夜神月(時を超えるメールか…) (196)

2010年1月某日 日本捜査本部

月「…メール?誰からだ…?」

送信者:夜神月
送信時間:2010/08/**
件名―――

月(なんだこれは…携帯のバグか…?)

月(!)

月(…これは……リュークの仕業か…? ……だが今は確認できないし…)



・DEATH NOTE×STEINS;GATEです。
・岡部「デスノート?」のパクッ…リメイク作品です。
・以前エタってしまったものの焼き直しです。
・場面変更過多です。
・作者の知能が一般レベルをギリギリ下回るので矛盾があるかもしれません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1422636740

2010年1月28日 YB倉庫

月(リュークに確認はできなかったが…まぁいい、手は打てた。)

月「ニア 僕の勝ちだ」

ニア「だから死にませんと何度も…ふぎゅぇっ…!」

ドシャァァ……

レスター「――ニア!」

リドナー「え?」

月「…そうだ…僕がキラだ。ならばどうする?ここで殺すか?」

ジェバンニ「何がどうなって…ぐぇぅ」

ドシャッ
        ドシャッ

  バダッ    

月「ノートの差し替え?全書換えにすり替え…気づいてた!」

月「どうだ!L!完全に僕の勝ちだ!!」

月「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

2010年8月某日 夜神家

月(ノートの事を知っている人間は全て始末した)

月(ニア…日本警察の者…SPK、そして魅上…)

月(魅上は目として残しておいてやるつもりだったが…)

月(……そういえば)

月「リューク…いるんだろう?」

リューク「…どうした、ライトォ」

月「僕がニアに勝つ直前、お前僕の携帯に細工をしたろ」

リューク「あん?なんだそりゃぁ?俺は何もしてないぜ?」

月「…なんだって…どういうことだ、リューク?」

リューク「俺もお前も自由に動けなかったろ、忘れたのかライト」

月(ニアに勝てたのはあのメールで注意されたからで…)

月(つまり、あのメールによって助けられた事になる…)ギリィ

月「…リューク、やらなければならないことが出来た…」

月(あのメールを送った奴を見つけ出す…)

リューク「ククッ、なんだかわからないが面白そうじゃないか…」

月「…それはそうと裁きを継続しないとね…ん?」


244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします ID:8KyoMa13O
キラの裁きはまやかし!実際はノートによる大量殺人だ!
顔を思い浮かべノートにフルネームを書く
そして40秒間の内に死因を書かなかった場合は
心臓麻痺になるのだ!
違うのなら違うと言え、キラ!!フゥーハハハ!

245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします ID:Sd+xhdrk0
>>244
キラ様に逆らうやつは裁きで氏ね

246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします ID:U9m+jXev0
>>244
ソースはよ

247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします ID:shfV6hwv0
>>244
L乙wwwww
キラ様を捕まえられなくて頭沸騰しちゃったんでちゅねwwww


月「見てみろよリューク」

リューク「なんだよ、パソコンの画面なんて覗いて」

月「ここにキラの殺人方法はノートだと断言している奴がいる…この書き方からして多方ノートを手にした事がある人間だ」

リューク「へぇ…まだ知ってる奴がまだいたのか。先に言っておくが、俺は何も知らないからな」

月(キラを挑発する内容を多くのスレッドに…誘い出すつもりか)

月(これだけなら相手にするまでもない幼稚な手だが……メールのこともある…放っておくには事が大きい…)

月(…どんなに些細な事でも見逃す事はあってはならない。馬鹿は大体それで失敗するんだ)

月「…なんにせよ、コイツは確実に消しておかなきゃならない」

リューク「お?久々にライトのそんな顔見たぞ?面白!」

月「…久々?ああ、そうだな…」

月「また顔も名前も知らない相手と戦うんだ。Lやその後継者たちと同じ様に。…そして今回も僕が勝つ、依然変わりなくね。」

リューク「ククッ…やっぱり人間て面白」

2010年8月13日 警視庁

月(情報は集まった…IPアドレスから逆算しアクセス元も割り出せたが…)

月(書き込んだ人間も分からないこの状態で動くのは早計だ)

月「…だけど…うん、観念しろよ…」

カタカタカタカタカタ

月「…中々セキュリティが堅いけど上手く侵入できたみたいだな」

リューク「ククッ、クラッキングとは懐かしいなライト」

月「向こうも気付けてはいないはずだ…」

月(!)

月「…思ったよりも、相手は慎重みたいだったよ、リューク」

リューク「そうなのか?」

月「…18禁ゲームのデータばかりだった」

リューク「ククッ、なんだそれ」


―――夜神家

月「くそっ!やられた!」

月「こんな屈辱は生まれて二度目だ…!」

リューク「お、落ち着けよライト…」

月(くそ…僕をおちょくっているのか…?素人丸出しかと思えばPCに情報を残すヘマはしない…)

月(…油断はできない!)

月「…冷静さを欠いていたらこっちがやられる…けど、こいつは必ずこの僕の手で裁きを下す」

月「キラを…僕を敵に回したことを後悔させた後でね…」

リューク「で、どうするんだ?大した情報は得られなかったんだろ?」

月「………心配するなリューク、すでに手は打ってある」

―――未来ガジェット研究所

岡部(キラ叩きのレスをあちらこちらにばら蒔いた……表面上こそ反応はなかったが…)

ダル「んお!?」

岡部(クラッキングに出られるとは…! キラ…いや、その信者か…ともかく今はダルに任せるしか…)

ダル「ちょ、オカリン何したん!?」

岡部(―――結果は惜敗。予め出来る限りの情報は消していたが…)

岡部(既に居場所は知られている…ならば、タイムリープして…)

警官「すみませーん、警察の者ですがーいらっしゃいませんかー?」

ダル「……っ」

岡部(ダルには既に事の経緯を話した…キラ事件は半年前から一切の動きを見せてなかったはず)

岡部(しかしこの世界線では…)

警官「もしもしー?いらっしゃらないんですかー?」

ダル「ひ、ひぃ…」

警官「近くで爆破予告があったのでお話を聞きたいんですがー」

ダル「へ?」

岡部「ば、爆破!?」

警官「あぁ、いらっしゃった?っと、この部屋を借りてる方だよね?」

岡部「は、はぁ、そうですが、さっき爆破って・・・」

警官「えぇ、この付近を爆破するって予告あったんですよ」

岡部「は、はぁ!?」

警官B「いやね、イタズラの可能性は大きんだけどもね」

警官A「ちょっと避難ついでに話聞かせてくれないかな」

岡部(…さっきの警察からのクラッキング…関係あるのか?)

岡部(迂闊なことは出来ない…が、爆破予告だと…?そんなバカな、ビルを俺らごと爆破させるなんて…)

岡部(………しかしついて行かねば本当だった時に取り返しがつかん……ここはついていくしかないか…)

ひとたび中断させていただきます。一回毎の投下量は少なく亀更新になるかと思いますが
極力早く進めてまいりますのでどうぞご容赦のほどよろしくお願い申しあげます。


―――翌日、夜神家

月「だいぶ情報が入ったよ」

リューク「お?」

月「ビルの契約者は岡部倫太郎、職業は大学生だな」

リューク「じゃ、そいつを殺すのか」

月「…続きがある、よく聞いてろよ、リューク」

月「岡部倫太郎はあの部屋に小さいサークルを立ち上げている」

リューク「サークル?」

月「ああ、早い話がSPKのようなものだと考えてくれればいい」

月「サークルの人数は8人。その中にノートを知る者がいる。」

リューク「全員殺すのか?」

月「…罪のない一般人を殺すのはキラの信念に反する。爆破を予告だけで終わらせたのもそれが理由だ。」

月「だが、ノートの存在を知る者…そうだな…岡部倫太郎からイニシャルをとってOとしよう。」

リューク「半ば決めつけてないか?」

月「……あくまで呼称としてだよ。リューク」

月「決め付けてかかるから冤罪が生まれるんだ。決め付けてかかって間違ったらごめんなさい…なんてことは絶対に許されないんだよ」

リューク「ククッ…」

月「Oを見つけ出して目の前で死ぬ様を見てやろう…」

リューク「悪趣味だなぁ、ライト」

月「…今の世界ではキラが法であり、キラが秩序を守っている」

月「それを侮辱するとはどういうことか…思い知らせてやる!」

月(…手始めにやった警察訪問や爆破予告…Oにとってはプレッシャーだろう…)

月「この僕に…キラに迫られている事に対してどれだけ持つかな?」

リューク「じわじわと追い詰めて反応見るってか、だがお前をおちょくるような奴がそんな簡単に尻尾を出すかね?」

月「く!黙ってろリューク!」

月「…ああ、今思い出しても吐き気がする…!」

月(あぁいう存在こそ裁きを受けるべきなんだ…O、絶対にこの手で殺す…!)ギリィ

リューク「で、どうするんだ?」

月「ラボのメンバーに尾行をつける、理由は爆破予告の犯人の可能性。使える事は何度でも、だよ。」

リューク「いたずらで終わったんじゃないのか?」

月「まだ警戒態勢を取らせているよ。後はメールや電話の記録を通信会社に提示させたいけど…」

リューク「ククッ、まあ面白いものが見れるのを期待してるぜ」


―――未来ガジェット研究所

岡部(結局爆破予告は狂言だった、ダルは憔悴し早々に帰宅…)

岡部(…ダルが帰る直前に言っていたが)

ダル「いくら警察でも個人のPCに堂々とハックなんてかけないと思われ」

岡部(警察にキラ、もしくはキラの手の者がいる…しかもタイミングよく爆破予告で事情聴取か…)

岡部(偶然…ではないよな……向こうは俺の名前まで辿りつけている可能性もある…か)

岡部(予想以上にマズイ…タイムリープするか…いやしかし……)

岡部(…いや、ギリギリまで情報を入れたほうがいいだろう……ダルにも普段通り振舞えと伝えておかねばな)

送信者:岡部倫太郎
件名:くれぐれも普段通りでいろ
本文:奴が接触してくる可能性が高いからな

岡部「これでよし…と」


――――後日、夜神家

月「サークルの情報が集まったよ」

リューク「へぇ、どんな奴らなんだ?」

月「岡部倫太郎、東京電機大学一年生。たまにおかしな言動をする事があるそうだよ。」

リューク(ライトみたいだな…)

月「椎名まゆり、私立花浅葱大学附属学園二年生。…こいつもおかしな言動をする」

月「橋田至、東京電機大学一年生。スラングなどを連発するらしく、おかしな言動といえばコイツもだ。」

リューク「…そいつじゃないのか?」

月「可能性はある…が、まだそうと決まったワケじゃない」

月「牧瀬紅莉栖、ヴィクトル・コンドリア大学脳科学研究所所属研究員。18歳にして飛び級で大学を卒業してる」

リューク「それってすごいのか?」

月「かなりな。」

月「次…桐生萌郁、フリーター…みたいだがいつも街をうろついているらしく、正直何をしているのか全く分からないそうだ」

月「漆原るか、私立花浅葱大学附属学園二年生。女のような容姿で美人の部類に含まれる…だが男だ」

月「秋葉留未穂、私立金糸雀学園二年生。秋葉一帯の大地主でメイド喫茶も経営しているそうだぞ」

月「そして…尾行が取れなかった相手が1人いる。警察をまくってどんな人間なんだか…」

リューク「どいつもこいつも怪しいな」

月「全くだよ…一体どうやったらこんな濃い奴らが集まるんだ…」

リューク「これからどうするんだ?」

月「ただの捜査員を必要以上に接近させるわけには行かないし…爆破予告の容疑者というのでこのまま尾行を続けさせるのは正直難しい」

月(……クソ…これじゃどいつがOだか分からない…!)

リューク「なら、どうするんだ。このまましっぽを出すのを待つか?」

月(…………)

月「……何言ってるんだ?」

月「こっちから追い詰めないで捕まえられるはずがないだろ」

リューク「!」

月「僕自ら、サークルに潜り込むよ」

リューク「ククッ、Lと戦った時みたいだな」

月「ふふふ、そうだね…だとしたらまずは関係者から責めなきゃ」

月(この中で一番Oとしての可能性の低いのは…)


―――数日後、未来ガジェット研究所

岡部「フゥーハハハ!見ろ!機関が今そこまで迫っているのだぁ!」

紅莉栖「ちょっとなにあれ、普段の3割増しくらいで鬱陶しいんだが」

ダル「まあオカリンにも色々あるんだお」

紅莉栖「なによそれ…あんたなんか知ってるの?」

ダル「し、知らない!それでも僕はやらない夫!」

紅莉栖「……怪しいわね」

岡部「クリスティーナよ!ダルのエロゲをプレイしたいのくぁ!?」

紅莉栖「は、はぁ!?それにティーナじゃない!」

岡部「この天才HENTAI少女め!素直に頼めば貸してくれるぞぅ?」

紅莉栖「んなわけあるか!…っていうか堂ーとセクハラはよせ!」

岡部「顔が赤いぞTheゾンビよぉ!ゲルバナでも食べたいのかぁ?」

紅莉栖「う、うっさい!あぁ…もう心配して損した……」

岡部「…………」

岡部(……済まない…これ以上巻き込むわけにはいかないんだ…)


((それにしても…))


―――夜神家

月(潜り込めばこっちの勝ちだが…Lやニアの時のように接点があるというわけでもない)

月(急に近付くにしても“僕”には理由がない…)

月(いくら可能性が低くてもどいつがOかわからないし…不用意に近付いてバレるわけにはいかない…)

月(考えろ…僕ならできる…)


―――ラボ

岡部(もしキラが警察関係者ならどう言う手を使ってくる…?警察関係者を尾行させてくるか…?)

岡部(…いや、キラは犯罪を嫌う…おとり捜査はさせないだろう…)

岡部「…だが、本人ならその抵抗はないんじゃないか…?」

紅莉栖「は?」

岡部「!…い、いや、なんでもないぞクリスティーナよ!」

紅莉栖「……なにか隠してない?」

岡部「……心配するな。俺の問題だ。」

紅莉栖「…そう。詳しくは聞かないけど、何かあったら言ってよね。…思い過ごしでも一人で悩むと苦労するから。」

岡部(思い過ごし……待てよ、なんで俺はキラに狙われていると判断した?)

岡部(警察は今やキラの味方だ…日本にキラの敵はいないも同然。個人規模のクラッキングも警察内の嫌がらせの可能性もある)

岡部(……そう、きっと思い過ごしだ…警戒はするが、確証はない…)

岡部(……あまりカレンダーは好まないな…外しておくか…)

―――岡部が対策を打たなかった世界線―――

DEATH NOTE

橋田至 椎名まゆり 岡部倫太郎

月(………チェックメイトだ…!)

ダル「ふぅぐぇ!!」ドクン

ドタン

月(もう3度目…3度目の勝利だ…宣言して勝つのは飽きたからな、お前には表情にて勝利を宣言してやろう)

まゆり「! 」ドクン

トテ

まゆり「…………オカ…リン…?」

岡部「………ぅ」

岡部「うぉおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」


ぶ ぅ ぅ ぅ ぅぅ ぅ ぅ う ん ! !


月(!!)

岡部「 跳 べ よ ぉ ぉ お お お お お お お ! ! ! 」


    ~ ぐ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ~


2010年8月―――

岡部「―――――かはっ…ぐっ…うぅ…ぁぁっ!!」

岡部(…落ち着け…気持ちが悪いだなんて言ってる場合じゃない…)

岡部(…一体どこからダメだったのか考えろ…!)

岡部「……ゼェ…ハァ……ゼェ……」

岡部(……振り返ってみれば治す点は何個も…そもそもは…甘い考えを持ったあの時から……)

岡部(………………)

ぶぅぅぅぅぅぅん

紅莉栖「!!ちょっと岡部!何を…!」

岡部「………」


ぐ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇぇ ぇ ぇ ん ! !


岡部(―――それにしても…)

岡部(もしキラが警察関係者ならどう言う手を使ってくる…?警察関係者を尾行させてくるか…?)

岡部(…いや、キラは犯罪を嫌う…おとり捜査はさせないだろう…)

岡部「…だが、本人ならその抵抗はないんじゃないか…?」

~~~♪

岡部「ん、電話か?…はい、俺だが―――ッッ!!?」

――――Pi

岡部(…何度ものリープを経て…やっと戻って来れた…今日の日付は…カレンダーがかけてない…)

岡部「…ダル、いるか」

ダル「…どうしたん?」

岡部「今日は何日だ?」

ダル「何日って今日は―――」

岡部(……よし。時間はある。今回は運良く間に合っただけ。あと数秒遅れていたら…)

岡部(ちゃんと考えろ…頭の隅ーまでフル活用しろ…考えるんだ俺…!)

ダル「…オカ…リン?」

岡部「…ダル…エロゲはどうした。ほら、プレイを続けるといい」

ダル(オカリン…いつもの口調が抜けてるお…)

岡部(考えろ考えろ考えろ考えろ…!あの時の思考の延長線上に立て…!)

紅莉栖「ちょっと…さっきから岡部へんよ?」

岡部(…!)

岡部「……助手よ、電話がかかってくる直前、俺は何と言っていた?」

紅莉栖「は?」

岡部「いいから答えろ!!俺は何といっていた!?」

紅莉栖「え、ええと…」

紅莉栖「だが、本人ならその抵抗はないんじゃないか…?」

紅莉栖「って言ってたけど…何もそんな強く言わなくても…」

岡部「そうか…!ありがとう、紅莉栖」

紅莉栖「は、はぁ!?別にアンタのために…てか名前…」

岡部(となるとやはり近付いてくる奴には警戒せねば…)

ダル(牧瀬氏のツンデレの行き場がないお…)

岡部(しかしどうする…ダルは事情を知っているからいいが…)

岡部(助手は講義がある…他のラボメンは接客業で下手に行動制限は出来ないし…くそっ…!)

一旦中断、日付変更線をまたいだらまた投下します。


岡部(―――それにしても…)

岡部(もしキラが警察関係者ならどう言う手を使ってくる…?警察関係者を尾行させてくるか…?)

岡部(…いや、キラは犯罪を嫌う…おとり捜査はさせないだろう…)

岡部「…だが、本人ならその抵抗はないんじゃないか…?」

~~~♪

岡部「ん、電話か?…はい、俺だが―――ッッ!!?」

――――Pi

岡部(…何度ものリープを経て…やっと戻って来れた…今日の日付は…カレンダーがかけてない…)

岡部「…ダル、いるか」

ダル「…どうしたん?」

岡部「今日は何日だ?」

ダル「何日って今日は―――」

岡部(……よし。時間はある。ちゃんと考えろ…)

岡部(今回は運良く間に合っただけで数秒遅れていたら…)

ダル「…オカ…リン?」

岡部「…ダル…エロゲはどうした。ほら、プレイを続けるといい」

ダル(オカリン…いつもの口調が抜けてるお…)

岡部(対策を考えるんだ…頭の隅々までフル活用しろ……)

岡部(考えろ考えろ考えろ考えろ…!もうキラには負けないように…)

岡部(もう、大切な仲間を失わないように…!あの時の思考の延長線上に立て…!)

紅莉栖「岡部……ちょっとさっきから変よ?」

岡部(…!)

岡部「……助手よ、電話がかかってくる直前、俺は何と言っていた?」

紅莉栖「は?」

岡部「いいから答えろ!!俺は何といっていた!?」

紅莉栖「え、ええと…」

紅莉栖「だが、本人ならその抵抗はないんじゃないか…?」

紅莉栖「って言ってたけど…何もそんな強く言わなくても…」

岡部「そうか…!ありがとう、紅莉栖」

紅莉栖「は、はぁ!?別にアンタのために…てか名前…」

岡部(となるとやはり近付いてくる奴には警戒せねば…)

ダル(牧瀬氏のツンデレの行き場がないお…)

岡部(しかしどうする…ダルは事情を知っているからいいが…)

岡部(助手は講義がある…他のラボメンは接客業で下手に行動制限は出来ないし…くそっ…!)


月(それにしても潜り込めればこっちの勝ちは確かだが…Lやニアの時のように接点があるというわけでもない)

月(急に近付くにしても“僕”には理由がない…)

月(いくら可能性が低くてもどいつがOかわからないし…不用意に近付いてバレるわけにはいかない…)

月(考えろ…僕ならできる…)

月(そうだ…冷静になれ…こっちにはまだ時間がある…)

月(そもそもキラを探すために掲示板を荒らしまくったんだ…)

月(それに、まずクラッキングでコンタクトをとったのは僕)

月(つまり現時点ではOは攻めあぐねている…!)

月「ふふふ…」

リューク「おい、ライトどうしたんだ?」

月「ふふ、僕にはまだ時間があるってことさ。」

月「といっても、早く手を打たないといけないのに変わりはない。」

月「クラッキングの時に受けた屈辱は腹が立つけど……逆に、これを使わない手はないよ」

リューク「ククッ…また悪知恵か…」

月「ははっ、悪知恵とはひどい言い方だなぁ」

月(そうだ…警察として潜ろうとするからダメなんだ…それなら考え方を変える…!)

月「…例えば、他の職業をでっち上げればいい。一昔前のスパイ映画じゃないけどね。」

リューク「ククッ、他の仕事か…ライトなら殺し屋か?」

月「…僕は殺し屋じゃない。この世界における正義、新世界の神だ。」

リューク「おーこえー…」

月「そうだな…桐生萌郁のような……フリーターに化け…やっぱりフリーライターにしようかな」

月(…偽名の名刺が必要だな)


~柳林神社~

るか「これでお掃除おしまい…今日も、いい天気…だなぁ…」

月「どうも、こんにちは」

るか「あ、こんにちは…参拝の方…ですか?」

月「いえ、違うんです。僕はフリーのライターをしていましてね」

るか「ライターさん…ですか?」

月「あ、申し遅れました、僕はこういう者です」

るか「夜神月…さん、ですか」

リューク「ククッ…偽名じゃなくていいのかライト?」

月(五月蝿い…黙ってろ死神…問題ないんだよこれで…)

月「そう、秋葉原について記事を書いてまして…」

るか「そういう事なら…その…お父さん呼びましょうか?」

月「いえ、許可も取らずにやってきたのは僕ですから。それに神主さんの仕事もお忙しいのでしょう?」

月「手短に済ませますので、お話聞かせていただけますか」

るか「えっと…あ…はい…」

月「ありがとうございます!それでは取材始めますね!」

リューク「何その明るいキャラ」

るか「…えっと、その…何を話せばいいんでしょう…?」

リューク「へへぇ、うまく釣れたなぁ、ライト」

――――――へぇ、毎年神社で催し物ですか!」 「はい…地元の方に感謝の意も込めて…」

「ハハ、それじゃこの神社は毎年参拝客でいっぱいなんですね」 「あ、はい…」

「…このご神木ですか?いたずらされたのって」 「そうなんです…去年の冬…くらいに…」

「ふーん、じゃあラボにはあんまり遊びに行けないんですね…」 「はい…勉強の方が忙しくて…中々」

「その年じゃ仕方ないですよね、僕もそんな時期がありました…」「そうなんですか…?」

「さっき聞いた話じゃ結構ラボに人いるみたいですけど…」 「ええ、岡部さん…ラボの所長の岡部倫太郎さんという人の人望が―――

月「あ、ごめんなさい。つい話し込んでしまいました…ご協力ありがとうございました!」

るか「い、いえ…お役に立てたのなら…良かったです…」

月(………)

リューク「ククッ、三文芝居打っただけの価値はあったみたいだな」

月「五月蝿いぞリューク。……だがその通りだ。尾行を巻いた女の名前も分かったしね…」

月「そして何より興味深い情報が得られたよ。」

リューク「なんだ?興味深い情報って」

月「あぁ、奴らは……いや、まだ伏せておこう。見たほうが面白いと思うぞ」

リューク「ククッ、楽しみにしてるぜ…」

月(まさか、Oがタイムマシンを所持していたとはね…しかし、そうなるとますますわからない…)

月(不本意だが、僕はあのメールに助けられた。しかし、掲示板で見た限りは反キラ思想のはず…)

月(僕をおちょくっているのか…?)

月(そもそも僕は、Oは攻めあぐねていたと思っていたが…)

月「そうじゃない…くそっ…!」

月(迂闊なことをすると僕が殺られる…)


岡部「………」

岡部(…もう既に接触を図られている可能性もあるのだが…)

岡部(…待てよ、確かにここで勝てれば至上なのだが…俺はタイムリープマシンがあるんだぞ…?)

岡部(…つまり俺にとっては切り札。絶対に譲れないものだ…)

紅莉栖「………」

ダル「………」

ダル(…さっきからオカリンも牧瀬氏も怖いお…)

岡部(だからこそ…キラに封じられたら…?)

