まどか「ほむらちゃんペンタグラム」 (129)


注意事項

・映画のネタバレが一部含まれています
・でも正直言うと完全に内容を理解できてない
・他のまどかSSのネタが出てくることも
・当然の如く並行世界という扱い
・全てのSSは並行世界という扱い
・新作映画も並行世界という扱い
・ということでアニメが基本世界という扱い
・隣の世界から連れてきた
・我が心と行動に一点の曇りなし。全てが正義だ
・あと他のSSで言えそうなこと全部


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1382856535



まどか。

あなたが本当に、心の底で願ったのは……

全ての魔法少女を救うことじゃない。

あなたが愛する人達と、愛する世界で生きること。

たった一人で、概念として存在し続けることではない。

怖かったことでしょう……人々に忘れられていくことは……。

あなたのためなら……私は……

悪魔にだってなる。



ほむら「…………」

ほむら「世界は、私の力で……」

ほむら「いえ……まどかから奪った力で、また、変わった」

ほむら「…………」

ほむら「演出の都合上……」

ほむら「私は、丘から飛び降りた」

ほむら「そう。飛び降りたのよ」

ほむら「その、はずだったのよ……」


「あのね、ほむらちゃん。困るよ。そんな無茶苦茶なことしちゃ」

「ほむらちゃんが『わたし』を思ってのことだっていうのはわかるんだけど……」

「流石に、神様に手を出すのはいただけないと思うなって」

「そのせいで『わたし』……円環に導く機械になっちゃったよ」

「見てよ。写真持ってきたんだけどさ、こんなレイ○目のわたしなんて見たくなかったよ」

「ねぇ、聞いてる?」

ほむら「……あの」

「何?まだ言いたいことは山ほどあるんだけどな」

ほむら「何で……」

ほむら「あなたがここにいるの?まどか」


まどか「何でって言われても」

ほむら「それにここ、どこなの?」

まどか「円環の理」

ほむら「いや、それはおかしいわ」

ほむら「だって、私……」

まどか「あぁ、あんまり深く考えなくていいよ」

まどか「円環の理と言ってもね、ここは……」

まどか「『わたし』の円環世界だから。『あなた』のとは別」

ほむら「……ごめんなさい。よくわからないわ」


まどか「そうだね……『パラレルワールド』ってわかる?」

ほむら「……そうね。たくさん経験したわ」

まどか「わたしはその並行世界から来た鹿目まどかという概念」

ほむら「…………」

まどか「人呼んで『まど神様』だよ」

ほむら「いや、まぁそれはわかるけど……」

まどか「はるばる並行世界からあなたを連れてきたの」

まどか「いやぁ、大変なんだよ。並行世界に干渉するのって」

まどか「そう思うとほむらちゃんの時間遡行能力ってすごかったんだね」

ほむら「…………」


ほむら「えっと……その……つまり……」

ほむら「わたしは『二人』のまどかに心当たりがあるけど……」

ほむら「それとは別のまどか……なのね?」

まどか「うん。そうなるね」

ほむら「その……結局私は……あの……導かれた……ということに?」

ほむら「並行世界だか何だかよくわからないけど……」

まどか「うーん。導かれたっていうのはちょっと違うかな」

まどか「どっちかと言うと……拉致?」

ほむら「いやいやいやいやいやいや神様いやいやいやいやいや」

ほむら「まだ導かれたって表現の方がソフトだわ」

まどか「でも実際導いたのとは違うんだもん」


まどか「それにしたって、ここに来るまであなたの行動を見てきたけど……」

まどか「あまりに急にレズ臭くなったなーって」ポッ

ほむら「…………」

まどか「その辺りは……魔女になって感情が暴走したみたいに言及されてたけど……」

まどか「それにほむらちゃん……ひ……すごい格好だね」

ほむら「今ひどいって言いそうになったわよね」

まどか「なまらエロス。……嫌いじゃないよ?」モジモジ

ほむら「そういうあなただって……胸元あけて……」

まどか「ほむらちゃんのえっちー」

ほむら「…………」


ほむら(え、えぇぇぇー……)

ほむら(全っ然意味がわからないわ……)

ほむら(何?どういう状況なの?)

ほむら(並行世界に連れてこられて……)

ほむら(そこの『別の世界のまどか』に説教されて……)

ほむら(私は一体どうされてしまうというの?)

ほむら(私が作り変えた世界は、どうなるの?)

ほむら(私が作った『まどか』はどうなるの?)

ほむら(私が概念から奪った力はどうなるの?)

