咲「はぁ…また振られちゃったよ」モモ「これで三人目っすね」 (49)

.

咲「何だか自信なくしちゃったよ…」

モモ「元気出してくださいっす、咲さん」

モモ「ほら、私のデザートあげますから」サッ

咲「ありがとう、モモちゃんは優しいね」

咲「…うん、やっぱりうちの大学の学食はいけてるなぁ」モグモグ

モモ「言えてるっすね」

咲「失恋を癒してくれるには美味しいもの食べまくるのが一番だよ…」

モモ「…また今回も、和さんっすか?」

咲「うん。和ちゃんに彼氏を紹介すると、皆和ちゃんに惚れちゃうんだよね」

モモ「まあ、あれだけのスペックっすからね」

咲「スペックならモモちゃんも十分すぎる思うんだけど」

モモ「私の場合はまず相手に認識されないのが致命的っすよ」

咲「モモちゃん、こんなに可愛いのにね」

モモ「咲さんにそう言ってもらえるだけで十分っすよ!」

咲「そう?でも勿体無いなぁ」

モモ「それより咲さん。いっそ和さんに彼氏紹介しなきゃ良いんじゃないっすか?」

咲「えっ?でも和ちゃんは大切なお友達だから」

咲「それに、彼氏ができたらすぐに報告するように言われてるし」

モモ「はあ…咲さんは相変わらずお人よしっすね」

咲「じゃあ、私これからフランス語の授業があるから」

モモ「はいっす。では咲さん、また明日」


~~~~~~


モブ男「おーい宮永!」

咲「ん?どうしたの?」

モブ男「今日のフランス語の授業無くなったそうだぞ」

咲「えっ、ほんとに?」

モブ男「ああ。俺課題やってなかったからラッキーだったよ」

咲「ふふ、良かったね」

モブ男「ところで宮永。ちょっと話があるんだけど」

咲「ん?何かな?」

モブ男「実は俺、前から宮永のこと可愛いなって思ってて…///」

咲「えっ?」

翌日

咲「モモちゃんおはよー!」

モモ「おはようっす、咲さん。えらく元気っすね」

咲「えへへ、分かる?実は新しい彼氏ができちゃって」

モモ「来るもの拒まずっすか。相変わらず切り替え早いっすね」

咲「いつまでも失恋を引きずってちゃ駄目だからね」

咲「私、今日から新しい恋に生きるよ!」

モモ「はあ…頑張ってくださいっす」

モモ「というか、何ですぐに彼氏を作りたがるんっすか?」

咲「それは…大学生にもなって恋人の一人や二人いないと駄目だって、高校時代の先輩が言ってたから…」

モモ「ああ、竹井さんっすね。でもあの人の場合は女専門っすけどね」

モモ「しかもあの人の恋人、一人や二人どころじゃないっすよ絶対」

モモ「加治木先輩も今だあの人に夢中っすからね」

咲「そうなの?先輩、相変わらずモテるんだなぁ」

モモ「そういう咲さんも、次から次へと男が寄って来てるじゃないっすか」

モモ「大学に入ってから1年間で3人とか割りと凄いっすよ」

モモ(まあちょっと天然入ってるけど、素直で可愛いっすからね、咲さん)

咲「でもすぐに振られてちゃ意味がないよぅ…」

モモ「それはそうっすけど…」

午後

咲「じゃあモモちゃん、また明日ね」

モモ「はいっす。また明日」

モブ男「お~い、宮永~」

咲「あ、お迎えが来たんでもう行くね。バイバイモモちゃん」タタッ

モモ(…あれが咲さんの新しい彼氏っすか)

モモ(さて、今回はどの位もつのやら…)

喫茶店

咲「それでね、日本史の先生がね…」

モブ男「うんうん」

咲「あ、私ちょっと化粧室行ってくるね」

モブ男「ああ」


カツ…カツ…


和「…どうも、はじめまして」

モブ男「えっ?」

和「私、原村和と申します」

モブ男「も、もちろん知ってますよ!プロ雀士の原村和さんですよね!」

モブ男「でもそんな有名人が、何で俺なんかに?」

和「実は私、咲さんの友人なんですよ」ニッコリ

モブ「へえ、そうだったんですか。あ、俺は宮永の…」

和「ええ、みなまで言わずとも知ってますよ」

和「あなたが咲さんの新しい恋人だってことは…」ニヤッ

