大河「本当に？」

竜児「おう！お前も北村とがんばれよ！」

大河「……バカ犬に先をこされるとはね…遺憾だわ…」

竜児「お、おぅ？祝ってくれねえのかよ…」

大河「冗談よ……みのりんを泣かしたら殺すからね、バカ犬」

竜児「泣かせねえよ」ｷﾘｯ

大河「……キモ……まあ、良かったじゃない。あんた犬のくせに頑張ってたもんね……おめでとう」ﾆｺ

竜児「……ありがとうな…お前のおかげだよ」

大河「……」

竜児「大河？どうした？」

大河「別に……それより竜児！！感謝の気持ちとして今日の夕飯は豪華にしなさいよ！！」

竜児「おぅ！今日はもったいないなんて男らしくねえ事言わねえ！めちゃくちゃ豪華なもん作ってやるよ！」

大河「うん♪…」（なんだろう？何か…モヤモヤする）

翌日

竜児「………」ﾄﾞｷﾄﾞｷ（予定より３０分も早く来てしまった…）

竜児「…櫛枝は…まだ来てねえな……」ｷｮﾛｷｮﾛ

竜児「………」

竜児「………」ﾆﾍﾗｰ

竜児「………」ﾆﾍﾗｰ

ﾔﾀﾞﾅﾆｱﾚ？ﾔｸｻﾞﾖﾔｸｻﾞ ﾏﾏｰｺﾜｲﾖｰｼｯ！ﾐﾁｬﾀﾞﾒﾖｺﾛｻﾚﾙｶﾗ

竜児「………」



竜児「……おぅ……」ｽﾞｰﾝ

櫛枝「高須君？どうしたの？」

竜児「おぅ！？く、櫛枝…えらく早いな……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

櫛枝「いや～早めに来て後から来た人を驚かせようと思ってたんだけど、まだ高須君だけ？」

竜児「？…ああ」ｷｮﾄﾝ

櫛枝「大河は？一緒じゃないの？」

竜児「当たり前だろ、今日は俺とく、櫛枝だけだよ」

櫛枝「そうなんだ」（大河達には内緒なのかな？）

竜児「じゃ、じゃあ…行くか」

櫛枝「うん、ところで今日はどこに行くんだい？」

竜児「ゆ、遊園地だよ、櫛枝好きだろ？」

櫛枝「おっ！いいね！…お、お、お、お化け屋敷も行こうね！」ﾎﾞﾀﾎﾞﾀ

竜児「…櫛枝…鼻血でてるぞ…」

櫛枝「おっと、こりゃ失礼！」ﾎﾞﾀﾎﾞﾀ

竜児「ほ、ほら」 ﾊﾝｶﾁ


櫛枝「ありゃ？汚いからいいよ。自分のでふくから」ﾌｷﾌｷ

竜児「そ、そうか？」

櫛枝「ふふ、高須君はやっぱり優しいね♪」ﾆｶｯ

竜児「お、おう」///（彼氏なんだから当たり前だろ」

遊園地

櫛枝｢あれ？まだ誰も来てないみたいだね」

竜児「？　だから二人だけだって」

櫛枝「……？」（何だ？何か可笑しいぜ…高須君…何考えてるんだろ…）

櫛枝「………」（ 二人だけで遊園地で遊ぶ…まるでデートみたいじゃねえか…）

櫛枝「……」（…はは～ん、分かったぜ…ドッキリだなこれ…多分みんな近くでのぞいてんだな～）

竜児「櫛枝？」

櫛枝「……」（…私が高須君とデートしてると勘違いさせて照れてる所を見ながら笑ってやがるなコレ）

竜児「櫛枝～」ｵｰｲ

櫛枝「………」（へへへ、この櫛枝実乃梨、通称みのりんをみくびってもらっちゃあ困るぜ！）

