アルミン「ミカサがいない?」(32)

初スレ立て。
エレミカ
エロなし。
完結している。

20歳くらい。巨人全てを駆逐していないけど、ウォールマリアを奪還して、シガンシナに住んでいると思ってほしい。

エレン「そうなんだよ、帰ってきてないんだ。さっき、ミカサに会いにサシャが家に来たんだけど、あいつがいきなり退団したって。理由を聞きに来たっていうんだ」

アルミン「ミカサが退団?エレン何か聞いてないのかい?」

エレン「何も。アルミンも、何も聞いてないのか」

アルミン「う、うん」

エレン「今、サシャたちにも、ミカサを探してもらってるんだ」

アルミン「僕も行くよ」

エレン「こんな夜遅くにごめんな」

アルミン「なに言ってるのさ。ねぇ、ところでエレンは、ミカサがいなくなったことに心当たりはないの?」

エレン「いや、特にないな…」

アルミン「…そう」




ミカサ『アルミンに相談がある』

アルミン『ミカサ、眉間にしわがよってる。折角の、綺麗な顔が台無しだよ…どうしたの?』

ミカサ『…子供が出来た』

アルミン『ふーん、子供が…って、え!?子供!?』

ミカサ『アルミン、声が大きい』

アルミン『あ、ご、ごめん。その…相手は、エレン?』

ミカサ『…』

アルミン『やだなぁ、二人とも水臭いよ。いつから付き合ってたのさ』

ミカサ『付き合ってはいない』

アルミン『え…それって、身体だけの関係ってこと?』

ミカサ『そう』

アルミン『…いったい、いつから』

ミカサ『かれこれ、2年くらい』

アルミン『いったい、どうしてそんなことに』


ミカサ『きっかけは忘れた。
エレンが私のことをどう思ってるかは知らない。
でも私はずっとエレンのことを想ってた。だから、そのことはいいの』

アルミン『僕は良くないと思う』

ミカサ『それよりも、子供がいてはエレンを守ることが、出来ない。だから子供を下ろそうと思った…が、出来なった』

ミカサ「このお腹にエレンとの子供…なんだか、とても愛おしくなって…この子を産みたい、そう思った』

アルミン『エレンはなんて?』

ミカサ『エレンには、まだ何も話してない。この子は、きっとエレンの重荷になるから』

アルミン『そんなことないと思うよ。それで、ミカサはどうしたいの?』

ミカサ「それがわからなくて、アルミンに相談に来た。

エレンを守るためには、子供を下ろさなくてはいけない。

でも、子供は下ろしたくない。

ただ私が近くにいたから、エレンは私に触れた。…そんな相手に子供が出来ても…』

アルミン『ミカサ…とにかく、エレンに話すんだ。これは君一人の問題じゃない』

ミカサ『もし、もしエレンに言って…下ろせと言われたら。
…私は、それが怖い…』

アルミン『ミカサ…』

ミカサ『…ごめんなさい、取り乱した』

アルミン『ううん、いいんだよ。今、すごく不安なんだろう?無理しないほうがいい。でも、帰ったらきちんとエレンと話をするんだよ』

順番間違えた。
とにかく続ける。




エレン「アルミン!何かわかったか!?」

アルミン「…」頭フルフル

エレン「あいつ、本当にどこに行ったんだよ…!」

アルミン「エレン…もう3日も経った。エレンにも僕にも何も言わないのはおかしいよ、何かきっかけがあったと思うんだ」
「エレンには、本当に心当たりはないの」

エレン「…ない、と思う」

アルミン「やけに弱気だよね。本当は何か思いあたる節があるんじゃないのかい?」

エレン「…いや、ない。…アルミン、今度はあっちに…」

アルミン「まって、今日の探索はやめにしよう。あれから、一睡もしてないんだろう。エレンも少しは休まないと」

エレン「いや、ミカサがみつかるま…」グラッ

アルミン「エレン!」ガッ

アルミン「身体が限界なんだよ!ほら一旦帰ろう」

エレン「…帰りたくない…」

アルミン「へ?」

エレン「あいつがいない家には、帰りたくないんだ」

アルミン「エレン」

エレン「家に帰って、ミカサがいないことに気付いて…あいつの荷物もなくて…ミカサが、二度と帰ってこない、そんな部屋には行きたくない」

アルミン「エレン…わかった、じゃあ僕の部屋に置いでよ」

エレン「アルミン!俺は…」

アルミン「ミカサの手がかりが見つかったんだ」

エレン「なんだって!?アルミン、何がわかったんだ!」

アルミン「ミカサはどうやら船に乗ったらしい。船に乗った人が見てたんだ」

エレン「船?よし、船着場に行くぞ」

アルミン「エレン、この時間に船は出ないよ。明日、朝一番の船に乗ろう。そのために、今は身体を休めるんだ」

エレン「…」

アルミン「ミカサが見つかっても、今の弱ったエレンには、ミカサを捕まえられないだろうね」

エレン「わかった。アルミンの言うとおりだ……アルミン、ごめん、俺、ちゃんと家に帰るよ」

アルミン「きちんと寝るって、約束だよ」

エレン「あぁ…約束する」

船着き場の人「珍しい顔立ちの女の子。赤いマフラー。多分、その子で間違いないと思うぞ」

エレン「本当ですか?そいつが、どこに行ったか分かりますか?」

船着き場の人「ここだったなぁ」

エレン「!」

アルミン「うーん、なんか辺鄙なところだね。ミカサと縁のある場所なのかな?」

エレン「ここ…」

船着き場の人「んー確かに、小さな村と、森しかないようなところだな」

エレン「ここ、ミカサの家があった場所だ」

アルミン「ミカサの家?」

エレン「一回、父さんに連れて行ってもらったことがある。…ミカサは、きっとそこだ」

アルミン「じゃあ、ここまでの乗車券を下さい」

船着き場の人「はいよ。2枚ね」


アルミン「いえ、1枚で大丈夫です」

エレン「アルミン?」

アルミン「エレン、ミカサが妊娠したって」

エレン「…妊娠?」

アルミン「エレン、君にとって、ミカサはどんな存在なの?」

ミカサ「…家族」

アルミン「家族の定義は広いよ。それじゃあ、答えにならない。ミカサももう一人の素敵な女性だ。はっきりさせるべきだよ」

エレン「そんなこと…言わなくたって、アルミン、わかってるだろう?」

アルミン「さぁ、僕には君の考えていることなんて、わからないさ。ミカサも一緒だと思うよ」

エレン「…言葉になんてしなくても、伝わるものがあるはずだ」

アルミン「それでも、言葉が必要な時も、ある」

エレン「アルミン!俺は…」

アルミン「ミカサは悩んでた。エレンに愛されてるか、生むのを喜んでくれるだろうかって」

エレン「ミカサがそう言ったのか」

船着き場の人「にいちゃんたち、そろそろ船が出る時間だよ」

アルミン「きちんと話をしなかったミカサは大馬鹿だけど。きちんと言うべきとこを言ってないエレンにも、非がなかったとは言えない。だから、エレン、君が迎えに行けよ」

エレン「言うべきこと…」

アルミン「ほら、ミカサが待ってるぞ!」

(出航)

