春香「かまってください!」P「かまわん」春香「どっち!?」 (47)

春香さんSSです。

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 ………………………… ◇ …………………………

春香(最近はお仕事がキツキツのみっちみちで、事務所に行く暇がなかったので……)

春香(今日はずいぶん久しぶりの事務所です!)

春香『おっはようございま――』

雪歩『どうぞ、プロデューサー』コト

P『お、ありがとう』

雪歩『どういたしまして、えへへ』

P『……ふぅ……』

雪歩『おつかれさまですぅ』

P『いやあ、それほどでも』

雪歩『お仕事、終わりそうですか?』

P『出る時間までには終わるよ。それこそ、おしゃべりしながらでも大丈夫』

雪歩『おしゃべり?』

P『気晴らしにちょっと付き合ってくれよ。雪歩と喋ってると、のんびりできるんだ』

雪歩『あ、あの、だったら、私、この間掘った穴の中で……』

P『うん』

春香『……』

 ………………………… ◇ …………………………


春香「……」テクテク


 ………………………… ◇ …………………………

千早『この部分の歌詞の、気持ちの込め方なのですが』

P『あー、ここね……』

千早『……プロデューサー、お疲れですか?』

P『え?』

千早『今、目元を抑えていらしたので』

P『ああ、平気平気』

千早『……』

P『画面ずっと見てたから、そのせいでちょっとだけ』

千早『では、少し休憩なさってください。私、アイマスクを持っていますから、使ってください』

P『いやでも、その歌詞の』

千早『そんなことはあとででいいです』

P『悪いな』

春香『……』

 ………………………… ◇ …………………………


春香「……」テクテク


 ………………………… ◇ …………………………

やよい『……』モミ

P『……』

やよい『……』モミ

P『……やよい』

やよい『……』モミ

P『やよい、もういいよ』

やよい『……』モミ

P『もういいって。手疲れただろ』

やよい『……まだ凝ってますよ』モミ

P『そうかもしれないけど』

やよい『プロデューサーは、いつも私たちのために頑張ってくれてるじゃないですか。だから、お返し、させてください』モミ

P『……ありがとうな』

春香『……』

 ………………………… ◇ …………………………


春香「はあ……」テクテク


春香「ただいま戻りましたー……」ガチャッ

春香「……」

 シーン…

春香「……」

春香(誰もいない? でも、鍵開いてるし……)


 カタン

春香「!」

春香(給湯室からだ。小鳥さんいるのかな)

