春香「ドルピック島でバカンス、ですか?」 (220)

1月中旬、事務所

春香(突然のプロデューサーさんからの発表に、みんな騒然としました)

アイドル達「バカンス!?」

P「ああ。社長の知り合いのツテで団体のチケットを譲ってもらったそうなんだ。年明けの多忙な時期も終わったし、みんなで少し羽を休ませてこいってさ」

春香「ドルピック島って、最近日本からの直通便ができたっていう観光地のですよね?」

千早「最近ニュースでやってたわね。独特の自然や文化がある常夏の島だとか」

真美「常夏だってよ、亜美! 海とか行きたいね」

亜美「今冬だもんね! 暑い夏は恋しーよ!」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457491605

小鳥「あ、ネットに写真付きのページがあるわよ。観光協会のサイトね」

やよい「うっうー! 明るくて楽しそうですー!」

伊織「サンゴ礁に火山に…ハワイに似てるけど、ここには私も行ったことないわね……」

響「南国か、いいなあ! 沖縄よりあったかいのかな?」

貴音「そのどるぴっく島?にらーめん屋はあるのですか?」

美希「ミキはビーチでお昼寝とかしたいの」

真「ボクはやっぱりダイビングとかしたいなあ」

雪歩「わ、私はきれいな景色とかいっぱい見たいな」

 ワイワイガヤガヤ!ヤフー!ワッハー!

律子「ちょ、ちょっと待ってください。確かに忙しい時期は過ぎましたけど、仕事はありますよね。海外旅行なんてしてる暇あるんですか?」

高木「その心配はないよ、律子君。ホワイトボードを見たまえ」

律子「社長、いつのまに!? 予定表ですか……わあすごい、この先3週間の予定が真っ白、素敵〜……な訳ないでしょう!! なんでこんなことになってるんですか!」

高木「はっはっは」

律子「笑ってる場合ですか!」

高木「問題ないよ君ィ。チケットが手に入った時から少しずつ調整しておいたのさ。安心して行っておいで。事務所には私が残るからね」

律子「でも……」

P「せっかくの機会だぞ? それに一番頑張ってたのは律子じゃないか。竜宮小町の引率に、事務作業やらなにやら」

亜美「そうだよ! 律っちゃんこそ休むべきだって、いおりんもそう思うでしょ?」

伊織「そうね。あんたに倒れられちゃたまらないわ」

あずさ「律子さん、たまにはゆっくりみんなで遊びましょう?」

律子「あなたたち……わかったわ。お言葉に甘えて、少し休みをいただきますね」

亜美「そー来なくっちゃ!」

 ミテミテリッチャン、パイナップルガメイサンナンダッテ!

 ナンデソレヲワタシニイウノ…?

春香(律子さんたちの方もまとまったみたい。それにしても南国かあ、想像つかないなあ……)

小鳥「シーフードに、お酒もあるの! おばけスイカワインっておいしいのかしら」

春香「あの、小鳥さん」

小鳥「ぴっへっへ……あっ、どうしたの春香ちゃん?」

春香「私もホームページ見ていいですか?」

小鳥「ええ、いいわよ。ほら、この『シレナビーチ』の夕日なんてとっても綺麗よ」

春香「わあ! ほんとに……ロマンチック」

春香(この夕日をプロデューサーさんと二人で、なんて……きゃー!)

 ハルカ、ナニミテルノ?

 ミキ!? イヤ、ユウヒガキレイダナッテ

 ナンダカアヤシイノ…

 ソンナコトナイッテバ!



 ワイワイ…ガヤガヤ…

P「――と、だいたい必要なことは伝えたな。出発は来週の水曜日だ。みんな体調を壊さないように!」

アイドル達「はーい!!」

春香(こうして、私たちは楽しい楽しいバカンスに行くつもりで大いに浮かれ)

春香(この時は誰も、この先に起こる事件など知るよしもなかったのです……)

出発当日、飛行機内

アイドル達「Zzz…」

小鳥「うふふ、離陸のときはあんなに騒がしかったのに」

P「もうみんな寝ちゃったみたいですね」

P(亜美真美なんて目の下にクマ作ってたし、楽しみで昨日は寝られなかったんだろう。もちろん俺も楽しみだ。海外旅行なんて学生の時以来だし)

P(あのときはこんなに立派な飛行機には乗れなかったけどな。しかも俺たちで貸し切りとは……社長のツテっていうのもすごいな)

小鳥「あ! プロデューサーさん、前のテレビを見てください!」

 ピロリロリン、ピロリロリン

TV「太陽の楽園 ドルピック島にようこそ!」

P(ドルピック島のビデオか。ドルピックタウンのオブジェ『太陽の像』の前で『モンテ族』の人たちが踊っている)

TV「島民一同、皆様をお迎えできることを大変うれしく思います」

TV「太古の火山活動によって刻まれた豊かな自然と、リゾート施設にテーマパーク」

TV「そして新鮮なシーフードをお楽しみください」


小鳥「シーフード……!!」


TV「地上最高のおもてなしで皆様を歓迎いたします」

TV「ごゆっくりお過ごしください!」



P(……!?)



P(今確かに、踊っているモンテ族の人たちの後ろに走る人影が……)

P(あれは、いやまさか……)

P「春香……?!」

P「いやでも、春香は隣の席で寝てるし……」

春香「Zzz……ぷろりゅーさーさぁん、ゆうひですよ、ゆうひ…えへへ…」

P「かわいい」

P「じゃなくて、小鳥さん、今の……」

小鳥「ぴへへ……シーフード……!」

P「……はぁ」

P(まあ、なにかの見間違いだろう。鳥とか、動物とか、配管工とか、そういう感じのよくある見間違いだ)

P(もうすぐ到着、か……)

ヒュウウウ……ガッターン!!

春香「Zzz…きゃあっ!?」

P「なんだ!? 着陸に失敗したのか!?」

春香(大きな音と激しい揺れで目が覚めました。プロデューサーさんが隣の席で驚いています)

キキーッ……

春香(曲がるようにスピードを落として飛行機が止まるのを感じました……。いったい何ごと?)

律子「何があったんですか!?」

P「いや、俺にもさっぱり……着陸で揺れただけか?」

律子「それにしては異常な音でしたよ!?」

伊織「飛行機は…止まったのね。ならパイロットを問い詰めてくるわ! あんなキケンな運転で! 誰もケガしてないみたいだからよかったけど!」

春香(伊織ちゃんが座席から飛び降り、前の方に走っていきます。プロデューサーさんも慌てて立ち上がり追いかけています)

春香(私は…恥ずかしいことに腰が抜けて立てません…)

