小鳥「お茶淹れました」P「あっ、ありがとうございます」 (175)

~事務所~

小鳥「いえいえ、今日もお仕事お疲れ様でした」コトリ

P「そんな…仕事という仕事なんてしてませんよ、まだまだ765は弱小事務所なんですから」

小鳥「プロデューサーさんならきっと皆をトップアイドルにしてみせるって信じてますからね~」

P「プレッシャー掛けないでくださいよも~、じゃあいただきます」ズズズー

小鳥「……まぁ、それお茶じゃなくて温めた麺汁なんですけどね」

P「ぶふうぅぅうぅ!!」

P「げほっ!ごほごほっ!」

小鳥「雑巾はあそこに有りますからちゃんと綺麗にして帰ってくださいね」ガチャ

バタン

P「……遂に小鳥さんにまで嫌われてしまってたのか」

P「ここ最近、皆から冷たい対応されてるとは思ってたけどまさか事務員にまで…」

P「あっ、なんか泣けてきた……」

P「い、いや駄目だ!こんな事で凹んでたら彼女達をトップアイドルになんて出来やしない!」

P「この虐めを寧ろご褒美だと考えれば!!……そう思わないとやってられないもんな」

P「……もう帰ろう、麺汁くらい大丈夫だろ…えっと、俺の靴はっと」ガサガサ

P「ははっ、また隠されてた…きっとあの双子だろうな。可愛い奴め」ブスッ

P「あおっ!!!」

P「く、靴の中に画鋲が……」

~自宅~

P「とほほ、最後の最後でやられたよ…ほんと、あの双子の悪戯には困ったもんだな」ガチャ

P「……?(鍵、掛けて無かったっけ?まぁいいや)」

P「さてとぉ、安月給だから今日もカップラーメンでお腹を膨らませるかな…ただいま~」スタスタ

P「………えっ?なんで机の上に大量のラーメンのゴミが」

P「置き手紙…?」ペラ

『次来る時にはもっと美味しいらぁめんを』

P「ははっ……今日はちょっと奮発してコンビ二弁当だな」

~翌日、事務所にて~

ガチャ

P「おはよう」

律子「小鳥さん、昨日は夜遅くまでご苦労様でした」

小鳥「いえいえ、事務員は私しかいないんですから当然の事ですよ」

P「……」チラッ

響「!?」

P「おはよう」

響「……」

P「……おは

美希「ちょっと」

P「ああ美希か、おはよう」

美希「前、邪魔なの」

P「す、すまん…」

P「……」カタカタカタ

P「ふわぁあぁあ…(やっぱり朝からデスクワークは眠くなるな)」

プシュプシュ

P「わっぷ!?」

響「……」

P「ひ、響…?な、なんでファブリーズなんか振るんだ?それも俺の顔に」

響「く、空気ぐ汚れるから…」

P「……」

響「あ、う…」

美希「響~、ちょっと来て欲しいの~」

響「!!」タッタッタ

P「……」カタカタカタ

P「朝ガム噛んで来たんだけどな…」

やよい「プロデューサー、おはようございまーっす!」

P「や、やよい…」

やよい「う~?どうしたんですかぁ?元気無いんですかぁ?」

P「い、いや、何でもないよ」

やよい「元気の無いプロデューサーに私が元気になれるおまじないしてあげますよー!」スッ

P「……(やっぱりやよいだけは俺を裏切らないんだな…あぁ、当たり前の事が凄く嬉しく感じる)」

やよい「ハイ、タッーチ!」

P「ハイタッチ~」

パチーン

P「……」

やよい「うっうー!眠そうだったからビンタで起こしてあげましたー!」タッタッタ

P「……」

ガチャ

雪歩「おはようございますぅ」

P「あぁ、おはよう」

雪歩「……」

P「ゆ、雪歩…?」

美希「プロデューサー、雪歩は男の人が苦手なんだから相手しない方が良いと思うな」

美希「それに今の挨拶だってプロデューサーにしたんじゃないと思うの」

P「……そ、そうなのか?」

雪歩「……」スタスタ

P「雪歩…」

美希「雪歩、大丈夫だった?」

雪歩「美希ちゃん……やっぱり無理、ちょっとトイレで吐いてくるね」

~駐車場~

P「心が折れそうだ…昼休憩が地獄の様に感じる」

P「あれから他のアイドル達が来てたら本当に心折れてたよ…」

P「俺、頑張ってる方だと思うんだけどな…文句なんて言わないしアイドル達の為に上の人達から怒られても愚痴なんて言わないし」

P「……あの子達への接し方が悪いのかな…けど今更どうしろって言うんだよ」

P「考えていても仕方ないよな…お昼どっかに食べに行こっと」

貴音「……」

P「貴音?どうしたんだよ、今日はレッスン無いって伝えた筈なんだけど」

貴音「だから来てはいけないと…」

P「?!ち、違う!」

P「……勘違いさせちゃったな、すまん」

貴音「私は皆の様子を見に来ただけです」

P「そ、そっか…皆も喜ぶと思うぞ」

貴音「すみません」

P「えっ…?」

貴音「私が会いに来たのは皆では無く、あなたを除いた765の仲間達に会いに来たのでした」

P「……」

貴音「……では」スタスタ

P「……ご飯、食べなくていいや…車の中で寝てよっと」

P「……」カタカタカタ

P「……(昼休憩が終わって、またパソコンの前でキーボードを打つだけか…レッスンは律子が受け持ってるし何より俺が指導したところで誰も集まらないからな)」

P「心無しか、俺だけ窓際の場所なんだよな…律子と小鳥さんは隣同士だし」

律子「小鳥さんすみません、これ追加です」

小鳥「はいは~い」カタカタカタ

P「……(一人じゃないのに一人になってる気分だな)」

律子「んっ?ちょっと、何見てるんですか


P「す、すまん…」カタカタカタ

律子「ぼーっとする暇が有るなら手を動かしてくださいよ、今は忙しい時期なんですから」

P「……はい」カタカタカタ

美希「あ~あ、なんか退屈なの」

響「……」

美希「ねぇ響、この雑巾でプロデューサーの顔を拭いて来てくれたら美希、退屈じゃなくなるんだけどなぁ」

響「えっ…」

雪歩「響ちゃん、まさかやりたくないとか……言わないよね?」

響「……」

貴音「響、やりたくないのならやりたくないと言えばいいのですよ?」

貴音「ただ、ここにいる3人は同じ思いだという事を理解した上で言ってください」

響「……」

美希「はい響、雑巾なの」

雪歩「響ちゃん、ファイト」

P「……」カタカタカタ

P「…?」

響「……」

P「どうしたんだ響、俺なんかの目の前に来て、何か用でも有るのか?」

響「あ、あの……」

P「……」チラッ

P「……(美希達が響をずっと見てる、響の手には濡れた雑巾、か…)」

響「……ぷ、プロデュー

P「いやぁははは、なんか目にゴミでも入ってるのかなぁさっきから何回やっても取れないんだよなぁ」

P「おっ?ちょうどいい物を持ってるじゃないか、響が嫌じゃなければ俺の顔をその雑巾で拭いてくれないか?」

響「プロデューサー……」

P「ははは……お前まで俺と同じ扱いを受ける様になったら嫌だからな…ほら、早く拭いてくれよ」

響「……」ゴシゴシ

響「……」

美希「本当に拭いたんだ」

雪歩「響ちゃん、雑巾は人の顔を拭く為の物じゃないんだよ?」

響「!?」

貴音「響、人としてやって良い事と悪いことの区別もつかないのですか…まこと悲しく思います」

響「は、話がちが

美希「美希に口答えするんだ」

響「ぁ、ぅ…」

美希「響、元961プロのメンバーだったから親友だと思ってたの…」

貴音「……響、貴女の気持ちは分かりました。なら私達もそれなりの対応を取らせていただきます」

響「……」

律子「はい皆、そろそろレッスンの時間だから着替えてね……って、やよいはどうしたの?」

美希「やよいは元々今日は非番だったよ?ただプロデューサーを叩いて帰っちゃったの」

律子「へぇ~、じゃあ私は上で待ってるから早く着替えてくるのよ」バタン

響「……」

雪歩「響ちゃん、早く着替えないと」

貴音「響、何をしているのですか?私達は既に着替え終わっているのです。ですから早くしてください」

響「じゃ、ジャージが……」

美希「まさか忘れたの?こんな大切な時に?」

響「……」

雪歩「だったら練習出来ないんだね……つまり、響ちゃんって」

美希「はっきり言って邪魔なの、律子にはミキの方からの言っておくから今日はもう帰っていいの」

響「……」

貴音「響、やる気の無い者に765のアイドルを語る資格などございません」

響「……ごめん」タッタッタ

小鳥「…zzz」

P「……」カタカタカタ

響「……」

P「辞めるなら今の内だぞ」カタカタカタ

響「えっ…」

P「もしかして仲直り出来ると思ってるのか?」カタカタカタ

響「……」

P「これ以上酷くなる前にな…」カタカタカタ

響「ぷ、プロデューサーまでそんな事言うんだな…」

P「……車の鍵」

響「?」

P「貸してやるから、思い切り泣いて来い。響は若いんだから溜め込むのは身体に毒だぞ」

響「………ありがと」タッタッタ

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