ほむら「……あっ」

まどか「?」


ほむら「もしかして、まどか。あなた……」ゴクリ

まどか「…………」

まどか「……心当たり、あるのかな?」

まどか「あなたが、今、別の並行世界の円環の理に連れてこられた理由……」

ほむら「……私を」

ほむら「私を……消しに来たのかしら?」

まどか「……くすっ」

ほむら「……!」ゾクッ

まどか「何でそう思ったの?」

ほむら「……わ、私は……あなたの力を奪い取った」


ほむら「あなたの力を奪い、私はまた世界を作り変えた」

ほむら「宇宙への叛逆……並行世界に、何か悪影響を……」

ほむら「だから……その要因である私を……」

ほむら「いえ……あなたのような優しい性格なら……」

ほむら「別の世界から来てまで……私を止めに……?」

まどか「…………」

ほむら「私の行動は……これまでの全てを否定するような行為だという、自覚もないこともない」

ほむら「宇宙の……円環の理のシステムを、まどかの優しさに付け込んで強奪した……」

ほむら「反世界因子として……消されても文句は言えない……わね。納得もできる」

まどか「…………」


ほむら「全てを受け入れる鹿目まどかと……一部を奪った暁美ほむら……」

ほむら「対立する時が……いや、対立した世界もあったのでしょうね。並行世界という言葉を使ったのなら……」

ほむら「……あなたは、その世界を見たんじゃないの?」

ほむら「だから……私が奪った力を、取り返しに――」

まどか「…………」モグモグ

ほむら「何か食べてらっしゃるゥゥ――!?」ガーン

まどか「え?あ、ごめんね。お腹空いちゃった」

まどか「ほむらちゃんも食べる?」

まどか「『こっち』の円環の理名物。まどか蒸しパン。略してまどパン。まぁわたしが作った訳じゃないんだけど」

ほむら「あの……」


まどか「あ、ほむらちゃんを拉致った理由ね」

ほむら「さらっと拉致って……」

まどか「わたしは別にあなたを否定するつもりはないよ」

まどか「むしろあなたに『お願い』があるんだ」

ほむら「……願い?」

ほむら「……あなたは、別の世界の鹿目まどか」

ほむら「私にできることなら……あなたの願いだからもちろんのこと、だけど……」

まどか「よかったー」

まどか「あ、まどパン食べる?」

ほむら「……遠慮しておくわ」

ほむら「それで、私にできることっていうのは……」

まどか「そんな身構えなくていいよ」

まどか「取りあえず会って欲しい人がいるの」

ほむら「……私に?」

まどか「うん」

ほむら「よりによって別の並行世界で……こんな私と会わせたい人って?」

まどか「すぐわかるよ」

ほむら「私、何だかものすごい最初の方から嫌な予感がしているの」

ほむら「別世界のあなたが会わせたい人に心当たりはないけど何となくわかってしまうのよ」

まどか「?」


まどか「あ、その前にほむらちゃん」

ほむら「何かしら?」

まどか「紛らわしいから呼称変えるね」

ほむら「ほらもうこの時点で……」

ほむら「それで?何て呼んでくれるのかしら?」

ほむら「悪魔ほむら……とでも?」

まどか「ダメダメそんなの。例えば、そうだね……」

まどか「卍漆黒の堕天使ルシフェル・A・ほむらちゃん卍」

ほむら「やめて」

まどか「略してシルほむ」

シルほむ「何か下品だからやめて。せめてルシを取って」


まどか「(・A・)エー」

シルほむ「可愛い顔してもダメよ。っていうか人にあげた名前を早速ネタにしないでね」

シルほむ「……何だか左側に違和感を覚えるわね。寝違えたかしら」

シルほむ「ね?まどか。お願いだから別の呼び方にして」

まどか「げろしゃぶ」

シルほむ「いくら私でも怒るわよ」

まどか「そうだなー」

シルほむ「この際あくほむでいいわ。自称悪魔にはお似合いよ」

まどか「えー」

まどか「ほむらちゃんが悪魔だなんて嫌だよ」

シルほむ「そう言ってくれるのは嬉しいけど……」


まどか「うーん、ピクシー……ピクほむ……いや、ほむサタン……」

まどか「と言っても、どう見てもサキュバス系……」

シルほむ「ねぇまどか。あなた自分が言った言葉を振り返ってみてくれる?」

まどか「デビルほむらちゃん」

まどか「その辺りが妥当かな」

まどか「ということであなたは便宜上『デビほむ』ね」

デビほむ「…………」

デビほむ「わかったわ。えぇ、わかったわ」

デビほむ「改変前はデビルマンにハマってた時期もあったわ。上等よ」ツーン

まどか「も~、拗ねないでよー」


まどか「うーん、ピクシー……ピクほむ……いや、ほむサタン……」

まどか「と言っても、どう見てもサキュバス系……」

シルほむ「ねぇまどか。あなた自分が言った言葉を振り返ってみてくれる?」

まどか「デビルほむらちゃん」

まどか「その辺りが妥当かな」

まどか「ということであなたは便宜上『デビほむ』ね」

デビほむ「…………」

デビほむ「わかったわ。えぇ、わかったわ」

デビほむ「改変前はデビルマンにハマってた時期もあったわ。上等よ」ツーン

まどか「も~、拗ねないでよー」


まどか「それじゃ、そこの扉から……」ピッ

ほむら「扉が急に現れた……」

ほむら「うっかりしかけていたわ……あなた、神様だものね」

ほむら「あなたの世界だものね。うっかりしてたわ」

まどか「ほむらちゃんの前では普通の鹿目まどかに戻っちゃうっていうことでここは一つ」

ほむら「私の知ってる普通のまどかじゃない」

まどか「それじゃ、行こっか」クルッ

ほむら「…………」

まどか「……手、繋ぐ?」


ほむら「……繋ぎたい」

まどか「どうぞ」スッ

ほむら「……でも、ダメよ」

ほむら「あなたは……私に手を差し出してはいけない」

まどか「ふふ……何言ってるの?ほむらちゃん」

まどか「あなたが『そんなこと』できるわけないじゃない」

まどか「……ね?」ニコッ

ほむら「…………」ゾクッ

ほむら「え、えぇ……そうね……気に、しすぎてたようね……」

ほむら「それじゃ、遠慮なく……」キュッ



ガチャ

まどか「じゃーん」


メガほむ「うっ、うっ……ぐすっ、ひくっ」

クーほむ「ブツブツ……ブツブツ……」

ほむら「…………」

リボほむ「……ハァ」


デビほむ「…………」

まどか「…………」


デビほむ(ひどくどんよりしてる私達がいるゥゥゥ――――!?)ガーン


デビほむ「ま、まどか……会わせたい人って……」

まどか「うん。別の並行世界のほむらちゃん」

まどか「あなたを合わせて五人のほむらちゃんを連れてきたの」

デビほむ「…………」

まどか「あなたの時間遡行の能力」

まどか「それは多次元に存在する並行世界の間を移動する能力」