岡部「…気付かれたら…負け…か?」


月(迂闊な事をすれば過去を変えられる可能性が…)

月(…いや、考え方を変えろ。攻めは緩めてはいけない。…Oは僕と戦っている相手だ…そう言う奴ならどう考える…)

月(……タイムマシンは切り札のはず一切のデータを残していない事から…恐らく…いや絶対にだ。)

月(なら、それをその情報をもしキラに知られたら…?)

月(そうだ…切り札ならば知られる事自体アウトだろう。)



岡部(だが…こう言ってはなんだがラボメンは口が軽い。既にバレている可能性すらある)

月(しかし、自分からバラす形ならそれは逆の意味を持つ)

岡部(探りをいれてきたものがキラと考えられる…)

月(深く探りを入れればキラということを晒すようなもの…)

岡部(…違う、タイムマシンは人類の夢だ。興味が湧くこともある。だからこそ)

月(興味本位で“偶然”知ってしまう可能性は否定できないゆえに…)

岡部(キラを見つけるために―――)

月(Oが考える策は―――)

 
 
 
 
―――タイムマシンをきっかけにキラを誘い込む!

 
 
 


リューク「…ライト?どうしたんだ、ずっと黙ったままで」

月「…次はメイド喫茶の取材に行かないとな」

リューク「!」

リューク「ククッ、今のライトは悪役の顔だぜ」

月「バカを言うな。僕は正義だ」

―――May Queen + Nyan Nyan

フェイリス「おかえりニャさいませー、ご主人様ー!」

月「…!?」

フェイリス「ニャフフ、ご主人様は初めてのご来店なのニャ?」

月「え、ええ…そうですね……知り合いの勧めで。」

リューク「ククッ、友人の勧め…ね。」

月(嘘じゃないぞ、日本警察内部にだってオタクはいるさ。)

フェイリス「お席まで案内するニャーん」

月「あ…はい…」

月(クソ…変に思われないためには余り目立ってはいけない…少しでも警察の人間だと疑われることがマズイんだ)

月(キラは警察内部にいる事をあえてバラしたのはいい…プレッシャーは十分にかかった、救いの手も封じることになった)

月(だが…)

おまいら「ぶひぃぃぃぃぃぃいん」

月(だめだこいつら早く何とかしないと…)

フェイリス「それではご注文を給わるのニャ!」

月「ア、アイスコーヒー…」

フェイリス「かしこまりましただニャ、しばらくお待ち下さいなのニャ」

月「はぁ…」

リューク「ククッ、ここは面白そうな場所だなライト」

月(僕は何一つとして面白くない…!)

リューク「…少なくとも俺はげんなりしているライトを見れて面白いぜ…ククッ」

月(この死神…!)

フェイリス「お待たせしましたニャー、アイスコーヒーになりますニャ」

月「あ、ありがとうございます」

フェイリス「…メイクイーンはご主人様にくつろいで貰うのが第一ニャ、だからご主人様もリラックスするニャ!」

月「…わかりました!」

フェイリス「ニャフフ、素敵な笑顔をくれてフェイリスも嬉しいのニャ!ご主人様のお名前はニャンて言うのかニャ?」

月「夜神月です。ライトって呼んでください。」

フェイリス「ニャフフ、ガッテンニャ!ライト!」

フェイリス「初めて来てくれたライトには~…秘奥義”目を見て混ぜ混ぜ”を披露するのニャ!」

月(なんだよそれ!)

フェイリス「ニャニャ、どうかしたのかニャ?」

月「いえ…知り合いが言っていたとおりだなと。」

フェイリス「──!」


月「…?」

フェイリス「…ライトは嘘が下手なのニャ」 

月(…なんだと?)

フェイリス「なんで嘘を付くのかフェイリスには分からニャいけど…さっきも言った通りくつろいでもらうのが第一ニャ」

月(しまった…なにかミスを犯したか…?)

フェイリス「だからライトがどうしてここに来たのかも聞かないニャ」

月「──!」

フェイリス「ただし、来たからには癒されて行って欲しいのニャ!」

月「は、はは…実はここら辺で調べていることがありましてね…出来るだけ目立ちたくなかったんですよ…」

月(下手なことは言わないほうが良い…これが今僕が言える限界だ…)

フェイリス「…ライトがが何を調べてるのかはわからニャいけど、フェイリスはライトの事を応援するのニャ」

月「…ありがとうございます」

フェイリス「サービスニャ」

月(オムライス…か)

リューク「世界がヤバいか。ヤバイのはお前じゃないのか?ライト」

月(いい加減黙ってろ死神…)

まゆり「トゥットゥルー☆」

月(!!)

まゆり「あれれぇ?お客さん、はじめましてだねぇ?」

フェイリス「お客さんじゃないニャ」

月「えっと…?」

フェイリス「紹介するニャ!このメイドは…メイクイーンナンバー2のマユシィ・ニャンニャンだニャ」

まゆり「えっへへぇ、まゆしぃ☆です!」

月「あ、ああ…まゆしぃさん。初めまして」

まゆり「わぁ、お客さん、オカリンと声が似てるねぇ?」

月(オカリン…岡部倫太郎のことか…?)

フェイリス「じゃニャくて!マユシィ!お客さんじゃニャいし!語尾もニャを付けるニャ!」

まゆり「あ、ごめんなさい…ご主人様だにゃぁ」

月「い、いえ…どっちでもいいですよ…」

フェイリス「良くないニャ!ここは来てくれるご主人様のための場所、曖昧な態度でいるのはダメだニャ!」

月「そ、そう…なんですか…あ、では、僕はこのへんで。お会計…」

フェイリス「ニャニャ!600円になりますニャ!」

月(コーヒー1杯で600円!?…ぼったくりじゃないか………だが、椎名まゆり…思わぬ所で核心に近付けた)

月「……」

リューク「おい、どうしたんだよ黙っちゃって?もしかしてあの猫耳メイドに情が移ったとかか?」

月「そんな訳ないだろ…Oを潰すための次の手を考えていたんだよ。」

月(それにしてもあの女…一体…特に変な事を言った覚えは…僕の嘘を見破った…何者だ…)

月(超能力…?…いや、そんなものあってたまるか…!)

月(くそ…考えれば考えるほど頭がぐちゃぐちゃになる!)

月「………今日は一度帰るか…」


岡部「…グー…グー…」

ダル「グガガガー…ンゴッ」

紅莉栖「疲れて寝たみたいだけど……今日は二人共変っていうか…いつもの感じじゃなかった」

紅莉栖「まゆりはバイト終わったらそのまま帰っちゃうみたいだし……私もまゆりみたいに書置きして帰ろっかな…」

紅莉栖(岡部…なんで話してくれないのよ……)



月(秋葉留未穂はほとんど収穫無しだが…椎名まゆりに接触できたのは幸運だった)

月(それにしても僕の声が…岡部倫太郎に似ている?)

月「……なりすますか…?」

リューク「なりすます?」

月「岡部倫太郎と僕は声が似ているらしい。ならそれを使うだけだよ。リスクはあるけど…ね。」

月(…となれば…いちいち接触する必要もない……携帯ならば“似た声”を再生する仕組みになっている)

月「…裁きと並行して行うにはその方がいいだろうな…Lの時に用意していた携帯を使えば問題ないだろう…」

再び中断。今日中にはもう一度投下します。とりあえず、エタってしまった前スレ分は早く投下しきりたいところ。


岡部「む…しまったいつの間にか寝てたみたいだな……」

岡部「…これは…書き置き?」


疲れてるみたいだし起こさないでおくね?
あんまり危ない事しちゃだめだよ?
                 まゆしぃ☆

起きたらコレでも食っとけ!
後くれぐれも無茶だけはすんなよ!
                 紅莉栖

岡部「フ…あいつらめ……カップラーメンとバナナでは…全然合わないではないか」

岡部「……ダルはもういない…帰ったのか……」

岡部(ということは今は一人か…今狙いを絞られたら俺ひとりでは到底守れない…)

岡部(…といって疲弊しているダルを扱き使う真似はできないし……下手したら盗聴されている可能性もある…念には念を入れたほうがいい…)

岡部(しかし…タイムマシンを釣り針にするのなら誰かが矢面に立つことになる…)

岡部(…名前と顔は既に知られているという前提じゃないとダメだが…だからといって全員を殺そうとはしてない。)

岡部(それは今ラボメンが全員が生きているのがその証明…狙いはノートのことを知っている人間……)

岡部(それならば事情を説明するのは出来る限り控えたほうが良いが…それではどうすればいいのだ…説明不能は策を張れないのと同義だぞ)

岡部(…俺自身がタイムリープをしてキラを探るか…?)

岡部「…………」

岡部(………バカか…タイムリープはそう簡単に行うものではない…)


月「さてリューク、僕がなりすましで電話をするのなら誰がいいと思う?」

リューク「ん?…漆原るかか?」

月「どうしてだい?」

リューク「漆原るかは岡部にべったりで気弱なんだろ?」

月「ふふ、いい線だけど外れ。なりすますのなら岡部倫太郎に対する感情は障壁になるからね」

リューク「くくっ、じゃあ誰にするんだ?」

月「橋田至だよ。」

リューク「は?」

月「Oが誰であろうと橋田至はその協力者という立場になるんだ。」

月「僕のクラッキングを打ち破ったのも彼だろうからね」

リューク「O自身かもしれねぇぞ」

月「いや、それはない…Oは電子掲示板を使って僕を挑発したけれど、プロキシを使わず書き込むだなんて特定しろと言っているようなもの」

月「橋田至のように技術がある人間ならそれは避けるはずだ。」

月「それにたとえほかに何か意図があったとしても動機を橋田至からは見つけることが出来なかったしね」

月「むしろ動機だけなら岡部倫太郎の方が怪しいくらいだよ」

月「…という訳で協力者ならばキラに怯える者…だから、十分に誘導できる…恐怖で支配するのは好みじゃないけどね」

月「橋田至は確実に裁く…けどデスノートで操る事は出来ない。」

月(そんなことをすればOが過去を変えるとも限らないからな)

リューク「ふーん…人間って面倒だな」

月「でも、それは明日の夜にするよ。椎名まゆりに聞きたいことがあるからね」

リューク「なんだよ、結局ハマってんじゃねーか」

月「リューク、僕はあんなボッタクリ商法を許す気はないよ」


まゆり「トゥットゥルー☆」

月「トゥ、トゥットゥルー…?」

まゆり「お帰りにゃさいませご主人様」

月「あ、ああ…まゆしぃさん、コーヒーとオムライスください…」

まゆり「はいですにゃぁ」

月「…まゆしぃさん」

まゆり「はい?」

月「お話したいことがあって」

まゆり「うーんっとねぇ…まゆしぃ☆が答えられることなら答えますにゃぁ…」

月「じゃあ――――」

  アア、ソレハネェ ハイ

月「―――ありがとうございます。まゆしぃさん」

月(椎名まゆり…馬鹿な女)

月「じゃあ、僕はこの辺で…」

フェイリス「お会計1600円になりますニャー!」

月「なっ!?」


――――翌日、ラボ

岡部(……キラがどういう動きをしているのか…せめて把握できれば対抗策も……)

紅莉栖「…ねぇ、岡部…最近変よ…?どうかした…?」

岡部「紅莉栖か……なんでもない」

紅莉栖「…また紅莉栖って……最近普通の名前で呼ぶなんて……本当にどうしたのよ…?」

岡部「……名前で呼ぶことは悪いことか…?」

紅莉栖「…う、そりゃ悪いことではないけれど…むしろ嬉しいけど」ボソッ

岡部「…?…悪いことではないのならいいではないか……」

紅莉栖「う、うるさい!悪いことではないけど悪いのよ!!…うまく言葉にまとめられないのが悔しいけれど!!」

紅莉栖「…そうよ、大体ラボでそんな怖い顔されてたんじゃこっちまで気が滅入るのよ!!何かあったなら早く言って!!」

岡部「だからなんでもないと言っているだろう…」

紅莉栖「なんでもないって…」

岡部「なんでもないのだっ!」

紅莉栖「っ!」

岡部「……本当になんでもないことだ。放っておいてくれ…頼むから…っ!」

紅莉栖「岡部…」

岡部(……俺はいったいどうすれば…)

ダル「…………」

ダル「……僕はもう帰るお…何かあったら電話でヨロ…」

紅莉栖「橋田も…!」


リューク「……今頃、あっちはズタズタだろうな。ライトの財布のなかもズタズタだけどな」

月「財布のことは置いておいて…Oは勝手に苦しむはずだ。こっちの信念を理解できてるのなら尚更ね」

月「……さて、ここから怒涛の攻め手…O、受けきれるか?」

月「………ん、もしもし。俺だ」

ダル「……オカリンか…非通知でかけてきてなんか用なん……?」

月「…あまり言いにくいのだが…」

ダル「…ちょ、何、何があったん」

月「メイクイーンニャンニャンが」

ダル「メイクイーンニャンニャンがどうかしたん!?」

月「……怪しい人物が嗅ぎまわってるらしい」

ダル「…っ、ちょ…それほんとなん…?」

月「……ああ。」

リューク(自分のためなら何でもやる人間って面白!)

ダル「ちょっと、フェイリスたんに聞いてくるっ!」

月「待てっ!!」

ダル「! ……どうしたん…?」

月「…言うにしても下手な事は言わないほうがいい。念には念を入れて…だ」

ダル「オーキードーキー…ありがとね、オカリン」

月「…ああ、それだけだ。」

月(勝った…思い通り!)

月「リューク、僕たちの勝ちだ」

リューク「どうしてだ?」

月「椎名まゆりのいう橋田至は岡部倫太郎の発言を話半分で聞き流す奴だ」

月「だが今の電話では僕の発言を真摯に聞いていた。橋田至は黒だから、今の対応で岡部倫太郎は黒。」

月「そして、フェイリスに不用意な事を言うなといった時に同意したからフェイリス…秋葉留未穂は白。」

月「そして岡部倫太郎をO、もしくはそれに準ずる者とすると…椎名まゆりは白。」

月「同じ理由で他のラボメンも白に近いだろう…岡部にとってはラボメンは庇護の対象だからな」

月「ただし、阿万音鈴羽は除外だ。」

リューク「それまたどうして?」

月「警察をことごとく欺き通していて尾行も巻かれた。調査結果では戸籍なしとある。まず危険人物には間違いない」

月「デスノートでは殺人を強要できないから間接的に殺すというのも不可能。…そもそも警察を撒く人間を殺せるのか?」

月「阿万音鈴羽は何よりも警戒するべき本当の切り札だったよ」

リューク「だった?」

月「ああ、だった。僕の勝ちは確定済み。」

月「Oは岡部、奴が死ねば阿万音鈴羽の行動も変わる。」

月「……書こう、名前を。奴らの目の前で」


岡部(……助手は荷物を取りに行くと言ってホテルに向かって…今ラボには俺ひとり…)

岡部「……ダルに今後のことを相談しようにも通話中で電話に出ないし…」

まゆり「トゥットゥルー☆」

岡部「ん…まゆりか」

まゆり「…オカリン、オカリン、今日ね、夜神くんとお話したんだよ?」

岡部「……夜神くん?誰だ?」

月「…すみません!こちらに橋田至さん、岡部倫太郎さんはいらっしゃいますでしょうか!」

まゆり「!夜神くん?今あけまーす」

岡部「……!」ダッ

カタカタカタ

岡部「動け…!」

月「…ありがとう、椎名まゆりさん」ギィィィ

岡部「まゆり!扉が開いたら手に持ってるノートを叩き落とすんだ!」

岡部(間に合うかタイムリープマシン!後ろを振り向いてる暇はない!入られたらおしまいだ…!)

まゆり「え?あ、えい!」

月「!?」

まゆり「あ、えっと…ごめんね、夜神くん…」

岡部「ナイスだ、まっちょしぃ!!」

月(グッ…だが時計の方に…!)

月「…あと30秒!もうメールを打ち込むには間に合わない!!」

月(…予定とずれたが……チェックメイトだ…!)

月「僕の勝ちだ!岡部倫太郎!!」

岡部「ああ、負けだ…俺のッ…負け…今回は!!」

ぶぅぅぅぅぅぅぅうん…

月「何?」

岡部「だが…次のお前には勝つからな。キラ!」

月(!?)

岡部「 跳 べ よ ぉ ぉ お お お お お お お ! ! ! 」

ぐ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !

――――――

岡部(…もう何回、何十回…時を戻したのかわからない…)

岡部(幾度となくキラに敗れた……最初は歴史修正のためにキラを追っていたが、今はもうそんな話ではない……)

岡部(ダルを、まゆりを守るために…ラボメンを守るためにキラを捕まえる…絶対に)

岡部「…助手よ、電話を取る前の俺はなんて言っていた」

紅莉栖「もういい加減にして…!」

岡部「ど、どうしたのだいきなり…?」

紅莉栖「タイムリープしてきたんでしょ岡部!何があったの…!?」

岡部「…っ………済まない」

紅莉栖「…っ」

ダル「……オカリン、もう言おうず…僕らだけじゃなんともならないって…」

岡部「だ、だが…」

紅莉栖「……いいわよもう、知らないから…ただ、覚えておいてほしい」

紅莉栖「…タイムリープは未完成の理論なの、気軽に何度も使えるものじゃない…一歩間違えれば脳が破壊されるかもしれない…」

紅莉栖「……それだけは…覚えていて」

岡部「…………ああ、ありがとう。助手よ。」

紅莉栖「……だから助手じゃないわよ…はぁ…」

岡部「……ダル、さっき俺はなんといっていた?」

ダル「気付かれたら負けだとかなんとか…」

岡部「…そうか。」

岡部「…まゆりはもうバイトに行ったのか」

ダル「………」

紅莉栖「…………」

岡部「……そうか。」

岡部(…済まない…が、俺はやらなければならない…)

岡部(…まずキラの行動を読め…キラが警察内にいる…それはどう言う意味か考えるんだ…!)

岡部(…俺たちの情報を全部持っていると考えて問題ないはず…)

岡部(ノートの存在を知っている人間以外には手を出さないのなら、そいつを探すにはどうする…)

岡部(外堀を埋めるのが一番効果的だ…つまり必ず誰かに接触をせざるを得ない…)

岡部(誰に接触するか…そんなことは考えることではない。まずは動け…どこかに、キラはいる……!)

岡部「…すこし出掛けてくる」


フェイリス「じゃニャくて!マユシィ!お客さんじゃニャいし!語尾もニャを付けるニャ!」

まゆり「あ、ごめんなさい…ご主人様だにゃぁ」

月「い、いえ…どっちでもいいですよ…」

フェイリス「良くないニャ!ここは来てくれるご主人様のための場所。曖昧な態度でいるのはダメニャ!」

月「そ、そう…なんですか…あ、では―――」

岡部「……邪魔をするぞ」

フェイリス「ニャニャ!キョーマ!」

月(…きょーま?)

岡部「……」

岡部(見慣れない顔だな…こいつが…?)

岡部(いやいや、いかん、人を見るとキラと思い始めてきている)

まゆり「トゥットゥルー☆オカリン!」

月(!)

岡部(…外では平静を装え)

岡部「フゥーハハハ、まゆりのバイトの様子を見にな」

月(やはり岡部倫太郎…!)

月「えっと…まゆしぃさん、フェイリスさん、この方は?」

岡部(!……この声…)

岡部「ん?まゆりとフェイリス、知り合いか?」

まゆり「やっぱり、二人の声はそっくりですにゃぁ」

フェイリス「今日初めて来てくれたライトニャ。」

岡部「…ふぅん、そうか。常連になって貰う為頑張れよフェイリス」

フェイリス「もっちろんニャ!」

月(誰が常連になるか)

月「あ、もしよろしければ座っては?」

岡部「あ、ああ…ありがとう…」

岡部(椅子を引かれてはわざわざ断って立ってるわけにも…)

月「初めまして、夜神月と言います。岡部倫太郎さん…ですね?」

岡部(……夜神…月……夜神くん、か。)

岡部「……初めまして。」

月「ああ、いきなり話しかけてすみません。名刺名刺っと」

岡部「いや、いい…それよりなぜ俺の名を…?」

月「実は僕、フリーライターをしてまして…それで先ほどは神社を取材したのですが、そこで聞いた人の特徴が貴方に…」

岡部(…神社…漆原神社か…?)

岡部「似ていたと…」

月「…オカリンと呼ばれておられたご様子なので不躾ながら聞かせていただいたのですが…」

岡部「そうですか…」

月(…話に乗ってこい…!)

岡部(…話をふるか?いや、不自然だ)


月「……取材ついでに聞かせていただきたいのですが、倫太郎さんはオカルトって信じますか?」

岡部「?…オカルト?」

月「ええ、例えば幽霊とか死神とか。秋葉原のどこかに二次元につながる扉があるなんて噂もあるみたいですね。」

おまいら「「「「「がたっ」」」」」」ガタッ

リューク「ククッ、二次元の扉は知らないが…俺は実在するぞ」

岡部「…まぁ、あるのではないか?よくはわからんが。…もしいるとすれば…ふん、死神の好物とかしりたいが」

月「はは、新しい見方ですね…死神にも好きなものってあるんでしょうかね?やっぱり魂とか?」

リューク「リンゴ!リンゴ!」

月(相変わらず五月蝿い……死神じゃなかったらとっくに裁いてるぞ……)

岡部「…死神といえば6年ほど前にテレビ中継で―――」

月(!)

月「ああ、お互いの死神を見せ合えばってやつですね…あれはキラとキラを騙るものの口論でしたっけ…」

月「……こんなご時世に聞くのもアレですけれど、倫太郎さんはキラのことどう思います?」

岡部(……反応を見ているのか?)

岡部「……そうだな、何が目的かわからないからな…犯罪者は減っているのは確かだが…」

月「だが?」

岡部「恐怖で支配しているような気もする。言ってはなんだがディストピアになりかねん」

月(……)

月「なるほど…メモメモ」

岡部(…この紙……触れば確認できるだろうが…軽率に行動してみろ…俺など即座に殺されるぞ…)

月「では、僕はこの辺で…」

岡部(……なんの脈略もなく帰るのか夜神月…?…だが…俺にも引き止めるには理由がない…)

月(…そう、引き止めれはしないはずだ岡部倫太郎…しかし、僕自身もこの場には長居出来ない…)

岡部(ここでは疑われるだけでアウト…そうだよな?)

月(ここでは疑われるだけでアウト…そうだろ?)

 (夜神月) (岡部倫太郎)

月「…また、近々お会いしましょう。倫太郎さん」

岡部「…ええ、楽しみに待っている。夜神月」

岡部「…………」

岡部(……俺が戦ってきたキラはあいつだ…本当の名は…)

月「…………」

月(岡部倫太郎…Oではないのか…?)


