P「照れ照れ春香さん」 (54)

Case1.

~事務所~

P「春香ー、ちょっといいかー?」

春香「私ですかっ? はい、なんでしょう!」

P「この前撮った宣材が届いたんで、確認してもらおうと思ってな」

春香「わぁっ! あれ、できたんですね? 私楽しみにしてたんですよ!」

P「それはよかった。はい、これ」

春香「わーいっ! どれどれ~……」

春香「……って、3パターンある?」

P「おう。3つくらいまでは絞って、あとは春香に決めてもらおうと思ってな」

春香「ふむふむ、なるほど……。私が決めちゃっていいんですか?」

P「春香を売り出していく上で、いろんな人に見てもらう写真だから。やっぱり最後は自分で決めた方がいいんじゃないかなと」

春香「そ、そうですか……。責任重大ですね」

P「あはは、まあ今日中に決めてくれればいいから。ゆっくり考えてくれ」

春香「分かりましたっ!」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456932102

~2時間後~

春香「む、む、むむむ……」ぷすぷす

P「……大丈夫か、春香?」

春香「う、ううう……こんなの決められないですよぅ……」

P「そ、そんなに悩んでもらうつもりじゃなかったんだけどな……。ちょっとプレッシャーかけすぎたか?」

春香「そうですよぅ……。こんなの、私ひとりじゃ」

春香「……って。そういえば、プロデューサーさんはどうなんですか?」

P「どう、とは?」

春香「決まってるじゃないですか! プロデューサーさんはどの写真がいいと思ったのかなってことです!」

P「んー……。俺もそもそも、3枚に絞るのもかなり苦労したからなぁ」

春香「そうなんですか?」

P「ああ。どれも凄く可愛く取れてたから」

春香「か、かわいくですかっ!?」

P「ああ。何百枚もある写真の中から3枚に絞るの、すごく大変だったんだぞ? もう何時間もずーっと春香の写真ばっかり見続けて……」

春香「……へっ」

春香「う、わああああっ! もう、そういうのはなんだか恥ずかしいからやめてくださいっ!」

P「そうか? ……まあそうやって三枚に絞ったわけだが。それでも一枚に絞るとしたら、これかな」ぴらっ

春香「これ、ですか? どうして……」

P「これが、春香の可愛さと明るさが一番表れてると思う」

P「きっとこの写真を見た人は、春香のことを好きになってくれるだろうな、ってさ」

春香「…………っ。……じゃあ私、これにします!」

P「そうか? ……いいのか、俺の意見で」

春香「はいっ! 私は、プロデューサーさんのこと信じてますからっ」

P「そっか。じゃあそれで行こう。これからまた頑張っていこうな」

春香「もちろんですっ! ……えへへ」


Case1.照れ春香さん

Case2.

~撮影終了後~

春香「ふーっ、疲れたー……。今日の撮影、大変だったなぁ」

春香「……って、あれ? プロデューサーさん、どこ行っちゃったんだろ。さっきまでそこで見ててくれたのに……」

ぴとっ

春香「うひゃぁっ!? つめたっ……って!」

P「お疲れさん、春香。ジュース」

春香「ぷ、プロデューサーさん! もう、ジュース渡すなら普通に渡してくださいよ!」

P「ごめんごめん、驚かせてやろうと思ってさ」

春香「驚きますよぉ! でも、ありがとうございますっ。おいくらでしたか?」

P「へ? いやいやいいよ、このくらい、気にしなくて」

春香「そういうわけにはいきませんって!」

P「いいからいいから。今日の春香、随分頑張ってたみたいだから、そのご褒美ってことで」

春香「そうですか? ……それじゃあ、お言葉に甘えちゃいますねっ」

P「おう。監督さんも随分褒めてたんだぞ。この子は絶対将来売れる、間違いないってさ」

春香「ええっ!? そ、そんな私なんてまだまだで……」ぶんぶん

P「いやいや。俺だってそう信じてプロデュースしてるんだから。春香にはそれだけの魅力があるってことだよ」

春香「そんなこと、ないですよぅ! え、えへ、えへへ……!」ぶんぶんぶん

P「あ、春香、お前……」

春香「なんだか、喉乾いちゃいましたっ! このジュース、ありがたくもらっちゃいますね。ありがとうございますっ!」

P「ちょっと待っ」

ぷしゃっっっ!!!

