さやか「これね、美樹プルーンの苗木」(277)

ほむら「…なにそれ」

さやか「これを使うとさやかちゃんみたいにプルーンプルーンになるのだあ!」

ほむら「……は?」

さやか「某食品から名前を取って、美樹プルーンと名付けてみました」

ほむら「…………」

さやか「この苗木を埋めて、水をあげて三分待つと………」

  ドロン!! ――――

手乗りさやか「……さやさや!!」プルプル

さやか「はい!! 手の平サイズのさやかちゃんが出来ました!!」

さやか「凄いでしょ?」

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

ほむら「ごめんなさい、興味がないわ」

さやか「あ、そうだ、鹿目プルーンもあるんだけど」

ほむら「………」ピクッ

ほむら「そ、それが、どう、どどど、どうし」アセアセ

さやか「あんたがまどかに只ならぬ感情を持ってんのは気付いてるって」

さやか「どう、欲しいでしょ?」

ほむら「……………うん」ボソッ

さやか「じゃあ、お金」

ほむら「は?」

さやか「欲しいんなら、お金」

ほむら「タダでくれるんじゃないの?」

さやか「いらないんなら、別にいいんだけどさ」

ほむら「……言い値で買うわ」

さやか「そうくると思ったよ。まいど、三千円ね!!」

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

ほむら「………あなた、最初からこれを売りつけるつもりで話しかけたわね?」チッ

さやか「へへへ、まあね」

ほむら「でも、あなた、こんな不思議な苗木をどこで……」

さやか「ああ、なんかね、気まぐれで私の毛髪を、私の能力で治癒してみたら苗木になって、それを植えてみたらこうなった」

さやか「ちなみに、あんたに渡した鹿目プルーンは、まどかの毛髪ね」

ほむら「いったいなんなのよ、あなたの能力は……」

ほむら「まあ、いいわ。はい、三千円……」

さやか「まいどあり!! じゃあ、これ、苗木ね」

ほむら「埋めて、水をかけて、3分でいいのね?」

さやか「そうそう、簡単でしょ?」

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

ほむら「埋めて……、水をかけて……、3分だけ待つ……」ウズウズ

  ドロンッ!! ――――

手乗りまどか「……まどまど?」プルプル

ほむら「……………」ズキュン!!

さやか「ははは、上手くいったみたいだね」

手乗りまどか「………まどぉ?」プルプル

手乗りさやか「……、さやさや! さやさや!」プルプル

手乗りまどか「……ま、まど! まど!!」プルプル

手乗りさやか「さや! さやさやさや!!」プルプル

手乗りまどか「まどまど!! まどまど!!」プルプル


ほむら「なんだか、会話してるみたいだけど……」

さやか「ああ、仲良くなったんだろうね」

ほむら「ふーん」イライラ

さやか「おやぁ? 暁美センセイ、嫉妬ですか?」ニタニタ

ほむら「べ、別に、そんなわけ……」

さやか「あんたが望むなら、暁美プルーンも作るけど」

ほむら「け、けっこ、結構、けけけ、結構よ、そ、そん、そんな」アセアセ

さやか「本当にいいの?」

ほむら「あ、あなたが、そ、そこまで言うなら、お、お願いしようかしら」

さやか「じゃあ、お金」

ほむら「は?」

さやか「欲しいんなら、お金」

ほむら「これも有料?」

さやか「いらないんなら、別にやらないけど」

ほむら「……言い値でお願いするわ」

さやか「そうくると思ったよ。まいど、一万円ね!!」

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

ほむら「ちょっと、なんで値上げしているの?」

さやか「……新製品を作るんだし、そりゃあ、別途料金がかかるだろ」

ほむら「この、銭ゲバ……」

さやか「なんとでも言えば? 一万円くれないなら、やらないし」

手乗りまどか「………まどぉ…」プルショボーン

さやか「ほらほら、手乗りまどかも『お友達がほしいよぉ』ってショボンとしてるよ?」

ほむら「………くっ」

ほむら「…………わかったわ、一万円ね」チッ

さやか「へへへ、毎度あり!!」

手乗りさやか「さや!! さや!!」プルプル

ほむら「……まったく、今月、かなり節約しなきゃならないわね。……ん?」

手乗りまどか「まど!! まどまど!!!」プルプル!!、プルプル!!