小鳥「ぴへへ……」

律子「ちょっと小鳥さん、しっかりしてください。ほかのみんなは大丈夫?」

春香「えへへ……腰が抜けちゃいました」

やよい「わ、わたしもです……」

真「ボクは問題ないけど、雪歩が気を失っちゃったみたい」

雪歩「きゅう……」

響「貴音も似たような感じだぞ……」

貴音「面妖な…面妖な…」

美希「ん……ふああ……? なにごとなの……?」

真美「ミキミキは平常運転だね」

亜美「亜美的にはスリリングで楽しかったケド」

あずさ「びっくりしたわ……あ、大丈夫よ」

千早「私も大丈夫です……くっ(あずささんの、すごい揺れてたわ……)」

P「話を聞いてきたぞ。エアポートがまともに着陸できる状態じゃなかったみたいだ」

伊織「だとしてもあれはほぼ不時着みたいなもんじゃないの。まったくもう!」

春香「まともな状態じゃないって……どういうことですか?」

P「見た方が早いと思う……とりあえずみんな一旦降りよう。落ち着いて、な」

律子「動けない人は無理に動かなくていいわ。真は雪歩を、響は貴音を見ててあげて」

真・響「了解!」

律子「春香とやよい、あんたたちも無理しないで待ってていいからね」

春香「いや、私もう大丈夫ですから! ほら、こんなに元気……うわっ!」

 ドンガラガッシャーン

P「おいおい……大丈夫か、春香?」

春香「は、はい。ありがとうございます、プロデューサーさん……」

伊織「まあ、あれだけ派手にこけられるなら大丈夫そうね。やよいはどう?」

やよい「えへへ……まだちょっと立てないかなーって。ごめんね伊織ちゃん」

伊織「かわいい」

伊織「じゃなくて、やよいが謝る必要ないのよ。ぜんぶあのパイロットが悪いんだから」

やよい「で、でも全員けががなくてよかったですー! これもパイロットさんが頑張ってくれたおかげかなーって!」

全員(やよいはいい子だなあ)

伊織「私もやよいと一緒に飛行機に残ってるわ。他のみんなで誰か人を呼んでちょうだい」

P「よし。じゃあその6人以外で外に出よう。俺も状況をよく把握したい」


エアポート

春香「わあ、いい天気……」

律子「空を見上げてる場合じゃないわ。あっちに建物があるわね。誰かいるかしら」

亜美「律っちゃん! この汚いペンキみたいなの、なに!?」

真美「う……動いてるよ、これー!!」

P「こらこら、近づくなよ、二人とも!」

春香「……えっ、なにこれ!」

春香(空を見ていて気づきませんでした。滑走路のど真ん中がクレーターのようにへこんでいて、毒々しい色のペンキのような何かが溜まっています)

春香(そしてそれは、真美たちの言う通りもぞもぞと動いていました)

千早「……?」

春香「千早ちゃん? 遠くのほうを見つめてどうしたの?」

千早「……見間違いかしら。あそこの給水タンクの上に人影が見えたのよ」

春香「人影……? そんなのいないよ?」

千早「え? あ、あれ、さっきは確かに……」

律子「とにかく、この暑さではみんなの体調も心配です」

P「そうだな。俺が向こう側に行って助けを呼んでくる」

春香「プロデューサーさん、私も行きます!」

P「ダメだ。お前たちはこっちにいて俺が戻ってくるまで待っててくれ」

春香「そんな……」

P「アイドルを危険な目には合わせられない。なんだかあのドロドロから嫌な予感を感じるんだ……」

律子「気を付けてくださいね、プロデューサー殿」

P「ああ、わかってる」

春香(確かに私もあのペンキからは妙な気配を感じます。でも、だからこそ、プロデューサーさんを一人で行かせたくなかったのに……)


P「ペンキに触れないように進みたいな……」

P「こう、外周をそーっと……」

 モゾモゾ

P「?」

P「なんだ、嫌な予感が」

 ズルズルズルッ!

ドロドロパックン「ギャアアアアオオオ」

P「な、なんだこいつ!?」

春香「プロデューサーさん!?」

律子「化け物……!? プロデューサー殿! 逃げてください!」

P「あ、ああ!!」

 ダダダダダッ

P「はあ、はあ、はあ……! なんだあいつは……」

美希「ハニー! 大丈夫なの? ケガしてない?」

真美「さっきまで眠そうにしてたミキミキがしゃきっとした……」

亜美「兄ちゃんのピンチだったかんね」

律子「のんき言ってる場合じゃないわ。あれが何なのかわからないけど、このままじゃ向こう岸にいけない」

春香「あーびっくりした……。あれ何なんだろう……千早ちゃん?」

千早「……」

春香「どうしたの? また人影?」

千早「いや、そうじゃないわ。あれの動きを観察してるの。なにか法則性がないかって」

春香「よくやるね……私は見たくもないんだけど」

千早「そう? けっこうかわいいじゃない?」

春香「えっ」

千早「えっ」

千早「まあ、いいわ。どうやらあの生き物、動いているものに反応してる。鳥が近くを通った時にそっちに顔を向けて威嚇してたから」

春香(顔? どこが顔?)

千早「二手に分かれて近づいて、片方が気をそらすことができれば……」

春香「……もう一人が向こう岸に行ける?」

千早「ただ、誰がそれをやるか……」

春香「私、やるよ! プロデューサーさんに言ってくる」

千早「え、ちょっと、春香ー?」

春香「っていう感じなんですけど」

P「その作戦しかないか……長居したくないしな」

律子「……プロデューサー殿と私、でやりますか?」

春香「いいえ、私とプロデューサーさんでやります。だって律子さん、さっきから足が震えてますよ」

P「(律子も怖かったのか……)俺と春香で行くから、律子は待機しててくれ」

律子「う……はい」

春香「私がおとりになるのでいいですか?」

P「走って横を抜ける役よりは安全か? あまり近づきすぎないようにな。危険を感じたらすぐ逃げろよ」

春香「はい!」

P「気を付けて進むぞ」

春香「ヴぁい!」

春香(化け物の大きな口がゆらゆらと動いています。怖い、けど……)

ドロドロパックン「……」

春香「こっち、こっちに春香さんがいますよー! ほらほら!」

P「……(そーっと、そーっと)」

ドロドロパックン「……」ジーッ

春香「ヘイヘーイ!」

P「……」

ドロドロパックン「……」

 クルッ

ドロドロパックン「……ギャアアアオオ !!!」

P「なっ!?」

春香「プロデューサーさんの方に!?」

P「いや、チャンスだ春香! 俺がおとりになる! 走るんだ!」

春香「は、はい!」

 ダダダダダッ

春香「はあ、はあ……。……誰もいない?」

春香(何とか渡り切ったのに、誰もいません。これじゃあせっかく来た意味が……)

P「う、うおお!?」

春香「プロデューサーさん!?」

春香(振り返ると、プロデューサーさんがドロドロの中でもがいていました。しかも、すこしずつ沈んでいっているように見えます)

春香「プロデューサーさん、プロデューサーさん!!」

P「春、香……!」

 ズボッ

春香「プロデューサー……さん?」

春香(ドロドロに飲み込まれ、プロデューサーさんは、見えなくなってしまいました)

春香「私が、私がうまくおとりにならなかったから……」

春香「落ち込んでる場合じゃない……そうだ、早く助けないと!」

春香(ドロドロに沈んでいったなら、キレイにすれば助かるはずです)

春香「キレイにする、キレイに……水。水をかければ!」

春香「海水? バケツがない! 給水タンクから水は出てるけど……ここからじゃ届かないよ……」

春香「『ポンプ』みたいなものがあれば……うぅ……」

???「お呼びデスか?」

春香「えっ?」

春香(声がした方向を向くと、小さな黄色い機械がこちらを向いて(?)いました)

春香「あなた……今、喋った?」

???「ハイ」

春香(間違いありません。この黄色い機械くん(?)が発した声でした。あんな化け物を見た以上、いまさら離す機械程度で驚きませんけど)

