バカなの!?」

騎士「いやだって、伝説の剣が……」

勇者「そんなことより重大でしょこれは!!」

騎士「そんなこと……!? 私の3ヵ月の冒険と死闘が、そんなこと!?」

勇者「は、早く城に戻らないと!! くそ、ここから馬車なら6時間以上はかかるぞ……」

騎士「それこそ、魔法で飛んでいけばいいだろう」

勇者「そうか、魔法使いの魔法で……!」

騎士「ちなみに魔王軍といっても全員が来たわけじゃないぞ。向こうの内部事情もゴタゴタしているようでな」

勇者「どれくらいの数かわかる?」

騎士「聞くところによると、>>72くらいらしい」

100



騎士「聞くところによると、100人くらいらしい」

勇者「くそ、そんなに……! 魔法使いのところに行こう!」ダッ

騎士「いや、その必要はない」

勇者「え? なに言って……」

騎士「さきほどからその扉の向こうで聞き耳を立てているからな」

勇者「えっ!?」

ガララッ

魔法使い「!」

勇者「魔法使い……?」

魔法使い「>>76

勇者様お久しぶりです!元気にしてましたか!?もちろん私は元気です!
さぁ行きましょう!!すぐ行きましょう!!ゴーゴー!!レッツゴー!スタートォ!!!


(※クレグレモケンカハヤメテクダサイネー)



魔法使い「勇者様お久しぶりです! 元気にしてましたか!? もちろん私は元気です! さぁ行きましょう!! すぐ行きましょう!! ゴーゴー!! レッツゴー! スタートォ!!!」

勇者「そのノリなら盗み聞きを誤魔化せるとでも思っていたのかな?」ニッコリ

魔法使い「な、なんのことでしょう!? さあ魔法の準備に取り掛かりますね! 魔法陣を書きますから20分くらい時間をください!」

勇者「……まあいいか、準備をお願いね。お姉ちゃんも来る?」

騎士「行かないわけにもいくまい」

魔法使い「大急ぎで書きますからね! キュッキュッキューっと!」キュキュキュッ

勇者「魔法が発動すれば書かれた魔法陣は消えるとはいえ……よくこんな高そうな机に油性マジックで魔法陣書けるよね……」

騎士「待っているあいだは暇なので、料理を食べてしまおう。残してしまうのは食材にも料理人にも失礼だ」

勇者「そうだね。あと旅館の人に書置きをしておこうか」

魔法使い「ここがこうなって、そこがああなって……イタタ、腰がっ!?」ビキッ

勇者「そういえば、魔法使いは腰痛って聞いたんだけど……どうしてそんなことになってるの?」

魔法使い「えっと、それはですね……じつは>>89

空元気なんです…。正直辛いです


(会話が噛み合ってないので、すみません安価下で)



魔法使い「えっと、それはですね……じつは魔王の手下を倒した時に転倒して腰を打ったので……」

勇者「そうなんだ。城に飛ぶのは僕らだけでいいからね」

魔法使い「えっ! いえ私も行きますよ!!」

勇者「いや……そんなへっぴり腰じゃ、いざってとき戦えないし」

騎士「私もついているから心配は無用だ。ゆっくりと体を休めるといい」

魔法使い「……はい」シュン

勇者「魔法陣が完成次第、すぐに城へ飛ぶからね。お姉ちゃん、心の準備は良い?」

騎士「もちろんだ」



~王城~


勇者「よっと」シュタッ

騎士「」スタッ

侍女「え、勇者様と騎士様? 空から突然、どうなさいましたか?」

勇者「魔王軍はどこです!?」

侍女「あちらのセミナー室に、王女様と」

勇者「王女様も!? くっ……」ダッ

侍女「あ、勇者様!? 今は……!!」



~王城・セミナー室~


勇者「……」


王女「ですから台風に備えて、ビニールハウスにはこういった金具を取り付けましょう」

魔王軍「ふむふむ」カキカキ

王女「なにか質問は?」

魔王軍「はい! あの、その金具はどれくらいまで地中に差し込めばいいんでしょうか?」

王女「良い質問ですね。金具をよく見てください。ここに印がついていますね。土壌の状態にもよりますが、この印が隠れるくらいが目安とされています」

魔王軍「なるほど、ありがとうございます!」カキカキ


勇者「スーツを着た魔物が、ノート取ってる……」

王女「む、勇者? 温泉街へ行くように指示しておいたはずだが」

勇者「あの、これは一体……」

王女「魔王軍の者たちに農業研修を行っているのだが? そう騎士に伝えたはずだが」

騎士「伝言はそのまま伝えたぞ」シレッ

勇者「あの、どうしてこんなことになってるんですか? 魔王軍が農業を教わるなら、それこそ魔王にでも教わればいいじゃないですか」

王女「じつはな……彼らは今>>98

あ、>>100でお願いします。

新大陸で彼らは新しい国を作りたいらしい、そのために必要な農業の技術を教えてるだけだ


(100レスに達したので、もうすぐ終わろうと思います)



