P「超高速!輝きの向こう側へ」 (49)


アリーナライブ後
765プロダクション

P「お前達、本当に良いライブを俺に見せてくれた……これで安心して、俺もハリウッドに行ける」

響「たまには手紙も出してよね!」

やよい「わ、私達も頑張りますからぁ!」

伊織「まだ泣くには早いわよ、やよい」

P「そうだぞ、とりあえず、準備とかでもう暫くは居るんだから」

高木「大変だっ!」

P「ん?どうしました社長。そんなに慌てて」

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高木「これを……!」

P「……これは、フジヤマテレビからの封書?」




高木「な、765プロダクションは、5日の内に再度アリーナライブをしろと要請があったんだ!!!!」




P「……」

伊織「……」

高木「……」

P「……は?」



律子「しかしどういう事でしょう。つい先日アリーナライブをやったばかりなのに……」

P「どういうことだ……普通じゃ考えられないし、何でフジヤマテレビがそんなことを言ってくるんだ?」

高木「すまない……私がふがいないばかりに」


数時間前
フジヤマテレビ

松平「いやぁ、765プロは素晴らしいライブを見せてくれたようだなぁ」

高木「あっはっはっ。これも彼女達の努力の賜物ですよ。松平専務」

松平「流石は765プロ。ところで、だ……アリーナライブ、またやってみる気はないかね?」

高木「アリーナ、をですか……それはまあ、将来的に」

松平「よし!流石は高木社長だ良く言った!では5日後までに全ての準備を整えてアリーナライブだ!期待しているよ高木社長。あ、もしライブが実施できなかったらアリーナのレンタル料やスタッフの賃金も全部君達に請求するからそのつもりでな。あと、うちの局での出演も金輪際無しにする。当然曲目も衣装も違う物を楽しみに待っているからな」

高木「ちょっ、ちょっと待ってください!うちはつい先日アリーナライブを終えたばかりで、とても」

松平「んー、出来ないのかね?」

高木「無理です、そんな」

松平「では君の所はうちの局で出演できなくなるが」

高木「あまりに無茶苦茶です!」

松平「ほぅ、ではサヨナラだ」

高木「ま、待ってください、せめて1年、いえ、半年」

松平「さがれ、もう良い」

高木「……わ、わかりました……5日後までにすべての準備を整え、アリーナライブを成功させて見せます」


高木「すまない!私の不甲斐なさを許してくれ!」

律子「とはいえ、5日後までにアリーナライブなんて無茶です。今回のライブだって準備期間に4ヶ月、事務レベルだと1年近くかかってるし」

P「おまけに衣装も楽曲も別にしろとは言うが、予算が……」

高木「すまん……」

伊織「馬鹿げてるわ!幾らフジヤマがデカいテレビ局だらかってこれは横暴よ!……新堂、私よ。今すぐフジヤマの株を買い進めなさい。こうなったら実力行使よ。あの面の皮の厚い専務を、台場の海に沈めてやるわ」

P「待て伊織。そんな事をしたら」

伊織「だからってこれはあまりに無茶苦茶よ!こうなったら潰してでも止めさせるわ」

高木「うう……私が、私があの場で意地でも断っていれば……」

律子「社長……」

春香「……」

律子「……?」

春香「……諦め、られるのかな」

P「……え?」

春香「ライブ、諦められるのかな」

律子「いや、春香」

春香「どうしたいか、だけでいいんだよ?」

P「いや、だからな、春香」

真「……うんっ!」

響「……そうだね、諦めたくないぞ!」


春香「5日の内にアリーナライブの準備をします!全員準備を!」

律子「無茶な!予算も時間も足りなさすぎるわ!?」

春香「ねえ、律子さん……律子さんは、私よりもずっと頭が良い。金は無くても知恵はあります。そうでしょう?」

高木「律子君……!」

伊織「そうよ、律子。このまま座ってアイツらに弄ばれるなんてまっぴらよ!」

律子「そう言われても」

P「頼む、律子!」

伊織「金が無くたって、時間が無くたって、何とかして見せる。それが、秋月律子でしょう…?」

律子「結局私かーーーーーーーーーーーい!!!!!!」




お台場
フジヤマテレビ

松平「あっはっはっはっ、765の高木の情けない顔と言ったら、これまた傑作でなぁ」

「所で、765を潰してどうするのです?」

松平「んー、聞きたいかね?」

「はい」

松平「あそこは最近、派手に動いているからな、図に乗っている。テレビ局がお前達を発掘してやらなかったらこうも出来ていないのだという事を、忘れているのではないかと思ってな」

