岡部「今日もラボは静かだ」(293)

岡部「ふっ……間もなく世紀の発明が作り出される我が未来ガジェット研究所」

岡部「凡夫などむしろ居ない方が清々するというものだ」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「む、もうこんな時間か。今日はここまでだな」

岡部「さて、今日も世界を揺るがす研究に励むとしよう」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「思ったより捗らなかったな。今日は帰るか」

岡部「今日も……やるぞ」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……帰るか」

岡部「……やる事はやるさ」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

-カンカンカンカン

岡部「!?」

岡部「フ、フゥハハハハ!」

岡部「我がラボから溢れる才気に導かれ、入門希望者が現れたか!?」

岡部「ああ、俺だ。分かっている、利用できる物は利用するだけだ。ククク、今は少しでも人手が欲しいからな」

岡部「無論だ。機密は明かさず、使えるだけこき使ってやる。そう、計画通りという訳だ」

岡部「エル・プサイ・コングルゥ」

岡部「さぁ、来たれよ、新人!」

-バタン

天王寺「おう、岡部。元気にやってるか?」

岡部「何だ、ミスターブラウンか……」

天王寺「あ?いきなりご挨拶だな、コラ」

岡部「用件は簡潔にすませて頂きたい。これでも忙しい身なのでね」

天王寺「はぁ、まあいいけどよ。特に用はねえよ。様子みにきただけだ」

天王寺「帰りは戸締りしっかりしとけよ」

岡部「フッ、この俺が戸締りを忘れるとでも?」

天王寺「ならいいけどよ。んじゃな」


岡部「はぁ……」

岡部「気を取り直して研究に勤しむとするか」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「今日はこのくらいで良いだろう。そろそろ帰るか」

岡部「今日は余り気が進まないな」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

-カンカンカンカン

岡部「またミスターブラウンか?全くご苦労な事だ」

-トントン

岡部「鍵は開いていますよ」

-バタン

岡部「何度も言っているでしょう?戸締りは完璧です」

まゆり「トゥットゥルー♪まゆしぃです☆」

岡部「まゆり……?」

岡部「一体どうした?いや、よくここが分かったな」

まゆり「うん。オカリンのお父さんに聞いてきたのです」

岡部「まったく、親父め……余計な事を」

岡部「それで?何か用があってきたのだろう」

まゆり「うん」

まゆり「あのね、まゆしぃはオカリンの人質でしょ?」

まゆり「だから」

まゆり「まゆしぃはオカリンと一緒にいる事にしたのです」

岡部「はぁ?」

岡部「あのな、まゆりよ。ここがどんな場所かわかっているのか?」

まゆり「ごめん、まゆしぃわからないよ。どんな所なの?」

岡部「フッ、そんな事も知らずに来たとはな」

岡部「良いか?」

岡部「此処こそが!世界を揺るがす大発明の産まれる知的空間!」

岡部「即ちッ!未来ガジェット研究所なのだッ!!」

まゆり「へぇ、何だか凄いんだねえ」

岡部「……まゆりには言っても無駄だったか」

岡部「と、とにかくだな。俺は未来ガジェットの研究等で忙しいのだ」

岡部「だから折角来ても構ってやれんぞ」

まゆり「それでもいいのです。まゆしぃはオカリンの人質なので」

岡部「……。そこまでの決意があるなら、その、まぁ居つく位は勘弁してやる」

まゆり「えへへ、オカリンありがとう」

岡部「俺は研究に戻る。適当にしていろ」

まゆり「はーい」

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ペラッ

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ペラッ

岡部「……何を読んでいるのだ?」

まゆり「これ?えへへ、コスの本だよ」

岡部「コス?ああ、コスプレか」

まゆり「うん」

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ペラッ

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ペラッ

岡部「……今も」

まゆり「え、何~?」

岡部「コスチュームを作ったりしているのか?」

まゆり「うん。今はね、夏に向けて何を作るか決めてる所なんだ」

まゆり「あ、オカリンも一緒に行く?良かったらオカリンの分も作るよ」

岡部「あ、いや。俺はいい」

まゆり「そう?残念」

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ペラッ

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ペラッ

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ペラッ

岡部「……」

岡部「そろそろ帰った方が良いのでは無いか?」

まゆり「えぇ?あ、もうこんな時間なんだ。それじゃ今日はそろそろ帰るね」

岡部「ああ、気をつけてな」

まゆり「うん!それじゃぁね、オカリン!トゥットゥルー♪」

岡部「まさか、いきなりまゆりが押しかけてくるとはな」

岡部「研究に戻るか」

岡部「……」

岡部「チッ……」


まゆり「あれ?オカリンどうしたの?」

岡部「俺も帰る時間だからな。途中まで送っていってやる」

まゆり「本当?オカリン、ありがとう」

岡部「か、勘違いするな。その……ついでだ、ついで」

まゆり「それでもありがとう!」

岡部「ふん」

岡部「……人質の管理も大事な仕事だからな」

まゆり「まゆしぃはオカリンの人質で良かったのです」

岡部「はは、まゆりは変わらないな」

-ガタンゴトン ガタンゴトン

まゆり「……」ウツラウツラ

岡部「おい、まゆり」

まゆり「……」

まゆり「あ、なぁに、オカリン?」

岡部「眠いのか?」

まゆり「うん、ちょっと」

岡部「着いたら起こしてやる。寝ていいぞ」

まゆり「でも……」

岡部「人質は大人しく言う事を聞け」

まゆり「ありがと……」

まゆり「……」

まゆり「zzz……」コツン

岡部「今日は肩を貸してやる。感謝しろよ」

まゆり「zzz……」

岡部「さて、今日も研究を進めるか」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」チラッ

岡部「流石に二日続けては来ないか。昨日は遅くなってしまったしな」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」チラッ