竜児「櫛枝～？」ｵｲｯﾃ

櫛枝「………」（それぐらい簡単に見破っておるわ！ウワハハハハ！）

竜児「……」

櫛枝「………」（ならば逆に俺っちが皆をビックリさせてやるか！ウワハハハハ！）

竜児「櫛枝…」ｸﾞｽｯ

櫛枝「！！た、高須君？何で泣いてるの？」

竜児「……いや、別に」

櫛枝「………高須君」

竜児「おう、なんだ？」

櫛枝「手、繋ごうか…」

竜児「！！」

竜児「お、おう！」ｶﾞｼｯ

櫛枝「お、おう…痛いぜハニー…」ﾆｷﾞﾆｷﾞ

竜児「す、すまん」///ｱｾｱｾ

櫛枝「い、いいって事よ…」///ｶｱ

竜児「……」///ｶﾁｶﾁ

櫛枝「た、高須君？大丈夫かい？なんか固まってるけど…」

竜児「い、いや大丈夫！大丈夫だから！」///

櫛枝「そうかい？だったらいいんだ」

竜児「おう！」///

櫛枝「……」///（高須君…顔真っ赤じゃん…なんかこっちも恥ずかしくなるなあ）

お化け屋敷

櫛枝｢うへへへ、早く入ろうぜ！高須君♪」

竜児「お、おう」

～～～

ﾋｭｰ　ﾄﾞﾛﾄﾞﾛ

竜児「…けっこう雰囲気あるな…」

櫛枝「う～ん…怖いもの好きのみのりんとしてはイマイチだけど」

竜児「そうか？」

櫛枝「うん、まあね」

櫛枝 「……」ｷｮﾛｷｮﾛ（みんなは…いないな…）

竜児「……」ﾃｸﾃｸ

櫛枝「……」ﾃｸﾃｸ

お化け「うぎゃああああ！！」ガバッ

竜児「おう！」ビクッ

櫛枝「………」

竜児「………」

竜児「………」///ｶｱ（さ、最悪だ…）

櫛枝「………」ﾊｱ（なんかガッカリだなあ…ここはハズレだ）

竜児「…！…」（く、櫛枝が溜め息をついている…嫌われた…）

ここはあえて

竜児「……」ﾃｸﾃｸ

櫛枝「…！…」ﾋﾟｶｰﾝ（そうだ、高須君をからかってやろう…そっちの方が面白そうだ）

竜児「……」ｽﾞｰﾝ（櫛枝に嫌われた…）

櫛枝「……」（次にお化けが出たらやるぜ～）

お化け「ギザお化けデガンス！！」ガバッ

竜児「うあ！」ビクッ

櫛枝「きゃっ♪」ｶﾞﾊﾞｯ

竜児「…！！…」ﾀﾞｷｯ

竜児「おおう！！」///（く、櫛枝？）

櫛枝「……」///ｷﾞｭｯ（クッ…やっぱりちょっとハズいな…）

竜児「……」///ｷﾞｭｰ（く、櫛枝がこんなに積極的だったとは……）

櫛枝「……」ｷﾞｭｰ（あ、あれ？離れない…）

　　　　 ノ´⌒｀＼　　　　　　 　　　　∩＿＿＿∩　　　　━┓　　　　　／　　
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　　　　/´　　 　 ｀＼／　　　　　 　 > 　　　　く　　　　　　　　　　＼　 /´　　　 (,＿ ＼.＼
　　 　 |　　　　　　／　　　　　　＿/　,／⌒)､,ヽ＿　　　　　　　　　＼ |　　/　　　　 ＼＿ﾉ
　　 　 |　　　　　／　　　　　　　　 ヽ､_／~ヽ､__）　 ＼　　　　　　　　＼