 ガチャッ

春香「天海春香、戻りまし……」

P「おう」

春香「あ」


P「おかえり」

春香「あ、はい……ただいま戻りました」

P「……」

春香「何の用意してるんですか?」

P「紅茶」

春香「紅茶? どうしたんですか、それ」

P「雪歩が、たまには違う味のもので気分を変えたらどうかって、茶葉くれた」

春香「そうですか……」

P「いる?」

春香「いえ……あ、いや、欲しいです」

P「わかった」


P「……」

春香「……」

P「……」

春香「……」

P「……」

春香「……」

P「……沸かないな」

春香「……」


春香「……」

P「春香」

春香「はい」

P「今日はアレないのか」

春香「アレ?」

P「ないのか」

春香「まあ、はい……」

P「そういや今日の春香はちょっとテンション低いな」

春香「ええと……」

P「なんだ、楽しみにしてたのに。まあいいけど」

春香「えっ?」

P「どうした」

春香「楽しみ?」

P「ああ」


春香「今、休憩中ですか?」

P「そうだよ」

春香「せっかくの休憩時間なのに、いいんですか」

P「そりゃあ」

春香「え、でも、最近、プロデューサーさん疲れてるみたいだし……」

P「まあなあ、少しは」

春香「だったら……」

P「だけど、疲れてるからこそ楽しみにしてたんだよ」

春香「そ、そうですか」

P「当たり前だ。こういうときこそ春香で遊ばなきゃ」

春香「私『で』?」


P「さては気を遣ってたな」

春香「そんなこと、ないですけど……」

P「けど?」

春香「……考えてみたら、今までプロデューサーさんがゆっくりできる時間を邪魔してたのかも……って、思って」

P「邪魔ね」

春香「……」

P「わかってないな」

春香「わかってないですか?」

P「ああ」

春香「……」

P「……」

春香「……いいですか?」

P「いいよ」

春香「じゃ、じゃあ、言います! かまってください!」

P「かまわん」

春香「どっち!?」


P「どっちだろう」

春香「はっきりしてくれないと困ります」

P「ご想像にお任せします」

春香「そんなぁ、思わせぶりなこと言わないでくださいよ!」

P「ふん、ふん、ふふん」

春香「それ、リズム違いますよ」

P「そう?」

春香「えへん、本当は、ふーん、ふ」

P「沸いたかなー」

春香「……ふーん、ふん、ふ」

P「あっまだ沸いてなかった。うっかりだ」

春香「聞いてください!」

P「うわっ」


春香「もう、そうやってプロデューサーさんは、いつもいつも意地悪するんですから!」

P「してないよ」

春香「してます。みんなにはあんなに優しいのに……私のことは、かまってくれないし」

P「かまってるだろ」

春香「かまってくださいって言わないと、かまってくれないじゃないですか」

P「……どういうこと?」

春香「今日だって、雪歩にはプロデューサーさんの方から誘ってましたよね。私、見てました」

P「ああ。拗ねてるのか」

春香「拗ねてないです! ふーんだ」

P「矛盾だろそれ」

春香「私、言われたことないのにな。気晴らしにちょっと付き合ってくれよ、なーんて」

P「気晴らしにちょっと付き合ってくれよ」

春香「……」

P「……」

春香「……そういうことじゃないんですー!」

P「ええ……意味わからん」


春香「とにかく、プロデューサーさんはもっと私に優しくしてください」

P「何言ってんだ。冗談はリボンだけにしろ」

春香「どういうことですか!?」

P「これ以上俺が優しくなったら大変だよ。仏様超えるぞ」

春香「あー、罰が当たりますよ、そんなこと言っちゃうと。私知りませんよー」

P「パス」

春香「いらないです」

P「罰パス」

春香「罰ってそういうものでしたっけ……」


春香「プロデューサーさん」

P「しない」

春香「まだ何も言ってないじゃないですか!」

P「言われなくても大体わかるよ」

春香「え、それって……以心伝心、ってことですか?」

P「違う、春香がわかりやすいだけ」

春香「ええー……」

P「だって、俺の考えてることは春香にはわからないだろ」

春香「隣の人がめんどくさいなあ」

P「あれ。よくわかったな」

春香「めんどくさいから早くレッスン行ってくれないかな。ああめんどくさい、めんどくさい」

P「……」

春香「……悲しくなってきました」

