男「人妻になった幼馴染とデートすることになった…」(412)

男『幼ー、早く学校行くぞー』

幼『待ってよ、男君!』

男『置いてっちまうぞ』

幼『待ってって…きゃあ』ドサ

?『大丈夫?』

?『立てるかい?』

幼『は、はい…』ポケー



男「!!!」ガバ!
  「またあの夢か…」
  「…もうこんな時間か…仕事行かないとな…」

男「おはようござまーす…」ボリボリ

女「おはよう、男!」

男「おはよーございます… 相変わらず元気ですね」

女「私は男と違って朝には強いからな」

男「ああ、そうすか…」
  (はぁ… しかしいつにも増してリアルな夢だった…)

男「先輩、今度の取引先のこと何スけど」

女「ああ、例の」

男「何で俺も商談に行くことになってるんすか?」

女「君がいると心強いからな」
  「私からお願いしたんだ」

男「はぁ… そうですかね?」

女「私が言うから間違いない」

男「お疲れ様です」

女「お疲れ様」

男「あれ、先輩帰らないんですか?」

女「仕事が残っててな」
  「もう一時間ほどかかる」

男「……半分いいッスよ」

女「ん?」

男「半分手伝いますよ」

女「いや、しかし…」

男「したら、飲み行きましょう今日は」

女「…すまんな」



男「うっぷ… 飲み過ぎた…」
  「先輩、着きましたよ…」

女「…ベッドまで連れてって…」

男「おいおい…」

男「はぁ… 大変だった…」
  「寝よう…」



幼『あ、あの、ありがとうございます』

?『いやいや、当然のことだよ』

幼『え、えと…お名前は…』

?『ああ、僕は先輩だよ、2年の』

幼『先輩…』

男『幼ー、大丈夫かー?』

男『ええと、どちらさま?』

幼『2年生の先輩だよ』

先輩『どうも』ニコ

幼『…』ポケー

男「…!」ガバ
  「またか…」
  「何なんだよいったい…」



女「先日はすまなかった」

男「いいんですよ、女先輩が酒に弱いの知ってますし」

女「君には頭が上がらないな…」

男「それより、今日は商談ですよ? 気を引き締めて行きましょう」

女「どうも女です、今日はよろしくお願いします」

男「男です、よろしくお願いします」

相手「よろしくお願いします」

──────

女「でありまして…」ウンタラカンタラ

男(さすがに仕事はできるなこの人…)

相手「少し休憩にしますか、おい君お茶を入れてくれ」


?「…失礼します」コト

?「よろしければ、お茶菓子もあるので…」ジ…

男「…?」

女「ん?」

相手「?? どうかされましたか?」

男「…??」

女(…おい)ゲシ

男「あ、いえ…何でもありません」
  (何だったんだ?)

?「…」

相手「では今日はこの辺にしますか」
   「詳しい話はまた後日」

女「ええ、よろしくお願いします」
  「いくぞ、男君」

男「はい」スタ
  (…はぁ疲れた…)ポロ

?「…!」


女「よし、何とかなりそうだな」

男「そうッスね」
  「手ごたえはありましたね」

女「会社に連絡を入れとくから先に行っててくれ」

男「了解っす」

─────

男「先輩も大変だな…」テコテコ
  「…ん? そう言えば携帯…」
  「あれ…? 無い…」
  「ヤバいな…おいてきちゃったか…?」

男(そう言えば…学生の時もこんなことあったな…)