竜児「……」ｷﾞｭｰ

櫛枝「…た、高須君？もう離してくれない？」

竜児「お？おう、悪い…つい」///ｻｯ

櫛枝「い、いやあ…抱きついたのは私の方だし…別にいいよ」///ﾃﾚ

竜児「そ、そうか…」///ﾃﾚ

櫛枝「う、うん」///ﾃﾚ

～～～

櫛枝「って照れてどうすんだ！！！私のバカ！！意味ねえじゃんか！！」ｶﾞﾋﾞｰﾝ

竜児「く、櫛枝？」ﾋﾞｸ

竜児「く、櫛枝、腹減ったし飯食うか？」

櫛枝「おっ？そうかい、そうしようか？」ｷｮﾛｷｮﾛ

竜児「？　さっきから何キョロキョロしてんだ？ 」
櫛枝「え？そうかな？」（…あれ？…高須君？…ひょっとして私の勘違いか？）

竜児「？」

櫛枝「……」ｳｰﾝ（まだわからないな…）

竜児「櫛枝？」

櫛枝「いや、こっちの話だよ…何食べたい？」

竜児「そうだな……

夕方

竜児「ふう…そろそろ帰るか、櫛枝」

櫛枝「そう？」（…結局だれもみつからなかったな…）

櫛枝「もういいの？」（用事はすんだのかな？なんだったんだろ）

竜児「おう？」

櫛枝「まあ、いいか。うん帰ろう高須君」

竜児「…今日はスッゲエ楽しかったよ…そういやあ昨日櫛枝にいい忘れた事があるんだ」

櫛枝「お、やっとかよ！こっちも聞き損なったから気になってたんだよ！」

竜児「す、すまん…本当は昨日言っとくべきだったな」

竜児「櫛枝！！」ﾀﾞﾀﾞｯ

櫛枝「え？」

竜児「櫛枝！」ﾀﾞｷｯ

櫛枝「！！」

竜児「好きだ！」ｷﾞｭｯ

櫛枝「ええっ！？」

竜児「ずっと好きだった！」ﾁｭｯ

櫛枝「！！！」ﾁｭｰ

竜児「ﾌﾟﾊｯ……」///

櫛枝「………」ﾎﾞｰ

竜児「櫛枝？」

櫛枝「ﾊｯ！？………」ﾊﾞｼｯ

竜児「く、櫛枝…」ﾋﾘﾋﾘ

櫛枝「……」

櫛枝「ごめんな高須君。先に帰るよ」ﾀﾀﾀ

竜児「……」

竜児「や、やっちまったか？……」ｽﾞｰﾝ

櫛枝「……」ﾀﾀﾀ


櫛枝「……」ﾀﾀﾀ（…まいったぜ…）


櫛枝「……」ﾀﾀﾀ（…油断してたな、高須君が好きなのは大河だって思ってたのに…）

櫛枝「……」ﾀﾀﾀ（っくそ！っくそ！っくそ！）

櫛枝「……」ﾀﾀﾀ

竜児「……」ﾋﾘﾋﾘ

竜児「……」

竜児「ﾊｱ…大河になんて言ったらいいんだよ…」

竜児「…帰るか」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ


～～～

大河「………」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

竜児「す、すまん！！…あれだけ言っといて…」ﾄﾞｹﾞｻﾞ

大河「………」ｷﾞｷﾞｷﾞ

大河「こ～の～エロ犬がぁ～！！よくもみのりんを～！！」ｷﾞｷﾞｷﾞ

竜児「す、すまん！」ﾄﾞｹﾞｻﾞ

大河「………」ﾊｱ

大河「…もう、いいわ。竜児、私に謝ってもしょうがないよ…みのりんに謝まらないと」

竜児「おう、でもな…櫛枝の奴電話にでてくれないんだよ」

大河「そんなの知らないわよ、明日また学校であやまれば？」

竜児「ああ…… なんだ？大河。あっさりしてるな、俺は正直殺されるとおもってたんだが…」

大河「……」

大河「だって竜児はみのりんと付き合ってるんでしょ？それとも嘘だったの？」

竜児「う、嘘じゃねえ……」

大河「だったらこれは二人の問題。私はそこまで二人の間に入るつもりはないから」

竜児「え？た、大河？本当にどうしたんだよ。なぁお前の親友の櫛枝の話だぞ」

大河「うるさい！うるさい！もう！いいからあんたはみのりんの事だけ考えてればいいの！私は口出ししないから！」ﾊﾞｷｯ

竜児「痛っ！…手は出すんだな…」

大河「本当にうるさい駄犬ね！」ﾊﾞｷｯ

翌日

竜児「お、おう櫛枝！おはよう」

