春香「プロデューサーさんに告白されちゃった」 (47)


「ど、どどどどうしよ……」

一人の少女が

大好きな人からの告白をされて

事務所で一人感極まっていました

「う、嬉しい、嬉しいけど、でも……」

少女――天海春香はアイドル

それもかなり有名なアイドル

だからそう簡単にイエスとは言えません

でも、ノーとは言えません

だって、彼女は彼が好きだったからです

そんな時でした

「かっかー」

どこからともなく

小さな小さな女の子にも見える子が出てきました

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400332932

ほう

期待

期待


「え?」

「はるかっか!」

春香はその女の子に気づき

女の子も春香に気づき鳴き声を上げました

春香の見た目に似ている女の子

しかし、春香に姉も妹もいません

そして、春香はこんな女の子を知りません

でも

「はるかっかー」

「な、なに?」

女の子は春香を知っているようです


そして

女の子は柔かな笑みを浮かべながら

春香へと近づいて来たのです

「え、えっと……どうしたの?」

「はるかっか」

「はるかっか?」

女の子は春香の目の前でちょこんっと座り込み

「ヴぁい」

女の子は一転

少し悲しげに鳴いたのです

そして――


――――――――


―――――


―――


「ヴぁ~い」

事務所で小さな女の子が月を見上げていました

たった一人

そしてなによりも悲しそうな瞳で

そこに、さっきまでいた天海春香というアイドルの存在はありませんでした

姿も、形も、影も

なにもありませんでした

「ヴぁい……」

女の子の鳴き声は

まるで別れの言葉のようにも聞こえます

しかしそれを聞く人は誰も……いませんでした

え?


翌朝、事務所に来たのはプロデューサーでした

「……ふぅ」

昨日何かがあったのか

プロデューサーは寝不足なようです

事務所に入るやいなや

自分の机に突っ伏してしまいました

「は……」

………

………………

プロデューサーは何かを言おうとしたようですが

言おうとした言葉が思い出せないようで

困ったように携帯を見つめました

喰ったのか…

なにそれこわい

カービィかな?


