かがみ「つかさ…私、疲れちゃったわ」(218)

つかさ「そっか~。何か悩みでもあるの?」

かがみ「悩みっていうか…どうしようもないことなのよね」

つかさ「…本当に元気ないよ、お姉ちゃん。わ、私でよければ聞くよ?」

かがみ「…みんな、大学に行って…それなりに上手くやってるのに…」

かがみ「私は…ね。ダメなの」

かがみ「大学に全然なじめなくて…居場所がないのよ…」

つかさ「…お姉ちゃん、前はお友達が出来たって言ってたよね…?」

かがみ「ごめん…あれ、嘘なの」

つかさ「ほ、ほんとに…?」

かがみ「そうよ。弁当はトイレで食べてるし…すごく……」

かがみ「っ…」

つかさ「す、すごく…っ?」

かがみ「さ、寂しいのよ……!」ポロポロ

つかさ「……お姉ちゃん……」

かがみ「高校の頃は…つかさだって、みゆきだって、こなただって居て…」

かがみ「…私を理解してくれる人達に囲まれて…今思えば」

かがみ「とっても幸せだったのよね…」

つかさ「い、今だって時々遊んだり出来るよ…?」

かがみ「…もう嫌。耐えられない。大学に話す人が居ないから」

かがみ「ちょっとした空き時間は苦痛。周りの楽しそうな声がうらめしく聞こえちゃうのよ…?」

かがみ「も、もう…嫌っ!!嫌っ!!大学に行きたくない!!行きたくない!!」

つかさ「お、落ち着いてっお姉ちゃん!」

かがみ「もっと、こなた達と遊びたいっ!!つらい時間が長いのは嫌なのよっ!!」

つかさ「うぅぅ…落ち着いて…」

かがみ「一人で弁当を食べるのも嫌っ!!誰かと一緒がいいっ!!」

つかさ「……ぅぅ……」

かがみ「つかさは友達できたのよね!?ほんっと…うらやましい…!!」

つかさ「で、できたけど…」

かがみ「大学行きたくない!!大学行きたくない!!大学行きたくない!!」

つかさ「お、お姉ちゃん…家族のみんなが起きちゃうよ…」

かがみ「…ふぅーっ…ご、ごめん…落ち着かなきゃダメよね…」

つかさ「…わ、私に出来ることってないかな!?お姉ちゃんがこんなに悩んでるのに…!」

かがみ「…いや…話を聞いてくれただけでも嬉しかったわ…ありがとう、つかさ」

つかさ「お姉ちゃん…」

かがみ「…安心して。明日もちゃんと大学は行くから…」

つかさ「…うん。つらかったら、私に言ってね。悩みならいくらでも聞くから…」

かがみ「ありがとう…今日は寝るわ。取り乱してごめん」

つかさ「いいよ、そんなの!おやすみっ」

かがみ「…本当にありがとう。おやすみ」ガチャ…バタン

つかさ「………………」

つかさ「…お姉ちゃんがこうなってるって知ったら…こなちゃん達はどう思うんだろう…?」

翌日、大学トイレ

かがみ「…」モグモグ

かがみ「…ごちそうさま…」

バンッ

かがみ「ひっ…」

「あはは!それマジ!?」
「ホントだって!あの…何?おさげかな?髪のおさげ二つにしてる子。トイレでご飯食べてるんだって!」

かがみ(…私のこと…?)

「えー本当にそんなの居るんだーマジかわいそー」

「しかもさーその子、髪型しょっちゅう変えるんだけど。全然目立ないんだよね」
「へー。てゆーか、何であんたはそんなに詳しいの?」
「いや、あんなに一人ぼっちな子珍しいからついつい見ちゃうw」
「ひどっww」

かがみ(…好きでこうなったワケじゃないわよ…)

「てゆーか、あんた友達になってあげなよ。注目してるんでしょ?w」
「いやー…一回話しかけたんだけどさ。話題が進まないんだよねー…ほら、頭いいからさ、あの子」
「どゆこと?」
「…都市伝説の話したんだけどさ。そんなわけないわよ迷信迷信。…って言われて。どうすればいいかわかんなかったw」
「そりゃヒドイww」


かがみ(な、なんで…?…どう思うか聞かれたから答えただけじゃない…!)