まどか「元々世界にはいくつか並行世界が存在していたんだよ」

まどか「あなたの能力関係なしに……あなたと『わたし』がそもそも出会わなかった世界もあった」

まどか「魔法少女というものすら存在しない世界もある」

まどか「わたしは……いえ、他の世界の『まどか』……わたし達は、全ての並行世界の一部を見ることができる。そして、干渉した」


デビほむ「え、えっと……」キョロ

メガほむ「ぐす……うぐっ……」

デビほむ「まず聞くけど……何で泣いてるの?この私は」

メガほむ「うぅ……お母さん……!お父さん……!」

まどか「あ、このほむらちゃん……」

まどか「転入前に心臓の病気が悪化して急逝しちゃった世界のほむらちゃんね」

デビほむ「設定が重すぎる!」ガーン

まどか「ここどこって聞いてきたからあなたは死んじゃったんだよって言ったら泣いちゃった」

デビほむ「鬼!悪魔!」

まどか「悪魔はあなただよデビほむちゃん」


クーほむ「どうして……何で……」ブツブツ

デビほむ「で、こっちは……我ながら、この姿を一番よく見たものよ」

まどか「このほむらちゃんはまだループを解決できていないほむらちゃん」

まどか「時間遡行を最も多くしているタイプだから一番いるよ。量産型っていうの?」

デビほむ「あなた人を何だと思っているのよ」

デビほむ「それで、この私は何で落ち込んでいるの?」

まどか「色んな世界の『ほむらちゃん』を教えてたんだよ」

デビほむ「へぇ……」

まどか「例えば上条君からさやかちゃんを寝取った百合百合世界とか」

デビほむ「もっとまともなのを紹介しなさいよ!」


リボほむ「さっきからうるさいわね……」

デビほむ「あ、ついこないだまでの私だ」

リボほむ「……正直、認めたくないのだけれど、あなたも暁美ほむらね?」

デビほむ「そうよ」

リボほむ「しかも……ついこないだと言ったわね」

デビほむ「えぇ。単刀直入に言えば悪魔になったのよ」

デビほむ「改変後その後……と言えばわかりやすいかしら」

リボほむ「え……何、まどか。私、こんなんになるの……?」

デビほむ「こんなんって何よ。こんなんって」

まどか「こんなんになるのは困難だー!なんつってー」


デビほむ「…………」

リボほむ「…………」

クーほむ「…………」

まどか「つ、冷たい眼差しが集中してる……」

まどか「で、でもこういうのも悪くないっ」ビクビクッ

ほむら「……上手い」パチパチ

リボほむ「賞賛してる……」

メガほむ「ぐすっ……ふふ、えへ……」

クーほむ「ウケてるし……」


まどか「落ち着いた?ほむらちゃん一号」

メガほむ「は、はい一応……い、一号?」

まどか「一番時間軸的には新しいからね」

メガほむ「?」

まどか「あ、よくわからないか……でも、もう大丈夫だね?」

メガほむ「くすん……はい……」

メガほむ「私……死んじゃったんですよね」

メガほむ「でも……仕方ないですもんね……」

メガほむ「だけど私……神様に……会えることができて……う、嬉しいです」

メガほむ「神様って……こ、こんな可愛い方……だったんですね」

まどか「いやぁ……えへへ」


メガほむ「それで……あの、神様」

まどか「神様だなんて……わたしは鹿目まどかって言うの。まどかって呼んで?」

メガほむ「え、で、でも私……名前で呼んだこと……」

まどか「いいからいいから。エディバディセイッ」

メガほむ「ま……まど……!」

メガほむ「……鹿目さん」

まどか「惜しいっ」

まどか「……それで、なぁに?」

メガほむ「うぅ……///」

クーほむ「恥ずかしい」

リボほむ「わかる」

ほむら「同意する」

デビほむ「えぇ、全く」


リボほむ「でもあなたの姿程じゃないわね」チラッ

メガほむ「え?」

メガほむ「は、はゎ……!ぁぅ……///」

クーほむ「そうね……私ながら……趣味悪いと思う」

ほむら「かわいそ」

デビほむ「散々じゃないの」

メガほむ「……私?」

まどか「あ、まだ説明してなかったね」

まどか「この四人はね、あなたなんだよ」



メガほむ「え……?」

まどか「もし、あなたが生きていたら……」

まどか「生きていて、ちょっと過酷な運命に巻き込まれちゃったら……」

まどか「こうなる可能性もあったっていう……パラレルワールドの暁美ほむら」

メガほむ「みんな……私?」

クーほむ「そうよ」

メガほむ「……かっこいい」

クーほむ「ちょ……や、やめなさい……自己愛みたいで気味が悪いわ」プイッ

メガほむ「いいな、いいな」

ほむら「……憧れても、よいものではないわ」


ほむら「他はさておき……私は」

ほむら「時に、いっそ心臓病で死んでた方がよかったって」

ほむら「そう、思うこともあった。あなたが、羨ましくないと言えば嘘になるわ」

メガほむ「……そう、なんですか」

ほむら「生きたい気持ちもわかる」

リボほむ「そうね……私も、まどかと出会わなかったらと思うと……」

クーほむ「まぁ……死んでいたかもね。そのままの意味か、精神的な意味か……」

デビほむ「実際そういう世界もあったかもね……」

まどか「あったよ」

デビほむ「だからぁ……!」


デビほむ「……さっきからずっと気になっていたのだけど」

デビほむ「この私は何になるのかしら?」

ほむら「私?」

デビほむ「ループ前の私、ループ中の私、ループ後の私、さらにその後の私……この私は?」

デビほむ「魔女の帽子みたいなのを被っているけど」

まどか「あ、このほむらちゃんは魔女になったほむらちゃん」

クーほむ「ま、魔女ですって……!?」

リボほむ「やっぱり、そういう世界もあるのね」

メガほむ「魔女って?」

デビほむ「気にしなくていいわ。こっちの話」



まどか「ホントはクーほむちゃんと同じ外見なんだけど、差別化するために他の並行世界のかずみって子からいただいてきた帽子を被せてるの」

クーほむ「誰?」

メガほむ「さぁ……」

まどか「『あっち』が言うにはホムリリィって言うんだって」

ホムリリ「よろしく」

ホムリリ「帽子、お気に入りよ。謎のフィット感。それに、まどかがくれたものだから」

デビほむ「何だか少し電波っぽい話し方ね」

リボほむ「魔女だものね」

ホムリリ「魔女なら、仕方ないわ」

ホムリリ「ねぇ、まどかと私達。名前で思い出した。聞きたいことがあるの」


ホムリリ「私、名前がテキトー過ぎると思う」

ホムリリ「ホムラ足す百合……リリーから取ったとしか思えないの」

ホムリリ「悪意を、感じるわ」

まどか「…………」

デビほむ「…………」

リボほむ「…………」

クーほむ「…………」