「……忘れちゃいけないことを忘れようとしている気がする」

プロデューサーはそんな不可解なことを呟き

携帯をしまって自分の手帳を取り出しました

自分だけでなく

担当するアイドル達のスケジュールまで書いてあって

それはもう真っ黒といっても良いはずでした

しかし

「……あれ?」

スケジュールに違和感はないはずなのですが

プロデューサーは違和感があるようです

「かっかー」

そんなプロデューサーの元に

小さな女の子が現れました


「なんだ?」

「はるかっかー」

「はるかっか?」

女の子の不思議な言葉

プロデューサーがなんとなく繰り返すと

女の子は嬉しそうに微笑みます

「どうかしたのか?」

「かっかー!」

「ん?」

「かっかー!」

女の子はまだ人の言葉を話せないようで

その鳴き声のようなものしか口にしません

困ったプロデューサーは

女の子を優しく抱きかかえると

自分の膝の上に降ろしました


「どこから来たんだ?」

「かっか」

「ん~……」

プロデューサーさんはこんな女の子を知らず

かといってここはおんおこが簡単に来れる場所ではなく

だからアイドルまたは事務員または社長の中のだれかの知り合いしかありえません

しかし

いま事務所にいるのはプロデューサーだけでした

こんな女の子をp放っておいて外出するほど

無責任な子はいないはず

プロデューサーはそこで一人のアイドルを思い浮かべたが

ソファで寝ることはあっても

おいて外出はない。とすぐに首を振った

誤字りすぎぃ…


>>15訂正


「どこから来たんだ?」

「かっか」

「ん~……」

プロデューサーはこんな女の子を知らず

かといってここは女の子が簡単に来れる場所ではなく

だからアイドルまたは事務員または社長の中のだれかの知り合いしかありえません

しかし

いま事務所にいるのはプロデューサーだけでした

こんな女の子を放っておいて外出するほど

無責任な子はいないはず

プロデューサーはそこで一人のアイドルを思い浮かべたが

ソファで寝ることはあっても

おいて外出はない。とすぐに首を振った


「お前、誰かに似てるよな……」

「ヴぁい」

「ん?」

プロデューサーの言葉に

女の子はあからさまに嫌悪感のある声を漏らす

似ているというのが嫌なのか

その似ている何かの存在が嫌なのか

プロデューサーには解りませんでした

だって、似ているとは言いましたが

プロデューサーはその似ている相手を

思い出すことが出来なかったからです

「…………………」

「…………………」

「……かっかー」

女の子は小さく鳴くと

プロデューサーの手をもにゅもにゅと甘噛みしだしました

激おんおこ


「すごいな……色々と」

小さい女の子が手を丸々と飲み込んでいるという状況に

流石のプロデューサーも唖然としていましたが

「ん?」

「…………?」

不意にその表情が険しくなりました

女の子に飲み込まれた左手

そこに何かが触れたのです

体の内部のものではと警戒しながらも

ゆっくりと引き抜くと

それは

どこかで見たことある赤いリボンでした


「お前……こんなの食べちゃダメだろ」

「ヴぁい」

「睨んでもダメなものはダメだ」

女の子はそれを取り返そうと飛び跳ねましたが

プロデューサーは軽々しく躱し

席を立ち

高く高くリボンを掲げました

女の子に対して

大人一人分の身長+腕の長さ

これはどう頑張っても届かないと考えたのでしょう

「ヴぁ~い……」

女の子も悲しそうに声を漏らしました


「これ、どこから取ったんだ?」

「………………」

「……って聞いても理解できないんだよな」

プロデューサーはそう言って苦笑すると

小さな小さな女の子を見つめました

「おまえがちゃんとした言葉を話せたらな……」

両親

もしくは知り合いのことがわかるのに。と

プロデューサーは呟いたのです

女の子は少しだけ首を傾げると

「かっかー」

また、可愛らしい鳴き声をあげるだけでした


もうしばらくすると

また一人事務所へとやってきました

「おはようございます、プロデューサーさん」

「あぁ、おはようございます小鳥さん」

プロデューサー達がいるこの765プロ

ここの事務仕事の要である音無小鳥でした

プロデューサーは早速女の子について訊ねてみたのですが

「ごめんなさい、私にも解りませんね……」

残念ながら、小鳥さんでも知らない様子

事務の要であり

事務所にいない日はない小鳥さん

彼女が知らなければ誰も知らないんじゃないかとため息をつくプロデューサー

その足元で

小さな女の子は嬉しそうに笑っていました

怖い怖い怖い

sage忘れすみません


アイドル達はみんな売れっ子で

あまり事務所に顔を出すことはありませんが

プロデューサーは念のため女の子の写真を撮り

メールでアイドル達に送ってみましたが

知っている人は居らず

警察の方にも捜索願で問い合わせてみたのですが

該当するものは誰ひとりとしてありませんでした

「……どうする?」

「かっか!」

女の子はプロデューサーの腕の中で無邪気に鳴くと

優しい笑みを浮かべました

「まったく……お前のために歩き回ってるんだからな~?」

そう悪態を付きながらも

プロデューサーは女の子の笑顔に癒され

事務所の近くだけでなく

少し離れたところの保育園や幼稚園などに向かいましたが

この小さな女の子を知る人物は――見つかりませんでした


数時間後の夜の事務所

「本当に俺の所で良いのか?」

「仕方ありませんよ。プロデューサーから離れようとしないんですから」

と、少し不安そうに言うのは