さやか「友達が増えて喜んでるんじゃないの?」

ほむら「…………まあ、ミニまどかが喜んでくれるなら、良しとしましょう」

ほむら「待っていてね、すぐ、あなたに友達ができるからね」ツンツン

手乗りまどか「まど! まど!」プルプル

さやか「いや、悪い、今すぐにはムリなんだ」

ほむら「え?」

さやか「毛髪から苗を作るには、一日はかかるからね。だから、また明日来てよ」

ほむら「そう…」ショボーン

手乗りまどか「まどぉ……」プルショボーン

ほむら「仕方ないわね。今日は、ミニまどかだけ家に連れて帰りましょう」

ほむら「じゃあ、また明日ね。……帰りましょう、ミニまどか」

手乗りまどか「まど!」プルプル

手乗りさやか「さやさやー!!」プルプル、ブンブン!!

手乗りまどか「まどまどー!!」プルプル、ブンブン!!

さやか「あはは、お互いに手を振ってる。可愛いなー」

ほむら「苗木の件、頼んだわよ、美樹さやか」

  トテトテ ――――

さやか「帰っちゃったか。いやぁ、いい収入になったなあ。次は、誰に売りつけよっかな?」

さやか「……ん?」

  トテトテ ――――

手乗り上条「……きょぅ…」プルプル

さやか「……私たちも、今日は店じまいにして帰ろっか、ミニ恭介?」

手乗りさやか「…さやぁ♪ さやさや♪♪」プルプル!!

手乗り上条「きょう!! きょうきょうきょう!!!」プルガルルゥ…

さやか「なんでかなぁ……、この2人、仲良しになんないんだよなぁ…」

≪ほむらの家≫

手乗りまどか「まど! まど!」プルプル

ほむら「ふふふ、ヨダレが出てしまいそうだわ。何時間眺めていても、飽きがこない……」ハァハァ

手乗りまどか「まど、まどど!!」プルルル!!

ほむら「あ、危ないわ、そんなに机の端に行ったら、落ちちゃうわよ!!」

手乗りまどか「……まどぉ…」プルビクビク…

ほむら「怖かったわねえ…。でも、大丈夫、私がちゃんと見ていてあげるからね」ハァハァ

手乗りまどか「まど!!」プルッ!!

ほむら「……そういえば、聞き忘れていたけど、この子って餌はなにを与えればいいのかしら?」

手乗りまどか「まどぉ?」プル?

ほむら「ちくわの切れ端、あげてみましょう。……はい」

手乗りまどか「まど……?」プルクンクン…

ほむら「匂いを嗅いでるわね。どうかしら……」

手乗りまどか「まど!!」プルパクッ!!

手乗りまどか「まどぉー♪」プルモグモグ…

ほむら「至福そうな表情をしてるわね……、まだまだあるから、たくさん食べなさい」

手乗りまどか「まどまど!!」プルプル

ほむら「……そうだ、お風呂に入れてあげましょう」

手乗りまどか「まどぉ?」プル…?

ほむら「さあ、一緒に行きましょう」


≪ほむらの家・風呂場≫

手乗りまどか「まっど、まどぉー!!」プル!!プル!!

ほむら「あら、お風呂、すきなのね。もしかしたら、嫌がるかもって思ったけど」

手乗りまどか「まどまど!! ………まどぉ?」プルゥ?

ほむら「これ? ふふふ、これはアヒルさんよ。……こうして、ネジを巻くと…」

アヒル「クァ!! クァ!! クァ!!」バタバタ

手乗りまどか「まどど!!」プルルル!!

ほむら「鳴き声をあげて、足をバタバタさせるの」

手乗りまどか「まど! まど!!」プルプル

ほむら「あら、アヒルさんと仲良しになりたいのかしら?」

手乗りまどか「まどまど!!」プルプル

アヒル「クァ!! クァ!! クァ!!!」バタバタ

ほむら「なら、あなたを持ち上げて……」

手乗りまどか「まど?」プルゥ…?