「はぁ」

松平「765にまたアリーナライブをやる様な余力など残っていないだろう、これで終わりだ、あっはっはっはっ!……それに、あそこのアイドルは、物が良いからな」

「はぁ」

松平「ふっふっふっ」


765プロダクション

P「……駄目だ!どう考えても5日でアリーナライブなんて無理だ!」

律子「叫んでないで何か考えてください」

P「で、何かいい作戦は思いついたか…?」

律子「まあ、どう考えても5日で新曲とダンスと衣装を揃えるのは不可能です。そこで」


律子「衣装はこれを使います」

P「これは……確か俺が入社する前の」

律子「派手さは無いですけれどこの際です、止むを得ないでしょう。それにフジヤマの専務もこの衣装までは把握していないはずです」

P「それは良いが、曲はどうする?」

律子「そこが今回の山場です……M@STERPICEは使えませんし」

P「……ところで貴音、何してるんだ?」

貴音「面妖な気配が致します……はっ、そこっ!」ヒュンッ

ブスッ
ギャー―――――――――――――――――――――――!

P「な、なんだ」

貴音「不用心ですよ、プロデューサー、律子。既にこの辺りはフジヤマの間諜が潜んでいるようです」

律子「そこまでするの……」

貴音「とにかく、私がこうしているうちは、まだ安心ですが……お二人とも、ゆめゆめ油断なされぬよう」




亜美「それにしてもまたアリーナライブってどうするんだろうねぇ」

真美「あーっ!ねえねえ亜美亜美、この衣装とか超イケイケじゃなーい?」

亜美「うんうんっ!それならファンのにーちゃんとねーちゃん達のテンションもアゲアゲ―って感じだね!」

律子「くぉらーっ!遊んでる場合じゃないのよ!その衣装は使わないからしまいなさい!誰がパッ○マンなんか被って踊れなんて言ったの!」

亜美「だってぇ」

真美「ねぇ」

律子「あー、雪歩。その高いヒールも良いわ。慣れないダンスで転んだら拙いでしょ。真!それは今回使わないからしまっておいて!春香!その衣装は後でシャッフルするからおいといて!」