765プロ所属、竜宮小町のプロデューサー秋月律子

最初は彼女の家に連れ帰る予定でしたが

女の子がそれを断り

プロデューサーにくっついたままなため

仕方がなく、それを許可した……というのがここまでの流れである

「でも……本当に誰の子なんでしょう?」

「それがわかれば苦労しないんですけどね……」

「ネットで画像検索も試みたんですけど、該当は0みたいでもうお手上げです」

小鳥さんはそう言いながら

パソコンをシャットダウンし、立ち上がりました


「とりあえず今日は解散しましょう」

「そうですねー……もしかしたら捜索願が出るかもしれませんし」

この時点でそれが出ていないこと

3人はそれにかなりの不安を抱いていました

それは【捨て子ではないのか?】というものです

しかし、小さな女の子がいる手前

そんなことは口にはできませんでした

3人は絶望的な考えに蓋をして

アイドルや社長の手も借りて

数日もの間探しましたが

結局……女の子の関係者ですら見つけることはできませんでした


そしてある日

プロデューサーはある夢を見ました

赤いリボンがトレードマークで

夜の事務所で2人きりで

何かの大成功の祝いの名残を残したまま

プロデューサーは言いました

【――――】が好きだ。と

女の子は涙を流し

嬉しそうにはにかみながら

でも、アイドルのことがあるから考えさせて欲しい

そう言いました

プロデューサーの夢はそこで終わり

目を覚ました時

プロデューサーは自分が泣いていることに気がつきました


プロデューサーは自分がなぜ泣いているのか

理解ができませんでした

そして自分があんな夢を見た理由も解りませんでした

プロデューサーの記憶の中には

そんな女の子は存在していないからです

「ヴぁい」

そんなプロデューサーを

小さな女の子は悲しそうに見つめていました

「どうかしたのか?」

「ヴぁ~い……」

残念そうに、悲しそうに

小さな女の子は鳴き声を上げると

ベッドに横になっていたプロデューサーの膝上に飛び乗りました


「ん?」

小さな女の子の口から

赤い何かがはみ出ていて

それを引っ張ると

出てきたのはいつぞやのと同じ赤いリボンでした

「また食べたのか? でも、俺の家にこんなのは……」

「ヴぁい」

困惑するプロデューサーの目の前で

小さな女の子は悲しそうに笑うと

口を動かしました

「――プロデューサーさんがいけないんですよ」

どこかで聞いた声

でも、思い出すことはできませんでした

しかしそれよりもまず、女の子が普通にしゃべれたこと

その事実に、プロデューサーさんは言葉を失ってしまったのです

怖い怖い怖い怖い


「――プロデューサーさんが天海春香を好きになるから」

「……な、何言って」

「――だから、天海春香は消えたんですよ?」

女の子の口から飛び出す天海春香という人名

プロデューサーの記憶のどこかに

それが引っかかり

消えかけていた何かが再び記憶にまぎれ、思考に紛れ

口から漏れ出しました

「は……はる……春香……」

「………………」

女の子はプロデューサーがその女の子の記憶を取り戻したことを感じ取って

瞳を潤ませ、悲しそうに鳴き声をあげました

そして――――

なんと

そこには


ある日の765プロダクション事務所

そこには珍しくアイドルたちが全員集まっていて

そして……社長の大きな声が響きました

「みんな、喜んでくれたまえ!」

「これから撮影があるから早くして欲しいの」

「ボクは雪歩とレッスンが……」

「自分も撮影があるぞ」

「わたくしも仕事が……」

社長の嬉しそうな声に反して

急いで欲しいアイドルたち

その姿に社長は肩を落としつつも

「では、入ってきてくれたまえ」

そう声をかけて、一人の男の人を事務所へと入れたのです


「だれなの?」

「んっふっふーもしかしてプロデューサー?」

「えーっそうなんですかー!?」

中学生組の喜びの声に

社長は嬉しそうに笑って言いました

「律子君、今まで11人すべてを任せてしまって申し訳なかったね」

「え、じゃぁ……」

「そうとも、ついに我が765プロに新しいプロデューサーの誕生だ!」

社長の言葉に

不安と期待を織り交ぜたアイドルたちの声が飛び跳ねる

………………

…………………

………………………誰も

誰も、違和感には気づかない

違う

気づかない違和感はもはや違和感ではなく

元々そうであったかのように、現在と未来だけでなく過去をも変える

「かっかー」

どこかで小さな女の子が鳴く

それは誰かに似た小さな小さな女の子

でも、その似た誰かを誰も知らない

そして、その小さな女の子が存在したということも――……誰も知らない


終わりです


これまた3パターンのうちの1つですが
また長編になりそうなので捻じ曲げて世にも奇妙な物語風に仕上げました

ちょっと物悲しい雰囲気があったな……

子供の頃、仲良くしてた化物の事を大人になるにつれて忘れていき大人になった時に再会したがすっかりその化物の事は忘れてしまっててみたいな



怖いわ



ほんと多才だなあんたは
どんなジャンルのどんな書き方でもできるよな
すげーよ

春香にお母さん役を頼んで断られたスレの続きかと思ったら
とんでもスレだった

うむ
わけわからん
これと世にも奇妙な物語が結びつかん

うん…うん?

春香がプロデュサーになったってこと?

春香もプロデューサーも消えてリセットされたんだろ

国語の授業を受け直してこいよ

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