ほむら「アヒルさんの上に乗せてあげる。どう、乗り心地は?」

手乗りまどか「まっど、まどー♪」プルプル!! プルプル!!

アヒル「クァ!! クァ!! クァ!!」バタバタ

ほむら「喜んでる……。でも、あんまりはしゃぐと……」

  グラッ ――――

手乗りまどか「まど?」プルゥ…?

アヒル「クァ?」バタバタ

  バシャン!! ――――

手乗りまどか「まどどどど!!!」プルルルルルル!!!

アヒル「クァ!! クァ!! クァァアア!!!」バタバタバタバタ

ほむら「い、いけない!! 溺れてしまうわ!! ……まったく、そんなにはしゃぐからよ」

手乗りまどか「まどぉ……」プルグスッ…

ほむら「ほらほら、泣かないの……。頭を洗ってあげるから、そこに座りなさい」

手乗りまどか「まどまど!!」

≪翌日・市内公園≫

手乗りまどか「まどまど!!」プルプル

手乗りさやか「さやさや!!!」プルプル


ほむら「それで、例のモノはできたのかしら?」

さやか「ああ、出来てるよ。……はい、苗木」サッ

ほむら「……これが、私の…」

さやか「さっそく、埋めて水あげてみれば?」

ほむら「ええ。……埋めて、……水をあげて、……3分待つ」

  ドロン!! ――――

手乗りほむら「………ほむほむ!!」プルプル

さやか「お、産まれた産まれた」

ほむら「……これが、ミニ私…」

手乗りほむら「……ほむ?」プルプル

トイレ休憩

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

手乗りまどか「まどまど!!」プルプル

手乗りほむら「……ほ、ほむ!! ほむほむほむ!!!」プルガルルル

手乗りまどか「まど!まど!」プルゥ…

手乗りさやか「さや!!」プルゥ…


ほむら「小さい私、他の2体に敵意むき出しのようだけれど……」

さやか「心配ないって、もう少し様子見てなよ」


手乗りほむら「ほむ!! ほむむ!!」プルガルル…

手乗りまどか「まど……、まっどまど!」プルプル!!

手乗りさやか「さやー、さやさやー!!」プルプル!!

