ほむら「こんな叛逆は望んでない」 (41)
杏子「編み込み結界!」
ナイトメア仁美「……!?」
まどか「マミさん! 準備OKです!」
マミ「じゃあみんな、行くわよ?」
「「「ケーキ、ケーキ、まあるいケーキ、まあるいケーキはだ・あ・れ?」」」
べべ「もじゃもじゃべー!(ケーキはマミ?)」
マミ(えっ? いきなり私?)
マミ「あっちーがーう、私はチーズ。まある」
べべ「ちーがーう! ベベがチーズ! まあるいケーキはマジョマンコカマンベール、ケーキはマミ?」
マミ「ち、ちーがーう、私もチーズっ」
べべ「ちぃーがぁーうっ!! ベベだけチーズ!!」
マミ(何でよ! 二人ともチーズじゃダメなの!?)
ベベ「まあるいケーキはマジョマンコカマンベール、ケーキはマミ?」
マミ「ちーがーう! 私は、ぁっ……バナナ!」
ベベ「ほう」
マミ「まあるいケーキはあ・か・い。ケーキは杏子?」
杏子「ちーがーう、あたしはリンゴ。まあるいケーキはベベが好き。ケーキはマミ?」
マミ(えっ? また私?)
マミ「っ……がーう! 私はバナナ! まあるいケーキは……あっ、えぁ……け、ケーキは美樹さん……?」
さやか「ちーがーう、あたしはラズベリィー!」
マミ(よかった……繋いでくれたわ……)
さやか「まあるいケーキは抱き締めたい」
マミ(……え? 今この子何て言った?)
さやか「ケーキはマミさん? バナナ以外で」
マミ(ってまた私!? バナっ、バナナ駄目なの!!?)
マミ「……っふぃーがーう! わたっ、し、は……おっ、オレンジ!」
さやか「ほっほう」
マミ「まあるいケーキはこーろがる。ケーキは暁美さん?」
ほむら「違っ……います、わ、たしは、カボチャ……」
マミ(その調子よ! 頑張って、暁美さん!)
ほむら「まあるいケーキは罪深い。触れることすら許されぬ、魅惑の青い果実のような、嘆美で甘美な密の味。
神と悪魔の境界を、さしたる苦もなく難もなく、飛び越え手を取り橋渡し。聖なる魔なる無垢の味。
その双眸を涙が濡らし、頬を伝って地に落ちる。やがて滴は川を成し、民の乾きを癒すだろう」
マミ「……………………」
ほむら「ケーキは巴さん? オレンジは無しで」
マミ「…………お゙っ!!!!?」
マミ「……てぃっ、がーう! 私は……キャロっ、人参? ……人参!! まあるいケーキは甘いです!! ケーキは鹿目さん!?」
まどか「ちーがーう、わたしはメロン。まあるいケーキは結婚したい。ケーキはマミさん?」
マミ「けっこぉん!? ち、ち、ちーがーう! 私は」
まどか「ちーがわない! 結婚したい! ケーキはマミさん!?」
マミ「ちーがうの! わた」
まどか「ちーがわない! 結婚したいの! ケーキはマミさん!?」
マミ「違うって言ってるでしょ!!!!?」
ナイトメア仁美「ちーがーう、小生は栗。ならばケーキとは何だ?」
マミ「あなたは黙ってて!!!」
マミ「何で打ち合わせ通りに歌ってくれないのよ!」
ベベ「マジョマンコカマンベール! マジョマンコカマンベール!」
マミ「やめて!! 怒るわよ!!」
ベベ「マンコ!」
マミ「鹿目さん! さっきのは何!?」
まどか「うぇひひ、マミさんと結婚したいなって」
マミ「意味が分からないんだけど! 遊びじゃないのよ!?」
まどか「遊びなんて心外だよ! 本気だもん!」
マミ「そういう意味じゃなぁーい! っていうか本気だったらそれはそれで問題よ!!」
マミ「美樹さんも! 何でいきなり無茶振りするのよ!」
さやか「困ってるマミさんが見たいからですけど」
マミ「ナイトメア退治は危険なのよ!? ふざけないで!!」
さやか「え? これって真面目に立てた作戦だったんですか?」
マミ「何よ! いけない!?」
さやか「いや、可愛い人だなって」
マミ「かっ……!」
さやか「ときめいちゃったりなんかして」
マミ「……ま、まあ、美樹さんは良いとして」
さやか「どもども~」
マミ「暁美さんは本当に一体何なの!? 1ミリも意味が分からない!!」
ほむら「あの……ごめんなさい、私、上手く歌えなくて……」
マミ「いっやあ上手かったわよ! 何かメロディまでアレンジしてたわよ!! 問題は歌詞!!」
ほむら「ごめんなさい、よく分かりません」