岡部「……今帰ったら、ダルが寝ているはずだ…」

ダル「グガガガー…ンゴッ」

紅莉栖「あ……」

岡部「あ……」

紅莉栖「……私は今帰るとこだけど……岡部、あまり意地を張ってもしょうがないわよ。」

岡部「…どういうことだ」

紅莉栖「だって…無理してるように見えるわよ。私を誰だと思ってるの?」

岡部「む……それは…また、話す。今は…」

紅莉栖「………」

岡部「…帰ってくれ」

紅莉栖「……待ってるから。」スタスタ

岡部「…………」

岡部「…ダル、起きろ。」

ダル「グガガガー…ンゴッ…ん…うぅ……オカリン…?なんぞ…?」

岡部「キラと接触してきた」

ダル「はぁ!?ちょ、それkwsk!」

岡部「夜神月と名乗っていたが…おおかた偽名だろう。」

ダル「…ヤガミライト?偽名?なぜに?」

岡部「キラは警察内部にいる、俺らはそれを知っている。奴がキラだとしたら本名を名乗るメリットがないだろ」

岡部「同じ名前の人間が警察内にいることになる…お互いに疑われるだけでアウトなんだ、そんな危険な真似はするまい」

ダル「なるほど…オカリンそんな賢かったっけ?」

岡部「ああ…まぁ、流石に何十周も何百周もしてるとな」

ダル「あぁ…そういうことなん?やっぱオカリンはオカリンか」

岡部「………」

ダル「ごめんなさい。」

岡部「…まぁいい。それと夜神月にあって気付いたのだが、俺の話は筆談か…もしくは直接的に話す時以外信じるな。」

ダル「え?ちょ、それどういうことなん?」

岡部「携帯の音声送受信の仕組みは知っているな?」

ダル「送信者の声を電子変換する際に2500種類音源の内最も近い物に置き換えるアレ?」

岡部「ああ、合っている。それでだな、夜神月と俺の声は似ている。つまり」

ダル「携帯を通されると聞き分けることができない…だと…?」

岡部「…ああ、そういうことになる。偽の携帯で非通知にされたらアウト。俺の身に何かが起こり、携帯を奪われてもアウトだからな」

ダル「おk…把握した……」

岡部「…そういえば、俺らがキラに勝つ方法…否、勝利条件とは何なのだろうな。」

岡部「俺らには逮捕権限もなければ監禁の手立てもない。殺すなんてことをしたら本末転倒だ、キラと同じではないか」

ダル「うーん……そう言われると……オカリンはキラのいない…せ、せ、」

岡部「世界線か?」

ダル「キラのいない世界線から来たんなら、その世界線に戻ればいいんじゃね?キラがキラじゃなくなった世界のはずですしおすし」

岡部「…ふむ、なるほど。キラの殺人手段を奪うのだな。さすがマイ・フェイバリット・ライトアームのスーパーハカーダル!」

ダル「その呼称やめーや。スーパーハカーじゃなくてスーパーハッカー!それに今はキラに負けたし…ただのハッカーですわ……」


月「…明日の予定はメイクイーンに情報収集だ。なりすましはそのあとでもできる…」

リューク「なんだよ、結局ハマってんじゃねーか」

月「リューク、僕はあんなボッタクリ商法を許す気はないよ。さっきだってコーヒーだけなのに600円も取られたし。」

リューク「600円だけで怒るとはライトも心が狭くなったな…」

月「…リューク。お前の好きなリンゴのブランド名は?」

リューク「陽光だ。甘酸適和で味は濃厚、見た目もきれいなんだ」

月「3個だ。」

リューク「ぼったくりは許せないな。」



まゆり「トゥットゥルー☆」

月「トゥ、トゥットゥルー…?」

まゆり「お帰りにゃさいませご主人様」

月「あ、ああ……まゆしぃさん、コーヒーとオムライスください…」

まゆり「はいですにゃぁ!」

月「…まゆしぃさん」

まゆり「はい?」

月「お話したいことがあって」

まゆり「うーんっとねぇ…まゆしぃ☆が答えられることなら答えますにゃぁ…」

月「じゃあ――――」

  アア、ソレハネェ ハイ

月「―――ありがとうございます。まゆしぃさん」

月(椎名まゆり…馬鹿な女)

月「じゃあ、僕はこの辺で…」

フェイリス「1600円ニャー!」

月「なっ!?」

リューク「陽光8個がっ!?」


岡部(…キラはおそらく俺の周りを探る…外堀を埋めていくのが狙いだろう……俺と似た声ならば携帯を通じて……うーむ…)

紅莉栖「岡部」

岡部「……助手か。悪いが今は返事ができん、話しかけないでくれ…」

紅莉栖「いい、返事はなくてもいいから黙って聞いて。…岡部が困っているなら私は全力で解決に協力する」

岡部「……え?」

紅莉栖「私だけじゃない。まゆりも…ラボの人だってそう言うはずよ。だから、気軽に相談するといいわ」

岡部「………」

紅莉栖「1人で強がって抱え込むより、弱音を履きたい時は吐く。私たちはそれを拒絶したりなんかしないから」

紅莉栖「……ちゃんと聞くから」

岡部「なんで…」

紅莉栖「岡部はこのラボの所長でしょ、ラボメンが助けなきゃ。前、私に同じ事言ったのは誰?」

岡部「……フッ…フゥーハハハ!ならば、俺もお前と同じように返すだけである!また今度言わせてもらおう、と!」

岡部「……なんやかんやで青森にも行けてないしな」

紅莉栖「え、覚えて…?」

ダル「……僕は帰るお…僕の目の前でイチャイチャするようなリア充バカップルは爆散しろ!」

紅莉栖「…///」


リューク「……今頃、あっちはズタズタだろうな。ライトの財布の中もズタズタだけどな…俺のりんご……」

月「財布と林檎のことは置いておいて…Oは勝手に苦しむはずだ。こっちの信念を理解できてるのなら尚更ね」

月「……さて、と。ここから怒涛の攻め手…O、受けきれるか?」

月「………ん、もしもし。俺だ」

ダル「……オカリン…?非通知でかけてきてなんか用なん?」

月「…あまり言いにくいのだが…」

ダル「…ちょ、何、何があったん」

月「メイクイーンニャンニャンが」

ダル「メイクイーンニャンニャンがどうかしたん!?」

月「……怪しい人物が嗅ぎまわってるらしい」

ダル「…!」

ダル「…怪しい人物ってなんぞ?」

月「…わからない…が」

ダル「いつもの厨二病?」

月「………」

ダル「それに、本当に危険だと判断したならオカリンが動くべき。僕はもう帰り道の途中だからそっちのほうが近いだろうし」

月「………ああ、わかった。」

月(……やられた)

月(…仕方ない、違う策を考えろ…即座にだ…僕ならやれる…)

リューク「どうしたライト?まさかネタ切れじゃないだろうな?」

月「は…はは、そんなわけないだろ。策はまだあるよ。でも」

リューク「でも?」

月「O側には何枚も切り札が伏せられている。地雷のように」

月「まずこれは、リュークに言うのは初めてだったけど…ラボはタイムマシンを持っている。」

リューク「タイムマシン?」

月「ああ…にわかには信じがたいけど、ね。これも確かに危険だけど、真に警戒するべきは阿万音鈴羽という人物。」

月「警察をことごとく欺き通していて尾行も巻かれた。調査結果では戸籍なしとある。まず危険人物には間違いない」

月「デスノートでは殺人を強要できないから間接的に殺すというのも不可能。…そもそも警察を撒く人間を殺せるのか?」

月「阿万音鈴羽は何よりも警戒するべき本当の切り札だよ。まず、こいつの情報を得る事が優先的になる。Oの始末よりもだ」

月「…今の策が成功していれば即解決だったんだけどね」

中断。食事をとってきます。日付変更線をまたいだらまた。


岡部(ダルは帰った…助手はホテルに荷物を持ちに、まゆりはバイトから戻ってきたところだが…)

まゆり「…オカリン、オカリン!今日も、夜神くんとお話したんだよ?」

岡部「夜神月か。どんな話をしたんだ?」

まゆり「えっとねぇ、ラボのこととかぁ、Dメールのこととか…」

岡部「Dメールのこと話したのか!?」

まゆり「えっ…うん…」

岡部「…タイムリープのことは?」

まゆり「…たいむりーぷ?」

岡部「……まぁいい。今後、Dメールのことを話すのは控えるのだぞ!ラボのトォォォゥップシィークレットなのだからな!フゥーハハハ!」

月「…すみませーん!」

まゆり「!夜神くん?今あけまーす」

岡部「……!」

月「…ありがとう、椎名まゆりさん」

岡部「まゆり!扉が開いたら手に持ってる物を叩き落とすんだ!」

岡部(早くタイムリープの準備を…!)

まゆり「え?あ、えい!」

月「!?」

岡部「!?」

まゆり「?」

月「いたたた…どういうことなんですか…」

岡部(ノートを持ってない!?)

岡部「す、すまない…不審者かと思ってな」

まゆり「もぅ!夜神くんは不審者じゃないよ?」

岡部「そ、それでなんのようだ、夜神月」

月「………単刀直入に言います」

岡部(…コイツ気づいて…?)

月「…ここにはタイムマシンがあるそうですね」

岡部(!食いついた!)

岡部「…まゆりから聞いたのだな。さっき聞いたところだ…知られてしまっては仕方がない。夜神月をラボメンナンバー9に任命する!」

まゆり「うわー!やったね!夜神くん!」

月「ラボメン…ナンバー9…?」

岡部「ラボラトリーメンバーの略だ。」

月(……ふざけてる…)

月「それでそのタイムマシンは…?」

岡部「ああ、そこにあるが…今、発明したふたりはいない。それとこのことは記事にしないでくれよ?」

月「ええ…わかってます…なるほど…電子レンジと携帯電話…そして一階のテレビ…」

まゆり「クリスちゃんとダルくんがつくったんだよ!」

岡部(今日、夜神月がこのラボに来るのは“確定”していたという事か)

月「へぇ…あ、それでは一度帰らせていただきますね」

岡部「ああ、気をつけて帰れよ。またいつでも来ていいからな」


リューク「ククッ、本当にあったな、タイムマシン」

月「ああ…以前の僕なら信じなかっただろうけど…あるのは事実、それは変えられない。」

月「確かに過去を変えられるのは厄介だけど…要はそれより早く裁ければいいだけのこと、僕ならできる。何の問題ない。」

月「……明日は忙しくなる…ん?」

リューク「お? どうしたんだライト」

月「あの女…桐生萌郁」

リューク「ん?あぁ、あの女も確かラボメンだっけか」

月(阿万音鈴羽に次いで正体不明な女だ…家族や身寄りはなし…こいつに接触するのは漆原るかや秋葉留未穂以上に危険だ。)

月(ラボメンになれたからこそ不審な動きは怪しまれる…)

萌郁「・-・・・」 カチカチカチカチカチ

月「携帯…メール…」

萌郁「・-・・」 カチカチカチカチカチ

リューク「おい、どうしたんだよライト」

萌郁「・」 カチカチカチカチ

月「確か桐生萌郁には携帯依存症の気があったはず」

リューク「それがどうかしたのか?」

月「もし奴がOの協力者だとしたら、携帯は一時も手放したくはないはずだ」

月「特にキラから追われている身であれば尚更の話だよ。キラと戦う上で絶対のアドバンテージになるんだから」

リューク「へぇ、確かにありえなくはないかもな。だが、協力者として見ていいのか?Oかもしれないぞ?」

月「それは後で説明する…ここは外だ、これ以上は独り言でも通らないよ」

月(Dメールの仕組みは詳しく聞けなかった…情報量が劣っては負けてしまう…かつてのLのように。)

月(……バレたらアウト…僕はバレない……大丈夫だ)

萌郁「・・」 カチカチカチカチ

月(…なんなんだあの女、街中をうろうろして……全く収穫がない…一体何が目的なんだ…?)

月(…まさか過去にメールを送って…僕は監視されて…いや、そこに至るほど大きなミスをした覚えはない…大丈夫だ、バレていないはず…)

月(……いや違う、考え方を変えろ…そんな考え方じゃない…未来の僕ならどういう行動を取るか…それすら考えて動かなくちゃいけない)

リューク「お、喫茶店に入ったな」

月「僕達も入るぞ」


月「あ、レモンティーください。」

月(さて、どうする…携帯依存症ならたとえトイレに行ったとしても手放さないだろう…)

萌郁「・・・-」 カチカチカチカチカチ

月(またメール…しかしあんなにメールをして一体何を…)

月(……仕方ない、多少強引ではあるが…)

リューク「お、動くのかライト」

月(自然に…自然に…)

月(後もう少し…あの女の後ろから…)

月(画面を…)

リューク「ククッ、歩き方がたどたどしいぞライト」

萌郁「・-・-・ 」カチカチカチカチ

月(見えた!)


──FBFBFBFBFBFBFBF
   FBFBFBFBFBFBFBF
   FBFBQBFBFBFBFBF
   FBFBFBFBFBFBFBF
   FBFBFBFBFBFBFBF
   FBFBFBFBFBFBFBF
   FBFBFBFBFBFBFBF
   FBFBFBFBFBFBFBF
   FBFBFBFBFBFBFBF
   FBFBFBFBFBFBFBF
   FBFBFBFBFBFBFBF

月「──!?」

月(な、何をやっているんだこいつは!)

月(…動揺するな、こいつはOじゃない…)

月(………これ以上は危険だ、帰って考え直そう)

月(…僕の一番の目的はOの処刑なんかじゃない…)

月(僕にメールを送った人間を見つけることなんだから)

萌郁「……?」


岡部(キラに対して首をさらけ出したも同然だが、射程距離まで引きずり込んだのはいい兆候だ…)

岡部(しかし…キラの殺人方法を奪うと言ったってな…あなたはキラですかなんて聞いたらそれこそ殺される)

岡部(一体どうする……)

岡部(…………)

岡部(…………?)

岡部(待てよ…そもそもキラはどうして復活した…?)

岡部(世界改変が行われたのは俺も観測済みだ…世界改変を行ったものがいる…?)

岡部(だとしたらキラがいなくなっても無意味じゃないか…しまった…キラを見つけたことに喜びすぎていた)

まゆり「オカリーン…?なんだかこわい顔をしてるのです…」

岡部「…あ、ああ…わるい、まゆり。どうした?」

まゆり「えへへ、まゆしぃはもう帰らなきゃダメだから…挨拶しにきたのです、それじゃあねオカリン!」

岡部「……ああ、それじゃあな。まゆり」

岡部「………一人か。」

岡部「……おかしいな…まだ夏なのに震えが止まらない…」

岡部「…………止まれよ…俺の体だろ……止まれよ…!」

岡部(……止まってくれよ…!)


――――翌日

岡部「…というわけで、今日からこのライトが仲間になった」

フェイリス「ニャニャ!ライトもラボメンになったニャ!?」

月「アハハ…」

ルカ「あの時のライターさんが…」

月「お久しぶりですね…」

萌郁「-・ ・・ ・- ---・- -・-・・ 」カチカチ

岡部「ん?なになに…やったね岡部くんラボメンが増え」

ダル「おいやめろ。…でも、男が増えたのはラッキーだお」

岡部「……やっぱりホモじゃないか」

ダル「そんなつもりはなかったんだけど!?」

まゆり「みんな、夜神くん困ってるよ…」

紅莉栖「…これからよろしくお願いしますね夜神月さん」

鈴羽「……」

月「みなさんよりだいぶ年上ではありますが、よろしくお願いしますね」

岡部「…というわけでみんなこのパーティーを楽しんでいくがいい!」

岡部「……あ、そうだ、バイト戦士よ。少し来てくれないか」

鈴羽「……わかったよ、岡部倫太郎」

月(……監視から外れられるのはまずいが…それよりも、残った6人とタイムマシンを見張らないとな)

ダル(ちょ…オカリン、キラから目離していいん…?)

岡部(…ダル、頼むからこっちを見るな…関係性を疑われる……!)


――屋上

岡部「…鈴羽…いや、ジョン・タイターか。」

鈴羽「へぇ…知ってたんだね。岡部おじさん」

岡部「…俺もいろいろあったからな。…それで俺からの話なんだが」

鈴羽「あ、ちょっと待った。私から2点連絡ね。」

鈴羽「1つはまずあたしたちは尾行されてた。…そして、もう1つ。岡部おじさんはキラに勝てない。」

岡部「!?」

岡部「……なぜ言い切れる?」

鈴羽「岡部おじさんは…一度勝ってる…キラ…あるいはキラの側近と対峙し一度ノートを奪ったんだ。」

鈴羽「本来はそれで勝てたはずなんだ…!」

岡部「俺が…では何故俺が負けると…?」

鈴羽「…心臓麻痺。岡部倫太郎はキラの裁きで死んだんだ」

岡部「なっ…6年前のTV口論のようにキラは複数いた…」

鈴羽「もしくはキラは恐らく複数のノートを持っている…それは裁きが続いていることから私も考えた」

岡部「……違うのか?」

鈴羽「ううん、わからない…でも岡部おじさんの手記が見つかったんだ。」

岡部「………俺はなんと書いていた?」

鈴羽「リーディングシュタイナーは二度起きた―――」

 
 
 
   リーディングシュタイナーは二度起きた

   結論だけ先に書く 

   失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
   失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
   失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した

   俺は失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
   失敗した失敗した失敗した俺は失敗した失敗

   改変者はすぐそばにいて、俺はそれを見逃した。

   失敗した

 
 
 


岡部「……そうか。」

鈴羽「ここまで悲痛に殴り書かれた文章は私も初めて見たよ…」

鈴羽「…私からの報告は以上だよ。岡部おじさんの話って?」

岡部「……俺の話はまず改変者の捜査願いだ。」

鈴羽「えっ…」

岡部「俺も気付いてはいたんだ。気にすることでもないとは思ったが…まさかバタフライエフェクトが如く大きな落とし穴だったとはな」

鈴羽「そうなんだ…わかった、改変者をとっつかまえればいいんだね!」

岡部「まて、鈴羽。まだ話の半分もしてないぞ!? 大体、この世界線では改変者の記憶も再構成されてるだろう」

鈴羽「あ…そっか、ごめん、オカリンおじさん」

岡部「それと名前をちょっとずつ改変するのもやめろ。それでだな、キラが存在することで得する人間を探して教えてくれ」

岡部「俺が記憶を持ち越せば2度目の改変を阻止することは容易にできる」

鈴羽「…わかった。」

岡部「それでな、キラが存在することで得する人間を探して教えてくれ」

岡部「俺が記憶を持ち越せば改変阻止は十分にできる」

鈴羽「…わかった。」

岡部(さて…これで改変者を見つけることは出来るはずだ…リーディングシュタイナーは起きなかったが…)

岡部(現時点では改変者を見つけても改変を阻止する方法がない、そう考えれば世界線収束で起きないのも仕方ないといえる)

岡部「あと、鈴羽…今日来た月という男はキラだ。」

鈴羽「?!」

岡部「……くれぐれも不審な行動はするなよ」

鈴羽「…勿論だよ。」

岡部(………死ぬかもしれないが、やってみようか。)

岡部「…あと、先に戻ったら一応電話レンジがすぐ作動するようにセットしてくれ」

鈴羽「…何をするかはわからないけど…セットだね。わかった」

岡部「…いったか…」

岡部「…………覚悟を決めろ…俺は狂気のマッドサイエンティストだろっ…!」


―――ラボ

月(………10分を超えたな…何をしている岡部倫太郎…)

月(しかし迂闊には動けない…)

ダル「夜神氏はコーラ?ドクペ?」

月「あ、コーラでお願いします。」

ダル「おk」

月(……橋田至は黒、岡部倫太郎はグレー、牧瀬紅莉栖は…)

紅莉栖「…?どうしたんですか?夜神さん」

月「ああいえ、雑誌で見かける写真よりも美しい方だなと」

紅莉栖「えっ…そんな、お世辞がお上手ですね…///」

月(…グレーだな。椎名まゆりは白、漆原るかも白だろう。問題は…僕の嘘を見破った秋葉留未穂。それと桐生萌郁だ…)

フェイリス「ニャニャ?どうしたのニャライト?」

月「あ、いえ…なんでもないんですよ。」

フェイリス「……そうかニャー?」

月「ほんとになんでもありませんって!」

萌郁「---- ・・ -・・・ ・-・-・ ・-・・・ ・- --・-・ ・-」モグモグ

月「萌郁さんは全くしゃべりませんね…」

萌郁「・・ ・-・・ --- ・・・- ・ --- -・- ・- -・・・ ・ 」カチカチ

月「…携帯?」

萌郁「……メール…アドレス…」

月「…ああ、僕のアドレスはですね………」

月(教えた瞬間からものすごい量のメールが…しかも顔文字絵文字だらけじゃないか、キャラ違いすぎるぞ…)

リューク「くくっ…なかなかカオスだなぁライト」

鈴羽「ただいまー!」

一同「「「「「「「おかえり(な(ニャ)さい)!」」」」」」」

鈴羽「……夜神月、楽しんでる?」

月「…ええ、なかなか個性的なメンバーですね。」

まゆり「えへへ、褒められたのです」

紅莉栖「褒められてはないと思うわよ。…阿万音さん、岡部は?」

鈴羽「もうすぐ来ると思うよ」

岡部「フゥーハハハ!ただいまもどったぞぉ!」

紅莉栖「うるさいわよ岡部!」

岡部「あっ、すみません。…夜神よ。少し話がある。来てくれるか」

ダル「阿万音氏の次は夜神氏?オカリンも気が多いな」

紅莉栖「だまれHENTAI」


―――再び屋上

月「…それで、どうしたんですか倫太郎さん」

岡部「…夜神月、お前はここら辺で何を調べまわっている?」

月「…え?」

岡部「最初は漆原神社、次にメイクイーンニャンニャン…そしてこの未来ガジェット研究所……」

岡部「取材というには如何になんでもバラバラ、どう考えても纏まりがない。…いや、むしろ“まるで俺らを嗅ぎまわってる”」

岡部「……そう感じてしまうのだが。夜神月…お前は何者だ?」

岡部(これで先手は取った…さぁ、どう出る夜神月)

月(……こいつ…O…!)

月「…僕はフリーライターです、そして目の前に立派な神社が見えた。なので取材をさせてもらいました」

月「そこでたまたまこの研究所のことを知っただけです。他意はないですよ。」

月「メイド喫茶に行ったのも休憩のためで、貴方に出会ったのも偶然。全ては偶然だったんですよ。」

月「…むしろなぜ貴方は僕を疑うんです? まるで……誰かに狙われてるみたいじゃないですか」

月(……Oめ、僕がお前を殺せないと知ってて罠を……だが、僕はミスをしていない。疑えば逆に自分を追い込むぞ)

岡部「…いや、そうか、済まない。どうも、ここ最近キラ事件が身近にありすぎてな。…キラを信奉するもの、批判するもの…」

岡部「そして俺をキラだと疑うもの…多くてな。疑心暗鬼になっていた。」

岡部「もしお前がキラについて取材しているようならば、俺はお前に協力を仰ごうと思っていたんだ。」

月「協力?」

岡部「ああ…以前、俺にキラをどう思うか聞いてきたことがあっただろう?それにライターにとってキラネタは宝のはず」

岡部「だから、ラボメンがキラをどう思ってるか聞こうと思ってな。お前にとってもインタビューのような感じでネタにできるだろう」

岡部「そう思ったんだが……済まない。不快にさせてしまったようだな」

月(…コイツ……僕のことを疑ってないのか…?)

月(……いや、疑っていても決定打が得られないから…か。まるでLのようなことをする…奴には到底及ばないが。)

岡部「…どうした?」

月「ああ…いや、ネタとして使えるか考えてたんですよ 。」

月(…コイツにとってはキラ関連者を見つけ出したくて言ったんだろう。そして僕がキラだった場合、自分がOだとバラすようなものだ)

月(“だから”僕に声をかけた…キラ事件に絡めた言い訳をして)

月「……わかりました。協力しましょう。」

岡部「いいのか…?ありがとう…」

月(…僕にとっても他のOを炙り出す機会だ…逃す手はない…)

岡部(…キラに身のうちをバラすようなもの…諸刃の剣だが…)

月(岡部倫太郎…O)

岡部(夜神月…キラ)


((――――お前にだけは負けはしない!!))
 

一旦終了…また、日付が変わらぬうちに投下したいです。…書きためが尽きる前に書き足さないといけませんね……

ライトわざわざ目の前で名前を書く必要があったのか?
岡部の顔ならただ通りすがるだけでもいくらでも確認できただろうに
相手がタイムマシンを持ってるって知ってるなら尚更目の前で書くとか
タイムマシン使ってくれって言ってるようなものじゃね?

