弟子「森で女の子拾った」賢者「すぐさま捨ててこい」 (3)

――???――

弟子「あ~めんどくさい、結界ぐらい自分で点検してくれよ本当にあの人は……」

弟子「んっ? なんかある……動物の死体でも倒れているのか?」

少女「ぅ……ぁ……」

弟子「ありゃ、行き倒れか……でも珍しいな? 結界を抜けられるなんて」

俺“達”が住む地には滅多な事では進入を許さない人避けの結界が貼られている。

奥へ進もうとすればその者の方向感覚を狂わせ、知らぬ間に元の場所へと戻す効果がある。

なのに少女は結界の『中』――効果が及ばない範囲の内側まで進入していた。

弟子「どうしようっかな……」

普通なら見向きもしないが、自分と年頃は同じくらいの少女。

さすがに見捨てるのは気が引ける。

なので連れて帰る事にした。

弟子「師匠、絶対に文句言ってくるだろうな~?」

少女を荷物として運ぶがごとく、脇に挟んで元来た場所へと戻っていった。

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――賢者と弟子の家――

弟子「ただいま~師匠……あれ、師匠? いないんですか?」

優しい香りが木材から微かにする場所。

精神を安定させ、心を落ち着かせる効果がある。

室内には所々と刻印(ルーン)が刻まれ、魔法的要素が付加されているこの家は一種の聖域と化していた。

弟子「やっぱり研究室の中で籠ってんのか? あの人たまに飯食うのと用事がある以外は一日中そこにいるしな」

いつもの事なので気にしない。

とりあえず要件を伝えようと奥にある研究室へと向かおうとした。


バタンッ!!


これと同時、奥から勢いよく扉が乱暴に開かれると、一人の男が高速で部屋から出てくる。

弟子「あ、師匠!」

白髪で歳は中年辺りだが、威厳のありそうな顔をした男――弟子の魔法の師匠がこちらへと近づいてきた。

弟子「聞いてくださいよ師匠、さっき結界の点検に行く途中で――ぼぎぇっ!?」

弟子の説明は最後まで続く事はなかった。

賢者「死にたくなきゃ早くここから出ろっ!」

なぜなら、弟子の顔には賢者の厚底ブーツがめり込み、そのまま来た道に蹴り飛ばされたからだ。

賢者もまた、急いで家から出た瞬間に家は内部から光を発するや爆発を起こした。

その威力、家全体を奮わせ、窓ガラスを内側から吹き飛ばす程。



*ネット環境が悪くて変に投稿される形になるかもしれません。
もう何度も同じボタン押してスレも重複しているかも……。
ご了承くださいませ。

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