男『あれ…携帯どこいった?』

幼『どうしたの男君?』

男『いや、携帯がね…』
  『ちょっと探してくる』
  『すぐ戻るよ』

幼『うん』

男『…教室以外は考えられない…』ゴソゴソ
  『お、あったあった』
  『幼待たせちまったな… ここからだったら聞こえるな』ガラ…

男「それで……」
  「…いかんいかん、詰まらないことは思い出さないようにしよう」

────

男「すみません、忘れ物をしてしまったみたいで、すみませんが探してもいいですか?」

受付「ええどうぞ」

男「ええと…この部屋だったよな…」
  「失礼します、忘れ物があると思うのですが…」

?「…これですか?」ス

男「あ、その携帯です」

?「…相変わらずだね、男君」

男「え?」

男『おーい、おさ…』
  『!!』


幼『…』

先輩『…』


男『…なんだよあれ…どういうことだよ…?』

男「え?え?」

?「もう、私だよ…幼」

男「お、幼? …なの?」

幼「うん」

男「えと…その…」

幼「…」

男「あの…」ピロピロピロ
  「あ、やべ…女先輩からだ… ごめんまた今度」

幼「あ、待って、これ…」ス

男「?」

幼「時間があったら連絡して」

男『あのさ…』

幼『ん?』

男『い、いや… なんでもねえ』

幼『男君、携帯はあった?』

男『あ、ああ…あったよ』

男「…携帯の番号だよなこれ」ヒラヒラ
  「…でもあいつ」


幼『私ね…私…』


男「もう寝るか…」

男『俺…今まで言えなかったけど!』

幼『…待って』

男『…!』

幼『言っちゃダメ…その先は言わないで…』

男『…』

男「…」
  「くそっ…何なんだよいったい…」
   「もう5年くらい前の話だろ…」

────

男「おはようございます…」ダルダル…

女「おはよう男! どうした朝から元気の無いやつだ」

男「…放っといてください…」

女「…? どうした? 悩みがあるのか?」

男「何でも無いです…」

女「…そうか、何かあったら相談してくれよ?」

男「ういっす…」
  (いかんいかん…仕事にまで支障をきたしたらまずいな…)

女「…」

男「今日の商談ですけど、やっぱり俺も行かないと不味いですか?」

女「うむ、男君には来てもらいたい」

男「ですよねー…」

女「何か不満が?」

男「いえいえ、めっそうもない」

女「でありまして、今後こういった…」ウンタラカンタラ

男「…」
  (やっぱりいるよなそりゃあ…)

幼「…」ジー


女「といった方向でお願いします」
  (…男君?)

幼「お茶が入りました」ニコ

男「…どうも」

女「…」ズズー

男「…」
  (ん? お茶うけに紙が?)


相手「いやいや、それにしても女さんは美人ですなー、お茶がよく似合う」

女「ふふ、ありがとうございます」ニコ

男『先輩とさ…付き合ってるの?』

幼『…まだ付き合ってるわけじゃないの』

男『そうか…』

幼『でも、付き合おうって言ってくれてる…』

男『…』

幼『…』

男『あのさ』

幼『なに?』

男『もう、一緒に学校行くの止めないか?』

男『幼も先輩の事好きなんだろ?』

幼『…』コクン

男『…なら俺がいちゃあいけない』

幼『でも…男君とはずっと友達でいたい…』

男『…』ズキ

男「…色々あったな」
  「…」

─────

幼「男君…ごめんね急に呼び出したりして」

男「女先輩を誤魔化すのが大変だっただけさ」フフ

幼「男君の上司の人だよね? 綺麗な人だね」

男「それで? どうしてまた呼んだの?」

幼「それといった用事があるわけじゃないの」アセアセ
  「この前番号渡したでしょ? まだ連絡貰ってなかったから…」

男「そりゃあ…ね」

幼「まだ…怒ってる?」

男『じゃあ、さようなら…』

幼『…ばいばい男君、またあし…』
  『…』

男『…』
  『縁があればまた歩くこともあるさ』
  『じゃあな』

幼『…うん』グス

男「怒ってないさ」
  「…ここだとなんだし、どっかコーヒーでも行かないか?」
  「幼さえ、よければだけど」

幼「うん」

────

男(こうして一緒に歩くのは5年振り位か…)