>>63
月がるかとかまゆりから聞いたのはDメールのことであってタイムリープまでできるとは知らなかったんだろうし
あと月の性格的におちょくられたのが許せないのとLやニアの時みたいに勝ち誇りたかったんだろう
「Oを見つけ出して目の前で死ぬ様をみてやろう…」とか
「あと30秒!もうメールを打ち込むには間に合わない!!」とか言ってたし。


岡部「フゥーハハハ!待たせたな!」

月「ただいま戻りました」

紅莉栖「このパーティの主役を連れてくのは どうかと思うわよ」

岡部「む…むぅ、それは悪かったと思うが…」

月「あはは…すみません」

ダル「夜神氏は悪くないお、全部オカリンのせいなんだから。」

るか「えとえと…言い過ぎだと思います…岡部さんも謝ってますし」

岡部「岡部ではなく鳳凰院凶真だ。」

るか「ご、ごめんなさい!凶真さん!」

まゆり「るかくんがかばってくれたのにそれはないと思うなぁ」

岡部「あ、す、すまない!ルカ子!」

るか「いえいえ…いいんです!」

岡部「ああ、ありがとう」

萌郁「---- ・・ -・・・ ・-・-・ --・・- ・・ ・・-・- 」カチカチカチ

岡部「閃光の指圧師よ…メールで話をしようとするな…」

岡部「しかも『ごはん美味(>_<)』ってなんだ…」

岡部「ん?続きは…『何を話してたの』だと?」

月「ああ…僕の仕事の話ですよ」

るか「えと…フリーライターの方ですよね…」

岡部「ああ、閃光の指圧師と同じ職業だな」

月「まぁ、パーティー中に話すことじゃないんですけど…もしよろしければ取材をさせていただきたいなーって思ってまして」

紅莉栖「へぇ…いいんじゃない?なんの取材ですか?」


月「ああ、世間の声としてのアンケートみたいなものなんです。キラをどう思いますか?っていう質問なんですが。」

まゆり「きら?キラキラしてるのかなぁ」

岡部「違う、そうじゃない。」

紅莉栖「…今やキラは世界を支配しているといっても過言じゃないわね。いくら犯罪者だからといって殺しちゃうのは酷いとは思うけど」

まゆり「それはまゆしぃもいけないことだと思うなー」

るか「ぼくは賛成です…キラが出てきてから犯罪者は減ってますし…」

ダル「僕は…」チラッ

岡部「どうした?ダル、別にキラをどう思おうが裁かれるわけではない」

ダル「ああ…じゃあ、僕は反対。ただ、今日本でキラを否定した日には賛同派にフルボッコ確実…怖いことこの上ないお」

月「あはは…まぁ、今はキラに偏ってる感はありますね」

鈴羽「私も反対だなぁ…人を殺し、恐怖による独裁なんて…ディストピアそのものだよ」

月「…なるほど。」

フェイリス「フェイリスは賛成だニャ、今やキラの考えは浸透しきってるし法の根幹…世界の正義になってるニャ」

岡部「ふむ…」

萌郁「-・-・・ ・・・ -」カチカチカチカチ

岡部「またメールか…なになに?」

『私はキラに賛成だな(´Д` )
 邪魔な人がいたらいなくなって欲しいのは誰でもそうだと思う
 キラは悪人を裁いてるんだから皆が優しくなればいいんだよ♪』

月「皆さん、ご協力どうもありがとうございました。」

るか「いえ…って、あっもうこんな時間!すみません岡部さん!先失礼します!」

岡部「ああ、親父さんのお手伝いか…よろしく言っておいてくれ。」

るか「はい!エルプサイコンガリィ!」

岡部「エル・プサイ・コングルゥだ。そして俺は鳳凰院凶真だ。」

フェイリス「ニャニャ!フェイリスももう行くニャ!」

岡部「ああ、気をつけて帰れよ」

鈴羽「じゃあ、私も行くねー!久々にお腹いっぱい食べれたよ!」

岡部「またいつでも来るがいい!フゥーハハハ!」

月「…じゃあ、僕もそろそろお暇させていただきますね」

紅莉栖「ええ、お話もしたいしまたきてください」

岡部「なっ、俺にはそんなこと言った事ないくせにぃ!!」

紅莉栖「すぐ論破される岡部が悪いんですぅ!低学歴乙!」

岡部「……そ、そんなの月だって!」

月「あー…そうですね、一応東応大学は出てるんですが…」

岡部「!?」

ダル「マジ!?エリートじゃん!!」

紅莉栖「だから議論したいのよ」

岡部「これが議論厨…いや、論破厨か…」

紅莉栖「失礼ね!!」

月「あはは…それじゃあ」

岡部「うむ、またいつでも来るといい」


岡部(……さて、どうする。)

岡部(キラ擁護者はフェイリス、ルカ子、閃光の指圧師だったな…)

紅莉栖「ちょっと岡部…また怖い顔してるわよ。」

岡部「…あぁ、すまん」

紅莉栖「…………」

岡部(この中に改変者がいる…とは思いたくはない…思いたくはないしラボの代表として俺はラボメンを信じている)

岡部(…しかし…俺は信じることしかできない…鈴羽からの連絡を待つしかないのか…)

紅莉栖「本当に大丈夫?顔色悪いけど…」

岡部「あぁ……」

岡部(助手が何か言っているが俺の耳には届かない。届いていてもわからない。)

紅莉栖「…………そう。」

岡部(キラを…改変者を……捕まえる。捕まえるとは言っても何をどうすればいいのかもわからない…)

岡部(もしも裏切り者がいたら?そんな悪い考えが頭をぐるぐると回る…俺には何もできないと無力感が襲いかかる…)

岡部(鈴羽に頼ることしかできない俺を許してくれ……)


月(キラ否定者は橋田至、阿万音鈴羽、牧瀬紅莉栖、椎名まゆり…)

月(内、僕に接することを避けたのは阿万音鈴羽。しかし、コイツに関しては接してみて恐れることはない。)

月「Oは岡部倫太郎、橋田至の二人だ。」

リ ューク「おりょ?マキセクリスとか言う奴はどうした?」

月「ああ…問題ない。岡部と紅莉栖はいま不仲…いや、不仲とはいかないまでも情報を共有していないだろう。」

月「牧瀬紅莉栖をOだとすると岡部と情報共有していないのは変だ。」

月「同じキラに追われる立場にあるはずだからね。だから牧瀬紅莉栖は白。椎名まゆりも白だ」

月「椎名まゆりは岡部にとって庇護の対象にあるといっていいし、わざわざ危険に晒す真似はしないはずだ。」

月「それにもし、阿万音鈴羽もOだとして…彼女に何ができる?」

月「たとえば警察をまけるほどの体力と体術で僕を組み伏せるか? …それこそ障害事件でキラに裁かれるまでもなく法に裁かれるよ。」

月「それに阿万音鈴羽は僕を避けてる。ならば尻尾も掴まれにくい。」

月「疑われててもキラである証拠がなければ無意味。キラ思想に傾いた今の世界なら特にね。」


――月(僕の勝ちは確定している…)

月(…とはいえ、勝負は早めに決したほうがいい…3日だ。3日以内に僕はOを殺す)

月(僕ならできる…確実にOを裁くんだ…新世界のために…!)――


――岡部(…キラとしても俺らを仕留めるのに時間はかけたくないだろう)

岡部(キラが俺とダルを敵と特定するのに時間がかかったとしても……それでも1週間のうちに勝負を仕掛けてくるかどうか…)

岡部(……ジョン・タイター…バイト戦士…鈴羽……頼む…)

岡部(欠片だけでもいい…分かることだけでもいい……俺が引き継ぐ……全部…全部背負うから…!)――


――鈴羽(改変者…キラがいることで得する人間……キラの関係者が岡部倫太郎に近づき改変したか…)

鈴羽(いや、改変が行えるということは岡部おじさんの関係者のはず…)

鈴羽(…漆原るか……はキラがいることで得する点は少ないよね…じゃあキラがいることで店が救われる点ではフェイリス・ニャンニャン…?)

鈴羽(………こっちもタイムマシンでさかのぼって捜査するしかないか)

鈴羽(よーし、オカリンおじさんの遺志はちゃんと汲むからね!!)――

本日はここまで、短くて申し訳ないです……


―――3日後

月「倫太郎さん、少しお話が…」

岡部「ん?どうした月よ。」

月「ちょっと確かめたいことがあって。あ、ダルさんも。」

ダル「ちょいまちー……はい、おk」

岡部「………すまん、お前たち。ちょっと買物行ってくれるか」

まゆり「オカリン?」

岡部「ほら、金だ。お釣りもやろう。フゥーハハハ!!」

紅莉栖「……まゆり、行くわよ」

まゆり「…?うん、紅莉栖ちゃん…」

月「……行きましたね。人払いをしていいんですか?」

岡部「大丈夫だ…それよりもそろそろ正体を明かしたらどうだ」

岡部「…キラよ」

リューク「クククッ、バレてたみたいだな」

月「僕が…キラ?何を言っているんですか?」

岡部「…フゥーハハハ!もう誤魔化しはきかんぞ!キラ!」

岡部「俺は狂気のメェェッドサイエンティスト鳳!凰!院!凶ォォォ真だッ!俺のこの邪眼の前に嘘は効かん!」

月「……へぇ。じゃあ僕がキラでいいさ…けど今君たちは僕の前に顔を晒している」

月「それがどういう意味か分かっているのか?」

岡部「…もちろんだとも。キラは顔と名前さえ知っていればノートに名前を書いて人を殺せる。」

岡部「……だがお前に名前を書かせるつもりは無いッ!!」

鈴羽「たぁあああああっ!!」

月「!」

ダル「さ、さすが阿万音氏!」

岡部「俺たちにはできないことを軽々とやってのけるな」

鈴羽「そこに痺れられても憧れられても困るんだけどな…」

月「ぐっ…クソぉ!!離せ!!」

岡部「お前の負けだ…夜神月………キラ」

月「負け!?僕が!?」

月「……ふ、ふははははははははは!!」

リューク(あーあ…捕まっちまいやがった……ここからどう切り抜けるかねぇ…)

リューク(……ま、無理だったときは名前を書くとするか)

岡部「…狂ったか、キラよ……バイト戦士よ、改変者が誰か分かったか」

鈴羽「ああ、それは―――」

月「…29…30…31…」

ダル「ちょ、オカリン、キラが何か言ってる!!」

月「…岡部倫太郎……僕が何も策を立ててないと思っていたのか?」

月「どちらにせよお前らは死ぬ…今からだとDメールも間に合わない…O、僕の勝ちだ…!」

鈴羽「なっ!?」

岡部「鈴羽、月を離すな!!現にもう40秒経ってる!今のはハッタリだ!」

月「もう遅い…!」カチカチカチカチ

月「岡部倫太郎、橋田至…!名前は書いた!阿万音鈴羽、動くなよ…お前が僕に攻撃しても無意味だからな…」

リューク「おお、すげー…ハッタリだけで切り抜けやがった…人間…いや、やっぱこいつって面白」

鈴羽「……!!」

月「Dメールも送れないだろう!今からだと打つ時間もない!」

岡部「………まだ、負けたわけではない…!」

月「なっ!??」


ぐ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !


岡部(―――あのあと俺はまた時間のループへと飲み込まれていくことになる……)

岡部(……何度やっても、どう行動しても……俺とダルは死ぬ。何十回…何百回と。)

岡部(…どうすればいい…一体……どうすれば…!)

岡部(…仕方がない…鈴羽に依頼したところまで戻るか…)


ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !

ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !

ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !


岡部「…………覚悟を決めろ…俺は狂気のマッドサイエンティストだろっ…!」

~~~♪

岡部「……ん、着信…?」Pi

岡部「もしもし、俺だが俺だが―――ッッ!!?」

――――Pi

岡部(………毎度のことだが…この奇妙な感覚……)

岡部(痛覚のないはずの脳を何百本もの長い針で延々と刺され続けているような……)

岡部(痛い…が痛いだけじゃない、ゾクゾクするような快感があって…むずがゆくて…)

岡部(頭蓋骨を取り除いて、脳みそを掻きむしりたくなる。指先で柔らかな脳を掻き出して、それをクチャクチャとしゃぶりたい)

岡部(そんな、奇妙な感覚。どうしても慣れない。)

岡部(そしてもう一つ。上書きされる―――殺される俺への罪悪感…)

岡部(………俺のために犠牲になる俺……ふふ、狂気のマッドサイエンティストとしては上出来のシチュエーションではないか)

岡部(………出来ればもうタイムリープはしたくはないが…)

岡部(…あまり遅れると怪しまれるな。ラボに戻らねば)


月(………10分を超えたな…何をしている岡部倫太郎…)

月(しかし迂闊には動けない…)

ダル「夜神氏はコーラ?ドクペ?」

月「あ、コーラでお願いします。」

ダル「おk」

月(……橋田至は黒、岡部倫太郎はグレー、牧瀬紅莉栖は…)

紅莉栖「…?どうしたんですか?夜神さん」

月「ああいえ、写真よりも美しい方だなと」

紅莉栖「えっ…そんな、お世辞がお上手ですね…///」

月(…グレーだな。椎名まゆりは白、漆原るかも白だろう。問題は…僕の嘘を見破った秋葉留未穂。それと桐生萌郁だ…)

フェイリス「ニャニャ?どうしたのニャライト?」

月「あ、いえ…なんでもないんですよ。」

フェイリス「……そうかニャー?」

萌郁「---- ・・ -・・・ ・-・-・ ・-・・・ ・- --・-・ ・-」モグモグ

月「萌郁さんは全くしゃべりませんね…」

萌郁「・・ ・-・・ --- ・・・- ・ --- -・- ・- -・・・ ・ 」カチカチ

月「…携帯?」

萌郁「…メール…アドレス…」

月「…ああ、アドレスはですね………」

月(教えた瞬間からものすごい量のメールが…しかも顔文字絵文字だらけじゃないか、キャラ違いすぎるぞ…)

リューク「くくっ…なかなかカオスだなぁライト」

鈴羽「ただいまー!」

一同「おかえりー」

鈴羽「……夜神月、楽しんでる?」

月「…ええ、なかなか個性的なメンバーですね。」

まゆり「えへへ、褒められたのです」

紅莉栖「褒められてはないと思うわよ。…岡部は?」

鈴羽「もうすぐ来ると思うよ」

岡部「……戻ったぞ。」

紅莉栖「岡部うるさ…って、あら?おとなしく戻ってきたわね。」

紅莉栖「アンタなら『フゥーハハハ!ただいまもどったぞぉ!』くらい言うと思ったのに。…また何かあったの?」

岡部「…なにかなくては俺はうるさいだけなのか?」

紅莉栖「いや…そんなことはないけど…最近タイムリープばっかりしてるみたいだし、今回もそうなのかなと思っただけよ」

月(タイムリープ…?まさかこいつDメールだけじゃなくそんな技術まで…! 油断していた…方法を改め…いやいっそここで…!)

岡部(……しまった…!)

岡部「…ああ、こうなったら…!! 鈴羽ッ!!キラを取り押さえろ!!」

鈴羽「!」

月「……くそっ…離せッ!!」

岡部「………」

ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !

中断させていただきます。次回投下は…明日、ですかね。
皆様の感想と応援が心の支えです。それでは。

月(………10分を超えたな…何をしている岡部倫太郎…)

月(しかし迂闊には動けない…)

ダル「夜神氏はコーラ?ドクペ?」

月「あ、コーラでお願いします。」

ダル「おk」

月(……橋田至は黒、岡部倫太郎はグレー、牧瀬紅莉栖は…)

紅莉栖「…?どうしたんですか?夜神さん」

月「ああいえ、雑誌で見かける写真よりも美しい方だなと」

紅莉栖「えっ…そんな、お世辞がお上手ですね…///」

月(…グレーだな。椎名まゆりは白、漆原るかも白だろう。問題は…僕の嘘を見破った秋葉留未穂。それと桐生萌郁だ…)

フェイリス「ニャニャ?どうしたのニャライト?」

月「あ、いえ…なんでもないんですよ。」

フェイリス「……そうかニャー?」

月「ほんとになんでもありませんって!」

萌郁「---- ・・ -・・・ ・-・-・ ・-・・・ ・- --・-・ ・-」モグモグ

月「萌郁さんは全くしゃべりませんね…」

萌郁「・・ ・-・・ --- ・・・- ・ --- -・- ・- -・・・ ・ 」カチカチ

月「…携帯?」

萌郁「……メール…アドレス…」

月「…ああ、僕のアドレスはですね………」

月(教えた瞬間からものすごい量のメールが…しかも顔文字絵文字だらけじゃないか、キャラ違いすぎるぞ…)

リューク「ククッ…なかなかカオスだなぁライト」

鈴羽「ただいまー!」

一同「「「「「「「おかえり(な(ニャ)さい)!」」」」」」」

鈴羽「……夜神月、楽しんでる?」

月「…ええ、なかなか個性的なメンバーですね。」

まゆり「えへへ、褒められたのです」

紅莉栖「褒められてはないと思うわよ。…阿万音さん、岡部は?」

鈴羽「もうすぐ来ると思うよ」

岡部「ふ、フゥーハハハ!ただいまもどったぞぉ!」

紅莉栖「うるさいわよ岡部!」

岡部「お、おお…すまんな!だが、盛り上げるためなのだ!おとなしく我慢するべきだろぅ、助手ぅ!」

紅莉栖「(`・ω・´)ムッキー!」

岡部「それよりクリスティーナよ!」

月(…岡部倫太郎…お前に自由な行動はさせられない…)

岡部「う……お、俺がいないあいだはお前がこのラボの代表代理なのだ。おまえは俺の助手だからなぁ、ザ・ゾンビぃ」

紅莉栖「Zombieになった覚えはないといっとろーが!」

月「あははは…お二人は仲がいいんですね」

岡部・紅莉栖「「そんなんじゃない!!」」

ダル「息ピッタリだお…」


ワイワイガヤガヤ ザワザワ ムシャムシャモグモグ

リューク「なぁ、ライト…いつまでその謎キャラ演じてるんだ?」

リューク「誰もお前だと気づかなくなるぞ?」

月(うるさいな…)

るか「…あっもうこんな時間!すみません岡部さん!お先に失礼します!」

岡部「ああ、親父さんのお手伝いか…よろしく言っておいてくれ。」

るか「はい!エルプサイコンガリィ!」

岡部「エル・プサイ・コングルゥだ。そして俺は鳳凰院凶真だ。」

フェイリス「ニャニャ!フェイリスももう行くニャ!」

岡部「ああ、気をつけて帰れよ」

鈴羽「じゃあ、私も行くねー!久々にお腹いっぱい食べれたよ!」

岡部「またいつでも来るがいい!フゥーハハハ!」

月「…じゃあ、僕もそろそろお暇させていただきますね」

紅莉栖「ええ、またきてください…ゆっくりとお話もしたいですし」

岡部「なっ、俺にはそんなこと言った事ないくせにぃ!!」

紅莉栖「すぐ論破される岡部が悪いんですぅ!低学歴乙!」

岡部「……そ、そんなの月だって!」

月「あー…そうですね、一応東応大学は出てるんですが…」

岡部「!?」

ダル「マジ!?エリートじゃん!!」

紅莉栖「だから議論したいのよ」

岡部「これが議論厨…いや、論破厨か…」

紅莉栖「失礼ね!!」

月「あはは…それじゃあ」

岡部「うむ、またいつでも来るといい」


岡部(……さて、どうする。)

岡部(紅莉栖に話をしようにも…先のように、どこで聞き耳を立てられているか…)

岡部(もしかしたらラボにはもう盗聴器を仕掛けられた可能性だってある)

紅莉栖「……ちょっと岡部…また怖い顔してるわよ。」

岡部「…ああ、すまん」

岡部(外に連れ出すか…?いや、外も危険だ…)

岡部(俺はこれ以上できない…鈴羽からの連絡を待つしかないのか…)

岡部(…いや、そうじゃないはずだ…一瞬でも楽な道を選ぼうとして何が狂気のマッドサイエンティストだ)

岡部(まゆりを…ダルを…ラボメンを守るためにはなんだってしてやる…そう誓っただろう…!)

紅莉栖「本当に大丈夫か?なんだか顔色悪いけど…」

岡部「大丈夫…だ。それよりも助手よ!俺は少し出てくるが留守を頼むぞ!」

岡部「……まぁ、俺以外ではこのラボを機関から守れる気はしないがな!フゥーハハハ!」

紅莉栖「…………そう。って助手じゃないし!厨二病乙!」

岡部「フゥーハハハ!さらばだぁ!助手ぅ!」


岡部(………と言って、ラボを出てきたのはいいが…どうする?)

岡部(…鈴羽に接触してみるか……改変者が分かればすぐに伝えられるようにな)

岡部(改変者の名前がわからないことにはキラを捕まえても意味がない)

鈴羽「あっ、オカリンおじさん!」

岡部「バイト戦士よ…俺のことは鳳凰院凶真と呼べ!それでもソルジャーの端くれか?」

鈴羽「あ…ごめんね、岡部倫太郎!」

岡部「…ちっがーう!鳳凰院凶真だっ!!」

鈴羽「で、何のようなの?岡部倫太郎?」

岡部「だから、鳳凰院だと…まぁ、いい。バイト戦士よ、例の件だが」

鈴羽「例の?…ああ、何?」

岡部「いや、どうするつもりなのかと思ってな。」

鈴羽「現時点で一番怪しいのは…ごめん、選択肢が多すぎてね。」

鈴羽「内部か外部かもわからないし、内部だとしてもラボメンは私と君を抜いても6人だからね」

岡部「ん?何を言っている。助手、ダル、まゆりは除外だ。」

鈴羽「……岡部倫太郎?仲がいい初期のラボメンだからって贔屓にしてない?」

岡部「そ、そうではなくてだな」

鈴羽「大体!…大体、椎名まゆりや橋田至はわかるけどなんで牧瀬紅莉栖まで無しって言い切れるの?」

岡部「いや、だから…ってお前、この世界の紅莉栖は何ら関係ないではないか!?」

鈴羽「岡部倫太郎、君は公正な目で見てるって思ってたけど違ったんだね!」

岡部「冷静になって話を聞け鈴羽!」

鈴羽「冷静になるべきなのはそっちのほうだよ!公平な目で見れない君の発言は信憑性に欠ける!」

岡部(…しまった…この時間軸ではキラに対するラボメンの評価、賛成派反対派が誰かを明かしてない…)

岡部(説明するか?…いや、この状態の鈴羽に説明するには時間がかかる)

岡部(それに今更説明するとあまりにも俺がこの場に長居しすぎだ…慎重にしなければならないはずだというのに……)

鈴羽「今度は無視?ふんだ!」

岡部(………ああもう!もう一度タイムリープするしかないじゃないか!)

ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !


ぐ ぅ ぅ ぅ ぅ ぇ ぇ ぇ ぇ ん ! !


岡部(と言って…ラボを出てきたのはいいが…どうする?)

岡部(…鈴羽に接触してみるか……改変者が分かればすぐに伝えられるようにな)

岡部(改変者の名前がわからないことにはキラを捕まえても意味がない)

~~~♪

岡部(……今度はどんなヘマをしたんだよ…俺は…!)Pi

岡部「―――ッッ!!」

―――Pi

岡部(最初の出来るだけタイムリープをしない…と言うのももう通用しないんだな)

鈴羽「あっ、オカリンおじさん!」

岡部「バイト戦士よ…俺のことは鳳凰院凶真と呼べ!それでもソルジャーの端くれか?」

鈴羽「あ…ごめんね、岡部倫太郎!」

岡部「…ちっがーう!鳳凰院凶真だっ!!」

鈴羽「で、何のようなの?岡部倫太郎?」

岡部「だから、鳳凰院だと…まぁ、いい。バイト戦士よ、例の件だが」

鈴羽「例の?…ああ、何?」

岡部「いや、どうするつもりなのかと思ってな。」

鈴羽「現時点で一番怪しいのは…ごめん、選択肢が多すぎてね。」

鈴羽「内部か外部かもわからないし、内部だとしてもラボメンは私と君を抜いても6人だからね」

岡部「…助手、ダル、まゆりはキラ反対派だ。除外していいだろう」

鈴羽「なっ…それって仲がいい初期のラボメンだからって贔屓?」

岡部「違うッ! …俺が何度繰り返してると思ってるんだ?」

鈴羽「あっ……そ、そうだね…じゃあ、一応除外して…それでも3人か…」

鈴羽「うん、頑張って探してみるね。少し進展したよ。ありがと、岡部倫太郎。」

岡部「頑張れよ。…ではこの俺自身も偵察をしてやろうではないか!」

岡部「狂気のメェッドサイエンティストたるもの、ラボメンの現状は把握してあたりまえだからな!フゥーハハハ!」

鈴羽「……岡部倫太郎、例の件は君があたしに頼んだことじゃん、自分も動いて当然、それでやっと誠意ってものじゃない?」

岡部「…む……そ、それはそうだが……」

鈴羽「…あはは、冗談冗談!そっちも頑張ってね、岡部倫太郎!!」

岡部「くっ……ああ!」


月(………)

月「……岡部倫太郎はO…確定だ。」

リューク「ククッ、ライトォ…じゃ、そろそろOを殺すのか?」

月「そうしたいんだけどね…なかなかそうはできないみたいだよ」

リューク「どうしてだ?」

月「竜崎の時と同じだよ。初めて対面した時に奴は自らLと名乗った。」

リューク「ああ…だが、それはお前に名前を知られてないからだろう?」

月「そうだね…だけと、あの時あいつは流河旱樹と名乗っていた。だから僕は迂闊に名前を書けなかった。」

月「流河旱樹は国民的なアイドル、嫌でも顔が思い浮かぶ。流河が死ねば僕がキラ…奴はそれを見越し流河旱樹と偽名を使いLと言った」

リューク「なら今回とは話が違うじゃねぇかよライト」

月「そうだね、これだけなら違うよ。だが…奴にはもう一つの考えがあった。」

リューク「もうひとつの考え?」

月「Lが複数人いるというブラフだよ。自分が死ねばLが夜神月を捕まえる……これも僕が奴の名前をノートには書けなかった理由だよ。」

月「もし、僕が竜崎の名前を知ってたとしても僕の身の潔白を証明するために海砂かレムに書かせただろうね。」

リューク「ククッ…そういうことか。」

月「そう、Oが複数人いた場合を考えると最悪Dメールで過去改変をされ僕が捕まるだろう。」

月「そんなことはあってはならないことだ。だから迂闊には手を出せない。」

月(クソッ…ルポライターのフリをし続けキラをどう思うか聞き込むべきだった…!)