P「なら言うなよ。俺はそんなこと思ってないよ」

春香「わかってます。本当は、隣の子がかわいいなあ、ですよね!」

P「調子乗ってんな」

春香「てへっ」

P「……」


P「春香はさ」

春香「はい」

P「やよいや響に並ぶ、元気印のアイドルだけど」

春香「はいっ! いつも明るく楽しく元気よく! 過ごすことが大事ですよ!」

P「その割にはへらへら笑うよな」

春香「へらへら!?」

P「やよいはにこにこ笑うイメージだろ」

春香「そうですね」

P「響はけらけら笑う感じ」

春香「まあ、たしかに……」

P「春香はへらへら」

春香「ちょっと待ってください!」


春香「も、もっとこう、別の言い方ないですか?」

P「んー……へろんへろんとか?」

春香「より悪いです!」

P「そうか」

春香「そもそもへろんへろんって、どんな笑い方なんですか……」

P「こんな感じ」ヘロンヘロン

春香「私そんな変な顔しません!」

P「変な顔だと」

春香「ぜーったい、違います!」

P「そこまで言うなら……」

春香「見せますよ! 見てください!」


春香「春香さんスマーイル♪」ニコッ

P「……」



春香「どうですか?」ニコニコ

P「……」

春香「プロデューサーさん?」

P「……なんというか……あれだな」

春香「はい」

P「春香の笑顔を至近距離で見ちゃだめだな。くらっとくる」

春香「え、えぇ……なん、……ふ、不意打ちで褒めないでくださいよぅ……」

P「ほらその顔」

春香「へっ?」

P「あ、黙って写メ撮った方がよかったかな。今度はそうしよう」

春香「えっ?」


P「まあ、へらへらの話はいいとして」

春香「え、私あんまりよくない……」

P「春香はいつも笑ってるから、真面目な顔とかしないよな」

春香「しますよ」

P「そうかなあ」

春香「だってライブの直前とか」

P「知らない」

春香「知らない!?」

P「見てない」

春香「見てない!?」

P「うん」

春香「ステージ裏まで一緒に来て、励ましてくれるのにですか?」

P「記憶にないなぁ」

春香「じゃあいいです! 今からこれも見せますよ、私の真面目な顔!」

P「ほう」

春香「はいどうぞ!」キリッ


P「……」ジーッ

春香「……」ジーッ

P「……」

春香「……」

P「……」

春香「……」

P「……」

春香「……」



春香「…………んふっ」

P「はいアウト」

春香「待って!」


P「何を」

春香「今のはその、笑顔の練習ですから」

P「笑ってるじゃない」

春香「笑ってません」

P「というか春香、結構最初のうちから口もと緩んでたぞ」

春香「もう一回! もう一回チャンスください! 今度は笑わないです!」

P「えー」カチャカチャ

春香「コーヒーメーカーいじらないでこっち向いてください!」

P「まあいいけど」

春香「いきます!」キリッ

P「ふぅ~↑じこちゃ~ん紅茶飲む?」

春香「っふっ! うふっ、くっ、えほっ」

P「はいツーアウト」

春香「ルパン三世はズルいですよぉー!」


春香「笑わせないでください!」

P「わかったよ」

春香「はぁ……もう、大変……」

P「認めればいいじゃないか。真面目な顔はできませんと」

春香「できますからね! 私、やればできる子ですから!」キリッ

P「……」ジーッ

春香「……」ジーッ

P「……」

春香「……んふふっ、ああダメだ、さっきの思い出しちゃう」

P「スリーアウト」

春香「あぁー……」

P「できる子じゃなかったな」

春香「うぅ、違うんですよ、プロデューサーさんの顔見てるとなんか笑っちゃって……」

P「そして俺のせいかよ」


P「よしよし、沸いた」

春香「……」

P「……」コポコポ

春香「……」

P「はい、春香。お待たせ」

春香「……あの、これ、無色透明です」

P「ただのお湯だからな」

春香「ただのお湯は頼んでません!」

P「そうだっけ?」

春香「そうです」

P「まあでも、春香だし」

春香「なんですか」

P「……」

春香「何が言いたいんですかプロデューサーさん?」

P「ここにティーバッグあるから、ほら」

春香「今そこで茶葉やってるじゃないですか!? 私もそっちがいいです!」


P「これはカップを温めるために淹れただけで、冗談半分だから気にするな」

春香「半分は本気なんですね」

P「春香なら……これくらいぐいっといってくれるんじゃないかって」