幼「懐かしいね、男君」ニコ

男「あ、ああ…」ドキ

男「…」

幼「…」

男「先輩とはどうなんだ…? まだ仲良くやってるのか?」

幼「うん…最近はちょっとすれ違ってるけどね」

男「ふーん…」ジー

幼「フフ…」

男「?」

幼「男君、変わらないね」クスクス

男「どうして? 身長も体重も増えたぜ?」

幼「ふーん、って言ったあと人の顔をジーっと見る癖」

男「そんな癖あったか…?」

幼「あるよー」
  「人の心配してる時は特にそう」フフ
  「無関心ぽくしてるけど、すごく人のこと心配してる…」

男「そうかな?」

幼「自分に鈍感なところもね」

男「…会っておいて言うのもなんだけど」
  「あんまりこういう感じで会わない方が良いんじゃないのか?」

幼「そう…だね…」シュン

男「…そんな顔するなよ」

幼「ごめん…」

幼「…」

男「…まぁ、相談する人がいないなら電話くらいには出るよ」ス

幼「…ありがとう、男君」

男「幼馴染のよしみってやつだ」

女「男君、遅いじゃないか!」

男「すんません、野暮用で」

女「今日は一緒に飲む約束だったのに…」

男「まぁまぁ、まだ時間はあるじゃないですか…」
  「それに明日は休みですし」

男「…うっぷ、やっぱり気持ち悪い…」

女「男ー、まら飲むぞー」

男「…今日はもう帰りますよ…」

女「やだやだー! もっと男君と飲むのー!」

男『先輩、幼と付き合ってるんですか…?』

先輩『そういうことに、なるね』

男『なんすか、その他人事みたいな感じ』

先輩『いや、そういうつもりは無いんだ』
   『君には悪いことをしたと思ってね…』

男『!』

男『あんたのそういう態度が気に入らねえ…』

先輩『ご、ごめん…』

男『何で謝ってんだよ…てめえ…』

────

男「あぁ…また嫌なこと思い出しちまった…」

女「男君ー、家まで送ってくれー」ヘロヘロ

男「またすか…」

女「…男君はー、可憐な感じの女の子がー、好きなんですかー?」

男「急にどうしたんですか先輩…?」

女「上司の質問には早く答えろー」ケラケラ

男「まぁ、そうかもしれないっすね」

女「そうなのかー…」

男「先輩鍵はどこですか…?」

女「鍵はなー、ここらー」スポ

男「!」
  (何で胸の中に入れるんだよ)

女「どうしたー、早くとれー」ゲラゲラ

男「…自分で取ってくださいよ」

女「やらー…男君が取って? ね?」ジー

男「…!」ドキ
  「…後で訴えるのは無しですよ」

男「…………」ムニムニ

女「…ん、ふ…」

男「…これか?」

女「あっ…ん… それは違うよ…男君」

男「すっ、すんません!」
  「…これか」チャリ

女「ベッドまで連れてって…男君」

男「…」ドキドキ

女「ね、早く…」

男「…よいしょ」バフ

女「…うーん」ムニャムニャ

男「…じゃあ、俺帰りますね」
  「鍵はポストに入れておきます」

女「……帰っちゃうの…?」

男「! えっと…」アセアセ
  「起きてたんですか…?」

女「うん…」

男「でも、まだ酔ってるみたいですし」

女「…ちょっとだけだよ?」
  「……私じゃダメ?」

男「え…っと」

女「やっぱりあの女の子みたいじゃなきゃダメ…?」


幼『何で先輩の事殴ったの…?』

男『しらねえよ…』フン

幼『男君、そんなことする人じゃなかったのに…』

男『関係ないだろ、幼には!』

幼『…!』ビクン
  『ごめん…なさい…』

男「…そんなことないですよ」
  「…女先輩も可愛いですよ」

女「…じゃあ、一緒に…ね?」

男「…一緒に寝るだけですよ?」

女「うん…!」ギュウ

男「…」ドキドキ

女「…」スゥスゥ

男(ここで手を出しちゃいかん…いかん…いかん…)

女「男君…」ムニャムニャ

男(結局よく眠れなかった…)