月(岡部倫太郎の動きを気にしすぎてこっちから攻め手を塞いでいた…!)

月(次はどうする…どうすればいい……考えろ……)

一旦中断。誤字脱字、設定ミスに今更気付く今日この頃。


―――未来ガジェット研究所

岡部(さて…ループ前の俺が死んだ日になってしまったな…)

岡部(…お互い手をこまねいているのか進展はない…)

岡部(だがどうする…このままだと確実にまゆりたちは死ぬ…このままだと最悪の結果になる)

岡部(……なんとしてでも世界線を越えねばならない…キラを捕まえねばディストピア…に……)

岡部「…ディストピア?」

岡部(………気が緩んでいたな。俺はなんてことをやらかしたんだ。)

岡部(時間は一秒も無駄にはできない。)

ダル「…オカリン…?」

岡部「…ダルか、ちょっと頼みがある。」

ダル「それってキラについて?オカリンがマジトーンで言うとかちょっとこえぇよ」

岡部「ばっ…俺たちがキラを追っていることは言うなと…!」

ダル「どう見ても自分でばらしてます本当にありがとうございました」

岡部「あっ」

ダル「……つくづくあふぉだな、オカリン。」

岡部「…言うなっ!」

岡部(しまった…どうする…どうする…!)


月「…そういえば、先にLがブラフとして複数説を唱えた話をしたけど」

リューク「ククッ…ああ、そうだな。それがどうかしたかよ?」

月「今回はこちらがブラフを張らせてもらったよ。…といっても、僕は何もしてないけどね」

月「前にラボメンが集まった時に、僕は岡部倫太郎に話を指せる間を2度は与えなかった」

月「岡部は警戒しただろう、キラに…自分がキラだと疑っている人間に逆に疑われていると」

月「となると、後は蛇に睨まれた蛙だ。動くことはできないし、疑心暗鬼にもなるだろう」

月「キラが盗聴器を仕掛けてないか…とかね。…尤も、O達が勝手に震え上がってるだけだけれど。」

リューク「やっぱ人間て面白」

月「さて…と。Oについてはひとまず置いておくとしようか。」

月「僕の目的はOを殺すこと以外にもある。」

月「僕にDメールを送った人間がいる…そいつを見つけ出すことだ。」

リューク「クククッ…同時進行にしちゃあ似通ってるなぁ」

月「そうだね…だからこそ一度にやれる……キラを追うOはキラ反対派、僕にDメールを送った者はキラ信奉派だ」

月「幸い僕はルポライターの夜神月を名乗っている。取材と称してラボメンを廻…」

~~~~♪

リューク「ライト、電話だぞ?早く出ろよ?」

月「…もしもし――――」


岡部「…?」

岡部「………死なない…」

ダル「ちょ、いきなりどうしたんオカリン?」

岡部「…一分は経った……死なない…!」

ダル「本当にどうしたん!?」

岡部(……まさか、こんな偶然で打開策が見つかるとは…有難い…)

岡部(…だ、ま、っ、て、い、ろ……ジェスチャーで伝わるよな…?)

ダル「!」コクコク

岡部(よし…今度はバイト戦士にメールを送る…)カチカチ

岡部(これも、よし……次だ…)

岡部「そういえば、ダル」

ダル「…あ、ああオカリン。頼みごとって何?」

岡部「ああ…今から俺は助手をラボに連れてくる。そのあいだにこの部屋を調べてくれるか?」

鈴羽「~~♪」

~~♪

鈴羽「~~~♪」

鈴羽「……?」

鈴羽「…ま、いっか!早く調査しないとね~♪」


月「―――ああ、岡部さん…なんです?」

岡部『…おまえは確か、フリーライターだったな…キラはネタになるよな?』

月「!…ええ。それが?」

岡部『…相談があってな』

月「…相談?」

岡部『ああ…どうも、ここ最近キラ事件が身近にありすぎてな。』

岡部『キラを信奉するもの、批判するもの…俺をキラだと疑うもの…多くてな。疑心暗鬼になっていた』

岡部『もし、お前がネタに困っていたらお前に協力を仰ごうと思っていたんだ』

月「協力?」

岡部『ああ、俺にキラをどう思うか聞いてきたことがあっただろう?それにライターにとってキラネタは宝のはず』

岡部『だからラボメンがキラをどう思ってるか聞こうと思ってな。お前にとってもインタビューのような感じでネタにできるだろう』

月(…コイツ……僕のことを疑ってないのか…?)

月(……いや、疑っていても決定打が得られないから…か。まるでLのようなことをする…奴には到底及ばないがな)

岡部『…どうした?』

月「ああ…いや、ネタとして使えるか考えてたんですよ 。」

月(…コイツにとってはキラ関連者を見つけ出したくて言ったんだろう。そして、僕がキラだった場合自分がOだとバラすようなものだ)

月(“だから”僕に声をかけた…キラ事件に絡めた言い訳をして)

月「……わかりました。協力しまし ょう。」

月(…僕にとっても他のOを炙り出す機会…そしてDメールを送った人間を炙り出す機会)

月(……メリットも逃した時のデメリットは大きい…願ってもないチャンス)

岡部『いいのか…?ありがとう…』

月(白々しい…)


岡部「というわけで集まってもらったのだが」

まゆり「きら?キラキラしてるのかなぁ」

岡部「違う、そうじゃない。」

紅莉栖「…今やキラは世界を支配しているといっても過言じゃないわね。いくら犯罪者だからといって殺しちゃうのは酷いとは思うけど」

まゆり「それはまゆしぃもいけないことだと思うなー」

るか「ぼくは賛成です…キラが出てきてから犯罪者は減ってますし…」

ダル「僕は…僕は反対。ただ、今日本でキラを否定した日には信者にフルボッコ確実…怖いことこの上ないお」

月「あはは…まぁ、今はキラに偏ってる感はありますね」

鈴羽「私も反対だなぁ…人を殺し、恐怖による独裁なんて…ディストピアそのものだよ」

月「…なるほど。」

フェイリス「フェイリスは賛成だニャ、今やキラの考えは浸透しきってるし法の根幹…いわば世界の正義になってるニャ」

岡部「ふむ…」

萌郁「-・-・・ ・・・ ?」

岡部「またメールか…なになに?」

『私はキラに賛成だな(´Д` )
 邪魔な人がいたらいなくなって欲しいのは誰でもそうだと思う
 キラは悪人を裁いてるんだから皆が優しくなればいいんだよ♪』

岡部「……わかった。」

月「……ご協力感謝致します。」

岡部「と言って、ただ集まってもらっただけでは申し訳ないからな。」

岡部「ついでと言ってはなんだが、未来ガジェットの新アイデアを募集する!」

岡部「電話レンジ(仮)以外なら触ってもいいぞ!ただし常人の扱えるものではないがぬァ!フゥーハハハ!」

紅莉栖「………」


リューク「ククッ…結局なにもないまま解散だったな?」

月「ああ…だが、僕もキラについてラボメンがどう考えているのかはわかった。」

月「…Oは岡部倫太郎、橋田至の二人だ」

リューク「おりょ?マキセクリスとか言う奴はどうした?」

月「それも問題ない。岡部と紅莉栖はいま不仲…いや、不仲とはいかないまでも情報を共有していないだろう。」

月「牧瀬紅莉栖をOだとすると岡部と情報共有していないのは変だ。」

月「同じキラに追われる立場にあるはずだからね。だから牧瀬紅莉栖は白。椎名まゆりも白だ」

月「椎名まゆりは岡部にとって庇護の対象にあるといっていいし、わざわざ危険に晒す真似はしないはずだ。」

月「それにもし、阿万音鈴羽もOだとして…彼女に何ができる?」

月「たとえば警察をまけるほどの体力と体術で僕を組み伏せるか? …それこそ障害事件でキラに裁かれるまでもなく法に裁かれるよ。」

月「それに何を探っているのかは知らないが…阿万音鈴羽は僕を避けてる。ならば尻尾も掴まれにくい。」

月「疑われててもキラである証拠がなければ無意味。キラ思想に傾いた今の世界なら特にね。」

月「……つまりOは手詰まり…進展なし…これで僕の勝利は確定、だけど……」

リューク「どうしたよ?」

月「…岡部の…いや、Oたちの様子が変だった。まるで、こちらを恐れていないかのような……」

月(何か失敗をした…いや、ありえない。僕は岡部の前では徹頭徹尾してフリーライター夜神月を演じている)

月(確かに、後手後手には回ったが徹底すればこれもまた防壁になる。さらに言えば、岡部の行動はほぼ把握できているといっていい。)

月(…盗聴器のブラフもある…岡部はラボ内で何かすることは不可能…)

月「……いや、虚勢だろう。今更、確定した僕の勝利を覆す要因はないからね。」

月「だから、僕がいま頭を使うのは賛同者のことだ…」


岡部「フゥーハハハ!…ハハ………」

岡部「………どっと疲れた気がする。」

ダル「大丈夫なんオカリン…」

岡部「大丈夫なわけあるか。キラを追ってる身だぞ…どうやってもまず勝ち目はないといってもいい状態で疲れない方が変だろう。」

岡部「…それくらい俺らは不利なのだ」

ダル「ちょ…オカリン、それを言っちゃ」

岡部「だからこそ…俺らが勝つ。この、狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真率いる未来ガジェット研究所がな」

岡部(まだ収束はしていない。勝ち目はある…確かにキラは圧倒的に有利だ。)

岡部(だが、だからこそキラは俺らを軽視する。夜神月の性格的にそれは間違いはない…)

ダル「でも、キラを捕まえることなんて出来るん?」

岡部「ああ、出来る。…いや、やらねばならないだろう?世界の危機なのだから。」

ダル「……オカリン、全くそんなこと思ってないだろ」

岡部「なっ…まさかお前にもあの能力が…っ!?」

ダル「厨二病乙」

岡部「……まぁ、正直な話をすると世界の危機がどうだとか救世主がどうだとかどうでもいい。むしろ、そんな大事なんて勘弁してもらいたいくらいだ。」

岡部「俺の目的は世界の支配構造を変革し混沌の未来を巻き起こすことだ、がキラと戦うのはそんな理由ではない」

岡部「俺はキラを悪だと思っている。狂気は俺にこそ合っているしキラの力は科学を否定するようなものだ。」

岡部「…それに第一、俺の勝手にラボメンを巻き込んでしまった。下手を打てば命の危険があるというのに。」

岡部「だからこそ…俺は絶対にキラを捕まえなきゃいけにゃい」

ダル「大事なところで噛んだな」

岡部「いいのだっ!!フェイリスっぽくて萌えるだろう!猫語だぞ猫語!!」

ダル「フェイリスたんをバカにする気か?よろしいならばクリークだ」

岡部「……受けて立とうこの狂気のメェッドサイエンティスト鳳凰院凶真の邪眼に対しどこまでできるかな?」

ダル「俺のこの手が光って唸る! お前を倒せと輝き叫ぶ!」

岡部「わーまてまて!今は遊んでいる場合じゃない!!」

ダル「……遊びで済ませる気はなかったけど…まぁ、今は仕方ないか…」

岡部「……話を戻すが、問題はこの世界線変動を引き起こした改変者をどうするかだ」

岡部「おそらく、キラもそこに目を付けるだろうな」

岡部(キラよりも早く改変者の招待に到達しなければ…頼むぞ…鈴羽…!)


月「おそらく賛同者の中に僕にメールを送った人間がいるんだろう。だが、そうだとしたら問題はメールの内容だ」

リューク「ククッ、気になる文章でもあったのか?」

月「…それもある。けどDメールは全角文字で18文字、半角文字で36文字まで…」

月「俗に言う“キラ事件”は難解な事件だ。素人が簡単に過去を変える文章を作るのは難しい。」

月「それよりも問題なのは送信者だ。」

リューク「送信者?」

月「そう、これは1月に僕に送られてきた…Dメール」

送信時間:2010/08/**
送信者:夜神月
件名―――

月「送信者は夜神月…つまり僕の携帯になっている。」

リューク「だからどうしたんだ?」

月「鈍いやつだな……フリーターに神社の息子、あとは飲食店のオーナー兼メイド、この中に僕の携帯を手に入れられる人物がいるか?」

月「確かに、秋葉留未穂は金もある…が、あの女と僕に接点はないしだいたい僕の携帯を使った意味がわからない…」

リューク「じゃあ、ライト自身が送ったんじゃないのか?」

月「いや、それはありえない…さっきも言ったけど過去改変を起こすほどの文だ」

月「僕がキラだと疑われる事すらあってはならない。もうひとつの方の携帯を使うよ…」

月「それに、悔しいことだけど僕は魅上の失敗でNに負けてしまったんだろ。でなければ、僕にメールを送る必要がないからね…」

月「誰が、何のために、僕を…キラを復活させたのか。それが問題なんだよ。」

月「…秋葉留未穂の話に戻るけれどキラ賛成派の理由が、キラの考えは浸透しきってるし法の根幹になってるから…この言い方だ」

月「あの女がキラ賛成派なのは世界の流れに沿っているからで決して熱狂的な信者ではない。」

月「だからキラが負ける時間の流れなら僕を復活させる理由がない。秋葉留未穂は除外だ」


月「となると、熱狂的というか思想が近いのはフリーターの桐生萌郁になるけどそれもありえない。」

リューク「なんでだ?一番ライトにとっては近いじゃないか」

月「ああ、そうだね。だけど、それだけだ。」

月「フリーターと警察、フリーターとL、フリーターとキラ…なんのつながりもない。だから僕の携帯を手に入れることは不可能…」

月「同じ理由で漆原るかも除外だ。漆原るかに至ってはキラに対して恐怖を持ってるくらいだからね」

リューク「くくっ、じゃあどうすんだよ?」

月「探るしかないだろう…都合よく僕はLだ。探りようはいくらでもある…」

リューク「わざわざ自分から動くのか?いつもみたいに自分を守るためじゃなく?」

月「ああ…そうするしかないだろう。」

リューク「わざわざ自ら危険な道に進むだなんて人間はわからねぇな」

月「危険?また変な事を言うな、リュークは。僕は最初から危険を冒しているじゃないか。」

月そしてその全ての危険は、逆に僕を安全にするんだ。家から小火が出るのと死刑になるの、どっちがいいか…あの時と同じだよ」

月「…………」カチカチ

月「さて、行くよリューク」

リューク「…6年近く前のライトを見てるみたいだな。面白」


月「…そういえば、さっき家が小火だなんだと例えたけど、今回もデスノートは二重底の引き出しにしまうことにしたよ。」

月「引き出しの鍵は僕が持っていて誰もあけはしないし、開けたとしても日記がしまってある程度…」

月「もしもの時のために切れ端は時計の中に……仕掛けは変わってないけど…まぁいいか。僕なら出来る…」

月「…そこでだ、次に僕が捨てると言ったら文脈関係なしに所有権を放棄するよ。リューク」

リューク「ククッ…どうしたライト?また監禁されるのか?」

月「まさか。そんな趣味は無いよ………まぁ、死神界からでも見てればわかるさ…」

月(僕なら確実にあの程度……)

月「…とりあえず、最初に向かうのは……漆原るかの元だな。」

―――――柳林神社

るか「あ…夜神さん、こんにちは…」

月「こんにちは、近くに立ち寄ったものですから参拝に。」

るか「あ、そうなんですか…」

月「……倫太郎さんがキラだとして…ブツブツ」

るか「……えっ!?」

月「あっ…いえ…聞こえてしまいましたか…」

るか「…今、岡部さんがキラって…どういうことですか…!?」

月「あ、すみません…キラだと決め付けているわけではないんです。」

月「ただキラなら…いえ、そうでなくともキラに通じる人ならば荷物にも通じるものがあるはずです」

るか「荷物…?」

月「…詳しくはわかりませんよ?…ですが…そうですね。シンパと連絡が取れるように携帯を複数所持するだとか。」

るか「携帯……」

月「ええ、携帯などですね。あ、複数でなくとも倫太郎さんは電話レンジを所持していますから…はい」

月「あ、るかさんはキラ賛成派でしたよね」

るか「えっ、あ、はい…でも岡部さんがキラだなんて……」

月「先程も言いましたが決して決め付けているというわけではありません。」

月「しかし彼自身も自分をキラだと疑っている者がいると仰ってましたし、なぜ疑われるのか考えてみたくなりまして。」

月「…もしも、キラが逮捕、死亡した場合…証拠品になるものは警察が押収……関係のないものは自宅に残るはずです」

るか「…あの…それが……?」

月「倫太郎さんがキラと想定してもしも不測の事態が起きたなら…Dメールを使い過去改変を起こし、復活させることができます。」

月「ラボメンの中にはキラ賛成派がるかさんを含め3人いますが…復活させるためには警察を使って携帯を取り戻す必要があります」

るか「えっと…自分の携帯ではダメなんでしょうか…」

月(……漆原るかは白)

月「…自分の携帯…ですか。るかさんは自分の携帯を使って助けたいですか?」

るか「それは…その……はい。」

月「…なるほど、失礼ですが、るかさんは警察へのパイプは…?」

るか「えっと…その……ない、と思います……」

月「……そうですか、貴重なお話を聞かせてもらいました。ありがとうございます」


―――秋葉原駅電気街口

月「次は…あ、萌郁さん」

萌郁『夜神くんこんにちはo(^▽^)o』カチカチ

月「あはは…相変わらずメールなんですね」

萌郁『うん♪こっちのほうが話しやすくて(。・ ω<)ゞ』

月(やりづらい……)

萌郁『夜神くんは何してるの?買物?』

月「ええ、秋葉原はPCパーツとか揃ってますし。記事を書いていると故障が速くて…修理に出すよりは、ってことで。」

萌郁『あ、そっか!夜神くんもフリーライターなんだっけ( ´ ▽ ` )』

月「ええ、キラについて書こうかなと思ってまして。」

萌郁『あっ、だから前も聞いてきてたんだね(>_<)』

月「ええ、それでですね。少し思うことがあったんですよ」

萌郁『思うこと?』

月「ええ…と言っても、同じライターですからあまり言えませんけど」

萌郁『えー、夜神くんのイジワルー(´;ω;`)』

月「はは、しょうがないじゃないですかー、こっちも商売なんですから」

萌郁『あ、じゃあ情報交換しよ!それならイイでしょ?(´∀`)』

月「わかりましたよ…実はですね、倫太郎さんが自分をキラじゃないかと疑う人がいると聞きまして。」

月「そこで思いついたんですが、もしもキラがキラたるものがあるのであれば…」

萌郁『荷物か何かに特徴があるのかな?(`・ω・´)』

月「ええ、顔と名前があれば殺せる…何か特別な力が必要なはずです」

リューク「ククッ…自画自賛かよ…」

月「例えば、倫太郎さんがキラだとしたら。キラたる所以こそ分からないですが電話レンジで大分楽になるはずです…」

萌郁『なるほどなるほど…』

月「ですがキラはLに追われている身、もし死んだり、捕まったりということがあると考えると…」

萌郁『Dメールを使って復活させればいいんじゃないのかな?』

月「キラ賛成派…例えば倫太郎さんの周りですと萌郁さんとかですが…携帯を使ってですか?」

萌郁『流石に自分の携帯だと足がついちゃうと思うから出来ないよ?大きな組織なら話は違うかもしれないけれどね』

月「ええ、勿論倫太郎さんをキラだとするのはあくまでも仮説です。」

月「むしろ、それはありえない。規模が小さすぎる…例えばタイムマシンならSERNが疑惑をかけられてましたし…」

萌郁「…っ」カチカチ

月(!…反応した?)

萌郁『SERNにキラがいるの?』

月「その可能性があるというだけのことです。…あ、情報交換ということなんでこちらからも聞きたいことがあるんですよ」

萌郁『…なにかな?(`・ω・´)』

月「……キラに通じる大きな組織があれば、調べてもらえませんかね。」

萌郁「……」カチ

萌郁『…SERNを調べるの…?』

月「…無理にとは言いませんよ。それでは、僕は買い物の続きがあるので。」

月(桐生萌郁…グレーだな)


――――大ビル前

月「最後は……あ。」

鈴羽「え…夜神月…」

月「あはは…奇遇ですね、何をしてらっしゃったんです?」

鈴羽「……キミには関係ないと思うんだけど」

月「…連れませんね、あ、僕は散歩ですよ。取材も兼ねてますが」

鈴羽「…へぇ、そう」

月「……ああ、そうだ。今からメイクイーンニャンニャンに行くんですけれど、一緒にどうです?」

鈴羽「………」

鈴羽(……監視は必要だよね…)

鈴羽「…わかったよ。そっちのおごりね。」

月「え、ええ…」

リューク「ククッ…あんなぼったくりなところでおごりかよとか思ってるだろ」

月(うるさいリューク…)

―――中央通り

月「…ところで、鈴羽さん。生まれはどちらでしたっけ」

鈴羽「………それも取材?」

月「いえ…これは興味というか……」

鈴羽「………あっそ」

月「………………」

鈴羽「…………………」

月「……わかりました、もう余計なことは聞きませんよ…記者魂は捨てることにします」

リューク「!」


リューク「クククッ…楽しかったぜぇ、ライト」


月「…………」

月「!」

月「………」

月「…阿万音さん」

鈴羽「…何」

月「………いえ、やはりなんでもありません…」

鈴羽「……………あっそ」

今日はこのへんで。柳林神社を漆原神社と誤記していたことについては申し訳ございませんです、はい。


フェイリス「おかえりニャさいませー!」

フェイリス「ニャニャ!ライト!あとラボの下のお店にいるバイトの!」

鈴羽「阿万音鈴羽だよ!よろしく!」

フェイリス「スズニャン!!フェイリスはフェイリスっていうニャ!よろしくだニャ!」

月「あの…席を…」

フェイリス「かしこまりましたニャッ!こっちだニャー!」

月「…アイスコーヒー2つで」

鈴羽「じゃあ私も」

フェイリス「それじゃ4つになっちゃうニャ!アイスコーヒー2つかしこまりましたニャー!」

鈴羽「……で?何。」

月「…はは、相変わらず僕には素っ気ないんですね…」

鈴羽「…………」

月「……フェイリスさんが来たら一緒に言おうと思ったのですが……単刀直入に言います。キラについてです」

鈴羽「!……なんで、私達なの?」

月「……キラに通じる何かがあるはずだからです」

フェイリス「おまたせしましたニャ!…ニャニャ?どうしたのニャ?」

月「……いえ、前にも言いましたとおりキラ事件について話を聞いていまして」

フェイリス「ああ…そうだったニャ」

月「…突拍子もないこと話をします。…もしもキラがタイムマシンを持っていたならばどうします?」

鈴羽「なっ!?」

月「…先に阿万音さんには言いましたが僕は貴方たちの中にキラに通じる何かがあると思っています。」

月「僕はタイムマシンなどというものは僕は信じてはいませんでした。…が、存在していた。」

月「これは大きな躍進なんです。キラはまるで未来が見えているかのような行動を示した。」

月「常識では測りえないところにいるんですよ。ですから……」

フェイリス「…ライトは……キラについてどう思ってるニャ…?」

月「大きな声では言えませんが、悪だと思っています。もしもキラの能力が使われても犯罪者を殺していくのは狂気の沙汰です。」

月「…それならば私利私欲の為に人を殺してしまう人間の方がよほどまともだと思います。…無論許されたことではないですが」

フェイリス「……………」ジッ

月「…フェイリスさんはキラ賛成派でしたよね。もしもキラがタイムマシンがあったとしたらどうします?」

フェイリス「…タイムマシンとか難しいことはわかんないニャ。それに、例え持ってたとしても使い道がないと思うニャ!」

フェイリス「…Lがキラを追ってるし、必ず死刑台に送るとも言っている。そんな状態でタイムマシンは使うことは無謀ニャ」

月「……ならば、キラが敗れたとしたら?例えば大掛かりな組織がキラに対する利権がらみで復活させようとしたり」

フェイリス「……それもありうるかもしれないニャ。でも、フェイリスはそんなことしないニャ!安心していいと思うニャ!」

フェイリス「フェイリスはキラを支持するニャ…でも、死んだ人間を復活させることはしてはいけないことニャ……」

フェイリス「どれだけ悲しくても辛くても絶対に。」

鈴羽「…フェイリス……」

月「…すみません、野暮なことを聞いてしまって。オムライス2つお願いします。」

フェイリス「かしこまりましたニャー!」

月(あそこまで必死に生き返らせないと主張するからには何かあるんだろうけど…逆に自分に言い聞かせているだけ…?)

月(そういう状況になったら復活させてしまうタイプかも…だとしたらグレー…か?)


岡部「……今頃夜神月は改変者を探し回っているだろう…」

岡部「…だが、俺はだいたい目星はついている……あとは鈴羽から情報を聞くだけだが…」

~~♪

岡部「…もしもし、俺だ。」

鈴羽「もしもし、岡部倫太郎?」

岡部「なんだ、鈴…バイト戦士か。何かあったのか。」

鈴羽「うん、いま夜神月と接触してる」

岡部「なっ!?」

岡部(……鈴羽に改変者のことを調べるよう言ってからだいぶ時間は経っている…が)

岡部(それを夜神月に察知されたのでは…)

岡部(…いや、それを避けるために俺自身ではなく鈴羽に任せたのだ…情報漏洩はあってはならない)

鈴羽「もしもし?岡部倫太郎?」

岡部「…ああ、夜神月と一緒にいるのだろう?それが?」

鈴羽「いや、それがさ…本当に夜神月がキラなのかなって?」

岡部「……?」

岡部「…どういうことだ?」

鈴羽「…全く見えないんだよねぇ…そういうふうには……見えなくても人は見かけによらないのは重々承知の上だけど」

岡部「…………そうか。いや鈴羽。連絡してくれて助かった。気にせずに調査を進めててくれ。」

岡部「…調査が終わったら電話ではなく直接あって情報を聞きたい。頼むぞ」

鈴羽「うん…わか」

岡部「?どうした鈴羽!!」

月「もしもし岡部さんですか?」

岡部「!」


岡部(……夜神月)

岡部「月よ、鈴羽の携帯を奪ってまで電話をかけるのはあまり褒められたものではないと思うのだが」

月「…あ、申し訳ありません…」

岡部「……まぁいい。それで、何か用か…」

月「はい…えっと…単刀直入に聞きます。貴方がたの中にキラはいませんか?」

岡部「…は?」

岡部(なんだこいつ…ふざけているのか…?キラ自身がキラはいませんかだと…?)

岡部「…なぜ、そのようなことを聞く。説明してもらえるだろうか。」

月「…まず第一に、貴方はキラに対して過敏な反応を見せた。それこそ僕に協力を仰いでまで。」

月「第二に、キラはまるで未来を見据えたかのような行動をしていた。いや、常識の範疇にはいない。」

岡部(自画自賛……)

岡部「……要するに、キラはタイムマシンを持っている。もしくはその近くにいる人間。つまり俺らであると?」

月「そうとっていただいて構いません。僕は信じたくありませんが…」

岡部(白々しい…が、真に迫るこの感覚はなんだ…?)

月「……もちろん、あなた方だけとは限りません。世にはドクター中鉢氏からSERNまでタイムマシン研究家は多くいます。」

岡部「だが、俺がここまで過剰に反応するから…か。なるほどな。はっきり言おう、俺らの中にキラはいない。」

岡部「……俺はそう信じてる。」

月「…そうですか……ですが、くれぐれも気をつけてくださいね。」

岡部(今度は脅迫…)

岡部「ああ…鈴羽に代わってくれるか。」

月「………わかりました」


鈴羽「……ね?何かおかしいでしょ?」

岡部「…ああ、どこか真に迫る感覚があるな……鈴羽、悪いがもう少し月と一緒にいててくれ。」

鈴羽「…わかったよ……じゃ、切るね…」

月「…あ、ちょっと待ってください。」

鈴羽「…え?」

岡部『…どうした?バイト戦士よ?』

月「岡部さんに聞いてもらえますか、ラボメン招集は可能かと。」

岡部『……聞こえたぞ、可能だ。』

月「…では、明後日あたりに牧瀬さんと橋田さん、あと漆原さんをラボに。岡部さんも居ててください。」

岡部『了解した。では切るぞ』pi

鈴羽「…夜神月、キミ…なんで岡部倫太郎にあんな質問したの?」

月「……キラだから。」

鈴羽「…!」

月「…もちろん冗談です。僕がキラならば…いえ、もちろんキラを容認するわけではないのですが」

月「キラの気持ちになって考えれば意味のない行動です。警察関係ではない人間にする行動ではないですからね。」

鈴羽「…そう、ならいいんだけど」

月(態度が軟化した…キラ捜査は一歩前進かな…?)


月『…では、明後日あたりに牧瀬さんと橋田さん、あと漆原さんをラボに。岡部さんも居ててください。』

岡部「…了解した。では切るぞ。」pi

岡部「………」pi

岡部(…キラ否定派を集めて、キラ本人が乗り込んでくる…か。何を考えているのだ、シラジライト)

岡部「あ、ルカ子か。いや、すまんな。明後日空いているか?ああ、ラボにな。すまない。」pi

岡部(……何を話すのかはわからんが…ちょっとやそっとで、欺けるとは思うなよ…!キラ…!)

岡部「ダル、クリスティィィィッナッ!」

ダル「んお?」

紅莉栖「なんだその言い方は。あとティーナと呼ぶのやめろといっとろーが」

岡部「…明後日、月から何か話があるそうだ。開けておけよ!」

紅莉栖「ハァ?」

岡部「…ん?公演でもあるのか?」

紅莉栖「…いや、その日は空いているけど。」

岡部「ならばいいのだ。ダルはどうせ暇だろう?来てくれるよな?」

ダル「だが断る。その言い方はないだろJK」

岡部「なんだ、なにか用事があるのか。」

ダル「ないけどな!キリッ!」

岡部「ならなぜ否定した。」

紅莉栖「キリッ…だってお…」ボソッ

岡部「ん?」

紅莉栖「!!な、なんでもない!!」

岡部「そ、そうか…?」


―――翌々日 LABO

ダル「…ちょっとるか氏遅すぎない?」

紅莉栖「確かに…」

月「まぁまぁ…漆原さんにも何か事情があるのですよ」

岡部「だからといって…人を待たせるのはな」

ダル「今週のおまえいうスレはここですか?」

るか「……遅れてすみません…」

鈴羽「岡部倫太郎ー」

岡部「バイト戦士!なんで…」

月「僕が呼びました…すみません、黙ってて。」

岡部(まさか鈴羽まで本当に否定派を集める目的だったのか…?いやでもルカ子も呼び出しているし……)

岡部「…そうか。ならばいい…それよりも…話はなんだ。」

月「では…今日集まっていただいたのはキラについて好ましく思っていない方々です。」

岡部「なっ!?」

岡部(…まさかここでノートを…しかし鈴羽は月の右斜め手前にいる……充分取り押さえられる…!)


紅莉栖「…岡部?」

岡部「…ああ…すまない。話を続けてくれ。」

月「岡部さんには前にも言いましたが僕はこのラボにキラ、もしくはキラに準じるものが紛れ込んでいると考えています」

岡部「ああ、お前は俺を疑っているのだったな。」

ダル「ちょ、それどういう事なん!?」

月「……事実です。理由は2点、岡部さんはキラに過剰反応した。そしてキラは未来予知できるかのように捜査から逃れ続けている。」

紅莉栖「待って、それじゃ理由が薄すぎる。疑うには決定打がないわ。」

月「…確かに、理由は薄い。ですが1%でも理由があるなら検証するのが道理でしょう。タイムマシンは実際にある、これは躍進なんです」

月「それに、あなたがたからすればラボメンにキラは居ないと思いたいはずです。」

月「互いを監視しあってる時にキラによる死者が出た場合はキラがいないという証明になる。」

るか「じゃ、じゃあなんでボクを呼んだんですか…?」

岡部「…確かに、ルカ子はキラ賛成派の人間ではないか。」

月「…キラ賛成派が少なからずこのラボにいるというのがよくわかるじゃないですか。」

月「それに、キラはこのラボにいるかもしれません。だとしたら、キラ賛成派は疑われても仕方がない。違いますか」

岡部「牽制だとでもいう気か…!?」

月「…そう捉えられても構いません。ですがここにいる漆原るかさんはキラ賛成派の三人の中で一番キラである可能性は低い」

るか「えっ」

月「…岡部さんがもしもキラだと仮定し、キラが亡くなるようなことがあった時には復活させねばなりません。どうしますか?」

るか「そ、それは…前聞かれたときのままの答えでいいんですよね…?」

月「ええ。」

るか「…自分の携帯を使います。」

紅莉栖「!」

月「……これが漆原るかさんがキラではない、もしくはキラに近しくないという証明です。」

岡部「!」

ダル「…どういうことなん?」

紅莉栖「自分の携帯じゃアシが残ってしまうってことね…」

月「ええ、少なくともこの時間軸、世界線解釈に基づくならば発信履歴は残らずとも着信履歴には確実に誰からというのが判明します。」

鈴羽「そうか、6年も捜査の手から逃れ続け、ついには各国の政府に公認されるほどにまで至ったキラが安易な手を使うわけが…」

月「その通りです、少なくともそんなことをする性格には思えません。むしろ自身の生命に関わるものだからこそ念を入れるはずです」

月「漆原るかさんを馬鹿にするつもりではありません、しかしここまで純粋な思いで行動する人間がキラだとは思いたくはない。」

月「…むしろ、キラへの恐怖で賛同しているのに過ぎないのではないですか?」

るか「………」

月(……申し訳ないが、もしも漆原さんが死ぬことになった場合は…少なくともこの中にキラに近しいものが紛れ込んでる証明になる…)

紅莉栖「………一応、理屈はわかったわ…でも、なんで貴方がキラの話をするのかしら。取材とは思えない態度だけど」

ダル「それに、キラについて詳しすぎじゃね?夜神氏、何者なん?マジで。」

月「僕は…いえ、私は……」

岡部「…まさかキラ…などというのではあるまいな?」

鈴羽(前言ってたよそれ…)









             ―――――私はLです






本日はここまで。
誤字脱字が多く(>>99 ×招待 ○正体 等)読者様の脳内補完をお願いいたします。
以後このようなことがないよう極力の注意をさせていただきますのでご容赦を。それでは。


岡部「!」

ダル「ちゅ、厨二病乙…! ……え?マジで…?どういうことなの……」

紅莉栖「………貴方がL…ね…それを信じろって言うの?」

るか「え、えっとLって…キラと敵対してる…え?え??」

鈴羽「………」

月「…驚かせてしまって申し訳ありません、ですがこれは紛れもない事実です。」

岡部(…警察からのハッキングだとか…私はLだとか…ふざけているのかコイツは…!)

ダル「…ソースが提示されていない件について…このままだと残念なイケメン認定まっしぐらだお…」

鈴羽「………」

月「そうですね…情報ソースならば……この警察職員身分証明書で十分でしょうか?」

岡部「身分証明書…?」

月「交通巡視員や少年警察補導員以外の警察職員は警察手帳ではなくて証明書を持ってるんです…」

ダル「そーなのかー」

岡部「いやまて、Lは探偵だろう。警察官ではないぞ」

月「…ええ、ですが少なくともキラを捕まえようとしている“私”自身の身分証明は出来るでしょう…」

月「改めて、私は夜神月、警察職員です。…といっても警察庁情報通信局情報管理課技官なので警察官ではありませんが。」

紅莉栖「…失礼ですが、日本警察はキラを追わないという方針じゃありませんでしたっけ」

月「ええ、アメリカ大統領の会見を皮切りに各国政府はキラを認め…日本政府も多分に漏れず、キラ捜査を完全に打ち切りました」

紅莉栖「捕まえようとしその度に国のトップが変わっていったのでは国全体が成り立たなくなっていく…かしら。」

月「ええ…しかし、キラは紛れもなく大量殺人犯です。これは事実。」

月「キラ自身それをわかってて自らを犠牲にと、それが真の正義であると…自惚れています」

月「キラが悪か正義かなんて私達が考える事じゃない…そんな事は世間や思想家にやらせておけばいい」

月「私は私自身の意思でキラを捕まえます。私は国の首脳ではない、倒れても問題はない…」

月「…結果。正義…悪…結果が全てになるくらいに考えるべきです。」

月「キラを捕まえればキラは悪、キラが世界を支配すればキラは正義。…現時点ではキラ正義に傾いていますが」


紅莉栖「……わかりました…けど仮にそれを証拠にLだとおっしゃるなら…不可解だと思います」

月「!」

紅莉栖「夜神さんは私たちの中にキラがいると思っているんですよね…」

紅莉栖「私の知る限りLという人物が一般に知られるようになったのは6年前の宣戦布告の日です。それまでは一切謎の存在だった。」

紅莉栖「…貴方がLだというのなら大胆すぎる。キラを追うなら追っている事を極力知られないようにするのが鉄則のはず」

紅莉栖「まだこのラボには複数人の人間がいてキラを特定できてもいないのに。」

月「…………………」

紅莉栖「………………」

月(…竜崎……お前の気持ちを今になってわかった気がするよ……)

月(……そして…お前の遺志は僕が継いだ…キラは僕が捕まえる…僕はLだ…)

月「…………確かにそうですね…ですが。」

月「…私がLだということを知っているのはこの場にいるラボラトリーメンバーのみです。」

岡部「…何が言いたい。」

月「私が死ねば…少なくともこの中にキラがいるということになります。その時は私と捜査を共にした優秀な捜査官が黙ってはいません。」

月「……キラがご丁寧にもわざわざ絞り混むようなバカな真似をすることはないとはおもいますが。」

鈴羽「………。」

岡部「……先程から喋ってないが…バイト戦士よ、お前…知っていたのだな?」

鈴羽「!」

岡部「月が世界線解釈を知っていた時点でおかしいとは思っていた……まだ俺は教えてはいないからな」

月「……ええ、確かに阿万音鈴羽さんには先だって。」

紅莉栖「………」

鈴羽「あ、あー…抜けがけのような真似しちゃってごめんね…」

月「理由はよくわかりませんが彼女は私に敵意を…いえ、嫌疑されているようでした。ですから私がLである、と。」

岡部「………それだけではあるまい。お前は試したのだろう、コイツがキラであるかと。」

鈴羽「なっ!?」

岡部「俺の知る限り鈴羽という人間は直情的だ。コイツがL側ならキラを、キラ側ならLを。確実にむき出しの敵意で見続けるだろう。」

岡部「だからお前は真相はどうかは知らんがLと名乗り自分を殺すか確かめた…違うか?」

ダル「お、オカリンそれは…」

月「………なるほど。そういう考え方もできますね」

岡部「…………」


月「ともあれ、私自らの正体を明かしたことで鈴羽さんは警戒を解いてくれました。」

ダル「少なくとも…警察関係者だし……当然の結果だろ…」

月「……世界線解釈というものも教えていただきましたし…岡部さんが、その記憶を引き継いでいるということもお聞きしました」

岡部(…こいつ……!俺を狙い撃ち…確実に仕留めにきている……!)

岡部「……要するに、俺たちが互いを監視しあえということか。…それでどうなる、ラボメンの連携性が悪くなってしまうだけではないか。」

岡部「……とはいえ、お前がLを騙る理由もないだろう。嘘ならもっと意味のあるものにするだろうからな…」

紅莉栖「…岡部と橋田は変態だけど…キラ、もしくはその親派がLを騙って狙う理由もないわ」

ダル「オカリンもよく世界の支配構造ガーとはいうけど、悪事を働けるような人間でもないしね」

岡部「ぐぬぬぬ…」

るか「お、岡部さんはいい人です…!」

岡部「…ゴホン、ともかく…夜神月…L…お前の要求は飲もう。」

岡部「ただし、こんな要求をされては狂気のマッドサイエンティスト…いやラボの代表としていい気分とは言えん」

岡部「お前も監視の対象とさせてもらう…文句は言わせんぞ。」

月「………わかりました。」

岡部「バイト戦士よ、頼めるか。」

鈴羽「…うん、わかった。」

岡部「……オホン、フゥーハハハ!以上で円卓会議を終了するッ!」


――――――翌日

ダル「……。」

岡部(……互いに監視し合うなどという策に出られるとは思わなかった)

岡部あの場に俺がキラを追っていることを知っている者しかいなければ話は別だったが……贅沢も言ってられない……)

岡部(……一応奴も監視対象にできたのが一矢報いれたというものだが…あまりにもあっさりしすぎではなかったか…?)

岡部(これでは奴も俺も自由には動けない…そのはずなのに、あまりにもあっさりしすぎて……何か策があるのではないかと思ってしまう…)

岡部(……大丈夫だ…俺たちの計画に穴はない……そう思ってはいるが……どうしても……不可解……!)

岡部(……揺さぶりをかけているだけかもしれないが……もしかしたら向こうは俺らの策も全て見越し上回っているのかも……)

岡部(………うぐ…頭が痛くなってくる、考えれば考えるほどっ……!)

ダル「………オカリン」

ダル(オカリンの顔……いや顔色悪すぎだろ……)

岡部「……どうした。」

ダル「いや……なにも……」

岡部「……そうか。」

ダル(いつもの厨二病ってレベルじゃないし…もうちょっと自制汁…)

ダル(てかここにまゆ氏がいたら言い訳不能なレベルで顔真っ青だぞオカリン……)


鈴羽「……。」

鈴羽(一応聞き込みをしてるけど……こんなんでいいのかな……?)

るか「……どうしましたか?鈴羽さん……」

鈴羽「ううん……なんでもないよ!漆原るか、きみこそ顔色悪いようだけど…」

るか「あ、いえ……ごめんなさい、どうしても昨のことが……」

鈴羽「ああ……たしかにいきなりいろいろあったいからね……でも悩んでても仕方ないよ!」

鈴羽「あたしたちはいつもどおりでいいんじゃない?岡部倫太郎も監視なんてしてたら連携が悪くなるって言ってたし」

鈴羽「そりゃキラは懸河の勢いを持ってるけど、こっちには夜神月や岡部倫太郎がいるんだからきっと大丈夫だよー!」

るか「そう……ですよね……!安心しました、夜神さんやおか…凶真さんもいるんですもんね……!ボクも頑張らなきゃ……!」

鈴羽「あはは、だからそんなに意気込まなくても大丈夫だよー」

鈴羽「…………監視……尾行もだけど意気込むと相手に気取られる。逆に見つからないようにと意気込んでも気取られる」

るか「……鈴羽……さん?」

鈴羽「どれほど頑張っても透明人間にはなれないんだ、ピリピリしても無駄どころか害。」

鈴羽「……ならせめて気楽にするのがいいんじゃない?」

るか「…………」

鈴羽(あっれー…?まずちゃったかなー……?)

るか「……鈴羽さんすごいです……!さすが……えっと……バイト戦士なだけあります!」

鈴羽「あははは……バイト戦士って言われるのは岡部倫太郎にだけで十分かなー……」

るか「あっ…ご、ごめんなさいボクつい…」

鈴羽「ううん、気にしないで!そう言われるとこっちまで…あ」

るか「………うぅ…」

鈴羽「こ、こっちこそごめんね!」

鈴羽(…………本当にこんなんでいいのかなー……?)


月「……。」

月(まだかな……)

まゆり「おまたせしましたー」

月「!」

フェイリス「ニャはどうしたんだニャ」

まゆり「あ、ごめんなさいにゃぁ、アイスコーヒーとーオムライスですにゃぁ」

フェイリス「うんうん、それでいいニャ、デザートは後で持ってくるニャー!」

月「ありがとうございます。いやぁ、ここのオムライス美味しくて……」

フェイリス「フフーン、値段に見合う品質でやってるニャ!ライトもとっくに虜なのニャー!」

月「ふふ、そうかもしれませんね」

まゆり「ふふふ、フェリスちゃんがお客さんのために一生懸命考えたメニューだもんね~」

フェイリス「マユシィ!」

まゆり「ご主人様のためだにゃぁ~」

フェイリス「そういうことじゃないニャ!!フシャー!!」

月「あははは、微笑ましい光景ですね!」

