甘奈「プロデューサーさん中毒」 (26)

アイドルマスターシャイニーカラーズ 大崎甘奈のR-18ssです
地の文あり

 プロデューサーさんはヘンタイだ。

 甘奈がプロデューサーさんとお付き合いを始めてからもう数カ月。その中で見えてきたプロデューサーさんの新しい一面は色々あって、例えば、以外に朝は弱かったり、お笑い番組を見るのが趣味だったり、ちょっと子供っぽかったり。その中でも一番に感じること。プロデューサーさんはとってもえっちで、ヘンタイだ。

 それに気づいたのは、多分4回目か5回目のえっちのときだったと思う。甘奈がえっちにも少しずつ慣れてきて、してる歳中の自分を客観的に見る余裕が生まれてきたからかな。基本的に甘奈達がする時はプロデューサーさんがリードしてくれる。最初のほうなんか、甘奈は基本的にされるがままで、それが良くなかった。プロデューサーさんは愛撫でも、セックスしているときでも、甘奈が、その......イっちゃうとき。絶対に甘奈の耳元で囁くんだ。

「好きだ」
 って。最初は知らない感覚に戸惑う甘奈を気遣ってくれるんだと思ってた。実際に甘奈もそう言われると真っ白な世界の中でプロデューサーさんの声だけが頭に入ってきて凄く安心できた。愛されてるんだって、嬉しくなった。......でも、何回もえっちを重ねると、流石にわかる。
 
 プロデューサーさんに甘奈の胸を弄られてイかされるときも

「好きだ」
 
 あそこを弄ばれてイかされるときも

「愛してるよ」

 挿れられて、奥をグリグリされてイかされるときも

「大好きだよ、甘奈」

 甘奈の中で、プロデューサーさんが果てて、それで甘奈がイっちゃうときも

「甘奈、愛してる」

 そうやって甘い言葉を耳元で囁く。いつも決まったように甘奈の右側の耳に。今ではイきそうになるとプロデューサーさんに抱きついて右耳をプロデューサーさんの顔の近くに持っていく癖がついちゃった。甘奈の右耳が、鼓膜の振動を求める。身体が勝手にそう動いてしまう。

 プロデューサーさんが変態なのは多分それだけじゃない。甘奈の聴覚だけじゃなくって、嗅覚、つまり匂いでも征服してこようとする。
 
 ホテルに入った後とか、お家についた後とか、プロデューサーさんは絶対に甘奈を先にシャワーに入れて、その後にプロデューサーさんがシャワーを浴びる。一緒に入ったことは、ない。これも、プロデューサーさんの優しさなのかなって最初は思ってた。甘奈を先に入らせて、心の準備をさせてくれてるのかなって。でも、優しさなんてとんでもない。プロデューサーさんはシャワーを浴びるときボディーソープを使わずに、お湯だけで汗を流している。この前こっそりソープの減りを確認したから間違いない。別に不潔だとか言うわけじゃない。寧ろ清潔さには人一倍気を使ってくれているのがわかる。問題なのはその匂いのほうで......えっちするくらいに近づいてしまうと、嫌でもわかる。プロデューサーさんのもともとの匂い。生活の中で染み付いた匂い。セックスをして汗と老廃物と、それらが混ざったプロデューサーさんの匂い。オスの、匂い。ボディソープを使った甘奈とのその匂いの違いを否応なく意識させられる。プロデューサーさんはセックスして、甘奈をイかせる時に耳元で囁く。その時にプロデューサさんは大体甘奈に抱きついて耳元に顔を寄せるんだけど、そうすると甘奈はプロデューサーさんの匂いに全身を包まれる。イったあとの真っ白な頭の中に、プロデューサーさんの声が、匂いが、刷り込まれる。
 
 プロデューサーさんの色に、染められていく。プロデューサーさんの好みの女に、オトコの人の匂いが好きで、甘い言葉を言われるとすぐにイっちゃう女に変えられていく。それが少し怖くって......凄く、幸せ。

 知っての通り、プロデューサーさんは激務だ。19人のプロデュースをして、コミュニケーションを取って、事務仕事をして......283プロの規模に比例して、その仕事量はどんどん大きくなっていく。前に一回過労と栄養不足で倒れちゃったくらいだ。しかも、周りにいるのは美人の事務員さん、早熟な小学生から少し子供っぽい23歳のお姉さんまで。その魅力はアイドルとして保証されているし、今もどんどん磨き上げられている。しかも......これは甘奈の想像だけど、多分、みんな大なり小なり、プロデューサーさんに好意を持っている。こんな少女たちに囲まれて、プロデューサーさんはきっと色んなものを溜め込んでしまっている。疲れ、ストレス、フラストレーション、そして性欲。そうやって溜まりに溜まってしまった欲望。自分で解消する時間もなく、その欲望が日々の中でいびつに歪んでしまったんだろう。だけど、甘奈とお付き合いを初めて、やっとその捌け口ができた。
 
 思うに、プロデューサーさんはきっと甘奈をプロデューサーさんから離れられないようにしているんだ。プロデューサーさんの声を聞かないと一人で自分を慰めることもできないような女に、プロデューサーさんの匂いを嗅ぐだけで発情しちゃうようなえっちな女に。これからの未来、甘奈がどんな男の人にあっても魅力を感じないような、プロデューサーさんでしかドキドキできない、そんな都合の良い女に。.....調教、されちゃってるんだ。
 
 それが、甘奈は嬉しい。甘奈がプロデューサーさんから離れていくことなんてないのに、それでも不安になって自分に縛り付けようとするプロデューサーさんが可愛い。あの人の欲望をこの身体で全て受け止められるのが嬉しい。彼が独占欲を甘奈に叩きつけてくれるのが嬉しい。甘奈をそういう存在にしようって思ってくれてるのが嬉しい。他にも魅力的な女の子はたくさんいるのに、甘奈を選んで、甘奈に欲情して、甘奈を求めて、甘奈を。甘奈を。オンナの悦楽。優越感、占有感、安心感、充実感。そういった感覚が、きっとオンナとしての根源的な喜びが、甘奈を満たす。
 
 だからプロデューサーさんがヘンタイだって、甘奈を調教しようとしているってわかっても、甘奈は全部受け入れる。きっと甘奈もヘンタイだ。この感情が、プロデューサーさんの調教の成果なのか甘奈が心からそう思っているのか、どっちかはわからない。でも、どちらだとしてもプロデューサーさんと一緒のヘンタイで、それが嬉しい。そう思ってしまうくらいには、甘奈は駄目になってしまっているんだと思う。