櫛枝「おはよう、高須君」

竜児「お、おう」

大河「………」

竜児「昨日は…悪かった…ちょっと調子にのっちまった…」

櫛枝「そんな事より高須君、放課後ちょっといいかな？時間はとらせないから」

竜児「？　おう、いいけど」

櫛枝「その時にまた話そ、ごめん大河。みのりんは先に行くな」ﾀﾀﾀ

大河「……」

大河「あんた達…本当に付き合ってんの？」

竜児「…一応」

放課後

櫛枝「やあ、ごめんね。時間はとらせないから」

竜児「いいよ、そんなの…櫛枝…俺達付き合ってるんだよな？」

櫛枝「その事だけどね……高須君、私勘違いしてたみたい」

竜児「……は？」

櫛枝「本当にごめんなさい。高須君に付き合ってって言われた時違う意味で聞いてたんだよ。私」

竜児「違う…意味？」

櫛枝「うん」

竜児「………」

櫛枝「ほら、友達とかお母さんに用事を頼まれた時とかにさ付き合ってって言われるよね？そう言う意味で聞いてた」

竜児「……そう…なのか」

櫛枝「うん、だから昨日の事は忘れて。私も忘れる」

竜児「……」

竜児「出来るかよ！そんなの！」

櫛枝「ダメだよ、忘れて」

竜児「櫛枝…」

櫛枝「高須君、忘れて」

竜児「返事は！昨日はハッキリ言っただろ！？櫛枝が好きだって！」

櫛枝「返事はＮＯだよ。高須君はただの友達。それ以上でもそれ以下でもないから」

竜児「……」

櫛枝「言いたい事はそれで終わり。高須君は？何かある？」

竜児「……」

櫛枝「……」

櫛枝「…ごめんね、部活があるからもう行くよ。それじゃ」

竜児「……」

竜児「……」

竜児「……」

竜児「帰って…飯作るか…」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ





亜美「……」
北村「……」

夜

～～～

大河「……」

竜児「わかっただろ、大河…全部…俺も櫛枝も勘違いしてた…」

竜児「でも最後に告白の事だけは…ハッキリ断られたよ…ただの友達だってさ」

大河「…みたいね」

竜児「…大河…今まで付き合ってもらって悪かったな、俺の事はもういいや。明日からはお前の方だけに専念するか」

大河「そう、あんたはもう諦めちゃうんだ。やっぱり犬なのね。ちょっと痛い目に会ったらすぐ諦めちゃうただの駄犬なんだ」

竜児「……」

竜児「はは…そうだな…俺は犬だよ…もう反論する牙さえないけどな…」

大河「はあ…そうね…私ももう来ないわ」ﾀﾀ

竜児「お、おう？大河どうした？何でだよ」

大河「私は虎。犬のあんたじゃ対等じゃない。だから帰るの、今のあんたはあんまり見たくない」

竜児「で、でも！飯は？洗濯は？どうするんだよ！お前一人で大丈夫なのかよ！」

大河「うるさい！竜児！あんたは人の世話より自分の心配しなさいよ！…私は一人でも大丈夫」

竜児「大河…」

翌日

竜児「……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

櫛枝「あれ？高須君。今日は大河は一緒じゃないの？」

竜児「く、櫛枝！…」

櫛枝「やだなぁ、そんなに驚かれたらショックだよ」

竜児「わ、悪い…」

櫛枝「いいよ、許す♪でもホントに大河は？今日は休み？高須君なにか聞いてた？」

竜児「…知らねえ」ﾀﾀﾀ

櫛枝「高須君？」






竜児「……」ﾀﾀﾀ（何だよ…櫛枝は…本当に何も変わってねえ…俺の事なんてなんとも思ってなかったんだな）

放課後

竜児「……」（櫛枝にはフラれて…大河には愛想つかれちまった…っくそ…）

竜児「……なにやってんだ？俺…」

亜美「は～い♪高須君、一人？亜美ちゃんが一緒に帰ってあげよっかぁ？」

竜児「川嶋…」