「つーか…話ベタ?悪く言うとコミュケーション障害みたいな?w」

かがみ「っ…」

「大学来ててつらくないのかな?そんなの楽しくないっしょw」

かがみ「…つらい、わよっ…」ボソッ

かがみ「つらいに決まってるじゃない…!」グスッ

「…あれ?なんか聞こえない?」

かがみ「…!…」フキフキ

「…あっ。あの個室、カギ閉まってる…まさか…」
「…柊さん?いるの?柊さん?ごめん、柊さんなら謝るよ。柊さーん?ねぇ、返事してよー。誰なの?」

かがみ(へ、返事なんて出来ないわよ…!みっともなくて…!)

「…ちぇっ…話しかけてあげてるのに…」ボソボソ
「絶対、柊さんだよ…私達をスルーするつもりだ…」ボソボソ

かがみ(っ…いちいち声でかいのよ…!)

ドンドンドン

かがみ「っ…!?」ビクッ

「ねーえ?柊さん?柊さんなの?ちゃんと謝りたいな。返事ぐらいしてよ」

「そうだよー。この子だって悪口言ったこと反省してるんだから。返事してあげなよー」

ドンドンドン

かがみ「ぅぅ…」

「てゆーか、これ柊さんじゃなかったらヤバくね?w」
「いや、柊さんだから大丈夫w」
「ですよねーw」

「ねーえ、柊さん?いじめてるワケじゃないよ?出てきて?」
「そうそう。別に嫌いってワケじゃないんだからさー仲良くしようよー」

ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン

かがみ(ぃや…怖い……誰か助けて……何よ……何でこんな目に…)

かがみ(私は…こんな目にあうために大学に来たんじゃ…)

ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン


かがみ「」

「ひ・い・ら・ぎ・さぁ~ん?無視は寂しいなぁ~?」

かがみ「…わ、分かったから。もうやめて…」

「おwやっと応答ありだww」
「よかったねw」

ガチャ…キィ…

かがみ「…」ソワソワ

「おすw」
「どもどもw」

かがみ「…ど、どうも」

「…あのさぁ、柊さんはこんなところで何してたの?」

かがみ「…ここはトイレよ」

「あ、そっか~。柊さんは、とってもトイレが長いんだね!しかも私達の声が聞こえないぐらいトイレに集中してたんだ!」
「なんか汚いよw」

かがみ「…もう、いいわよ…ほっといて」

「あー!ほら、またそうやって話を終わらせようとするー!だから友達できないのっ!」
「友達できないのっw」

かがみ「…ほっといてって言ったのが…聞こえなかったの…!?」プルプル

「…いや~ほっとけないなぁ~…w」

かがみ「…ほっといてってば!!」

「お?キレてるんすか?キレてるんすか?」

かがみ「…はぁ?」

「うわ、ノリ悪っwコミュニケーション取ろうよぉ~ww」

かがみ「…あんたらみたいなヤツとコミュニケーション取るなんてお断りよ」

「…はぁ!?みたいな!?あんたより100倍マシだと思うんですけどぉ!?」
「逆ギレきたーw」

かがみ「っ…じゃあね…」フルフル

「うわ、即座に逃げます柊選手ぅ!言い返せないのかなぁ!?」
「肩、震えてるよ柊さんw」

かがみ「!…サイッテー…」キィ…バタン

「逃げたっww」

かがみ「はぁ…気にしちゃダメよ私…」


クスクス…クスクス…
クスクス…クスクス…

かがみ「…!」

かがみ(ああ…みんな私を笑ってるんだ…みんな一人ぼっちの私を見て笑ってる…)

受講中

「…こうなるからして…」

かがみ(そうよ…学生のやるべきは一つ!勉強よ!)