 ちゅくちゅくと、弾けるような泡立つような水音だけが部屋に響く。
 
 今日は本当に危なかった。不意打ちだった。外回りをしていたプロデューサーさんが帰ってきて、お帰りって言おうとしたら、ツンと鼻をつく汗の匂いがして。今日はとっても暑かったから、プロデューサーさんはいっぱい汗をかいていて。無意識にその匂いを胸いっぱいに吸い込んじゃった。甘奈の脳が溶け出してお腹の奥のほうがキュンキュンと鳴り出すのがわかった。ボーッとしているところを、甜花ちゃんと千雪さんに「大丈夫?」なんて聞かれて、それで初めてここが事務所だって思い出して。
 
 きっとプロデューサーさんもわかってやってるんだ。レッスン頑張ったな、なんて撫でてくれたり。悪いけどジャケットをかけておいてくれないか、なんて甘奈に預けたり。その目が、どことなくいやらしかったの、甘奈は気づいてるんだから。

 「ぅんっ♡......あっ♡プロデューサーさん......♡はぁ......はぁ......」
 
 隣の部屋に甜花ちゃんがいるから声は抑えめに。貴方を想いながら自分を慰める。プロデューサーさんが事務所へ帰ってきてからずっとぐずぐずになっていた甘奈の大事な場所。明日の予定を確認しているときも甜花ちゃんと話しながらお家に帰るときも上の空で、どうにかして気持ちよくなることしか考えられなかった。帰ってきてお部屋に入ってすぐに脱ぎ捨てた下着からは、ぴしゃっと重たい水音がした。そうした末にやっと触ってもらえてアソコも喜んでいるみたいにくちゅくちゅ音を鳴らす。でも、いくら激しく指を動かしても、いくら長い時間触っても、あの頭が真っ白になって幸福感が胸を満たす甘美な感覚は訪れてくれない。

「好き......♡好き......♡プロデューサーさん♡好き♡んっ......♡んあっ♡プロデューサーさん......」

 右の耳がぞくりと震える。鼻を枕に擦り付ける。身体は正直、とかよく言うけれどまさにその通りで、甘奈の身体は足りないものを埋めようとするかのように彼を求め始める。

「いっ......♡んぁ......もっと......もっと......♡足りないよ......プロデューサーさぁん......♡」

 イケない。イケない。全然イケない。大事な場所を片手に預けて、もう片方の手を胸の先端へ。やわやわと突起の周囲を刺激してから先端を強めの力で摘み上げる。

「あっん♡んっ♡気持ちいい.....♡けど......♡」

 得られる快楽の量が少しだけ増えて、声が少しだけ大きくなる。でも絶頂には程遠くて。触れば触るほどプロデューサーさんのあのごつごつとした手を、指を、その感触を思い出す。 その指でもっと優しく激しく弄ってほしい。もっと強く弱く刺激してほしい。甘奈をいつも撫でてくれる手で、甘奈を滅茶苦茶にしてほしい。

「だめっ♡プロデューサー、さん......♡逢いたいよ......♡今何してるの......?甘奈のこと考えてる......?もしそうだったら......甘奈、甘奈......♡」

 目を閉じる。瞼の裏に浮かぶのはプロデューサーの顔、唇、手、......プロデューサーさんの大きく硬いそれ。想いが募ってこのまま飛んでいっちゃいそうだ。そしてプロデューサーさんのもとへ行ければいいのに。

「プロデューサーさんっ!プロデューサーさんっ♡!甘奈......♡んんっ♡ああん......♡」

「なーちゃん?」
 
ビクッと身体が跳ねる。意識が甘奈の部屋に帰ってくる。甜花ちゃんが、呼んでる…...?

「て、甜花ちゃん!?ど、どうしたの!?」

「......?ママが、ご飯できたから下に降りてきなさいって......言ってたよ.....?」

「あ、う、うん!わかったよ、今行くねー!」

「......なーちゃん、体調悪い.....?」

「う、ううん!ちょ、ちょっと柔軟してただけだから、全っ然大丈夫☆すぐ行くから、甜花ちゃん先に行っててー!」

「う、うん。じゃあ甜花、先に行ってるね......」

 ......甜花ちゃんが、とたとたと階段を降りていく音が聞こえる。

「あ、危なかったぁ〜......。はぁ......はぁ......。ふぅ......」

 大きく深呼吸をして息を整える。ノックの音も聞こえないほどオ、オナニーしちゃうなんて......。恥ずかしさで顔が熱くなる。もう、プロデューサーさんのせいだよ、こんなの......。

 最近は、こんなのばっかりだ。プロデューサーさんも甘奈もなんでかスケジュールが合わなくてここ2週間ほどは、二人きりになれていない。甘えられてない。キスもできてない。......えっちも、できてない。前までは、3日にいっぺん......2日にいっぺんかな?それくらいのペースでプロデューサーさんとシていたから、急に放り出された身体は我慢ができなくって。毎日こうやって帰ったらすぐにオナニーしてしまう。でも結局自分の手では満足できなくて、どんどん欲求が高まっていくばかりで。それがわかっているのに火照る身体がどうしても我慢してくれなくって。その繰り返し。お腹の奥が......しきゅう、がキュンキュンと泣き出しているのがわかる。もっとあの人を寄越せって、こんなんじゃ満足できないって身体が叫びだす。そうして甘奈の心にはドロドロとした蜜が溜まって、溜まって、溜まって。正直もう限界だった。

 身なりを整えて、タンスから新しいショーツをだして履き替える。ぐしょぐしょになってしまった方は、レッスンで使ったジャージとかタオルに包んで、後で洗濯機まで持っていく。シーツは......消臭剤を吹きかけておこう。そうして今日も甘奈の溢れた欲望を、見つからないように、バレないように隠すんだ。
 少しだけまだふらつく足取りで食卓まで向かう。遅いわよ、なんて怒られちゃった。これもプロデューサーさんのせいなんだからね。今日のご飯は、ママが作ってくれたハンバーグ。......ついついいっぱい食べちゃったのは、レッスンを頑張ってお腹が減ったから、っていうことにした。