春香「にゃっ!!??」

P「炭酸だから、そんなに振ったら危ないぞって言おうとしたんだが……。遅かったな」

春香「うぇぇ……。びちゃびちゃになっちゃいました……」ぽたぽた

P「あはは、もっと早く言えばよかったな」

春香「ひどいですよぅ……。もう、元はといえばプロデューサーさんのせいですからねっ!」

P「え、俺なのか?」

春香「そうに決まってるじゃないですかっ! ……えへへっ」

Case2.ドジ照れ春香さん

信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/)


Case3.

~ケーキバイキング~

春香「というわけで、ケーキバイキングですよ、ケーキバイキングっ!」

P「な、なんで俺まで……?」

春香「何でって、ここの優待券貰って来てくださったの、プロデューサーさんじゃないですか!」

P「たまたま取引先の人に貰っただけなんだけど……。それに俺は事務所の誰かと行ってみたらどうだ、って意味で春香に渡したんだけどな」

春香「し、仕方ないじゃないですか……。みんな、その……、よ、用事があって、来れないって言うんですから」

P「まあ、一人で行くよりは楽しいのかな」

春香「勿論です! ……それにいつも行くようなバイキングじゃなくて、本格的なホテルのバイキングだから、私一人だと少し緊張しちゃいますし」

P「確かに、そうかもな。……それじゃあ折角だから時間いっぱい楽しむとするか。春香、取りに行こう」

春香「はいっ!」

~10分後~

P「……? 春香、遅いな。まだ迷ってるのかな」

ふらっ

春香「お、お待たせしましたぁ~」ふらふら

P「……こけるなよ、春香」

春香「こ、こけませんよぅ……。おっとと」

P「それ、取りすぎじゃないか?」

春香「えへへ、あれもこれもと見てたら目移りしちゃって……。結局全部取っちゃいました」どっちゃり

P「女の子ってすごいな」

春香「わ、私は多いかもしれませんけど、プロデューサーさんは少なすぎですよ! 折角のバイキングなんですよ?」

P「や、俺はそんなに甘いもの食べられないし……。欲しくなったら追加で取りに行くからさ」

春香「……………………ぉぉ」

P「何を、その手があったか、みたいな顔してるんだよ……」

春香「ぶー、いいじゃないですか! 女の子はあれもこれもと欲しくなっちゃうものなんです!」

P「そうみたいだな。それじゃいただきまーす」

春香「もう、適当にあしらわないでくださいよぅ!」

P「……しかし、もしかすると早く出た方がいいかもしれないな」

春香「え、どうしてです?」

P「思ったより人が多いし。春香も少し名前が売れてきたところだからさ」

春香「名前が売れてきてると、ダメなんですか?」かくん

P「あー……。だって周り、若いカップルばかりだろ? 誤解されてもあれだしさ」

春香「……ぇ。うぇ、えぇぇぇ!?」

P「ちょ、声が大きいって!」

春香「わ、す、すみません……」

春香(で、でもそんな話をするってことは、プロデューサーさんは、そんな可能性もあるって思ってくれたってことで……?)

春香「えへ、えへへ……」

P「……なんでそんな嬉しそうなんだ」

春香「!!? わ、私今そんな顔してました……?」

P「おお、かなり」

春香「う、嬉しそうなんて、そんなっ……! ……そ、それよりほら、ケーキ食べましょうよ、ケーキっ!」

春香「ほら、これなんて美味しそうですよ!? これも、これもこれも、どうですかっ?」ほらほらっ!!」すっすっすっ

P「ちょ、待てはる、待って、もががっ」

春香「これもこれも、どんどん食べちゃいましょう、どんどん! ……えへへっ」

Case3.照れ隠し春香さん

Case4.