手乗りほむら「ほむぅ…、ほむ! ほむほむ!! ほむー♪」プルプル


さやか「ね、仲良しになったでしょ」

ほむら「………よかった…」ホッ

ほむら「でも、私が仲良くしてほしかったのは、ミニまどかだけよ」

さやか「いいじゃん、みんなで仲良くすれば……」

  トテトテ ――――

杏子「よう! 珍しい組み合わせじゃん? なにしてんの?」

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

杏子「うわっ!! なんだ、このちっちゃくてプルプルしてんのは?!」

さやか「ああ、それ? ミニさやか」

杏子「ミ、ミニさやかだぁ??」

ほむら「美樹さやかが自分の能力を使って、産み出したのよ」

杏子「お前、またアホな能力の使い方してんなぁ……」

手乗りさやか「さやさや!! さやさや!!」プルプル

杏子「…………………」ジィー

手乗りさやか「さやさや!! さやさや!!」プルプル

杏子「…………食えんの?」パクッ

  ゴンッ!! ――――

杏子「い、痛てぇ…………」プスプス…

杏子「なにすんだ、さやか!! なにも殴ることないじゃねえか!! コブが出来たぞ!!」プスプス…

さやか「なにすんだはこっちの台詞だ!! 食べるな!!」

ほむら「あなたは、野良犬かなにかなの?」

手乗りさやか「…………さ、さやぁ…」プルプルビクビク…

さやか「ほら、こんなに怯えてるじゃないか!!」

ほむら「よしよし、怖かったわね。ワンコのお姉ちゃんから、守ってあげるから」

杏子「ワンコじゃねえ、あんこ……でもねえ、杏子だ」

杏子「……。しっかし、それにしてもだ…」

手乗りほむら「ほむほむ!!」プルプル

手乗りまどか「まどまど!!」プルプル

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

杏子「………3匹も作ったのかよ…」

さやか「あんたも、作ってあげようか?」

杏子「食っちゃダメなんだろ? なら、いらねえよ、こんなもん」

さやか「まあまあ、そんなこと言わずにさ」

杏子「いらねえもんは、いらねえ」

さやか「じゃあ、今晩だけ、このミニさやかちゃんを預けるからさ、面倒見てあげてよ」

杏子「いらねえって言ってんのに、なんでだよ!」


さやか「喧々諤々!!」 杏子「喧々諤々!!」


ほむら「さて、ミニほむらも引き取ったことだし、私は帰るわ」

さやか「はいよ、まいどありー!」

ほむら「さあ、行きましょう、2匹とも」

手乗りまどか「まどまど!!」プルプル

手乗りほむら「ほむほむ!!」プルプル

ほむら「途中でおもちゃ屋さんに寄りましょう。あなたたちの家を購入しないとね」


杏子「ああ、うっせぇな!! そんなに言うなら、一晩だけ預かってやるよ!!」

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

面白いことになってるwwww

≪その日の晩 杏子の寝床≫

杏子「ったく、さやかの野郎、こんなもん押し付けやがって……」

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

杏子「はぁ……、怒ってても仕方ない、飯でも食おう…」

杏子「………っと、カップ麺でいいか。……お湯入れて、蓋して、3分、……いただきます」ズルズル

  トテトテ ――――

手乗りさやか「さやさや!! さやさや!!」プルプル

杏子「なんだぁ? お前も食いてえのかよ?」ズルズル

手乗りさやか「さや! さやさや!!」プルプル

杏子「嫌だね、お前にやる餌はねえ」ズルズル

手乗りさやか「さやぁ……」プルゥ…

杏子「……………」ズルズル

手乗りさやか「さやぁ……」プルゥ…

杏子「…………。……だあ! そんな目で見つめんな!!」

杏子「わかった、わかったよ、……少し分けてやるから、目を潤ませんな!!」

手乗りさやか「さっやさやー♪」プルプル

杏子「まったく、私の食い分が……」

手乗りさやか「さや!!」プルッ!!