 次の日の朝、事務所。流石に甘奈も昨日の事を受けて、このままじゃまずい、って自覚した。こんなのじゃあアイドルどころか日常性活にも支障が出ちゃうかもしれないしね。だから頑張ってどうにかして自制しようとした。プロデューサーさんとは近い距離で喋らないようにしようって心掛けた。不用意に匂いを嗅いでしまわないようにマスクをつけて行くことにした。......自分でも、些細な抵抗だなって、思ったけど。でもそんな抵抗は、プロデューサーさんとあってから瞬く間に打ち砕かれてしまった。

「甘奈、明日はオフだったよな。俺も、急に予定が空いてオフに出来そうなんだ。......今日の夜、逢えないか?」

 そんなことを、囁かれてしまったから。

 そこからは早かった。レッスンが終わったあと、事務所で待ち合わせする段取りを立てて。ママと甜花ちゃんに、学校の友達の家に泊まるねってアリバイを作って。......こういうとき、甘奈の学校の友達が、甜花ちゃんとあまり接点の無い子が多くて良かったなって考えてしまって、少し自己嫌悪。でもそんな考えも、プロデューサーさんに誰もいない給湯室に連れ込まれて、予約とばかりにキスをひとつ落とされて霧散する。お腹の奥が熱を持って、全身に伝わる。頭が茹だる。期待はワクワク、じゃなくてもっとしっとりといやらしい響きを含んでジクジクと鳴り出す。それを鎮めるんじゃなくてそっと蓋をして隠す。大丈夫、大丈夫......2週間も我慢してきたんだから......甘奈は大丈夫......。

 その日のレッスンは、いやに集中できた。トレーナーさんにもはづきさんにも、甜花ちゃんにも千雪さんにも、今日は調子が良いみたいだねって褒められた。みんな、甘奈のモチベーションの正体を知ったら、甘奈がえっちなことしか考えていないと知ったらどう思うんだろう。ファンの人にも、幻滅されちゃうかな。そんな背徳感や罪悪感も、仄暗い興奮に変わっていく。本当に甘奈は駄目になっちゃったかもしれない。......駄目にされちゃったかも、しれない。

 事務所で合流してから、プロデューサーさんとは一言も言葉を交わさなかった。移動中の車の中も、駐車場からホテルまで歩く時も、エレベーターに乗っている時も。じっとりと粘ついた沈黙だけがそこにあった。今からえっちするんだ、明日の朝まで、ううんもしかしたら朝になってもずっと、交わり続けるんだってその沈黙が雄弁に語っているようで、それが甘奈をどうしようもなく興奮させた。きっとプロデューサーさんもそれがわかっていて、何も話そうとはしなかった。だから、何も喋らずに、張り詰めたものを今か今かと手繰り寄せるように甘奈たちは部屋までの道のりをたどった。

 バタン、とドアを締めて部屋に入ると同時、プロデューサーさんがこちらへ向き直る。それに答えるように甘奈もプロデューサーさんに力の限りに抱きつく。カバンはそこらへんにに投げ置かれた。抱きついたとたんに、プロデューサーさんの匂いがツンと香る。胸板に顔を押し当てて、深呼吸を一つ。それだけで、甘奈はもうどうにかなってしまう。鼻から入ったその匂いが脳を通過して甘奈の全身を満たす。すでにぐしょぐしょだったショーツを、更に湿らせる。

 ゆだった顔を逃がすように、何かを期待するように、上を向く。そこにあるのは、プロデューサーさんの顔。どちらともなく、貪り合うように唇を噛み合わせた。

「んっ……♡ちゅぷ......るちゅ……じゅる♡……んぱっ……んぅ……♡」

 プロデューサーさんの歯茎をなでて形を確かめる。頬の裏側を舐め取って舌をねぶる。お返しとばかりに舌を吸われて、つばを送り込まれる。それをすべて受け入れて喉に通すと、まるで甘奈とプロデューサーさんの境界線がなくなって一つの生き物になっていくような、そんな倒錯的な感覚に陥ってひどく幸せ。

「んぐっ、んぢゅる......れろ、えろれろおぉっ、はむぅ……ちゅぶ……んちゅ……♡」

 何秒、いや何分?互いに鼻で息をして、それでも苦しくなるくらいまでキスを続けて。限界が訪れてようやく唇を離した。ツーっと粘ついた透明な橋が甘奈と彼との間にかかる。

「……甘奈、シャワーに入っておいで」

 肩で息をしながら、プロデューサーさんがそう促す。その視線が粘ついているようでギラついているようで、ゾクリ、と背筋に震えが走るのがわかった。

「……ううん、今日は、大丈夫」

「……え?」

「甘奈、もう、我慢できない……。プロデューサーさんも、もう大丈夫でしょ?今日はこのまま、シよう……?」

 汗を流さずにスるのは流石に少し恥ずかしかったけれど、本当に今日は我慢ができなくって一刻も早く交わりたかったし、なによりそのままのプロデューサさんの匂いに包まれてみたかった。どうなっちゃうんだろうっていうゾクゾクに勝てなかった。そのままそそくさとベッドまで移動する。

「あっん……♡プロデューサーさん♡恥ずかしいよ……♡」

「そのまましたいって言ったのは甘奈だろ?すごく……えっちな匂いだよ」

 プロデューサーさんが甘奈の胸を弄びながら、首筋に顔を近づけて甘奈の匂いをかぐ。えっちな匂いって言われて、ゾクゾクゾクって身体が粟立つ。そっか……プロデューサーさんも甘奈の匂いをかぎたかったから、甘奈に自分の匂いを嗅がせてたのかな。自分がやりたいことをまず甘奈に求めさせて、引かれないように嫌われないように予防線を作っていたのかな……。やっぱり……可愛い♡

「プロデューサーさん、下も……触って……♡」

「ああ……。脱がすな?」

 そっと腰をあげて、プロデューサーさんにスカートの下からショーツを抜き取ってもらう。こうしてプロデューサーさんに、アソコを守るための大切な衣服を取り去ってもらいやすいように腰を上げて、すべてを曝け出すような格好をしていると、自分が本当にはしたない女の子になってしまったようで、心拍数がドクドクと上がる。

「うわ……すげぇ……」

「…………♡」

 プロデューサーさんが抜き取った甘奈のショーツはまるで水に浸したみたいにふやけていてずっしりと重たそうにプロデューサーさんの手に載せられていた。もちろん、それが隠していたところも……触らなくてもわかる。熱くトロトロになって、いまでも蜜がとめどなく溢れ出ているんだろう。