亜美「ちょっと…大丈夫？死にそうな顔してるよ」

竜児「ああ…」

亜美「……」

竜児「なんだよ、心配してくれてんのか？」

亜美「べ、別に！違うからそんなんじゃねえから！」

竜児「お、おう」

亜美「高須君…みのりちゃんにフラれたんだよね」

竜児「…なんで知ってんだ…」

亜美「偶然近くを通りかかっちゃって…聞くつもりはなかったよ」

竜児「…まあ、いいけどよ」

亜美「それで何？今度はタイガーにも愛想尽かされちゃったの？高須君可哀そう…亜美ちゃんがぁなぐさめてあげよっか？♪」

竜児「おう、気持ちだけでいいよ…もう大丈夫だ」

亜美「そうかな～？なんだかまだまだみのりちゃんに未練たっぷりって感じだけどぉ？♪」

竜児「…川嶋には…お見通しか…」

亜美「まあね、…多分タイガーも気づいてるよ」

竜児「大河？」

亜美「高須君て…本当に鈍感だよね…タイガーはいろんな事わかってるよ、わかってない事もあるけどね」

竜児「……お前は全部わかってるみたいな言い方だな」

亜美「うん♪亜美ちゃん超可愛いから♪」

高須「なんだそりゃ」ﾌﾟｯ

亜美「亜美ちゃんがわからないのは…亜美ちゃん自身がどう動いたらいいかわからないのは事ぐらいかなぁ…」

竜児「？　川嶋？」

亜美「…ねえ高須君…亜美ちゃんはどう動いたらいいと思う？」

竜児「おう？よくわかんねえけど…好きなようにしたらいいじゃねえか？」

亜美「本当にいいの？」

竜児「おう、変にネコ被ってる川嶋よりは今の方がいいと思うぞ？」

亜美「高須君が言うなら…そうだね、そうしようかな」

川嶋「高須君…」

竜児「おう」

川嶋「私ね…高須君の事が好きなんだ」

竜児「おう…って……え？」

亜美「だから、高須君が好き」

竜児「…いや…え？…マジでか？」

亜美「うん、マジマジ♪」ﾆｺﾆｺ

竜児「…嘘くせえな…」

亜美「やだな～♪ホントだよぉ♪……ホントなんだよ」ｼﾞｯ

竜児「……」

亜美「……」

竜児「…マジなんだな」

亜美「うん、自分でもなんでか分かんないけど…マジなんだよ…」

竜児「………」

亜美「高須君。ハッキリ言っていいよ、亜美ちゃん超可愛いから全部わかってるから」

竜児「……」

竜児「おう」

竜児「悪い。…川嶋の事は嫌いじゃねえ…だけどそんな目で見たことがねえよ」

亜美「うん」

竜児「ごめんな」

亜美「いいって、言ったでしょ？亜美ちゃん全部わかってるって」

竜児「……」

亜美「高須君が好きなのはみのりちゃん？」

竜児「…ああ」

亜美「本当にそうなの？」

竜児「おう……なんだよ、何が言いたい？」

亜美「タイガーは？タイガーの事、どう思ってる？」

竜児「大河は…友達だ」

亜美「ホントに？ホントに友達としか思ってないの？」

竜児「……」

亜美「全部わかってる亜美ちゃんからのヒントはそれだけ。みのりちゃんが高須君を振ったのも全部その中にあるよ」

竜児「……」

亜美「…あとは高須君次第、頑張ってね♪」

竜児「…川嶋は大人だな」
亜美「…違うよ」

亜美「高須君達が子供なんだよ」

竜児「え？」

亜美「特にみのりちゃんかな？…あの子は相当頑固だからていうかウザイ」

竜児「……」

亜美「頑張ってね、高須君。亜美ちゃんはもう助けないし」

竜児「…おう」

亜美「…うん」

竜児「……」

竜児「大河の事…どう思ってるか…」

竜児「……」

竜児「…川嶋の言ってる事が全然わかんねえ…」

竜児「大河は北村が好きなんだぜ…ただそれを応援してるだけなんだけどな…」

竜児「………」

竜児「うおおぉぉ！！！わかんねえよ！！！全然わかんねえ！！！」

北村「何がわからないんだ？高須」

竜児「北村！？…聞いてたのか？」