女「…ううん」

男「おはようございます、先輩」

女「…」
  「…あれ?」

男「?」

女「どうして男君がここにいるんだ…?」

男「まさか…覚えてないんですか?」

女「何の事だ…?」

男「…必死に我慢したのに」

女「な、まさか私に変なことしたんじゃないだろうな!」

男「何とか持ちこたえましたよ」

女「…そうか」シュン

男「朝飯作っておいたので」

女「あ、ありがとう」

男「今日は天気も良いですし、飯食ったらどっか行きませんか?」

女「それは良い案だ」

男「女先輩、映画とか観ません?」

女「映画か…悪くないな」
  「じゃあ、散歩がてら借りに行くか」

男「あ、そっちでしたか」

女「? ん?」

男「映画館のつもりでしたけど、それも良いですね」

男(暖かくなってきたな…)

女「久しぶりだよこうして誰かと散歩するなんて…」

男「そうなんですか? 意外だな…」

女(う… 中学生以来付き合って無いとは言えない…)

女「そういう男君はどうなんだ?」

男「俺ですか?」

幼『先輩、今日はお弁当作ってきたんですよ?』テクテク

先輩『本当? 幼ちゃんのお弁当楽しみだな~』テクテク

幼『先輩が好きだって言ってたのたくさん入れました』ニコ
  『あ、でも野菜もたくさん入ってますからね』

先輩『ええ、そりゃあ大変かも…』テクテク



男『…………』

眠い

7時まで寝かせてくだし

男「…俺も久しぶりです」

女「そうか」
  (ちょっと嬉しいかも)


男「女先輩はどんなの観たいですか?」

女「うーん、やっぱりSFだろ」

男(SFか… あいつだったら純愛ものだろうな)

女「男君? どうした?」

男「いえいえ、なんでも」

女「最近ぼけっとし過ぎだぞ?」

男「…あまりにも女先輩が可愛いかったもので」シレ

女「え? …それは本当か?」

男「何か買って帰りましょう」

女「ビールが良いな、ビール」

男「昼間から酒ですか?」
  「太っても知りませんよ?」

女「う、うるさい…!」

男「一本だけですよ、全く…」

女「わーい!」

女「ふんふーん♪」

男(こういうのも悪くないな… 美人の先輩と休日を一緒に…)

女「…そう言えば最近パスタを食べてないんだが」

男「へ?」

女「宿代はそれでもいいぞ?」

男「仕方ないっすね…」

女「うむ、それでこそ私の部下だ」

─────

男「先輩食えないものとか無いですよね?」

女「…生玉ねぎはダメだ」

男「なら大丈夫ですね」
  「あんまり自信ないですけど、パスタとサラダです」コト

女「お! 美味そうだな」

映画鑑賞中

女「…」グビグビ

男「…」
  (これはB級以下だな… 眠い)ウツラウツラ

女「…」グビグビグビ

男「…」ウツラウツラ

男「…ふぁぁ」
  「もう映画終わりました?」

女「おわっらよ~」ギュウ

男「う、酒臭い…」
  「…何本開けたんですか?」

女「5本だよー」
  「男君寝ちゃうんだもん… ちゃんとベッドに寝ないとダメですよー?」

女「ベッドはこっちでーす」グイ

男「ちょっと、先輩?」

女「一緒に寝よう? 男君…」ギュウ

男「またですか…」

女「おやすみのチュー」

男「んむ!?」

女「んむ…ちゅむ…」

男「………」
  (ああ…理性が…)