 ウィーンガシャガシャ

???「起動終了しました」

???「このたびは『オヤ・マーサイエンス社』の商品をお買い上げいただき、まことにありがとうございマス」

???「ユーザー登録をいたしマス」

???「ただいまオキャクサマの情報を検索しておりマス……」

春香「え、えーと……」

???「ニッポン、765プロダクションの天海春香さまデスね。登録終了いたしました」

???「わたくしは『ポンプ』と申しマス」

ポンプ「どうぞヨロシクお願いいたしマス」

ポンプ「はい、そうデス。ベルトをしっかりお締めください」

春香(ポンプくんに促されるまま、彼(?)を背負います)

春香「これでいい、のかな?」

春香(思っていたよりもポンプくんは軽く、これなら着けていても違和感を感じません。なぜだかしっくりくる感じがしました)

ポンプ「完璧デス。それでは操作の説明をいたしマス」

ポンプ「Rボタンでわたくしの『タンク』から水を発射しマス。Rボタンを強く押し込むと、立ち止まって『構え』マス。スティックで好きな方向に水をかけられマス。Xボタンでホバーに切り替え。Rボタンで少しの間宙に浮くことができマス。『タンク』に水がないときはなにもできません。そんなときは水のあるところに行って、Rボタンで補給してください。さあ! 行ってみましょう!」

春香「のヮの」ポカーン

ポンプ「……」

ポンプ「わたくしの話もういちどお聞きになりマスか?」

春香「→はい
    いいえ」

一旦ここまで。さすがに書き溜めなしはきつかった

続きゆっくりと書いていくよ

青コイン探してて書き溜める時間なかったよ

マーレの入り江はもう嫌だよあと一枚どこだよ

ポンプ「――さあ! 行ってみましょう! (二回目)」

春香「うん!」

春香(二回も説明を聞いても、なぜか時間はたっていないようでした。不思議ですね(棒)。しっかりと給水をして化け物と対峙します。プロデューサーさんの姿は、見えません……)

ドロドロパックン「グルルル……」

春香「う……怖い……」

ポンプ「ドロドロに気を付けてください! ポンプを使うのデス!」

春香「ようし、狙いを定めて……放水! えいっ!」

 バシャバシャ!

ドロドロパックン「グルル?」

春香「あれ? 効いてない?」

ポンプ「汚れがどんどん下から湧き出してきているようデスね……。どこかに弱点があるはずデス」

春香「そんなの探してる暇なんてないよ! 適当に放水! えいえい!」

 バシャバシャ、バシャバシャバシャッ!

ドロドロパックン「! ギャアアアアア!」

春香「やった、効いてる!」

ポンプ「どうやら口の中が弱点のようデス!」

春香「よーし、こうなったら一気に食らえええっ!」

 バシャシャーッ!

ドロドロパックン「ギャアアアオオ! ギャアアァァ……!」

 プシュー……

春香(化け物はひとしきりもがくと、ドロドロの塊とともに消えていきました……)

春香「……やっつけた?」

ポンプ「やりましたね!」

 ゴゴゴゴゴ……!

春香「あっ、へこんでた地面が!」

春香(ドロドロが消えると、へこんでいた地面が平らに戻っていきます。そして……)

P「げほげほっ……何がどうなったんだ?」

春香「プロデューサーさん、大丈夫ですか!?」

P「春香! 大丈夫だ。服は汚れちまったけどな……」

春香「よかったあ……」

P「あの化け物はどうなったんだ?」

春香「聞いて驚かないでくださいよ? 私がやっつけちゃいました!」

P「春香が? 嘘だあ」

春香「ほんとですって!」

美希「ハニーっ! 大丈夫!?」ギュー

P「うおっ! 美希か。大丈夫だぞ、平気だぞー。でも今俺汚いから離れような?」

美希「ハニーなら気にならないの!」

律子「はあ、はあ……。プロデューサーが沈んでから美希を押さえつけるのに苦労しました。この子ったら危ないのに走っていこうとするんだもの」

美希「そんなこと言って、律子……さんだって悲鳴あげてたの」

律子「うっ……まあ心配したことは否定しません。無事でよかったです」

真美「ねえ、兄ちゃんは?」ムニュ

亜美「もう化け物いない?」ムニュ

あずさ「大丈夫よ、いないわよ~。ほら顔あげて、二人とも」ボヨン

千早「くっ。……一時はどうなることかと思いましたよ、プロデューサーさん」

P「すまなかったな、お前たち。春香もご苦労さまだな。お前がいなければどうなっていたか……」

春香「え、あ、えへへ……。いやあ、それほどでも……」

真美「……あ! 見て見てみんな! 化け物がいたとこからなんかでてきたよ!」

亜美「ドロドロからピカピカがでてきた!」

P「本当だ、まぶしい……。あれは何だ? 悪いものじゃなさそうだが」

春香(そこにはまるで太陽のように輝く物体が浮いていました。プロデューサーさんの言う通り、むしろとても良いもののような、暖かい雰囲気を感じました)

美希「すっごいキラキラしてるの……」

 キラキラ……

春香「わ、まぶしい。太陽みたい……触れるかな?」

千早「熱くないの?」

春香「うん、あったかいけど……えい!」

 チャラチャッチャンチャーチャチャラララーン、ジャン!!

春香「わっはー!!」

 SHINE GET!



P「どうした春香、急に踊って」

春香「なんだか体が勝手に」






律子「おかしな機械ね? ポンプの一種かしら」

ポンプ「お初にお目にかかりマス」

真美「あ、誰か来るよ?」

亜美「ケーサツの人かな? おっかない顔してるYO!」

警察モンテs「「……」」

P「お、やっと警察が来たか。事情聴取は俺が……」

警察「いえ、それよりも重要な仕事がありますので」

P「は?」

警察「容疑者、確保!」

 カチャン!

春香「……え?」

春香(警察の人は、私の手を強く引っ張ると、そのまま手錠をかけました。え……手錠? なんで?)

P「おい! なんで手錠なんか……!」

警察「連れていけ!」

警察2「はっ!」

P「おい待て! どういうことだ!」

春香「え? え?」




春香「……なに、これ?」

ドルピックタウン裁判所

裁判長モンテ「これより開廷!」

P「……」

アイドル達「……」

春香「……」ソワソワ

春香(手錠をかけられてからは頭が真っ白の状態で、気が付けば裁判所と思しき場所にいました。プロデューサーさんが弁護人席に座っています。他のみんなも傍聴席で真剣な顔をしています。私がいるのは……被告人席です)

検事モンテ「ご存知の通り、この『ドルピック島』において何者かがペンキのようなものでラクガキするという事件が起きています」

検事「ヒガイは島全体におよび、島民の生活に深刻な影響を与えています」

検事「特にこのドルピックタウンでは昼間であるにもかかわらず、あたかも薄闇のような現象が起き、住人は動揺しております」

検事「太陽学者の話では、私たちの守りの力『シャイン』が、そのよりどころである『太陽の門』から急速に失われたからであると申しております」

検事「シャインが失われた原因として挙げられたのが、今回のラクガキ事件……」

春香(そんなに大変なことが起きていたなんて……。でも、それと私にいったい何の関係が?)

検事「ごらんください。これがモクゲキシャの証言をもとに作った似顔絵です」


      ,────ヽ
      ∞      ∞ )
     / 凵凵凵凵 .| /

     | | の  の | | |
     ノ (  ワ   レ′し
     ̄/| ̄ ̄ ̄ ̄\ ̄

     / .|      |) )
     し|      ε/
      .|      |
    | /⌒ヽ .|



春香「」

検事「まさにこの春香被告そのもの」

検事「彼女の犯行であることは、明らかです」

P「異議あり!」

春香(プロデューサーさん!)