北村「ハッハッハ、お前の独り言はいつもでかすぎるからな！嫌でも聞こえてしまったぞ！高須」

竜児「おう…」

北村「それにな、逢坂が俺の事を好きな事は知っていたさ」

竜児「な、なんだって！？」

北村「高須…俺だってもう高校生だ。それくらい見てればわかるだろう？」

竜児「……」

北村「ばれてないとおもってるのはお前と櫛枝と逢坂くらいだ」

竜児「…お、おう…そうなのか」

竜児「…それで…お前はどうするんだよ…」

北村「どうもしないさ、俺が好きなのは会長だけだ。逢坂ではないからな」

竜児「そ、それじゃ…大河の気持ちは…どうなるんだよ」

北村「高須？」

竜児「大河は…大河は本当にお前の事が好きなんだよ、それなのに…」

北村「……」ﾊｱ

北村「なあ高須」

竜児「お？」

北村「だったらお前が逢坂を支えてやればいいんじゃないか？」

竜児「…俺が？」

北村「もう子供じゃないんだ絶対に、誰も傷つかないと言う訳にはいかない」

北村「同情や自己満足ですむ話じゃないのはわかるだろう」

北村「お前は逢坂をどう思ってるんだ？好きなのか？それともさっき言った通りただ応援していただけなのか？」

竜児「……」

竜児「俺は………

竜児「俺には…まだわからないんだ…」

北村「……」

竜児「大河は家族みたいなもんだ…そんなふうにしか考えた事がない…」

北村「家族か…それは夫婦としてか？」

高須「おう…違うな…娘…妹…そんな感じだ」

北村「それでは高須が好きなのは誰なんだ。」

高須「…やっぱり…櫛枝だな」

北村「そうか、もう迷いはないのか？」

竜児「…おう、俺が好きなのは櫛枝だ！！大河じゃねえ！櫛枝実乃梨が好きなんだ！！」

大河「だってさ、みのりん」

櫛枝「……」

竜児「大河！？櫛枝！？なんでここに！？」

亜美「亜美ちゃんが呼んだんだよ、みのりちゃんがいつまでもすっとぼけた事いってるからさぁ♪」

大河「ちょっとばかちー！連れて来たのは私でしょ！」

亜美「はいはい♪ありがとねタイガー」

北村「こらこら喧嘩をするな、すまなかったな亜美。変な事を頼んで」

亜美「いいよ、別に。みのりちゃんの態度みてたらイライラしてくるしね、亜美ちゃん超可愛いからゆるしてあげる」

大河「ほら、みのりん♪わかったでしょ？竜児が好きなのはみのりんだって、私じゃないよ」

櫛枝「う、うん」///


亜美「うぜ…」


竜児「…おう？どう言うことだ？…」

北村「逢坂から聞いたんだ。どうやら櫛枝は高須が好きなのは逢坂だと思い込んでたみたいでな！」

竜児「え？」

大河「まったく…みのりんたら本当に意地っ張りなんだから！いくら私が言っても聞いてくれなかったもんね！」

櫛枝「ご、ごめん大河、みのりんまたまた勘違いしてたみたい…」

亜美「…はあ、それでぇ？みのりちゃんは高須君の事どう思ってるの？」

竜児「お、おい！川嶋！？何言ってんだよ？俺は昨日振られたばっかりなんだぞ！」

亜美「みのりちゃん♪馬鹿はほっといていいから♪」

竜児「え？…」

亜美「本当の事…言ってね…皆がここまでしてあげたんだから…」

大河「…ばかちー…」

櫛枝「…分かった、言うよ」
櫛枝「私の…本当の気持ち」

竜児「……」

櫛枝「……」

竜児「……」

櫛枝「高須君…本当は私…高須君の事が好きだよ」

竜児「え！？」

櫛枝「だけどね…高須君とは付き合えません。ごめんなさい」

亜美「ちょっ！？」

大河「みのりん！？」

北村「………」

竜児「な、なんでだ？」

櫛枝「……」

大河「どうして！？どうしてなの！？みのりん！！私なら平気だって、もう子供じゃないんだし、竜児もまだ家族って言ってくれた！」

大河「どうして！？どうして！？もう大丈夫だからみn…」

櫛枝「大河」

大河「みのりん？」

