岡部「まゆりが可愛すぎてつらい……」紅莉栖「!?」(190)

うん

岡部「まゆり」

まゆり「なあに?オカリン」

岡部「外が暗くなってきた。そろそろ帰った方がいい」

まゆり「ええ~でもまだコスを作ってる途中だよ?」

岡部「明日にしろ、遅くなりと危険だからな。ほら、帰るぞ」

まゆり「今日もオカリンが送ってくれるの?」

岡部「無論だ。お前は俺の人質だからな」

まゆり「えへへ、そっか~」

岡部「じゃあ、行くか」

まゆり「うんっ」ギュッ

バタン

紅莉栖「……」

まゆり「ねえねえオカリン」

岡部「なんだ?」

まゆり「どうして最近になって毎日まゆしぃをお家まで送ってくれるの?前まではたまにしか送ってくれなかったのに」

岡部「最近になって機関の警戒が強くなったからな。人質であるお前にも奴らの魔の手が迫っている。この俺が直接護衛に付いてやってるのだ感謝するがいい」

まゆり「う~ん、まゆしぃはよく分からないのです」

岡部「分からなくていい。お前が側にいれば、それでいいのだ」

まゆり「ほぇ?」

岡部「な、何でもない!ほら、そろそろお前の家が見えてきたぞ」

まゆり「うん」

まゆり「今日は送ってくれてありがとう、オカリン♪」

岡部「フッ、礼などいらん!お前は俺の人質なのだ。当然の事をしたまでだ」

まゆり「オカリンはラボに戻るの?」

岡部「ああ、完成させねばならんガジェットがあるからな」

まゆり「たまにはお家に帰った方がいいよ~?オカリンのお父さんとお母さんも心配してるよ、きっと」

岡部「ふんっ、そんな訳ある筈がなかろう」

まゆり「オカリ~ン?」

岡部「……わかった。ちゃんと近い内に帰る」

まゆり「えへへ、それでいいのです」

岡部「ぐぬぬ、人質の分際で」

まゆり「えへへ」

岡部「何がおかしいのだ」

まゆり「うんとね、こうやってオカリンと毎日一緒に帰ってると、何だか昔に戻ったみたいだね~」

岡部「お前が小学校を卒業まではずっと一緒に帰ってたからな」

まゆり「オカリンが中学生に上がっても、門でまゆしぃを待ってくれたよね」

岡部「……あの時から、お前はずっと俺の人質だったからな」

まゆり「……うん」

まゆり「えへへ、あの時からまゆしぃはずっとオカリンに愛されてるのです」

岡部「なっ!何を言い出すのだ!お、俺がお前を送り迎えするのはお前がひ、人質であるからであって!」

まゆり「おっかり~ん」ムギュ

岡部「こ、こら抱き付くな!」

まゆり「ええ~、昔はよくこうやって寒い時に抱き付いてたよ~?」

岡部「今は夏だ!それにこんな所をご近所に見られたら」

まゆり「えへへ」

岡部「ぐ、……仕方ない奴め」ギュッ

まゆり「んっ、えへへ……」

岡部「まったく……」

――――
――
ガチャ

岡部「なんとか終電に間に合ったか……ん?」

紅莉栖「……」

岡部「なんだ助手。居たのか」

紅莉栖「居たわよずっと」

岡部「……何を怒っているのだ」

紅莉栖「怒ってねーし」

岡部「どう見ても怒ってるではないか」

紅莉栖「怒ってなんかないから!最近まゆりに対して過保護すぎるとか、私との扱いの差に不満があるとか、そんな事ないからな!」

岡部「……ツンデレ乙」

紅莉栖「岡部がまゆりにあまりにも過保護すぎる件について……つーかあんたはまゆりの保護者か」

岡部「とうとう隠す気もなくしたかネラーめ」

紅莉栖「うっさい!というか本当に最近、まゆりに構いすぎじゃない?」

岡部「何を言うか。まゆりは俺の人質なのだ。何も変わっておらん」

紅莉栖「……毎日一緒に手を握って帰り」

岡部「ぐっ」

紅莉栖「来る時もわざわざまゆりの家まで迎えに行くし」

岡部「ぐぬぬ」

紅莉栖「バイト先まで送り迎えをするとか」

岡部「ぐはっ」

紅莉栖「明らかに人質(笑)の範疇を越えてると思うんだけど?」

岡部「……お前には前に俺の体験した世界線漂流について話したな?

