和「お見合いをすることになりました」咲「ええっ!?」 (38)

和父「和、お前も年頃になってきたな」

和「は?まだ高校生ですよ」

和父「いや、高校生といえば思春期真っ只中だろう。色恋に興味を持つ年齢だ」

和「!?」

和(まさかお父さんの口から色恋なんて言葉を聞くとは…)

和父「で、どうなんだ?」

和「麻雀が恋人です。恋愛に興じる暇なんてありません」

和父「ほう」

和「それに、決まった相手もいませんし」

和父「それに関しては問題ない。今週の土曜日にお見合いを取り付けてきたからな」

和「は!?」

和父「その日は一日空けておくように」

和「な…」

和父「温和で優しい方だぞ」

和「勝手に話を勧めないでください!私はまだ高校生です!」

和「この年でお見合いなんてそんなオカルトありえません!」

和父「既に決めたことだ。逃げようなんて思うな」

和「な、な、な…」

和父「もしお前に恋人がいたなら取りやめているがな」

和「!!」

和(なんて勝手な…こうなったら何としても破談に持ち込んでやります!)

和「というわけで咲さん、男装して私の恋人役をやってください」

咲「ええっ!?」

和「お願いします!私を助けると思って!」

咲「うーん…私にできるかなぁ…」

京太郎「女に恋人役をやらせるより、何だったら俺が…」

和「いえ、須賀君は結構です」きっぱり

京太郎「」がーん

和「お願いします咲さん!」

咲「「わ、分かったよ!親友の和ちゃんのためだもん、私頑張る!」

和「ありがとうございます咲さん!」

久「しっかし和のお父上、スゴイわねぇ」

まこ「わしらの年でお見合いとはのう」

優希「もしバレたらのどちゃん結婚させられちゃうんじゃ…」

京太郎「まあ恋人を連れて行けば問題ないのなら、咲が行けばお流れになるんじゃね?」

久「よーし!そうと決まれば皆で咲をりりしい男にコーディネートするわよー!」

皆「おー!」

咲「よ、よろしくお願いします」

土曜日

久「うん、イケてるわよ咲!」

京太郎「おお」

優希「咲ちゃんカッコイイじぇ!」

咲「そ、そうかな」

和「…///」ぽー

まこ「どうしたんじゃ和?」

和「い、いえ何でも…」

和(スーツ姿の咲さん…素敵すぎます///)

咲「じゃあ行こうか、和ちゃん」すっ

和「はい、咲さん///」ぎゅっ

咲(和ちゃんのドレス姿、綺麗だなぁ)

咲(私が男の子だったら絶対に惚れてるよね)

咲(ううん、男の子じゃなくっても…って、私ってば何考えてんだろ///)

咲(今から和ちゃんの恋人役として、和ちゃんのお父さんと見合い相手に見せつけに行かないといけないんだから、しっかりしないと!)


和「失礼します、お父さん」がらっ

和父「待っていたぞ和」

和「!?お父さんお一人ですか!?」

咲(あれ?和ちゃんのお見合い相手はどこに…)

和父「ああ、君が宮永咲さんだね。まあ座りたまえ」

和・咲「「えっ!?」」

咲(な、何で私の名前バレちゃってるのー!?)

和父「ほら、どうした。和も座りなさい。お腹がすいただろう?会席料理を用意したから、食べるといい」

咲「あの、どこかでお会いしましたか?」

和「なんで咲さんのことを知ってるんですか?」

和父「いや、宮永さんとは初対面だが」

和「もしかして興信所でも使ったんですか?」ぎろっ

和父「ふん、そんなもの使わなくても分かる」

和「どういう意味ですか!?」

咲「と、とりあえず座ろうよ。和ちゃん」

和「…はい」

和父「さあ、宮永さんも遠慮せずに食べたまえ」

咲「は、はぁ…」

和父「ところで宮永さん、レジェンド鷺森さんの新刊はもう買われたかな?」

咲「えっ?」

和父「あのシリーズは私も好きでね。奥深くて切り口が斬新なのが実に良い」

咲「新刊が出ていたなんて知りませんでした。今日、帰りに買ってみます」

和「お父さん!?どうして咲さんの趣味を知っているんですか!?」

和父「さあ。なぜだろうな」

和「第一、お見合いの相手は何処に居るんです!?」

和父「…ふっ」

和「何がおかしいんですか!?」

咲「の、和ちゃん落ち着いて」

和父「和」

和「何ですか、お父さん」

和父「お見合いの相手はどのような人間か先に伝えているな」

和「え、ええ」

和父「『温和で優しい方』だと私は言った」ちらっ

和(!?なぜ咲さんの方を見て…)

和「…っ!!」

和父「ようやく気づいたか、和」

和父「お前が事ある度に話題にするチームメイトのことだ」

和(ま、まさか咲さんのことだったなんて///)

和(でも思い返してみれば、咲さんの性格や趣味なんかをよく父に話していた気が…)

和(ってことは父には私の気持ちはバレバレだったってことですか!?///)ぼぼっ

咲「和ちゃん?顔が赤いけど気分でも悪いの?」

和「え、い、いえ、その…///」

咲「しんどかったら私にもたれて良いからね」

和「は、はい…///」

和父「それでは私はお邪魔なようだから、これにて失礼するよ」

咲「えっ!?」

和父「では宮永さん、ゆっくりしていってくれたまえ」

咲「は、はぁ」

和父「和、しっかりな」

和「っ///」かああ


ぱたん…

和父「ふっ。和は分かりやすいな」

和父「あとはお相手の娘の気持ちだが…」

和父「和のために男装までしてここまで来たのだし、和のことは憎からず思っていると良いのだが」

?「大丈夫です。あの子も家では和さんの話題ばかりですから」

和「そうか、それならば安心だ」

?「しかし貴方も変わりましたね」

和父「そうだな。以前の私なら、色恋なんてくだらないと一蹴していたところだが」

和父「ふっ。和は分かりやすいな」

和父「あとはお相手の娘の気持ちだが…」

和父「和のために男装までしてここまで来たのだし、和のことは憎からず思っていると良いのだが」

?「大丈夫です。あの子も家では和さんの話題ばかりですから」

和父「そうか、それならば安心だ」

?「しかし貴方も変わりましたね」

和父「そうだな。以前の私なら、色恋なんてくだらないと一蹴していたところだが」

和父「君に出会えたおかげだ」

和父「君という存在が私を変えてくれたんだ。界…」

咲父「恵さん…///」

和父「愛してる、界」ぎゅっ

咲父「私もです、恵さん」ぎゅっ



和父「ふっ、愛とは素晴らしいものだな。愉悦愉悦」


カン

終わりです。支援どうもでした
夜勤明けなのでボロボロで申し訳ない

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