P「春香は今さっきこの島に来たんだ。ラクガキなんてできるわけないだろう!」

春香(プロデューサーさん、頑張って!)

検事「ならばこの似顔絵はどういうことですか? このリボンは間違いなく被告の特徴を指し示しています」

P「ぐぅっ……! 確かに……!」

春香(えぇ……)

裁判長「証拠を否定できない以上、異議は却下」

裁判長「被告は有罪! 被告にこの島をキレイにすることを命じる」

裁判長「すべてキレイにするまでこの島を出てはならない」

 ガンガン!

裁判長「閉廷!」

春香(こうして、納得のいかないまま、私は冤罪を着せられてしまったのでした……)

牢屋

春香「私……何もしてないのに……」ショボン

ポンプ「とんだ災難デスね、春香さん」

ポンプ「わたくしが調査したところ、この島の人たちがラクガキで困っているのは、本当のようデス」

ポンプ「ただ、汚いから困っているワケではないようデス」

ポンプ「春香さん、飛行場でこんなものを見ましたね」

http://imgur.com/4AbdEk3

春香「……うん」

ポンプ「あれは『シャイン』といってこの島のパワーの源デス」

ポンプ「もともとたくさんいて、『太陽の門』という場所に集まっていたのデスが……あのラクガキ事件で島が汚くなり、ほとんど逃げてしまったのデス」

ポンプ「その影響で光の力が弱まり、街は薄闇の状態だそうデス」

ポンプ「とても気の毒なことデス」

ポンプ「『シャイン』が戻ってくるようにするには、これ以上島を汚くしないことデス」

ポンプ「犯人は、今でもどこかでラクガキをしているかもしれません」

ポンプ「それにこのままでは、春香さん。悪者扱いのままデス」

春香「……」

春香「……そうだね。ここでションボリしてても仕方ないもんね。」

ポンプ「明日から頑張りましょう、春香さん」

春香「うん!」

一旦ここまで。シャインのAAってないのか……

         ./fHq
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 ,,gpg、     ^)nv4(゜     ,,px.;,,
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         .\ メ"
これ作ってたせいで書き溜めはないです(憤怒)

ゆっくり続き行くよ

翌朝 ドルピックタウン裁判所前

春香「はぁ~、やっと出れた。バカンス初日の宿が刑務所だなんて……。いや、でもこれトークのネタになるかも?」

ポンプ(ポジティブデスね、春香さん……)

警察モンテ「さて」

警察「ここをまっすぐ行ったらラクガキ現場だ。お前の最初の仕事はそれを消すことだ」

警察「お前の活躍はそれとなーく監視させてもらうぞ。さぼってもわかるからな」

春香「さぼったりなんかしませんよーだ。むしろ私の活躍をしっかり見ててくださいね!」ニコッ

警察「!?」ドキッ

春香「それじゃ!」

 ダダダダダッ



警察「……」ドキドキ

警察「……」

警察「……CD買おうかな」

ドルピックタウン フルーツ・マーケット前

春香「いい天気のはずなのに、薄暗い……。本当に大変なことが起こってるんだ……」テクテク

小鳥「あっ、春香ちゃん! みんなー、春香ちゃんが来たわよ!」

やよい「春香さん! 大丈夫ですか? おなかすいてませんか?」

伊織「春香! あんた大丈夫? 変なことされなかったでしょうね」

春香「平気平気! 意外にご飯おいしかったし」

P「昨日は弁護できなくてすまなかった……まさかあんな証拠があるとは」

春香「……それに関してはいろいろ言いたいことはありますけど……いいです。許してあげます」

P「代わりに、ってわけじゃないがな、昨日は暗くなるまでみんなで情報収集してたんだ」

小鳥「幸いなことに、逮捕のニュースはあまり広まってないわよ。この島の情報源って『ドルピックニュース』しかないみたいでね。それもこのドルピックタウンでしか流れてないみたいなの」

P「さらにラッキー、というか不思議なことに、今この島に来てる観光客は俺たちだけらしい。しかもネット環境が整ってる場所も少なくて、日本でスキャンダルになる可能性は低そうだ」

律子「いずれは伝わってしまうでしょうけどね……。できるだけ早く冤罪を晴らしたいものね」

P「散らばったシャインの目撃情報も結構あった。目撃箇所はこのドルピックタウンを含めて8ヶ所。残りの7ヶ所は」

P「『ビアンコヒルズ』『リコハーバー』『マンマビーチ』『ピンナパーク』『シレナビーチ』『マーレのいりえ』『モンテのむら』。どれもガイドマップに載ってる観光スポットだな」

P「今真と響が一番近いビアンコヒルズで探索してくれてる。あの二人が一番フットワークが軽いしな」

すまぬ、すすまぬ

夜にまた投下する

没になったセリフ 
春香「プロデューサーさん! 出所ですよ、出所!」

ちょっと進んだんで投下ー

P「とりあえず島をキレイにしながらシャインを集めていこうってことで一致団結してる。そうすればいつか真犯人にもたどり着けるだろうしな」

春香「そうだったんだ……みんな……」

千早「私たちもできる限り協力していくつもりよ。だって……仲間だもん――」

真美「げーっ! 兄ちゃーん! 広場の方が大変なことになってるYO-!」

千早「……」

P「なんだって!」

亜美「あ、はるるん! お勤めご苦労様です!」

律子「こらっ、冗談にならないでしょ!」

ドルピックタウン 広場

あずさ「あら、春香ちゃん出てこれたのね~、心配だったのよ」

美希「それどころじゃないの! あ、春香が心配じゃなかったわけじゃないよ?」

やよい「春香さん! 見てください、広場がドロドロでいっぱいです……」

春香(昨日の空港を思い出す光景でした。次は茶色いペンキで広場が覆われんばかりに汚されています。しかも、事態は思っていたより深刻でした)

律子「あれ? 昨日来た時には中央に大きな像があったわよね?」

春香「そうなんですか?」

P「ああ、確かに……あれはどこに消えたんだ?」

雪歩「あ、あのぅ……うぅ……」

貴音「雪歩、無理はしなくてよいのですよ。これに関しては私が説明します。一部始終を見ておりましたから……」

数十分前

貴音「……やはり『どるぴっくたうん』にらーめん屋はないようですね……」

雪歩「あ、あのぅ、四条さん……」

貴音「どうしましたか、雪歩」

雪歩「私たちの目的って、春香ちゃんを助けるための情報収集でしたよね? あ、いえ、文句があるわけではないんですぅ!」

貴音「……い、いや、忘れていたわけではありません。少し空腹が気になったまでで」

雪歩(さっきフルーツ山盛り食べてなかったかなあ……)

貴音「……おや? あそこにいるのは春香ではないですか?」



のヮの「……」

雪歩「え? あ、本当だ。春香ちゃん、お勤めご苦労様で――」

貴音「!! 雪歩、お待ちなさい!」ガシッ

雪歩「えっ!?」

貴音「早く、こっちに!」コソコソ

のヮの「……?」キョロキョロ

雪歩「びっくりしました……。突然隠れてどうしたんですか?」

貴音「雪歩。あれは私たちの知っている春香ではありません。おそらく今回の事件の真犯人……」

雪歩「ええっ? でもあれ、どう見ても春香ちゃんですよ?」



のヮの「……」



貴音「いいえ。何やら違和感を感じます。面妖な……尋常ならざる気を」

雪歩「言われてみれば確かに何か違うような……でもリボンはしてるし……」

貴音「そもそも春香が一人でいるのがおかしいのです。裁判所の前でプロデューサーたちが待っていたはず」

雪歩「じ、じゃあ、あれが本当に犯人だっていうんですかぁ!?」

貴音「しーっ! 私も驚きましたが、これはまたとない好機です。ここであれを捕まえればすべてが解決します」

雪歩「えっ、私たちが捕まえるんですか!?」

貴音「確かに危険かもしれませんね……。では、私が見張っている間に応援を呼んでください。果物市場の前に何人かいるはずです。響や真が街に残っていたらよかったのですが……」

雪歩「わ、わかりまし――」



のヮの「……ヒヒヒヒヒッ」



二人「!?」

のヮの「イヒヒヒヒヒ!!」バサッ

貴音「やはり春香の偽者でしたね。手に持っているあれは、巨大な筆、ですか」

雪歩「ひぃっ……」ガタガタ

貴音「落ち着きなさい、雪歩。私が付いています」

雪歩「は、はいぃ……」

 シャーッシャッ、シャッシャッ!