紅莉栖「えっ?う、うん……その、まだ半信半疑というか、確認してない要素は多いけど」

岡部「……あの体験から、どうにもまゆりに対して過保護になってしまってな。あいつの側に居てないと落ち着かないんだ」

紅莉栖「岡部……」

岡部「あともう一つ、これも世界線漂流の弊害なのかもしれんのだが……」

紅莉栖「なに?」

岡部「まゆりが可愛いすぎてつらい……」

紅莉栖「……」

紅莉栖「は?」

風呂

岡部「いや、だから最近まゆりが可愛いく思えるのだ」

紅莉栖「ま、まゆりは元からキュートじゃない」

岡部「見た目の話ではない。何と言うか普段の仕草とか……」

紅莉栖「た、例えば?」

岡部「笑顔とか、たまに怒って頬を膨らます表情とか……こう、きゅんとくる」

紅莉栖「ま、まあ、まゆりの笑顔は素敵だからね。きゅんとくるのも無理ないわ」

岡部「あと、こないだメイクイーンに行った時ならんか、手を握られながら……」

まゆり『かえリんニャさいませ、オカリン♪』

岡部「……正直抱き締めたくなった」

紅莉栖「Oh……」

岡部「今更だが……まゆりって可愛いな」

紅莉栖「本当に今更ね……」

岡部「……もし中学生の俺がまゆりの可愛さに気付いていたら人質ではなく恋人にしてたかもしれん」

紅莉栖「なっ!だ、ダメよ!そんなの!」

ミスった
おかえりんにゃさいませ、だ

岡部「ダメも何も、あいつはもう人質だ。恋人ではない」

紅莉栖「そ、そうね。そうよね……」

岡部「しかしまゆりは可愛いな……」

紅莉栖「……」

岡部「なあ、紅莉栖」

紅莉栖「ふぇ?い、今名前で」

岡部「俺的にはまゆりは猫ではなく犬の方が似合うと思うのだが、お前はどう思う?」

紅莉栖「はっ?」

岡部「だから、マユシィ・ニャンニャンよりもマユシィ・わんわんの方が似合うのではないかと聞いている」

紅莉栖「……」

紅莉栖「……犬の方が似合うんじゃない?」

岡部「うむ、そうか。やはりそうだな。まゆりは猫というより犬だ」

紅莉栖「ね、ねえ」

岡部「なんだ?」

紅莉栖「わ、私は?」

岡部「何の話だ」

紅莉栖「だ、だから私は犬か猫かどっちが似合うかと聞いている!」

岡部「な、何故そんな事を答えねばならんのだ!」

紅莉栖「い、いいから!答えろ!」

岡部「助手は迷う必要もない。猫だ」

紅莉栖「り、理由は?」

岡部「フッ、その小生意気な所が猫そっくりではないか!フゥーハハハ!」

紅莉栖「な、なによそれ!」

岡部「答えたのだ。これで満足だろ」

紅莉栖「ぐぬぬ」

岡部「しかし、メイクイーンと言えばフェイリスに一つ物申さねばならんな」

紅莉栖「フェイリスさんに?」

岡部「まゆりはウィッグなんぞ付けなくても可愛い。むしろ付けない方が可愛いだろうが」

紅莉栖「……」

>>202
イザナミだ

誤爆

紅莉栖「まゆりのウィッグ、キュートだと思うけど……」

岡部「ふんっ、これだからメリケン処女は困る……」

紅莉栖「なっ!黙れDTの分際で!」

岡部「いいかよく聞け!まゆりは黒髪が一番似合うのだ!」

紅莉栖「ま、まあそれは同意する」

岡部「それなのになんだあのふざけたメリケン風味のウィッグは!?まゆりの良さを損なわせてるではないか!」