春香「プロ」

春香「デュー」

春香「サー」

春香「さんっ♪」

P「おお、春香。どうかしたか?」

春香「今、ちょっとお話しできますか? ……もしかして、お仕事の邪魔しちゃいました?」

P「ん? んー……、いや、ちょうど休憩しようと思ってたところだから大丈夫だよ。どうしたんだ?」

春香「はいっ。あの、この前ケーキバイキングに連れて行っていただいたお礼に……これを」

P「?? お、クッキーか。この包装って……。もしかして」

春香「は、はいっ。手作りなんですけど……。もしよかったら、お礼に受け取ってくださいっ!」

P「そんな、たまたま貰った券だからお礼なんて気にしなくてよかったのに」

春香「そういう訳にはいきませんよ! プロデューサーさんが一緒で、とっても楽しかったですから」

P「……そっか。じゃあ、ありがたくいただくよ」

春香「わぁっ! ありがとうございます!」

P「何で渡す春香がお礼言ってるんだよ、逆だろ逆」

春香「わ、そうですねっ! えへへ、うっかりしてましたっ」

P「それじゃ早速……」しゅる

春香「えっ」

P「?」

春香「い、今から、食べるんですか?」

P「うん。ちょうど一息つこうと思ってたから、丁度いいかなって。……ダメか?」

春香「ダメじゃ、ないですけど……。お、美味しくなかったらごめんなさいっ!」

P「あはは、そんな心配してないよ。それじゃ、一つ……。いただきます」

ぽりぽり

春香「……ど、どうですかっ?」どきどき

P「うん。美味しいよ」

春香「よ、良かったぁ……」

P「春香、お菓子作り得意って言ってたもんな。……うん、すごく甘くておいしい」

春香「えへへ……。甘いものは頭の回転にいいって聞いたので。お砂糖と蜂蜜たっぷり作っちゃいました」

P「なるほど、これ蜂蜜の甘さか。うん、疲れた体に染み込むよ」

春香「喜んでもらえて、良かったです!」

P「うん、この前のケーキバイキングより、春香のクッキーの方が美味しいかもしれないな」

春香「うぇぇっ!? それは言い過ぎですって!」

P「いやいや、そんなことないよ。ありがとう、春香」

春香「ど、どういたしましてっ? そうだ、私、何か飲み物でも淹れてきますねっ!」

ぱたぱたぱた

P「あ、春香……。行っちゃった」

かさっ

P「ん、この袋……。中に紙が?」

ぺらっ

『いつもありがとうございます』

P「……………………」

P「……俺ももうちょっと、頑張らないとな」


春香(えへへ。喜んでもらえて、よかったぁ……!)


Case4.逃げ照れ春香さん

Case5.

~事務所~

P「春香ー、ちょっと頼みがあるんだけどいいかー?」

春香「はいっ、何でしょう?」

P「資料室に入ってすぐの右手の棚の一番下に、緑色のファイルがあるはずなんだけどさ、ちょっと取ってきてもらえないかな。少し手が離せなくて」

春香「分かりました、緑のファイルですね!」

P「ごめんな、雑用みたいなことさせて」

春香「いえいえ! ちょうど休憩中でしたし、お安いごようです! すぐに行ってきますね!」

P「おう、ありがとう。助かるよ」

春香「ええと、入ってすぐの、右の棚の、いちばんした……っと」

春香「みっどりのファイル、みっどりのファイル……。っと。これかな?」

ずしっ

春香(う、重い……。こんなにたくさん、何が入ってるんだろ)

春香「よいしょ……っと……」

ぴらっ

春香(あっ、何か落ちちゃった……! 中に綴じずに、挟まってたのかな?)

ぺら

春香「…………!」

春香(これ、って……!?)

