エレン「兵長申し訳ありません! クソが長引きました!」(30)


リヴァイ「ケツは綺麗に拭いたか」

エレン「はい!」

リヴァイ「なら問題ない」



カーズ「何だこのクソスレは・・・」

ワムウ「分かりませぬ・・・」

カーズ「クソに始まりクソに終わる。フン・・・人間という者は・・・何だ貴様らは!」

エシディシ「な、何をする、放せ!」

ワムウ「カーズ様エシディシ様、ここはひとまず・・・ぐはっ!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ジャン「地下牢に監禁しました。3人とも気を失っています」

リヴァイ「口ほどにもねえ奴らだ。では始めるぞ」


リヴァイ「おっと、その前に一点注意しとくことがある。いいか。今エレンがしたように、クソが長引いて会議に遅れたりした時は、必ずその旨を申告しろ。わかったな」

新リヴァイ班一同「」

ミカサ「質問があります」

リヴァイ「何だ」

ミカサ「それは男女を問わず、ということでしょうか」

リヴァイ「当然だ」

ミカサ「異議を申し立てます。男子であれば、……大きい方をその、……大きな声で元気よく申告するのは何も問題ないと思いますが」

アルミン(問題なくはないよ。男子だって大ありだよ)


※捏造あり。リヴァイが自制心喪失。


ミカサ「女子の場合は、一般的に言って、非常に抵抗があります。最悪の場合、婚期を逸する可能性があります。ただ単に便所に行ってる、あるいは行ってたというだけで十分ではないかと」

リヴァイ「いいか。俺はクソが長引くことを咎めてるんじゃない。クソが思うように出てこなかったり止まらなかったりって時は仕方がないから、大目に見てやろうってことだ。特にお前らみたいな新兵の場合はな。

俺のようにクソを完璧に支配できるようになるにはまだまだ時間がかかることぐらい百も承知だ。その上で、クソが長引いたなら長引いたと、正直に言えと言っている」

ミカサ「私は理解に苦しみます。どうしてそのように、……大便を、特別視なさるのでしょうか」

エレン「おい、いい加減にしねえか!」

リヴァイ「いいんだエレン。ミカサよ。なぜ俺がこの大事な会議の前にお前たちに念押しするのか、残念ながら今は全部説明してる暇はない。

だがクソというのは、人生においてそれほど厄介なものだってことだ。人間は一生、この厄介な生理現象と向き合わなきゃならない。それをお前たちに忘れさせねえ意味もある。もうこれくらいでいいだろう……」


リヴァイ「さて。王都から得た情報によると、中央憲兵の一隊がこちらに向かっている。総数は20人。こいつらを迎え撃ち殲滅させる」

新リヴァイ班一同「」

アルミン「あ、あの……質問よろしいでしょうか」

リヴァイ「何だキノコ頭」

アルミン「それは、エレンの巨人を使うということですか」

リヴァイ「いや。お前たちには俺の考えた作戦通りに動いてもらう」

アルミン「でも……敵は20人ですよ」

リヴァイ「そうだ。敵は20人、こちらは8人だからまともに戦ったら明らかにこちらが不利だ。だから、罠に誘い込んで叩く。

お前たちはこの隠れ家を出て遠巻きにして奴らを待ち構える。敵は中に入るだろう。そこで中に待機してた俺が入口に鍵を掛けて用意していた油に火を放つ。お前たちは外に残ってる敵を狙撃して掃討しろ」


ジャン「兵長は、……どうなさるんですか」

リヴァイ「俺のことは心配要らない」

エレン「でもそれじゃ…… 兵長も焼け死んでしまいますよ」

リヴァイ「俺がそんなドジを踏むと思うのか?」

エレン「いえ、そういうわけでは」

ジャン「しかしそもそも、団長の作戦命令も出てない今、なぜ戦う必要があるのでしょうか」

リヴァイ「それは決まってるだろ。俺たちを舐めてやがるからだ」

ジャン「な……舐めてるから、ですか」


リヴァイ「そうだ。てめぇらは調査兵団だろ? 調査兵としての誇りはあるのか? その俺たちを、たかだか20人ばかりでオモチャにできるとか考えてやがる。ふざけやがって! 殲滅する」

アルミン「しかし相手は憲兵ですし……」

リヴァイ「だから何だ。中憲がヘマやらかしたなら王政は俺たちを審議に引きずり出すことすらできねえ。こっちはこっちで、山賊だか何だか訳のわからん連中から身を守っただけだ。何びくついてんだキノコ頭?」

ミカサ「兵長」

リヴァイ「何だ」

ミカサ「その役目、私が引き受けます。兵長自ら危地に臨む必要は」

リヴァイ「悪いが遠慮する。これは俺にしかできん。他に質問は? では解散!」


~~中央憲兵襲撃当夜~~


エレン「来たぞ」

コニー「兵長大丈夫かな」

エレン「心配ないさ…… あ、奴ら何も言わないで入って行きやがった」

隠れ家のリヴァイ(来やがったな。入ったのは全部で、……と、12人か、バカどもめ。さてと。いよいよ決着を付ける時ってわけだ)


──リヴァイ回想──


~~第57回壁外調査。シガンシナ区を目指し進撃中の調査兵団~~

リヴァイ「他の隊の様子を見てくる。エルド、班の指揮を任せる」

エルド「了解」


リヴァイ「確かこの辺りだったが…… いたな。おい新兵」

ユミル「はい?」

リヴァイ「気分はどうだ」

ユミル「気分? ですか。いやあ、ごく普通ですけど」

リヴァイ「驚きだな。初陣の壁外調査に出た直後の気分が普通か。てめぇのそのクソ落ち着きぶりはいったい何だ?」

ユミル「何だと言われましても……」


リヴァイ「面接の時に俺がした質問を覚えてるだろ。それをもう一度する。お前が調査兵団でしてえことは何だ?」

ユミル「いや困りましたね。何であるにせよ、訓練兵団を出た以上兵科は決めなきゃいけなかったわけですから……」

リヴァイ「それだけなのか?」

ユミル「まあ、そうですよ」

リヴァイ「この際正直に言おう。俺はお前が気に食わん」

ユミル「そうですか」


リヴァイ「なぜだかわかるよな? お前には姓がない。入団面接にエルヴィンと全分隊長が集まってそれを問いただした時にも、お前はただ『自分には姓がない』の一点張りだった。そして今はこのクソ落ち着きぶりだ。他の新兵どもはみんな顔面蒼白だってのに。気に入らんな」

ユミル「あの時には、何で私だけ呼び出されて団長以下お偉方に問い詰められるんだか訳わかりませんでしたけどねぇ」

リヴァイ「それだけお前が要注意人物だってことだ」

ユミル「脅かさないでくださいよ」

リヴァイ「お前がもう少し素直なら、脅かすつもりはさらさらない。これももう一度聞こう。なぜ姓がない?」

ユミル「……兵長さんと似たような理由でしょうよ」

リヴァイ「! そうなのか?」


ユミル「当てずっぽうを言ったまでです。怖い顔しないでください。あの…… ところで」

リヴァイ「何だ」

ユミル「押収された私のあれ、どうなりましたかね……?」

リヴァイ「すべて焼却処分した。当然だろう」

ユミル「本当ですか?」

リヴァイ「違うってのかてめぇ」

ユミル「いえいえとんでもありません!」


リヴァイ「フン。ふざけた野郎め。いずれじっくり話を聞かせてもらうぞ」

ユミル「はぁ、ドキドキしますね。ところで兵長さん」

リヴァイ「何だ」

ユミル「今さらですけど、あなた今年中に死にますからね」

リヴァイ「……そうか。邪魔したな」

ユミル「いいえどういたしまして」


あの変な女と口をきいたのはあれが最後だった。でも確かに、あれ以来俺は妙に急かされる気分になってる。


俺の人生は確実にぶれが少なくなっている。クソ溜めに向かってまっしぐらに突き進んでる予感は日ごとに強くなるばかりだ。

何度か、「これでうまく誤魔化せた」と思ったこともある。ところが、最悪の事態を回避できたように見えたのは俺の勘違いで、どんどん状況は不利になっているらしい。

5年前、1年前、半年前、1週間前、2日前と…… 俺にとっての選択の余地は坂を転げ落ちるみたいに少なくなっていった。こうなったら覚悟を決めて、無駄な悪あがきをしないのが潔い態度なのか。……潔い? 気が進まねえのはどっちにしろ同じだが。


今から7年前。任務で王都へ出張したあの日を境に、俺の人生は狂い始めた。


都は広い。特権階級が往来する中心区から離れて地下街に入れば、すぐに薄汚い陋巷に足を踏み入れることになる。俺はそんな場所を歩いてた。
その一角に根城を構える悪党の首領と兵団物資の納入に関する交渉を終わらせて、いい加減早く帰りたいと思っていた。


この辺りには昔馴染みのろくでなしや物売りのババア、化け物みてえな娼婦がうろうろしてる。そんな連中に声を掛けられねえように回り道をして、貧民の棟割り長屋が並んでいる路地を通り抜けている矢先だった。


狭い路地が交差している十字路の真ん中に、その野郎は飛び出してきた。


「あんたを探していた!」


何度考えても、そいつの顔は見た覚えがない。この俺が思わず後ずさりしたくなるほど薄汚ねえ野郎。それが、天使にでも会ったみてえな喜びにギラギラした目で、俺を見てた。想像してみてくれよ。


風呂に入るとか体を洗うって習慣はとうに忘れているのがはっきり分かるほど、そいつは臭かったからな。その、超絶に臭くて汚ねえ野郎が、俺を探してたとか抜かすわけだ。一瞬、この世に生まれなきゃよかったと思った。


「あんたは世界を救う! 我々の罪を一身に背負ってあんたは犠牲になり、世界に夜明けをもたらす! 救世主に祝福を!」


ああ、何て汚い野郎だ…… こんな奴に指さされて、探していただの世界を救うだのとわめかれるような、いったいどんな罪を俺は犯したっていうんだ。
そんな時でも気を失わずに済む方法といったら、ここは壁外だとでも思うしかない。今は戦闘中だ。自分の鼻と神経の一部に蓋をして、目の前の対象を仕留めることに専念しなければならない。


「おいてめぇ。俺が救世主だとか抜かしたな。ちょっと来い」


俺はそいつの襟首を掴んで、今にも倒れそうな木造の長屋の裏に引っ張り込んだ。


「いいか、俺は兵士だ。今までにも十分お前らを救っている。兵士としてなら、これからも救うだろう。だから言うぞ。お前は人違いをしている!」


俺はすぐにでも手を洗いたいのを我慢しながら、そいつの鼻先に人差し指を突き付け、襟首を揺さぶって怒鳴った。でもこの野郎は表情を変えずに怒鳴り返した。


「人違いではない!」

「俺が兵士でもか?」

「兵士かどうかなど関係ない。あんたは救世主。それ以上でもそれ以下でもない」


何とそいつは、襟首を掴んでいる俺の手首を握った。俺は反射的に手を引っ込めて、つかまれたところをハンカチで拭った。


「今から7年以内に」


超絶に汚ねえ野郎は両膝を着いて、俺を見上げながら続けた。


「あんたは世界を救う仕事を始める。人類の苦しみを一身に受ける。でも恐れることはない! 肉体の滅びは魂の復活。あんたの清らかな魂を全世界が讃え、やがて夜明けが来る。これを」


俺の清らかな魂だと? 今思い出しただけでも吐き気がするぜ。
男は蝿の群れでも飛び出してきそうな自分の懐から、一冊の書物を取り出して、地面に置いた。


「あんたは俺の手から受け取りたくないらしい。だが読め。きっと自分の使命に気付く。救世主の前途に祝福あれ!」


その野郎は目をひん剥いて両手を天に掲げ、一声叫んでから、俺を指さしてもう一度「今から7年以内に」と言って背を向けた。


結局俺はどうしたのか。それ以上そいつの後を追わなかったし、地面に置かれた書物をハンカチを持った手でつまみ上げた。

そして帰りの馬車でそれを読んだ。

奇跡を行って十字架に掛けられ、3日後に復活する大昔の聖人。どれほど脳味噌が腐ったからって、俺にははっきりこう言える自信がある。

復活なんてあり得ねえ。

壁教と同じで、信じたい者がそれを信じるかどうかだ。現実とは何の関わりもない。

その書物を即座に捨ててしまうのは簡単だ。だが捨ててしまえば俺が逃げたことになり、後々までそいつの影に悩まされる羽目になる。もう二度と読むわけはないにしても、自分を戒めるために手近な場所、しかも「 絶 対 に 誰にも気付かれない」場所に保管しておく方法を俺は選んだ。

そうすれば、アクが抜けていくみたいに災いは力を失っていく。このクソみてえな人生を通じて学んだ数少ない教訓の一つだ。


とは言うものの……

あの男の言葉は今日に至るまで俺を呪縛している。予言通りの道に足を踏み入れていないかどうか。うっかり、太古の聖人めいた状況に首を突っ込んでいないかどうか。いつも頭のどこかに引っ掛かってた。

出張から帰って、当時まだ分隊長だったエルヴィンにこの出来事を話した。あの書物の話以外はな。キースには…… 話すわけがねえだろう。

エルヴィンは俺がつまらなそうな顔をしてるのを見て、からかってみたくなったらしい。


「よく帰ってきたな。そのまま救世主になるのも悪くなかったと思うぞ?」

「何を言ってやがる。てめぇならそうするのか」

「私なら辞職願を出す前に、自分が本当に救世主なのか試してみるが」

「例えば?」


「『お前の病を治してやる』と巨人に呼びかけるのさ」

「それで巨人は大人しくなるのか?」

「ならなきゃおかしい。そうだろう?」

「ふざけやがって。何でもよ、人類の苦しみを一身に受けるらしいぜ。お前いいのかそれで?」

「それは考えものだな。でも…… その時が来たら君を全力で支援しよう」

「何とでも言え。どうせ7年も先の話だ」


エルヴィンは、自分は関係ねえって薄笑いを浮かべてた。他人事を面白がってばかりいるから片腕を失くすような羽目になるんだ。


「あと7年経った時にどうする?」

「何もしねえよ。そもそも俺の柄じゃねえ」

「何もせずにいられるかな?」

「せいぜい俺の代役でも探すさ」


その時は笑い事で済ませられた。呑気な時代でもあったしな。マリアが破られるなんてあり得ないと誰もが信じてる中で、俺たちは壁外調査に出向いていた。


それから7年。わりにあっという間だった。


味方の兵を拉致した上に敵方に走ったあのソバカス女は、いずれ反逆罪で不名誉除隊になるだろう。だからって何も解決しない。何も……

もう潮時だな。ではやるか。……フン。一応これだけは、声を大にして言わずにはいられねえ。




ざ ま あ み や が れ !!!!




ドドォォォォーーーーーーーン!!!



新リヴァイ班一同「うわっ!」

エレン「兵長ッ!」

ジャン「まさか! 火薬に直接点火を?」

サシャ「外の憲兵も全部吹き飛んじゃいましたね!」

エレン「兵長! 兵長! 兵長ぉぉぉーーーーーっ!!」

アルミン「エレン今飛び出したら危ない! まだ火薬が残ってるかも」


ミカサ「気のせいだろうか? 一瞬だけ、兵長の高笑いが聞こえたような……」

エレン&ジャン「!?」

アルミン「エレン、これ…… 昨夜兵長から渡されたんだけど」

エレン「何だこりゃ? 『福音書』?」

アルミン「それは表紙だけだよ。中身は『薄い本』って言われてる太古の禍々しい予言書で…… 僕以外の男子全員と、……兵長との絡みが書いてある。でも、……何でかな僕だけ、変なおじさんが相手なんだ……」

コニー「『クソが長引きました』ってこの先誰に報告すりゃいいんだよぉぉぉーーーー!!」



完!

乙。

つまんね

やべえ、大真面目につまんねえ

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