岡部「ふぅ……」

岡部「少し休憩するか」

岡部「しまった、ドクペを切らしていたとは」

岡部「小腹も空いたしコンビニにでも行くか?」

-カンカンカンカン

岡部「む?」

-バタン

まゆり「トゥットゥルー♪オカリン、来たよー」

岡部「ふ、やれやれ、また来たか」

まゆり「差し入れもあるよ。じゃーん♪ドクペとジューシーからあげNo1なのです」

岡部「おお、流石まゆり。気が利くでは無いか」

岡部「……」モグモグ

まゆり「~~~♪」モグモグ

岡部「この唐揚美味しいな」

まゆり「本当?良かったぁ、気に入ってもらえて良かったよ」

岡部「……」モグモグ

まゆり「~~~♪」モグモグ

岡部「……」ゴクゴク

まゆり「~~~♪」ゴクゴク

岡部「ふぅ、ご馳走さま」

まゆり「いえいえ♪お粗末さまなのです♪」

岡部「さて、休憩もした事だしラボの作戦計画書を進めるとするか」

まゆり「計画?」

岡部「ふ、まゆりと言えど簡単に話す事は出来んな。知ればお前も‘機関‘に付け狙われる事になる」

まゆり「機関?トーマスとかの?」

岡部「それは機関車だ!俺が言っているのは‘機関‘だ」

まゆり「何が違うの?」

岡部「と、とにかく!‘機関‘とは恐ろしい物なのだ」

まゆり「それって危ないの?オカリンが危険な事するの嫌だなぁ」

岡部「昨日はまゆりを構ったせいで余り作業が進まなかった……」

岡部「全く、人質の分際で生意気なヤツだ」

岡部「……」

岡部「今日も、来るだろうか……?」

岡部「……ふん。狂気のマッドサイエンティストとは孤独なモノ」

岡部「俺一人いればラボは十分!」

岡部「さて、早くラボへ行って作業を再開せねばな」

-カンカンカンカン

-バタン

岡部「な……!?」

まゆり「オカリン、おかえりー」

岡部「……何をしている?」

まゆり「オカリン、まゆしぃは悲しいのです」

まゆり「もっと部屋は綺麗にしなきゃ駄目だよー!」

岡部「……それにしては、随分と物が増えているようだが」

まゆり「折角だから可愛いお部屋にしようよ。見てみて、うーぱ!可愛いでしょ」

岡部「……」

岡部「ふぅ、好きにしろ」

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ピコピコ

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ピコピコ

まゆり「あ~、やられちゃった」

岡部「何をしているのだ?」

まゆり「これ?ポケットうーぱだよ。オカリンもやってみる?」

岡部「まぁ息抜きにやってやらない事もない」

まゆり「やったー!まゆしぃ、ここから進めないんだよ;;」

岡部「やれやれ、仕方ないヤツだな。貸してみろ」

岡部「ほぅ、中々面白いな」

まゆり「オカリンは上手だね」

岡部「ふ、当然だ」

岡部「この程度のゲーム、この鳳凰院凶真には造作も無い」

まゆり「オカリン、お疲れ様♪コーヒー淹れるね」

岡部「ブラックで頼む」

まゆり「はーい。あ、お菓子あるから開けておいて」

岡部「わかった」

まゆり「~~~♪」


まゆり「お待たせ。出来たよ~」

岡部「やはりコーヒーはブラックに限る」

まゆり「まゆしぃ、ブラックは苦くて苦手だなぁ」

岡部「ククク、ブラックこそ大人の味だ。お子様なまゆりには未だ早い」

まゆり「えー?まゆしぃ、もう子供じゃないよ」

岡部「ふ、そういう所が子供だと言うのだ」

岡部「さて、そろそろ帰るぞ、まゆり」

まゆり「うん、ちょっと待ってて」


岡部「流石に、夏でも夜は多少冷えるな」

まゆり「ねぇねぇ、オカリン。お部屋にもっと色々持ってきてもいい?」

岡部「部屋ではない。格調高くラボと呼べ」

岡部「……まぁ、人質の精神衛生の管理も仕事だからな」

岡部「程ほどになら持って来ても良いぞ」

まゆり「やったー」

岡部「程ほどだからな」

まゆり「あれとこれとー♪それとあれももってきてー♪」

岡部「程ほどと言っているだろう!」

岡部「さて、今日も未来ガジェットの開発に勤しむか」バタン

まゆり「あ!オカリン、おかえりー」

岡部「ご苦労」

まゆり「あはは、オカリン何だか偉そう!」

岡部「実際ラボで一番偉いのだから問題無い」

まゆり「そうなの?オカリン凄いね!」

岡部「当然だ。何しろラボメンNo001だからな」

まゆり「何か響きがかっこいいね」

岡部「ふむ、そうだな」

岡部「よし。まゆり。お前を栄えあるラボメンNo002に任命してやろう」

まゆり「えー、本当?やったー!」

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ニコニコ

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」ニコニコ

岡部「随分とご機嫌だな」

岡部「なにかいいことでもあったのか?」

まゆり「うん。あのね、いいことはなかったけど、あったよ」

岡部「……?」

岡部「そうか、幻想を見たのだな」

岡部「それはもしかすると‘機関‘の幹部の一人」

岡部「通称『幻想案内』(イリュージョンコンダクター)からの攻撃である可能性がある」

まゆり「そっかー。じゃあ、気をつけなきゃ」

まゆり「でもね、きっとそのイリュージョン・子だくさんっていう人は」

岡部「子だくさんではない。コンダクターだ」

まゆり「その人は、きっと悪い人じゃないと思うなー」

岡部「ふ、何を馬鹿な事を」

まゆり「本当だよー」

岡部「まあいい。後でゆっくり機関の恐ろしさを語ってやろう」

まゆり「うん!聞かせて聞かせて」

岡部「全く……ここ最近はまゆりのせいで研究が捗らんな」

岡部「これはコーヒーを淹れさせてコキ使うしかあるまい」カンカンカン

岡部「まゆり、今日もご苦労。早速だがコーヒーを淹れるのだ」バタン

岡部「……」

岡部「今日はまだ来てないのか」

岡部「ふん、逆に好都合だ。研究が捗るというもの」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」チラッ

岡部「チッ、まだ来ないのか」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「今日はもう帰るか」

岡部「まゆりめ、昨日は欠席しおって」

岡部「今日は昨日の分もこき使ってやろう」カンカンカンカン

岡部「ご苦労。コーヒーを淹れてくれ」バタン

岡部「今日もいないのか……」


岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「そろそろ上がるか」

岡部「今日も一人、か」

岡部「……」カチカチ

岡部「元々一人だったのだ」

岡部「……」カチカチ

岡部「それが元に戻っただけの事」

岡部「何も問題は、無い」

岡部「何を下らん事を考えているのだ、俺は」

岡部「コーヒーでも飲んで落ち着こう」トポトポ

岡部「……」ゴク

岡部「苦い、な」

岡部「……」カチカチ

岡部「今日は、帰ろう」

岡部「室内の戸締り良し、と。帰るか」

-カンカンカンカン バタン

まゆり「はぁ……はぁ、オカリン、ごめんなさい。遅れちゃったのです」

岡部「な、まゆり!?」

岡部「ど、どうしたのだ!?そんなに息を切らせて」

まゆり「はぁはぁ、だって、何日も、はぁはぁ、来られなかったから、オカリン、心配してるんじゃないかと、思って」

まゆり「オカリン、ごめんね」

岡部「……」

岡部「べ、別に心配などしていない」

まゆり「そっかー……」

岡部「あんまり、な」

まゆり「えへへ、そっかー」

バ-とかに流れてる静かな曲が脳内BGM

岡部「別に、毎日ラボに来る必要は無いのだぞ」

まゆり「でも、まゆしぃはオカリンの人質だから」

岡部「……ああ、そうだったな」

岡部「コーヒー、飲むか?」

まゆり「あ、飲みたい!ありがとう!お砂糖3つ入れてね」

岡部「それでは折角のコーヒーの風味が損なわれてしまうでは無いか。ほら、入れたぞ」

まゆり「えへへ、ありがと。あれ、オカリンも砂糖入れるの?」

岡部「どれだけ不味くなるのか試してみてやる」

まゆり「どうどう?美味しいでしょ」

岡部「ああ、そうだな」

       _
     σ  λ
     ~~~~
    / ´・ω・)   <トゥットゥルー♪

 _, ‐'´  \  / `ー、_   
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ <そうそう、>>62さん、実はBGM紹介しようと思ってたのすっかり忘れてたよ
{ 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー~'´ ̄__っ八 ノ <http://www.youtube.com/watch?v=3439BgooWmQ