千早「くっ、こんな不完全な状態でライブに挑むなんて」

春香「あのー、律子さん、衣装がこれなのはわかるんですけど……」

律子「何、春香」

春香「幾らなんでもこれじゃあ……」

響「確かに、みんなバラバラだもんなー」

律子「衣装が歌うわけじゃないし。今はこれが精一杯よ」

P「ま、まあ。お前達の気持ちさえあれば、だな」

伊織「調子のいいこといっちゃって」



律子「さあ時間が無いわよー!準備急いで!」


お台場
フジヤマテレビ

松平「なに?!765が準備を?」

「はっ、既にレッスンスタジオなどを予約し始めているそうです」

松平「…どんな手を使ってもいい、妨害しろ」

「はっ?しかし」

松平「やれと言ってるんだ!」

「はぁ」


たるき亭前

P「おーい、皆乗ったか―」

響「乗ったぞー」

春香「ダンサー組の皆も、連絡が付いたって」

真「そっか……さっそく練習に入らないとね」

律子「ま、待ってください!」

P「どうした?」

律子「タイヤがパンクしてます!」

P「あ……ホントだ。気づかなかったなぁ」

貴音「おそらく、フジヤマの妨害でしょう」

P「そうなのか?」

貴音「彼奴らは、私達にライブを成功させたくないのです」

P「……何故?」

貴音「さあ、そこまで……しかし、このまま妨害に手をこまねいている訳には参りません」

春香「そうだね……プロデューサー、とりあえずタクシーで」

P「あ、ああ、そうだな」


志保「5日でアリーナライブなんて……意味がよくわからない」

可奈「で、でも、また天海先輩たちと一緒のステージに立てるなんて感激です!」

星梨花「あれ?スタジオのドア、何か貼ってあります」

奈緒「えー、と……本日臨時休業?ほんならプロデューサー、日程間違ってたんと違うか?」

美奈子「で、でも、今から真さん達も向かうってメールが」

杏奈「……あ、先生居るよ?」

「どうしたの、あなた達。こんな所で」

百合子「あ、あの。こんな張り紙が」

「……あらやだ、誰の悪戯かしら?」


P「あー……予算が無いのにタクシー移動なんて……」

春香「あ、あれ見てください」

美希「あれ?志保達なの」



P「どうしたんだ?君達、こんな所で」

志保「あ、プロデューサー、それが――」



P「そうか……ここでも」

貴音「油断なりませんね……」

春香「とにかく、早く練習に入りましょう!」

美奈子「で、でも、今から新しい曲なんて」

「それについては、私にいいアイデアが」


P「そうか……ここでも」

貴音「油断なりませんね……」

春香「とにかく、早く練習に入りましょう!」

美奈子「で、でも、今から新しい曲なんて」

「それについては、私にいいアイデアが」

春香「先生!」

「……皆、アリーナライブの時に踊った曲と、その前のミニライブの曲のダンス、覚えてるわよね?」

可奈「あ、まあ…」

「そこで、その辺りのダンスを色々混ぜて」

「あ、歌の方は皆のデビュー曲とかCD化されてない曲を使うわね」

美希「あはっ、何だか面白くなってきたの」

伊織「……夢なら醒めて欲しいわよ」

春香「とにかく、今から練習すればまだ間に合うよ!皆、行くよ!」


春香「765プロー、ファイト―――――――――!」

『ファイト―――――――!』


P(それから、765プロの命運を掛けたレッスンと準備が急ピッチで進められた)


響「うがーっ!何だこれ!こんなダンス聞いてないぞ!」

貴音「へあうぃーごぉですね」

伊織「ちょっとそれ私のデビュー曲?!」


志保「……いつでもそばにっ……ちゅっ」

可奈「志保ちゃん?」

志保「な、何でも無いわ!」


亜美「うっわー、なっつかしねぇーこれ」

真美「うんうん。ポジティブ!楽しいよね、コレ」

美奈子「そんなに前の曲なのに、ダンスも歌詞も良く覚えてますね」

真美「それは、やっぱり」

亜美「亜美と真美の、初めての曲だからね!」



P(血のにじむような特訓が続けられた)

あずさ「わんつーすりーふぉーふぁいぶしっくすせぶんえいとー」

杏奈「ど、どうでしたか?」

百合子「出来てましたか、私達」

あずさ「ええ~、完璧よ~。2人とも本当にうまくなったわねぇ」


765プロ
事務所

高木「律子君!とりあえず物販の発注は間にあった!前のライブの在庫もかき集めて貰ってるよ!」

小鳥「はい、こちら765プロです、はい、実はアリーナライブを」


P「はい、はい、そう言う訳で、ええ、そうです。はい、本当ですか!?ではよろしくおねがいします!」

律子「社長!今度はチケットの手配です!」

高木「心得た、任せておきたまえ!」

律子「さー!ここで諦める訳にはいきませんからね!」




志保「もう時間が無いんです!取り敢えず昼ご飯はカロリーメイトで」

伊織「スト―――――――――っプ!志 保、こういう時だからこそ昼ごはんはしっかりとしたものを食べなきゃダメよ。春香、アンタもリーダーなんだから、ちゃんと食べなさい」

春香「……うん」

可奈「あ、あの、もしよかったら、沢山どうぞ!」

春香「じゃあ、一つもらうね」

伊織「私ももらうわ」




春香(私達は、走り続けた)



春香(でも……)


765プロダクション
事務所

小鳥「はい、765プロ、音無小鳥でございm……はい、今……社長、フジヤマテレビの松平専務からです」

高木「私にかい?……はい、お電話変わりました高木で……え、アリーナライブですか?ええそりゃあもう準備も順調に……えっいや流石にそれはそのいや無理だといやそんなだからといって!……切れた」

小鳥「……どうしたんですか?」

高木「無理だぁぁぁぁぁぁ!」


春香「え、えええええ?!ここでバックダンサーの増員ですか?!」

高木「さらに3人……」

律子「無理です!これ以上ダンサーを動員する予算はありません!」

高木「しかし出さなければ……」

P「ここまで来たのに……!」

春香(そんな……)



春香(はぁ……ここまで来て、バックダンサー増やせだなんて……どうしたらいいんだろう……)