~~~♪

月「おっと……」

月「…………?」

月「僕宛の………僕からのメール?」

 
 
 送信者:夜神月

 件名:読むのは午後17時前に
 本文:
 ELJLBVYFBZEZSRFBLBVYFDZJZURKZYZJZNRYF
 

今日の更新はここまで、最近更新ペースが著しく落ちていることをお詫び申し上げます。
次の更新はまた結構先になるかもしれませんので、
もしも見てくださるのであれば保守がてらに月に送られてきたこの意味不明なメール(暗号)に挑戦していただけると助かります
…痛い自分語り申し訳ないです、それでは。

解読し直したところ、致命的なミスを犯していたため暗号を差し替えさせていただきます。
解読しようと試みていただいた方には大変申し訳ないことをいたしました。こちらが正しい暗号となります。
重ね重ねお詫び申し上げます。この度は申し訳ございませんでした。


 送信者:夜神月
 件名:読むのは午後17時前に
 本文:
 ELJLBVYFBZEZGRFBLBVYFDZJZSRKZYZJZNRYF


月「…いたずらメール?」

月「…いや、わざわざ僕の携帯に忍び込んで僕にメールを送るだなんて、いたずらにしては悪質すぎる…」

月「これには何か意味がある筈だ……考えろ……これは何を意味している…」

フェイリス「ニャニャ?ライト、何を見てるニャ?」

月「……いえ、謎のメールが送られてきましてね。ちょっと悩んでまして。」

フェイリス「うー…送信者がライトになってるニャ…?」

月「ええ…そこが不思議なんですよ…」

フェイリス「ニャ?ライトには覚えがないのニャ?もしも自分で打った文なら答えがわかるはずニャ!」

月「曖昧な感じです…メールを打ったような打たなかったような……って、そんなに目をじーっと見ないでくださいよ…」

フェイリス「………ウニャー…それすら曖昧だとするとややこしいニャ…それにしても英文にしてはしっちゃかめちゃかニャ…」

月「ええ…ですからきっと注目すべきは件名…読むのは午後17時前に…ですね。」

フェイリス「!そうニャ!この文章母音が少ないのニャ!だから換字暗号の可能性が高いとみたニャ!」

フェイリス「しかも件名は読むのは17時前…つまり17字前だニャ!」

フェイリス「ただメールがここに存在するだけで。フェイリスにはこの程度の推理が可能だニャ!推理好きの勝利ニャ!」

フェイリス「…と、言いたいことだけど、これでも訳がわからないニャ…17時前なのに午後って書いてあるし…」

月(…そう、これが暗号の初歩…初期暗号であるシーザー暗号を疑うのは当然のこと……僕もそれは暗号文と考えたとき即座に疑った)

月(だが…それではNUSUKEHOKINIPAOKUKEHOMISIBATIHISIWAHOという文章になる……彼女の言う通りわけのわからない文章になる)

月(……ローマ字読みしても…ぬすけほきにぱおくけほみしばちひしわほ……?何がなんだかわからない……支離滅裂な文章だ……)

月(やはり注目すべきは件名だろうけど…17時前……まさか時間を表してるわけじゃないだろうし……)

まゆり「フェリスちゃんー…まゆしぃは2番さんしてきますー…」

月(2番……休憩か……今は午後の……午後?…なるほど、そういうことか)

フェイリス「ニャ?いってらっしゃいニャ!…ライト、フェイリスもそろそろもどるニャ!」

月「ええ、長く引き止めてしまい申し訳ないです。」

フェイリス「ううん、こっちもあまりライトの役にたてなくて申し訳ないニャ…推理力をもっと磨いて戻ってくるニャ!」

月「いえ、こちらもだいぶヒントをもらいましたし…僕もそろそろ行きますね」

フェイリス「そう言ってもらって助かるニャ!コーヒー、オムライス、メイクイーントーストでお会計合わせて2500円になりますニャ!」

月「」


―――夜神宅

月(アルファベットは26文字、17時前では17文字遡る……けど、17時前というヒントが示すのは17字前というだけじゃない)

月(時刻の表し方には24時間制とは別に午前と午後に分ける…12時間制もある。)

月(そしてp.m.ではなく午後と件名に表記されてたこと…日本語に直す、アルファベットからローマ字読みに。)

月(それを示すための件名の午後の表記……12時間制に直すと17時は5時…5字前も読まなければいけなかった)

月(午後と指示されているから17字戻した後に5字戻すということ…ローマ字読みしたものを5時戻すと…)

月(つくえのいちばんうえのひきだしにきらの……机の一番上の引き出しにキラの…なんだ…?ともかく確認せねば……)

月「……一番上は鍵付きの引き出し…中には日記を入れたはずだ……」

月「……この日記になにか書いてあるのか……あやふやな記憶の部分に何かがあったはず……」

かんがえ
ると
いずれしけいになるか
てまねきしているあい
つにころされるだけだ。
しってい
る。おれはキラのそんざいを。
えものにされる。

いつも
なげいている。
ベッドはか
たいし、
かんごくは
ししゅうがする。
ごめんだもうがま
んできない。しんだほうが
りこうだ

はやく召されたい。
神の元へ。
死ぬのは怖くない。

月「……懐かしいな、僕が個人でキラ事件を追っていた時……竜崎に試された問題だったな」

月「……えるしっているか死神はりんごしかたべない……ね。竜崎は手が赤いの写真を隠してたんだっけ」

月「次のページは…」

月「!」

月「…暗号……」

95 55 74 65 83 41 13 54 24  83 44 84 85 93 41 11 92 34 23 64 62

ヒントは

メイヒチフユニラミ ウレトリケ ソリメヒルナ

いろは歌

にて。

月「2つの暗号の複合型か……下のヒントは~を解かないとそもそもこの数字の羅列には意味を見いだせない仕組みになってる……」

月「………なんだこれ。」

今日の投下もここまで、短くて申し訳ありません。
次の投下は1週刊後ぐらいと予想しております。短くて遅筆と言うのは自分でも少しアレかなと思いますが。
…もしよろしければ保守替わりに今回の暗号も解読してくださいまし。
前回の暗号もあっという間に解かれてしまいましたが、読者さんがたくさんいて私嬉しいです!