春香「いかないです……」

P「でも……買い被りすぎだったみたいだな……」

春香「はい」

P「……そうだな……」

春香「……」

P「……」

春香「……まさか私がっかりされてますか!?」

P「……」コポコポ


P「はい、本物の紅茶」

春香「わあ、ありがとうございます」

P「お礼なら雪歩にもな。美味いか」

春香「まだ飲んでないです」

P「熱いから気を」

春香「あちっ!」

P「つけろよ……」

春香「……」

P「……」

春香「……プロデューサーさぁん……」

P「アホ春香」

春香「ひどい!」


春香「あの、プロデューサーさん」

P「ん?」

春香「紅茶を飲んでいると、何かお菓子が食べたくなりませんか?」

P「いや別に」

春香「……」

P「……」

春香「……」

P「ちょっとなった」

春香「……」

P「すごくなった」

春香「えへへ、そうですよね。それで私」

P「めんどくさ」

春香「そういうこと言わないでください! それでですね、私」

P「うん」

春香「クッキー焼いてきましたー! しかも偶然、紅茶味なんです!」

P「ゴーヤ味?」

春香「紅茶!」


春香「もう、今度は本当にゴーヤ味作ってきますよ」

P「貴音しか食べないと思うぞ」

春香「ですよね……」

P「さ、仕事に戻るかー」

春香「ちょっ待っWait!」

P「なんだ? 頑張っていきたいのか」

春香「Go My Wayじゃなくて! どうして、どうして今からクッキー出そうとしてるのにどっか行っちゃうんですか……」

P「……悪かったよ。紅茶味のクッキー、くれるのか?」

春香「はい! プロデューサーさん、手を出してください」

P「ん」


春香「じゃーん! ほんのりピンクのハート型ですよ!」

P「綺麗だな」

春香「えへへへ……どうぞ、召し上がれ♪」

P「いただきます」ポイッ

春香「わ、まるごと」

P「割るよかいいだろ」

春香「……どうですか?」

P「うーん……」

春香「面白くなくていいので、率直な感想くださいね」

P「じゃあ美味しいよ」

春香「じゃあ!?」

P「春香が作ったんだから美味しいに決まってるだろ。ふざけるな」

春香「なんでちょっと怒ってるんですか!?」


P「さてと、ごちそうさまでした」

春香「あ、いえ」

P「俺は仕事に戻るけど、春香はどうする? もうレッスン行くか?」

春香「んー……」

P「……」

春香「……せっかく事務所にいられるんですから、まだゆっくりしてたいです」

P「ならもう少しおしゃべりしようか」

春香「えっ?」

P「しばらく付き合ってくれよ。春香と話すのは楽しいし」

春香「えっ、えと、はい!」

P「立ち話続けるのもなんだから、向こう行ってさ」

春香「はい! たくさんおしゃべりしましょうね! じゃ、さっそく!」

P「おい待て、こんなとこでスキップするな。転ぶぞ」

春香「あっ、わっ、わわわっ!?」

 ドンガラガッシャーン

P「言わんこっちゃない……」


―――

――




―――机の下


真美「……行った?」

亜美「……行った」

真美「……」

亜美「……」

真美「すごかったね」

亜美「兄ちゃんのカップにこのバニラんっふっふーを入れるだけの作戦だったのに……」

真美「まさかはるるんが来るとは……」

亜美「……」

真美「……」

亜美「どうする? 飲む? これ」

真美「戻しとこうよ」

亜美「そーだね」




――

―――


春香「プロデューサーさーん」

P「なんだよ」

春香「今度はスコーン、焼いてきますね!」

P「期待してるよ」

春香「はい! 期待してください!」

P「まあ、その今度はいつになるかわかんないけど」

春香「そうですね……でも私、そのときを楽しみにしてますから」

P「そっか」

春香「次会ったときは、また」

P「うん」

春香「かまってくださいね!」

P「わかった」

春香「どっ……ええっ!?」


おわり

おしまいです。 春香「かまってください」P「やだ」春香「なんで」 の続きでした。
なので、ご存じでないと意味分かんないとこあるかもしれないです。先に申し上げとくべきでした。

お付き合い頂きありがとうございました。おやすみなさい。

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