ホムリリ「一人くらい、擁護してくれても、いいじゃない」

メガほむ「百合……?魔女ってのはよくわかりませんが……百合って奇麗ですよね?何か問題でも……?」

ホムリリ「かつての私が純粋すぎて前世の罪が洗われる」


デビほむ「魔女の私、ね……」

リボほむ「私とメガネ私とエロ私には関係ないわね」

デビほむ「誰がエロほむよ」

クーほむ「円環事情は囓る程度には聞いたけど……」

クーほむ「私にとって一番、現実味があるのね」

ホムリリ「大丈夫。魔女になっても、こんな可愛くない」

クーほむ「自分で自分を可愛いと表現しないで。っていうか全然大丈夫じゃない」

ホムリリ「魔女になればわかる」

クーほむ「…………」

メガほむ「…………」

まどか「メガほむちゃん、話についていけてない」


デビほむ「まぁ、今となっては魔女の私も懐かしいわ」

メガほむ「魔女の私……?」

クーほむ「改変後とやらは魔女が産まれない世界だって聞いたのだけれど……」

クーほむ「あなた、魔女になったの?」

デビほむ「えぇ、そうね」

デビほむ「細かい話は省くけど、私は魔女になって導かれるのを拒否してこうなったのよ」

リボほむ「え、ちょっと待って」

リボほむ「まどか。魔女は産まれないんじゃ……」

まどか「円環の理不干渉マシーンの影響でね」

メガほむ「何ですかそれ?」


まどか「カクカクシカジーカ」

メガほむ「……?」

ホムリリ「魔女のことから、説明してあげないとダメでしょう。まどか。この私には」

デビほむ「まぁなんだかんだあって、そういうののせいでこうなったのよ。こんなんに」

ホムリリ「やさぐれないで、私」

リボほむ「……そんなあっさりとまどかがブロックされてしまうのね」

クーほむ「魔法少女の概念自体、キュゥべえが作ったのだし、できても変ではないでしょうけど……」

リボほむ「何だか、円環の理を神格視しすぎてたわ……やっぱりあなたの世界おかしいわよ」

デビほむ「痛い程わかる。否定しないわ」

まどか「えー」


リボほむ「それで、何であなたは拒否したのよ」

リボほむ「折角まどかと再会できるのに」

デビほむ「カークカクシカジーカ」

リボほむ「マルマールウマウーマ」

デビほむ「……ということがあった。だから私は世界をまた作り変えて……」

メガほむ「キュゥべえって誰ですか?」

リボほむ「ちょっと!まどかの願いを無下にしたのあなた!?」ガタッ

デビほむ「し、仕方ないでしょ!こっちのまどかは現世に未練があって……!」

デビほむ「あ、あなたの世界では知らないけど!私だってまどかを思ってやったのよ!」

デビほむ「それが私のまどかが晒してくれた深層の意だったから……!」

リボほむ「……くっ」


リボほむ「あなたの選択は歪んでいるとは思うけど……まどかが望んだなら、仕方ないわね」

リボほむ「……こっちのまどかも、もしかしたらそう思ってるのかな……」

デビほむ「あなたの世界のまどかも……もしかしたら、辛い思いを……」

まどか「え?あ、そうでもないらしいよ?話したことあるんだけど」

デビほむ「えぇー……」

まどか「少なくともリボほむちゃん世界のわたしは後悔なんてあるわけないって感じだったよ」

リボほむ「…………」

リボほむ「そ、そう……よかった……わ。うん……よかった」

デビほむ「私の世界のまどかの立場は……」

まどか「無理もないよ。わたしって基本寂しがり屋さんだからね」


リボほむ「……くっ」

リボほむ「そうなるとキュゥべえ……!」

リボほむ「私の世界では友好的な感じだと思っていたのに」

クーほむ「ありえないわ」

ホムリリ「ファッキュゥべえよ」

リボほむ「私の世界ではそうだったのよ」

デビほむ「反吐が出るわ」

リボほむ「そう改変されてたの!こっちでは私とキュゥべえは……!」

QB「ご、ごめん……」

デビほむ「は?」

メガほむ「あ!か、可愛い……!」


メガほむ「…………」ナデナデ

QB「言い訳はしたくないけど……」

メがほむ「…………」モフモフ

QB「少なくとも僕は、僕の世界ではほむらと友好的に接してきたつもりだったんだ……」

メガほむ「…………」ギュッ

QB「リボほむと呼ばれていたね。君の世界の僕はどうかは知らないけど……」

メガほむ「…………」スリスリ

QB「やめてくれないかな」

まどか「メガほむちゃんくっそ可愛い」

クーほむ「…………」

リボほむ「…………」


デビほむ「何で……いるの?キュゥべえが」

まどか「あぁ、うん。キュゥべえ、見てくれは可愛いからね」

まどか「一匹取ってきちゃった」

まどか「小間使いに使ってるよ」

QB「僕はまどかの使い魔になったんだ」

メガほむ「いいなぁ、私もペット飼ってみたかったな……」

QB「ペットじゃないよ」

クーほむ「そこ、羨まない」

デビほむ「……おかしいわね……私、自分が悪魔だと思っていたんだけど」

ホムリリ「自分が悪魔だなんて……厨二病じゃあるまいし」

メガほむ「え、えっと……頑張ってください」

デビほむ「黙ってなさい」


QB「そろそろ離してくれないか?息苦しいよ」

メガほむ「あ、ご、ごめんね……」

リボほむ「息苦しいも何も、息してるのあなた」

QB「ごめんよ。僕、そろそろ行かなくちゃ」

ホムリリ「どこに?」

QB「僕はまどかの小間使いだからね。色々仕事があるんだ」

QB「それじゃ」ヒョイ

メガほむ「あぅ……もっと撫でたかった……」

クーほむ「随分と献身的なのね……この世界のキュゥべえは」


デビほむ「色んなキュゥべえもいるのね」

ホムリリ「そういえば、あなた」

クーほむ「私?」

ホムリリ「色んな並行世界の話を聞いて落ち込んでいたけど」

ホムリリ「あなたは、どういう世界を聞かされたの?聞きたいわ」

クーほむ「…………」

クーほむ「二言目には『まどかのパンツ』な私もいたらしいわ……」

まどか「えへへ」

メガほむ「…………」


デビほむ「そ、それは……何と言えばいいか……」

リボほむ「今や黒歴史よ……」

デビほむ「過去!?」

メガほむ「パ、パンツ……い、一体なにが……////」

デビほむ「あなたはまともだと思ってたのに幻滅だわ……」

リボほむ「あなたの格好ほどではないわ」

デビほむ「くっ」

クーほむ「……巴マミといちゃこらする世界」

クーほむ「佐倉杏子と結納する世界……」

クーほむ「志筑仁美をカキタレにして美樹さやかと上条恭介と引き合わせたり……」

リボほむ「もうやめて」

 
ホムリリ「房中術も、重要」

まどか「もっとハードなのもあるよ。わたし攻めほむらちゃん受けもいいね」

クーほむ「やめて」

メガホム(攻め?受け?何のことだろう?)