>>6さん 支援ありがとう

エレン「あそこだ…ミカサが、幼い頃住んでた家」
「ミカサ、いないのか!?」

ミカサ「エレン?」

エレン「ミカサ!!」だきつ

ミカサ「エレン?なぜここにいるの?」

エレン「馬鹿野郎!心配、したんだぞ、なんで何も言わずに、消えたんだ!!」

ミカサ「心配?どうして?」

エレン「どうしてって、お前が突然退団して、家からも消えたから-」

ミカサ「私は、退団などしていない」

エレン「だから、俺ずっと―へ?」

ミカサ「私は、退団などしていない…休暇中」

エレン「きゅ、休暇?」

ミカサ「ええ、長期休暇をもらったから…」

エレン「だって、サシャが、おまえが退団したって」

ミカサ「サシャには、ちゃんと事情を話してある。それに、ここに来る事は、きちんとアルミンに伝えてある」

エレン「???え、アルミンは知ってた?」

「ええ」

『ミカサがいなくなったことについて、心当たりはないの?』
『ミカサは船に乗ったらしい』
『君が迎えにいくんだ』

「俺…?もしかして、アルミン!!?」

ミカサ「…なんとなく、理解した。アルミンが仕向けた事、違う?」

エレン「お、お前も俺を騙したのか!?」

ミカサ「いえ、私は何も…ねぇ、エレン」

エレン「なんだよ!!」

ミカサ「…心配して、私を捜してくれたの?」

エレン「心配なんてしてない!!」

ミカサ「耳が赤い」

エレン「!…そうだよ、悪いか」

ミカサ「嬉しい」

エレン「…お前、こんなところまで一人で…何かあったらどうするんだよ」

ミカサ「問題ない」

エレン「いや、お前が問題なくても…その、いるんだろ、俺との、子供が、そこに」

ミカサ「…ええ、いる。」

エレン「俺、あんまり詳しい事は知らないけど…妊娠したばかりは、流産しやすいんだろ」

ミカサ「エレンは心配性。大丈夫、エレンとの子供は、私が命にかけて護るから」

エレン「お前は、これからどうするつもりなんだ?」

ミカサ「?生んでしばらくしたら、また調査兵団に戻るつもり」

エレン「お前、子供生んで、兵士に戻るつもりなのか?」

ミカサ「だって、そうしないとエレンを守れないから」

エレン「…ったく…お前、兵士をやめろよ」

ミカサ「いや。エレンを守れなくなる」

エレン「俺は、そんなの望んじゃいない」

ミカサ「でも」

エレン「お前には、俺の代わりに、守らなきゃいけない存在があるだろ?」

ミカサ「…」

エレン「俺たちの子供を守る、お前を俺に守らせてくれ」

ミカサ「…エレン?」

エレン「ミカサ、今まで言葉にしなくてごめん
お前が好きだ。…家族として、一人の女性として、愛している」

ミカサ「えれ…」

チュ

ミカサ「エレン…」

エレン「アルミンに言われて気付いたんだ。俺、お前がそばにいる事に甘えて、ずっと言葉にしなかった。それを、お前が不安に思っているなんて知らなかったんだ」

ミカサ「…」

エレン「お前が、いなくなったと思った時。怖かった。お前を失ったら、俺は生きていけない」

ミカサ「…」

エレン「一生、俺と一緒に生きてくれ」

ミカサ「エレン…」

エレン「うわ、み、ミカサ、泣くな、泣くなよ」

ミカサ「私は、ずっとそれが不安だった」

エレン「ごめん」

ミカサ「でも、私も一緒だった。
エレンの傍にいられるだけでよかったと、エレンに私の思いを伝えていなかったから。エレンと一緒にいられなくなると思うと、怖かったから」

エレン「ああ、俺もだ」

ミカサ「赤ちゃんがいると聞いて…
私も、エレンに伝えると決めてた。
エレンの事が好きだって」

エレン「ミカサ」

ミカサ「エレンと、ずっと一緒にいたい。ずっと一生生きていきたい」

エレン「ああ、ずっと、ずっと一緒に生きよう」

ミカサ「この子も、一緒に」

エレン「ああ、もちろんだ!!ミカサ、ありがとう」

ミカサ「ど、どうして?」

エレン「俺の家族になってくれて、俺の思いを受け止めてくれて、俺の子供を授かってくれて…俺と、生きてくれて」

ミカサ「エレン、それは私の台詞。
あなたは、私に生きる術を教えてくれた。新しい命をくれた。そして…幸せを教えてくれた」

「「ありがとう」」



ミカサ『アルミン、私は、生む事にした』

アルミン『エレンと話し合ったのかい?』

ミカサ『いえ、それはまだ。でも、エレンが反対したとしても、私は子供を生もうと思う』

アルミン『うん、子供を生む事は僕も賛成だけど、エレンに言わずに、一人で抱え込む事ないんだよ』

エレン『アルミン。エレンは確かに、私に言葉はくれていない。
でも、エレンは言葉ではなくて、行動や全てで、私を想ってくれていると気付いた
始めてあったとき。訓練所のときや、審議書のとき。巨人から守ってくれたとき。
エレンは、ずっと私を守ってくれていた。
言葉はもらえなくても。エレンに愛されている。
それを教えに、きっとこの子を授かったような気がする』

ミカサ『この子が来てから、世界がとっても美しく感じるようになった。
だから、きっと。
エレンは、この子の事を、喜んでくれる。そう、思えるようになった』

アルミン『ぼくもそう思うよ』

ミカサ『ふふ。アルミンもそういってくれるから、きっと平気。でも、やっぱりちょっと不安なので、逃げ道を作ってから、エレンに話そうと思う』
 
アルミン『逃げ道?』

ミカサ『ええ。万が一、エレンがこの子をいらないと言ったら、この子と二人で、すめるお家を用意しなければいけないから』


エレンと二人、シガンシナの家に帰る。
手をつないで帰宅すると、アルミンが祝福とともに迎えてくれた。

今、世界はとても美しい。
空も、風が葉を揺らす音、水のせせらぎ。
私の世界がこんなにも美しいのは、エレンと一緒にいる事で、私が満たされているから。
私が生きてきた喜びも悲しみも全て、そしてこれからも、ずっとエレンとともに。

終了。

地の文で書いてたんだけど、私生活が忙しくてお蔵入りにするので、どうせならとここで投稿させてもらった。
自己満足におつきあい、ありがとうございました。

おぁ 恥ずかしい、ご指摘ありがとう///
しかも間違って名前にsageいれてもうた

書くの忘れてた
漢字間違い恥ずかしいのでまとめ禁止でお願いします

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年11月30日 (土) 22:03:18   ID: zQH4gAPW

展開はやい

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