王女「じつはな……彼らは今、新大陸で新しい国を作りたいらしい。そのために必要な農業の技術を教えてるのだ」

勇者「どうしてそんなことを人間の国が?」

王女「お前も知ってのとおり、魔王はつい先日から経済的な方面での侵略を進めてきた。それはつまり、武力的な侵略はもう行えないと白状しているようなものなのだ」

勇者「戦争にでもなって魔道兵器をどちらかが使えば、撃ち合いになってあっという間に共倒れですからね……」

王女「しかし武力行使が行えないとなると互いにジリ貧だ。そして敵国へと向かっていた敵意は行き場を失い、やがて内側で爆発する。ここにいる彼らは、いち早くそのことを察して魔王軍を脱退し人間の国へ逃げてきたのだ」

勇者「そんなのがバレたら魔王が許さないんじゃ……」

王女「だからこそ、彼らは私たちと同盟を結び、互いに技術提供をして支え合っていこうというわけなのだ」

勇者「なるほど、そして彼らに魔王軍や魔王の情報を教えてもらって、僕たちが魔王軍をけん制して彼らを守る……と」

王女「察しがいいな。そして今日のセミナーは、その同盟関係の第一歩となるのだ」

勇者「そうだったんですか。早とちりをしてしまってすみません」

王女「いやなに、説明が遅れてすまなかったな」



王女「このセミナーの前に、彼らには魔王軍に関する有力な情報を教えてもらった。すでに裏もとってあるので、裏切りの心配は無用だ」

騎士「もしなにかあれば、私が斬り捨てるがな」チャキッ

王女「ちょうどいい、このあと勇者にも彼らと話してもらおうか」

勇者「魔物とゆっくり話すなんて、なんだか不思議な感じですね」

王女「いずれそれが普通になる時代が来るのかもしれんな」

勇者「が、がんばって慣れます……」

王女「ふふ、そうしてくれ」


ガチャッ


会長「待たせたね」

指導員「……ども」ペコッ

勇者「あ、あなたたちは……!」

王女「農協の者が説明するのが一番いいだろうから呼んておいたのだ。あとは任せたぞ、二人とも」

会長「ええ、任せてください」

王女「では最後に、行くぞ勇者」スタスタ

勇者「え、行くってどこへ……?」

王女「決まっているだろう。>>104だ」

温泉



王女「決まっているだろう。温泉だ」

勇者「はい!?」

王女「ふふ、魔王軍の件がなければ私が温泉に先回りして驚かせるつもりだったのだがな」

勇者「いやいやいや、あなた王女様ですよ? わかってますか?」

王女「わかっているとも、私は王女だ。つまり誰も逆らうことができないということだろう?」

勇者「……よくご存じで」

王女「ではさっそく魔法の準備をさせよう」

騎士「私は魔物たちを見張ってますので」

王女「ああ、頼んだぞ。では勇者よ、出発だ!」

勇者「……もう、わかりましたよ」



~北の温泉街・宿・貴賓室~


王女「ほっ」スタッ

勇者「よっと。魔法使い、ただいま」シュタッ

魔法使い「あ、おかえりなさい勇s……王女様!? アイタタタ!!」ピキッ

勇者「ちょ、大丈夫!?」

王女「腰はまだまだ治りそうもないようだな」

魔法使い「い、いえ! 王女様の勧めてくださった電気クラゲ風呂のおかげでだいぶ良くなりましたよ!!」

王女「ああ、あれ冗談で勧めたのに。よくあんな気持ち悪い風呂に入れるな……」ウワァ…

魔法使い「あ、あれぇ!?」ガーン

王女「というか、どうして勇者と魔法使いが同じ部屋に?」

魔法使い「>>108

勇者様が私にマッサージを施してくれるとのことで…、ありがたく甘えちゃいました



魔法使い「勇者様が私にマッサージを施してくれるとのことで……、ありがたく甘えちゃいました」

勇者「えっ!?」

王女「ほぉ~~~? マッサージねぇ……」

勇者「ちょ、ちょっとなんですかその目は! 冗談ですよ、冗談!」

王女「ふっ、いったいどこをどうマッサージしたのやら……」

勇者「腰に決まってるでしょう! いやそもそもマッサージなんてしてませんけど!」

魔法使い「ひどい……あんなに激しくマッサージしておいて……!!」

勇者「こ、これは泥沼の予感……!!」

魔法使い「さて、冗談はともかく! 魔王軍はどうなったんですか!?」

勇者「騒動はなかったから、心配いらないよ」

王女「今はひとまずゆっくり休むといい。いざという時に腰痛で動けませんでは困るからな」

魔法使い「そうですね、わかりました!」

勇者「もういい時間ですし、そろそろ休みませんか? 今日はいろいろありましたから、クタクタで……」

王女「そうだな。しかし明日からはもっと忙しくなるから、覚悟しておくのだぞ?」

勇者「うっ……」

魔法使い「大丈夫です! 私も手伝いますから!!」

王女「今が人間の国の正念場だ、弱音は吐いていられないぞ」

勇者「その通りですね……!」


勇者「よぉし、がんばるぞ!!」



とりあえず、ここで終わりということで。


山なしオチなし意味なしですみません。


ここまでお付き合いくださってありがとうございました!

それでは、失礼します!

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