リボほむ「もっと普通のはないの?」

リボほむ「例えばほら、次のループに活かせそうな」

まどか「あんまり面白そうなのは特にないね」

デビほむ「もっとまともな世界を教えましょうよ」

まどか「えー」

まどか「ほむらちゃんって基本レズじゃん」

クーほむ「心外だわ……」


メガほむ「レズ……って何ですか?」キョトン

デビほむ「うっ……じゅ、純粋……!」

ホムリリ「簡単に言うと、女だけど女の子に恋しちゃうことよ」

メガほむ「……私、女の子が好きになるんですか……?」

まどか「その世界も少なくはないんだ。ほむらちゃん可愛いからね」

メガほむ「か、可愛いだなんて……」ポッ

まどか「メガほむ攻略完了」

まどか「無知シチュ」ジュルリ

リボほむ「過去の私を落とさないで頂戴」

ホムリリ「素質はあったのよ。うん」


ホムリリ「どう?ほむほむというカップリング」スス…

クーほむ「ご生憎様、この世界の私は至って正常なの」

クーほむ「ちょ、寄らないで。顔近い顔近い」

クーほむ「自分のことながら未だにあなたのキャラが掴めなくて不気味だわ」

ホムリリ「ミステリアスな女性って、いいと思うの」

クーほむ「腰に手を回さないの」ペシッ

ホムリリ「痛い。もっと」

クーほむ「助けて」

デビほむ「流石魔女。情緒不安定」

リボほむ「情緒不安定と言えるのかしら……これ」


まどか「ホムリリィちゃんとデビほむちゃんはともかくとして、私はノンケのほむらちゃんをわざわざ連れてきたんだよ。みんなまどほむに目覚めよ?」

ホムリリ「私と『これ』を一括りにしないで欲しいわまどか」

デビほむ「こんな神様もうやだ」

まどか「いいじゃない。本場の神様なんて性欲番外地だよ」

リボほむ「何の話かは敢えて聞かないけど……」

まどか「いやー、楽しいな。楽しいな」

クーほむ「私は楽しくないわ」

デビほむ「私も」

リボほむ「同じく」

メガほむ「そ、そうですか?私、とっても楽しい……」

ホムリリ「流石メガ私。無垢ね」


メガほむ「私にとって、こんな風にお話できるの初めてというか……」

メガほむ「初めての友達が神様と私だなんて……」

メガほむ「……死んじゃったのも、悪くないのかなって」

メガほむ「えへへ……」

ホムリリ「魔女の口づけくらった私みたいになってる」

クーほむ「この場に巴マミがいたらそんなこと言うなって怒鳴るでしょうね」

リボほむ「ありそう」

デビほむ「そうね」

デビほむ「巴さんはこういうところ、固いというか」

ホムリリ「まぁ、そうね」


メガほむ「巴さん……?」

メガほむ「きっと、いい人なんですね」

リボほむ「そうね……優しい人よ」

デビほむ「私と反りの合わない時もあったけど、いつだって、他人のことを気遣ってくれる」

クーほむ「えぇ……いい人故に、それが弱点となることも」

まどか「あとおっぱい大きい」

ホムリリ「羨ましい」

メガほむ「…………」

リボほむ「空気読んでと言いたいとこだけど……」

クーほむ「羨ましいというのが否定できないのが悔しい」


「ちょっと!鹿目さん!」


メガほむ「ひゃっ!?」

まどか「あっ」


「こ、こんなことをするなんて……!」

「並行世界にむやみやたら干渉しないでくださいよ!」

「別の鹿目さんに怒られるのは私なんですから!」


デビほむ「…………」

リボほむ「…………」

クーほむ「…………」

ホムリリ「…………」


まどか「もー、織莉子さん。そんな怒らないでよ」

織莉子「そりゃ怒りますよ!」

織莉子「よりによって他の並行世界の暁美さんを攫ってくるなんて……!」

まどか「借りただけだよ」

まどか「半分以上わたしの管轄だし、一人管轄も何もになっちゃったし」

織莉子「あなたはよくてもよろしくないんです!」

メガほむ「あ、あの……」

織莉子「……!?」

織莉子「あ……もう……頭が……」クラッ




リボほむ「えっと……まどか?」

まどか「あ、うん。紹介するね。この人は美国織莉子さん」

まどか「『わたし』の世界で導かれた魔法少女だよ」

まどか「色々あってわたしの生活を手伝って貰ってる」

織莉子「手伝いと言う名の小間使い二号ですよ……」

リボほむ「さやかではないの?」

まどか「あ、こっちのさやかちゃんはもう輪廻転生しちゃった」

デビほむ「事後なのね……」

ホムリリ「妬ましいわ……その胸」

織莉子「…………」


織莉子「別の世界の暁美さん達……どうも」

織莉子「鹿目さんの手伝いをさせていただいております」

織莉子「まぁ……中には私のことを知ってる人もいるとは思いま……」

リボほむ「?」

デビほむ「?」

メガほむ「?」

ホムリリ「?」

クーほむ「?」

織莉子「全員初対面!?」ガーン


まどか「あなたに出会わなかった世界もあるんだよ」

織莉子「いや、それはわかりますけど……」

織莉子「まさか全員とは思わなくて……」

織莉子「長いループの中、本当に一回も?」

デビほむ「知らないわね……」

リボほむ「会ったことあるのね……私と」

クーほむ「どこに住んでいるのかしら?」

メガほむ「えっと……は、初めまして」

まどか「まぁ、そんなこともあるよね」


織莉子「……何だか、カルチャーショック」

織莉子「増して自分を知らないというカルチャーは特にショックだわ……」

クーほむ「色んな並行世界もあるのね」

まどか「本当、色々だよー」

まどか「あっさりワルプルギスの夜を倒しちゃってる世界もあるし」

クーほむ「えぇー……」

クーほむ「私……何のために戦っているのかしら……」

デビほむ「元気出して!頑張って!」

まどか「まぁ逆にもっと悲惨な目に遭ってる世界もあるからね。みんなはむしろ正当派な方だよ」

織莉子「この世界はあなたが神という時点で正当じゃありませんけれどね」



織莉子「鹿目さん……並行世界に干渉すること自体はともかくとして、連れてくるなんてどうかしてます……」

織莉子「私という概念は鹿目まどかというを殺したことがあるからか……」

織莉子「他の鹿目さんに頭下げるのすっごい気まずいんですよ!?」

クーほむ「は?まどかを何ですって?」

織莉子「聞き流してください!」

まどか「でもねー……」

織莉子「でもじゃありません!」

織莉子「わかりました。えぇ、それじゃあ……」

織莉子「私を納得させる言い訳を聞かせていただけましょうか?」


織莉子「何故あなたは他の並行世界の暁美さんを集めてきたの?」

まどか「面白そうだったから」

織莉子「この鬼!悪魔!邪神!」

まどか「あっ、そっか」

まどか「それでわたし、他のわたしから邪神って呼ばれてるんだ」

デビほむ「…………」

織莉子「自覚なかったんですか!?」

リボほむ「……まどかに再会するのが憚れるような気の迷いが生じてきた」

デビほむ「……頑張って使命を全うしなさい」

メガほむ「あ、あのー……」


メガほむ「お、お手伝いって、何されてるんですか?」

織莉子「今この質問!?」

メガほむ「ひっ、ご、ごめんなさい」ビクッ

まどか「もー、ダメでしょ織莉子さん。ほむらちゃん怖がらせたら」

織莉子「ぐ……ぐぬ……!」

織莉子「……いいでしょう。お話します」

織莉子「鹿目まどかという概念は、その世界で魔法少女を導く以外にもすることがあるんです」

リボほむ「あら、そうだったの……」


織莉子「暁美さんの願いの影響で、暁美さんは並行世界に干渉できる能力を得ました」

織莉子「そしてそれは、元々あった並行世界からさらに別の並行世界が生まれる要因となる……」

ホムリリ「理屈がわからないわ」

織莉子「ループ行為自体世界を余分に枝分かれさせているんです」

織莉子「樹状式というか、系統図というか……」

まどか「ざっくばらんに言えばほむらちゃんの影響で並行世界がたくさん増えちゃったってこと」

まどか「わたし達『まど神様』は、その過剰に増えすぎた並行世界をそれぞれ神様同士で割り振って見守るのもその仕事」

まどか「まど神様はたくさんいるんだよ。わたしみたいなのとか、もっとひどい邪神なわたしとか」

デビほむ「もっとって……自分がひどい神だって認めているのね……」

リボほむ「そんな仕事もあったのね」


まどか「並行世界に干渉して世界をいじったりもするんだよ」

まどか「例えば……『ここ』とはさらに別の世界に干渉して……」

まどか「その別の世界の概念を連れてきたりしてね」

まどか「ジョジョって人気だよね」

メガほむ「?」

リボほむ「ごめんなさい……私達に神様の世界講座は早すぎたわ……」

ホムリリ「理解不能、理解不能、理解不能」

織莉子「理解してるじゃないですか」

デビほむ「…………」


織莉子「まぁ、とにかくですね……」

織莉子「今みたいに……こう、なんと言いますか」

織莉子「別の並行世界の概念をつれてくるなんてもっての他なんです」

織莉子「挙げ句に『別』の鹿目さんの管轄世界の暁美さんを……」

まどか「許可とって借りたの」

リボほむ「え、私貸されたの?」

デビほむ「そういうことになるわね……私の場合は『まどか』から感情を奪ったから無許可だろうけど」

まどか「そのせいでデビほむちゃん世界の『わたし』の管轄がいなくなったから大変でね」

織莉子「別の管轄が担うことになるんだから勝手に拝借していいわけじゃ……」


織莉子「とにかく、そんな面白半分でそんな無茶しないでください」

織莉子「みなさんもお帰り下さい。ご迷惑おかけしました」

リボほむ「帰れと言われても……」

クーほむ「気付いたらここにいたわけで……」