\ヽ、   ー / ー  〉
  \`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-/   <>>1しぃ的にはこんな感じ



まゆり「それでね。お父さんが毎日遅くまで出歩いてちゃ駄目だって言うの」

岡部「成る程な。それで外出を禁止されていたというわけか」

まゆり「でも、もう大丈夫だからね」

岡部「どういう事だ?」

まゆり「ラボの近くでバイト見つけてきたんだ。だから、バイトの為って言えばお父さんも許してくれるよ」

岡部「おかしなヤツだ。そこまでして人質になりたいのか?」

まゆり「だってまゆしぃはずっとオカリンの人質だからね」

岡部「ふふ、お前は俺の人質の鑑だな」

岡部「……ありがとう」

まゆり「え?何ー?」

岡部「いや、何でもない」

まゆり「?変なオカリン」

岡部「で、どんな店でバイトをするのだ?」

まゆり「えっとねぇ。メイクイーン+ニャン2ていうお店だよ」

岡部「随分変わった名前だな。何の店なのだ?」

まゆり「メイド喫茶なのです」

岡部「メ、メメメメメメイド喫茶だと!?」

まゆり「どうしたの?オカリン」

岡部「い、いいいいいいかがわしいお店なのでは無いか!?」

まゆり「えー?そんな事ないよー」

岡部「ほ、本当だろうな?薄暗い店内でキャッキャウフフではあるまいな!?」

まゆり「もう。心配しすぎだよ」

まゆり「それに、ほらほら見て!制服もこーんなに可愛いんだよ!」

岡部「クゥゥ……さてはまゆりよ、制服に釣られたな!?」

まゆり「ち、違うよー!!」

まゆり「で、でもね!面接してくれた人も」

『まゆしぃには天賦の才があるニャン!きっとトップを目指せるのニャ!』

まゆり「って言ってくれたんだよー」

岡部「ぐぬぬ……まぁ、決まってしまったものは仕方ない」

まゆり「バイト始まったら絶対見にきてねー」

岡部「で。そのバイトは何時からなのだ?」

まゆり「明日から早速だよ。まゆしぃ緊張しちゃうのです」

岡部「自分で選んだ所なのだろう?始まる前から愚痴をこぼすものではないぞ」

まゆり「うーん、そうだよね。よし。頑張る!」

まゆり「あ、そうだ。オカリン、ここって着替える所ある?」

岡部「む?それならばシャワールームを使うといい」

まゆり「それじゃ、ちょっと借りるねー」

岡部「ああ、構わん」

岡部「……」

岡部「何故着替えるんだ?」

まゆり「お待たせー」

岡部「別に待ってなど……ん、それは」

まゆり「うん。さっき見せたバイト先の制服だよ」

まゆり「やっぱり一番はオカリンに見てもらおうと思って」

まゆり「どうかな?可愛い?萌え萌え?」

岡部「っと……」

岡部「……」

岡部「ああ。よく似合っているぞ」

まゆり「ありがと」

まゆり「オカリンも着てみる?」

岡部「だが断る」

岡部「む。結構時間がたってしまったか。そろそろ帰るか?」

まゆり「ううん。今日はもう少しいるよ」

岡部「俺は構わないが。ご両親は大丈夫なのか?」

まゆり「明日からバイト始まっちゃうから。だからもうちょっと」

岡部「……そうか」


岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」

岡部「……バイト」カチカチ

まゆり「何~?」

岡部「……頑張れよ」カチカチ

まゆり「うん、勿論だよ♪」

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」

岡部「流石にもう帰るぞ、まゆり。下手をすれば終電を逃す」

まゆり「はーい」


岡部「戸締り良し。では行くぞ」 ガチャッ

まゆり「うん」


岡部「……」テクテク

まゆり「……」テクテク

岡部「……」テクテク

まゆり「……」テクテク

岡部「……」テクテク

岡部「……」テクテク

岡部「まゆり……?」

          丶                   ( ......... > ..:.:./ . .:.∧ ..:.:|.:{ . . ......... \   \ ......... \
          ヽ                ヽ .../´..}..:.:i{ . . .:/(__ ̄ミ込.. _____ \   \  .′ヽ
 、           \             }....... _ ノ..:.:小..:.:/ ‐- ハ.:i「`ヽ〉 .:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.\    ∨ .′ ,
  ヽ          \__           /....__ ノ..:.:汽 ∨ 7^..::刈  } . ...:.:.:.:.:.:.:.:.:,ハ∧    〉/   ′
                  \}\      〈..⌒>r― ′  弋ーノ }{   ハ . ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}、∧  /∧    .
                   ,...:.:.:Vヘ、     ヽ⌒^}           ´^   } . . .:.:.:.:.:.:.:.:/∧..V/ ′〉/
     ∧        / ....:.:.:〉 \ ___ 人__/           \、 __ ノ ...:,/.....:.:.:.:.://..∧ ∨ /′ /
      /..∧       / . . .:.:.:∧  ,.≧=-‐.:/ ,_、         , ≧x‐-..::″ . ..:.:.:.′./....} ∨ /..∧  ,
.     /. / ∧.     / . . .. .:.:.:/ }  ⌒ソ ..:.:.:′         / .. ..:.:.:.:.:i| . ...:.:.:.|   ,′.: V ./.   /
    /. /../.,ハ_/ . .. ...:.:.:.:/  ‐=≦ . ___..::i        ‐=≦ ___ ノ..:.:ノリ . .:.:.:.:乂  / .:. / ∨../ }.′
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   .′ \ . .. .....:.::.:.:.:/          ⌒八‐‐-   ..  _ ⌒≫-‐ァ.:.:.:.:.:.:/ .. .:.:.:.:.:.:.:.:` ー- 、.∨
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            |          |!       /. .. .:.:.:ノ^}      ´    ′:} ..:.:\ .:\.:.:.:.:.:.:八 .......\
            、---‐     !     / . ....:.:.:.:.:.:.:_」          {.:.:,ハ.:.:ト、ヽ.:.:}\{⌒^\ ...... 〉
            \          ,       ′ . ..:.:.:.:/  |             V  .} ノ )^ソ   ` .......... /
             \     /     /   . .:.:.:.:.:.′   |            /^\  ‐ ------ ‐  ´