春香「ぷ、ぷ、ぷ、プロデューサーさんっ!」

どたどたどた

P「お、ありがとう春香。……って、そんなに急いだら」

春香「う、う、うわぁああぁぁあ!」

どんがらがっしゃーん

P「転ぶぞ……。って、遅かったな」

春香「い、いたた……。また転んじゃいました……」

春香「……って、そうじゃなくて! 何なんですかプロデューサーさん、このファイル!」

P「へ? ……ああ、中身、見たのか?」

春香「見たのか? じゃないですよぅ! この中身」

春香「私の変な写真ばっかりじゃないですかっ!」

P「変な、というか……。まあ、そうだな。撮影で失敗した写真ばっかり別にして入れてあるんだ」

春香「な、なんでこんなの取っておいてるんですかっ! こっちの写真はそっぽむいちゃってるし、こっちは半目になっちゃってるし……。こっちのはスカートがしわになっちゃってます!」

P「……いつか何かに使えるかなあと」

春香「こんな写真、使えるわけないじゃないですかぁ!」

P「そうか? ほら、今回のこの寝癖が取れてない写真とか、居眠りして頬が緩んでる写真とか、可愛く撮れt」

春香「うわぁぁぁぁ! なんて写真を付け加えようとしてるんですか!? こんなの絶対だめですっ!!」

P「これはこれで可愛いと思うんだけどなぁ」

春香「か、かわ、可愛くってもだめですっ! というか、せめて私に許可取ってくださいっ!」

P「許可、取ったらいいのか?」

春香「うぇっ!? ……い、いいかどうかは、その、私が見てから決めますっ!」

P「そうか? それなら、この隣にあった青いファイルと赤いファイルも持ってきてもらおうかな」

春香「へ? ……まさか」

P「うん。その緑のは、3代目」

春香「……ば、ばかばかっ! プロデューサーさんのばかっ!」

ぽかぽか

P「わ、ちょ、いた……。春香、落ち着けって」

春香「ばかばかっ。プロデューサーさんなんてもう知りませんっ!」

そんなに怒らなくても……。仕事なんだし」

春香「お、怒ってはいませんけどっ! とりあえず全部没収ですよ、没収!」

P「えー……。まあ、春香がいいと思った写真だけ残してくれな」

春香「絶対、ダメですっ! プロデューサーさんのばかっ!」

春香(こんなかっこ悪いところばっかり、見せられるわけないじゃないですか……。プロデューサーさんの、ばかっ)


Case5.切れ照れ春香さん

いったん終わり、続きは明日のもう少し早い時間に
捨て酉ですが一応酉を
お付き合いいただいた方がもしおられればありがとうございました

もう少ししたら再開します

Case6.

~オーディション会場・廊下~

P「おーい、春香」

春香「……あ、プロデューサーさん」

P「どうやら機材トラブルで、オーディション30分ほど押すみたいだ。ちょっと休んでていいよ」

春香「そう、ですか……。分かりました」

P「……?」

春香「……プロデューサーさん?」

P「……どうかしたか、春香?」

春香「えっ?」

P「いや、気のせいだったら悪いんだけど……。なんか、元気なくないか?」

春香「うぇっ? そんなこと、ないですよっ? ほらほら、こんなに元気いっぱいですっ」ぶんぶん

P「…………」

春香「…………。ごめんなさい。ちょっとだけ、嘘ついちゃいました」

P「何かあったのか?」

春香「いえ、少しだけ……。久しぶりに大きい会場でのオーディションなので、緊張してしまって」

春香「そうでなくてもわたし、最近オーディション落ちてばっかりですし……。周りのみんなが、すごくキラキラしてるように見えてきちゃって」

春香「……わたしなんかが、こんなところにいてもいいのかなって、思えちゃって」

春香「あ、あはは、ダメですよねっ、こんな暗い気持ちじゃっ。私、みんなを笑顔にしないといけないのに!」

P「春香」

春香「ありがとうございますっ、プロデューサーさん。聞いてもらったらなんだかすっきりしちゃいました。さーっ、今日もオーディション、頑張っちゃいますよーっ!」

P「春香っ」ぽん

春香「!」

春香「プロデューサー、さん……?」

P「大丈夫だよ、春香」

春香「……え」

P「誰にだって、調子の悪い時はある。上手くいかないときもある。……でもさ、それにつられて自分のことを卑下することはない」

P「だって、そうやって上手くいかないって思えるってことは、春香がそれだけの実力をつけたってことなんだから。……そうだろ?」

春香「!」

P「今までは目の前のことでいっぱいいっぱいだったのが、そう思えるだけ春香が成長したってことなんだよ。……それに」

P「俺は春香のことを、この会場で一番魅力的なアイドルだと思ってるからさ」

春香「えっ、なっ……!?」

P「だから大丈夫。結果なんて関係ない、いつも通りの可愛い春香を見せて来てくれればそれでいいんだ」

春香「ちょ、え、あぅ……」

P「お、そろそろ時間かな。それじゃ、スタンバイ頼むぞ春香。……春香?」

春香「わ、分かりました……。ありがとうございます」

P「じゃあ、裏で見てるから。頑張ってな」

春香「! や、あの、プロデューサーさんっ。……できれば、私の見えないところにいてくれませんか?」

P「へ? ……ああそっか、俺が見えたら緊張しちゃうか。分かったよ」

春香「は、はいっ。……今日だけでいいので、お願いしますっ」

P「オッケー。じゃあ、いつも通りにな」




春香「…………」

春香(ウソ、ついちゃった)

春香(……でもでも、仕方ないよね。プロデューサーさんの姿が見えたら、まともに歌えないのは本当だもん)

春香(だ、だって。だってだって)

春香(さっきの言葉思い出したら、恥ずかしすぎて、プロデューサーさんの顔、まともに見れないよぉ……)ぼすん


Case6.嘘照れ春香さん

Case7.

やよい「しゅーろく、お疲れ様でしたーっ!」

P「おう、お疲れやよい。……春香も、お疲れさん」

春香「ありがとうございます、プロデューサーさん!」

やよい「えへへ、今日はなんだかぜっこうちょうで、とーっても上手くいっちゃいました!」

春香「ほんと、今日はやよいにたくさん助けられちゃったね。ありがとう、やよい」

やよい「はわっ、そんなことないですよ! 私がたーくさん楽しく歌えたのは、ぜーんぶ春香さんのおかげですから!」

春香「そうかな? それじゃ、この撮影はふたりの頑張りってことだね♪」

やよい「はいっ、やりましたっ! 春香さん、せーのっ!」

「「はい、たーっち! いぇい!」」

P「うんうん、春香とやよいは相性もぴったりだし、もう少し共演を増やしてもいいかもしれないな」

春香「本当ですかっ? やよいともっとお仕事できたら、私も嬉しいです!」

やよい「えへへ。プロデューサーは、今日のわたし、どう思いましたかっ?」

P「勿論、完璧だったよ。今日はやよいが、この場で一番魅力的なアイドルだったな」

春香「!」

やよい「ほ、褒められちゃいましたっ! それじゃあ次もこの調子で、うわーって頑張っちゃいますね!」

P「あはは。な、春香もそう思うだろ?」

春香「…………」

春香(その、言葉って……)

P「……春香?」

春香「……え? あ、はい、そうですね……?」

P「……春香?」

春香「…………むぅ」

やよい「……!」

やよい「それじゃあわたし、お買い物して帰らないといけないので、お先に失礼しますね!」

P「え、もう帰るのか? それに、買い物行くなら俺が車で一緒に」

やよい「いえ、今日はおかーさんと一緒だから、大丈夫ですっ! プロデューサーは春香さんを送ってあげてください!」

春香「!」

P「……そうか? それじゃあ帰り道、気を付けてな」

やよい「はいっ! また明日も、よろしくお願いしまーっす!」

たたたっ

P「……行っちゃった」

~車~

春香「…………」

P「…………」

春香「…………」

P「…………」

春香「…………」

P「……な、なあ、春香」

春香「何ですか?」

P「……なんか、怒ってるのか?」

春香「怒ってないです」

P「……本当に?」

春香「! 怒って、ないです。ないです、けど……」

P「けど?」

春香「……ふんだ。プロデューサーさんって誰にでもああいうこと、言っちゃうんですねっ」

P「…………? ああいうこと、って……? ……あ」

春香「分かってないなら、いいんですっ」

P「……も、もしかしてやよいに、魅力的だったって言ったことか?」

春香「! …………。」

P「この前春香に同じことを言ったのに、軽々しく使っちゃったから……。それで、怒ってるのか?」

春香「……しりません」

P「……困ったな。それほど深い意味を込めたわけじゃないんだけど……。まあ、そうだよな。適当言ってるように感じちゃうよな。……ごめん」

春香「し、り、ま、せんっ」

P「……。うーん……」

春香「…………」

春香「……ごめんなさい。こんなことで機嫌悪くするなんて、子どもですよね」

P「いや、謝らないでくれ。これに関しては俺が悪いって、分かってるから」

春香「はい。プロデューサーさんが悪いです」

P「ぐっ。ストレートに言われると、効くなぁ」

春香「本当のことですからっ。……ですから、悪いと思うなら」

P「?」

春香「ほ、本当は私のことをどう思ってるか、聞かせてくれませんか?」

P「本当は、って……?」

春香「ふ、深い意味はないんですけどっ! その、私だけに対する特別な評価というか、言葉が聞きたいなぁ、って、その……」

P「通り一遍の褒め言葉じゃなく、ってことか?」

春香「そ、そうですっ」

P「うーん、そうだな……。春香は」

春香「…………」ごくり

P「…………う、照れくさいな、これ。メールとかじゃだめか?」

春香「め、めーる……。……いや、やっぱりダメですっ、直接聞かせてください!」

P「……『いちばん、特別なアイドル』」

春香「……えっ」

P「……もう言わないからな。一回だけだ」

春香「な、えっ、それってどういう……」

ききっ

P「はい、駅着いたぞ。降りた降りた」

春香「なななっ……! ちょっ、それだけじゃわかりませんってば!」

P「知らん知らん。はい、それじゃまた明日なー」

春香「ず、ずるいですよぅ! もうちょっと、もうちょっとだけ」

P「はい、あと5分で電車出ちゃうぞー」

春香「ああもうっ! 明日、絶対詳しく話して貰いますからねっ」

P「残念でした、俺は明日は事務所には寄りません。それじゃあ気をつけて帰るんだぞー」

ぶろろろろん

春香「ず、ずーるーいーでーすー! ……もう」



春香「『いちばん、特別なアイドル』……」

春香「……どういう、意味なんだろ。もしかして、もしかすると……?」

春香「……。……」

春香「…………」ぼんっ

春香「や、いやいやいやっ、そんなわけないよねっ」ぶんぶんぶん

春香「でも、『私だけに対する特別な評価』って、言ったんだし……?」

春香「…………」

春香「ああもうっ! 絶対今度会ったとき、とっちめてやるんだからっ!」

春香「覚悟してくださいねっ、プロデューサーさん!」


Case7.妬き照れ春香さん

Case8.

春香「地方ロケなんて、久しぶりでわくわくしますねっ」

P「ちょっと、移動時間長くなっちゃうけど……。ごめんな、俺が運転する車で」

春香「いえいえ。いつもありがとうございます」

P「いつも言ってるけど、眠くなったら寝ちゃっていいからな。着いたら起こすし」

春香「いつも言ってますけど、そうしたらプロデューサーさん、眠くなっちゃいますよね? だから、頑張って起きてます!」

P「……いつもそう言ってるけど、春香結局寝ちゃうよな」

春香「むぐっ。……ご、ごめんなさい」

P「いやいや。それだけ春香が一生懸命頑張ってるってことだからさ。俺としてもせめて移動のときくらい、休んでほしいんだ」

春香「でも、せっかく……。……」

P「せっかく?」

春香「なんでも、ありません。でも今日は、絶対起きてますからっ!」

P「あはは。じゃあ今日はどこまでもつのか、お手並み拝見だな」

春香「……あ、そうだ。どこかでコンビニがあったら、入って貰ってもいいですか?」

P「早速眠気覚ましでも買うのか?」

春香「違いますよぅ! ……その」

P「うん、丁度俺も飲み物が欲しいと思ってたところだったんだ。……お、あそこでいいかな」

春香「……はいっ」

P「じゃあ、入るぞ。……っと」

春香「駐車場、一杯ですね……?」

P「そうだな。どうしたもんか。空くまで待つか……?」

春香「!」

春香「それなら、プロデューサーさんは車に乗っててください! 私、飲み物も一緒に買ってきますから!」

P「んー……。そうだな、それがいいか。お金持ってるか? 後で払うから」

春香「はいっ! 飲み物、何がいいですか?」

P「炭酸飲料がいいかな。春香に任せるよ」

春香「分かりましたっ! それでは天海春香、行ってまいります!」びしっ

春香「お待たせしました!」

P「お、ありがとう。レシートちょうだい」

春香「はい、どうぞっ。それとこっちが、ジュースです!」

P「さんきゅ。……って、なんだ。春香も同じのにしたのか?」

春香「最近、私これにはまってるんです。おすすめなんですよっ」

P「なるほど。春香が気に入るってことは、きっと美味しいんだろうな」

春香「えへへ。そうだといいなぁって思います!」

P「よし、忘れ物ないな? それじゃあ出発するぞ」

春香「はいっ」

P「よし、到着っと……」

春香「着きましたね。運転、お疲れ様でした!」

P「……しかし、なんだ。今日は本当に寝なかったな」

春香「! えへへ。今日の私は、元気いっぱいですから!」

P「それに、なんかえらく上機嫌っぽかったし……。何か、いいことでもあったのか?」

春香「……! ふふっ、それは秘密、です♪」

P「なんか、意味ありげだな? ちょっとくらい教えてくれてもいいんじゃないか?」

春香「だーめ、ですっ。プロデューサーさんには絶対、教えてあげませんっ」

P「けちだなぁ……。まいっか、今日の撮影も頑張ってな、春香」

春香「はいっ! 天海春香、全力で頑張っちゃいます!」


春香(プロデューサーさんには、絶対に教えてあげません。……だって)

春香(同じ缶ジュースが並んでるのを見ただけで、嬉しくなっちゃった、なんて言ったら……。笑われちゃいますもんねっ。……えへへ)


Case8.照れ照れ春香さん

Case9.

P「よ、っと……。ただいまー」

春香「わ、ぷ、プロデューサーさんっ。もう、遅いですよぅ!」

P「悪い悪い、遅くなっちゃったな。ちょっといろいろトラブルがあって……」

春香「もうっ。私、どこかで事故にでもあったんじゃないかって、すっごく心配したんですからね!」

P「や、ほんとごめん。連絡ぐらいは入れるべきだったよ」

P「その代わりと言ってはなんだけど……これ」

ばさっ

春香「え、わ、わ……! ど、どうしたんですか、こんなに一杯の花束!」

P「事務所のみんなに協力してもらってな。それぞれの好きなように花束を作ってくれ、って」

春香「ほんとだ、名前が書いてある……。やよいに真、小鳥さんまで、こんなにたくさん……!」

P「まあ、ほら。なんたって今日は、特別な日だからな」

春香「! プロデューサーさんっ」


P「……俺と春香が初めて出会った日、だもんな」

春香「えへへ。あれから、いろんなことがありましたね」

春香「泣いたり、笑ったり、喧嘩したり、仲直りしたり、いろんなところに出かけたり」

P「あちこち取材や撮影に行ったし、いろんな所でライブをした。たくさんの人と出会ったな」

春香「むー……。プロデューサーさん、お仕事のことばっかり……」

P「む、仕方ないだろ。……職業病ってやつだ」

春香「しょうがないですね。でも、この日を覚えててくださっただけで、ぜぇんぶ許しちゃうことにします♪」

P「忘れるわけないだろ。そのためにこの日に合わせたんだから」

春香「えへへ、万が一忘れられてたら、どうしようかと思いました。私、今、とっても幸せです」

P「俺もだよ。なんたって、今日は……」


春香「私たちの結婚記念日、なんですから♪」


Case9.幸せ照れ春香さん


短いけど終わり。たまにはひたすら可愛い春香さんが書きたかっただけ
缶ジュースのくだりは春香がカバーした広末涼子の「大スキ」から
プラチナスターズが今から楽しみで仕方ありません

お付き合いくださった方、特にレスくださった方は本当にありがとうございました

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