デビほむ「どうやって帰ったらいいのか……」

ホムリリ「交通費出る?」

織莉子「…………」

メガほむ「……あれ?」

メガほむ「あの……私、もう、死んでるんですよね……」

織莉子「へ?」


メガほむ「私が死んでる世界に帰ったら……」

メガほむ「私……私……!」ジワ

メガほむ「い、いや……!」

メガほむ「やだよぉ……、もっといたいよぉ……」メソメソ

まどか「あーあ、泣かせた」

ホムリリ「いーけないんだ」

クーほむ「いけないんだ」

織莉子「…………」

織莉子「泣きたいのはこっちよ……」クスン


織莉子「キリカと離ればなれになって……」

織莉子「現世で落ち込んでるキリカをこんな遠くで見続けて……」

織莉子「そして私はというと暴君神様に振り回されて……」

織莉子「区長に怒られるのは私なのに……」

デビほむ「区長?」

織莉子「まど神様をまとめるまど神様よ。ちなみに一番上が『基本世界』……会ったことはないけど『本物』って私達は呼んでいるわ」

リボほむ「バイトリーダーみたいね」

クーほむ「どっちかと言うと幹部?本物とやらが社長?」

メガほむ「ここに……ここにいさせてください……ぐすっ」

メガほむ「折角、折角友達ができたのに……みんなと一緒がいいよぅ……」


まどか「大丈夫だよ。ほむらちゃん」

まどか「わたしがみんなを集めたのは……ただの酔狂なんかじゃない」

ホムリリ「え、マジで」

まどか「……あ、あなたの世界を終わらせたりなんかしないよ」

メガほむ「え……?」

まどか「わたしが『全部』のほむらちゃんと会いたかったのは……」

まどか「どうしてもわたし、やりたいことがあったから」

まどか「みんなに会って、勇気をつけたかったから」

デビほむ「勇気?」

織莉子「あ、あなた……また何か変なことをするんじゃ……!」


まどか「メガほむちゃん。あなたを『生き返らせる』ことにしたよ」

メガほむ「え!?」

織莉子「な……!?」

ホムリリ「……?」

デビほむ「生き返らせるって……」

リボほむ「い、いくら神様でも、そんなことは……」

クーほむ「……説明して。まどか」

メガほむ「わ、私……」

メガほむ「い、生き返れるんですか!?」パァ


まどか「……『わたし』の並行世界と『デビほむちゃん』の並行世界を一つにして、作り替える!」

デビほむ「わ、私の世界と……一つですって!?」

織莉子「!」

織莉子「鹿目さん!あなた!自分が何を言っているかわかっているの!?」ガシッ

織莉子「並行世界の合併だなんて……!そ、そんなこと……!」

織莉子「そんなことをしたら!私達のこの世界と!彼女の世界の歴史が消滅する!」

織莉子「それがどういうことか!あなたがわからないはずが……!」

まどか「…………」

まどか「そして、メガほむちゃんは……その新しい世界で『暁美ほむら』という概念として転生させる」

まどか「わたしは世界と『暁美ほむら』を用意した。そしてデビほむちゃんが作った『鹿目まどか』と引き合わせる」

クーほむ「……まどか」


まどか「わたしの願いは……デビほむちゃんの世界のわたしと同じ……」

まどか「鹿目まどかが幸せになること」

まどか「だからわたしは、デビほむちゃんの世界に、どうしても行かなくちゃならなかった」

まどか「鹿目まどかは、暁美ほむらと一緒にならないといけないんだと、わたしは思ったの」

デビほむ「…………」

織莉子「そんな……そんなこと……!」

まどか「わたしは……『この世界』に未練はないよ」

まどか「もしわたしが、本当に悪魔だったら……すぐにでも壊している……一緒に、おかしくなっちゃおうって……」

まどか「その勇気を補うために、わたしはほむらちゃんに会わなくちゃならなかった。だから今がある」

リボほむ「ま、まどか……!」

ホムリリ「…………」

クーほむ「……何があったのかは、聞かないわ」


クーほむ「……美国織莉子と言ったわね」

クーほむ「私は個人的にあなたと面識はない……」

クーほむ「でも、この暁美ほむらに免じて……」スッ

クーほむ「まどかの願いを、聞いてあげて」

織莉子「……!?」

まどか「ほ、ほむらちゃん!?そんな!土下座なんて……」

リボほむ「……そうね。私は、まどかに勇気を貰った」

リボほむ「私の世界のまどかの思い……それを聞いて安心したわ」

リボほむ「今度は私が返す番……私からもお願い。まどかの勇気を認めて」スッ


ホムリリ「私も」スッ

ホムリリ「まどかのためなら、できることなら何だってやるわ」

メガホム「お、お願いします!神様の願いを聞いてください!」スッ

織莉子「あ、あなた達……!」

織莉子「ひ、卑怯よ。鹿目さん……!」

織莉子「こんな……こんな……状況に置かせて……!」

デビほむ「…………」

デビほむ「私が……まどかに何をしてあげられるのかは、全然想像もつかない」

デビほむ「いえ……することはわかる」


デビほむ「まどかの力を奪った私には、崇高すぎて、美しすぎて、役者不足だけど……」

デビほむ「まどか……私も……したいわ」

デビほむ「一緒に……作り替えた世界を見守りたい」

デビほむ「鹿目まどかと暁美ほむらがいる世界……」

デビほむ「多分、あなたもキリカとやらと再会できる」

デビほむ「いえ、させてみせる」

まどか「ありがとう……『ほむらちゃん』……!」

織莉子「く……」

まどか「ところで、織莉子さん」

織莉子「……何かしら?」


まどか「並行世界同士を合体させることで……」

まどか「流石のわたしも宇宙のエネルギーを浪費してしまうことくらいならわかるけど……」

まどか「それ以外に何か問題はある?」

まどか「私とデビほむちゃんが責任持って、エネルギーをどうにかするよ」

織莉子「…………」

織莉子「前例が、ないから……何が起こるか……」

『それを、どう、どうにかするの?』

デビほむ「……!?」

まどか「あ、あなたは……!?」


デビほむ「ま、まどかが……もう一人……?」

織莉子「く……『区長』……!」

デビほむ「このまどかが……」

デビほむ「『まどか』に束ねられているという……『まどか』を束ねる『まどか』…」

まどか『並行世界の合併……新しい世界の創造』

まどか『面白い考えだね……本当、興味深い』

まどか『あなたのキュゥべえから聞いたよ。それと、他の"まどか"から……』

まどか「お、お願いします!わたし!」スッ

まどか「み、認めてください!わたしの願いを!」



まどか『……許可を得なくちゃいけないようなことだと、自分でもわかっているんだね?』

まどか『それをするに当たって、自分でも、どういうことかわかっているんだよね?』

まどか「は、はい……!」

まどか『……あなたが、"わたし"から力を奪ったほむらちゃんだね』

デビほむ「……えぇ、そうよ。『まどか』」

まどか『感情を奪われた"わたし"は既に回収したよ』

まどか『辛いものだね……物言わぬ、思わない、人形のような"わたし"は……』

デビほむ「私は……後悔していない。私は、人としてのまどかを、この手で……」

デビほむ「悪魔と罵るなら、罵るがいいわ。私はそれだけのこと、まどかにした」

まどか『…………』

まどか『……いいよ』

織莉子「……え?」


まどか『やってみてよ。並行世界の合併』

まどか『あなたが奪った"わたし"はあなたに返す』

まどか『そして、宇宙のエネルギーを貸してあげる。浪費するというなら、その分、何とかしてみせて』

まどか『もしできなかったら……基本世界に影響を与えるようなことが万が一にでもあれば……』

まどか『……それは、わたしにもわからない。それでもいいのなら……"モニター"になってみて』

まどか「……ありがとう!ありがとうございます!」

織莉子「い、いいんですか……!?そんな、そんなことを認めたら『他の鹿目さん』が何を言うか……!」

まどか『……"わたし"が奪われた世界は一つじゃない』

まどか『そして……同じ事を考えたわたしも一人じゃない……でも』

まどか『実際に行動に移そうとしたのは……あなただけ』


まどか『わたし達が、複数の並行世界を見守る理由……』

まどか『それは、ほむらちゃんが作り出した、過剰に増えた並行世界を少しでも減らしたいという共通の思いがある』

まどか『直接手を下さずに、ループをさせないか、抹消するか……まぁそれはさておいて』

まどか『もし、合併という方法が確立して、二つを一つに、三つを、四つを……成功すれば……もしかしたら……』

まどか『あなたが前例となれることを、期待しているよ』

まどか「わかった……『わたし』……ありがとう……!」

織莉子「許して……しまうのですか……本当に……し、信じられない……そんな……」

まどか『……"邪神"よりは、マシだよ』

まどか「へ?」

まどか『その……ほむらちゃん。あなたに言っても仕方ないと思うけど……』

デビほむ「え?」

まどか『今までお風呂覗いててごめん』

デビほむ「……は!?」


スッ

まどか(……いなくなった。区長……)

まどか(区長……)

まどか「…………」

織莉子「…………」

織莉子「みなさん。頭を上げて」

メガほむ「……あ、あれ?」

クーほむ「何かしら……なんか違和感が……」

リボほむ「じ、時間が飛ばされたかのような……何だか……」

ホムリリ「キングクリムゾン?」


織莉子(あなた達は、区長がいる間、時間を止められていた)

織莉子(と言っても意味無い、か……)

織莉子(そもそもこの世界は時間の概念さえあやふやだものね……)

