由比ヶ浜「ヒッキーが悪いんだよ……?」 (104)
由比ヶ浜「こんなに尽くしてるのに……よそ見ばっかり……」
由比ヶ浜「だから…あたしと一緒に……ね?」
八幡「わ、悪かった!だからとりあえず落ち着け!」
由比ヶ浜「……なーんて冗談」
八幡「え?」
由比ヶ浜「てかヒッキー焦りすぎ!そんなことするわけないじゃん」
八幡「は……はは……だよな」
由比ヶ浜「驚かせたならごめんね」
由比ヶ浜「驚かせたお詫びにシチュー作ってきたから……食べてくれるよね?」
八幡(……助かった……殺されるかと思った)
八幡「……うまいな」モグモグ
由比ヶ浜「よかった。作るの大変だったから」
八幡「……でもこの肉……豚?牛?……なんか不思議な味だな」
由比ヶ浜「あー、それ特製のお肉だから、柔らかくて美味しいでしょ?」
八幡「た、たしかに……由比ヶ浜にこんな才能があったとは……」
由比ヶ浜「名づけてゆきのんシチュー!!」
八幡「雪ノ下に教えてもらったのか」
由比ヶ浜「……実はそれほとんどゆきのんが作ったんだよね」
八幡「……何となくそんな気がしてたよ。由比ヶ浜が作ったにしては旨すぎるからな」
由比ヶ浜「でも仕上げはあたしだから……」
八幡(調味料でも入れたのか……)
八幡「……おい、よく見りゃエプロンに血がついてるが…怪我でもしたのか?」
由比ヶ浜「あー、最後の仕上げのときについたのかも」
八幡「刃物を使うのは雪ノ下にやってもらえばいいだろ」
由比ヶ浜「これぐらいは自分でやらないとね……」
八幡「……そういや雪ノ下は?」
由比ヶ浜「……留守かな?」
八幡「自分の家なのに留守なわけないだろ」
八幡(……待てよ、そもそも俺は雪ノ下に夕飯に誘われてここに来た)
八幡(珍しくニコニコしながら雪ノ下が誘ってきたからな)
八幡(……なら何故由比ヶ浜しかいないんだ?雪ノ下の家なのに)
八幡(最近由比ヶ浜を避けてたから突然出くわして焦ってたが……)
八幡(冷静に考えれば……明らかにおかしい)
由比ヶ浜「」ニコニコ
八幡「……ごちそうさま」
八幡(正直腑に落ちない点は多々あるが……)
八幡(出された食事を食べないわけにもいかないしな)
由比ヶ浜「じゃああたしは片付けがあるから」
八幡「手伝おうか?」
由比ヶ浜「あー……ちょっと量が多いから…人任せにするのは…ちょっと」
八幡「そうか……じゃあ俺は帰るとするか」
由比ヶ浜「また明日ね!ヒッキー!」
八幡「お、おう……」
八幡「ただいま」
八幡(見慣れない靴だな……運動部か……いやでも何処かで)
小町「あっおかえりお兄ちゃーん」
八幡「誰か来てるのか?」
小町「あぁ…きっと戸塚さんかも」
八幡「と、戸塚!?戸塚が来てたのか?」
小町「お兄ちゃんはいないって言ったらすぐに帰っていったけど」
八幡「明日学校で謝らないと……」
小町「それよりお兄ちゃんは何処に行ってたの?」
八幡「あ……あぁ……ちょっと近所まで散歩に」
小町「へぇ……じゃあ美味しそうな匂いがするのは気のせいだね……」
八幡「こ、小町!?」
小町「……ご飯はいらないよね」
八幡「…悪い、外で食べてきたんだ……」
小町「気にしないで……お兄ちゃんは悪くないから……」
小町「それよりほらお兄ちゃん!お風呂沸いてるよ!」
八幡「お、おう……」
小町「小町はお掃除してくるから……台所の」
風呂
八幡「しかし戸塚が来てたのか……なんの用事だったんだろうか」
八幡「……まあ明日聞けばいいか」
八幡「にしても靴を忘れるなんてな。普通考えられんが……小町が言うんだから間違いないだろうし」
八幡「……戸塚の奴よっぽど慌ててたんだな」
コンコン
八幡「ん?小町か?」
小町「お兄ちゃん、小町さっきやりそこねたお外のお掃除をしてくるから!」
八幡(……こんな時間にか?……まあ小町のことだから任せておけば問題ないか)
朝
パラパラ
小町「……混ぜ込んで」
2時間後
八幡「おはよう小町」
小町「おはようお兄ちゃん」
八幡「また弁当作ってくれたのか」
小町「お兄ちゃんほっとくとパンばっかりだから……」
八幡(……この肉昨日も……流行ってるのか)
小町「はい、小町特製お弁当だよ!食べれば今日も意識が薄れていくこと間違い無し!」
八幡「物騒なこと言うんじゃない、毒でも盛ってるみたいだろ」
小町「まあ多少ね」
八幡「そうか…んじゃ学校行ってくる」
小町「いってらっしゃーい」
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怖い