 ゴクリ、と。プロデューサーさんが生唾を飲み込むのがわかった。その目がギラギラと獣のように変わっていく。

「触るぞ、甘奈」

「うん……。あっ♡」

 有無を言わせぬ口調でそういったプロデューサーさんは、2本の指を甘奈の中に滑り込ませた。甘奈も一番敏感なところで、彼の指の形を楽しむ。節々がゴツゴツとしていて、甘奈の指なんかよりもずっと長くって、もしかしたら甘奈よりも甘奈の中を知っている指。ずっと待ちわびていた感触。

「あっ♡あっああんぅ♡いい……♡そこっ、きもちぃ……♡あっ♡」

 初めから遠慮など知らないと言うかのように、甘奈の膣を乱暴に行き来する2本の指。かと思いきやひだの形を確かめるようにゆっくりと撫でられる。その緩急が心地良い。弄ばれてるって感じがする。

「良い……♡気持ちいいよ、プロデューサーさぁん……♡んんっ♡一人でヤるときなんかより、ずっときもちぃ……すき……♡」

「っ!甘奈、オナニーなんてシてたのか……?」

「あんっ♡うん、うんっ!♡プロデューサーさんと会えない間、毎日、毎日ずっとシてたの♡んぁ♡でも全然イけなかったの♡甘奈、もうプロデューサーさんじゃないとだめなの♡」

 言っちゃった……♡自分の口から、私は会えない時もずっと貴方を考えて一人えっちするような恥ずかしい女ですって言っちゃった……♡甘奈の中から更に蜜が溢れ出すのと同時に、プロデューサーさんの指が激しさを増す。片手で甘奈のクリトリスを強く押しつぶしたりひねったりして、もう片方の手で膣内の上側、おへそから少し下に行ったぐらいのところを激しく擦られる。

「あっ♡あっ♡あっ♡だめっ♡そこっ……!プロデューサーさん♡甘奈、あまな、もう……♡」

 プロデューサーさんに抱きつく。彼の左肩に甘奈の頭を預けて、身体が無意識に気持ちよくなるための準備をする。

「ああっ……えっちな甘奈、すごく可愛いよ。大好きだ」

「~~~~~~~っ!♡♡♡」

 びくんと体が跳ねて、プシっと下の方から音が聞こえた気がした。甘い言葉を囁かれて、心地よい振動が右耳の鼓膜に残響する。甘奈とプロデューサーさんの身体から離れた匂いの分子が混ざり合って空気中に漂う。息を切らした肺が空気を求めて、それを吸って、吐いて。吸って、吐いて。その行為で頭の中が満たされて、日常のあれやこれやが飛んでいく。幸福感しか感じることができない。

「ハァ……ハァ……んっ♡……ハァ……ハァ……」

「甘奈…………」

 そうつぶやいたプロデューサーさんの瞳は淫欲に輝いていて。視線を下にずらすとスラックスの下が我慢できないと言っているかのように張り詰めていた。

 こんなに気持ちよくしてくれたんだもん……お礼……お礼しないと……♡
 
 服の上からアソコをさわさわと撫で回してあげると、プロデューサーさんが甘奈の液でビショビショになった手でベルトを外し始める。ブルンって音がするくらいに勢いよく出てきたのは、プロデューサーさんの分身。おちんちん。今まで見た中でも一番に張り詰めていて、お腹につくくらいにギンギンで、ガチガチで……それに、シャワーを浴びていないから、下着の中で蒸れに蒸れたオトコの人の匂いが甘奈を包んで……。

「…………すぅ……はぁぁぁ……♡♡♡ ……舐めてあげるね……♡」

「あぁ、頼む……」

「んちゅ……」

 まず最初に、チュッと先っぽにご挨拶。プロデューサーさんはこうするだけで、おちんちんを震わせておつゆを出しちゃうんだ。

「んぷっ……ぐぷっ……えろれろぉ……んぱっ、んちゅぐちゅ……」

 パクっと先っぽを口の中に全部収めて舌先で鈴口からとめどなくあふれる汁を舐め取る。それをまぶすように舌全部を使って、平たい部分を舌のザラザラで舐めしゃぶる。確か、次は……そうだ、舌先を使って、カサの裏側をぐるっと一周させるように……。

「ぐっ……うぅっ……」

 あ、カワイー声♡気持ちいいんだ。

「あ、甘奈、なんか……上手くなってないか……?」

「んふふー、ぷろりゅーさーさんろあえなひあいら、れんひゅうしたんらよ?」

「っ!」

 またおちんちんがブルって震えた。やっぱり、咥えながら喋るやつ?これも気持ちーんだ。ティーンズ雑誌に書いてあることなんて役に立たないって友達は言ってたけど、ちゃんと練習して良かった……♪

「あぁ……気持ち良いよ、甘奈。俺のために練習してきてくれて、ありがとうな。……本当に可愛いな、甘奈は」

「……んふっ♡」

 そう言いながら、頭をなでてくれるプロデューサーさん。身体が震えて、軽くイッちゃったのがわかる。プロデューサーさんに褒められた。可愛いって言ってくれた。えへへっ、嬉しい。甘奈がえっちになればなるほど、プロデューサーさんが褒めてくれる。えっちになればなるほど、気持ちよくなれる。それが本能でわかったから、しゃぶっているおちんちんをもっと奥まで咥え込む。

「んぐっ、ぐぽっ、ぐぽっ、んぶぅ……えろれろれろ、ぷじゅる、んぐっ」

 喉をいっぱいまで開いて、頭を勢い付けて前後させる。ベロの付け根、上の方の柔らかいところ、上から垂れている喉彦。おちんちんが甘奈の口の中全部を撫でながら、長いストロークで、できる限りの速さで出入りする。えづきそうになるくらいの圧迫感と異物感、この苦しさが愛おしい。プロデューサーさんを気持ちよくできている証だから。もちろん、舌でのご奉仕も忘れない。一往復する間に涎をできるだけまぶして、包み込むように舌で撹拌する。裏筋のあたりが擦れるように、舌の位置を調整する。なるべくいろんな刺激を与えられるように、もっとプロデューサーさんが気持ちよくなれるように。

「うわ、すっご……うっぐ、気持ちよすぎる……!甘奈……!」

「んふ、ぷろりゅーしゃーしゃん、もうれそう?れる、よね。ろこにらしたい?」

 おちんちんの張り詰め具合と、声。そして、匂いの高まり方でわかる。あと、何回か往復するだけでイッちゃいそうかな……。必死に我慢するプロデューサーさんも、おちんちんも、甘奈がプロデューサさんを支配しているようで、それでいて、彼が気持ちよくなるためのはけ口にされているようで……♡興奮しちゃう……♡