女「ちゅ…ちゅ…」
  「男君…」

男「は、はい…」ゴクリ

女「おやすみ…」パタン

男「またかい…」

女「…」スースー

男「…でも、いいか」フフ

男「…」グビグビ
  「…!」ピロピロピロ
  「メール?」

幼【男君、今から時間あるかな? 会わない?】

男「…夜には起きそうだな」チラ
  「…」カチカチカチ
  【7時位までなら、構わないけど。】

幼【うれしい。 じゃあこの前のカフェで待ってるね。】

男「先輩、夕飯の買い物に行ってきますね」

女「うーん、男君」ムニャムニャ

男「どうも」

幼「男君、来てくれてありがとう」

男「買い物のついで、にね」

幼「ふふ、相変わらず」

男「それで? 喧嘩でもしたの?」

幼「うん…ちょっとね」

男「…話すだけでも楽に楽になるんじゃない?」

幼「…夫がね…」

────

男「ふーん」ジー

幼「…男君にはずっとお世話になってるね…」フフ

男「…」

幼「男君、今付き合ってる人っているの…?」

男(…)
  「別にいないけど?」

幼「嘘つくの下手だね」

男「別に付き合ってねえよ」
  「あ…」

幼「じゃあ、好きな人がいるんだ?」

男「まぁな」

女先輩きゃわわ

男「少しガサツだけど、良い人だよ」

幼「ふーん、どんな人だろう…」

男「幼も知ってるよ…」

幼「もしかして、この前の女の人?」

男「ああ」

男「そろそろ行くよ」
  「…じゃあ、さようなら」

幼「…もう会えないの?」

男「?」

幼「あの時も同じ台詞だった…」

男「……じゃあ会計はしておくから」

幼「…」

男「…パスタだったから、夜は和食にするか」
  「肉じゃがとお浸しにでもするか…」


男「先輩、入りますよー」ガチャ

女「…」スースー

男「まだ寝てるのか…」
  「さてと」

男「…」トントン
  「…」クツクツ

女「男君…?」ムニャムニャ

男「すぐに飯できるんで」

女「…良い匂い」

女「寝てる間に買ってきたのか?」

男「ええ、どうですか? 味は?」

女「美味しいよ」

男「良かったです」


女「今日は楽しかったたくさんごちそうになったしな」

男「いえいえ、またデートしましょう」

女「…」クイ

しえん

女「その…今日は…泊っていかないか?」

男「ええと…それは…」

女「ダメか…?」

男「でも、それって…」

女「これ以上言わないとダメ…?」

男「先輩がいいなら…」

女「うん…」

─────

男「…ふぅ」

女「…」ハァハァ

男「痛くありませんでした、先輩?」

女「うん、大丈夫…」

おい







おい

男「ビール、飲みません…?」

女「もう! もうちょっとこうしてたい…」ギュウ

男「…はい」ギュウ

女「ねえ、今日さ…」

男「?」

女「本当はどこに行ってたの?」

もっと過激なシーンがあるから今は我慢しろとそう言いたいのか

男「どこって…夕飯の買い物ですよ」フイ

女「嘘つくの下手…」

男「…夕飯の買い物は本当です」
  「少しだけ人と会ってたんですよ」

女「そっか…」

男「聞かないんですか?」

女「うん…」

男「大丈夫ですよ、俺は先輩だけを見てますから」

男「もう寝ますか?」

女「まだ寝ない」

男「良いですか?」

女「もう…エッチ…」

翌朝

男「おはようございます」

女「おはよう」

男「コーヒーどうぞ」

女「ありがとう」
  「今日で例の取引先とも最後だ、気を引き締めて頼むぞ男君」

男「分かってますって」

おい

女「ではこの形で提携で」

相手「ええ、今後ともよろしくお願いします」

男(さすがに仕事出来るな、女先輩は…)

幼「…」


男「これでひと段落ですね」

女「そうだな、明日から枕を高くして眠れる」ピロピロピロ
  「………」
  「すまない、先に会社に戻ることになった」
  「このまま取引先と夕食に行ってくれないか?」