貴音「! ラクガキを始めた……。間違いありません。あの者こそが犯人!」

のヮの「ヒーッハハーッ!」

雪歩「うぅ……すごい勢いで回転しながら飛び跳ねてますぅ……」

貴音「ラクガキもどんどん広がっていますね。さすがに見ていられません。私が捕まえます。雪歩は応援を」

雪歩「四条さん一人でですか? あ、危ないですよぅ!」

貴音「しかしですね、雪歩……」

雪歩「ああっ! 四条さん、あれっ!!」

のヮの「ハハハハハー!!」ドンッ

 ゴゴゴゴゴ…!

貴音「じ、地響きが……あの者の仕業ですか」

雪歩「ラクガキの中に『大王の像』が沈んでいきます……!」

 ゴゴゴゴ…ゴ…

雪歩「完全に見えなくなっちゃいました……」

貴音「面妖な……はっ! 偽者はどこに!?」

雪歩「あれ? さっきまであそこに……」トントン

雪歩「えっ?」クルッ





のヮの「ヒヒヒヒヒ」ニタァ






雪歩「ひいっ!! きゅう……」バタッ

貴音「雪歩!? ……この、偽者! 待ちなさいっ!」

のヮの「ハハハハハ!」ダダッ

貴音「なんと、速い……。いえ、追いかけるよりも今は雪歩の介抱が先決ですね……」

貴音「――というわけなのです」

P「そんなことが……。どっちの方向に逃げたんだ?」

貴音「『ぼーとはうす』のある方角です。相当な速さでしたので、もうどこか遠くに逃げてしまったでしょう」

雪歩「うぅ……私のせいで……すみません」

P「気にしなくていいぞ、雪歩。どうやら相手はただものじゃないってわかったことだしな」

貴音「ええ、本当に。なにか足止めできるものがなければ、私ではとても追いつけませんでした」

律子「強敵ね……」

春香「ねえ雪歩……その偽者って、やっぱり私に似てた?」

雪歩「うん、こんな顔(のヮの)してたし」

春香「……そっかー」

100レスいって区切りも良いし、一旦ここまで。

今日中にビアンコヒルズに到達できなかったとは……

感想レスありがとう

続きいくよ

書き溜めなんてないよ

町人モンテ「あ、おい、そこのアンタ!」

春香「え? 私ですか?」

モンテ「アンタいいもん背負ってるじゃないか! それでこの広場をパーッとキレイにしてくれよ」

春香「わ、わかりました、頑張りますね!」

モンテ「よろしく頼むよ! ……ところでアンタの顔どっかで見た気がするなぁ」

春香「?」



伊織「……あ、あそこの壁に春香の手配書貼ってあるじゃない……なんで気づかないのかしら」

真美「しかも(のヮの)がでっかく描いてあるよ」

亜美「あとではがしとくねー」

ドロドロ「……」

ポンプ「昨日のドロドロにそっくりデスね」

春香「茶色くて昨日のより汚いけどね。とりあえず水かけてみようか。狙いを定めてっと……」

 バシャバシャバシャ!

ドロドロ「……!」




ドロドロパックン「ギャアアアアオオオ!」




P「うお、また出た!」

雪歩「ひぃー!」

貴音「あれがあなた様の言っていたドロドロの化け物ですか……」

千早「……かわいい」

やよい「えっ!?」

美希「確かにどことなくカワイイの」

やよい「えええっ!?」

春香「もう倒し方はわかってるからね! どんどんいくよ!」

ドロドロパックン「ギャアアオオ」パカー

春香「よし、口を開いた! ここで放水……痛っ!?」

ポンプ「どうしました、春香さん?」

春香「……ドロドロの中から、なにか飛んできた?」



プチプチ(赤)「プワアーオ」ムクムク

プチプチ(青)「プワアーオ」ムクムク

プチプチ(黄)「プワアーオ」ムクムク

プチプチ(紫)「プワアーオ」ムクムク

プチプチ(緑)「ピヨー」ムクムク



春香「……ぷよ○よ?」

ポンプ「違いマス」

プチプチ 参考画像

http://imgur.com/0FgmCJR

春香「とりあえず水かけよう……って弱! はじけて消えちゃった」

プチプチs「プワアーオ」ムクムク

春香「また出てきた……」

ポンプ「ドロドロから生まれているみたいデスね」

春香「キリがないね……。待って、もしかしてみんなの方にも!」



プチプチs「プワアーオ」ジリジリ

やよい「小さいのがいっぱい出てきましたー!?」

千早「気持ち悪っ!」

やよい「え、あれは大丈夫でこれは無理なんですか!?」

真美「うあうあー! 足元まで来てるー!」

亜美「うう、もう踏んじゃえ!」プチッ

美希「あ、はじけたの」

P「……なんだ、踏んだら倒せるのか」プチッ

伊織「なによこいつら! このっ、このっ!」

プチプチ「アリガトウゴザイマス!」プチッ

プチプチ「クギュウウウウ!」プチッ



春香「……うん、あっちは大丈夫そうだね」

春香「先に周りをキレイにしてっと……」

春香「よし、もう一回。放水!」

 バシャバシャ!

 バシャバシャバシャバシャ!

ドロドロパックン「ギャアアアオオ! ギャアアァァ……! 」

 プシュー……

春香「あ、やっつけた。慣れたらあっさりだったね」

ポンプ「周りのドロドロも同時に消えていってマスね」




P「お、春香がやっつけてくれたみたいだな」

律子「小鳥さん、いつまでそれと戯れてるんですか」

プチプチ(緑)「ピヨー」パチン

小鳥「この子、親近感を感じるんですもん! あ、消えちゃった……」

 ゴゴゴゴゴ……!

春香「化け物のいた場所から像が……飛行場のときと同じだ」

ポンプ「春香さん、像の上に誰かいマス!」

春香「……えっ?」



律子「! プロデューサー殿、あれを! 像の頭の上です!」

P「……えっ?」



のヮの「……」

のヮの「……」クルリ



春香「……私?」

P「……春香?」



のヮの「……」ダンッ!

のヮの「ハッ!」ダダダ

P「な、こっちに来るぞ!」

雪歩「ひいいいいい!」

貴音「しがみつかないでください雪歩! 動けません!」

のヮの「……」ガシッ

P「う、うわっ!?」

やよい「プロデューサーさんが抱えられちゃいました!」

美希「ハニーに何するのっ!」ガシッ

のヮの「! ヤッ!」シャシャシャ!