かがみ(…ああ…今が1番、大学で楽な時間かもね…っと、シャー芯シャー芯…)ゴソゴソ

かがみ「…?…なにこれ。手紙?」カサカサ

お姉ちゃんへ
大学、つらいかもしれないけど頑張ってね!

つかさより

かがみ「・・・・・・・・・・・・」

かがみ「・・・・・・・・・・・・」

かがみ「っ…」ポロポロ

かがみ(逆につらいわよ…こんな手紙……っ…)ポロポロ

「あの。大丈夫ですか?」

かがみ「え…?あ、ごめんなさい」フキフキ

「いえ…」

クスクス…クスクス…

泣いてるよ柊さん…w

ザワザワ…ザワザワ…

回し手紙よろしく…柊さんが泣いたって…w

りょーかい…w

かがみ「…!」

…なに?あのババァの解説に泣けるところあった?w

クスクス…クスクス…

ちょ、ちょっと…かわいそうじゃん…

ザワザワ…ザワザワ…

かがみ「…」イライラ

…ん。回し手紙…?…ぶっw柊かがみの号泣シーン…w

声でかいって…w

「…で、ここがこうなって、答えは…」

クスクス…クスクス…

かがみ「~!!」

かがみ「うっさいわねっ!!!静かに話を聞きなさいよっ!!!」ガタッ

……シーン……

かがみ「あっ…」

ザワザワザワザワザワザワザワザワ

「…そこの子。座りなさい」

かがみ「す、すみません…」

ザワザワザワザワザワザワザワザワ


かがみ(…我慢してたのに…やっちゃった…)

かがみ(あは、あはは…もう、私はダメかも…つかさ…)

大学終わり

「柊さーん!ちょっとお話…」

かがみ「…」サッ

「あっ…ちょ、柊さん行っちゃったわw」

「あーあw」



かがみ(早く家に…早く家に…)

かがみ「はぁ…はぁ…」ダダッ

かがみ(もう嫌…もう嫌…!!)

柊宅

かがみ「ただいまー!…ってカギかかってる…」ガチャガチャ…バタン

かがみ「ただいま…!!」

シーン

かがみ「はぁっ…はぁっ…ただいま…?」

かがみ「あれ…?誰も居ないの…?お母さんも…?お姉ちゃんもつかさも…?」

かがみ「ねぇー!誰か居ないのー!?」

シーン

かがみ(まだ誰も帰って来てないんだ…ぁぁぁ…)




「いい加減にしてくれないか、母さん…」

「…だから、会社を休むなら休むって言ってくれないと…お父さんはいっつも…」

かがみ(あれ…お父さんとお母さんの声…?)

かがみ「ただいm」

ただお「しつこいよ…そのことは、もう終わった話だろう…?」

みき「いーえ、あなたが休むって言ってくれないと困ります」

ただお「何で?別に変わらないだろう?」

みき「こっちの身にもなって!ご飯ですよご・は・ん!どうせ料理できないんでしょう!?」

かがみ(け…ケンカしてる…)

ただお「だから別に料理はいらなかったんだよ。コンビニで買ってきたじゃないか」

みき「それも無断で買ってきたでしょう?私が作ったオムライスはどうなるの?」

ただお「…そ、それは…頼んでもないのに母さんが…」

みき「はぁ…お腹減ったって言ってきたのに、料理を作ったら勘違いって?…」

ただお「…それは、謝るよ。ごめん」

みき「はい」

かがみ(うそ…こんなにケンカするお父さんとお母さんなんて…信じられない…)

ただお「…話を元に戻していいかな?」

みき「…はい」

ただお「これが本題なんだ。昨日、トイレに行こうと思ってつかさの部屋の前を通ったんだが…」

かがみ「…!」

ただお「その時、話し声が聞こえてね…どうも、かがみは大学がつらいらしいんだ…」

みき「えっ…あの子、私は大丈夫って言ってたのに…」

ただお「相当せっぱ詰まってるようだった…喚いていてね…僕は心配で心配で…」


かがみ(・・・・・・・・・・・・)

かがみ(…私の、 話…)