男「構いませんよ、じゃあ、また明日」

男「すみません、女に急な仕事が出来まして」

相手「ああ、そうか… 私も仕事が入ってしまってね」

男「では、またの機会でどうでしょうか?」

相手「うーん、せっかくだから親睦を深めたいところなんだけど…」
   「あ、幼君、ちょっといいかね?」

男「…」

幼「ごめんね、男君」

男「いや、仕事だから」

幼「一緒にご飯は浮気に入っちゃうかな?」

男「下心が無ければ問題ないだろ」

幼「そうだよね」

幼「食事の前に買い物に行きたいんだけど良いかな?」

男「俺は構わないけど?」

幼「夫の誕生日近いの、それでね…」

男「ふーん…」
  「一応プレゼントはするんだ?」

幼「うん…変かな?」

男「すまん、意地悪だった」

幼「こうしてると、昔を思い出すね」

男「あったか? 買い物しに行ったことなんて」

幼「あったよ、男君忘れちゃった?」

男「…」


男『明日買い物に行こうぜ、幼』

幼『いいよ、何を買いに行くの?』

男『ほら、先生定年退職だろ』
  『ムカつくジジイだったけど、ケンカして問題起こした時に庇ってくれたからな』ヘヘ

幼『そっか、やさしいね男君』

幼『ねえ、男君』

男『ん?』

幼『今度は私の買い物にも付き合ってね』

男『おう、いつでもオッケーだ』


男(結局その後は無かったな…)

幼「これ何てどうだろう?」

男「ネクタイか… それならこっちのガラの方が…」

幼「男君の趣味もそんなに変って無いね」

男「まぁ、そうかもな」

幼「やぱりこっちかな…」

男(なんだかんだで、今の夫が好きなんだろうな…)

幼「これとこれ、どっちが良い?」

男「断然左が良い」

幼「んん…じゃあ右だね」

男「なんだそりゃ…」

男「飯はどうする?」
  「一応経費で落とせるから、それなりに高くてもいいぞ?」

幼「うーん…何でもいいよ」

男「おいおい、何でもいいよが一番困るんだぜ?」

幼「じゃあ、静かなお店が良い、男君とゆっくり話せるところ」

男「そういえば時間大丈夫か?」

幼「うん、連絡入れたから」

男「そうか」

幼「夫ももう心配することなんて無いだろうし…」

男「ふーん」ジー

幼「もうすぐ…もうすぐね…別れるの、夫と」

男「…!」

男「そうなんだ」

幼「夫が浮気しちゃってね… 私と一緒にいてもつまらないんだって…」ポロポロ

男「…」

幼「やっぱり重いのかな私…?」ポロポロ

男「そんなことないさ…」

幼「…」グスグス

男「…」ス

幼「…」グスグス

男「…泣くなよ」ナデナデ

幼「うん…」

男「世の中そんなもんだ」

男「…」ピロピロピロ
  「メールか」

女【男君、今仕事が片付いたんだが、どこにいる?】

男「…」チラ

幼「…」ヒックヒック

男【今飯食ってるところです。】

女【私も向かうよ。】

男「…」
  【今駅前の店にいるので、そこで】

男「上司が来るんだけど、良いよな?」

幼「うん… 大丈夫… お手洗い行ってくるね…」グス

男「…」


男『おいおい、転んだくらいで泣くなよ』

幼『だって血が出てるんだもん』ヒックヒック

男『ほら、ばい菌が入るだろ』グイ

幼『うん…』グスグス

男『洗えば大丈夫だだよ』ニコ


男「ガキの頃だったな、最後に泣いてたのは…」

×→男『洗えば大丈夫だだよ』ニコ
○→男『洗えば大丈夫だよ』ニコ

女「すまんな、男君」

男「いえ、何か頼みます?」

女「ビール、といいたいところだが仕事中だから控えるよ」

男「偉いですね先輩」ナデナデ

女「ん… もう…」

女「そう言えば、先方は?」

男「今お手洗いに行ってます」

女「一人か?」

男「ええ、他の方は都合がつかなかったようで」

女「そうか」

幼「ごめんね、男君」

男「いや」

女「…」

幼「あ、私お茶を入れてた者です、今日はうちのが来れなくて申し訳ありません」

女「あ、ああ…ええと男の上司の女です、遅れて申し訳ありませんでした」

幼「いえいえ」

女「…」

男「…」

幼「…」

男「ええと…初対面じゃないよね?」アセアセ

男(まずったかなこれは…)