織莉子「……あなた達の熱意に、折れましょう」

ホムリリ「!」

メガほむ「じゃ、じゃあ、私……!」

メガほむ「私、生き返ってもいいんですか!?」

織莉子「えぇ」

リボほむ「新しい世界の幕開け……と言ったところね」

メガほむ「い、生き返れる……!生き返れるんだ……!」


メガほむ「か、鹿目さんにも会えますか!?」

メガほむ「巴さんって人にも!美樹さん、佐倉さんって人にも!」

まどか「うん。そうだよ。……この時の記憶は消えちゃうけどね」

メガほむ「嬉しい!美国さんとも!?」

織莉子「私は……可能性は薄いかと」

メガほむ「キュゥべえにも?」

クーほむ「奴には会って欲しくないのだけれど」

メガほむ「?」キョトン

メガほむ「えっと、と、とにかく!ありがとうございます!」


リボほむ「これで、丸く収まったってところね」

ホムリリ「円環だけにね」

クーほむ「……そうね。よかったわね。私」

メガほむ「はいっ!ありがとうございます!」

クーほむ「……こんな笑顔をする時もあったわね」

リボほむ「懐かしい……幸せになってほしいものね」

ホムリリ「全くだわ」

ホムリリ「私達ろくな人生送ってないから」

クーほむ「…………」

リボほむ「……私達の人生って、なんなのかしらね」


まどか「みんな、ありがとう」

まどか「みんなのおかげだよ。これで、わたしがやりたかったことが実現できる」

リボほむ「……お互い様よ。まどか」

ホムリリ「私達暁美ほむら一同、みんなまどかのことが大好きで、感謝しているのだから」

メガほむ「はい!私、鹿目さんに会えるのが楽しみです!」

クーほむ「あなたがいたから、私がいる……何だか、照れくさいわね」

まどか「えへへ……」

織莉子「……さっきからどうしました?」

デビほむ「あ……いえ……別に……」

デビほむ(まともだと思ったのに……『あの』まどか……まだまともだと思ったのに……!)ズーン


織莉子「さて……鹿目さん。もう、満足しました?」

まどか「うん」

織莉子「それじゃ、みなさんを……『この二人』以外の暁美さんを元の世界に帰しましょう」

まどか「うん……名残惜しいけど、そうだね」

リボほむ「元の世界に戻れるのね……やっと、というには……確かに」

クーほむ「まだ話していたいわね……と、言っても、私にはやることもあるからそうはいかないわ」

ホムリリ「私も、戻らなきゃ」

デビほむ「そういえばよく考えたら、あなたもメガネ私同様、死んで……」

ホムリリ「いえ、呼んでる」

デビほむ「……そう。そうなのね」


まどか「……それじゃあ」スッ

まどか「今出した、三つの扉……それぞれが、各々の世界に繋がってるよ」

まどか「この世界のことは忘れちゃうけど……みんな、元気でね」

クーほむ「……永遠のお別れ、になるのね」

リボほむ「そうね……まぁ、元々会うことにのないメンツよ」

ホムリリ「楽しかったわ。本心から、そう思う」

デビほむ「……えぇ。楽しかったわ」

メガほむ「……寂しいけど……みなさん。向こうでも、頑張ってくださいね」

織莉子「お元気で……『暁美さん』……」


ほむら「……私、正直不安だったわ」

ほむら「円環の理に早く行って、まどかに再会した方がいいんじゃないかって」

ほむら「自分で、世界を護ると誓ったのに……そう、逃げの考えを持っていた」

ほむら「だけど……『あなた』と話ができたことで……」

ほむら「私、この心の誓いに……自信が持てるようになったわ」

ほむら「私、元の世界で頑張るわ」

ほむら「ここで過ごした時間の記憶がなくなってしまうのは名残惜しいけど……」

ほむら「きっと、私の魂は覚えているはず」

ほむら「私は……私の意志に誇りを持って、世界のために戦い続ける」

ほむら「さようなら。みんな」


ガチャ


ほむら「……もしここで記憶がなくならないなら」

ほむら「ここでの経験を活かしたいというのは……わがままね」

ほむら「でも、ワルプルギスの夜に勝った世界もあるんですってね……」

ほむら「私の世界も、その一つになれるよう、頑張るわ」

ほむら「……リボンの私と同じ事を言うようだけど……」

ほむら「ここでの記憶は、魂が覚えている……というなら……」

ほむら「あなた達のおかげで、きっと、自信がついていることでしょう」

ほむら「私も私の形で、まどかの幸せを目指す」

ほむら「私の理想の結末を作ってみせる」

ほむら「さようなら。みんな」


ガチャ


ほむら「……私、魔女になって、ここに来た時……」

ほむら「もう、何も、どうでもいいやって、思ったわ」

ほむら「だけど……他の二人と被るし、月並みな言葉だけど……」

ほむら「もっと、もっともっと頑張りたい」

ほむら「ワルプルギスの夜に、挫けたくない」

ほむら「まどかとの約束、絶対に果たしたい」

ほむら「あなた達に会えて、よかった」

ほむら「折角もらった『チャンス』……」

ほむら「絶対にまどか。あなたを救うから」

ほむら「さようなら。みんな」


ガチャ


バタム…


まどか「…………」

織莉子「…………」

メガほむ「…………」

デビほむ「…………」

まどか「……メガほむちゃん。織莉子さん」

まどか「少し、横になって、待っててね」

まどか「わたしとデビほむちゃんで、新しい世界の準備をするから」

メガほむ「……はい」

織莉子「私も……なのね」


まどか「…………」

まどか「それじゃ、ほむらちゃん」

ほむら「……えぇ」

まどか「これで、わたしの世界とあなたの世界、二つの並行世界は一つになる」

まどか「わたしと一緒に、二人でまた新しく改変した世界……」

まどか「見守っていこう?」

まどか「あなたが作り出した『わたし』と……」

まどか「私が転生した『ほむらちゃん』……」

まどか「二人の『新しい出会い』を、見守ろう」

ほむら「……えぇ」

ほむら「一緒にね……まどか」


――
――――


「――さん」

「――さん!」

「おい!起きろよ!『ほむら』ッ」


ほむら「……ん、んぅ……」

「……!暁美さんッ!」

ほむら「……巴さん。それに……杏子」

杏子「ったく……!心配かけやがって!」

さやか「よかった……!本当によかった……!」

ほむら「私は……一体……?」


マミ「あなた、魔獣の攻撃を喰らって気を失っていたのよ」

ほむら「気を……?うっ」

マミ「あっ、無茶しないで。まだ怪我治しきってないの」

杏子「ったく……ふざけんなよな」

杏子「さやかがいっちまった昨日の今日でてめぇがくたばったら……どうしてくれんだよ」

ほむら「……ごめんなさい。少し、軽率過ぎたわ」

マミ「まぁまぁ、佐倉さん」

ほむら「…………」

マミ「ん、どうしたの?暁美さん」

ほむら「……その」


マミ「何かしら?」

杏子「どうしたよ」

ほむら「心配かけて……本当に、ごめんなさい」

杏子「そ、そこまで謝らんとも……」

ほむら「私、少し悩んでいたいたのよ……」

ほむら「こんな生活、いいのかなって……」

ほむら「さやかまで、亡くしてしまって……」

ほむら「それで少し……頭がというか……」

マミ「……そうね。普通の生活ではないものね」

杏子「…………」


ほむら「だけど……あなた達に助けられて、目が覚めたわ」

ほむら「これからも……よろしくね」

マミ「え?えぇ、もちろん……」

杏子「な、何だよ急に気持ち悪ぃな……」

ほむら「……いえ、別に、ね」

杏子「これに懲りたら、もう気ぃ抜くんじゃねーぞ」

マミ「魔獣はいつ現れるかわからない……なるべく一緒に行動しましょう」

ほむら「……ええ」

ほむら(私は……戦い続けるわ。あなたの守りたかった世界のために……見守っていてね)

ほむら(まどか……!)


――――
――


――
――――


「――生」

「起きてください、ほむらさん」

「転校生!」

ほむら「……んぅ」

ほむら「……ん?美樹さやか……志筑仁美?」

さやか「うぇっへっへっへ、転校生の寝顔、眼福眼福」

ほむら「寝顔……」

ほむら「……ハッ!」

ほむら「ちょ、あなた……!まさかそのケータイ……!」

さやか「写真もムービーも、あるんだよ」

ほむら「け、消しなさい!」ガタッ

さやか「やだよぉーっ、貴重だよー!まどかに見せるんだいっ」ヒョイ


仁美「あー、ほむらさん。落ち着いてください」

ほむら「おのれ美樹さやか……!」

さやか「居眠りしてる方が悪いっ」

ほむら「授業中じゃないだけいいでしょう。常習犯の分際で」

さやか「にゃにおー!?寝顔をチェンメするぞ!」

ほむら「その前にネットで独学したサブミッションで……」ワキワキ

さやか「ひっ」

仁美「ま、まぁまぁ……お待たせするのも悪いですし、そろそろ参りましょう……」

さやか「そ、そうそう!早く挨拶しないと」

ほむら「挨拶?ただのお茶会だと聞いていたけど……」

仁美「さやかさん……」

さやか「あ、あれ……?」


さやか「マ、マミさんのご友人を紹介してくれるってんだよ」

ほむら「巴マミの友人?」

さやか「何て名前だっけ」

仁美「確かキリカさんとおっしゃってましたわ。三年生」

さやか「そうそう。で、約束をすっぽかして寝ていた誰かさんのために待ってやってたんだよ」

ほむら「巴マミに佐倉杏子以外に紹介するような友人がいたなんて初耳ね……」

さやか「相変わらずさらっとひどいこと言うなこいつ」

仁美「まぁまぁ……それじゃ、参りましょう」

ほむら「えぇ……そうね」

さやか「あ、転校生。ケータイ光ってる」

ほむら「ん?」


ほむら「あら、メール……まどかから」

仁美「早く来て、という内容ですかね」

『準備できたよ~☆待ってるよほむらちゃん!』

『あ、それとキリカさん。おりこさんってお友達連れて来たよ。知らない人が!ってビックリしないでね(笑)』

ほむら「えぇ……そう……ね……」

『PS.ほむらちゃん寝顔可愛い(///▽///)』

ほむら「美樹さやかァッ!」ガタッ

さやか「ヒュー!」

ほむら(み、見られてしまった……!あの子……画像消してと言って、消してくれるかしら……)

ほむら(まどか……!)