美希「……ぶっ! ペンキで目つぶしはずるいの……!」

のヮの「ハッハー!」タッタッタッ

P「離せこの……! 力強いなコイツ!」

真美「ああ、兄ちゃんが!」

亜美「ユーカイされちゃった!」

伊織「実況してないで追うわよ!」

のヮの「ヤッフー!」ダダダダダッ

P「抱えられたまま走られると……ううっ! 気持ち悪くなってきた……」



伊織「はあ、はあ、はあ……速すぎ……!」

真美「……結構走ったよ、真美たち……」

亜美「スタミナムゲンなの……?」

春香「はっ、はっ……伊織ちゃん! プロデューサーさんはどっち?」

伊織「あっちよ、春香……あれ、元気ね」

春香「ま、まあね! じゃあ私行くね!」



春香(言えない! 地面を濡らしておなかで滑ってきたなんて言えない!)

春香「あ、いた! 待てー!!」バシャバシャ

のヮの「!」

P「春香!」

春香「プロデューサーさん! 今助けますからねー!」バシャバシャ

のヮの「アウチ!」イテテ

P「ぶうっ!」

春香「効いてる効いてる! よおし!」バシャバシャ

P「ぶはっ……よく狙ってくれ春香! 俺にも当たってるからー!」

春香「えいえい!」バシャバシャ

のヮの「ギャー!」ドテッ

春香「あ、こけた! プロデューサーさん! 大丈夫ですか?」

P「はあ、はあ……俺はいい、それよりこいつを……」

のヮの「いたたたた……道具使うなんてずるいぞー」

P春香(しゃべった!?)

のヮの「今日はここまでにしといてやる! ちくしょう、おぼえてろ!」ポワワン…

春香「え、溶けた!?」

P「そんなこともできるのか……あいつ」

春香「あ、あっちにいる! 追ってきます!」

P「あ、おい、春香! ……うわあ、腹で滑ってる……」

春香「待てー!」シャーッ

のヮの「うう! オマエ、しつこい!」ダダダッ

春香「ぜったい諦めないよ! 前向きなのが私の取り柄だもん!」

のヮの「……こうなったら」ピタッ

 シャーッシャッ、シャッシャッ!

春香「ラクガキ?」

のヮの「じゃあな!」ピョーン

春香「え!? ラクガキの中に……」

ポンプ「この中に逃げていきました!! 春香さん! ラクガキに水をかけてみましょう!!」

春香「わ、わかった!」バシャバシャ

 パアアアア……

春香「ラクガキが光って……中に景色が見える」

ポンプ「どこかにつながっているようデス……どうしマスか?」

春香「……決まってるよ! この中に飛び込む! えいっ!」

 ピカーン!

春香「うっ、まぶしい……目が回るぅ……」

春香(光るラクガキに飛びこむと、一瞬目の前が真っ白になり……)





 チュンチュン、チュン…

春香(……気が付けば、知らない場所に立っていました)

春香「……ここ、どこ?」



ビアンコヒルズ STORY1「大風車への道を切り開け!」

ビアンコヒルズ到着、で一旦ここまで。

明日から旅行いくので一週間ほど更新できないかもしれません

時間があったら少しずつでも投下します

一応酉付けときます サーセン

お待たせしました

続きゆっくり書きます

春香「はあ、暑い……ドルピックタウンとは反対に明るい場所だね。丘の向こうに民家が見える。……ポンプくん、ここがどこか分かった?」

ポンプ「……はい。現在地の特定、終了しました。ここは『ビアンコヒルズ』のようデス。ドルピックタウンの北西に位置する村で、湖と大風車が有名なようデスね」

春香「『ビアンコヒルズ』って、確か真たちがいるってプロデューサーさんが言ってた……」

ポンプ「ドルピックタウンから徒歩1時間といったところデスね。どうやらあのラクガキの力が、こことドルピックタウンをつなげたようデス」

春香「そんなに離れてないんだ……。みんなは来てないみたいだけど、とりあえず私の偽物を追わないとね」

ポンプ「情報収集なら、民家の方にいるかもしれません。行ってみましょう!」



ポンプ「それにしても春香さん。突然違う場所に飛ばされたというのに、ぜんぜん驚いていませんね」

春香「……なんかもう、いろんなことがおきすぎて慣れてきちゃったよ……」

ポンプ「ご愁傷さまデス……」

 ビアンコ村

春香「すみませーん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど」

村人モンテ「おや? あんた、さっきは筆みたいなの持って急いでたのに。次はそんな大きなキカイかついで大変だねえ」

春香「筆……もしかして偽者の! その人、どっちに行きました!?」

モンテ「あれ、もしかして別人? 妹とかかい? 風車の方に向かってたよ」

春香「ええと、説明がややこしいなあ……。とにかく、ありがとうございました! それじゃ!」

モンテ「あ、ちょっと! ……今は水路が閉まって向こう側に行けないのになあ」

春香「水路が閉まって向こう側に行けない!」ガーン

ポンプ「さきほどの人も最後にそんなことを言ってましたね」

春香「どうしよう……」

ポンプ「春香さん、今こそホバーノズルを使うときデス! 向こうに水車がありましたね。あちらに行ってみましょう」



水車前

春香「こっちに向かって回転してる。向こうの湖の水がこっちに流れてきてるのかな」

ポンプ「羽根に乗れば向こう側に行けそうデスね。ホバーノズルを使いましょう!」

春香「そういえば今まで使ってなかった。ええとXボタンで、こうかな?」カチャカチャ

ポンプ(ホバー)「そうデス。水圧が強いので気を付けてください」

春香「はーい。よっと……」バシャ-

ポンプ「とてもお上手デス!」

春香「えへへ……そう? ならこういうことも、ってきゃあっ!」ドンガラガッシャーン

ポンプ「練習が必要デスね……」

 5分後

春香「むだに時間取っちゃった……。村人さんたちの視線も痛かったよ……」

ポンプ「まあまあ、なんとか湖側に来れたことデスし。しかし、それにしても」

春香「こっちはまたドロドロがいっぱいだね……」

ポンプ「敵もたくさんいマスね。だから水門も閉まっていたんでしょう」

春香「あ! あれは……」



のヮの「……」

ドロドロパックン「……」



ポンプ「犯人デス!」

春香「あのドロドロのかたまりもあるよ!」

のヮの「ヤッ! ハッ!」

春香「あっ! 風車のある高台の方に逃げた!」

ポンプ「またあの敵を倒さなければなりませんね……」

ドロドロパックン「グルル……」



春香「なんだか作業じみてきたよね」

ポンプ「言ってはいけません」




 一方その頃

真「ねえ、響。ボクたちどうしてこうなったんだっけ」

響「ん……自分が崖の上に洞窟を見つけて、あそこまで行こうって言ったからだぞ」

真「そうだよね。シャインがありそうな場所を探しに来たんだよね」

響「間違ってはないだろ? ほらあそこにシャインが見えるし」

真「見えるね……すごい遠くに」

 キラキラ…

響「……」

真「……」

 シャイン<キラキラ・・・

響「あれ、勝手にこっちまで来てくれないかな」

真「無理だと思うな……。自力で来いってことじゃない?」

響「……これを越えて?」

真「うん、このアスレチックを越えて」


  トゥトゥットゥットゥトゥットゥッ、トゥー!