杏子「礼なんかいいから、とっとと食えよ…」

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

杏子「やれやれ」


≪ほむらの家≫

手乗りまどか「まどまど!!」プルプル

手乗りほむら「ほむほむ!!」プルプル


ほむら「ふふふ、2匹に増えて、口から溢れるヨダレの量が2倍に増えそうだわ……」ハアハア

ほむら「仲良くしてるようで、なにより。私とまどかのミニなんだもの、当然よね」ハアハア

ほむら「可愛過ぎるわ。何時間でも、眺めていられる……」ハアハア

ほむら「………………」ウトウト

ほむら「………………zzz」スースー


……
………
…………

ほむら「………はっ!!」パチッ

ほむら「……いけない、あの2匹を眺めているうちに居眠りをしてしまった」ウトウト

ほむら「ミニたちを、お風呂に入れてあげなきゃ……」

ほむら「…………あれ、見当たらない…」キョロキョロ

ほむら「どこかしら? 出ておいで、お風呂に行くわ!!」

ほむら「……変ね。 …………あら、なにかしら、部屋の隅が騒がしい…」


「まど、まっどまどまどーッッ!!!」

「ほむ、ほむほむほむほむ!!!」


ほむら「!!! ちょ、ちょっと、あなたたち!! なにしてるの!!!」

≪翌日 市内公園≫

さやか「おお、おかえり、ミニさやか」

手乗りさやか「さっやさや!!」プルプル

さやか「……それで、一晩過ごした感想はどうだった?」

杏子「あ、ああ、うん、まあ………」

杏子「あ、あのさぁ、そいつ、譲ってくんねえか?」

さやか「え?」

杏子「……ほ、ほら、一夜世話をしてやったら、情が湧いちまったっていうか…」

杏子「そ、それと、一匹だけってのも、やっぱ寂しいよな? だから、私のミニも作ってくんない?」

さやか「そっか。じゃあ、一万六千円」

杏子「は?」

さやか「ミニが1匹につき三千円、新種をつくるのに一万円、計で一万六千円」

杏子「金取んのかよ!」

さやか「いらないなら、別にいいけど」

杏子「………もうちょっと安くなんねえか? さすがに、そんな大金は…」

さやか「えー、仕方ないなぁ、一万四千円」

杏子「い、一万円」

さやか「一万二千円、……これ以上は安く出来ないよ」

杏子「………し、仕方ねえな、ほらよっ!!」チッ

さやか「毎度ありー。苗木が出来るまで一日かかるから、今日のところはミニさやかだけで我慢してね」

手乗りさやか「さっやさやー!!」プルプル

杏子「はぁ……、一万二千円だってよ。お前、ミニなくせに高いなぁ……」

手乗りさやか「さやぁ…さやさや!!」プルプル

杏子「ははは、おいおい、スリスリすんなって!」

  タッタッタッタ ――――

ほむら「美樹さやか!!」ゼハッ…ゼハッ…

さやか「ん、どうした、そんなに息切らせて走ってきて」

ほむら「…ミニほむらと、ミニまどかが……」ゼハッ…ゼハッ…

杏子「あの2匹がどうしたんだよ?」

手乗りほむら「ほむっ!! ほむほむほむほむぅっ!!!」プルプル、カクカクッ!!カクカクッ!!

手乗りまどか「まどぉ…、まどまど!! まどまどまどぉ!!!」プルプル、パンパンッ!!パンパンッ!!


ほむら「昨日の夜から、ミニほむらが興奮しっぱなしで……」

さやか「………これは、交配?」

杏子「コウハイ? ……ああ、セックスのことか。難しい言葉使うなよ」

さやか「女の子が、恥じらいもなくそんな言葉使うなよ…」


  トテトテ ――――

まどか「あれ、こんなところで何してるの? さやかちゃんに、ほむらちゃんに、杏子ちゃん?」

マミ「こんにちわ。みんなお揃いで、なにしてるのかしら?」


手乗りほむら「ほむっ!! ほむほむぅぅぅっっ!!」プルプル、カクカクッ!!カクカクッ!!

手乗りまどか「まどまど!! まど、まどぉぉ!!!」プルプル、パンパンッ!!パンパンッ!!


まどか「…………………」

まどか「……マミさん、マスケット銃、貸して?」

マミ「…え?」

まどか「ハリー!!」ギロッ

マミ「は、はい…」サッ

まどか「さて…」

ほむら「!!! やめなさい、まどか!! ミニたちはか弱いのよ、撃つなら私を撃ちなさい!!」バッ

まどか「元よりそのつもりだッ!!」BANG!!

ほむら「うわらばっ!!」バタッ

まどか「蜂の巣にしてやんよ…」BANG!!BANG!!BANG!!

ほむら「アウチっ! アウターっ!! アウテストっ!!!」ビクン!!ビクン!!ビクン!!

マミ「ちょ、ちょっと、鹿目さん……、暁美さんが死んじゃう……」オロオロ

まどか「それで、この小さい私と変態(=ほむらちゃん)は何なのかな?」

杏子「ああ、それな、さやかが売ってるやつだ。一匹三千円で」

まどか「てめぇも共犯か…」BANG!!

