モバP「あいに気づいてください」 (28)


ー事務所ー

あい「ふぅ…」

あい「全く…いくら忙しいからといってアイドルに事務仕事をさせるのはどうかと思うよ?」


モバP「ほんとにすいません…ちひろさんが急に病欠で休んで頼れるひとはあいさんしか…」

あい「まぁ千川くんはよく働いてくれているからね、体調をくずすのも仕方ないさ」

あい「それに…P君と二人きりにもなれたしね」ニコッ

モバP「ハハハッ、俺もあいさんと二人きりで緊張してますよ」


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あい「P君、真面目な話なんだがいいかい?」

モバP「はい?」


あい「もし私が…トップアイドルになるよりも求めている事があるとしてね」

モバP「え!?」

あい「あくまで仮定の話さ、それでその求めているものが君次第で手に入るとしたら」

あい「君はこたえてくれるかい?」


モバP「そうですね…俺にできることならなんでもしますよ」

あい「…だったら」

モバP「でも、俺はトップアイドルになったあいさんが見たいです」

モバP「だからきっと、トップアイドルにしてみせますよ」


あい「…そうかい」

モバP「えっと…なにか気にさわりましたか?」

あい「いや、なんでもないよ大丈夫さ」


コンコンッ

ガチャッ


早苗「やっほ!P君!」

モバP「早苗さん!?」

早苗「そろそろ終わる頃かなって思ってね!飲みに行く約束してたでしょ?」

モバP「あー…してましたねぇ」

早苗「だから早く行くわよ!あ、あいも来る?」


あい「いや、私は今日は遠慮しておくよ、二人で楽しんできてくれ」

早苗「そっか、じゃあまた一緒に行こっか!P君は早く用意してくる!!」

モバP「了解です、下で待っててください」

モバP「それじゃあいさんも帰り道に気を付けてください」

あい「あぁ、君も楽しんでおいで」


ガチャッ…


あい「……」


あい「…どうにも、意気地が無いみたいだね私も」


ホラホラ,ハヤクイクヨー!

マッテクダサイヨサナエサン!


あい「窓の外には…楽しそうな二人の姿、か」

あい(今日も…渡せなかったな)



あい「少し前までは…こんな感情を持つなんて思わなかったよ、P君」サワッ

あい(彼が腰かけていた椅子…まだ温もりが残ってるね)



あい「私はどちらかと言えば…周りを止めるタイプだったんだけどね」

あい(君は色んな女の子から好かれている、そんな彼女たちの暴走を止めるのが私の役目だった)

あい(アイドルとして生きるなら、彼からの愛を求めることは厳禁だとね)



あい「」



あい「いつからだろうか…自分の気持ちに気づいたのは」


あい(君を求める彼女達を止める理由が自分の恋のために変わったのは…)

あい(笑い話にもならないね…厳禁だと自分で言っておきながら、自分からアイドルとプロデューサーの関係を崩そうとするなんて)


あい(男と女に……なりたがるなんて…)





あい(許されるはずなんてない…それはわかっている)

あい(だからこそためらっているんだ…なのに私はどうしてこんなものを大事に持っているんだろう…)


『ネクタイ』


あい(普段の感謝の気持ちとして渡せばいい、そうすれば彼はきっとなにも言わずに受け取ってくれる)

あい(なぜ…わかっているのに、そう言って自分の気持ちを誤魔化すことをしないんだ…私は!)


あい「伝えられる訳がないんだ…こんな気持ちなんて」





ハラリ…


あい「…?花びら?」

あい「あぁ…そういえば早苗さんが彼に渡した花をデスクに飾っていたね」

あい「全く…恋人からのプレゼントの花を散らせるなんて彼もひどい男だね」


あい(気づいていたさ…彼と早苗さんが秘密の恋人関係だってね)

あい(奪われた訳じゃない…そもそも彼は私のモノじゃないのだからね)

あい(でも…目から離れないんだ…彼が……早苗さんと二人で楽しそうに笑っている顔が……)



あい(わかっているんだ…彼は私のモノにはならないなんて)

あい(だから思うだけ無駄だって、わかっている)



ガラララッ……

あい「引き出しの中…きれいに整理してあるんだね」スッ

あい「ネクタイは入れておくよ…一応手紙も添えておこう、私からのプレゼントだとね」



あい(もう…トップアイドルなんてどうだっていいだよ…P君)

あい(私は……君に……)



あい「愛に……気づいて欲しいだけなんだ」ボソッ

あい「どうしてこんなに変わったのか自分でもわかりはしない…どうしてこんなに切ないのかもわかりはしない」

あい「でも…恋に落ちた切なさが…きっと私を変えたんだろうね」




あい「この愛はきっと君へは届かない」


あい「私は君を抱きしめたいよ、本当はね」


あい「でもきっとそれは無理なんだってわかっているさ」



あい「だから…また私は生まれ変わるよ、アイドルの自分再びね」


あい「さようなら、私のロマンス」







あい(それから彼が引き出しの中のネクタイを見つけてくれた、お礼も言ってもらえた)

あい(そのネクタイをつけてくれているのも何度か見たよ)


あい(でも彼は気づいてないようだね…)

あい(私は結局のところ最後まで、うまく歌えなかったんだ)

あい(I love you という歌をね)




愛に気づいて下さい
僕が抱きしめてあげる
夢も涙も忘れて 君を求めていた
誰も知らない世界で 僕がささやいてあげる
窓に映る切なさは 生まれ変わるメロディー

壊れてしまった バランスが崩れた
手探り探す指先が震えて
戸惑うくせに絡みつく花びらは
溜め息重ねて浮かぶイメージ

目を閉じてごらん
どこまでも行こう
鮮やかに奪われた君が離れない

愛に気づいて下さい 僕が抱きしめてあげる
夢も涙も忘れて 君を求めていた
誰も知らない世界で 僕がささやいてあげる
恋に落ちる切なさは 生まれ変わるメロディー







愛は幻の中へ

僕は君を見失う

愛に気づいて下さい


強く強く抱きしめたい

生まれ変わる天使




おわり


あいさんはSレア少ないのにレアが多いよね
なんか不憫だよね

だから不憫なあいさんを書きたかった
慣れないシリアスだから疲れました、もう二度と書かないと思います

それと僕に影響を受けてSSを書き始めた人がいるらしいのです、嬉しい反面なんか申し訳ないです
全体的に申し訳ないです
幸子の打たせ湯浴びたい


過去作

モバP「島村卯月の飼い方」シリーズ

まゆ「プラトニック・ラブ」シリーズ

のあ「眠れないの」シリーズ


次はにゃんにゃんにゃんのシリーズの奴書きます
その時もまたよろしくお願いします


それではお付き合いいただきありがとうございました

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