 STORY3 「崖の上の洞窟のヒミツ」

響「いーやーだーぞー! 下見えないじゃないか! ここどこさー!?」

真「ボクだって同じこと言いたいよ! さっきから聞こえるこのアカペラのBGMは耳につくし!」

響「宇宙空間みたいなとこに大きな足場だけ浮いてるぞ! 意味が分からない!」

真「とりあえずあのシャインを取ればなんとかなると思うし……響、行っておいでよ。いつもの響チャレンジだって」

響「いやいやいや……真の方が足速いじゃないか」

真「響はダンスやってるからな、ってプロデューサーも言ってたよ?」

響「みんなやってるだろ!? それを言うなら真はトレーニングを欠かさないし――」

真「そんなの響の方が完璧――」





真「……わかった。こうしよう。二人で行こう、ね?」

響「最初からそうすれば……不毛な時間だったぞ」

真「ただの褒めあいになってたからね」

響「お互い顔真っ赤にして……。うう、まだ恥ずかしいぞ……」

響チャレンジ、ヒミツコース全制覇!

ということでここまで。

進まない……いっそTASルートで書きたい

春香さん誕生日おめでとおおおお!!(今日は出番ないかもだけど)

続き書くぜ

響「とりあえずこの左右に動いてる足場に乗ってみるぞ。重さで落ちたりしないよね?」

真「たぶんね……。何で浮いてるのかはこの際気にしないでおこう」

響「じ、じゃあ、乗るぞ……よっと」ピョン

響「……ん! 大丈夫みたいだな」

真「じゃあ次はボクが……えいっ」ピョン

真「……行けるね。よし、このまま登りきっちゃおう」ヒョイ

響「ふー、登りきったのはいいけど、まだまだあるな……」

真「次はオレンジ色のブロックの足場が動いてるね」

響「真は冷静だな……。自分は下を見ないように必死だぞ」

真「ボクもほんとは怖いけどさ……。ここを突破しないとあのシャインは手に入らない。そして多分ここから出られない。……いや、それ以前の問題かな」

響「?」

真「響は気づかなかった? ここに入ってきた瞬間、一瞬だけどあのニセ春香が見えたんだよ」

響「ああ、そういえば白い空間みたいなのを通った時……」

真「あいつの顔、見たかい? ……笑ってたよ。本物の春香なら絶対しないような、イヤな笑い方だった。カチンときたよ」

真「許せないんだよね。この島をめちゃくちゃにしてるのももちろんだけど、春香にその罪を着せて、陰でコソコソ悪いことしてる。きっとあんな場所にシャインがあるのもあいつのせいじゃないかと思うんだ」

響「どれもこれもあいつのせいか……。なんか自分も腹が立ってきたぞ」

真「だから今は、怖いとか言ってられないんだ。シャインを集め続ければ、いつか犯人のところにたどり着ける」

響「すこいなぁ、真は。自分なんかただ慌ててただけだったぞ」

真「ボクだって同じさ。でもやっぱり、前に進むしかないでしょ?」

響「そうだね! やっぱり真はかっこいいさー!」

真「うーん、カワイイって言ってくれた方がいいんだけどなぁ……」

真「さて、ブロックの足場だけど。さっきより小さいから一人ずつしか乗れそうにないね」

響「よいしょ! ふん!」ドンドン

真「響? 何してるんだい?」

響「ああ、この足場に釘が中途半端に刺さってたからさ。なんだか気になっちゃって。えいっと」ドン

 ポコン

響「ん?」

1UPキノコ (=゚ω゚)ノ<ヤア!

響「」

真「」

真「緑色の……キノコ?」

響「なんだこいつ! こっちに来るぞ!?」

 ピロリロリン♪

真「あっ、消えた……なんだったんだろ」

響「お? おお! なんか体が軽いぞ」

真「ええ、大丈夫なの……?」

響「うん、なんくるないさー! ようし、一気にここを抜けるぞー!」

真「ちょ、ちょっと待ってよ響! 危ないって!」

響「ホップ、ステップ、ジャーンプ!」ヤッ、フッ、ワッハー!

真「こんな狭い足場で三段ジャンプなんかしないでよ! こっちがヒヤヒヤするから!」

響「イヤッフー!」クルクル

真「回転ジャンプ!?」

真「はあ、はあ……。気づいたら越えてた……」

響「うん、やっぱり絶好調だな! どんどん行くぞ!」

真「次のアスレチックは、細い通路とそれを横切る大ブロックか……」

響「走り抜けられないか?」

真「足を滑らせたら真っ逆さまだよ。響、もっと慎重に――」

響「なんくるない、なんくるない。ここを越えればもうすぐシャインさー!」タタタッ

 ツルッ

響「あっ」

真「あっ」

響「言ったそばからぁぁぁうわあああぁぁぁ……」ヒューン

真「響いいいいぃぃ!!」

真「……ああ、響が……嘘だ……」

真「ボクがちゃんと止めていれば……ごめん、響……」

真「……響いいいい!!」

響「どうしたんだ? そんなに叫んで」

真「ええええええ!?」

真「えっ、いま落ちたよね? かっこ悪く」

響「ひとこと余計だぞ」

真「どうしてここにいるのさ!?」

響「うん。自分でもよくわからないんだけど、気が付いたらコースの最初のところに立ってて、真が叫んでるのが見えたから追いついたんだ」

真「つまり……ミスしたら最初からやり直せるってこと?」

響「いや、わからない。なんとなく『次はない』って気がするし。それに、もうあんな距離落ちるのは勘弁だぞ」

真「うん。ボクも心配したんだからね」

響「ごめん……」

響「気を取り直していくぞ。慎重に、ね」

真「うん、慎重に。見ている限り、ブロックの軌道は一定みたいだ。だからその軌道上だけ急いで、そこ以外は歩けば安全なはず」

響「よし、行こう……う」

真「どうしたの?」

響「い、いや、なんでもないぞ」ブルッ

真(足が震えてる……怖いんだ。死ぬような思いをしたんだから当たり前か)



響(……)

響(トイレに行きたくなってきたぞ……)

響には大変申し訳ないがここまで。

続きは明日。

ほんとだ、やらかしてんじゃーん

ごめんなさい。>>124は『伊織ちゃん』→『伊織』で脳内補完オナシャス

あと>>8の『太陽の像』→『大王の像』で

それ以外にも大きいミスをしたが、誰も気づいていないな?

真「響。ボクから行くよ」

響「えっ! い、いや! 自分が先に行く!」

真「いいや! ボクが行くよ。僕が止めれば響だって怖い思いをしなくて済んだんだしさ」

響「いや、自分が――ああ、いや、もうそれでいいから、進んで!」プルプル

響(焦っちゃダメ、焦っちゃダメ……!)

真「? わかったよ」

真「この辺でブロックが通るから……今だ! 走って、響!」ダダッ

響「っ! ……っ!」ヒョコヒョコ

真「響? どうして小股で走ってるんだい? もしかしてどこかケガしてたり……」

響「平気! 平気だから次行こう!! ね!?」ハアハア

真「う、うん……。このブロックで最後だよ。……今っ!」ダダッ

響「……ふうっ!」トテトテ

響「はあ、はあ……。最後のエリアだな……」

真「息が荒いけど……?」

響「気に、しないで……!」ブルッ

真「(大丈夫かな……)それぞれ逆方向に回転してる星形の足場がふたつ。これを乗りつげばシャインだね。足場同士に大きく隙間が空いてるから、ジャンプで飛び移るしかない」

響「説明はいいから行こう! はやくぅ!!」バタバタ

真「わかった、わかったから!」

真「狭いから一人ずつだよ? えいっと」ピョン

響(はやく、はやく……)プルプル

真「揺れるな……。もう一周待って……」

響(うう……)

真「よっと! もういっちょ!」ピョンピョン!