マミ「よく分からないはコッチの台詞よ!!」
ほむら「巴さんの美しさを表現しようとしたら口が勝手に動いてしまって」
マミ「いやいやいや! 何を表現しようとしてるの!? 大切り大会じゃないのよ!?」
ほむら「ごめんなさい……みんなで何かするの慣れてなくてごめんなさい……」
マミ「もぉー!! 何なのよぉー!!」
杏子「マミ、あたしには何かないの?」
マミ「杏子は……まあ、割とまともというか、本来なら怒ってたけど」
杏子「そうか、次は頑張る」
マミ「不吉なこと言わないで!」
杏子「よーし、もう一回初めから行くぞー!」
ナイトメア仁美「まあるいケーキは母なる慈愛。ケーキはマミか?」
マミ「もうヤダぁ! お家帰るぅ!!」
―――
――
―
QB『……勘弁してくれよ』
QB「やれやれ、またこの展開か。一体何度目――――」 QB「――――しても僕たちはこの茶番劇をいつまで観察――――」
QB「――――う既に予想された期間を大幅に超過している。このままでは――――」
QB「――――の理を観測するという目的の――――」 QB「――――実験とはいえ割に合わな――――」
QB「――――むらじゃなくて別の魔法少女を使うべきだっ――――」
???「…………」
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
QB「……………………」 QB「……………………」
QB「……………………」
QB「…………………」 QB「……………………」
QB「……………………」
???「…………ふん」
ほむら「馬鹿めらが……」
ほむら「この暁美ほむらが……そう易々と貴様らの手に掛かると思うてかッッッ!!!」
ほむら「実験だなんだと世迷い言をほざいておる間にとうに対策を練っておったわ!!!」
ほむら「貴様等を陥れる秘術。そう」
ほむら「イザナミだ……」
杏子「上手くいったみたいだな」
ほむら「杏子か。無論だ、私の体得した秘術に欠点はない」
杏子「でも抜け道はあるんだろ?」
ほむら「左様。この術の生み出す無限回廊からは『現実を受け入れる』ことで抜け出せる」
杏子「じゃあ危ないんじゃないか?」
ほむら「『受け入れる』! それ即ち心ある者の背負う業である!! 感情無き獣のなせる事ではない!」
杏子「成る程な。もし抜け出せたとしたら、それは感情を獲得した時って事か?」
ほむら「あり得ぬことだがな」
ほむら「しかし、貴殿には礼を言わねばならぬな」
杏子「何だよ、改まっちゃってさ」
ほむら「貴殿が居らねば私が秘術を体得することは叶わなかったであろう」
杏子「ま、それは言いっこなしよ。仲間を助けるのは当然だろ?」
ほむら「素晴らしい術であった。精神世界で修行を積むに当たって貴殿の術は最適だ」
杏子「そりゃあな、そうだろうさ。だってあたしの技は、そう」
杏子「月読だ……」
ほむら「修行の過酷さから些か人格が変わってしまったような気もするが」
杏子「…………」
ほむら「どこを見ておる。何とか言うてみい」
杏子「さやかも頑張ったよな」
ほむら「そんな事は聞いておらん」
さやか「ん? 呼んだ?」
ほむら「呼んでおらん」
杏子「ほむらが修行してる間に、よく白カビ共の気を引いてくれたなってさ」
さやか「まあ当然っしょ! だってあたしの魔法は、そう」
さやか「イザナギだ……」
さやか「危ない状況をいくらでもひっくり返せるからね。ま、その場凌ぎだけどさ」
ほむら「……何にせよ、これでまどかが汚される事はなくなった。いと安らかに……まどか……」
まどか「心配してくれてありがとね、ほむらちゃん」
ほむら「何故ここに居る」
まどか「実はわたしは魔法少女になってなかったんだ」
ほむら「どういう事だ!」
まどか「わたしだって何もしてこなかった訳じゃないよ。みんなの力になりたかったから」
まどか「だから頑張って特訓したんだ」
杏子「特訓……だと……?」
まどか「そしてある術を体得した。その名は、そう」
まどか「変わり身の術だよ……」
さやか「しょぼいな」
まどか「その術を使って契約の瞬間にわたしそっくりな人形とすり替わったんだ」
ほむら「私は概念と化したまどかと語らったのだが……?」
