久「あらあら~、それは大変だこと。」
美穂子「全ては風紀部委員長である私の監督不届き!いかなる処罰が下ろうとも……」
久「いいのいいの。そんな堅苦しくならなくても、憧見つかった?」
憧「んー」カタカタ
憧「見~~~~~つけた。この一年の教室に居る須賀ってヤツが盗んだのね。間違いない」
憧「この監視カメラ、見てよ」ズーム
久「ふふっ、鞄の中にパンツを隠したわね」
美穂子「この男がパンツを盗んだ犯人!?」
久「ここからは風紀部の仕事じゃなくて?」
美穂子「はい!任せて下さいっっ必ず取り返して参ります!」
~~~~~~~~
通学路
和「あのっ…、本能iPS学園の道ってこっちであってますか?」
まこ「おおっ見慣れん顔じゃの。あっとるよ。わしは、その学園の一年生じゃ」
和「そうですか、良かった。この辺、道が複雑で迷ってた所です」
和「この角に見覚えありませんか?」
まこ「なんじゃこれ?動物の角か?シャアザクの角っぽいのぉ」
和「人間の角ですよ。……やはり知りませんか」
和「ところでこの学園のトップって誰ですか?」
まこ「なんじゃ知らん事だらけじゃの。転校生か?」
和「はい、そうです」
まこ「この学園のトップは生徒議長である竹井久様じゃぞ」
和「竹井久ですか……」
まこ「呼び捨てにすんな!風紀委員に聞かれたら血祭りにされるぞ!?」
和「染谷さんが一年生で良かったです。こうして学園まで案内してくださるなんて」
まこ「わしも行く所じゃからな。まこでいいぞ。わしは本当は二年生なんだがな。部活の対外試合で負けて入院しとったんじゃ」
和「留年されたんですか?」
まこ「そうじゃな。思ったよりひどい怪我での~、竹井様から賜った一つ星パンツにドロを塗ってしまった」
和「パンツ?」
まこ「人知を超えた力を与える履き物じゃよ。まぁ一般の生徒さんには関係ない履き物じゃ」
和「人知を超えた力ねぇ……」フーム
教室
まこ「まさか教室まで一緒だとはな」
和「これからよろしくお願いしますね」
京太郎「こここここ、殺される」ガクガク、ブルブル
優希「京太郎、顔色が悪いじぇ」
京太郎「も……もう駄目だ!俺は早退する」シュバッ
京太郎が荷物をまとめて帰ろうとした瞬間
ドシャーーーーーン!
扉を蹴り破って登場する女が一人
美穂子「これから朝のホームルームだと言うのにお騒がせしてすいません。風紀部です」
和「ところでさっきのパンツについての話なんですけど」
まこ「えーとな。簡単に説明するとiPS繊維で作られた布キレなんじゃよ」
和「iPS繊維?」
まこ「人体のiPS細胞を刺激して超人的な力を手にする事が出来るんじゃ。一ツ星パンツは10%、二ツ星は20%、三ツ星は30%以上のiPS繊維で作られているとか」
和「100%はないんですか?」
まこ「目にした事はないのぉ。まぁ、噂じゃが100%のiPS繊維で作られたパンツは女同士でも妊娠可能になるくらいとてつもないパワーを秘めてるとか」
美穂子「え~~~コホン。みなさんに残念なお知らせがあります」
美穂子「このクラスの男子生徒が一ツ星パンツを盗んだ疑いがあります」
ざわざわ……
まこ「バカな。このクラスにパンツを盗むなんて大馬鹿者が居るはずが」
優希「そうだじぇ!パンツなんか盗んだら、生徒会にどんなひどい目にあわされるかわかったもんじゃないじぇ」
美穂子「……」チラッ
京太郎の席を見る美穂子
美穂子「須賀京太郎君はお休みですか?」
優希「き、今日は……来てないじぇ……あっいや、来てませんじぇ」オドオド
和「さっき早退しましたよ」
優希「!?」
美穂子「ほぅ……早退ですか」
「お、おい校庭を見ろよ」
「京太郎だ!」
美穂子「むっ、もう校庭に居るのですか」
まこ「学園の外まで逃げ切ったら何とかなるな」ヒソヒソ
優希「いくら生徒会でも学園の外を探し出すのは一苦労だじぇ」ヒソヒソ
美穂子「スカートがめくれてしまうのは嫌なのですが……てぃ!」ピョン
窓から校庭に向かって大ジャンプする美穂子
ドシーーーン
美穂子「あいたたた……」ヒリヒリ
京太郎「げっ!?風紀部!ちくしょう、もうすぐで学園の外だったのに……」
美穂子「そのパンツをお返しなさい。それは生徒会の……いえ、上埜様の所有物です」
京太郎「だ、誰が返すか!女ばっかり贔屓しやがって!俺だってパンツがあれば、部活で活躍する事くらいわけないぜ」
美穂子「男だからパンツを与えない。そんな差別を上埜様がするとお思いですか?」
京太郎「あぁ、するに決まってる!なにが生徒議長だ!親のコネで成り上がって偉そうに……ムーミン顔の癖に!」
美穂子「……」ビキビキ
京太郎「俺だってパンツを履けば!」スチャ
ピカーーーーン
美穂子「上埜様を侮辱しただけではなく、上埜様のパンツを履くなんて!」
ドタドタ
校庭に降りて来たまこ達
まこ「おおっ、あやつパンツを履きよったぞ!」
優希「やったれー!京太郎!風紀部なんて蹴散らしてしまえーーー!」
和(須賀君の筋肉が見る見る膨れ上がって行きます。あれがパンツの力)
京太郎「グオオオオォォォォォォォォ!!!!!!!フハハハハハハ、力がみなぎって来るぜ!」
京太郎「そこどけえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
ドドドドド
巨体になった京太郎が仕掛けるが勝負は一瞬でついた
美穂子「むんっ!」クルン
京太郎「オオォォォォ!?」
美穂子「一気通貫!」バシッッッ
京太郎のタックルを回避し、京太郎の鳩尾に正拳突きを決める美穂子
京太郎「ぶほおおおぉぉぉぉぉぉぉ」パーーーーン
ズチャーーーン
京太郎は服を破かれ、パンツ一枚になって着地した
美穂子「華菜、パンツの回収をお願いね。男性に触れるなんて寒気が走るわ」
池田「わかりましたし!」
まこ「あーあー。流石、三ツ星パンツを持つ女、福路美穂子様。風紀を取り締まる風紀部委員長は伊達じゃないの」
優希「き~ょ~う~た~ろ~」ウワァーン!!
和「あの人、強いですね。あの人より上が居るのですか?」
まこ「言うて四天王の一人だからな。あの人の上は一人しかおらんよ」
久「流石、美穂子。盗人退治も朝飯前ってね」テクテク
美穂子「!?」
美穂子「全校生徒、頭が高い!!!!!!!上埜様が登校されます!」
池田「はいだし!」フカブカ
久「別に男だとか女だとかで差別してるつもりはないけどね。何かしら優秀な人にパンツをプレゼントしてるわよ」
美穂子「上埜様、このような下郎の言う事など……」
久「いいのいいの。不満を持ってる生徒も多いと思うしね。まっ……男の方が遺伝子に欠陥があるような気がしないでもないわね」
優希「えっ」ムクッ
まこ「お、おい。頭を上げるな」
久「来年から女子校にしようかしら~、迷っちゃうな~」
美穂子「私達生徒会は女子校になっても、上埜様に忠誠を誓うのみでございます」
久「女子校は半分冗談だけどね。ままっ、男の子も頑張ってよ。色々とさ」
和「あのっ……質問よろしいでしょうか」スッ
まこ「!?」
優希「!?」
まこ「お、おい。転校生!頭下げんと殺されるぞ!?」
優希「あわあわあわわわわ……、京太郎に続き本日二人目の犠牲者が」ガクガク
美穂子「むっ、誰ですか?一年生?上埜様を前に頭が高いですよ。この無礼者!」
久「見ない顔ね。転校生?」
和「そうです。貴方がこの本能iPS学園の長ですか?」
久「そうよ。この学園とこの学園の女生徒は私の所有物」
久「貴方、いい物をおもちじゃない。今晩相手してあげましょうか?」
和「結構です。私の純潔は予約済みですので」
美穂子「……」ギリギリ
美穂子(この女、上埜様からのお誘いを断るなんて……無礼千万!!!!!!!)
久「あらー残念ね。私の誘いを断る生徒が居るなんて。まぁ、初めの内だけでしょうね」
和「そんな事はどうでもいいです。それより私の質問に答えて下さい。いえ、答えなさい」
久「……何かしら?」
和「宮永ホーン、これをご存知ですか?」スッ
赤い角を見せる和
久「なんだ。姉のホーンじゃない」
和「今、なんて?」ピクン
久「赤いから姉のでしょ。宮永照」
和「その名前をどこで知った!いえ、知りましたか!?」
久「ノーコメント。聞きたきゃ、力ずくで聞き出しなさい。それがこの学園のルールよ」
和「宮永咲を殺した犯人は……貴方ですかーーーーー!」
久に向かって、突進する和。右ストレートを久の顔面に打ち込むつもりだったが。
ピタッ
美穂子「一年生。あまり私を怒らせないで下さい」
和「ぐっ……ぐぐぐっ…、動かない」
指一本で和の拳を止める美穂子
久「美穂子、下がりなさい。これは私が買った喧嘩よ」
美穂子「ですが!?」
久「パンツも履いてない一年生に私が遅れを取るわけないでしょう」
和「ダアアアアアアア!!!!!!」シュババババ
和は高速のパンチの嵐を久に向けて放つが
久「遅い遅い」ヒョイヒョイ
ブスリ
和「いつっ……」
腕を何か鋭利な物で刺された和
久「私も持ってるの。宮永ホーン。これ、よく刺さるわよね」
和「そそそそそ、それは!?」
久「宮永咲のホーンよ」ペロッ
ホーンについた血を舐める久
和「それは!わ、わ、わた、わたしのホーンです!!!!!!!!」
和、蹴る蹴る蹴る、殴る殴る殴るの乱舞
ブスッ!ブスブスッ!ザクザクッ!
和「ひゅーーひゅーーーー」ピクピク
久「やっぱり相手にならないわね。私に触れる事すら出来ない」
美穂子「上埜様、ハンカチでございます」ササッ
久「血なんて1滴もついてないわよ」
久「もういいわ。興が削がれた……。今すぐ治療すれば助かるわ」
和「わたしに……もっと力が…あれ……ば」
久「弱い者のiPS細胞に価値なんてないわ。残念だけど、貴方、この学園に相応しくないわよ」
和「ぐっ……」パタッ
まこの家
和「んっ……ここは」パチッ
まこ「おおっ気が付いたかの。ここはわしの家じゃよ」
和「まこさんの家?いたたっ」ガバッ
まこ「もう少し寝とれ。なんせ出血多量で死にかけたんじゃからな」
和「私は負けたんですか?」
まこ「気持ちいいくらい完敗じゃ。竹井様に触れる事さえ出来んかった」
和「あれが学園トップの実力」プルプル
まこ「お主、喧嘩に自信あったんか?辞めとけ辞めとけ、毎年転校生が生徒会や竹井様に勝負を挑むが完膚無きまでボコボコにされとる」
まこ「今のお主じゃ、竹井様だけじゃなくパンツ持ちにすら勝てんじゃろ。一ツ星パンツにさえな」
和「うっ……ひぐっひぐ」ポロポロ
まこ「そりゃもうパンツ持ちが学園では威張り散らしてるが、わしら一般生徒は奴隷のように従うしかないんじゃ」
和「そんな生活……私は嫌です」
まこ「我慢は美徳じゃ。ワシもパンツ持ちだった頃はクラスメイトをこき使っておった。その代償が……まぁイジメとかな」
和「留年はイジメによるものだったんですか?」
まこ「そうじゃな、自業自得じゃが。今のクラスはわしの事、覚えてるヤツなんかおらんし良かったわい」
和「でも私、竹井久に聞きたい事があるんです。このホーンの事」
まこ「よっぽどお前さんにとって大事な品物らしいの、それ。寝てる時も手放さなかったぞ」
和「大切な親友の形見です。あっ恋人かもしれません」
まこ「そうそう。担任の赤土先生が見舞いに来たぞ。なんか手紙を置いて帰った」
和「担任の赤土先生ですか。転校初日にとんだ迷惑をかけてしまいました。どれどれ手紙は……」ガサガサ
和「これは!?」
嶺上開花の秘密を私は知っている。
詳しくは町外れにある小屋まで
和「……行かなくては」
町外れにある小屋
和「ボロボロですね。人が住んでる気配はゼロです」
ギシギシ
晴絵「来たか……。後はお前次第だ、和」ポチッ
ガコッ
和「へっ?」
和「きゃあああああああああ、落ちるるるる!?!??!?」
突如、落とし穴で落とされてしまった和。
そして和が見た物は……。
和「パンツ?」
壁に飾っている一枚のパンツ
パンツ「おい、デカパイ」
和「は?」
パンツ「お前だよお前。淫乱そうなピンク頭」
和「なっ!誰が淫ピですか!」
パンツ「巨乳は頭が悪いと聞くがどうなんだろうな?私の名前はエトペン」
和「エトペン?変な名前ですね」
パンツ「黙れ小娘!カワイイペンギンだろ!?」
和「このパンツに描かれてるのはペンギンなんですか。ふ~~~~ん」
エトペン「おい、小娘。私を履け」
和「はい?」
エトペン「力が欲しいのだろ?私を履け。装着しろ」
和「なんで私が喋るパンツを履かないと駄目なんですか!ハレンチな」
エトペン「私はお前みたいな小娘に欲情したりしないッッ!!!!!私はホモだ!」
和「雄なんですか!?」
~以下略~
和「こ、これが……私の力……」ボボボ
エトペン「そうだ。お前の新しい力、紅蓮のパンツだ」
和「紅蓮……これなら、竹井久にも…勝てる!」シュッシュッ
後日、生徒会室
運動部を統括する運動部委員長。三つ星パンツ、清水谷竜華
竜華「この前の転校生ってもう学校辞めたんかいな?」
文化部を統括する文化部委員長。三つ星パンツ、鷺森灼
灼「知りませんよ。まぁ……一般生徒一人居なくなっても、大した問題じゃないだろうし」
生徒会会計及び情報戦略部委員長。三つ星パンツ、新子憧
憧「どれどれ、私が検索してやろう。私のパソコンの中には全生徒のデータが入ってるからねー」カタカタ
憧「えーと、転校生転校生っと。原村和?あっ……私の幼馴染だ」
竜華「幼馴染ってまじかいな。ちゃんと忠告しとけば、ボコボコにされる事なかったやん」
憧「いや、だって転校して来るなんて連絡受けてないしさ……。まさか竹井様に逆らう馬鹿が居るとは思いもしなかったし」
灼「いい見せしめになったと思うよ」
バターン
美穂子「全員揃ってるわね?上埜様のご到着です!」
久「みんなーおっはよー」
竜華・憧・灼「「「おはようございます」」」」フカブカ
久「さて、北日本ノンケ制圧作戦の件だけど。竜華」
竜華「はい!」
久「サッカー部主将の愛宕絹恵さんに二ツ星パンツを進呈しようと思ってるの」
竜華「彼女はとても優秀な本能iPS学園の生徒です。きっと竹井様の野望にお役に立てると思います」
久「反対意見ある人は?」
憧「ない」
灼「ありません」
美穂子「全ては上埜様の御心のままに」
久「よーし、久しぶりの二ツ星パンツを……」
ドタドタ
池田「大変ですし!たたたたたたた、大変だし!?」
美穂子「華菜、騒々しい。今は会議中なの!静かになさい!」
池田「申し訳ありません!しかし、北斗神拳部が……北斗神拳部主将の園城寺がヤられました!」
竜華「なんやて!?怜が?」ガタガタ
久「彼女は二ツ星パンツを持つ生徒なはず。一体誰にそんな事が出来るのかしら……」
和「あたっ!」アベシ
怜「ううっ……うちが負けるなんて……」ガクッ
和「いい準備運動にはなりました。このパンツの力があればこの学園のテッペンも取れますね」
和「待ってなさい、竹井久。必ず咲さんの事、聞き出して見せます」
~~~~~~~~~~~
和「私の戦いは」
咲「始まったばっかりだ!」
終わる
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怜、病んでさえいなければ…