紅莉栖「お、岡部はさ、やっぱり黒髪の方がいいの?」カミナデル

岡部「いや?」

紅莉栖「えっ?」

岡部「絶対に黒髪がいいとは言っていない。まゆりには黒髪が似合うし、フェイリスの髪もあいつには似合っているからあれでいいと思うしな」

紅莉栖「ふ、ふーん。じゃ、じゃあ、私は?」

岡部「似合っているのではないか?少なくとも、お前の髪はそれ以外想像できん」

紅莉栖「そ、そう?ふふっ……」

岡部「むっ、いかんな。もうこんな時間だ」

紅莉栖「えっ?あっ、しまった終電逃しちゃった……」

岡部「お前のホテルなら徒歩でも帰れるだろ?」

紅莉栖「深夜に女の子一人で帰らそうとする男の人って……」

岡部「何を勘違いしている助手」

紅莉栖「えっ?」

岡部「早く帰る支度をしろ。こっちはラボからお前のホテルまで今から往復するのだ。時間が惜しい」

紅莉栖「お、送ってくれるの?」

岡部「泊まる予定だったのか?」

紅莉栖「ち、違うけど」

岡部「なら早くしろ」

紅莉栖「うん……ありがと」

紅莉栖「ね、ねえ、岡部……」

岡部「なんだ?クリスティーナ。暗くて怖くて歩けないので手を繋いでほしいのか?」

紅莉栖「ち、ちがっ……ううん」

岡部「……? どうした、助手」

ギュッ

岡部「なっ!?」

紅莉栖「暗くて怖くて歩けないから仕方なく手を繋いでるんだからな、勘違いするなよ」

岡部「嘘つけ!」

紅莉栖「ふんっ」

岡部「あっ、おい!て、手を握ったまま先に行くでない!こら!」

岡部「おい、一旦止まれ!そして手を離せ!」

紅莉栖「……」ピタッ

岡部「よし、それじゃあ次は手を」

紅莉栖「断る」

岡部「な、なに!?」

紅莉栖「……岡部、今から私が質問する。それに答えたら話してあげる」

岡部「そんなまどろっこしい真似をせんでも普通に聞けばいいだろう……」

紅莉栖「多分、っていうか絶対、この質問聞いたら岡部、逃げると思うから逃がさない為よ」

岡部「に、逃げるだと!?フゥーハハハ!この鳳凰院凶真逃げも隠れもせんわ!」

岡部(一体どんな質問だ? 世界線漂流について、こいつには一部伏せている情報もあるが……)

紅莉栖「単刀直入に聞く」

岡部「……なんだ?」

紅莉栖「あんたは、私とまゆりどっちが好き?」

岡部「………」

岡部「わんもあ」

紅莉栖「だ、だから!あんたは!私とまゆり!どっちが好きかって聞いてる!」

岡部「………」

岡部「す、好きというのは当然lik」

紅莉栖「likeじゃなくてloveの方ね」

岡部「……」

紅莉栖「ど、どっちなの?」

岡部「ふ、フゥーハハハ!馬鹿馬鹿しい!この鳳凰院凶真にloveを求めるなど!」

紅莉栖「鳳凰院は禁止。岡部倫太郎としての意見を聞いているの」

岡部「……ふっ、その台詞、タイムリープマシンが完成した時にも言われたな」

紅莉栖「………」

岡部「紅莉栖……お前はまた、俺にお前とまゆりのどちらかを選べと言うのだな」

岡部(この世界線はシュタインズ・ゲート。他の世界線の干渉は受けないと聞いたが……二人のどちらかを選ばなければならない、という結果は収束するのか)