「ぐっ、こ、このまま、射精したい!あ、甘奈!吸ってくれ……!」

「ふぁーい☆」

 じゅぞ、んちゅる、じゅるるるるるっ!
 わざと下品な音を立てて、おちんちんを吸う。プロデューサーさんが、上半身を折り曲げて、甘奈に覆いかぶさるようになって、おちんちんが最後に大きく膨らんで……決壊した。

「イクっ!甘奈、甘奈ぁ!!うっ、あああああっ!」

 甘奈の口の中に、青臭い匂いがいっぱいに広がる。どろどろとして、固形みたいな欲望の塊は、いつもよりも数段多くて、濃くて。最後の一滴まで残らないように、プロデューサーさんの精液を吸い出す。尿道をストローに見立てて、精嚢から直接精子を吸い出すくらいに。何秒、いや何十秒か経ったのかな。はぁはぁと息を荒げながら、ようやくプロデューサーさんの射精が終わった。ゆっくりと、口の端からこぼれてしまわないように、でも精液がついたまんまにならないように、綺麗になめしゃぶりながらプロデューサーさんのおちんちんを口の中から引き抜く。ちゅぽんと音がしてやっと、甘奈の口の中は精液だけになった。

「はぁ……はぁ……ありがとう甘奈……。いまティッシュを……」

「…………んふ♡」

 青臭い匂いが口を通して鼻腔の奥まで伝わる。苦くてほんのり甘い、エグみが強くて、美味しいとはとても言えない。でもプロデューサーさんが甘奈に欲情して出してくれた精液なんだと思うと、なぜかこの味も癖になる。もっと欲しいって、思う。舌で感じる重たさに、またゾクっとして。とっても濃くってまるでゼリーみたいな精液を舌の上で転がす。噛んでみる。ちょっとだけ迷ってから、小さく、ほんの少しだけ口を開いて、プロデューサーさんに見せてみる。

「…………」

 プロデューサーさんのおちんちんが、射精す前よりも固く大きくなった気がした。その目が、一段と怖くなった気がした。
 ギラついた目が、プロデューサーさんが、近づいてくる。甘奈を労るように優しく抱きとめる。甘奈の、右耳に、唇を、近づける。あっ、コレ……やばっ……い、かも……♡。

「すっごい気持ちよかった。ありがとう、甘奈。愛してるよ」

「~~~~~~~~っ♡♡♡」

 イッちゃうと同時に、無意識に口の中にある精液を喉奥へと落とし込んだ。胃の中に精液が落ちるポチャンという音が聞こえた気がして。精液が、プロデューサーさんの精子が、胃の中で溶けて甘奈の一部になるんだ。プロデューサーさんの、遺伝子が、子供の種が。
 そう考えて、またイッた。プシップシッて、甘奈のアソコから短く2回お潮が漏れて、おへその上のあたりにあたっているプロデューサーさんのおちんちんが、更に硬さをました気がした。

「…………」
「…………」

 脱力している甘奈とプロデューサーさん。ベッドの上で、視線と視線がねっとりと絡み合う。どうしてだろ、いつもよりプロデューサーさんが、カッコよく見える。キュンキュンなる甘奈のおへその辺りを、確かめるようにそっと撫でた。

「甘奈、ほら、水。喉苦しいだろ」

 このままセックスしちゃうのかなって思ったけど、プロデューサーさんにそう言われて初めて喉がカラカラになっているのに気づいた。思い返せば、昼からずっと興奮してたし、あんなにお潮吹いちゃったし……。

「う、うんっ。……あ、ありがと」

 備え付けの冷蔵庫からプロデューサーさんが水を取り出して手渡してくれる。その冷たさに少しだけ冷静さを取り戻して、今更ながら自分の乱れっぷりを思い出す。甘奈、あんなにえっちになっちゃうなんて……甜花ちゃんが見たらどう思うだろう。顔が熱くなる。急に恥ずかしくなってきちゃったよ。
 そう思いながら、お水を口に含んで精液の残り香とか喉のイガイガとかを洗い流す。火照った身体に冷たい水が嬉しかった。

「……?プロデューサーさん?何してるの?」

「あぁ、ちょっとな。探してるものがあって……」

 ふと気がつくと、プロデューサーさんがベッドを離れ、自分のカバンをガサゴソと漁っていた。どうしたんだろう、捜し物かな。……もしかしてえっちなおもちゃとか!?

「あったあった。甘奈、今日はコレをつけてセックスしてくれないか」

「……?なにこれ?ヘッドホン?」

 てっきり、バ、バイブとかローターとか媚薬?とか?そういう大人のおもちゃみたいなのを渡されると思ってた甘奈は少し拍子抜け。手渡されたヘッドホンは無線のやつで、でも甘奈の耳をすっぽりと覆ってしまえるくらいには大きくて、それでいて重量はそんなに感じなくて。歌の収録の時とかにスタジオで見るやつに少し似ていて、パッと見ただけで高価なものだなっていうのがわかった。でも、コレを渡してきたプロデューサーさんの意図が未だにわからない。

「? なんでヘッドホンなの?歌、とか?」

「良いから、良いから。ちょっと付けてみてくれないか」

「うん……」

 そういうプロデューサーさんの勢いに押されて、恐る恐るヘッドホンを付ける。それは思っていたとおり、甘奈の耳をすべて包むくらいの大きさで、でも長時間つけていても平気なようにつけ心地や重さに気を配られた、シロートの甘奈でもわかる、良いヘッドホンだった。それで、どうすればいいの?というようにプロデューサーさんを見る。彼は不安な甘奈のことを安心させるように触れるだけのキスをしてくれた。それだけで甘奈はまた胸がポカポカとしてきて、身体が熱くなってくる。
 熱っぽく彼を見上げると、プロデューサーさんは微笑むように、でもどこか淫靡さを秘めた瞳を添えてニコリと笑った。そして、その手の中のプレイヤーのボタンを、押した。

『甘奈、好きだ』

「ひぅ!?んっ♡」

 びくんと、反射で身体が跳ねて、絶頂。な、なに?今の……?
 聞こえてきたのはプロデューサーさんの声。それは鼓膜を通して脳に直接響いてくるようで、ヘッドホンから聞こえてくるはずなのになぜか距離や方角まで感じられて。