岡部「……相変わらず、か」

岡部「まゆりよ、何をしている。行くぞ」

まゆり「あ、ごめんね。すぐ行くよ」

岡部「久々に見たな、アレ。何をしていたんだ?」

まゆり「あのね、お星様がとっても綺麗だから。取れないかなぁって思ったの」

岡部「ふ、まゆりは昼の、星が無い時でも偶にそうしているではないか」

まゆり「オカリン。お昼でもお星様はそこにあるんだよ」

岡部「……ああ、そうだな」

岡部「さ、終電を逃す前に行くぞ」

まゆり「うん。あれ?オカリン、手」

岡部「まゆりは目を離すとすぐに何処かに行ってしまうからな」ギュッ

まゆり「あ!そうそう、言い忘れてたよー」

岡部「何をだ?」

まゆり「明日バイト17時からなんだ」

岡部「……だから?」

まゆり「待ってるからね!」

岡部「誰がメイド喫茶など……」

まゆり「えー、来てくれないの?オカリン」

岡部「お、俺は忙しいのだ」

岡部「……時間が空いたらな」

まゆり「やったー」

岡部「ここがメイクイーンか」

岡部「まさかラボのすぐ近くだったとはな」

岡部「……」

岡部「は、入りにくい……」

岡部「い、今までメイド喫茶など通った事は無かったからな」

岡部「……で、出直そう」

男「~♪」

岡部「明らかに通い慣れている感じ……常連か?」

-カランカラーン♪

???「お帰りなさいませ、ご主人さまニャンニャン♪」

男「あ、新人さん?よろしくねー」

岡部「あの声は……まゆりか!?」

岡部「ぐぬぬ……ここまで来て帰る訳にも……」

岡部「ええい、ままよ!」

-カランカラーン♪

???「ご主人さま、お帰りニャさいませニャン♪」

まゆり「ご主人さま、お帰りニャさいま……あーオカリンだ♪」

まゆり「来てくれたんだね、ありがとう」

岡部「た、たまたま時間が空いたからな」

???「ニャニャ?まゆしぃの知り合いかニャ?」

まゆり「うん。まゆしぃはオカリンの人質なのです」

???「オカリン?ああ、前に話してた例の人かニャ?」

岡部「……とりあえず席に案内して欲しいのだが」

???「ニャハハ、それもそうニャ。それじゃまゆしぃ、よろしくニャ!」

まゆり「はーい♪それじゃオカリン行こ♪」

岡部「て、手を繋がなくてもいい!」

まゆり「あ、ごめん、気付かなかったよー」

岡部「ゴホン……頑張っているようだな。外まで声が聞こえていたぞ」

まゆり「えー、外まで聞こえてたの?ちょっと恥ずかしいね」

まゆり「注文は何にするー?」

岡部「ブラックはあるか?」

まゆり「うん、あるよー」

岡部「それと何か小腹に貯まる物があれば、それも頼む」

まゆり「それならオムライスかな?人気あるんだよー」

岡部「じゃあそれを一つ頼む」

まゆり「はーい。ブラック1つとオムライス1つ入りますニャーン♪」

岡部「初日だが上手く馴染めているようだな。頑張っているみたいだし」

岡部「まあ問題が無いようで良かった」


???「お待たせしましたニャン♪」

岡部「まゆりではないのか。まあ忙しいみたいだから仕方ないな」

???「……」ジー

岡部「んん?何か?」

???「お兄さんは……まゆしぃの彼氏さんなのかニャ?」

岡部「ブフォォォォオオオオオオオ」

???「ニャニャニャ!?汚いニャ!」

岡部「い、いきなり変な事を言うからだ!」

???「ニャー、それじゃ違うのかニャ?」

岡部「あ、当たり前だ!俺とまゆりが恋人同士な訳が無いだろう!」

???「おっかしぃニャア?フェイリスの勘が外れるなんて珍しいニャ」

岡部「ああ、お前はフェイリスと言うのか」

フェイリス「そうニャ!フェイリスはメイクイーンのNo1メイドなのニャ!」

岡部「ほぅ、ここのトップなのか」

フェイリス「もっちろんなのニャ!」

岡部「それなら……まゆりの事をよろしく頼む」

フェイリス「ニャニャ?あったりまえなのニャ!大船に乗ったつもりでいるニャ!」

フェイリス「でも彼氏さんじゃニャいニャらオカリンは何者なのニャ?」

岡部「オカリンでも無い!」

岡部「仕方ない、俺の名を教えてやろう」

岡部「俺は狂気のマッドサイエンティスト……鳳凰院凶真だッ!!」

フェイリス「狂気の……マッドサイエンティスト……!?」

岡部「ふ、驚いたか?まぁ無理もあるまい……俺は世界の支配構造を塗り替えるべく‘機関‘と」

フェイリス「ニャニャ!今‘機関‘と言ったかニャ!?」

岡部「え?あ、ああ、そうだが……」

フェイリス「まさか……こんな所で‘同志‘に巡り合うなんて思いもしなかったのニャ……」

岡部「同志?貴様、もしや」

フェイリス「そうニャ……3年前の‘グリムリーパー‘の生き残りなのニャ……」

岡部「そうか……俺以外にもアレを生き延びた者がいたとはな……」

フェイリス「他の‘同志‘達には会ったかニャ?」

岡部「いや、お前だけだ。恐らく俺達以外は……」

フェイリス「そうかニャ……でも、散っていった皆の遺志は引き継いでいくのニャ!」

岡部「……」

岡部(こいつ……)

岡部(めんどくさい!)

-ラボ

岡部「まゆりもしっかりやっているようで良かった」

岡部「あのフェイリスとかいうのがしつこかったので、あまり話はできなかったが……」

岡部「俺もまゆりに負けていられんな」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「ふぅ、まゆり、コーヒーを……」

岡部「っと、まだバイトの時間だったか」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

-カンカンカンカン

まゆり「トゥットゥルー♪オカリン、ただいまー」

岡部「うむ、ご苦労だった。どうだ、初日の感想は?」

まゆり「緊張したけど何とかなったよー。バイト先の人もお客さんも良い人ばかりだし」

岡部「それは何よりだ。上手くやっていけそうだな」

まゆり「うん!もっともっと頑張るよ」

岡部「ふ、頑張りすぎて無理をするなよ」

まゆり「えへへ、それは気をつけるね」

まゆり「あ、コーヒー淹れるね」

岡部「今日はドクペがあるから……いや、やはり淹れてもらおうか」

まゆり「ブラックでいいんだよね、少しまっててね」

岡部「ああ」


岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」

岡部「作るコスは決まったのか?」

まゆり「うん、大体ね。今着てくれる子と相談してる所」

岡部「そういえばまゆりは作る専門だったな。自分で着ようとは思わないのか?」

まゆり「あはは、まゆしぃはいいよ。作ったのを着てもらうのが嬉しいんだ♪」

岡部「そうか。まゆりらしいな」

岡部「そろそろ帰るか」

まゆり「うん、帰ろっか」


岡部「明日もバイトがあるのか?」

まゆり「うん。明日はラストまでのシフトだからラボには来れないかも」

岡部「そう、か」

岡部「……」

岡部「今日はやらないのか?スターダストシェイクハンド」

まゆり「えー?だって出来ないよ」

岡部「ん?何でだ?」

まゆり「オカリンが手繋いでくれてるんだもん」

岡部「あ……い、いや、これはその!ま、まゆりは目を離すとす、すぐ何処かに行ってしまうからだ!」

まゆり「ごめんね、何時も迷惑かけちゃって」

岡部「……そんな事は一度も無いから安心しろ」

岡部「今日はまゆりはバイトで来れないんだったな」

岡部「最近研究が進んでいないからな。今日のうちに進めておこう」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「喉が渇いたな」