さやか「あべしっ!!」バタッ

ほむら「……………」プスプス…

さやか「……………」プスプス…

まどか「ひいふうみい……、さやかちゃんの財布に入ってるのは四万円か……」

まどか「はい、これ、杏子ちゃんが払った一万二千円」サッ

杏子「お、おう…、どうも」

さやか「ま、待った、まどか!! ミニの販売で得た利益は四万一千円で、残り九千円は私の元々の手持ち…」ガバッ

ほむら「その四万一千円のうち、一万六千円は私が払った…」ガバッ

まどか「……あァん?」ギロッ

さやか&ほむら「なんでもありません」

マミ(鹿目さん…、恐い……)

まどか「それにしても………」ケロッ…

手乗りまどか「まどまど!!」プルプル

手乗りさやか「さやさや!!」プルプル

手乗りほむら「ほむほむ!!」プルプル

まどか「小さくて、ぷるぷるしてて、すごく可愛いね、この子たち!」

まどか「すっごくプルプルだよぉ」プニプニ

手乗りまどか「まどぉ!」プルプル

マミ「あら、本当ね。ねえ、私にもぷにぷにさせてくれない?」プニプニ

手乗りほむら「ほむぅ!!」プルプル

手乗りさやか「さやぁ!!」プルプル

まどか「ねえ、さやかちゃん…」

さやか「は、はい、なんでしょう?」

まどか「私にも、この小さい子たち作ってよ」

マミ「私も欲しいわ。お願いしてもいいかしら?」

さやか「さ……」

まどか「……………」ギロッ

さやか「む、無料でご奉仕させていただきます…」

まどか「ここに二万八千円もあるから、ミニちゃんたちの立派な家を買いましょうね、マミさんに杏子ちゃん」

マミ「え、ええ…」

さやか(わ、私のお金がぁ……)トホホ

≪その日の晩 ほむらの家≫

手乗りまどか「まど、まどぉ……」プルプルタプン…

ほむら(…………お腹が膨らんでる…)


≪翌朝 市内公園≫

手乗り杏子「あんあん!! あんあん!!」プルプル

杏子「こらぁ!! あんあんなんて鳴くんじゃねえ!! そこは、きょうきょう!!、だろうが!!」

まどか「あはは、杏子ちゃんの小さいのも可愛いね」


手乗りマミ「まみまみ!! まみまみ!!」プルンプルン

マミ(…………あれぇ? 私のだけ、なんか肥えてないかしら?)

手乗りマミ「まみまみ!!」プルンプルン


まどか「………で、ほむらちゃん、その子はなんなのかな?」

ほむら「これは……」

手乗りまどほむ「まどほむ!! まどほむ!!」プルプル

ほむら「小さい私と小さいあなたの、愛の結晶よ」ドヤァ

まどか「………………」ガシッ

ほむら「?? どうしたのかしら、まどか、私の腰に手なんか回して」

まどか「サンダァ、ファイヤァ、……パワーボムッッ!!」ドンッ!!

ほむら「ふんだばっ!!」グシャッ!!

まどか「……私の分身で、なに勝手なことしてるのかな、ほむらちゃんは?」

杏子「おおっ!! なんだ、今のカッコいい技!! プロレス技か?」

まどか「うん。今度、杏子ちゃんにも教えてあげるね」

マミ(鹿目さん、あなた、どこでそんな技を……)