>>1です
一週間後と言っておきながら今日に至るまで投稿できず、さらにはこの書き込みも生存報告で今回も投下することができません。
おとなはウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです……。
一日でも早くの投下を目指し頑張ります。それでは。




もしよろしければ暗号(メイヒチフユニラミ ウレトリケ ソリメヒルナ いろは歌)の解読もよろしくお願いいたします。


月「うーん……」

月(いろは歌…いろはにほへとってやつだな…現在使われる日本語は四十六音だけど…いろは唄は四十七音だ…)

月(それにンが入っていないし……まさか単純にイロハ順から直す暗号にする訳が無い…心もとないから……)

月「逆に考えればンが入ってさえいればいい…四十六音が収まってさえいれば五十音でも……」

月(……ゐゑを除く歌は期待できない……最低、四十八音ということになり、その中で一番有名ないろは歌は…)

月(『鳥啼く歌』…戦前にイロハ順と共に採用されていたトリナ順の元になる歌……)

月「…この暗号をトリナ順に直すと…ケヒドンヨクヤバス ヲルアイダ ノイケドデウになるな……」

月「……口で言っても何を言ってるのかさっぱりだけど、一応メモを取りながら進めてよかったよ…」

月(そう…現在の五十音順はアイウ順……イロハ順もトリナ順も…戦前のもの…つまり戦前の読み方、右から読む……)

月(―――ウデドケイノ ダイアルヲ スバヤクヨンドヒケ!)カチカチカチカチ

シュッ

月「!」

8 -3

月(……これがヒントか……今までの暗号からいって、これもカナに直す文章というのはわかってたけど…)

月(数字を見る限り…前の数字は行を、後の数字は段を表していると予想できる…)

月「……“ろのめほゆたうねけゆて?よるたありせくへひ”…」

月(十二番目の数字は八行四段目…ヤ行エの音を表しているけど……存在しないカナだ…)

月「それに仮にローマ字読みでイェと読ませてもロノメホユタウネケユテイェヨルタアリセクヘヒ…意味がわからない」

月「この暗号は……この数字の羅列だけでは解けない仕組みになっている…」

月(この暗号を解くためには条件がいる、まずはこの暗号に到達すること。大前提と思われるかもしれないが…)

月(まず、この暗号が書かれている日記は僕の部屋の鍵付きの引き出しに眠っている秘密のもの)

月(そもそも、メールで暗号を送られなければ存在すら知る余地もないものだった)

月(そして暗号で導かれるというのが重要なポイント…それがなければこの暗号の解き方も手探りからになる……)

月(それはヒントは~の暗号も同じこと…この二つの暗号を解いて初めてこの暗号に挑める……)


月「……しかし、この8-3というのは…」

月(単純に8-3=5ってわけでもなさそうだし…これは多分見方が違う…)

月(じゃあ、どう見るべきか……)

月「こんな単純な計算数学以前の算数なのに……クッ…」

月「8-3……8-3……8-3………」

月「……8…-3…」

月「…………」

月(…待てよ……この紙には……)

8 -3

月「…やっぱり……8と-3のあいだに僅かだが間が空けてある…腕時計に収めるような小さな紙に無意味にスペースを取るはずがない」

月「となるとこの数字は8…+8と-3に分けて考えるべきだ…行に+8…段に-3をして……」


62 22 41 32 55 13 91 21 101 55 11 51 52 65 13 93 64 111 105 31 34


月「……五十音は10行しかない、つまり11から105までしか存在しない。この111はいわば特例…変則的なもの……」

月「表す文字は“ン”…10行5段に属さない文字……111を見つけ出せず11から105までで循環させたために謎の文章になったが……」

月「…この数字列を日本語にすると…ヒキタシノウラカワノアナニホウルヘンヲサセ……五十音の特色から濁点、半濁点はつけてないものとして……」

月(最も適切な文章になるのは……)

月「引き出しの裏側の穴にボウルペン…ボールペンを挿せ……かな。中にあるのは…」


岡部「……ダル」

ダル「……なんぞ」

岡部「……暇だな…」

ダル「……言ってる場合か」

岡部「……わかってる。が、やることがないのだ…」

ダル「……そう…互いの監視ってこんなんでいいん?もっと電柱とかに隠れてさー」

岡部「…ダル、貴様のそのバルーンボディーで電柱に隠れられるか?」

ダル「ぐさっときた!」

岡部「……それに互いの監視であるってのはキラ否定派は全員知っている。キラ扱いされている俺自身を筆頭にな」

ダル「じゃあ肯定派を」

岡部「怪しすぎて話にならんな、もっとスマートにクールにクレバーに振舞ってこその狂気のマッドサイエンティスト!」

岡部「ダル…貴様は俺の頼れる右腕(マイフェイバリットライトアーム)だろ、しっかりしてくれ」

ダル「はいはい、厨二病乙」

岡部「ぐぬぬ…正論を言っているのに……」

ダル「論戦(バトルロジカ)では正論を言うだけの論客(ロジカリスト)はC級クラス(フゴウカク)だぜ」

ダル「もっと理論武装(ロジカライズ)しろよ…そんなんじゃ…論理(ロジック)も展開(ダ)せずに論客(ロジカリスト)の論破力(ロンパリング)に飲まれるぞ」

岡部「要約しろ」

ダル「@ちゃんでは正論か否かより精神がもろいほうが負ける」

岡部「………よくそこまでややこしくできるのだな…」

月「







   う ぐ あ ぁ あ ぁ あ あ ぁ あ あ あ あ ぁ あ あ あ ぁ あ あ あ あ ぁ あ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ あ ぁ あ あ あ







                                                           」


月(…………)

リューク「はーっ やっとこっちに戻ってこれた」

月(リューク…)

リューク「そのノートや所有者に憑く死神は……いやライトの机に閉まってたノートだから言う意味ないか…ククッ」

月「久しぶりだなリューク」

リューク「ククッそれを聞くのは二度目だ」

月「ああ……それよりもひとつ確認だがこの“2冊の”ノートの所有権は間違いなく僕に戻ったよな?」

リューク「ああ…戻ったな」

月「…そうか、なら問題はない…僕の正義は確実、ゆらぎはしないよ」

リューク「……なぁライト」

月「なんだ」

リューク「リンゴが食べたい」

月「……ああ、用意してあるよ。ちょっと待っててくれ…はい」

リューク「…人間界のリンゴはやっぱりうまい。ライトも死神界のリンゴを食ってみるか?」

月「ああ…一応もらうよ。いただきます。」

リューク「どうだ乾いてるだろ?」

月「……リューク…なんだこれは」

リューク「死神界のリンゴだ」

月「砂だ」

リューク「ミサにも言われた」


岡部(……一週間だ)

岡部(…夜神月がラボに現れずに一週間……ルカ子のもとにカモフラージュと称して“フリーライターの仕事”をしに行ってるようだが)

岡部(仮にもLの捜査、取材内容も雑誌には柳林神社のことは載らないのだが律儀な性格故かルカ子は大真面目に答えているらしい)

岡部(まゆりとフェイリスによるとメイクイーンにも顔を出して小銭を落としてもいる…ダルも遭遇したそうだ)

岡部(正直…怖くないといえば嘘になる…いつノートに名を書かれるかわからない恐怖は拭えない)

岡部(タイムリープマシンはエンターキー一つで飛べるように心がけているが紅莉栖の目もあるし…)

岡部(蘇りし者―ザゾンビ―の鋭い魔眼に屈するほどこの狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真は落ちぶれてはいないがな)

ダル(なんだかよくわからんけれどオカリンノリノリだな)

岡部(……キラによる殺人は一向に止まっていない…しかし…)

岡部(…この一週間…キラの裁きは大抵夜神月がほかのラボメンの前に姿を現し…そして俺は一人の時に行われる…)

岡部(まるで俺を狙いすましているかのように)

紅莉栖「ちょっと岡部、聞いておきたいことがあるのだけれど」

岡部「…ん、どうしたのだ?」

紅莉栖「岡部アンタ隠し事してないわよね?」

岡部「…どうしたのだいきなり」

紅莉栖「…夜神さんがラボメンになって…でもそれがLの捜査でって…夜神さんはL本人なのか疑わしいけど確実に警察の人間で……」

岡部「…それは……」

紅莉栖「……嘘をついている目ではなかった…って言うと理論的ではないかもしれないけれど…私には彼が嘘をついていう風には見えなかった」

岡部「………」

紅莉栖「でも岡部を疑うっていうのも違う。岡部はキラじゃない。」

紅莉栖「そりゃ岡部はセカイノシハイコウゾウガーとかわけのわからないこと言い出す厨二病だけど…だからと言って人の命を軽く見る人間では決してないのは知ってる」

岡部「…………」

紅莉栖「……岡部…アンタは」

岡部「……隠し事、だったな……お前は隠し事のない人間などいると思うか?」

紅莉栖「!」

岡部「……人間誰しも嘘や隠したいことはある。仲間で協力して他の人間に知られぬよう隠し通すことだってある…」

岡部「…嘘や隠し事がないすべて共有できる関係を仲間と呼ぶのであれば…俺に仲間はいない。孤高……孤独な…マッドサイエンティストだ。」

岡部「……俺は…この鳳凰院凶真は機関に機密を漏らすほど愚かではない!今まで話しててわからなかったのか?クリスティーナよ!」

紅莉栖「知ってるわよ、岡部倫太郎という愚直なほどの意地っ張りのことは。……伝えるべきことはちゃんと伝えてくれる奴だってこともね」

紅莉栖「まっ、わかった。岡部は私に対して言うべきことは全部言ったってことね。じゃなかったら岡部のことだもの、動揺してしどろもどろになるわ。」

岡部「……ぐぬぬ」

ダル(もうお前ら結婚しろ)


紅莉栖「あとティーナって言うな」

岡部「ツッコミが遅い」

ダル「亀レス乙」

紅莉栖「ぐぬぬ」

ガチャ

岡部「ん?まゆりか?」

月「…いえ、僕です。すみませんね、まゆりさんではなくて」

岡部「!!」

紅莉栖「あ、夜神さん…お久しぶりです」

月「お久しぶりです紅莉栖さん」

岡部「一週間も顔を見せないとはどういうことだ…メイクイーンや柳林神社に言っておいて忙しかったはなしだぞ?」

月「忙しかったんですよ」

岡部(こいつ…!)

月「……しかし進展はありました」

岡部「…進展だと?」

紅莉栖「まさかキラが捕まったとか…?それなら岡部の疑いも晴れるのだけど」

岡部「…いや、キラによる殺人は続いている、それはないだろう」

月「……いえ、キラの容疑ということでしたら一人…キラ事件解決に一歩進展です。やりましたと言えるでしょう」

岡部「は…?」

月「……ですが……そうですね…至さんならわかるとは思いますが、喜ぶべきか悲しむべきか……」

岡部「……どういうことだ?」

月「弥海砂を第二のキラ容疑で確保しました」

ダル「はぁああああああああああ!?!?嘘だろ!?嘘だと言ってよバーニィ!!」

月「…いえ…事実です」

紅莉栖「ねぇ…橋田はなんで驚いてるの?」

岡部「ああ…お前は最近までアメリカにいたのだったな…なぜダルがここまで驚いてるのかというと」

ダル「弥海砂…京都府京都市出身1984年12月25日生まれ25歳。身長は152cmで3サイズは上から76・51・75。」

紅莉栖(勝った…)

ダル「ヨシダプロ所属で紅白にも出場するくらいの人気を誇る女優だお。金の力がどうのっていう説もあるけど」

岡部「お、おう…俺も詳しくは知らんがダルが言うならそうだろう」

紅莉栖「なによ、あんたも知らないんじゃない」

ダル「芸名はMISA☆で名前の後ろに星マークがつくんだけどそこまでが芸名。まゆ氏と同じだと思ってくれればヨシ」

紅莉栖「うわぁ……」

ダル「引いたな?今引いたな…?言っておくが僕が悪いんじゃない。僕の中の煩悩がいけないんだ!」

ダル「ちな@ちゃんではファンタズムのボーカルであるFESとどっちが人気かって議論されることもあるけど正直年齢も違うし不毛」

紅莉栖「へぇ…そういうスレは覗かなかったから知らなか…はっ、ち、ちがこれはだな!」

岡部「無理するな栗悟飯とカメハメ波……」

月「……話を戻しますが、弥海砂が現時点で逮捕ではないものの拘束状態においています」

月「第二のキラは6年ほど前にキラとさくらTVにて連絡を取り合っておりあの時点から捜査本部としてはキラと繋がったと見ています」

岡部「なに…?第二のキラは最後のメッセージでキラに名乗り出るのはやめます、と確かに…」

月「…そして、第二のキラはこの能力を与えるにふさわしい人には分け世界を変えていきたい、とも言っています」


月「僕は……岡部倫太郎…もしくはその周辺人物がキラである、と疑いを立ててきました。無論、今現在もそう思っています」

月「しかし、6年前に事件を起こしたキラではないとも思っています。当時倫太郎さんは12歳…ありえないことです」

月「最低でもラボメン年長組の萌郁さんや僕の歳ではないと疑うに値しません」

岡部「………」

月「……もしこの推理が誤っていたらごめんなさいでは済みません。疑われるものの気持ちは汲みます。ここは慎重にいきたい」

紅莉栖(……おかしい)

岡部「……俺は、弥海砂には接触してはいない。よってキラの力など知らん、死神という符号の意味もさっぱりだ」

月「…ええ、身辺調査では確かにそうでした。倫太郎さんは弥海砂に接触する機会がない」

ダル「ちょ、それっておかしくねぇ?だって、ここ日本じゃん。その調査は違法じゃね?」

紅莉栖「…いえ、LならばInterpolにでも掛け合えばFBIやBKAを動かすことが可能なはず」

月「…多くの国がキラ事件捜査を打ち切った今は公式には捜査できませんからそこまでは不可能ですがね」

岡部「……ということは…」

月「ええ、非公式な地下捜査組織はあります。僕…Lが直接指揮を執る日本捜査本部や…表向きには解散したとされるSPKなど」

紅莉栖「Secret Provision for KIRA…」

月「………無論構成メンバーや詳しい捜査状況は一切語れません」

リューク「ククッ…いないだけだろ……」

岡部(……キラ事件を追っていて、しかもその支援部隊は十分にあると言いたいわけか…)

岡部(…何が慎重にいきたいなのかすらわからんな…カマかけ(サイズハング)の使い方も熟知しているというわけか…)

岡部(……まるで本物のLのようだ、演技が上手くすぎないか。キラからキラの容疑をかけられてしかも揺さぶられるとは…ふ、機関もなかなか…)

月「…すみません、聞いていますか」

岡部「……無論だ」


月「では続けさせていただきます。確かに倫太郎さんは身辺調査で弥海砂とは接触していません」

岡部「…まるでほかの人物は接触しているみたいではないか」

月「接触と言うだけならイベントにて橋田至さんが接触しています」

ダル「!!」

月「それと身辺調査を行おうとしたのですが尾行は巻かれ過去の経歴も一切不明な人物がいます」

岡部(…まさか……!)

月「阿万音鈴羽さんです。…顔と名前を知る僕を殺そうとする素振りは見られませんでしたので警戒度は薄めてたのですが」

月「……倫太郎さん曰く直情的な方らしいので」

岡部(……!)

月「僕はキラの力を分けることは可能だと思っています。…その上で、経歴が一切なく尾行も撒く人物が現れたら疑わざるを得ません」

岡部(…バイト戦士……疑われることはないように指示しておいただろう……!)

月「……今後、弥海砂から関係性を引き出すつもりではいます」

紅莉栖「……なぜ夜神さんは能力の分配が可能と見ているんです?普通なら捜査攪乱のための誤情報だと思うのですが」

月「……そうですね…ですが、極秘の捜査ですので」

紅莉栖「……私もキラ反対派ですし、脳科学を専攻としています。捜査に協力したい。そう考えてはいけませんか」

月「しかし……」

紅莉栖「……警察の方に任せたほうがいいのは確かです。ですが、私たちも疑われているんです。」

紅莉栖「…もし私たちの中に本当にキラがいるのだとしたらLが負けた時点で顔も名前も知っている私たちは殺されます」

紅莉栖「…どうせ殺されるならキラに一矢を報いたい…そう考えてはいけませんか」

月(こいつも…キラに対して反発的…頭の回転も早い……岡部を殺した時に牙をむくかもしれないな……南空ナオミのように…)

月「………わかりました。そこまでおっしゃるのでしたらお見せします…」

岡部「………!」

紅莉栖「…………そのノートは…」

今日はこの辺で
更新遅れてしまい申し訳ありませんでした


紅莉栖「…………そのノートは…」

紅莉栖「………なんですか?」

月(…牧瀬紅莉栖の反応はノートを知らない者の反応……まぁ…岡部倫太郎と橋田至はとくに反応なし、か。)

月(…確実にキラを追う者、下手に演技してボロを出すよりはマシといったところか)

岡部(……そんな馬鹿な…デスノートを直接持ってくるなんて…)

月「これはデスノートと言いまして…」

岡部「直訳で死のノートだな」

紅莉栖「なぜ直訳したし、あと死の帳面って言ったほうが近いわ」

月(イラッ)

月「……表紙と裏表紙に使い方が書いてあります」

紅莉栖「HOW TO USE…英語で書かれてるわね」

岡部「……俺は読めん、助手よ頼んだ」

紅莉栖「助手って言うな!…えーっとなになに」

紅莉栖「このノートに名前を書書かれた人間は死ぬ」

紅莉栖「書く人物の顔が頭に入っていないと効果はない。故に同姓同名の人物に一遍に効果は得られない」

紅莉栖「名前の後に人間界単位で40秒以内に死因を書くとその通りになる」

紅莉栖「死因を書かなければ全てが心臓麻痺となる」

紅莉栖「死因を書くと更に6分40秒詳しい死の情報を記載する時間が与えられる」

紅莉栖「以上が表のHOW TO USE」

岡部「裏は?」

紅莉栖「このノートに名前を書き込んだ人間は最も新しく名前を書いた時から13日以内に次の名前を書き込み人を殺し続けなければ自分が死ぬ」

紅莉栖「このノートを刻む焼くなどして使えなくするとそれまでにノートに触れた全ての人間が…死ぬ!?」

岡部「なっ!?」

月「慌てないでください…ノートは始末できませんが逆に考えればノートを始末さえしなければ…監理さえすれば問題はないということです」

岡部「……そうだな…ノートは封印し続けよう……」

ダル「なんかオカリンが言うと中二チック」

岡部「断じて中二病の妄想ではないっ!俺は常に真実を語っているのだ!」

紅莉栖「それが中二病といっている」

紅莉栖「…夜神さん、これは本当にキラの能力なんですか?」

月「ええ…科学分析をしても正体不明の代物ですし……第一…こっちを見てくださいますか」

紅莉栖「?」

紅莉栖「きゃああああああああ!!!」

岡部「っ……死神…か……」

ダル「ちょ、牧瀬氏!?オカリン!?僕にもノート……うわぁあああ!!!」

月「……僕も初めは驚きました」

リューク「ククッ…はじめましてリュークです」

紅莉栖「………あ…オホン…はじめまして」

ダル「は、はじめまひて……死神って実在したん…?CGとかじゃなく…?」

紅莉栖「……そんな…死神だなんて非科学的な……」

月「……でも実在しています…それにノートも科学分析は不可能でした……そもそも科学というものを超えてますよそれは」

リューク(ククッ…ライトのやつ…ノートの存在をO側に教えやがった……それに反応も久々で面白ッ!)