岡部「……」カチカチ

岡部「……」カチカチ

岡部「何か飲むか」


-カランカラーン♪

まゆり「お帰りニャさいませ、ご主人さ、あーオカリンだ♪」

フェイリス「ニャニャ♪キョーマ、今日もフェイリスに会いに来てくれたのかニャ?」

岡部「……喉が渇いたから来ただけだ」

岡部「……」

フェイリス「二日連続で来てくれてありがとニャ♪」ジー マゼマゼ

岡部「……」

フェイリス「‘機関‘に狙われるフェイリスを心配してくれて嬉しいニャ♪」ジー マゼマゼ

岡部「俺はブラックを頼んだんだが……」

フェイリス「ニャハハハ♪」

まゆり「オカリン、早速フェリスちゃんと仲良くなったんだね♪」

岡部「ん、まゆりか。今は平気なのか?」

まゆり「うん。丁度手が空いた所だから。あとお店の中じゃまゆりじゃないよ。マユシィ・ニャンニャンなのです」

岡部「面倒だから、まゆりはまゆりだ」

まゆり「もー、それじゃ困るよー」

フェイリス「まゆしぃ、お疲れ様ニャ」

まゆり「フェリスちゃんもお疲れさまー」


まゆり「やっぱりラストだとラボに行く時間が無いなぁ……」

岡部「帰るぞ、まゆり」

まゆり「オカリン?待っててくれたんだ♪」

岡部「ふん。バイトに慣れない内は、まゆりは帰りの電車で駅を寝過ごしそうだからな」

まゆり「ありがとう♪助かるよー」

-ガタンゴトン ガタンゴトン

岡部「2日目で少しは慣れてきたか?」

まゆり「うん。でも今日オーダーミスしちゃって」

岡部「最初はそんな物だ。これから覚えていけばいい」

まゆり「そうだね。色々覚える事もあって頭が爆発しちゃいそうなのです」

岡部「……寝ていいぞ」

まゆり「うん……ありがと」コツン

まゆり「……」

岡部「……」

まゆり「オカリン……」

岡部「何だ?」

まゆり「ありがと……」

岡部「ああ」

まゆり「zzz……」

-ガタンゴトン ガタンゴトン

岡部「結局昨日は全く進まなかった……」

岡部「今日こそは……」

まゆり「あ、おかえりー♪」

岡部「ん、ご苦労。今日はバイトは休みなのか」

まゆり「うん。コーヒー淹れる?ドクペもあるよ」

岡部「今日はドクペにしておこう」

まゆり「はーい。ちょっと待っててね」

岡部「やはりドクペは最高の知的飲料だな」

まゆり「オカリン、ドクペ好きだよねー」

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」

岡部「ん?作るコスはもう決まったのか」

まゆり「うん。だから使う素材とか台紙を考えてるんだ」

岡部「大変だな」

まゆり「そうでもないよ。自分の好きな事だから」

岡部「そうか」

岡部「……」カチカチ

まゆり「~~~♪」

-カランカラーン♪

フェイリス「お帰りニャさいませ、ご主人さま♪」

フェイリス「あーキョーマなのニャ!」

岡部「まゆりは?」

フェイリス「まゆしぃは今買出しに行ってるのニャ」

岡部「そうか。とりあえずいつもので頼む」

フェイリス「わかったニャ」

岡部「ん……?粘るような視線を感じるぞ……」

???「……」

岡部「この邪悪な視線……」

岡部「そこだァッ!!」

岡部「って……ダルではないか!」

ダル「オカリン、店内で騒々し過ぎだろJK……」

岡部「お前、こんな所で何をしているのだ?」

ダル「メイクイーンをこんな所呼ばわりは流石に見逃せないお!」

岡部「わかったわかった。とりあえず落ち着け」

岡部「しかし、実際何故ここに?」

岡部「は!?そうかそうか。遂に我がラボに入る気になったか」

ダル「いや、関連性が不明だし」

ダル「僕がここに来る理由といえば一つしか無いっしょ」

ダル「フェイリスたん、萌え萌え!アキバに舞い降りた天使だお!」

岡部「ああ、フェイリスか……ダルはああいうのが好みなのか?」

ダル「フェイリスたんは存在がパーフェクト過ぎるお!」

ダル「あの声……あの蠱惑的な仕草……堪らんお!!!」

岡部「て、店内でHENTAI炸裂はやめろ!」

ダル「まあそんな訳で僕はメイクイーンの常連なんだお」

岡部「そうだったのか。しかしこんな近くにいて今まで気付かなかったとはな」

ダル「近く?どゆ事?」

岡部「何回も話したろう、未来ガジェット研究所の事だ」

ダル「それがどうしたんだお?」

岡部「ここのすぐ近くなのでな。行動テリトリーとしてはお互い被っていた訳だ」

岡部「まあ実際今日会った訳だが」

ダル「……るお」

岡部「ん?」

ダル「僕、ラボに入るお!」

岡部「な……!?そ、それは歓迎するが、突然どうした?」

岡部「俺がどれだけ誘っても入らなかったというのに」

ダル「メイクイーンのすぐ側の立地と来れば話は別だお!」

ダル「というかもっと早く教えてくれれば良かったのに!」

       _
     σ  λ
     ~~~~
    / ´・ω・)   <トゥットゥルー♪

 _, ‐'´  \  / `ー、_   
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ <ダルくんってラボに入る前からまゆしぃと面識あったっけ?
{ 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー~'´ ̄__っ八 ノ

\ヽ、   ー / ー  〉
  \`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-/   



>>141
多分無かったと思う
原作やったけど記憶にない

       _
     σ  λ
     ~~~~
    / ´・ω・)   <トゥットゥルー♪

 _, ‐'´  \  / `ー、_   
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ <>>143さんありがとう把握したよ
{ 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー~'´ ̄__っ八 ノ