???「だからさー」

???「そんな訳無いでしょ」

???「いやホントだって!」ドンッ

春香「きゃっ!」

???「うおっ!」


春香「ジュピターの……」

冬馬「またおまえか。またボーっと……そういえば、うわさに聞いたんだが、お前達、またアリーナやるんだって?」

翔太「幾らなんでも冗談だよねぇ?」

春香「いえ、それが……本当なんです」

北斗「それは……」

冬馬「ホントかよ……」

春香「おまけに前のライブよりもバックダンサー増やしたりしなきゃいけないんですけどアテは無いし時間はないしどこかに……どこかに……あっ」


冬馬「……あ?」

春香「ライブ、諦めたくないんです……」

冬馬「お、おう」

春香「皆で一緒のステージに立ちたいんです……!」

冬馬「う、うん、いいんじゃないでしょうか」

春香「アイドル、諦めたくないんです……!」

冬馬「天海さん近い近い」

春香「という訳で」

冬馬「……え?」



冬馬「いやだーっ!何で俺がこんなフリルのついた衣装を着なきゃいけねーんだよ!」

律子「でかしたわ春香!ジュピターならダンスも問題ないわ。ボーカルは兎も角ね」

冬馬「俺はそんな趣味は無いぞーっ!」

P「すまんっ!これも何かの縁だと思って」

翔太「何かスースーするね」

北斗「まあ、これも良い経験だと思って」

冬馬「何でお前達まで馴染んでんだよーっ!」

春香「あの……ありがとうございます!」

冬馬「引き受けてねーーーーーーーーーーーーーっ!」


春香「……いよいよ、明日だね」

千早「ええ……」

春香「所で千早ちゃん、それは?」

千早「……母を、招待しようと思って」

春香「千早ちゃん……!」

千早「速達だから何とか間にあうかしら」

春香「……多分」


横浜スーパーアリーナ


P「……ホントに間に合わせた」

律子「ええ……間に合いました」

高木「……やってみる物だねぇ」

真「それじゃあプロデューサー、行ってきます!」

響「自分達の姿、見ててよね!」

P「ああ……(忘れないからな、こんな滅茶苦茶な日程でも間に合わせたお前達の、このステージを)」


春香「皆……今度も、アリーナライブだけど」

亜美「まさかこんな事になるとはねぇ」

美希「すっごく大変だったけど、間に合ってよかったの」

千早「またこうして皆で、こんな短い期間で立つことになるなんてね」

やよい「でも、何だかすっごくワクワクしてきました!」

真美「ま、これも真美達のじつりきですなぁ」

響「ふふーんっ、自分達ならこれくらいなんくるないさー!」

貴音「しかも、またファンの皆様は大勢来て頂けましたから」

雪歩「びっくりしちゃいました、感動ですぅっ!」

真「当然、皆に満足してもらえるステージを見せなきゃね」

伊織「にひひっ、問題なしよ、成功間違いなしだわ」

あずさ「うふふっ、ダンサーの皆も良く頑張ったわね」

『はいっ!』



冬馬「何で俺がこんな恰好を……」

北斗「ほら、冬馬、タイミング合せて」

翔太「うわー、僕これ言ってみたかったんだー」

冬馬「だから何でお前はそんなにノリノリなんだよ」

北斗「ほら、冬馬」

冬馬「うっせえ!お前も微妙に声を高くするな気持ち悪いだろうが!!!!」


春香「それじゃあ、行くよ……!」




春香「765プロ、ファイト――――――――――――――っ!」





『目指せ!トップアイドル!!!』






松平「おかしい……おかしい!」

P「あ、あなたはフジヤマテレビの専務」

高木「見ましたか、これが765プロの……いえ、彼女達の力です。小さな事務所とは言え、あなたの策謀に好き勝手される謂われはありませんな」

松平「これは認めん、私は認めんぞ!貴様ら如きが、こんな、私の、この」

??「待ってください」

高木「き、君は!」



松平「武田……1プロデューサー風情が何の用だ!」

武田「あなたが企んでいた765プロを始めとする中小プロダクションの敵対的買収や妨害行為、僕が見抜いて居ないとでも思いましたか?」

松平「な、なんだと」

武田「僕が手に入れたこの、資料。公開されればあなただけでは無い、フジヤマテレビ自体の存続すら危うくなるかもしれない物ではないですか?」

松平「何の事か分からん」

武田「恍けるのもいい加減にしたらどうです……今後一切、こういった事は止めることだ」

松平「知らぬな……知らぬな!私は諦めんぞ!貴様ら如きに、芸能界の何がわかる…!」

P「……行ってしまった」

高木「武田君……」

武田「私が偶然、ライブ会場に個の資料を持ってきていただけの事です。礼を言ってもらう必要はありませんよ……それでは」


『HereWeGo!!HereWeGo!!君とー』

千早「ふふっ、北沢さんと伊織のHereWeGo!!が聞けるなんてね」

春香「すっごく楽しそう」

千早「ねえ、春香……」

春香「え?」

千早「本当に、間に合うと思ってたの?」

春香「……実は、最後までよくわからなかったんだ」

千早「……」

春香「でも、今まで、皆と一緒にアイドルをやってきて、その皆なら、きっとやれるんじゃないかって思って……本当なら、もっといいアイデアや方法があったと思うんだ、でも、やっぱり私は」



松平「天海……春香……」



春香「え?」


千早「あなたは……確かフジヤマの……」

松平「あ、アリーナライブだぞ!五日以内だぞ!何でお前達はそんな事が出来たんだ!何故お前はそんな事を決断したんだ!」

春香「765プロなら、いつまでも、どこまでも、皆で一緒にやり遂げられると思ったからですそれに……」

松平「それに……?







春香「私は、天海春香だから」












アイドルマスター~超高速!輝きの向こう側へ~


fin

超高速!参勤交代、面白かったです。もし興味がある方は是非!

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