みき「でも、単位なんかは大丈夫だって」

ただお「いや、そうじゃなくてね。どうも大学に友達が居なくてつらいらしい」

みき「友達…?別にいいんじゃないですか?元々、あの子は口下手な子だし」

ただお「いや、僕にもわからないんだけど。本人にとってはたまらなくつらいことらしくてね」

みき「はぁ…」

ただお「……心配だよ、僕は…」

みき「かがみ…私達にも言ってくれればいいのに…」



かがみ(・・・・・・・・・・・)

かがみ(心配かけて…ごめん…お父さん、お母さん…)

かがみ「…ただいま」ガチャ

ただお「っ…!!…かがみ!」

みき「…もしかして聞いてたかしら?」

かがみ「…うん。でも、心配しなくていいから」

ただお「そ、そういうワケにはいかない。ほら、座りなさい。話を…」

かがみ「…余計なお世話、だから…ほっといて、ほんとに…」

みき「かがみ…抱え込んじゃだめよ…?」

かがみ「…ほっといてっ!!二人には関係ないから…!!」バッ

ただお「こ、こら。待ちなs…」

バタンッ

ただお&みき「…」

かがみの部屋

かがみ「…っ」ボフッ

かがみ「~!!!!」バタバタ

かがみ(何で私はあんな返し方しか出来ないのよ…!!バカ!!)

かがみ(私…うるさい、とか…余計なお世話、とか…)

かがみ(…口を開けば、つらいとか…寂しいとか…グチばっかりだし…つまらないことしか言えないし…)

かがみ(私って…サイテー…!!!)


ブーッブーッブーッ

かがみ「!!!」ビクッ

かがみ「…な、何…!?この音…!?」キョロキョロ


ブーッブーッブー

かがみ(…って…ケータイじゃない。何でこんなに…)

かがみ(…なんか…私…ムダに敏感になってるわね…)

ブーッブーッブーッ

かがみ「っとと……もしもし?」ピッ

「どもー。元気かにゃ~?」

かがみ「…は、はい?」

「…あれ?かがみのケータイで合ってるよねぇ?」

かがみ「…えっと…」

「もう~!ちょっと久々だからってキツイよかがみん?」

かがみ「…あ、こなたか」

こなた「え、今気づいた?もしかして今気づいた?すごいキズつくよ?」

かがみ「…ごめん」

こなた「?…あれ、まずいタイミングにかけちゃった…?すごいテンション低いですよ、かがみさん」

かがみ「あ!…うん。心配するほどじゃないわよ。大丈夫、大丈夫…」

こなた「…ありゃ、なんかごめん。いったん切った方がいいよね?」

かがみ「!!……まっ……っ!!!!」

こなた「んぅ?」

かがみ「お願い、切らないで…少しの間、こうさせて…」

こなた「…お安い御用だよ、愛しいかがみんのためなら♪」

かがみ「…茶化さないでよね」

こなた「あははっ。じゃ、切らないままROMっとくね」

かがみ(…)

かがみ(やっぱり、こなたは…)

かがみ(安心できる…1番私を理解してくれてるような…)

こなた「…あいまーい…」

かがみ「…黙っとくんじゃなかったの?」

こなた「いやぁ、安心できるBGMをお届けしてるんだよん」

かがみ「ぷふっ…あっそ」

こなた「おっ笑った」

かがみ「あ…」

こなた「…ねぇ、かがみん」

かがみ「…な、なによ?」

こなた「私、かがみの味方だからね」

かがみ「…!!!!」

こなた「だから…かがみが色々悩んでるって分かるんだよね。態度とか声だけで一発で」

かがみ「…あんた、突然そんなこと言うから…困るのよ」

こなた「あはっ、ごめんごめん」

こなた「んーで、何があったの?」

かがみ「……何でもない。これは言えない」

こなた「えぇ~!?ここまできて!?」

かがみ「…言いたくないのよ。誰にも…てゆーか、あんたに1番言いたくないかもねっ」

こなた「…そっか。私に出来ることないの?」

かがみ「あー…うん。電話、うれしかったわ。元気出てきた。それだけで十分よ」

こなた「あっ!そうそう!何の用もなしに電話したんじゃないんだよ!」

かがみ「?…そういえば。何の用よ?またカラオケ?」



こなた「バンド始めたんだ」

かがみ「…は?あんたがバンド?」

こなた「そうそう!ちょいと大学の友達とね~…」

かがみ「…みさおとかは?」

こなた「あー。みさきちはバイト始めたから、居ないよ。大学の友達」

かがみ(…大学の…友達…)

こなた「で、今度いくつかのバンドが、集まって演奏するイベントがあるんだ。見にきてね!」

かがみ「・・・・・・・」ボー

こなた「…かがみん?聞こえてる?」

かがみ「じゃあ…一緒に遊ぶ機会も減るってこと…?」

こなた「…ありゃ、もしかして寂しいのかにゃ~?」

かがみ「そっ!…そんなこと…」

こなた「…ごめん。カラオケ行く機会があって、上手いからって勧誘されて…」

かがみ「なっ、何で謝るのよっ!!頑張りなさいよっ!!」

こなた「………」

かがみ「な、何で違う大学なのに気にしてんのよ!!が、頑張りなさいよ!見に行くから!」

こなた「ありがと。かがみも勉強頑張ってねー」

かがみ「…わかってるわよ」

こなた「じゃあね~」プツッ

ツー…ツー…ツー…

かがみ「あっ…ちょ、いきなり…」

かがみ「…こなたはバンド…みさおはバイト…」

ツー…ツー…ツー…

かがみ「…」ピッ


かがみ「……」

かがみ「もしかして……」

かがみ「大学に行って何も変わってないのは…」

かがみ「…私だけ…?私なんて、知識以外なんにも…」

かがみ「…!!ちがうちがう!!そ、そうよ、電話電話…!!」

かがみ「まずはみゆき…!」ピッ

かがみ「…」プルルルル…

「…はい。高良です」

かがみ「あっ!?みゆき!」

みゆき「あっ、その声…かがみさん。久しぶりですね~」

かがみ「み、みゆきは今日ヒマ!?」

みゆき「ど、どうしたんですか、かがみさん…声が荒くなってますけど…」

かがみ「っ…気にしないで。ヒマ?」

みゆき「…ごめんなさい。最近は、毎日お友達とお茶会を…」

かがみ「ーーーごめん。また今度ね」プツッ

みゆき「あっ…」

みゆき「…?」ポカン

かがみ「…あ、あやのは…!!」

かがみ「…」ピッ


「…もしもし?」

かがみ「あやの…?」

あやの「あっ、柊ちゃん?どうしたの?久しぶりだね~」

かがみ「今日ヒマ?」

あやの「うーん…今、お友達の誕生日プレゼントの買い物に来てるの~…ごめんね?」

かがみ「あ、ああ…こちらこそ、突然ごめん。またねっ」ピッ

ツー…ツー…ツー…

あやの「っ?…」


かがみ「…さすがに、ゆたかちゃん達にかけるのは悪い…てゆーか恥ずかしいし…」

かがみ「…」


かがみ(…取り残された気分だわ…)

かがみ(みんな友達つくったり何かを始めたりしてるのに…私は…)

かがみ(そう、よ…変わらないものなんてない…なんで私は…友達に変わってないことを求めてるのよ…)

かがみ(…情けない…情けない…もっと頑張らなくっちゃ…もっと自分に厳しく…追い込んで…)

かがみ「…あっ…」ポロ…

かがみ「…ぅぅ…なんで、また泣いてんのよっ…弱虫…っ…」ポロポロ

かがみ「ぅあ…ひぐっ…や、やだぁ…私だけ…やだぁ…!」ポロポロ

かがみ「…はぁ…ふぅ…」ゴシゴシ

かがみ「……………」

かがみ「…勉強、しよう…私に出来るのは…これだけ…私なんて…これしか出来ない…」

かがみ「……」ガタンッ

かがみ「……」カリカリ…

かがみ「……」

かがみ(イライラする…集中できない…)

かがみ「…」

バン!!!!!!!!!!