\ヽ、   ー / ー  〉
  \`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-/   



-ラボ

まゆり「トゥットゥルー♪オカリン来たよー」

岡部「うむ、今日もご苦労」

まゆり「あれ?その人は?」

ダル「あれ?マユシィたん?」

岡部「ん、二人とも顔馴染みか?そういえば二人ともメイクイーンで会っているのか」

岡部「紹介しよう。昨日付けでラボメンNo003となったスーパーハカーダルだ」

ダル「ハッカーな。しかしマユシィたんとオカリンが知り合いとは実に意外である」

まゆり「まゆりでいいよー。まゆしぃはオカリンの人質なのです」

ダル「ほうほう」ピポパ

岡部「おいそこ通報するな」

ダル「成る程、二人は幼馴染、と」

ダル「それなんてエロゲ?」

岡部「事実だから仕方ない」

ダル「はぁ……僕もまゆ氏みたいな幼馴染が欲しかったお」

まゆり「まあまあ。はい、ダルくん、コーラだよー」

ダル「うは!ここでキンキンに冷えたダイエットコーラとか気がききすぎっしょ」

まゆり「オカリンはドクペね」

岡部「ああ、ありがとう」

ダル「ところでオカリンさ」

岡部「どうした?」

ダル「ここって何する所なん?」

岡部「お前……今まで人の話を聞いてなかったのか」

ダル「いやぁ、てっきりオカリンのいつもの厨二病かと思ってましたサーセン」

岡部「もう一度説明するとだな。ここで世界の支配構造を破壊しうる偉大な未来ガジェットを」

ダル「産業で」

岡部「凄い 未来ガジェット 作る」

ダル「おk把握」

ダル「要はサークル的なノリで色々作る訳ね」

岡部「……とりあえずそれでいい」

ダル「参考までに今までどんなのを作ったん?」

岡部「良い質問だな。それはだな」

ダル「それは?」

岡部「まだ無い」

ダル「無いのかよ!」

まゆり「でもオカリン、毎日パソコンで色々やってたんだよー」

ダル「まぁじっくり作りますか」

岡部「そういう事だ。大事は焦っては為せないからな」

まゆり「あれー?」

岡部「どうした、まゆり」

まゆり「あのね、テレビさんのリモコンが無いの」

ダル「あーわかるお。リモコンてすぐどっか行っちゃうんだよなぁ」

岡部「……!それだッ!!」

ダル「い、いきなりどしたん?」

岡部「まゆりよ、でかした!記念すべき未来ガジェット一号が決まったぞ!」

岡部「という訳でだな。この光線銃とリモコンを融合させるのだ」

まゆり「わー、凄いねぇ」

ダル「んー、出来なくも無いけど。これ何か意味あるん?」

岡部「良い質問だ、ダァルよぉ!いいか?リモコンを押すという動作と銃を撃つという動作が加わる事により……」

岡部「チャンネルを変える度に銃撃という、少年の心を思い出させるノスタルジアを感じる事が出来るのだ!!」

ダル「あー、昔よくやったなぁ、そういうの」

岡部「そして何より!」

岡部「この大きさなら無くしにくい!」

まゆり「それは便利だねー」

ダル「よし、完成っと」

岡部「上出来だ、ダルよ!遂に、遂に完成したぞ!その名もビット粒子砲!!」

ダル「粒子ってか電波だけどね、出るの」

まゆり「うわー、オカリン早速使ってみようよ!」

岡部「フゥハハハ!急かすな、まゆりよ。では早速行くぞ!」ピッ

まゆり「本当にチャンネルが変わったよー、凄いねー」

岡部「ところでダルよ。チャンネル送り以外はどうすればいいのだ?」

ダル「チャンネル送りしか出来ないお。トリガー一個しか無いし」

岡部「フゥハハハ!」

岡部「フゥゥハハハハハハハ!」

-ラボ

ダル「オカリン、うーっす」

岡部「ん、ダルか。今日は早いな」

ダル「今日フェイリスたんはメイクイーン休みだしね。オカリンは?」

岡部「今日はレポートだ。教授が厄介な人だからな、早めに済ませておく」

ダル「ああ、把握。んじゃPCは使えないか」

岡部「すまんが今日は俺が使わせてもらう」

ダル「いいおいいお、TVでも見てるから」

岡部「……」カチカチ

ダル「……」

岡部「……」カチカチ

ダル「そういえばさぁ」

岡部「何だ?」

ダル「オカリンとまゆ氏って付き合ってんの?」

岡部「ブフォオオオオオオオオオオオオ」

ダル「あれ、違うん?」

岡部「い、いきなり貴様は何を言いだすんだ!」

ダル「二人とも凄い仲良いし距離も近いしさぁ。てっきりそうなのかと」

岡部「やれやれ……フェイリスといい、貴様ら目が腐っているのでは無いのか?」

ダル「いや、普通の人が見たら同じように思うはずだお」

岡部「なら言っておくが俺はまゆりと付き合ってなどいない。覚えておくんだな」

ダル「ふーん。まぁいいけど。んじゃオカリン、まゆ氏の事どう思ってるんだお?好きじゃないの?」

岡部「それ、は……」

                     _ _ _________
                     ,. .: .:´       .: `ヽ、
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            _rくノ//.:.:.:.:./l.:.:.:.:.l.:.:.:y扞㏍     ,,yy j/.:.:l.:.ハ
         ー‐‐‐:゙/_.:.:.:´.:.:|.:.:.:.:.k.:〈辷う    iYr_)が'.:.:.:.l.:lV
           _//:/.:.:.:/.:jハ.:∧.:「`      j ゙ー' /.:./.:. l.:|
            ⌒:゙:/):/)/)ハ/vヘえ         /.:.∧.:.:.V
           V ´       l \   ー ‐  イ/V  )/)l トゥットゥルー♪まゆしぃです☆
                        l   `  __ イ
                      ノ , ´  |          「一体どうした?いや、よくここが分かったな」
              _. ---、‐く  ヽ、  ゙ー‐ --r‐ 、__
            /⌒^>、  ヽ  ー --   -- ー  l   |⌒ヽ うん。オカリンのお父さんに聞いてきたのです
              / .:     )ヘ   ゙v(          )l   |:.  ゙,
          /:. :.   ,:゙ ∧   V^(^(^(^Y^)^)^7l   |: .  ∧
            / .:      ,:゙ ゝ.  `r‐r‐r‐r‐r‐r‐r'   |ヽ. ,:゙ ゙:,
        /   :. :.      ,:゙>ーーーーーーーーーーーく^  ヽ  )ヘ
       , ゙      `ヽ、         ー_‐_‐_ー      Y´ \
      / .:         : .        _ _ _ _ _ _     . : l  ⌒〉
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        \          /      >ー'´::::::;::::/ ̄`|::::::::::::::::に::::::::::\   ノ \
          \      ヽ     /::::::::::::::::ノ/ィ==ミ|/\:::/|/-V、:::::::::::\(     \
\          \      )  /::::::::::::::::::::::{ く弋cソ`   Ⅳ ィ尓ュ 、:::::::::::ヽ―――\
  \         \    ー=ァ:::::::::::::::::::::::::::::、       ′ 弋cソ>〉:::::::::::::| \     )
   \         |\   /::::::::::::::::::::::::::::::ハ       ,       /::::::::::::::::、  \ r<
     \       |三ヽー'--、---,:::::::::::::::::::ト、            /:::::::::::::::::::::\  `ー)
      \      |三ニ}   \ ク:::::::::::::::::ム   マ  ア    'イ:::::::::::::::::::::ト、{__ノ  まゆしぃはオカリンの人質なので
       {\   /三三}     ヽ ̄/:::::::::::从i\       ....::'::::::::::::::::::::::::| `
        {三ヽ_/三三/       \⌒jlノ´  |  \ _  イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
       \三三三ニ/        \_ __ノ       /\:::::::::::::ト、:::::::::::ヽ⌒
          |\三三/           }三}           /  \|'\| \|⌒丶
          |               }三}        丶    `      `
         ヽ                }三}ー‐-、       \-- 、
            \               }三}⌒Yヽ    , ---}三} ー‐‐ 、
            \              }三}   ∨⌒ヽ    }三}    \
              `  、         }三ニニ=-、    )~-、 }三}      ヽ