まどか「喋るタイプの等身大人形だったからね。大切にしてたし九十九神にでもなってたんじゃないかな?」
さやか「等身大自分人形を大切にしてた事実に絶句するわ」
杏子「でもよ、よくそんなの使えるようになったよな。たった一人でさ」
まどか「一人じゃないよ? ある人が傍にいてくれた」
ほむら「ある人……だと……?」
???「それは私なのデス」
ほむら「お、お前は!」
杏子「世界を股に掛けるゲームクリエイター……!」
さやか「天才小学生、百江なぎさ……いや……!」
「「「 ナギサス・J・クロフォード! 」」」
なぎさ「トムの勝ちなのデース……」
さやか「っていうかどういう知り合いなの?」
なぎさ「チーズくれたから何でも従うのです」
さやか「もっと自分を大事にしろよ!」
ほむら「しかし、まどかの傍にいてくれた事は有り難い。私からも礼を言おう」
なぎさ「まどかの特訓は想像を絶するものでした。少女の身にありながら超人の身体能力を獲得する修行……」
まどか「今のわたしならオリンピックの世界記録を簡単に塗り換えられるよ。勿論男子の記録をね」
なぎさ「そんなまどかの特訓を、わたしが手伝えるとするなら、それはただ一つ……」
なぎさ「邪魔しないように静かにしてる事だけ……」
杏子「じゃあ何もしてねえじゃねーか」
なぎさ「マジョマンコボーイ、ユーはとても頑張りました」
ほむら「それはまどかのことを言っているのか? 許さんぞ?」
なぎさ「は? お前のことデース」
ほむら「ならば切り捨てよう。いと安らかに」
なぎさ「助けてまどか! この人怖いのです! 褒めたのに!」
まどか「ほむらちゃん! やめて!」
ほむら「くっ! 至仕方ない……」
なぎさ「HAHAHA! こいつ馬鹿デース!」
ほむら「……覚えておれよ」
なぎさ「皆さんの話はまどかから聞いているのです。さやか、杏子、マミ、マジョマンコボーイ」
ほむら「貴様は私に恨みでもあるのか?」
なぎさ「クソレズ自己中キモいのデース。まどマミ最高。そこに母性がなければマジョマンコ。お前はマジョマンコ」
ほむら「そこに直れぃ!!! 蜂の巣にしてくれるわ!!!」
なぎさ「まどかぁ! こわいよぉ! まどかぁ!」
まどか「ほむらちゃん! 子供なんだから大目に見てあげて!」
ほむら「見逃せと言うのか! 捨て置けんぞ!」
なぎさ「私はほむほむ派なのです! ほむら×ほむら派なのです! でもお前はクソレズマジョマンコ」
ほむら「貴様の嗜好こそマジョマンコだ!!!」
なぎさ「まどかの事はマミに任せればいいのです。マジョマンコボーイはソロで十分戦えるのデース」
ほむら「たわけもの、まどかやマミの意向もあるだろうが。なあ、マミ……マミ?」
さやか「ありゃ? そういえばマミさんどこ行ったの?」
杏子「っていうか、いつから居ないんだ? 居た、よな? ……あれ?」
まどか「ずっと居たと思ってたけど……ずっと居なかったような……」
『ふふっ、私を探しているの?』
まどか「!? ……マミさんどこ? どこにいるの!?」
マミ『ごめんなさいね、鹿目さん。今はそっちに行けないの』
まどか「何で……? 姿を見せてよ!」
マミ『鹿目さん、貴女が契約したときに人形を投げたでしょう?』
まどか「う、うん、変わり身の術で……」
マミ『あの時に投げられた人形、実は私だったの』
まどか「ええっ!? そんなの絶対おかしいよ!!」
マミ『前の週からすり替わってたの』
まどか「それなら別におかしくないよ」
さやか「いやおかしいよ。頭おかしいよ」
まどか「通りで急に極上の抱き心地になったと思ったよ。いい匂いだったし温かかったし」
マミ『冗談のつもりだったんだけど、あまりに気付かないものだから言い出せなくて、そのまま……ね?』
まどか「紅茶も美味しく淹れてくれる訳だよ。ケーキまで焼き始めたときは驚いたもん」
杏子「そこは気付けよ。明らかに人形のライン超えてるだろ」
まどか「! ああぁぁあああ!! しまったぁあああ!!!」
さやか「うわっ! なによいきなり!」
まどか「一緒にお風呂に入った時にもっと丁寧に洗ってあげればよかった!!」
杏子「どん引きだわ」
マミ『でも上手に洗えてたのよ?』
さやか「アンタにもどん引きだよ」