かがみ「ひっ!?」ビクッ

「なぁ、母さん?僕のせいなのか?そうなのか?違うだろう?」

「そうは言ってません!!何回言ったら分かるんですか!!」

「今の口ぶりはそうだろう!!僕のせいだと言いたいんだろう!?」

「…違います!そういう意味じゃなくて!!」

「久しぶりに会社が休みだから家族の話をしたら…こうなるのか!?」

「私はただ…!!」


かがみ(ちょっ…さっきより激しいケンカなってるし…!!)

かがみ「…」トットットッ

かがみ「…」コソッ

ただお「あーそうか!僕は昔っからそうだ!我慢我慢!我慢の連続だ!」

みき「…えぇ!?私がどれだけ子供の世話をしたと思ってるんですか!?」

ただお「僕だって積極的に関わるようにしてるよ!」

みき「いーえ、ほとんど私です!」

ただお「認めたな!?じゃあ、かがみがあんな風になったのは君のせいだ!悩みぐらい聞いてあげなさい!」

かがみ「…!」

みき「4人も子供が居るんですよ!?あなたの協力も無かったんですから、自由に成長させていくしかなかったんです!」


かがみ「…やめ、てよ…」ボソッ

ただお「…大体、誰のせいでもないだろう?かがみが苦しんでるのは、誰のせいでも…」

みき「でも、親として…把握しておくべきでしょう!」

ただお「じゃあ、やっぱり君のせいじゃないか!家に居る時間が長いだろう!?」

みき「二人ともに原因があるって言いたいんですよ!これからは気をつけましょうって!」

ただお「紛らわしいよ母さんの言い方は…」

みき「…そう、ですか」

「「・・・・・・・・・・」」

ただお「…散歩に行ってくる。夜ご飯は外で食ってくるから」ガタッ

みき「…はいはい」

かがみ「…!」ササッ

ただお「まったく…昔っからそうだよ…」ブツブツ

ただお「…いってきます」ガチャ…バタン


みき「……はぁ……」

みき「…疲れるわ…」




かがみ「…」


かがみ(私って…居なくなった方がいいんじゃ…?)

かがみ(どんだけ迷惑かけてんのよ…)

かがみ「…母さん。ちょっと出かけてくるから」

みき「…あ…聞いてた?」

かがみ「?…なんのこと?」

みき「聞いてないならいいの…いってらっしゃい」

かがみ「…いってきます」

ガチャ…バタン


・・・・
・・・
・・

「…ありがとうございましたー」

ウィーン

かがみ「……」

かがみ「……」カサッ

かがみ(…ちゃんと、出来るかしら…)

かがみ(いや…やらないとダメ。私みたいな人間は…やらないと)


・・・・
・・・
・・

柊宅

かがみ「…ただいま」

つかさ「あっ、おかえり~」

かがみ「…つかさだけ?お姉ちゃん達は?」

つかさ「お姉ちゃん達は友達とお泊りだって~」

かがみ「…ああ…友達とね…」

つかさ「…ところで、大学は…?」

かがみ「…順調にいったわ。つかさの手紙に励まされたからね」ニコッ

つかさ「えっホント!?よかった~」ニコッ

かがみ「友達もできたから…もう心配いらないから」

かがみ「それじゃ、レポートあるから…本当にありがとね、つかさ」

つかさ「ううん、よかったね!」

かがみ「…」トットット

かがみ(つかさ…今までありがとう)

かがみ(本当につかさにも感謝してるから…)

かがみ(大学で上手くやっていきなさいよ…)

かがみ「…」ガチャ…バタン

かがみの部屋

かがみ「…」カサッ

かがみ(…)

かがみ「…こなた。コンサート行けない…ごめん」ボソボソ

かがみ「つかさ…嘘ついてごめんね…心配かけてごめんね…」ボソボソ

かがみ「お父さん…お母さん…もう迷惑かけられないから…ごめん」ボソボソ

かがみ「……」

かがみ「仲良くしてくれた人、今までありがとう…っと。書けた…」


かがみ「…」サッ

かがみ「……あっ。血で汚れちゃうじゃない……」

かがみ(でも、今やらないと…!!今ならいける…!!)

かがみ「…あぁぁああっっ!!!」シャッ


かがみ「はぁ、はぁ……」

かがみ「っ…」ブシャァァ

かがみ(あ…意識が…)グラッ

かがみ「」バタッ



つかさ「お姉ちゃーん…紅茶もっt…」ガチャ…

つかさ「…」カシャン

つかさ「…はっ……」

つかさ「おかぁさぁん!!お姉ちゃんが!!お姉ちゃんが!!」



みき「ん~?………!!」バッ

みき「もしもし!!救急車ですか?もしもし!?」


つかさ「嫌だぁぁ!!お姉ちゃん死なないで!!!」


・・・・
・・・
・・

かがみ「…」

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

かがみ「うっさいわね…死ぬわよ。ちゃんと」

一人ぼっち一人ぼっち一人ぼっち一人ぼっち一人ぼっち一人ぼっち一人ぼっち

かがみ「はいはい。重々承知だってば」

迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑迷惑

かがみ「…それも重々承知だってば」



~~~~

こなた「かがみっ!!かがみっ!!」

かがみ「ん…?」

つかさ「お……起きてくれたぁ…!」グスッ

かがみ「…あれ。みんな…みゆきにみさおにあやのまで…」

みゆき「…ダメでございますよ。こんなことしては…」

かがみ「…ここ、どこ?」

つかさ「病院。お母さんが慌てて電話して…」

かがみ「病院…私、間に合っちゃったの…?」

みさお「…なんだよ。久々に見たら大分弱ってんじゃん…」

かがみ「…ああ。傷の付け方が甘かったのね」

こなた「かがみ!!死ぬなんて許さないよっ!!相談してくれりゃ駆けつけたのに!!」

かがみ「…あんた達、帰りなさい。忙しいでしょ」

こなた「聞いてる!?ねぇ、かがみん!!」

かがみ「私は勝手に死ぬから。あんまり人が死ぬところなんて見たくないでしょ?」

みゆき「本気…なのでござますね」

かがみ「…死なせて、お願い。死にたいのよ」

寝ます

残ってたら書くけど、荒らしも居るしまず残ってないと思う
荒らしさん、必死にお疲れ様でした

見てくれた人、ありがとうございましたー

ただお「…かがみっ!!」ガラッ

みき「はぁ、はぁ…」

かがみ「…お父さん、お母さん?」

ただお「はぁ、はぁ…何をしてるんだお前は!!」

かがみ「…ごめん」

ただお「…大丈夫なのか?もう傷は治まったのか?」

かがみ「…えっ?」

みき「…かがみ…次やったら…本当に許さないからね。お母さんとお父さんが…どれだけ心配したか」

かがみ「…私は…迷惑ばっかりで…みんなら一生懸命頑張って自分を変えてるのに…私は…」

ただお「…それで?」

かがみ「…甘えてただけ、だから…周りに嫉妬して…心配かけて…グチって…騒ぎ散らして…」

ただお「…それで?」

かがみ「っ…お父さんとお母さんの話も聞いてた。私のせいでケンカ…」

パンッ

かがみ「…!?」ヒリヒリ

ただお「……バカ娘!!!!迷惑なワケないだろう!!!!」

かがみ「……死ね…私…」

パンッ

みき「…バカ娘!!!!!」

かがみ「…二人して殴って…やっぱムカついてたんだ…私に…」

ただお「お前を愛しているからケンカになるんだろう!!!そんなことも分からないような娘に育てた覚えはないぞ!!!」

みき「そうよ…!!」

かがみ「…」

ただお「娘を愛しているからこそ娘の困難にはイライラするし戸惑う!!母さんとのケンカなんて本当は日常茶飯事だ!!」

かがみ「…日常茶飯事…ほんと…?」



つかさ「…お父さんとお母さん…中学3年生の時、私の受験のことでケンカしてたよね」

かがみ「し…知らないわよ…」

みき「…み、見てたの…」

ただお「…」