~~~~~


咲「ごめんね、待たせちゃって…」パタパタ

モブ男「……なぁ、宮永」

咲「ん、何?」

モブ男「俺、原村さんが好きになっちまったんだ!ごめんっ!!」

咲「ええええーっ!?」


~~~~~

和「うふふ、今回も咲さんの恋人を奪ってしまいました」

和「ちょっと色仕掛けで迫れば簡単に落ちてくれるんですから、男ってのは単純で扱い易いですね」

和「まあ、もう用済みなんでポイしてやるんですが…」

和「さて。そろそろ咲さんも男そのものに嫌気がしてきたはず」

和「ここで私が優しく慰めつつ、長年の秘めた想いを打ち明ければ」

和「咲さんは晴れて私の物に…!」

翌日

咲「………」ドンヨリ

モモ「…また駄目になったんっすか?咲さん」

咲「…うん」

咲「でも何でだろ?まだ和ちゃん紹介してなかったのになぁ…」

モモ「?それはおかしいっすね」

咲「和ちゃんにはおとついの夜、メールで新しい彼氏ができたってことを知らせたくらいなのに」

咲「はぁ…何だかもう、疲れてきちゃったよ…」

モモ「……」

モモ「ねえ、咲さん」

咲「…うん?」

モモ「男が駄目なら、女はどうっすか?」

咲「…へっ?」

モモ「たとえば、私とか」

咲「…ええっ!?」

モモ「実は私、大学で咲さんと一緒になってからずっと咲さんのこと気になってたっす」

咲「ええええーっ!?」

モモ「iPS細胞が普及しだして同性同士の結婚も認められた今、性別とか些細なこと気にする必要なんてないっすよ!」

咲「そ、その情報は和ちゃんから毎日のようにメールで知らされてるけど…」

モモ「なら何も問題ないっすよ!咲さん、私と付き合ってくださいっす!」

咲「え、えっと…」

咲「…うん。よろしくね、モモちゃん///」

モモ「…はいっ!」パアッ

モモ「絶対に幸せにするっすよ、咲さん!」

咲「えへへ。さっきまで友達だったのに、何だか照れちゃうな」

モモ「照れた咲さんかわいいっす!」ガバッ

咲「きゃっ!もう、モモちゃんったら///」

ピンポーン

和「入って、どうぞ」

咲「こんにちは和ちゃん」

和「さ、咲さんの方から会いに来てくれるなんて嬉しいです///」

咲「えっとね、今日は和ちゃんに新しい恋人を紹介しようと思って」

和「!?」

和(ちっ、まだ懲りてませんでしたか…)

和(まあいいです。何度でも奪ってやりますから)ニヤッ

咲「えっとね、和ちゃんも知ってる人なんだけど…」

モモ「どうもっす、咲さんの永遠の恋人東横桃子っす!」スッ

和「…え」

咲「え、永遠って…///」カアッ

モモ「絶対に別れてなんてやりませんからね~」ガシッ

咲「もう、モモちゃんったら///」

イチャイチャ

和「」

こうして咲とモモは自他共に認めるほどのバカップルになり

大学を卒業と同時に結婚した

やがて珠のような赤ちゃんにも恵まれ、そして数年後――――



咲モモの娘「キャッキャッ」

和(咲さんの娘…かわいい…)



和「光源氏計画ってのも、アリですね」ジュルリ


カン

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom