P「春香は絶対いいお嫁さんになると思うわけよ」春香「!?」(86)

世にその名を轟かせるスーパー超天使アイドル天海春香!!
彼女は今、自身のプロデューサーと共に765プロダクション事務所内会議室にて戦略会議を行っていた!!!



春香「ぷ、ぷぷプロデューサーさん!?そ、それって///」

P「前から思ってたんだよ。春香は面倒見がいいし空気も読めるし料理もできるし」

P「もっとこう、家庭的な…良妻賢母的なイメージで攻めて行くのもありって思うんだよな」

春香「あ、そ、そういうお話でしたか…あはは///」

P「春香はちょっとドジだけど前向きで明るくて笑顔が素敵な誰からも愛されるスーパーアイドル!って売り込みなわけだが」

春香「うぁ、改めて言われるとちょっと恥ずかしいですね」

P「なんだと!?俺の春香はどこへ出しても全く恥ずかしくない最高のアイドルだぞ!!」

春香「あわわ、プロデューサーさん落ち着いてください~」

P「こほん。まあつまりこれからは、『結婚したいアイドルNo.1』的な路線でもアピールしていくのも有りなんじゃないか、ってわけだ」

春香「け、結婚ですか…照れますね…えへへ///」

P「うむ。例えばな…」



P「仕事から疲れて帰ってくる俺…ドアを開けるとそこにはエプロン姿の春香がいるわけよ…」








嫁春香さん『お帰りなさいプロデューサーさん!今日もお疲れ様♪』

嫁春香さん『晩御飯できてますよ。今日のは結構自信あるんですよ~』

嫁春香さん『世界で一番頑張ってるあなたのために、一生懸命つくっちゃいました…えへへっ///』



P「ははは、春香、家でまで『プロデューサーさん』はないだろうははは」

P「まあこんな感じだな」

春香「プロデューサーさん…」

P「なにドン引きしてんだよ。これが世の男共の願望だぞ。アイドルなら笑って流せ」

春香「な、流していいんですかっ」

P「とにかく、これからは嫁春香路線でもガンガン押して行くつもりだ。いいか?」

春香「あ、はいっ。それはもちろん。その、言われて悪い気は全然しないので…えへへ」

P「可愛い」

ガチャッ


やよい「あれ、春香さんとプロデューサー、お話し中でしたか」

春香「あ、やよい~」

P「会議室の掃除か。えらいな」

やよい「えっへへ~」

春香「ああ、プロデューサーさん。やよいはどうですか?」

やよい「え?」

P「ほう…」

P「…そうだな。やよいも家事全般は得意だし弟妹の面倒も見ているし」

やよい「??なんのお話ですか?」

やよい「はわっ、お嫁さんですか~。なんだか照れちゃいますっ!」

P「まあやよいはどっちかというと『お姉ちゃんにしたいアイドルNo.1』なんだけどな。俺の中では」

春香「やよいがお姉ちゃんですか」

P「ああ。忙しい両親に代わって幼い兄弟の面倒を見る健気で優しいお姉ちゃん…妹になりたいと思わないか、春香」

春香「…」

春香「なりたい…!!」

やよい「え、えっへへ~///」

スロスじゃないよ書き溜めてあるから投げないよ







やよい「あ、でもでも。私は春香さんがお母さんだったらなーって思いますっ」

春香「私が?」

やよい「はいっ!一緒にお料理したり、あとお菓子の作り方を教えてもらえたら楽しそうかなーって」

春香「私がやよいのお母さんかー…」

P「ほう…」




P「つまり…こういうことか」






やよい『ただいま帰りましたーっ!!』

母春香さん『あ、やーよいっ。お帰りー』

やよい『ただいまお母さんっ!!…あれ、なんだかいい匂いがしますっ』

母春香さん『ふふ。今日はね、おやつにケーキを焼いてるんだ~』

やよい『けっ、けけけケーキですかぁ!?』

やよい『き、今日は誰かの誕生日なんでしょーか!?それともお祭りですかっ!?かいこくきねんびですかぁー!?』

母春香さん『ち、違うよ、落ち着いてやよい…別になんの日でもないけど、今日はケーキが作りたい気分だったから』

やよい『そ、そうだったんですかー…春香さんはぶるじょわです…』

やよい『あ、お母さん!私も手伝います!』

母春香さん『ほんと?ありがと~』

やよい『はいっ!うっうー!春香お母さんのお手伝い、がんばっちゃいますよー!!』


キャッキャッウッウー






春香「ふふ、なんだかいつもと変わらないね」

やよい「ですね~」

P「いや、ただでさえ可愛い春香に『母』という属性が加わることにより最強に見える…やよいもしかり」

P「しかしこれでは、やよいのお姉ちゃん属性が発揮されていないな…」

ガチャッ

小鳥「プロデューサーさん」

春香「あ、小鳥さん」

P「む…音無さん。なにか?」

小鳥「話は聞かせてもらいました。…あれを」

美希「くかー…すぴー…」.zZ

P「…なるほど、こうですね」


母春香さん『綺麗にできたね。ありがとうやよい~』

やよい『うっうー!すごいですお母さん!こんなおいしそうなケーキ初めてみたかも!!』

母春香さん『じゃあ食べよっか。あの子を呼んできて』

やよい『はーいっ!』


ガチャッ

やよい『美希ー!こら美希ー!起きなさーい』

美希『うぅ~ん…もうちょっと寝かせてなの…お姉ちゃん』

やよい『もう3時だよ。お休みだからってダラダラしてちゃいけませんっ』メッ

美希『あふぅ…お姉ちゃんのイジワル…ミキはまだ寝足りないの…』

やよい『も~。せっかくお母さんがケーキ焼いてくれたのに』

美希『…ケーキ?』ピクッ

やよい『お母さんとお姉ちゃんで作ったんだけど、美希はいらないのかな~』

美希『起きるっ!起きたの!!美希もケーキ食べたいの!!』

やよい『えへへっ、じゃあ行こっ』

美希『はいなの!』

母春香さん『あ、美希起きたの?お休みだからってあんまりダラダラしてちゃだめだよ』

美希『む~、ママとお姉ちゃんおんなじこと言うの…』

母春香さん『さあさ、お皿出して』

やよ美希『は~い』

美希『ん~、おいしいの!ママはお菓子作りの天才なの!!』

やよい『お母さん、今度ちゃんと私にも作り方教えてくださいっ』

母春香さん『うん、いいよ~。次はチーズケーキにしようか』

美希『わーいなの!ママ大好きなのっ』

母春香さん『えへへっ、どういたしまして♪』

やよい『あ、そうだ。ケーキ お 父 さ ん にも取っておいてあげなきゃ』

母春香さん『あ、そうだね。やよい、お皿によけといてあげて』

やよい『はーいっ』




春香「あはは、やよいが美希のお姉ちゃんかぁ。なんかいいね」

やよい「うっうー、すっごく楽しそうかも」



P「…お父さん…だと?」

小鳥「ピヨ…」

P「そうか…春香が母親なら父親も…」

春香「プロデューサーさん?」

小鳥「春香ちゃんやよいちゃん、これはとっても重要な問題よ…!!」

やよい「はわっ、小鳥さんがなんだか怖いですっ」ウッウー!!

P「やよいの言う『お父さん』とは誰なのか…」

小鳥「それすなわち、春香ちゃんの旦那さんは誰か、ということ!!」

春香「うぇえっ、だ、旦那さんですかっ////」

春香「そそ、それって…///」チラッチラッ


P「千早に決まってんだろjk!!!!」

小鳥「ですよねーっ!!!」


春香「あ、あれ~?」

春香「ち、千早ちゃんですか?でも千早ちゃんは女の子で…」

P「違うんだよ春香。そういうんじゃないんだよ春香」

小鳥「そうよ春香ちゃん。男とか女とか、そういうんじゃないのよ春香ちゃん」

春香「は、はぁ」

P「千早はきっとな、嫁春香や娘やよいのためなら一生懸命働くぞ」

春香「千早ちゃんはお仕事はいつも真剣だと思いますけど…」

P「そう。自分にも他人にも厳しいクール&ストイックな千早は、職場では近寄り難い存在なんだな…」

春香「え?あ、もう始まってるんですね…」

小鳥「そんな千早ちゃんも、春香ちゃんややよいちゃん、美希ちゃんの前ではデレデレになっちゃうのよ…」

春香「あー、やよいはなんとなくわかるかも」

やよい「えー?千早さんはいつもすっごく優しいですよ?」

P「やよいにはな。まあ最近はすっかり角が取れていい感じだが」

P「まあそんな千早お父さんが、仕事から家に帰ってくるわけよ…」







父千早『ただいま』

母春香さん『あ、ちーはっやちゃんっ。お帰りなさい♪』

父千早『ええ、ただいま春香』

母春香さん『今日は早かったんだね。…えへへ、うれしいな…///』

父千早『っ///え、ええ…その…春香の…顔、早く、見た、かったし…///』
母春香さん『千早ちゃん…///』

父千早『…///』

母春香さん『え、えっと、ご飯!ご飯できてるよ』

父千早『そ、そう』

母春香さん『それともお風呂にする?外寒かったでしょ』

父千早『そうね…ご飯にするわ。お腹が空いてしまって』

母春香さん『そっか。…ふふ』

父千早『どうしたの?』

母春香さん『うん…昔は千早ちゃん、全然ちゃんとご飯食べなかったから…なんだか嬉しくて』

父千早『春香…』

父千早『…当然よ。春香のご飯を毎日食べられるなんて、こんな幸せ他には無いわ』

母春香さん『千早ちゃん…』

父千早『春香には本当に感謝してる…いつも助けられてばかりで…』

父千早『ありがとう、春香』

母春香さん『千早ちゃん…』

父千早『春香…』

母春香さん『…』

父千早『…』


やよい『あ!お父さん!!おっかえりなさーい!!!!』





父千早『やよいいいいいい!!!!』

母春香さん『!!!』

父千早『き、きき今日もいい子にしてたかかしら、たk…やよい!!!』ドキドキ

母春香さん『千早ちゃん落ち着いて…』

やよい『はいっ!えーっとですねー、今日はお母さんといっしょにケーキを焼いたんです!!』

父千早『そ、そうなの!!!』ドキドキ

やよい『お父さんの分もありますよー!!甘さ控えめだから、お父さんでもおいしく食べられるかなーって。えっへへ~』

父千早『高槻さん本当に可愛い!!!!!!!』

母春香さん『千早ちゃん、このやよいは如月さんだよ』

美希『あ、パパお帰りなさいなのー!』

父千早『あら美希、ただいま。今日はまだ起きてたのね』

美希『うん!パパの声がしたから飛び起きてきたの!』

父千早『寝てたんじゃない…ふふ、でも嬉しいわ、ありがとう』

母春香さん『こ、この差はいったい…』



P「とまあ…こうなるわけだ」

小鳥「ピ、ピヨー!!!」

春香「プロデューサーさん…」

やよい「小鳥さん…」



千早「お二人とも」

P・小鳥「」

千早「…なんですか、いまのは」

P・小鳥「…」



千早「なるほど、春香の新しい活動方針、ですか」

P「ああ。トップアイドルの春香とは言え、その地位に甘んじていては先は無いからな」

P「今のうちから春香の魅力をどんどん前に出して行き、その地位を盤石にする」

P「そのための第一段階がこの嫁春香さん計画。これは間違いなくいける」

P「何より俺は、ぶっちゃけ春香と結婚したい(キリッ。これがこの戦略の全てを象徴しているな」

春香「っ!!ぷ、ぷろ…//////」

千早「そんなことは聞いていませんっ」イラッ

P「…」

千早「だから、どうしてそれに私や高槻さんが関係あるんですか」

やよい「わ、私は楽しかったんですけど…」

千早「…」

千早「どうしてそれに私が関係あるんですかっ」

小鳥(言い直した…)

春香(言い直した…)

P「いやまあ…行きすぎたのは悪かったよ。ちょっとテンション上がってしまった」

千早「まったくです。私が、その、春香の…お、夫役だなんて…///」

千早「よりによって男役…くっ!」

春香(そこかぁ…)

小鳥「千早ちゃん、男とか女とか、そういうんじゃないのよ!」

千早「音無さんは黙っていてください」

小鳥「ピヨ…」

千早「はぁ…もういいです。次からは謹んでくださいね」

P「うん」

小鳥「ピヨ」

千早「まったく…」

春香「千早ちゃん…なんかごめんね、私のせいで」

千早「えっ…そ、そんな、春香は全然悪くないわ…」

春香「いやぁ、まぁ私もちょっとおもしろがって聞いてたし…たはは」

千早「もう…ふふっ」

春香「でも…私はそんなにいやじゃなかったかなぁ」

千早「え?」

春香「だって…やよいや美希や…千早ちゃんが本当に私の家族だったら、きっと楽しいに決まってるもん」

千早「春香…」

春香「あ、ごめん…デリケートな話題だよね…」

千早「…いいえ」

千早「そうね…私にとっても、765プロのみんなは大切な家族だから…」

千早「みんなが…春香が私の本当の家族だったら…きっと幸せよ」

千早「今でさえ、私はこんなにも幸せなのだから」

春香「千早ちゃん…」

千早「春香…」

春香「…」

千早「…」





P「…おいなんだこれは」

小鳥「我々の出る幕ではなかった、ということですね…」

P「とりあえず録音はしておきました」

小鳥「グッジョブですプロデューサーさん!」



P「お疲れ様でしたー」


P「はぁ…あの後千早の機嫌とるの大変だったなぁ」

P「いや、ありゃ照れ隠しか。たいして怒っちゃいないと見た」

P「…」

P「はるちはは最強だよな…」



春香「プロデューサーさーん」

P「お?春香、今帰りか」

春香「はいっ」

P「おし、駅まで送っていこう」

春香「えへへっ、ありがとうございます」

P「可愛い」

春香「っ///もう、可愛い可愛いって…」

P「あれ、嫌だった?ごめん」

春香「い、いやじゃないですよぉ…はぁ」

春香「…」

春香「…プロデューサーさん」

P「ん?」

春香「その…さっきの話なんですけど」

P「嫁春香さんの話?」

春香「はい」

春香「その…ぷ、プロデューサーさんも…私のこと、結婚したいアイドルNo.1って…思ってくれてたりしますか?///」

P「当たり前だろ」

春香「あぅ//////」

P「ていうかさっきも言ったけどな。千早に怒られたけど」

春香「あはは…やっぱり、冗談なんですね」

P「はぁ?あほか。大まじめだよ」

春香「えええっ////」

P「自分で本気で思ってなきゃこんな企画出さねーよ」

春香「プロデューサーさん…」

P「プロデューサーとして、春香は世界一可愛いアイドルだって思ってるし、ファンとして、結婚したいアイドルNo.1だと思ってるよ」

春香「プロデューサーとして、ファンとして、ですか…」

P「そう、プロデューサーとして、ファンとして、だ。」

春香「…」

P「だからこれからも、俺達ファンのために、輝いて欲しい」

春香「…」

P「…」

春香「…そっか」

春香「ファンのために…輝く、か…」

P「…春香」

春香「えへへっ、なんでもありませんっ」

春香「よーっし、そうと決まれば、まずは何からがんばったらいいですかね、プロデューサーさん!」

P「…」

P「…そうだな。料理上手なとこ、もっとアピールしていきたいな」

P「生っすかに料理コーナーの企画、出してみるか」

春香「はいっ」

春香「私、もっともっとがんばります」

春香「結婚したいアイドルNo.1にだってなってみせます」

春香「それで、『毎朝俺のみそ汁を作ってくれー!!』って言わせてみせます」

P「…ファンのみんなにか?」

春香「…」

春香「はい、ファンの人に、です」

P「…そうか」

春香「はいっ!!」




こうして、スーパー超天使アイドル天海春香の嫁春香さんへの道は始まった!!
その道のりはきっと険しい!!だが、春香ならきっと辿り着ける!!!

がんばれ春香!!負けるな春香!!!

みそ汁を作ってくれ、春香!!!



おわり

読んでくれた人ありがとう
たまには春香さんは腹黒くないってことを全力で主張するスレがあってもいいよね

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