マミ『そんな訳で、私は鹿目さんの願いを叶える媒体になったの』
なぎさ「つまり、マミが円還の理になった。そういう事なのですか?」
マミ『そういう事なのですよっ、なぎさちゃん』
まどか「なぎさちゃんの事も知ってるの!?」
マミ『もちろんよ。鹿目さんのことをサポートしてくれた事、ちゃんと知ってるわ』
マミ『だって神様だから!』
マミ『だって私、神様だから!!』
ほむら「いや、いやいやいやいや、認めない、私は認めない」
マミ『どうして?』
ほむら「だってあの時世界を改変したのは確かにまどかだった」
マミ『その場の空気に合わせてビジュアルを変えてたのよ。神の力で』
ほむら「え? え? じゃああの時私がもらったリボンとか色んなアレは? え?」
マミ『そこは鹿目さんの思考をリンクさせて実際に取っていたであろう行動をトレースしたわ!』
マミ『神様だから!』
マミ『マミ様だから!!』
ほむら「……………………」
マミ『えっと、駄目だった?』
ほむら「あ、はは、は、ははは、はは……」
マミ『あの、サプライズのつもりだったんだけど……』
ほむら「あはっ、はははははは!! くひっ、ひひひひっ! ふひひっ!」
マミ『と、とりあえず落ち着きましょう? 悪い所があったら直すから……』
ほむら「ひひっ、ひっ…………」
マミ『そうね、じゃあ、えっと、紅茶でも淹れましょうか』
ほむら「…………ぅ」
ほむら「うわぁああぁあん!!! 恥ずかしいよぉおおおおおおおお!!!!」
ほむら「こんなのってないよぉ!! 私の決意を返してよぉおおお!!!」
ほむら「まどかだと思ったから言ったのにぃ!!! お別れっ……したのにぃ!!!」
なぎさ「うわぁ……最っ高のシチュエーションだよコレぇ……高まるぅ……溢れるぅ……」
マミ『ほむほむ派だものね、なぎさちゃんは』
さやか「マミさん今マジ人でなしっすよ? 神様とかじゃなくてさ」
ほむら「……ここはっ……ひっく、わらひの戦場じゃらい! 死んで生まえ変わってやいなおしゅ!!」
マミ『馬鹿なことを言うんじゃないの!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
ほむら「ひあっ!?」
<ビックリしたあ! すっごい声だね!
<やべえ! 今のでさやかが吹き飛んだ!
!!! !!! !!! !!! !!! !!! !!!
!!!!! !!!!! !!!!! !!!!! !!!!! !!!!! !!!!!
マミ『訂正なさい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!! !!!!! !!!!! !!!!! !!!!! !!!!! !!!!! !!!!
!!! !!! !!! !!! !!! !!! !!! !!!』
ほむら「ふあっ! ごめっ! ごめんなさいごめんなさい!!」
<さやかが舞ってる! クルクル舞ってる!
マミ『貴女が今までどんな苦しい選択を強いられてきたかは知っているわ……』
マミ『でもこれからは鹿目さんと、みんなと一緒に新たな一歩を踏み出す事が出来るのよ?』
マミ『これが貴女の望んだハッピーエンドじゃなかったの?』
ほむら「……ぁ、ひっく、らって、まろかぁ……」
<さやかちゃーん! こっちこっち! どこ行く気なの!?
<しかし滞空時間なげーなオイ!
マミ『はっきり答えなさい!! 暁美ほむら!!』
ほむら「わたし、は……私が、望んだのは……」
マミ『貴女がようやく――あっ、はーいただいま。2名様で? はい、2名様で円還入りまーす』
杏子「そこは悟られないように何とかしろよ。台無しだろ」
さやか「台無しなのは元からだけどね」
まどか「あ、さやかちゃんおかえり」
ほむら「…………」
マミ『ごめんなさいね? 円還入っちゃったから』
ほむら「……ちょっ」
マミ『すぐだから、行ってきまーす』
ほむら「…………」
まどか「てぃひー……何て言うか、マミさんも大変なんだねー、なんて」
ほむら「なんか……」
まどか「な、なにかな?」
ほむら「なんかもう、どうでもよくなってしまったわ」
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マミさんwww