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   .′ \ . .. .....:.::.:.:.:/          ⌒八‐‐-   ..  _ ⌒≫-‐ァ.:.:.:.:.:.:/ .. .:.:.:.:.:.:.:.:` ー- 、.∨
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            |          |!       /. .. .:.:.:ノ^}      ´    ′:} ..:.:\ .:\.:.:.:.:.:.:八 .......\
            、---‐     !     / . ....:.:.:.:.:.:.:_」          {.:.:,ハ.:.:ト、ヽ.:.:}\{⌒^\ ...... 〉
            \          ,       ′ . ..:.:.:.:/  |             V  .} ノ )^ソ   ` .......... /
             \     /     /   . .:.:.:.:.:.′   |            /^\  ‐ ------ ‐  ´

                     オカリン。お昼でもお星様はそこにあるんだよ

              _lヽ, _

         ,.-‐'"゙´ ̄::::::::::::´ヽ、
         /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
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   //{:::::::::::/|,∧;::::;',リ ヽト、::}:::::::::::::::::::::',
   ソ/:::::::::::{ィ〒ミ Vヾ' テミミ|/!::::::::::::::::::::::',
   ノ::::::::::::ハ'ヾジノ   ヾ辷ノソ::::::::::::::::::::::::\ ,
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   !/V!::::::::::ヽ  _  ,     イ::::::::::::::::::::r;ソ
    ヽハソN\  ̄`   ノ|/ト、:|\ミ‐-ゝ
          ``-r '"´ |    ソ  `
        /´_`ヽ   !、_ _ _  _
      //,F、j r、`、 _ // `Y´ `ヽ、

     / r'フズヽ ! !、j ´ //  /    ',
    ィこ { ´ イ い l lソEEソ  / /   {、
  /    ',   !   }:::::::::::{_ レ'´     〉
  ヽ、__/人  !    {`´゙´゙´/      ヾ、
   ソ;{ /  /ヽ、  ',   {、 /' ‐-、    ',
   / /   /   ',  ヽ    )r' ̄ヽヽ  ノ
  レ'    /    ',  \  /    )ノ ̄´
  /   />ーt'"`r ',    Y    /,
  {   // ,{、,ノ ̄ヽ ',    }   / ',
  `´ / / `    ´',     /   ' ,
    / /         `‐--'´ {    ',
       「この唐揚美味しいな」


 「本当?良かったぁ、気に入ってもらえて良かったよ」

            /:::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

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          '::::::i::::::::::〃 ん,心 V:::::i V ,ィ圻示ヽ:::::::::::::i:::::::::::::::::::::::{

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          /     、: : ∨⌒ヽ         /: : : : : : : /    ヽ