真「……着地! よし、着いた! 響もおいでよ!」

響「い、今行くぞー……」フルフル

響「着いたぞ……」プルッ…

真(2分くらいかかってた……)

真「大丈夫?」

響「うう……うん。それより、あれ……」


シャイン<キラキラ・・・


真「やっと、シャインの目の前だ。せっかくだから同時に取ろうか」

響「うん、せーのっ……」

 チャラチャッチャンチャーチャチャラララーン、ジャン!!

響・真「やっふー!!」

 SHINE GET!





真「……はっ! ここは……」

響「洞窟の入り口、か? ってことは……」

真「やったー! 外に出れたんだ!!」

響「ほんとか!? はあ、よかったぞ……あっ」

真「……響?」

響「なんでもない! ええっと……ああっ! あそこに春香がいるぞ!」

真「あっ、ほんとだ! 橋の上にいるね。じゃあ行こうか」

響「あー、と。その、うー、先に行っててよ」

真「なんで?」

響「ちょ、ちょっと野暮用だぞ! ごめん、すぐに追いつくから!」タタッ

真「あっ、響! どこ行くんだよ!」

ビアンコヒルズ 湖の岸辺

響「着いて、来てないよね? ……ここから村まで戻ってトイレを借りる余裕はないし。というか……シャイン取った時に少し漏らしちゃったぞ……」

響「うう……」

響「……仕方ない、どこかの茂みで……」

響「……湖のほとりにあるな。誰も近くにいないよね……?」キョロキョロ

メンボ「……」ジーッ

響「あ! こっち見るな、どっかいけーっ!」

メンボ「チェー」スイーッ

響「……遠くに行ったな。よいしょ……んっ」

このシーンが 見れるのは おかしいよ

メンボ 参考画像

http://imgur.com/36Qp44J

ビアンコヒルズ 橋の上

春香「あの化け物もあっさり倒せちゃったなあ。もう慣れたもんかも!」

ポンプ「シャインも一つ手に入りましたね」

真「おーい、春香ー!」

春香「あっ、真! やっぱりここにいたんだ! 響ちゃんは?」

真「さっきどこかに走って行っちゃって。すぐに来ると思うよ。春香はどうしてここに?」

春香「えーっと、話すと長くなるんだけどね――」






春香「――それで、私の偽者を追いかけてきたの。見なかった?」

真「洞窟に入るときに一瞬だけ。でももういないと思うよ。あいつ、手配書の見た目とそっくりだったね」

春香「『私に』そっくりだった?」

真「いや、似せてるけど春香とは全然違う。すぐにわかったよ」

春香「だ、だよね!? 全っ然違うよね!? やっとわかってくれる人がいたよ!」ヤッター

ポンプ「よかったデスね、春香さん」

(のヮの)<心配するな、先は長い。まだ聖水のチャンスはある……。


今日はここまで。

少しだけ、本当に少しだけ進めます

春香「――へえ、真たちの方はそんなことになってたんだ」

真「うん。この島に来てからは本当に驚いてばかりだよ」

P「春香ー! 大丈夫かー!!」

春香「プロデューサーさん! みんなも! こっちこっちー!」

真「ああ、響も来た。やっとそろったかな」





P「待たせてすまなかったな。俺たちも春香みたいにラクガキに飛び込むかどうかで議論しててな」

春香「どういうことですか?」

小鳥「春香ちゃんがラクガキに近づいたと思ったら、インクの雫みたいになって吸い込まれたのよ」

春香「え……みんなにはそんな風に見えてたの? ぜんぜんわからなかったけど……」

千早「ごめん、正直……グロかったわ」

春香「グロ……!?」

美希「広場のみんなが腰抜かしてたの。そんなだから、誰もラクガキに近づけなくて」

貴音「あんな面妖な光景は初めて見ました……」

伊織「で、しびれを切らして私が最初に飛び込んだのよ。そしたらあっさりあんたのとこまで行けたじゃない。さっさと行動してればよかったわ」

伊織「それで、全員ラクガキを通ってここに……ってあれ? よく見たら何人かいないわね……」

P「おかしいな。誰か知らないか?」

美希「村で何人か勝手にはぐれてたよ? 真美たちにはやよいがくっついていってたし、大丈夫だと思うな」

律子「いや、止めなさいよ! ええと、いないのは、やよい、亜美、真美、あずさ……。ねえ、あずさはどこ?」

美希「えっと……」

伊織「どうしたのよ? らしくないわね」

 ヒュウウウ…

春香「ちょっと待って、これなんの音?」

 ヒュウウウ・・・

雪歩「なにかが飛んでる音みたい……」

真「飛んで……? はっ! 上っ!!」

P「巨大な泥の玉!? やばいっ、みんな逃げろっ!!」ダッ

春香「うわわっ!?」ダッ

伊織「散るわよ!」ダッ

雪歩「ひいい!!」

真「雪歩、こっちだ!」ガシッ

 ……グシャアッ!

P「なんとか、誰にもあたらずに済んだか」

春香「でも、これ……」

P「ああ、戻れないな……困ったことに」

伊織「こっち側に逃げたのはまずかったわね……」

ポンプ「橋に穴が開いてしまいましたね。分断されてしまったようデス」

響「さすがに飛び越えるのは難しいな」

貴音「仕方ありません。しばらく動かず待つしかなさそうですね」

春香(ポンプくんの言う通り、今まで私たちがいた橋の真ん中に大きな穴が開いていました。しかも私たちは風車側、つまり高台の方に取り残されてしまったようです)

P「こっちにいるのは、春香、伊織、響、貴音、と俺だけか。おーい、律子、そっちは全員無事かー?」

律子「はい! とりあえず渡れるように村の方で助けを呼んできます!」

P「ああ、頼んだぞ!」

伊織「今の泥玉、なんだったのかしら? ラクガキのドロドロに似てる気がしたけど……って」

 ヒュウウウ・・・!

P「またか!」

伊織「しつこいわね!」ダッ

貴音「逃げましょう!」サッ

春香「よっと!」ヘッドスライディング

響「ほっと!」ハバトビ

 ・・・グシャアッ!

春香「ふう、また危なかった……。これ、いったいどこから飛んできてるんだろ」

響「上……か?」

伊織「上? 確かに上から降っては来てるけど」

P「なあ、大風車の上に何か見えないか?」

春香「むむ……何か、いる? 踊ってるような……」

響「あ、見えたぞ! 風車の屋根の上に変なのがいる!」

貴音「み、見えません……」

ポンプ「……対象の生物、特定しました。どうやらパックンフラワーの亜種のようデスね」

伊織「パックン、フラワー? うーん……どこかの王国でしか見られないって聞いたことがあるような、ないような……」

貴音「そのぱっくんふらわーが泥を飛ばしてきている、ということですか?」

ポンプ「そのようデス。本来のパックンフラワーは、周囲の動くものに反応してかみつくことしかしないはずなのデスが……」

春香「偽者のせいかな? もしかしてあれもラクガキで生まれたものとか」

P「どうやらその考え、間違えていないぞ。見えるか、あいつの頭上……」

伊織「頭上?」

響「えっ、なんだ?」

春香「……あっ!」




「「「シャインがある!!」」」

 STORY2「ボスパックンを倒せ」

今日はここまで。

次回は来週にまた書きます。

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