つかさ「私…それを見て、迷惑かけちゃってるなぁって思ったけど…」

つかさ「私のことで真剣に悩んでる二人を見て…頑張らなくちゃって思えたんだよ。思い出した…」

かがみ「…」

つかさ「だから、お姉ちゃんも…迷惑だなんて思わないで。相談して」

つかさ「私…お姉ちゃんのことで悩むの、嫌いじゃないし…お父さんとお母さんも、それは一緒だと思うから…」

かがみ「…あり、がとう…」



こなた「いやはや、黙って聞いていれば…家族愛は美しいねぇ、かがみん?」

かがみ「…そうね…本当にありがとう…」

こなた「ま、私達も家族だと思ってくれたまへよ。お父様やお母様だけとは言わず」

かがみ「…ありがとう…」

みさお「調子いいなぁお前~」

こなた「ふふん。良いトコ取りはFPSでも言えることだよ」

かがみ「また、よく分からんことを…」

みゆき「それにしても、かがみさんがうらやましいです。本当に皆さんから愛されているのですね…」ニコッ

あやの「そうね~。私も、柊ちゃんが病院に送られたって聞いて友達の誕生日パーティーをドタキャンしちゃったもの…」


かがみ「…私なんかのために、みんな…」

みさお「またまた、私なんかって謙遜しちゃって…」

かがみ「…みんな、本当にありがとう…でも、今日は疲れてるから一人にして欲しい…」

みゆき「そうですね。かなりの血がなくなったんですし…安静にしないと」

こなた「んじゃー今日は解散!みなさん帰りましょー!」

ただお「…かがみ、大丈夫だな?」

かがみ「うん。大丈夫大丈夫」

みき「明日、朝1番に来るから。安静にしてなさいよ?」

かがみ「うん。ありがとう」

「いや、にしてもビックリだわー柊がなぁ~…」
「いや、ウチの娘が世話になっとるようで…ありがとうねぇ」
「…さっき怒鳴ってたわりに温厚なんですね…」

ぞろぞろ…


かがみ「…」

かがみ(私…本当に…生きててよかったのよね。そう思っていいのよね…)

かがみ(…)

かがみ「…寝ようかしr」


こなた「かーがみん♪」ヒョコッ

かがみ「ひゃっ!?」ビクッ

こなた「あはは、ビックリした?」

かがみ「な、何よ!?帰ったんじゃないの!?」

こなた「トイレ行くふりして帰ってきたのだよ。てゆーか可愛い声出せるんだねぇ?」

かがみ「…な、何の用よ」

こなた「…これ、渡しとくね」

かがみ「…?…CD?」

こなた「と、音楽プレイヤー。まぁ短い入院生活でさみしくなったら聞いてよ」ゴトッ

かがみ「…子どもじゃあるまいし…」

こなた「そして帰る」

かがみ「えっ、もう帰るの?」

こなた「そだよーん。じゃあ、また今度ね」スタスタ

かがみ「…こなたにしては淡白ね…」

一時間後

かがみ(…寝れない…)

かがみ「…」チラッ

かがみ「…」

かがみ「ま、まぁ!?別に、別にさみしくなったワケじゃ…」カチャカチャ

かがみ「そう、気になるだけ。気になるだけ…」カチッ


かがみ「…どんな曲なのかしら…」

かがみ「…」ドキドキ

「泉こなたでーす」

かがみ「…こなた?」


「えー、バンド活動のついでに、泉こなたソロシングルを収録しまーす」

「これは、電話でさみしい声を出していた可哀想な子ウサギちゃんのために収録するものでーす」

「では、聞いて下さい」

「かがみん最強伝説」

「かがみんは~♪みんなから愛されてる~♪
実は弱い子、でも根は強い子~♪」

「アドリブでこれ以上は難しいので、リピート再生して楽しんでね!では泉こなたでした!」


かがみ「…ぷっ…」

かがみ「ぷ…ぷぷぷ…」

かがみ「ばかばかしっ」



おわり

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