――――
――


――
――――


「うぅ……ぐすっ……」

「――お姉ちゃん……!」


ほむら「……ん、う……」

ほむら「……わ、私は……?」

「ほむらお姉ちゃん!」ガバッ

ほむら「きゃっ……ゆ、ゆまちゃん……?」

ゆま「ほむらお姉ちゃん……!お姉ちゃぁん……!」

ゆま「ああぁぁぅ……ぐすっ、うあああ……!」

ほむら「…………そう。そういうことなのね」

ほむら「まどかは……もう、いない……それで私……魔力と、心が、切れて……」

ほむら「ゆまちゃん……私を、生き返らせてしまったのね……契約……」


ほむら「ごめんなさい……」

ほむら「あなたに、辛い思いをさせてしまって……」

ほむら「残酷で厳しい、魔法少女の世界に巻き込んでしまって……!」

ほむら「あなたを置いて、勝手に、逝ってしまって……」

ゆま「ぐすっ……ううん」

ほむら「…………」

ゆま「……ねぇ、ほむらお姉ちゃん」

ほむら「……何?」

ゆま「ゆまね……知ってるの」

ゆま「まどかお姉ちゃんがいなくなったら、ほむらお姉ちゃん、いなくなっちゃうんでしょ?」

ほむら「……!」


ゆま「ごめんね。全部、知っちゃった……」

ゆま「ゆま、ほむらお姉ちゃんに助けてもらって、今までお世話して貰って……」

ゆま「まどかお姉ちゃん、マミお姉ちゃん、さやかお姉ちゃん、キョーコお姉ちゃん、仁美お姉ちゃん……たくさんお友達ができて……」

ゆま「お姉ちゃんに……力になりたいって、ずっと、ずっと思ってた」

ゆま「それで……契約しないっていう、お姉ちゃんの約束、破っちゃった……!」

ほむら「…………」

ゆま「ごめんなさい……でも、ゆま、ほむらお姉ちゃんを助けることができて……嬉しいの」

ゆま「ゆま、もう、ココロノコリはない……」

ゆま「お姉ちゃん。ゆま、もう一人でも大丈夫だから。ゆま、今、幸せだから……」

ゆま「ほむらお姉ちゃん……あなたの幸せを目指して……」

ほむら「……ゆまちゃん」


ゆま「ゆま……応援してるから……!」

ほむら「ゆま……ちゃん……!」

ほむら「ぐすっ……ごめん……ごめんね……!不甲斐ない『お姉ちゃん』でごめんね……!」

ほむら「罰があたったの……あなたを、ついでに救いたいなんて、中途半端な気持ちで、浮気をしたから……!」

ゆま「お姉ちゃん……『次』でも……ゆまのお姉ちゃんでいて……!」

ゆま「えぐっ、ゆまのことっ……忘れないでね……うぅ、ひぐっ」

ほむら「うん……!必ず、……必ずっ、迎えに行くからね……!」

ゆま「うん……!約、束……だからね……!ぐすっ、絶対、守ってね……!」

ほむら(……ゆまちゃん)

ほむら(あなたが託してくれたチャンス……絶対に、無駄にはしないわ)

ほむら(もう、二度と、この命を無駄にしない。必ず、あなた達の約束は果たすわ!ゆまちゃん……そして……)

ほむら(まどか……!)


――――
――

 











 

 






「ごめんね。悪気はないんだけど、転校生なんて珍しいから、はしゃいじゃって」

「いえ、その……ありがとうございます」





「そんな緊張しなくていいよ、クラスメイトなんだから」

「わたし、鹿目まどか。まどかって呼んで」

「え?そんな……」

まどか「いいって。だからわたしも、ほむらちゃんって呼んでいい?」

ほむら「わ、私、その……あんまり名前で呼ばれたことって、無くて……すごく、変な名前だし……」

まどか「えー?そんなことないよ。何かさ、燃え上がれーって感じでカッコいいと思うなぁ」

ほむら「名前負け、してます……」

まどか「そんなのもったいないよ。せっかく素敵な名前なんだから」

まどか「ほむらちゃんもカッコよくなっちゃえばいいんだよ」

ほむら「そ、そうかな……」


ほむら「あ、ありがとう……ま……まど……」

まどか「…………」

ほむら「……鹿目さん」

まどか「惜しいっ」

ほむら「は、恥ずかしい……」

まどか「そんな恥ずかしがられると、緊張しちゃうよ……」

ほむら「ご、ごめんなさい……」

まどか「あ、あはは……謝られても……」

まどか「……それに、ほむらちゃん」


まどか「ありがとうはむしろ、わたしの方だよ」

ほむら「え……?」

まどか「わたしも……正直なところ、不安だったんだ」

まどか「どうしよう、どうしようって」

まどか「だけど、ほむらちゃんがいてくれるから、とっても心強くって……ありがとう」

まどか「えへへ……なんだか、照れくさいね」

ほむら「……鹿目さん」

ほむら(……私も……だよ)

ほむら(あなたがいてくれて……)

ほむら(すごく、嬉しいし……安心した)

ほむら(友達になれるかな……なりたい)

ほむら(……ううん。ならなくちゃ)

まどか「それじゃ、入ろっか」

ほむら「……うんっ」

ほむら(……まどかみたいな子と、一緒になれるなんて)


先生「はーい。それじゃあ自己紹介いってみましょうっ」

まどか「か、鹿目まどかです。よろしくお願いします」

ほむら「あ、あの……あ、暁美、ほむらです……どうか、よろしく、お願いします」

先生「二人とも、見滝原に引っ越してきて日が経ってなくて慣れないことも……」

先生「それと暁美さんは心臓の病気でずっと入院していたの。久しぶりの学校だから、色々と戸惑うことも多いでしょう」

先生「みんな、二人を助けてあげてね」

まどか(まさか……わたし以外にも転校生がいたなんて、びっくりしたなぁ)

まどか(とっても緊張してたけど、助かっちゃった)

まどか(それに、何だか初めて会った気がしないというか……すごく、安心できるというか……)

まどか(そんな子が、しかも同じクラスだなんて……)







――まるで、神様が仕組んだみたい!







まどか「ほむらちゃんペンタグラム」 ―完―

くぅ疲。これでおしまい。ご閲覧ありがとうございました
映画は賛否両論ありますが、まぁ特に言うことはない
色々ツッコミたいこともあろうけど、書きたいこと好きに書いた結果がこれだよ!


デビほむをデブほむとたくさん打ち間違えたのは秘密だ!

乙。すっきりしたオチだったし、ギャグとシリアスの塩梅が面白い

ふと気になったけどもしかして、ほむら「世の中わからないものね」の人?

>>116
マジで?これで全否定なん?!

ID変わったから本人証明はできないけど、1です。
今、とんでもないミスに気付いた。>>93で謎のさやかが生まれてました。ごめん
細かいことだけど、あと>>92のまどかの一人称が「私」になってました。ごめん
詰めが甘いね。まとめサイトにまとめられた後に気付くって、悲しいよね。まとめるにしてもせめてHTML化してからにしてほしい

折角だからついでにレス
>>120
そういうのって文体でわかるのかな。自己顕示するようで気持ち悪いとは思うけど、肯定します
>>123
確かにデビほむの改変をなかったことに……映画のオチを全否定したといえばそうかも。特に考えてなかったけど

気持ち悪い(小声)

まとめっていうと、象とあやめか
あやめはコメントで言えば対応してくれるけど象は……

>>125
そうなんですね。へー
あやめ速報を見てみたらもう何か報告されてた。完結スレなのに、何か怖い

じゃあ書き込みを見てもらえることを信じて、今のところ修正内容はこんなんですまとめさん

>>92
まどか「わたしが転生した『ほむらちゃん』……」
>>93
マミ「よかった……!本当によかった……!」
>>95
ほむら「私、少し悩んでいたのよ……」

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