ほむら「……………」プスプス…


手乗りまどほむ「まどほむ!! まどほむ!!」プルプル

まどか「はぁ…、ミニとはいえ、私とほむらちゃんの子供かあ……」

手乗りまどほむ「まどほむ!! まどほむ!!」プルプル

まどか「うん、でも、君に罪は無いよね。あはは、君も可愛いよぉ…」

手乗りまどほむ「まどほむぅ…」プルプル

≪数日後 巴マミの家≫

まどか「これが、小さい私と、小さいマミさんの間の子供で…」

手乗りまどマミ「まどまみ!! まどまみ!!」プルプル

さやか「これが、小さい私と、小さい恭介の間の子供で…」

手乗りさや介「さやきょう!! さやきょう!!」プルプル

杏子「これが、小さい私と、小さいさやかの間の子供で…」

手乗りあんさや「あんさや!! あんさや!!」プルプル

マミ「これが、私と佐倉さんの間ので…」

手乗りあんマミ「あんまみ!! あんまみ!!」プルンプルン

ほむら「最後に、私とまどかの間の子供」

手乗りまどほむ「まどほむ!! まどほむ!!」プルプル


マミ「うふふ、随分とたくさん増えたわね」

杏子「なんか、すっごい賑やかになったな」

まどか「どの子も可愛くて可愛くて、たまらないよぉ」

手乗り仁美「ひとひと!! ひとひと!!」プルプル

手乗り上条「きょうきょう!! きょうきょう!!」プルプル

手乗り仁介「ひときょう!! ひときょう!!」プルプル


さやか「……で、なんでミニ仁美とミニ恭介の間にも子供が産まれてるのかな?」ピキピキッ

仁美「あら、あなたと上条君の間に子供が産まれてることのほうがおかしいんじゃないかしら?」ピキピキッ

マミ「……2人とも、人の家でキャットファイトはしないでね。するなら、お外で」

上条「うわー、ミニさや介もミニ仁介も、どっちも可愛いなあ……」ホワーン…

杏子(……この男…)


まどか「でもね、親たちはともかく、子供たちは元気があり過ぎて困ってるの」

ほむら「そうね…。なにか、上手にありあまるエネルギーを消費させる方法はないかしら」

マミ「うーん。………なら、こんなのはどう?」

まどか「………ん?」

≪市内公園≫

QB「やあ、まどか! 僕と契約して魔法s……痛っ! いたたたっ!!」

手乗りまどマミ「まどまみーっ!!」プルプル、ポカポカ

手乗りあんさや「あんさやっ!!」プルプル、ポカポカ

手乗りあんマミ「あんまみーっ!!」プルンプルン、ポカポカ

手乗りまどほむ「まどほむっ!!」プルプル、ポカポカ

QB「魔法s…いた、いたたた、魔h、いた、痛いって、魔法少j、………ポカポカ殴るな、コラぁっ!!」クワッ!!


さやか「ナイスなアイデアですね、マミさん!!」

まどか「うん、こんなところに、いい運動相手がいたなんてね」

QB「ちょ、ちょっと、……この僕を殴りつけてくるチビ助たちはなんなんだい?」

ほむら「私たちのペットよ。ちょっとこの子たちの、運動相手になってほしいの」

QB「痛っ、痛いっ!! 運動相手って……、やってられないよ! 僕は逃げるからね!!」タッタッタッ!!

仁美「あ、逃走しましたわ!!」

杏子「追えッ!! チビ助たち!! 白い珍獣を退治しろっ!!!」

「やめろーっ!! 僕を追い回すんじゃない!!」タッタッタッタッ!!

「まどまみーっ!!」プルプル、タッタッタッ!!

「あんまみーっ!!」プルンプルン、タッタッタッ!!

「さやきょうっ!!」プルプル、タッタッタッ!!

「さやひとーっ!!」プルプル、タッタッタッ!!