『大好きだ』

「あっ♡」

 また、イク。特殊な加工がかかっているのかわからないけれど、その音はふわりふわりと甘奈の頭を揺らす。

『愛してるよ』『ずっと一緒にいたい』

「だ、めっ……♡」

 耳から入ってきた声が、脳の中を反響して2重3重に余韻を残す。それが最初の絶頂の余韻と重なって波紋を呼び起こすように新しい快感を呼び起こす。

『甘奈は可愛いな』『結婚してくれ』『好きだ、本当に好きで好きでしょうがないんだ』

「あ、あ、あっ♡ああぁ、あぁぁぁ……んっ♡イッちゃった♡イッちゃった……から……!♡」

 脳が震える。全身が粟立つ。連続で無理やりにイかされたせいか、びくんびくんとお腹の辺りが痙攣して、足がガクガクと震えだす。

『一目惚れだった』『ずっと好きだったんだ』『甘奈の声が好きだ』『目が好きだ』『唇が好きだ』『耳が好きだ』『身体が好きだ』『可愛い』『甘奈』『誰より可愛いぞ』『甘奈をもっと知りたい』『甘奈』『抱きしめたい』『綺麗だよ、甘奈』『キスしたい』『甘奈』『ずっと一緒にいよう』『好きだ』『甘奈』『大好きだ』『甘奈』『愛してる』『一生離したくないんだ』『甘奈』

「♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡!!!!」

 声にならない声が甘奈の喉から出ている。何度繰り返したかわからない絶頂で甘奈の下のシーツはびしょびしょになっていて、アソコからは白く粘ったお汁がどろりどろりととめどなく溢れる。ヒクヒクと、待ちきれないように誘う。

「プ、プロデューサーさん、あっ♡なに、これ……♡ダメだよ……んんんっ~♡……こんなの甘奈、おかしくなっちゃうよ……」

 お、おかしいよ、こんなの。担当アイドルに、大の大人が17歳のジョシコーセーに向けていいような欲望じゃないよ……♡プロデューサーさんは、甘奈をどうしたいの?これ以上えっちなアイドルになっちゃってもいいの?声を聞いただけで、匂いを嗅いだだけで、撫でられただけで、姿を見ただけで、イッちゃうような、そんな淫乱な女の子が良いの?
 そんな甘奈が、いいの……♡?

 右側のヘッドホンを少しだけ引っ張って、プロデューサーさんが囁く。

「おかしくなっちゃって良いよ。どんな甘奈でも、俺がずっとそばにいるから」

「あっ♡」

 その言葉だけで、甘奈の中にあった不安とか大きすぎる快楽への怖さとか、そういったものが全部消えて、安心感と絶頂し続ける心地よい浮遊感、幸福感だけが甘奈の中に残る。
 あー……そっか、甘奈がどんなになっても、この人だけはずっと一緒にいてくれるんだ。じゃあもう、甘奈が心配することはなんにもないね。甘奈は、この心地よいふわふわに身を任せているだけで、この言葉に耳を傾けているだけで、きっと甘奈はずっと幸せになれるんだ……♡もっと、えっちになっても大丈夫。もっと、プロデューサーさんを求めても大丈夫。どこまで溺れても、貴方が一緒なら。

 プロデューサーさんが甘奈を抱えて、ゆっくりとベッドに押し倒す。きっと甘奈の身体からは人形ほどの抵抗も感じなかっただろう。足もだらしなく開いて、ビクンビクンと絶頂に震えながら、ドロドロにふやけきったアソコがヒクヒクと挿れられるのを待っているだけ。それでもなおプロデューサーさんは執拗だ。音が聞こえず、感覚も曖昧な甘奈のお腹、おへその下の辺り、子宮がある辺りを外からおちんちんでグリグリと撫で付ける。ここまで入るんだぞ、今からお前にコレを挿れて、ここに精液をだすんだぞ、って身体に教えてくる。

「――――」

 挿れるぞ、って言ったのかな。プロデューサーさんのおちんちんが甘奈の中に入って、最奥まで届くその僅かな間に、唐突に理解した。
 あぁ……プロデューサーさんの調教は、全部今日この日のためにあったんだ……。今日ここで、甘奈を堕として、一生離れないようにするためだったんだ。きっと、スケジュールが合わなかったのもプロデューサーさんが意図的にやっていて、彼は獲物が肥えるのを待つ肉食獣のように、甘奈が完全にプロデューサーさんの中毒になるまで、そのタイミングをじっと待っていたんだ。…………そんなに甘奈のこと、好きなんだ……♡♡♡

「ああああああっっっん♡んんっ♡」

 先っぽが甘奈の子宮の入り口にコツンとあたって、ひときわ大きな絶頂が訪れる。そのままグリグリと2,3度先っぽを押し付けて、激しい注挿が始まった。ヒダをこそがれて、自分じゃあ絶対にさわれないところをこれでもかと殴りつけられて、弱いところを削られて、甘奈の理性を削ぎ落として、代わりに愛情と快楽を植え付けてくる。

『甘奈、可愛いよ』
「あっはっ……♡また、またイッちゃう♡それ好き♡好き♡あっん♡」
「――、――――」

 ふと、胡乱な目を開けてプロデューサーさんを見てみると、甘奈に向かってなにか必死に叫んでいるのがわかった。唇の動きを読んで、理解して、きゅんきゅんと子宮と心臓が高鳴る。

『好きだ、好きだ』
「あ、あ、ああぁぁぁぁっ♡プロデューサーさんっ♡プロデューサーさん♡甘奈も、甘奈も♡」
「―――!、―――!」

 それは、奇しくも耳から聞こえて来るのと同じ言葉。何回も言われた言葉だから、その唇の動きを見るだけで、肌で感じる声の震えだけでわかる。甘奈に好きだ、好きだって叫んでる。
 甘奈は今何も聞こえていないんだよ?それはプロデューサーさんもわかっているのに、そんなに叫んでどうするの?そんなに必死に、夢中に、繋ぎ止めようとするように、甘奈に愛をぶつけて。これ以上甘奈を喜ばせて、溶かして、どうするつもりなの?可愛いよ、愛しいよ、甘すぎるよ、プロデューサーさん……♡