岡部「……俺はな、紅莉栖。お前を一度は見捨てた」

岡部「まゆりを救う為に、お前を……」

紅莉栖「そうしろと言ったのは私よ」

岡部「だが選んだのは俺の意志だ。俺はまゆりを取った」

紅莉栖「……」

岡部「その時に思った。『もし二度目の選択肢』があったらその時はお前を、紅莉栖を見捨てないと」

紅莉栖「……同情や哀れみで私を選ぶのは止めて!」

岡部「同情や哀れみなどではない!」

紅莉栖「っ」ビクッ

岡部「お前を救う事を諦めたあの時、俺は初めて気付いたんだ」

岡部「俺はお前が好きだと」

紅莉栖「……じゃあ!」

岡部「ああ、……俺はお前が好きだ」

紅莉栖「私も、私も岡部の事が!」

岡部「済まない……」

紅莉栖「えっ?」

岡部「今度こそはお前を選ぶと決めたのに!なのに俺は……!」

岡部「……まゆりの方が好きなんだ」

岡部「まゆりの死を何度も目の当たりにして、必死になって辿り着いたこの世界線で、あいつが側にいる日常が俺にとって掛け替えのないものだと、初めて気付いた」

岡部「ずっと、ガキの頃から思っていたまゆりに抱く自分の気持ちを初めて理解できた」

岡部「俺が祖母亡くして呆然と毎日を過ごすあいつを支えてやりたい思ったのは幼馴染みだからじゃない……」

岡部「何回も何十回も何百回もタイムリープを繰り返し、ラボメン達の思いを踏みにじりながらあいつを救おうとしたのは、人質だからじゃない……!」

岡部「俺にとって椎名まゆりは、この世界線で一番大切な人なんだ」

紅莉栖「……」

岡部「だから、紅莉栖……俺は」

紅莉栖「………ふ」

岡部「……紅莉栖?」

紅莉栖「ふぅーははは!」

岡部「なっ」

紅莉栖「はあ、完敗ね……『今回は』私の負けよ。まっ、相手がまゆりなら仕方ない、か」

岡部「……済まない」

紅莉栖「謝るな!」

岡部「っ」

紅莉栖「謝らないでよ……あんたが、決めた事なんだから」

岡部「……ああ」

紅莉栖「でも、ずいぶんと大体な告白ね」

岡部「なっ!、う、うるさい……!だいたい、本人がいないのでは告白と言えんだろうが!」

紅莉栖「まっ、それもそうね。でもヘタレの岡部がまゆりの前であんな風に告白できるかしら?」

岡部「ぐっ、い、今は時期でないのだ!」

紅莉栖「ふーん、そっ。でも油断してると盗られるわよ」

岡部「なっ!まゆりは誰にも渡さん!あいつは俺の人質なのだっ!」

紅莉栖「まあ、まゆりもそうだけど……心配するならまゆりよりもまず自分の心配をしない」

岡部「はあ?どういう意味だ?」

紅莉栖「さあね、んじゃ、岡部。お休みなさい!」バッ

岡部「あっ、おい!」


岡部「行ってしまったか……」

次の日

岡部「なあ、助手」

紅莉栖「助手じゃないと言っとろーが。なに?」

岡部「何の真似だ?」

紅莉栖「何ってまゆりと一緒に岡部の腕に抱きついてるのよ。見て分からない?」

まゆり「魔法カード、右手に紅莉栖ちゃん、左手にまゆしぃを~!」

岡部「ええい、そんな事しても攻守は入れ替わらんわ!二人とも離れろ!」

紅莉栖「断る」
まゆり「断るのです」

岡部「なっ!だいたい、クリスティーナよ!貴様どういうつもりだ!?」

紅莉栖「何の事?」
岡部「き、昨日!夜!俺はお前を……」

紅莉栖「私が岡部を好きな事に変わりないから問題ないわ、でしょ?」

まゆり「あわわ、紅莉栖ちゃん、大体発言なのですっ!」

岡部「問題大ありだ!俺が好きなのはまゆりだと言っただろうが!」

まゆり「……ふぇ?」

ミスった大胆発言、だ

紅莉栖「あら、朝っぱらから大胆発言ね」

岡部「し、しまっ」

まゆり「お、オカリン?今のって」

岡部「ふ、フゥーハハハ!な、何の事だまゆり、俺は何も言って」

まゆり「オカリン!」

岡部「」ビクッ

まゆり「……オカリン、もう一度、言って?」

岡部「お、俺は……」

まゆり「うん……」

岡部「……まゆり、俺はお前が好きだ」

まゆり「ほ、本当!?」

岡部「嘘じゃない。事実だ。俺は、椎名まゆりが好きだ」

まゆり「オカリンっ」ギュッ
岡部「まゆり……」
まゆり「まゆしぃもね、オカリンの事が大好き……ずっと、ずっと前から大好き」
岡部「……俺もだ。ずっと前から好きだった。もっと早く気付いていれば、お前を待たせずに済んだのに、ごめんな」ナデナデ
まゆり「ううん、いいよ……オカリンが好きって、まゆしぃと同じ気持ちだって、分かったから、それだけで十分なのです」

岡部「まゆり……」
まゆり「オカリン……んっ」

ダル「うはー朝っぱらから凄いもん見せられてダルシィ右手が真っ赤に唸りそうだお」

紅莉栖「今は自重しなさい」

ダル「……牧瀬氏は良かったん?」

紅莉栖「私が岡部を好きな気持ちに変わりはないわ。でもそれ同じようにまゆりは私にとって大切な友達だから。今は二人の仲を祝うわよ」
ダル「そう……」

紅莉栖「それに、橋田。誰も諦めたとは言ってない」

ダル「えっ?」
紅莉栖「隙あらば岡部を私の婿にしてみせるわ」

ダル「……あの二人に隙なんてないと思われ」

岡部「まゆり……愛している」
まゆり「オカ、リン……ずっと、一緒だよ?」

おわり

書き溜ないから遅くてごめんね

読んでくれた人、保守してくれた人、ありがとニャンニャン

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