マミ「うふふ、楽しそうね、子供たち」

杏子「ああ、子供は外で走り回って遊ぶのが一番だからな」

  トテトテ ――――

ほむら「……あら、どうしたの、君たち?」

少年A「ねえ、あの小さいのって、お姉ちゃんたちの?」

少女A「どこに売ってるの?」

少女B「教えてよ。ときどき公園で見かけて、私たちも欲しいなって思ってたの…」

まどか「……だって、さやかちゃん。どうする?」

さやか「うーん、……ま、いっか。わかった、無料で作ってあげるから、また明日、この公園に来なよ」

≪数週間後 市内街中≫

「」プルプル

「」プルプル

「」プルプル

「」プルプル


ほむら「なんだか、随分と街でミニたちを見かけるようになったわね」

さやか「ああ、あれから結構、いろんな子供たちに作ってあげたからな」

マミ「それに、ミニちゃんたちって繁殖能力が高いものね」

杏子「一日か二日で、ガキを作っちまうからなあ……」

まどか「でも、世の中が可愛いモノで溢れかえるのは、きっと良いことだよ!」

  タッタッタッタッ ――――

仁美「や、やっと見つけました!! 大変です!!」

さやか「どうした、そんな大慌てで走ってきて? なにが大変なんだ?」

まどか「なにかあったの、仁美ちゃん?」

仁美「保健所が、…ミニちゃんたちを、街にいる全てのミニちゃんたちを、殺処分することに決めたみたいなんです!!」

杏子「な、なんだって!! どういうことだよ、そりゃあ!!」

ほむら「詳しく聞かせてちょうだい」

仁美「はい、……実は…」


マミ「まとめると、逃げ出したり、捨てられたりしたミニちゃんたちが逃げ出して野良化してたり…」

杏子「あるいは、飼育されていても、医療方法がまだないことから伝染病などの問題があり…」

ほむら「または、飼育方法も確立してないことから、飼い主が危害を加えられることもあって…」

さやか「子供たちの中には、ミニを教室まで持ち込んじまって、授業にならない学校もある、っと」

まどか「だから、全部回収されて、殺されちゃうっていうの……」

仁美「はい、市内にいる全てを、だそうです……」

まどか「そんな…、酷いよ……」

ほむら「その、回収があるのはいつなの?」

仁美「三日後だと聞きました」

杏子「………、時間がねえな。さやか、鹿目、ミニをあげたガキたちは覚えてるか? 今から、そいつらの家に行くぞ」

マミ「じゃあ、私と暁美さんと志筑さんは、野良化したミニたちの捕獲を。上条君も呼んできて!」

≪三日後の夜 港≫

  ブロロロロロ……

ほむら「船、用意して来たわ」

マミ「ナイスよ、暁美さん」

杏子(……こいつ、また盗んできやがったな…)


さやか「ミニたちは、全員集まったな……」

仁美「はい、いくつかのペットケースに分けて、もう集めてあります」

「」プルプル、プルプル、プルプル

まどか「…………ねえ、本当にやるの?」

マミ「ええ、見滝原市に置いておいたら、全員殺処分されちゃうもの」

杏子「ここからちょっと離れた沖合に、自然の残ってる無人島がある。ミニたちはそこに離す」

まどか「でも……、この子たち、そんな場所で生きていけるのかな?」

QB「……まあ、ムリだろうね」

さやか「キュゥべえ、いつからそこに…」

QB「ミニたちはずっと人間に育てられてきたんだ。野に放たれて生きていくのは、厳しいと思うよ」

まどか「そんな……」

ほむら「けれど、ここに残しておいても、確実な死があるだけよ」

まどか「でも……」

ほむら「まどか、ここはミニたちの生命力にかけましょう」

マミ「大丈夫よ、この子たちは、私たちの分身なんですもの」

杏子「そうそう、私たちの分身が、そんな簡単にくたばるわけねえって!」

さやか「さあ、まどか、最後のお別れをしようよ…」

まどか「…………うん」


手乗りまどか「まどまど!!」プルプル

まどか「……元気でね、ミニまどか」

手乗りほむら「ほむ、ほむぅ?」プルプル

ほむら「……さようなら。………この先、あなたにどんな困難があったとしても、必ず生き延びてね」


杏子「さあ、私と暁美ほむら、巴マミで船を出す。後の奴は、戻ってくるまでこの港で待っててくれ」

≪数日後 港≫

ほむら「………………」

QB「また、海の向こうの、あの島に思いを馳せているのかい?」

ほむら「……どうしているかしらね?」

QB「前にも言っただろう? 人に飼われていた動物(?)が野生でやっていくのは難しいって」

QB「もう何割かは、島内にいた動物の餌になったり、あるいは餌を得られずに死んでしまっているだろう」

ほむら「…………そうね、私も、そう思うわ」

QB「だけどね、僕は逆に、そこまで悲観しなくてもいいんじゃないかとも思うんだ」

ほむら「………??」

QB「動物には適応能力というのがある。どんな環境でもやっていけるよう、その場に馴染む能力がね」

QB「それに、あのチビたちに散々追い回された僕が保証する。彼らは、そんなにやわじゃないよ」

QB「………さあ、もういいだろう? 君たち魔法少女の使命は魔女を倒すこと。そろそろ再開しておくれよ」

ほむら「……そうね。ミニたちもきっと上手くやっている。私たちも負けてはいられないわ」

ほむら「………じゃあ、元気でね、小さい私たち」

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おしまい

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