櫛枝「大河は関係ないよ…私の問題…」

櫛枝「…私には…夢があるの……

北村「……」

大河「みのりん、みのりんの夢ってなんなの？それは竜児よりも大切な事なの？」

櫛枝「……」

大河「答えてよ！みのりん！」

櫛枝「…どっちが大事が上かなんてわからない。だけどね、高須君がいると…私の夢は絶対に叶わなくなるんだ…」

竜児「……」

大河「そんな！…」

亜美「で？…その夢って何？亜美ちゃんこのままじゃ全然納得できないんだけど」

櫛枝「……それは…

北村「ソフトの事だろう？櫛枝」

櫛枝「…北村君にはわかっちゃうか…そう、今はソフトが私の夢なの」

竜児「……」

北村「最近の櫛枝は以前よりミスが多いからな、俺も同じ男子ソフトボール愛好会の部長だ。わかるさ」

大河「なんで？なんで竜児がいるとダメなの？」

竜児「……」

櫛枝「……私はそんなに器用じゃないよ、大河」

櫛枝「恋愛と…夢の両立なんて出来ないよ」

竜児「……」

櫛枝「ごめんよ、高須君。もう…諦めて欲しいんだ…私…今は高須君よりも…見えてる物の方が…ソフトの方に専念したいんだ…」

竜児「……」

亜美「……」

亜美「ばっかじゃねえの？」

櫛枝「…あーみん？」

亜美「だからさ！なんで高須君と付き合ったらてめえの夢が叶わないなんて決めつけてんだよ！！てめえ本当に頭が筋肉馬鹿だな！」

櫛枝「…なんだって？」ｶﾁﾝ

亜美「見えてる物！？何だよそれは！夢なんて見るのは勝手だけど叶うかどうかなんて一番わからない物じゃん！！てめえは何を見てるんだよ！」

亜美「高須君が好きなんでしょ！？そっちの方がハッキリ見えてんでしょ！」

櫛枝「それでも…夢は…見るのを止めたら…消えちゃうから」

大河「みのりん…なんで一人で見ようとするの？」

櫛枝「大河…」

大河「みのりんはそこの馬鹿犬をなめてるよ」

櫛枝「……」

大河「竜児は凄いんだよ…みのりんも知ってるよね？…竜児が居なかったら…私はいつまでも弱いままだったよ」

大河「でもね、竜児が居たから今、私は一人でも生きていけるって思えるくらい強くなったの」

櫛枝「大河…」

亜美「みのりちゃんは夢を言い訳にして高須君と自分を傷つけてるんだよ」

亜美「なんでそんな所は大人ぶるんだよ！もっと簡単に考えなよ！」

櫛枝「…あーみん」

大河「竜児はみのりんの夢の邪魔なんてしないよ…絶対、絶対助けてくれるはず」

大河「私にはわかるから。みのりんには高須君が必要だよ」

櫛枝「……」

北村「……」

北村「……そうだな…櫛枝、高須にチャンスを与えてやったらどうだ？」

櫛枝「…北村君？」

北村「櫛枝は高須がいたらソフトに集中できない…夢が叶わなくなる…そう考えてるんだな？」

櫛枝「…うん」

北村「だったら試合だ、試合を高須に見てもらえ。それで判断すればいい」

櫛枝「え？…それで…何がわかるんだい？…」
北村「全てわかるさ、なあ高須！お前もそれでいいか？」

竜児「お？おぅ…俺にはさっぱりわかんねえけど…チャンスはほしい…」

北村「決まりだな、次の試合までは櫛枝は高須と色々と話をしてみろ」

櫛枝「え？…うん」

竜児「お、おぅ 」…

数日後 櫛枝の家

櫛枝「……」

櫛枝「……」ﾋﾟﾘｰﾝ

櫛枝「…お、メール…高須君からか…」ﾋﾟｯ ﾋﾟｯ

『…………』

櫛枝「………」

櫛枝「…私…高須君を…言い訳にしてたのかなあ…」
櫛枝「……」

櫛枝「…寝よう…」

櫛枝「……」

翌日

櫛枝「おはよう、大河、高須君」

竜児「おぅ」

大河「みのりんおはよう、今日はがんばってね♪」

櫛枝「うん、ありがとう大河」

竜児「…俺も応援してるから」

櫛枝「う、うん…」///

大河｢………」（…もう、大丈夫だね、みのりん…）