女「男君、君はこの子を泣かせたのか…?」

幼「え?」

男「ん? そういうわけではないのですが…」
  「結果的にというか、なんというか…」

女「うちの男が失礼なことをしてしまったようで、申し訳ありません!」
  「ほら、謝れ!」ガン

男「いて!」

幼「そ、そんなことないです」

幼「男君に悩みを聞いてもらってたんです…」

男「そうですよ…いてて」

女「そうなのか…すまないことをした」

幼「でも、大分落ち着きました」

女「うちの馬鹿でも役に立って嬉しいです」

男「ちょ、馬鹿って何スか!」ギャーギャー

幼「…フフ、仲良いんですね」

────

幼「ではそろそろ失礼しますね」

女「男君、彼女を送って差し上げて」

男「え…?」

女「君はか弱い女性を一人で送り出すのか?」

幼「だ、大丈夫です」

女「まぁまぁ、そう言わずに」

男「…」

幼「…」

男「じゃあ、先輩も気を付けて」

女「うむ」
  「…手を繋ぐ以上はダメだぞ?」ボソ

男「…」

女「じゃあ、また」

幼「素敵な人だね」

男「…」トボトボ

幼「…高校の時以来だね」

男「どうやら縁はまだあったみたいだな」

幼「そうだね」
  「ねぇ、男君?」

男「ん?」

幼「公園に寄っていかない?」

男「ああ…」


男『やっぱり夏は花火だよなー!』

幼『そうだね、綺麗…』

男『あのさ…幼…』

幼『何?』

男『俺さ…俺……』

幼『うん…』ゴク

男『…ちょっとトイレ行ってくる!』


男(あの時告白してれば今は違ったのかもしれないな…)

幼「懐かしいね、二人で公園」

男(ああ…ビール飲みたいな…)

幼「もう、戻れないんだよね… あの頃に」

男「…」

幼「男君は戻りたい?」

男「俺か… 少し戻りたいかもな…」

男は幼馴染とくっつけばいいと思う
女先輩は俺が幸せにする

男「夏に公園で花火したことあっただろ?」

幼「うん…」

男「俺、あの時幼に告白しようと思ってたんだ」

幼「…」

男「結局勇気が出なくてな」
  「次にチャンスは来なかった」

>>332
いやいや俺が

男「もし、あの時に戻れたら幼にきちんと告白するよ」
  「お前が好きだ! ずっと一緒にいてくれ!ってね」

幼「…」

男「…なんてな、戻れないからその時が良く思える」
  「今を良くしようって思えるだよな」

幼「…男君」

幼「男君…あのね…そのね…」
  「私…私…男君が」

男「…待った」ピト

幼「…!」

男「…言っちゃ駄目だ…もう俺たちは戻れない」

幼「…うん」

男「じゃあ、これで」
  「次に会う時も友達だ」

幼「うん…」
  「ねえ男君?」

男「ん?」

幼「…」チュ

男「!」

幼「ほっぺは浮気じゃないでしょ…?」

男「…浮気だよ」
  「じゃあな」

幼「うん!」

男「あーあ…ビール飲みてえ」
  「…」ピロピロピロ

女【ビール買ってきてくれ】

男「…へいへい今買ってきますよ」
  【他に何か欲しいものありますか?】

女【帰ったら抱っこすること、気を付けて帰って来て】

男「…さぁ早く帰ろう、先輩のところに」


        終わり

せめて男と女先輩の濡れ場を!

男「せんぱ~い! ビール買って来ましたよー!」

女「あー、男君だぁー。はやくこっちでビール飲もぅよぉー」

男「はぁー、もう酔っ払ってるよ。先輩? 明日もありますし、今日はこの辺にしときましょう?」

女「んー…じゃ、あと一本だけ」

男「…これだけですよ? (俺も甘いな)」

女「男君、男君。」(チョイチョイ)

男「なんですか、せんぱーーー」

チュッ

男「ーーい…って!」

女「えへへ」



女「男君、だぁーい好きだよ!」





って感じのオナシャス

ガチャ

男「女先輩、今帰りましたよ」

女「んー」ムニャ

男「酔っぱらって寝てるよ…」
「仕方ない、一人で飲んでるか…」ピロピロリン
「あ?メール?」

幼【助けて】

男「!」




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