月「……一つ提案があります」

岡部「……?」

月「このノートを岡部さんに預けたいのです」

岡部「なに…?」

月「理由は複数あります…第一にノートのありかを弥海砂に知られないようにするため」

月「第二に…この状態で岡部さんは私…ひいては捜査本部の監視下に置かれます。この状態で殺人が起これば」

岡部「……まずは俺に疑いがかかる」

月「逆に言えば監視下に置かれている状態で貴方の潔白さえ証明されれば問題はありません」

月「13日ルールというのもあります。岡部さんは13日間そのノートに触れなければいいのです」

月「無論キラのノートで殺人は可能ですが、少なくとも“そのノート”は使えませんからキラの戦力は奪われたも同然」

岡部「……もし俺が目を盗んで名前を書いたらどうする…?それこそ夜神月とここに書いたら」

ダル「ちょ、オカリンさすがにキラ目線で考えるのは冗談でも良くないと思う」

月「……私はLから派遣され捜査本部に席を置く捜査官の一人ということになっており、SPKは別の場所にいます」

紅莉栖「……それじゃあ岡部が夜神さんの名前を書いた瞬間アウトってことね」

月「そういうことになります。僕の名前と立場を知るのはキラ否定派の方だけ…以前の通り互いに互いを監視し合う状態の中で僕の名を書く真似はキラならしません」

岡部「……13日ルールが偽物だった場合は俺の潔白は証明されない」

リューク「安心しろ…ルールは本物だ……」

月「死神はこう言っていますが、検証はせねばなりません。そのために弥海砂を拘留しています」

紅莉栖「ダブルスタンダードよ…それ。弥海砂…さんがキラかどうかを確かめるためと、13日ルールの検証は両立しないわ」

ダル「たしかに。13日ルールが真じゃないとミサミサがキラか分からないし、ミサミサがキラじゃないと13日ルールの真偽がわからないんですがそれは」

月「ノートは弥海砂が持っていた。これがキラである証拠とみます」

紅莉栖「……まぁ、確かにそうね。こうして死神も付いているノート…認めないわけにはいかないわ…」

岡部「だが……どうして弥海砂を…」

月「物証は十分ありました」

岡部「…した?」

月「ええ……キラと弥海砂が接触したのち弥海砂へ近づくことは難しくなり監視ということしかできなくなりました。弥海砂にキラ容疑がかかった際の証拠はもはや機能しないでしょう」

月「……ようやく隙ができたのか犯罪者の名前を書こうとしてたところを確保したんです」

紅莉栖「………さっき岡部も言ってたけどノートのルールが偽なら潔白は証明されないわ。それとも50日くらい監禁でもする?」

月「……ノートのルールが偽であっても僕の名前は書くことができません。もし、このラボの全員が結託してLを殺そうとしない限りは」

月「…そうなった場合は残った捜査官が全員逮捕するまでです」

紅莉栖「……岡部を見張るしかないってことね」

岡部「…安心しろ、俺はキラではない。ノートを使うつもりもない」

月「岡部さんの潔白は証明されないとなれば残念ですが、キラでなければ堂々とさえしてくれれば構いません」

月「この僕の誇りにかけて誤認逮捕はしませんし、させませんから。推理は確証がなければただの推測…疑いに過ぎません」

月「疑いだけで行動するのは推理ではないです。まして人を苦しめるような決め付けで解決などさせません。捜査は間違ってましたゴメンナサイで済むものではありませんから」

岡部「……そうか。安心だ」

岡部(………本当にLのようだな…夜神月…キラなのに)

紅莉栖「……もし少しでも岡部がキラだと思ったらちゃんと警察に突き出すから安心しなさい」

岡部「……なかなか厳しいことを言うな…助手よ…だが元より俺は機関より追われている身!何ら恐ることはない!フゥーハハハ!」

紅莉栖「うるさい」

岡部「はいすみませんでした」


月「……というわけなのでこのノートを岡部さんに譲渡します。構いませんね?」

岡部「……わかった。」

リューク「じゃあ所有権は岡部に移るぞ…」

月「死神はノートにつく…岡部さんにつきますが」

リューク「岡部はノートを使う気がないのかー…退屈そうだな」

岡部「…安心しろ、お前を楽しませられるようなおもちゃならいくらだって用意してやろう…」

リューク「お?なんだ?何を見せてくれるんだよ?」

岡部「面白いものだ…みせてやるさ!この狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真がなっ!フゥーハハハ!」

月「……それではでは僕は」

岡部「……ああ…また来るといい。次会うときにはキラ逮捕の情報をもらいたいものだがな。俺の疑いを晴らすためにも」

月「ええ、確たる証拠を持ってキラを逮捕しますよ」

月(…岡部の性格上…牧瀬紅莉栖や橋田至を死の危機に晒して…自分の命も危うくしてまで…ノートを焼くこともできないだろう)

月「………倫太郎さん」

岡部「……なんだ?」

月「……Lとして、もしもあなたが怪しい行動を取れば家宅捜索に身体検査…」

月「正直に言えばその他どんな手をとることになるかわかりません。先に謝っておきます」

岡部「……ふ、構わん。どうせ俺は無実なのだからな…」

月「…そうですか……では」

岡部「…ああ」


月(…勝った……これで監視は岡部倫太郎と阿万音鈴羽に集中するだろう……)

月(橋田至はともかく牧瀬紅莉栖はOの協力者ではないことはノートを見た時の反応で十分に分かる…)

月(少なくとも以前から意思の疎通が取れてないことは僕の目で確認済み…あの時は岡部はブラフの盗聴器で怯えていたはず)

月(仮にブラフに気づいて橋田至が調べ盗聴器がないとわかったとしても)

月(キラ賛成反対を分けた時から僕がLであると明かすまでに3日…こっちLであると明かせば話をしても説得力がないも同然)

月(…3日以内に話ができるか?いや、出来たとしてすぐ飲み込めるかは話が別になってくるだろう……)

月(僕はLであることを明かし、警察であることを証明した。これを打ち崩すことは容易なものか…)

月(牧瀬紅莉栖は確実に阿万音と岡部の接触に目を配るはず…岡部もそんな中接触はできない……)

月(……比較的僕は動きやすい身になった……キラの武器であるノートをあっさり岡部に渡したんだ…)

月(…一瞬でも僕の思うように動けるようにした時点でおしまいだ…一手遅れることがどれほど怖いか岡部…思い知らせてやるよ)

月(ノートを渡したことで中立な人間は当然デスノートという異形の者に目を奪われるし…)

月(仮に僕を疑っている人間がO以外にいてもあっさり武器を渡したことで一瞬目くらましにはなる…)









             ―――― 計 画 通 り







今日はこのへんで

生存報告だけさせてもらいます、すみません

報告が遅れました
PCが不調でして……続きがもう暫くかけそうにありません
必ず続き書きますから暫し暫しお待ちいただけると助かります


岡部(……まさかノート自体を持ってくるとは……) 

岡部(……おそらくこのノートが俺が“奪った”ノートということになるのだろうな…) 

岡部(しかし……これではキラから奪ったではなくキラに与えられた……所有権が俺に移ったっていうのは同じだが……) 

岡部(意味合いは全く違う……これでは…罠にはまったみたいではないか……) 

岡部(…確かにこの俺…マッドサイエンティスト鳳凰院凶真のことだ……カッコつけたくなって“奪ったのだ”とでも言ったのかもしれんな…) 

岡部(……そのあと俺は死ぬわけだが…ん、となると誰がそんなことを……少なくともノートの移動を見ていたダルか紅莉栖だろうが…) 

岡部(まぁそのおかげでノートを俺が手にすることを鈴羽は知れたわけか……どうする?報告に行くか?) 

岡部(………いや、不用意なことはするものじゃない。夜神月に見つかっても…キラを追う他の者に見つかってもAUTO…もといOUTだ) 

岡部(月だけならなんとかなるだろうが…ノートの存在は思いのほか枷になる。L=キラがもし本当だとするならばほかの捜査員は岡部倫太郎―俺―をキラだと思っているに相違ない) 

岡部(…そうなるとどこに潜んでいるかわからなくなる。不用意な接触は首を絞めるだけ…か?) 

岡部(…………迂闊なことはするな…軽率なことはするな……もう十分理解してるだろう…なんどやり直してきたと思ってる……) 

岡部(……まずは…第二のキラ容疑で確保されたとかいう弥海砂の情報を集めるとしよう…)カチ

リューク「何してるんだ?」 

岡部「うぉ!?」 

リューク「ククッ…そう驚くな…今ノートの所有権はお前にある。ノートの所有者についた死神は所有者から離れてはいけない。これは死神界の掟だ」 

岡部「……いや、驚いてはいない…驚いてはいないが……死神リューク…お前がいるとすご気が散るのだ」 

リューク「なんでだ?」 

岡部「なんでって……お前はこのノートに憑く死神…つまりキラのそばにいた死神だ」 

リューク「……要するに俺が他のノートの所有者のスパイじゃないかっていうことか。安心しろ、俺は誰の味方でもない…面白そうなものを見てるだけだ……クク」 

岡部「……中立…ということだな?」 

リューク「ああ…安心しろ」 

岡部「この鳳凰院凶真に安心しろだとぅ?…フゥーハハハ!滑稽だな!俺は狂気のマッドサイエンティストぅ!微塵の不安すら持っていない!

リューク「鳳凰院凶真?…岡部倫太郎の間違いだろう」 

岡部(……!…) 

岡部「…リューク…何故俺の名を知っている……いや…ノートを持ってきたのは夜神月…話を聞いていれば俺の名前など…」 

リューク「…ああ、お前はノートを使わないといったから話してはなかったな」 

岡部「話してなかっただと…?」 

リューク「そのノートはもともと死神界のノートだ。なぜ死神がデスノートに名前を書くか知っているか?」 

岡部「……興味もないな」 

ダル「…気に入らない人間を消すためじゃね?」 

紅莉栖「……真面目に考えれば、ノートに名前を書く義務…とまではいかなくとも必要があるからでしょうね…」 

岡部「……いたのかダル、クリスティーナ」 

紅莉栖「橋田はそこでずっとエロゲしとったろーが。私は…そこで考え事してたのよ。あとタイムリープマシンね、のクリスティーナが言ってる通り名前を書く必要がある。死神はノートに名前を書かなければ死ぬ、死神は人間から寿命をもらっているからだ」 

紅莉栖「ティーナじゃない!…って、寿命をもらっている…?」 

リューク「ああ、人間界で普通に60歳まで生きる人間を40歳で死ぬようノートに書く。寿命との誤差…この場合は人間界での20年という時間が死神の寿命にプラスされるんだ」 

岡部「…それで、それがどうだというのだ」


リューク「俺たち死神は死神会から人間界を見下ろしノートに書く人間を選んでる。そこに多少の好き嫌いはあれどほとんどがたまたま目にとまった人間だ」 

ダル「ちょ、不運だったって事?シャレにならねぇぞマジで。てかなんで名前知ってるのって話」 

リューク「死神は人間の顔を見るだけでその人間の名前がわかる」 

岡部「……………目…か」 

リューク「ククッ……目が違う。ノートの所有者には取引で目をやることもできる」 

紅莉栖「取引………何を代償とするの?」 

リューク「寿命の半分。残り50年いきるのであれば25年、一年なら半年だ」 

紅莉栖「そんな……!」 

岡部(…………いや、ちがう……確かに常識外の取引だが……取引しないと決めているなら…別にそんなことは些細な問題だ)

岡部(問題は……目さえ持っていれば偽名など無意味ということ……)

岡部(仮にキラが目を持っていたとしたら……警察の尾行を撒けても本名がバレる……え、それってやばくね?) 

岡部「……その目は」 

リューク「! 取引か?」 

岡部「い、いやまて!そんなつもりはない!ノートを使う予定もないのだからな!」 

岡部「聞きたいのはそこではなくてだな……所有権を放棄したら…目はどうなる?」 

リューク「……消えるな。次に所有権を取り戻しても復活はしない。寿命も半分になったままだ」 

岡部「……取引のやり直しは?」 

リューク「可能だ。その時は寿命がさらに半分になる」 

紅莉栖「………ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど」 

リューク「…なんだ?」 

紅莉栖「その死神の目のメリットは名前と寿命が見えるだけ?」 

リューク「…さぁ?俺は人間じゃないから生まれ持った目の利点なんかわからないし、教える義務はない。味方でもないから好きこのんでも教えない」


岡部「…リューク、お前の好きなものを言うといい。スイス銀行に振り込んでやろう?ドクペか?コーラか?」 

リューク「…リンゴだ。人間界のリンゴはジューシーっていうの?うまいからな」 

岡部「そうか、俺のポケットマネーから買えるだけ買おう。買うのは確定だ」 

リューク「お?」 

岡部「……教えてくれれば、やってもいい。教えなければ目の前でこれみよがしに食べてやろう。お前以外の皆でな」 

リューク「……仕方ないな。まず目がよくなる、遠くが見えなくてノートに名前を書けないなんておかしいしな。」 

リューク「次にノートを所有した時点で殺される側から[ピーーー]側になる…自分の寿命と同じノートの所有者の寿命は見る必要はないから見えない」 

紅莉栖「!……第二のキラは“目”や“死神”というワードを繰り返していた……デスノートの所有者もわかるなら…既に接触している…!」 

ダル「マジ?」 

岡部「! 目さえあればお互いの死神を見せ合わなくても…ノートを互いに触れさせるという不審な動作をしなくてもいいってことだな…」

紅莉栖「ええ…目さえあれば一方的に確認できる……警察が張り込みをしてても顔の上を見るだけでいい…」

紅莉栖「……最後のビデオで名乗り出るのはやめる、しかし認めてもらおうとするのは変わりない旨を……興味で動いてるのであれば接触を取るはず…」

紅莉栖「夜神さんは…弥海砂を第二のキラ容疑で確保した、って言ってたわよね?」

岡部「…ダル」

ダル「なに?」

岡部「お前は萌え関係なら二次元三次元かかわりなく強いよな」

ダル「ああ、うん…そうだが?キリッ」

岡部「弥海砂についてだ。キラ崇拝する理由はわかるか?」

ダル「キリッについてはスルーですかそうですか。でミサミサがキラ崇拝している理由はファンの中では有名な話。……昔、強盗殺人でミサミサ以外の家族が犠牲になったっぽい」

岡部(ミサミサ…?)

ダル「ミサミサは愛称、これ豆な」

紅莉栖「……その犯人がキラによって裁かれたわけね?」

ダル「そういうことになる……ほら、この記事」

岡部「なになに…?2005年…強盗殺人で……逃げていく犯人を目撃したのは弥海砂…そののち逮捕・起訴されても長期裁判となり、冤罪説まで浮上…!?」

ダル「証拠不十分だったのをキラが裁いたみたい」

紅莉栖「……となると強い崇拝意識を持っててもおかしくはないわ……橋田、ちょっとキラ同士のビデオ会話出せる?詳しく覚えてないから」

ダル「おk、まかせんしゃい」


岡部「…リューク、お前の好きなものを言うといい。スイス銀行に振り込んでやろう?ドクペか?コーラか?」 

リューク「…リンゴだ。人間界のリンゴはジューシーっていうの?うまいからな」 

岡部「そうか、俺のポケットマネーから買えるだけ買おう。買うのは確定だ」 

リューク「お?」 

岡部「……教えてくれれば、やってもいい。教えなければ目の前でこれみよがしに食べてやろう。お前以外の皆でな」 

リューク「……仕方ないな。まず目がよくなる、遠くが見えなくてノートに名前を書けないなんておかしいしな。」 

リューク「次にノートを所有した時点で殺される側から殺す側になる…自分の寿命と同じノートの所有者の寿命は見る必要はないから見えない」 

紅莉栖「!……第二のキラは“目”や“死神”というワードを繰り返していた……デスノートの所有者もわかるなら…既に接触している…!」 

ダル「マジ?」 

岡部「! 目さえあればお互いの死神を見せ合わなくても…ノートを互いに触れさせるという不審な動作をしなくてもいいってことだな…」

紅莉栖「ええ…目さえあれば一方的に確認できる……警察が張り込みをしてても顔の上を見るだけでいい…」

紅莉栖「……最後のビデオで名乗り出るのはやめる、しかし認めてもらおうとするのは変わりない旨を……興味で動いてるのであれば接触を取るはず…」

紅莉栖「夜神さんは…弥海砂を第二のキラ容疑で確保した、って言ってたわよね?」

岡部「…ダル」

ダル「何?」

岡部「お前は萌え関係なら二次元三次元かかわりなく強いよな」

ダル「ああ、うん…そうだが?キリッ」

岡部「弥海砂についてだ。キラ崇拝する理由はわかるか?」

ダル「キリッについてはスルーですかそうですか。でミサミサがキラ崇拝している理由はファンの中では有名な話。……昔、強盗殺人でミサミサ以外の家族が犠牲になったっぽい」

岡部(ミサミサ…?)

ダル「ミサミサは愛称、これ豆な」

紅莉栖「……その犯人がキラによって裁かれたわけね?」

ダル「そういうことになる……ほら、この記事」

岡部「なになに…?2005年…強盗殺人で……逃げていく犯人を目撃したのは弥海砂…そののち逮捕・起訴されても長期裁判となり、冤罪説まで浮上…!?」

ダル「証拠不十分だったのをキラが裁いたみたい」

紅莉栖「……となると強い崇拝意識を持っててもおかしくはないわ……橋田、ちょっとキラ同士のビデオ会話出せる?詳しく覚えてないから」

ダル「おk、まかせんしゃい」


紅莉栖「……ビデオを見た限り第二のキラとしての行動よりも自分の感情で動いている気がする。」

紅莉栖「キラ崇拝で真にキラの思想だけでやっているというのなら“キラ”の…後から送られてきた方のビデオに引っ掛かりはしない」

紅莉栖「もしキラの気持ちが分かるのであればLの殺害を推し進めたほうがいいもの」

岡部「……キラ本人からのメッセージで喜んで冷静さを失ったとかでは?自分で考えることを放棄しいう事を聞くというのはカルトではよくあることだ」

紅莉栖「そうだとしてもよ、真偽不明のビデオ一通に翻弄される時点で世の中に対する考えよりもキラに会いたいという気持ちが先行している」

紅莉栖「目にしている本物のKIRAからのビデオ…そして耳にしているのはキラが考えそうなことから若干ずれた内容……ストループ効果が起きたって考えることもできるけど」

紅莉栖「結局返事のビデオで言う事を聞くと言ってるから…キラの思想、何がキラを喜ばせるか……分かっていない。言われたことに追従しているだけ」

紅莉栖「……そして警察のまだ関わってないならやめなさいという放送…これは5月25日……第二のキラが日記を公開しろと言ってから数日空いている」

紅莉栖「…直後にそれに従い名乗り出るのをやめ……そしてキラでは殺せない犯罪者を裁く……今までの兆候とは真逆じゃない?」

岡部「確かに…態度が一変しているし……キラのビデオの言う事を聞いていたのが今更裁くと言っているようなものだものな……」

紅莉栖「アパシーでもあるまいし、会うことにこだわりそれを最重視していたキラへの興味を一気に失うと思う?」

岡部「……やはりキラと第二のキラは繋がった…のか…」

紅莉栖「ええ、そう考えたほうがいい。いきなり外側前頭皮質の活動が高まって腹内側前頭皮質の活動が低下するとは思えないもの」

紅莉栖「衝動的選択を抑えセルフコントロールを働かせ長期的利益を優先する人間になったなんて…考えられないから」

岡部「…というか、お前は医学や心理学の専攻ではないだろう」

紅莉栖「……心理学と脳科学は必ずしも対立する学問ではないわよ?」

岡部「………そうか…で、お前は俺に対してキラに対する自分の考えを喋っていいのか?」

紅莉栖「言わなかった?私はあんたをキラだと思ってない。夜神さんも言ってたじゃない…最初のキラと考えるとアンタは12歳よ?」

岡部「…お前に論破されるくらいだしな。世界一の探偵Lと張り合える気はしない」

紅莉栖「そう、私にも論破……って悲観的ね。独善的鳳凰院凶真はどこいった。…ともかくキラだとは思ってない。」

紅莉栖「……もちろん、だからといって監視の目は弱めないけどね。アンタが白であろうが黒であろうがしっかりと証言できるようにね。あと私自身気になるし」

岡部「……そう…か」


岡部「………………」

岡部「……ダル」

ダル「んぉ?」

岡部「引き続き弥海砂について聞きたい。弥海砂の経歴…キラが現れた後から今現在に至るまでだ。不審な点はないか?」

ダル「んー……ああ、この最後のビデオが送られてから数日後から2ヶ月近く失踪している。むしろそのおかげでエイティーンの読者人気投票で一位になってるんだけど」

岡部「失踪だと…!?」

ダル「うん、何事もなく復帰してる…というかむしろそこからヨツバのCMに出て人気がうなぎのぼり…活躍がすごかったって言ったほうが妥当」

岡部(……………)

岡部(……!…)


岡部(罠だ!これは罠だ!キラが俺を陥れるために仕組んだ罠だ!ノートを単純に渡すなんておかしいじゃないか!それが罠だという証拠!) 

岡部(……おそらく13日ルールは偽だろう。夜神月がキラであるのは俺がよく知っている。13日ルールが真ならばみすみすノートをわたし自分の首を絞めるはずがない) 

岡部(無論ノートは二冊あるだろうな。第一のキラ、第二のキラと。4年前のビデオの時点で接触していたのは間違いないが……)

岡部(…面と向かって確保したというから地震の潔白はアピールできるし…その実、夜神月が実質二冊のノートを使用可能なのも同義)

岡部(13日ルールが真であっても偽であっても夜神月は困らない…いや、真でなくては困るのはこっちのほうだ) 

岡部(もし13日ルールが偽であった場合キラの殺人はピタリと止まるはずだ。その時夜神月はこういうのだろう) 

岡部(弥海砂は死亡しませんでした13日ルールは偽です。そして、岡部倫太郎さんにノートを渡した瞬間殺人は止まりました、と) 

岡部(……無論それができるということは夜神月は今まで全く疑われてこなかったか、もしくは疑ってたものがもういないか…) 

岡部(…おそらく後者だろうな、リーディングシュタイナーが起きてキラは復活した…ここは疑ってるものがいなくなった世界線ということになる) 

岡部(つまり捜査員の数はほぼゼロに等しい。6年前から“L”が指揮を取りキラを追う組織があったとしよう…そいつらはまるで無能か?) 

岡部(夜神月自身が言っていたではないか。弥海砂をキラと断定する物証があったと。その時に逮捕しなかった無能なのか?) 

岡部(いや……おそらく違う……なぜなら………弥海砂は2ヶ月近く失踪しているからだ…)

岡部(…何の前触れもなく失踪して何の前触れもなく復帰…いくらなんでもできるか?もしLが確保していたなら……そう考えるのが妥当だろう…Lが物証を持って弥海砂を確保…)

岡部(…がその時点でノートは発見されていない。拘束し自供を狙ったはずだ…そしてキラの正体を追求した…キラとの接触は俺らでもわかった、Lならすぐわかっただろう)

岡部(その後何らかの結果でノートの存在がLサイドに知られるとしよう。死神付きの未知のノートだ、下手に扱えないからとりあえずはルールを信じるほかない。)

岡部(おそらく13日ルールが鍵となり失踪…拘束期間が2ヶ月弱の弥海砂は白判定……もしそこに夜神月がいたら?一緒に拘束されていたらどうする?)

岡部(……おそらく月も白判定だろう……身の潔白は証明される…しかし……)

岡部(今回それを13日ルールを使ってひっくり返そうということは少なくとも偽とバレようとも問題がないという現れだろう……やはり、捜査員は0と見たほうがいいのではないか?)

岡部(多少飛躍しているが…そう考えてもいいはず…)

岡部(となれば…これは陽動?夜神月は助手の頭の良さもある程度評価したはず。事実ラボメンの中では……)

岡部「俺の次に」

岡部(賢く優秀な人材だ……我が助手だからな)

紅莉栖「なんだかよくわからんけど馬鹿にされた気がする」

長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
また次回までは開くと思いますがご容赦願います。
今回はここまで。

ずっと健気に待ってくれた奴らが保守してくれたんだからな
感謝しろ

>>190
待っていただいた皆様には本当に感謝してもしきれません

>>182訂正

岡部(……まさかノート自体を持ってくるとは……) 

岡部(……おそらくこのノートが俺が“奪った”ノートということになるのだろうな…)

岡部(しかし……これではキラから奪ったではなくキラに与えられた……所有権が俺に移ったっていうのは同じだが……) 

岡部(意味合いは全く違う……これでは…罠にはまったみたいではないか……) 

岡部(…確かにこの俺…マッドサイエンティスト鳳凰院凶真のことだ……カッコつけたくなって“奪ったのだ”とでも言ったのかもしれんな…) 

岡部(……そのあと俺は死ぬわけだが…ん、となると誰がそんなことを……少なくともノートの移動を見ていたダルか紅莉栖だろうが…) 

岡部(まぁそのおかげでノートを俺が手にすることを鈴羽は知れたわけか……どうする?報告に行くか?) 

岡部(………いや、不用意なことはするものじゃない。夜神月に見つかっても…キラを追う他の者に見つかってもAUTO…もといOUTだ) 

岡部(月だけならなんとかなるだろうが…ノートの存在は思いのほか枷になる。L=キラがもし本当だとするならばほかの捜査員は岡部倫太郎―俺―をキラだと思っているに相違ない) 

岡部(…そうなるとどこに潜んでいるかわからなくなる。不用意な接触は首を絞めるだけ…か?) 

岡部(…………迂闊なことはするな…軽率なことはするな……もう十分理解してるだろう…なんどやり直してきたと思ってる……) 

岡部(……まずは…第二のキラ容疑で確保されたとかいう弥海砂の情報を集めるとしよう…)カチ

リューク「何してるんだ?」 

岡部「うぉ!?」 

リューク「ククッ…そう驚くな…今ノートの所有権はお前にある。ノートの所有者についた死神は所有者から離れてはいけない。これは死神界の掟だ」 

岡部「……いや、驚いてはいない…驚いてはいないが……死神リューク…お前がいるとすご気が散るのだ」 

リューク「なんでだ?」 

岡部「なんでって……お前はこのノートに憑く死神…つまりキラのそばにいた死神だ」 

リューク「……要するに俺が他のノートの所有者のスパイじゃないかっていうことか。安心しろ、俺は誰の味方でもない…面白そうなものを見てるだけだ……クク」 

岡部「……中立…ということだな?」 

リューク「ああ…安心しろ」 

岡部「この鳳凰院凶真に安心しろだとぅ?…フゥーハハハ!滑稽だな!俺は狂気のマッドサイエンティストぅ!微塵の不安すら持っていない!」

リューク「鳳凰院凶真?…岡部倫太郎の間違いだろう」 

岡部(……!…) 

岡部「…リューク…何故俺の名を知っている……いや…ノートを持ってきたのは夜神月…話を聞いていれば俺の名前など…」 

リューク「…ああ、お前はノートを使わないといったから話してはなかったな」 

岡部「話してなかっただと…?」 

リューク「そのノートはもともと死神界のノートだ。なぜ死神がデスノートに名前を書くか知っているか?」 

岡部「……興味もないな」 

ダル「…気に入らない人間を消すためじゃね?」 

紅莉栖「……真面目に考えれば、ノートに名前を書く義務…とまではいかなくとも必要があるからでしょうね…」 

岡部「……いたのかダル、クリスティーナ」 

紅莉栖「橋田はそこでずっとエロゲしとったろーが。私は…そこで考え事してたのよ。あとタイムリープマシンの整備ね。それとティーナは禁止と何度言えば」

リューク「そこののクリスティーナが言ってる通りだ…死神はノートに名前を書く必要がある、死神は人間から寿命をもらっているからだ。ノートに名前を書かなければ死神は寿命で死ぬ」 

紅莉栖「ティーナじゃない!…って、寿命をもらっている…?」 

リューク「ああ、人間界で普通に60歳まで生きる人間を40歳で死ぬようノートに書く。寿命との誤差…この場合は人間界での20年という時間が死神の寿命にプラスされるんだ」 

岡部「…それで、それがどうだというのだ」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom