アスナ「今日からジムリーダーかぁ……」(138)

アスナ「うう……緊張するなぁ……」

アスナ「も、もしも来るトレーナーがみんな強かったりして負け続けちゃったら……」

アスナ「そんで一回も勝てないままジムリーダーをクビにされちゃったりして……」

アスナ「そのままフエンも追い出されて一人さまよい歩いて……」

アスナ「砂漠に迷い込んで行き倒れて死んじゃったりしたら……!!」

アスナ「ど、どうしようコータスぅぅぅぅ~~!」スリスリ

コータス「こっ」

エリートトレーナー「はっはっは、緊張しておられるようですな」

アスナ「ふぁっ!?そ、そんなことないぞっ!ぜんぜん緊張してないでふ!」

エリトレ「ご心配無く!そこらの挑戦者など私とカクレオンでのしてやりますよ!」

カクレオン「っかぅー」

バトルガール「私とアサナンだってがんばります!」

アサナン「あぅー」

アスナ「みんな頼もしいなぁ……」

エリトレ「アスナさんまで番が回ることなど滅多にないでしょうから、どうぞリラックスなさっていてください」

バトルガール「それじゃ、そろそろ持ち場に付きますね!行ってきます!」

アスナ「う、うむ!しっかり頼むぞ!」


アスナ「……なんて言っちゃって」

アスナ「ほんとに強い挑戦者が来ちゃったらどうしよーー!?」

アスナ「だってここまで来るってことはみんな倒してるじゃん!それって強いじゃん!」

アスナ「ふえぇコータスぅぅぅぅぅ~~!!」スリスリ

コータス「こーっ」

アスナ「だいたいさだいたいさ、私が最後ってことはもう後が無いよね?」

アスナ「アタシとしてはもっと余裕のある状況で戦いたいわけ!」

アスナ「あれかな、いっそ一番最初に居たらダメかな?」

コータス「こーっ?」

アスナ「……あ、でも最初ってことは戦う回数も一番多いよね」

アスナ「ひぃぃ……じゃあアタシは何処にいればいいの……?」イヤイヤ

コータス「ここーっ」

アスナ「あっ、そだ!挑戦者が来ちゃった時の練習しないと!」

アスナ「どうやって待ち構えてればいいかな……普通に立ってればいいのかな?」

アスナ「そんで挑戦者が来たら……『ふはははは!よく来たな!我こそがフエンジムリーダーアスナ!』」

アスナ「……恥ずかしくない?コレ」

アスナ「『よく来たわね!さぁ、熱いバトルにしましょう!』」

アスナ「……炎だから『熱い』ってのはありきたりかな」

アスナ「コータスぅぅぅぅぅぅぅ~~!!!」

コータス「こたっ」

アスナ「『ここまで来られるなんてすごいわ!でも、アタイはそんなに甘くないよ!』」

アスナ「『ほう……久しぶりに楽しめそうな獲物だな……』」

アスナ「『あはははは!早く始めようよ!』」

アスナ「『けっきょくアタシが一番強くてかっこいいんだよね』」

コータス「……こー」

アスナ「な、なんか調子出てきた……かも」

アスナ「『汝、我が糧となるかぁ!!』」


挑戦者「えっ」

アスナ「」

アスナ「 ( ゚д゚ )」

挑戦者「あ、えっと……挑戦希望……なんですけど……」

アスナ「ちがうの」

挑戦者「糧、っていうのは、その……どういう……?」

アスナ「今のはちがうの」

挑戦者「ぼ、ぼくはポケモンバトルをしようと……だから、そういうのはイケナイと……」

アスナ「ちがうのおおおおおおおお!!!!」ワタワタ

アスナ「ちがうの!今のはちがうの!練習なの!!ほんとに言ったんじゃないの!!」

挑戦者「な、なんの練習ですか?」

アスナ「うぐぅぅぅぅぅ……!!」

アスナ(な、なんなのよ!みんな簡単に負けちゃったんじゃない!ずるいわ!卑怯だわ!)

挑戦者「それで、あの……ポケモンバトル……」

アスナ「うっさーーーい!!アンタなんか砂風呂に沈めてあげるんだからぁ!!コータス!」

コータス「こたっ!」

挑戦者「よ、よろしくお願いします!」

挑戦者「えっと、炎タイプのコータスだから……行け!ペリッパー!」

ペリッパー「ぺりー!」

挑戦者「みずのはど……」

アスナ「いわなだれぇ!!」

コータス「こったー!!」グワッ!

[〉きゅうしょにあたった! ペリッパーはたおれた!

ペリッパー「ぺりっ…」

挑戦者「ええっ!?は、早い!?」

アスナ「次っ!!早く終わらせたいの!はやく!!」パタパタ

挑戦者「すっ、すみません!じゃあ……行けっ!キノガッサ!」

キノガッサ「がさがさー」

挑戦者「あのコータス、見かけによらず素早い……マッハパンチだ!」

キノガッサ「がさっ!!」シュビッ!

アスナ「てっ・ぺき!!」

コータス「こたーんっ」ガチーン

[〉キノガッサ の こぶし は かるく はじかれた!

挑戦者「!?」

挑戦者「いたずらごころ……?そんなまさか!」

アスナ「オバヒ!!」

コータス「こた!」バシュッ!

[〉こうかはばつぐんだ! キノガッサはたおれた!

キノガッサ「がさぁっ」バタンキュ

挑戦者「そ、そんな……!」

アスナ「次!もういないの!?」

挑戦者「あうぅ……」


[〉そのあとも噴煙だのオバヒだので挑戦者はボコられましたとさ


挑戦者「うっ……ぐす……」

アスナ「ふっははは!実力不足のようだな!温泉でも入って出なおしてきなさい!」

挑戦者「出なおしてきます……」スゴスゴ.....


アスナ「…………帰った?」

コータス「こたっ」

アスナ「うあ~~~っ……き、緊張したぁ……」ペタンッ

アスナ「もう、突然出てくるんだもの……こっちにも心の準備ってのが有るの!分かる!?」

アスナ「あーもー、自分のキャラとか滅茶苦茶だしー……何言ってたかも覚えてない!」

アスナ「あんまり強くない子だったから良かったけど……やだやだ!もーやだ!」

コータス「こっ」

アスナ「コータスぅぅぅぅ……アタシもうやってける自信ないよぉ~!」スリスリ

コータス「こたこたっ」

エリトレ「はっはっは、さっきの挑戦者は強敵でしたな」キリッ

バトルガール「さすがアスナさんです!尊敬です!」キラキラ

アスナ「あんたらねぇ……」

エリトレ「いやいや、私のカクレオンも相手がバシャーモでなければ余裕だったのですが」ドヤッ

バトルガール「私のアサナンはペリッパーにやられました!積んでる間に!」エッヘン

アスナ「……むぅ」

エリトレ「それでは我々はポケセンに行ってまいります」

バトルガール「アスナさんも次の挑戦者が来るまで休んでてください!」

アスナ「あ゛ー……そーするです、はい」


アスナ「うぅ……もうちょっと頼もしくなってほしいな……」シクシク

コータス「こた……」

アスナ「ううん!コータスは頼もしいよ!また頑張ってね!」ナデナデ

コータス「こたっ!」

アスナ「さて、今度こそ失敗しないようにセリフの練習しなくちゃ!」

アスナ「『砂風呂に沈める』は咄嗟に出たとはいえ中々良かったわね……なんかご当地的で」

アスナ「戦う前に軽く自己紹介したほうが良いわよね……さっきはすぐ始めちゃったけど」

アスナ「自己紹介……『私は温泉が大好きです!』」

アスナ「……うん、なんかちがうわね」

アスナ「『火山のように激しい女よ!』」

アスナ「……何が?」

コータス「こたっす」

アスナ「こんなことなら他のジムリーダーに相談しておくんだったなぁ……」

アスナ「ナギちゃんならなんて言うかなぁ……」

アスナ「そういえばナギちゃんの衣装って変わってるわよね」

アスナ「アタシとかコレ普段着だし……良いのかな?」

アスナ「なんか『炎!』みたいな格好してたほうが良いの?」

アスナ「うーむ……」プスプス

アスナ「とりあえず衣装は後で考えるとして……」


挑戦者「頼もう」

アスナ「はぅっ!?」ビククゥッ!

挑戦者「あなたがここのジムリーダーか?ジム戦を申し込みたいのだが」

アスナ「えっ?えっ?もう他のみんなを倒したの?全然音とか聞こえなかっ」

挑戦者「あなた以外は誰も居なかったが」

アスナ(まだポケセンから帰って来てないんかい!)

挑戦者「ひょっとして今日は日が悪かったか?ならば後日改めて……」

アスナ(こ、ここで帰したらちゃんと仕事してないってリーグに怒られるかも……!!)アセアセ

アスナ「い、いいえ!その必要は無いわ!」

挑戦者「む?」

アスナ「もともと私一人で十分だったのだ!今すぐ勝負を始めようではないか!!」

アスナ「そ、それに……連続バトルのせいで疲れていた、なんて負けた言い訳をされても困るしね!」

挑戦者「……ほう、ずいぶん強気だな。さすがはジムリーダーを任されるだけのことはある」

アスナ(この人なんか凄みがあって怖いです!)

挑戦者「ならば始めようか。ポケモンは両者3体ずつでいいな」

アスナ「あ、はい。いいと思いま……エヘンエヘン!それで良かろう!!」

挑戦者「行くぞ……出ろ!ゴーリキー!!」

ゴーリキー「むっふぅ」フンスッ

アスナ「コータス!ぶっ飛ばしてやれぇ!!」

コータス「こったー!!」

アスナ「コータス!オバヒで一撃よ!!」

コータス「こー……ったぁ!!」ズァッ!!

[〉コータスのオーバーヒート! きょうれつ な ばくふう が ゴーリキー を おそう!

アスナ「やったか!?」

挑戦者「いいや……悪いがゴーリキーは“見切って”いる」

アスナ「!?」

[〉ゴーリキーは すべての ばくふうを みきり、けんあつで オバヒを かきけした!

ゴーリキー「むふっ」ピンピン

挑戦者「ゴーリキー、地震をお見舞いしろ」

ゴーリキー「むふっむふっ」グアッ!!!

[〉ゴーリキーは ぜんりょくで ゆかを なぐりつけた!

コータス「こっ……!!」

アスナ「コータス!!」

[〉コータスは しょうげきは に ちょくげき してしまった!

挑戦者「よし、いいぞゴーリキー」

ゴーリキー「むふっ」

アスナ「コータス……い、一回戻って!」

コータス「こ、た……」ヨロヨロ

挑戦者「さあ、次はどいつだ?」

アスナ「……マグカルゴ!頑張って!」

マグカルゴ「ぐつぐつ」

アスナ「地震を打たれる前に火炎放射で仕留めて!」

マグカルゴ「ぐつぐつ……ぶほぉぉぉぉっ!」

[〉マグカルゴのかえんほうしゃ!

ゴーリキー「むふ!?」

挑戦者「単なる直線的な攻撃だ。落ち着いて横に避けろ」

ゴーリキー「むっふ」ヒョイッ

[〉ゴーリキーは かえんほうしゃ を かるがると よけた!

アスナ「!? いけない!」

挑戦者「ゴーリキー、クロスチョップだ!!」

ゴーリキー「むっふぅ♪」シュバッ!!

マグカルゴ「ぐつぐつ……!?」

[〉きゅうしょにあたった! マグカルゴの殻がくだけた!

マグマッグ「ぐつ……ぐ…つ……」ドロォ.....

アスナ「マグカ……マッグ!!マグマッグ!大丈夫!?」

挑戦者「ふんっ。ゴーリキー、岩石封じで止めを刺せ」

ゴーリキー「むふぅ……」フルフル

挑戦者「なに?火傷だと?」

ゴーリキー「むふう><。」

アスナ「マグマッグ!まだ頑張れる!?」

マグマッグ「くつくつ……」

アスナ「相手は火傷で隙だらけよ!今のうちにオバヒでやっつけ」

挑戦者「足は無事だろう。地震だ、ゴーリキー」

ゴーリキー「むふっ」ズシンッ!

[〉ゴーリキーのじしん!マグマッグはたおれた!

アスナ「はぅぅ……!」

挑戦者「このまま終わらせてもらおうか。さあ、次はどいつだ?」

アスナ(まずい……初日にして超ピンチだわ……)

アスナ「バ、バクーダ!!なんとか起死回生の手を!」

バクーダ「ばふっ!」

挑戦者「ゴーリキー、地震だ」

[〉ゴーリキーのじしん!こうかはばつぐんだ!バクーダはたおれた!

ゴーリキー「んっふ」

アスナ「」

挑戦者「はっ、こんなものか……余裕だったな」

ゴーリキー「むふっむふっ」

アスナ(やばいやばいやばいやばいやびあやびあばばばい……!!)ダラダラ

挑戦者「まあ、いずれチャンピオンになる俺たちなら当然だな」

アスナ(このまま負けて……バッジとられて……)

挑戦者「さあバッジをもらおうか。すぐに次の街に向かいたいのでな」

アスナ(今日のショックから立ち直れないまま負け続けて……)

挑戦者「……どうした?早くバッジを貰いたいのだが」

アスナ(一度も勝てないままリーグにクビを宣告されて……町を追い出されて……)

アスナ(さ、砂漠で孤独死……!!)ガタガタ

挑戦者「……?」

アスナ「あわ、あわわわわ、あばばばば……」フラフラ

挑戦者「お、おい……大丈夫か?」

アスナ「ら、らいらららいらい……」ピヨピヨ


コータス「こたっ!!」クワッ!

アスナ「!!!」ハッ

コータス「こた!こたこた!!」

アスナ「コータス……まだ頑張れるって?」

コータス「こった!」フンスフンス

挑戦者「むっ、そういえば僅かに耐えていたな……」

アスナ「ふっ、ふはははは!!そうよ!まだ勝負は終わってないのだ!!」

挑戦者「だが所詮はリアル襷、運で耐えただけにすぎん!ゴーリキー、終わらせろ!」

ゴーリキー「むふむふむふむふ!」ドスドスドス

アスナ「コータス……もう、全部あなたに賭ける!任せる!だからお願い勝ってぇ!!」

コータス「こたっ!!」グツグツ.....

[〉コータスの おんどが ぐーんと じょうしょう していく!

この挑戦者には友達がいない

挑戦者「様子がおかしい……?ゴーリキー!全力の一撃で確実に仕留めろ!」

ゴーリキー「むっふ!」グググ.....

コータス「こた……こた……!!」シュウゥゥゥゥ......

[〉コータスから しろいけむりが ふきだし はじめた!

挑戦者「地震だ!地震の一撃を直接叩きこめ!!」

ゴーリキー「ふっ……もっ!っふ!!!」ズガンッ!!!

[〉ゴーリキーは 全体重を かけて コータスに パンチを たたきこんだ!

アスナ「コ、コータスゥゥゥゥゥゥ!!!」

コータス「こ…た…………!」

挑戦者「……勝ったな」

[〉ゴーリキーの ぜんりょくの パンチは コータスに クリティカルヒット した!

コータス「…………!!!」カッ!!

ゴーリキー「むふ!?」

挑戦者「なんだ?」

アスナ「えっ?」

[〉なんと!いまの いちげきに よって コータスの きょくげんまで ぎょうしゅく された エネルギーが いっきに はじけ……

アスナ「あっ、まずい」

[〉コータスは だいふんかを おこした!

コータス「こたーーーーーーーーーーーー!!!!!」

コータス「こたこたこたー!!!!」ズドドドドド!!!

[〉コータスの せなかから にえたぎった マグマが あめの ように ふりそそぐ!

挑戦者「うおおおおおお!!!??」

ゴーリキー「むふぅぅぅぅぅぅぅ!?!」

アスナ「はわわわわ……」

挑戦者「おっ、おいなんとかしてくれ!!このままじゃ死んでしmべぶぅっ!?」ゴヅッ!

[〉コータスから ふんしゃされた がんせきが ちょうせんしゃに ちょくげきした!

ゴーリキー「む゛ふっ!?」ドグシャッ!

[〉ゴーリキーにも ちょくげきした!

アスナ「……や、やった!勝った!!」ヨッシャ!

コータス「こたこたこたー!!!」ブシャアアアアァァァァ!!!

アスナ「やったよコータス!お疲れ様!」

コータス「こたこた!こったたたた!!!」ブッシャァァァァァ!!!!

[〉しかし コータスの ふんかは とまらない!

アスナ「……こーたす?そろそろ足の踏み場が……」

コータス「こたこた!!!」ドボボボボ.....

[〉コータスから ながれでる マグマが ジムを おおいつくす!

[〉さらに ふんしゃ された がんせきが ジムの かべ、はしらを はかい しはじめた!

アスナ「……や、やった!勝った!!」ヨッシャ!

コータス「こたこたこたー!!!」ブシャアアアアァァァァ!!!

アスナ「やったよコータス!お疲れ様!」 プッシャアアァァァァ!!

コータス「こたこた!こったたたた!!!」ブッシャァァァァァ!!!!

アスナ「コ、コータス!これ以上はジムが壊れちゃうよ!!」

コータス「こたこたこたぁぁぁ!!」ブシャアアアァァ.....

[〉なんと!ジムは おおかじに なってしまった!

アスナ「コータス!?ねぇコータスさん!!まずいよ!これはまずいんだよ!?」

コータス「こったあああああ!!」ドババババ!!!

[〉なおも ふんかは とまらない!すでに ジムは はんかい じょうたいだ!

コータス「こたこたこた!!」ドバシャシャシャ!!

アスナ「あははははははははは……」

[〉フエンタウン ポケモンセンター外

エリトレ「はっはっは、つい長風呂してしまったな!」ホカホカ

バトルガール「アサナンちゃんものぼせちゃいましたよ!」ホカホカ

エリトレ「さて、アスナさんのところへ戻らねばな!負けたりしていたら大変だぞぉ!」

バトルガール「まさか!アスナさんなら大丈夫ですよ!」

エリトレ「それもそうだな!はっはっはっは!」


[〉もえさかるフエンジム

アスナ「あははははははは」

コータス「こたこたこたぁぁぁぁぁぁ!」ドバババババ

アスナ「あはははははは。もうジムが残ってないよコータスちゃん」

コータス「こ、た……」グッタリ

アスナ「やっと噴火が収まったね。コータスちゃんのおかげで勝負にも勝ったしもう大丈夫だね」ナデナデ

コータス「こた……」

アスナ「でももうクビとかそういうレベルじゃねえや……あはははははは」

アスナ「あははははははははは」ダッ....

[〉フエンジム跡

エリトレ「おや、たしかこの辺りにジムがあったと思ったのだが……」

バトルガール「道を間違えたんじゃないですか?」

ジムの入り口で挑戦者にアドバイスする人「おっ、おいアンタら!」

エリトレ「おや、入り口の人」

バトルガール「そんなに汗かいてどうしたんですか入り口の人。温泉でも入ってきたらどうですか」

入り口の人「そ、それどころじゃねえよ!!」

入り口の人「ジ、ジムが無くなっちまったんだ!燃えて!炭みたいになっちまった!!」

バトルガール「あっ、あの黒い奴がジムなんですか?」

エリトレ「ほら言ったでしょう。道なんて間違ってなかったではないか」

入り口の人「消防隊の話によると地震が相次いで起きたせいで地下からマグマが噴き出たっつーんだが……」

バトルガール「そういえばアスナさんは?ジムに残ってたはずですけど」

エリトレ「なんと。巻き込まれていてはマズいですなぁ」

入り口の人「アスナは無事だ……しかし……」

エリトレ「しかし?」

入り口の人「目撃者の話によると『燃え盛るジムの中で高笑いをし、噴火が収まるとポケモンを抱えて走り去っていった』らしい」

入り口の人「よほどショックだったんだろうな……錯乱するのも無理はない」

バトルガール「うーん、どうします?エリトレさん」

エリトレ「ふむ……」


エリトレ「アスナさんは無事みたいだし、とりあえずもう一回温泉にでも行こうか」

バトルガール「それもそうですね」

入り口の人「お前ら……」

[〉111番道路 砂漠

アスナ「…………」トボトボ

アスナ「もう、帰る場所も無い……行く場所も無い……」

コータス「こたー……」ショボン

アスナ「んーん、コータスは悪くないよ……悪いのはみんなアタシ……」

アスナ「アタシがジムリーダーになんかならなければ……いや、トレーナーにならなければ……」

アスナ「……生まれてこなければ……」ドヨンド

コータス「こた……」

通りすがり「あのー……」

アスナ「はい……?」

通りすがり「えっと、だ、大丈夫ですか?」

アスナ「何が?」

通りすがり「いや、そんな軽装で砂漠に……ゴーグルも付けてないですし」

アスナ「だいじょぶですだいじょぶです、昔からよくここには来てたので」

アスナ「昔から落ち込んだ時は砂漠に来てたのです。こうして何も考えずにぼーっとしてると……」

アスナ「悩みとか苦しみとか生きる意味とかどーでも良くなっていくのです」ズブズブ....

通りすがり「沈んでる沈んでる!!!」

コータス「こたーーーーっ!!?」

通りすがり「気をつけてください!この辺りはナックラーの巣なんですから!!」

アスナ「あー知ってる知ってる」ヘラヘラ

通りすがり「それに最近はノクタスも出るって話ですから。ほんとに食べられちゃいますよ!」

アスナ「あーだいじょぶだいじょぶ、コータスがいるからノクタス程度……ん?」ピクッ

アスナ(ノクタス……ノクタスと言えば四天王カゲツ……四天王といえばポケモンリーグ……)

アスナ(……この人はリーグの回し者……?)ピキーン!

通りすがり「ど、どうしたんですか?」

アスナ(まさか……ジム焼失の件で私に……!?)

アスナ(責任を取らされる……う、売られる……!?)ガタガタ

通りすがり「大丈夫ですか?急に様子が……」

アスナ「ふわあああああ!!ごめんなさいいいいいいい!!」ダダダダッ!!

コータス「こっ、こた!?」ドタドタドタ....

[〉アスナは にげだした!

通りすがり「えっ、えぇー……?」キョトン

[〉砂漠遺跡

アスナ「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」ゼーゼー

コータス「こたっ、こたっ……」ゼヒゼヒ

アスナ「も、もう追手が来てるなんて……さすがはリーグね……」

アスナ「あうふぅ……」ドサッ

アスナ「もはやアタシの居場所なんて何処にも無いのね……」

アスナ「くそぉ!」ドン!

[〉アスナは ちからまかせに じめんを おもいっきり たたいた!

アスナ「ツイてないわね……初日からこんなことになるなんて」

コータス「……こたぁ」

アスナ「……心配しなくていいのよ。あなたはアタシが守るからね」ナデナデ

アスナ「だけど……これからどうしようかなぁ……」


[〉ゴゴゴゴゴ・・・・・・

アスナ「!? じ、地震!?」ビクッ!

コータス「こたぁっ!」

[〉なんと!いせきの かべが くずれ、おおきな あなが あいている!

アスナ「……?」

アスナ「向こうにも……部屋?」

コータス「こた?」

アスナ「……行ってみようか」


[〉砂漠遺跡 石室

アスナ「あれは……!」

レジロック「…………」

アスナ「なんだろう、ただのおっきな石、ではなさそうだけど……」

コータス「こたっ」ツンツン

アスナ「あっ、だめよコータス!何かの拍子で壊しちゃったりしたら大変かもしれないんだから!」

レジロック「ギ…………」ピクッ

アスナ「?」

レジロック「ギギ…ガ……」ゴゴゴゴ......

アスナ「う、動き出した……?もしかして、ポケモン!?」

レジロック「グロロロロロロ!!!!!」グワッ!!!

コータス「こたたっ!?」アワアワ

アスナ「コータス!はやくこっちに!!」

コータス「こたっ、こたっ!!」ワタワタ

レジロック「ジジ……!」ブンッ!

[〉レジロックは おおきな うでを ふりまわし、コータスを おいはらおうと している!

アスナ「危ない!!」

コータス「!!!」ガチッ!!

[〉コータスは てっぺきで みをまもった!

レジロック「ギ……?」

[〉レジロックは ひるんでいる!

アスナ「今のうちに!」

コータス「こたこたっ;;」ドテドテドテ

[〉コータスは アスナの もとへ かけよった!

アスナ「すごく強そうなポケモン……早く逃げないと危ないわ!」

レジロック「……グロロロロ!!!」ブンッ!!

[〉レジロックは またも なぐりつけてくる!

アスナ「コータス!煙幕を!」

コータス「こたっ!」ブシュゥゥゥ!!

レジロック「ギ!?」スカッ!

[〉レジロックは パンチを はずし、おおきく たいせいを くずした!

アスナ「今よ!ジャイロボールで思いっきりぶつかって!!」

コータス「こ……た!!」ギュルルルル!!!

レジロック「!!!」

[〉コータスの いちげきが レジロックに おもく つきささる!

レジロック「ギ、ギギ……!」ズズン....

[〉レジロックは あしを くだかれ、おもいきり しりもちを ついた!

アスナ「よおし!!」ガッツ!

レジロック「ジ、ジジ……ギ……」ガラガラ...

[〉なんと!レジロックの くだかれた あしが すいよせられる ように もどっていく!

アスナ「再生してる……?」

レジロック「グロロロロ……」ググッ....

アスナ「……こりゃ倒すのは無理ね。今のうちに逃げましょ!」

コータス「こた!」

レジロック「グロロロロロ!!!!」カッ!!

アスナ「ひっ!?」

[〉レジロックは おおきな おたけびを あげた!

コータス「こっ、こたぁ!!」

[〉なんと!へやが くずれ はじめ、でぐちが ふさがれて しまった!

アスナ「そ、そんなぁ!!」

レジロック「ギギギ……」ガシャッ...ガシャッ....

アスナ「ああっ……立ち上がっちゃった……」

コータス「こたっ!」

アスナ「ダメよ。密室になってしまった今、煙幕なんて張れないわ……」

レジロック「グロロロ!」ブンッ!!

[〉レジロックの ばかぢからが アスナと コータスを おそう!

アスナ「……ッ!! ジャイロボール!!」

コータス「こったぁ!!」ギュルルル!!

[〉レジロックの うでと コータスの こうらが はげしく ぶつかりあう!

レジロック「……!!」

コータス「こたぁ……;;」ジンジン

アスナ「さっきより硬くなってる……“のろい”、かな……?」

コータス「こたっ;;」ジンジン

アスナ「次は受けられないか……!」ギリッ!

レジロック「……グロロ……!!」ググッ....!

[〉レジロックは ふりかぶり、さらなる いちげきを くりだそうと している!

アスナ「ッッッ!!!」

?「伏せていなさい!!」

アスナ「!?」

[〉なぞの こえが ひびいた しゅんかん、くずれていた かべが とつぜん ふきとんだ!

レジロック「ギギッ!?」ドスッ!!

[〉どうじに、レジロックへ むかって くろい ぶったいが ぶつかっていった!

アスナ「あれは……グラエナ?」

グラエナ「グルルァァァ!!」ブンッ!

[〉グラエナのアイアンテール!レジロックに こうかばつぐんだ!

レジロック「ジジッ……!!」ビキッ!

?「くっ……やはり抜群とはいえ不一致では効果が薄いか」

アスナ「あ、貴方は?」

?「待て、今は自己紹介をしている場合では無いだろう?まずはアレをなんとかしなくては」

レジロック「グロロ……」ガシッ....ガシッ....

[〉レジロックは アイアンテールで きずついた かしょを しゅうふく している!

?「生半可な攻撃は無意味だな……バクーダ!」

バクーダ「グバァ!」

アスナ「あっ、この人もバクーダ連れてるんだ(そういえばアタシのバクーダジムに置いてきたな)」

?「バクーダ、地割れを起こせ!仕留められないでも足止めにはなるだろう」

バクーダ「グバァッ!!」ドスッドスッ!!

[〉バクーダが おおきく あしを ふみならすと、きょだいな じわれが しょうじた!

レジロック「ギバっ!!?」ズゴゴ.....

[〉レジロックは じわれに あしを とられた!

アスナ「うわぁ……あのバクーダ、アタシのよりパワーが有るみたい……」

?「さぁ、見とれてないで早く逃げるぞ。あれでも長くは持たん」

アスナ「あっ、はい!コータス、行くよ!」

コータス「こたこたっ」トテトテ

[〉砂漠遺跡 外

?「ふうっ、なんとか出られたな」

アスナ「あの……ありがとうございました。危うく……」

?「礼には及ばんよ……フエンジムリーダー、アスナくん」

アスナ「へっ? アタシを知ってるんですか?」

?「初日から色々やらかしたようだな。元気があって大変よろしい」

アスナ(ま、まさかこの人もリーグの関係者じゃ……)

アスナ「あ、あの……貴方は、いったい?」

?「私かね?」

?「私は……マツブサという者だ」

アスナ「マツブサ、さん……?」


下っ端「ボス!お迎えに上がりました!」ビシッ!

マツブサ「ご苦労」

アスナ「ボ、ボス?」

マツブサ「アスナくん……君に話したいことがある。一緒に来てもらえるね?」

アスナ「???」

コータス「こたーっ」

[〉海底洞窟

アスナ「ふわぁ……洞窟の中にこんな所が……」

コータス「こた……」キョロキョロ

マツブサ「我々の大切なアジトだ。この洞窟を見つけるのにも苦労した」

アスナ「あの、なんでアタシは連れてこられたのでしょうか……?」

マツブサ「うむ。アスナくん、君のトレーナーとしての腕を見込んで頼みが有るのだ」

アスナ「アタシに、ですか?」

マツブサ「私の人生全てを掛けての一大プロジェクトに協力してもらいたい……そう」


マツブサ「『グラードン計画』に、な――――」










  <⌒/ヽ-、___  もう月曜日だぞ
/<_/____/
 ̄ ̄        

このSSまとめへのコメント

1 :  じょねす   2015年03月03日 (火) 08:24:25   ID: FDj6xUka

マグマ団か。

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