『愛してる』
「はっ♡はっ♡はっ♡はぁぁぁぁ♡ズル、プロデューサーさん、それズルだよぉ♡キュンキュンしちゃうよぉぉぉ♡」
「――――」

 無限に降り注がれる甘い言葉から逃げるように横を向くと、見えたのはプロデューサーさんの腕。顔の両脇に、閉じ込めて逃さないとでもいうかのようにプロデューサーさんの両腕があった。そうしてプロデューサーさんに包まれていることを自覚すると、プロデューサーさんと甘奈の匂いが混ざったいやらしすぎる香りが、また一段と濃くなった気がした。
 すぅはぁすぅはぁと激しく動く肺に合わせてそれを胸いっぱいに吸い込むと、脳がぐしゃりと音を立てて溶けていく。興奮で鼻血が出そう。また一段、階段を踏むように、更に海の底へ溺れていくように絶頂した。

『絶対離したくない』
「あっあっ♡ふぅ、はぁぁ♡ふぅ、んっ!?ううんっ♡じゅる、れろ、ちゅぷんちゅ」

 そうして顔をそらして匂いを堪能していると、こっちを向けとお仕置きするかのようにプロデューサーさんが甘奈の唇を奪った。舌が甘奈を蹂躙する。歯の一つ一つを、舌の裏側を、頬の粘膜を、上顎のつるつるしたところを、撫でられ、擦られ、削られて。分泌された甘奈の涎を全て奪われて、ゴクンとプロデューサーさんの胃へ落とし込まれた。

(あ、それいーな……)

 蕩けた本能で甘奈もプロデューサーさんの口へ侵入する。お返しとばかりに舌と舌をくっつけて、歯の裏側を撫でて、舌を強く吸って、頬の裏を舐めあげて。そうして出てきた涎を甘奈とプロデューサーさんの舌でぐるぐると撹拌する。できたものををすべて甘奈の口の中に収めて、味わうように口内で転がしてから、飲む。

(あー、すごい。おいしい……♡)

 本気でそう思った。それが、甘奈にとってはこの世の何よりも甘露な蜜。キスをしたらキスをしただけ、甘奈のアソコからプシャっと潮が吹き出すようだった。精液も、唾液も、プロデューサーさんからもらう全部が美味しく感じるようになっちゃって、甘奈の味覚まで調教されちゃったんだな……ってぼんやりした頭でそんなことを考えていた。

『甘奈が欲しい』
「んじゅる、んちゅ、ふぅ、んじゅれりゅ……っぷはぁ♡ああっ♡んあっ♡気持ちいい!気持ちいい♡すきっ♡すきっ♡」
「俺―、―奈が――だ!」

永遠にも想えるようなキスで、甘奈の感覚が鋭敏になりすぎたのかはわからない。フワフワと宙に浮いているような、ゆらゆらと温かい波に揺られているような。そんな幸福な感覚の中で、プロデューサーさんと触れているところだけ実感があった。挿れられている膣と子宮。くっついているお腹。握られた腕。あとは、目と耳と鼻。プロデューサーさんを感じられるところだけにドクドクと血液が巡って、他のところは存在していないことになった。プロデューサーさんの感触だけが、甘奈に安心をくれる。もっと気持ちよくなっても大丈夫って教えてくれる。彼だけが甘奈をこの世界に縛り付ける鎖だった。

『絶対に離したくないんだ』
「……んへ♡えへへ、えへへへへ……♡あー……♡ ぷろりゅーしゃーしゃん……♡」
「―っと――くれ!―のそばに!」

 聞こえないはずなのに、もう見ただけで何を言っているのかわかる。
 聴覚、嗅覚、視覚、味覚、触覚。甘奈の五感すべてをプロデューサーさんに支配されて、もういっか、って思った。だって、感じるものがすべてプロデューサーさんになっちゃって、プロデューサーさんに染められて、こんなに幸せにされて、もう甘奈はこれ以上ないんじゃないかな、って。だから何も怖がらず、イキ続ける感覚の中、心の底から感じることをプロデューサーさんに伝えながら、更に深いところへと堕ちていったんだ。

「ぷ、ぷろりゅーしゃーしゃんに、あげる♡あまにゃのぜんぶ、あげる♡こころもからだもぜんぶあげりゅから♡だから、あまなに、ぷろりゅーしゃーしゃんのぜんぶを……ちょーらい……?♡」

「っ!!甘奈っ!!」

 ピストンが、激しくなる。プロデューサーさんが叫んでいる。おちんちんがぷくっと膨らんだのがわかる。……あれ、そういえば今日はお薬飲んでたっけ……まぁいっか。こんなに気持ちいいんだし、もしデきちゃってもそれはそれで……♡

「俺なんて全部甘奈にやるからっ!だから甘奈っ!甘奈をっ……!!好きだ、甘奈!!ぐっ……射精る……!」

「えへ、えへ♡しゅき♡ぷろりゅーしゃーしゃんだいしゅき♡あまなと、ずっと、いっしょに……あ、あ、あ、ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ♡♡♡♡♡」

 真っ白で暖かな海に放り出されて、視界がパチパチと明滅して、お腹から幸せが広がって細胞一つ一つが喜んでる。すべてを手放してしまいそうなのに、確かに貴方の存在を感じる。

「…………んふ♡しゅごい、いっぱい出てる……♡」

 ……これだけ射精されちゃったら、一人じゃ収まりきらないかもね。可愛い双子の赤ちゃんとか、良いなぁ……♡

「んぅ……」

 カーテンから薄っすらと漏れる光がまぶしくって目がさめた。
 昨日はあれからもずーっと挿れっぱなしシっぱなしで……何時間くらいシてたのかな。日付が変わってから数時間くらい経ったのは間違いないかも。枕元に備え付けられている時計を見てみるともうすっかりお昼前で、本当に今日がオフで良かったなぁ、って一安心。後で甜花ちゃんにも連絡しなくちゃ。
 ふと横を見ると、プロデューサーさんの顔。甘奈もプロデューサーさんも体力の限界がきて、意識を失うまでセックスしていたから、甘奈と折り重なって倒れるように眠りについていた。まだ起きる気配はないみたい。

(あ……、プロデューサーさんの匂いだ……♡)

 そんなに距離が近かったし、結局シャワーも浴びずに寝ちゃったものだから、ベッドの周りはそれはもうすごいことになっていて……。甘奈からもプロデューサーさんの匂いがするのが嬉しくて、お腹の奥がじゅんとした。

「プロデューサーさん、朝は弱いもんね~……。ふふっ、寝顔かーわい♪」

 そんなふうに一時の幸せに浸っていると。

「んん……あま、な……すき、だ……。おれと……」

 プロデューサーさんが寝息とともにそう、漏らした。

「…………♡」

 ……もー♡ えへへっ♡ プロデューサーさんってば、寝てる時まで甘奈のことしか考えてないのー?♡ そんなんじゃ、甘奈がいないとなーんにも手につかなくなっちゃうよ?♡ でもまぁ、いいのかな。だって、これから未来永劫、甘奈がプロデューサーさんのそばを離れることなんてないんだし♡
 ゾクリ、と震えが走る。甘奈のアソコからはもはや反射的に蜜が溢れ出して、昨日大量に出された精液がゴポリと音を立てて零れるのが聞こえた。
 申し訳程度にかかっている薄手のタオルケットをめくってみると、思ったとおり、昨日あんなにえっちしたにもかかわらずプロデューサーさんのおちんちんは固くそそり立っていた。

「……えへ♡」

 ちゅっと先っぽにご挨拶して、一舐め。それだけで更に硬くなって、先っぽからお汁をだしちゃうんだからプロデューサーさんも大概だよね。寝てる相手を襲うなんて、って考えなくもなかったけど……。まぁ、もう甘奈はプロデューサーさんのモノだし、プロデューサーさんは甘奈のモノだし、それにプロデューサーさんもえっちな甘奈のほうが好きなんだし……♡

「あ、そうだ……」

 ふと思いついて、周囲を見渡す。それはすぐに見つかった。ベッドの隅に乱雑に投げ捨てられた、無線のヘッドホンとプレイヤー。ゾクゾクと震えるからだを抑えながらヘッドホンをかぶって、プレイヤーの再生ボタンを入れた。

『甘奈、好きだ』
「えへ♡えへへっ♡甘奈もすきぃ……♡」

 そのままプロデューサーさんに跨って、おちんちんを挿入。気持ちいいところに当たるように調整……なんてする必要はなくて、挿れるだけで甘奈の良いところ全部に当たる。きっと甘奈の膣がプロデューサーさんの形にあわせて変わったんだなぁって思うと、それだけで興奮してまたイッちゃった。

『甘奈、愛してる』『可愛いよ、大好きだ』
「ああぁぁ~~~っ♡ 気持ち良いよぉ……♡ プロデューサーさぁん♡ あぁん♡」

 そうして好き勝手に往復させていると、ぶびゅりと漏らすように精液を吐き出すプロデューサーさんのおちんちん。それがわかってまたイッて。

(今度、プロデューサーさんの形のおもちゃとかも作ってもらおうかなぁ……。学校やお家でもずっと着けっぱなしにして……そしたら甘奈の膣内がプロデューサーさん専用の形になって……きっともっと気持ちよくなれるよね……♡)

 今日は一日、オフだ。まだまだ時間はある。プロデューサーさんが起きてきたら自販機で簡単にお昼を買って、食べさせ合いっこして、口移しでお水を飲んで、それが済んだらまたえっちして……♡

 溺れていく。ずぶずぶずぶずぶと、幸せという沼に頭の先まで沈められて。甘奈はもうきっと戻れない。あぁ、プロデューサーさんがヘンタイで良かった……♡

 その日、結局甘奈がお家に帰ったのは日がすっかり沈んでからのことだった。

 最近、なーちゃんがちょっと変。プロデューサーさんと、その、お、お付き合い……を始めてから。甜花と……あと、千雪さんもうっすら気づいていると思うけど。
 まず、洗濯物が多くなった。一日一回は絶対洗濯機を回しているし、夜中にこっそり洗濯 に行くこともあるみたい。前までは、なーちゃんが洗濯するとき、甜花のも一緒に洗ってくれることがあったんだけど……最近はそれもあんまりない。まぁ、甜花も下着とかが知らない間に持っていかれて、畳まれて部屋に置かれているのは恥ずかしかったからそれは別に全然良いんだけど……。
 後は、ごはんをいっぱい食べるようになったとか……あ、そうだ、音楽を聞いていることが増えた。事務所で一人のときとか、お家でお部屋にいるときとか、いつ買ったのか甜花にはわからないけど、高そうなヘッドホンでうっとりとした顔で何かを聞いている。前に何聞いてるの?って聞いたことがあったんだけど……

「うーん……なーいしょ☆」

 って言って教えてくれなかった。
 他にも……その、えっと……一人で、シてるときの声が、ちょっとだけおおきい……。姉妹だから、前からうっすらと、本当にうっすらとお互いの性事情はわかっていて。前まではせいぜい1ヶ月に1回位(あ、シたのかな……)ってわかる時があったくらいだったんだけど……。甜花だって、人並み……もしかしたらちょっと多いくらいにはするしね。でも最近のなーちゃんは、多分……1週間に何回もシてる……。夜中にお台所とかに行くとき、お部屋の前を通ると、その……プロデューサーさん、の名前を呼びながらシてることがあって……。甜花も恥ずかしくなってすぐに通り過ぎちゃう。あんなにシてて、疲れたり、眠くなったりしないのかな……?でも、最近のなーちゃんはなんかいっつもつやつやきらきらしてるし……。
 あ、そうそう。後は、帰りが遅くなることとか、お泊りすることが増えた。プロデューサーさんとの打ち合わせ、とか友達とお勉強会、とか。ママは「若いわね~~……」って言ってなんか納得してるみたいだったけど……。
 あと、わかりやすいのはおトイレに行く回数。女の子の日でもないのに、やたらとお手洗いに行く回数が多くなった。大体タイミングもいっしょで、さっき言ったヘッドホンで音楽を聞いた後とか、後はプロデューサーさんと話した後とか……?
 あ、今だって、プロデューサーさんが打ち合わせって言って、なーちゃんに近づいていって……。

「――――――」
「~~~っ♡ …………♡♡♡」

 こういうときのなーちゃんは、すごいうっとりとした……甜花から見ても、すっごく可愛い女の子の顔をしてそれで……あ、ほら、やっぱりお手洗いだって。

「て、甜花ちゃん?今日も甘奈、ちょっと新曲のことで確認したいことがあるから、事務所に残るね。夕ご飯までには帰るから……」
「う、うん……。わかった……」

 そういってそそくさとおトイレに駆け込むなーちゃん。
 どうしたんだろう?千雪さんもなんだか隣で顔を赤くしてるみたいだし……?まぁ、なーちゃんがすっごく幸せそうだから、別にいっか。お昼寝しよう……。

以上です。
お目汚し失礼しました。
ss速報の方に上げるのが初めてなので何かマナー違反とかありましたらすいません......

htlm化依頼してきます


新曲よかったよね

おつおつ
非常に素晴らしい

読みづらい

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