           うん。あのね、いいことはなかったけど、あったよ

岡部「俺、は……俺にとってまゆりは……」

ダル「好きじゃないん?」

岡部「まゆりは……俺にとって」

ダル「……」

岡部「ひ、人質だ!」

ダル「オカリンって結構ヘタレだよね」

岡部「う、うるさい!あ、あれは妹のような存在であってだな」

ダル「はいはい逃げ乙」

岡部「話を聞けぇぇぇぇえええええ!」

岡部「ク……ド、ドクペを買ってくる!」

ダル「あ、ダイエットコーラもお願い」

-バタン

岡部「あ……」

まゆり「あ……」

岡部「ま、まゆり……」

まゆり「トゥ、トゥットゥルー♪危ないよ、オカリン。ぶつかる所だったよー♪」

岡部「い、今来た所だったのか。バ、バイトはどうした?」

まゆり「あ、あのね。バイト前に顔出しておこっかなーって思って」

岡部「そ、そうか。ジュースを買いにいくところだが一緒に行くか?奢ってやるぞ」

まゆり「えー、本当?オカリンありがと」

岡部「な、なーに。人質にもたまには飲み物を与えないとな」

まゆり「そ、そういえば何か話し声聞こえてたけど、どうしたの?」

岡部「い、いや。大した事じゃ、無いんだ」

まゆり「そっかー」

岡部「……」テクテク

まゆり「……」テクテク

岡部「……」テクテク

まゆり「……」テクテク

岡部「着いたな。俺はドクペ、と。まゆりは何にする?」

まゆり「んーと、それじゃミルクティーで」

岡部「よし、ほら」

まゆり「ダルくんはダイエットコーラだよね」

岡部「ああ、そうだったか」

まゆり「ジュースありがと。それじゃバイトいくね」

岡部「ああ、今日も頑張れよ」


岡部「まゆりをどう思っているか、か。ダルが変なことを言うから意識してしまうではないか……」

-ラボ

まゆり「あ、オカリンおかえりー」

岡部「ま、まゆりか。ご苦労」

まゆり「え、えと。オカリン、あのね」

岡部「きょ、今日は未来ガジェットの計画を練るぞー」

まゆり「そ、そっかー。頑張ってね」

岡部「あ、ああ」


岡部「……」カチカチ

まゆり「……」

岡部「……」カチカチ

まゆり「……」

岡部「休憩する、か」

まゆり「コーヒー淹れる?」

岡部「ああ、頼む」


岡部「……」ゴクゴク

まゆり「……」

岡部「そ、そういえばだな」

まゆり「な、なに?」

岡部「こ、この間なんだが街中で巫女が絡まれていてな。助けてやった事があった」

まゆり「そんな事があったんだー。最近はアキバも物騒だねぇ」

岡部「まあ実は巫女じゃなくて男だったんだがな」

まゆり「あ、もしかしてそれって……」

まゆり「ルカくんかも」

岡部「ん?まゆり、ルカ子を知っているのか?」

まゆり「うん。学校の同級生なんだよ。凄くかわいいよね」

岡部「ああ。どう見ても女の子のようだな」

まゆり「でもオカリンがルカくんの知り合いなんて世の中狭いねぇ」

岡部「ふっ、まゆりよ。言い方が年寄りじみているぞ」

まゆり「えー?オカリン酷いよ」

岡部「はは、実際そうなのだから仕方あるまい」

まゆり「そうなのかなぁ?ちょっとショックだよ」

岡部「さて、そろそろ帰ろうか」

まゆり「うん」


岡部「……」

まゆり「……オカリン」

岡部「な、何だ?」

まゆり「まゆしぃはね……オカリンの人質だよ」

岡部「……そうだな」

まゆり「だから……人質じゃなくなるまで、ずっと一緒にいるからね」

岡部「……」

まゆり「……手、繋いでてもいい?」

岡部「……ああ」

まゆり「今日はお月様が綺麗だね」

岡部「ん?ほぅ、とても綺麗な満月だ」

岡部「少し、月でも見ていくか」

まゆり「うん、そうだね」

岡部「そこに座って待っていろ。何か飲み物を買ってくる」

まゆり「ありがと」


岡部「本当に綺麗な月だな」

まゆり「うん。見ていると吸い込まれちゃいそうだね」

岡部「まゆりは何時も空を見ているからな。言われなければ気がつかなかっただろうな」

まゆり「えへへ。少しはオカリンの役に立てたかな?」

岡部「ああ、立ってるさ。……何時もな」

岡部「ん、流れ星か」

まゆり「えへへ、オカリン、お願い事言えた?」

岡部「流石に無理だった。まゆりは?」

まゆり「内緒だよー。人に行ったら効果無くなっちゃうんだって」

岡部「そうか。まぁ叶うかどうかも怪しい迷信だがな」

まゆり「あー、酷いなー」

岡部「まあ……その、何だ。一緒にこうやって月を中々悪くない」

岡部「そうだな、次の満月も、また見ようか」

まゆり「……早速叶ったよ」

岡部「ん、どうかしたか?」

まゆり「ううん、何でもないよ。そろそろ行こ!」

岡部「そうだな。終電は逃す訳にはいかん」

-ラボ

岡部「ふむ」メルメル

ダル「ん、どしたん?メール?」

岡部「ああ、まゆりからだ。今日はバイトが忙しくてこれないらしい」

ダル「おk、把握」

岡部「未来ガジェットも7号まで完成した。8号の開発に取り掛からねばな」

ダル「そいえばさー」

岡部「何だ?」

ダル「まゆ氏の事なんだけど」

岡部「またそれか?言っておくが俺とまゆりは-」

ダル「あーいや、そじゃなくって」

岡部「ん?では何なのだ?」

ダル「これ言おうかどうか迷ったんだけど」

岡部「どうした。もったいぶらずに話せ」

ダル「いや、メイクイーンの常連にさ、まゆ氏狙いのヤツがいてね」

岡部「……それで?」

ダル「こないだ店内で、そろそろ告白する、みたいな事話してたんだよね」

岡部「……だから?」

ダル「だから、って。気にならないん?」

岡部「……まゆりは俺の人質だ」

岡部「だから、それ以外の事は関係無い」

ダル「まぁオカリンがそういうなら何も言わないけど、でもさぁ」

岡部「……まだ何かあるのか?」

ダル「いや、最近ガジェット立て続けに作ったっしょ?」

ダル「その間、何かまゆ氏、あんまり元気ないような感じだったじゃん」

ダル「あんまりオカリンの役に立てないって、この間ぼやいてたお」

岡部「ふん……まゆりは、そもそも人質なのだ」

岡部「ダルとは、役割が違う」

ダル「オカリン、流石にそれじゃまゆ氏が可哀相だお」

岡部「俺だって、分かってるんだ……」

ダル「……」

ダル「オカリン、喉かわかね?」

岡部「何だ、急に」

ダル「僕が奢るからちょっと何か飲みにいくお!」

岡部「こ、こら!ひっぱるな!」

-カランカラーン♪

フェイリス「お帰りニャさいませ、ご主人様♪」

ダル「うはwwww愛の天使ktkrwwww」

フェイリス「ダルくんと凶真ニャ!」

岡部「フェイリス……まゆりは?」

フェイリス「まゆしぃは接客中ニャ」

岡部「そう、か」

フェイリス「注文は何にするかニャ?」

ダル「僕はいつもので」

岡部「俺もいつものだ」

まゆり「はーい、お待たせしましたニャン♪」

ダル「まゆ氏あざーっす」

岡部「……」

まゆり「ゆっくりしていってねー」

岡部「随分と、人気があるみたいだな」

まゆり「え、そうかな?でも仕事も覚えてきたし楽しいよ」

ダル「今まゆ氏大分人気出てきてるからねぇ。メイクイーンでも上位に入ってるお」

まゆり「あはは。毎日頑張ってるだけだよー」

岡部「……」

-同日ラボ

ダル「んー、こんな時間か。僕そろそろ帰るお」

ダル「オカリンはどうするん?」

岡部「俺は……」

岡部「まゆりの奴、今日はラストまでいると言っていたからな」

岡部「帰りは送って行ってやるから、もうしばらくいる」

ダル「ふーん……じゃ僕はいくお。乙」

岡部「ああ、お前も一応気をつけてな」

岡部「まゆり……人質、か」

フェイリス「まゆしぃ、今日もお疲れ様ニャ。また明日もよろしくなのニャー♪」

まゆり「うん、フェイリスちゃん、また明日ねー」


岡部「遅かったな」

まゆり「あ、オカリンだー!トゥットゥルー♪」

岡部「今日もラストまでか。送っていってやる」

まゆり「待っててくれたの?ありがとう」

岡部「お前は……人質だからな」

まゆり「うん。まゆしぃはオカリンの人質だよ!」

岡部「仕事、随分慣れたみたいだな」

まゆり「うん。フェリスちゃんも色々教えてくれるし、皆よくしてくれるから」

岡部「ダルも言っていたぞ。客にも相当人気があるそうじゃないか。お前目当ての客もいるとか」

まゆり「え?あ、うん。お客さんにもよくしてもらってるよ」

岡部「……そうか」

まゆり「……」

まゆり「あのね。今日、お客さんに、その、告白されちゃったんだ」

岡部「ッ……。そう、か」

まゆり「でもね、ちゃんとお断りしたんだ」

まゆり「だって、まゆしぃはオカリンの人質だもんね」

岡部「お前は……まゆりは、それでいいのか?」

まゆり「オ、オカリン?どうしたの?」

岡部「俺の人質だとか……そんな事に縛られて、窮屈なのでは無いか?」

岡部「バイトだって……言ってみれば俺のせいで始めたようなものだろう」

まゆり「オカリン……」

まゆり「それは違うよ」

岡部「まゆり……?」

まゆり「まゆしぃはね、オカリンの人質がいいから人質をしてるんだよ」

まゆり「だからね。オカリンは、気にしなくて大丈夫なのです」

岡部「まゆり……俺、は」

まゆり「ねぇ、オカリン。お空、見てみて」

岡部「満月、か。綺麗だな」

まゆり「えへへ。オカリン、約束、守ってくれたね」

(まあ……その、何だ。一緒にこうやって月を見るのも中々悪くない」)

(そうだな、次の満月も、また見ようか)

岡部「はは、何だ。あんなのまだ覚えてたのか」

まゆり「もしかしてオカリン忘れてたの?まゆしぃ楽しみにしてたのに。酷いなぁ」

岡部「悪かった悪かった。お詫びにジュースを奢ってやるよ」

まゆり「やったー!それじゃまゆしぃはね」

岡部「ミルクティーだろ?分かってる」

まゆり「綺麗だね、お月様」

岡部「ああ、綺麗だ、本当に」

まゆり「……」

岡部「……」

まゆり「夏でも夜は冷え込むね」

岡部「ああ、そうだな、でも」

まゆり「あ……」

岡部「二人なら、寄り添えば暖かい」

まゆり「うん……そうだね」

まゆり「暖かいね……」

岡部「ああ……」

まゆり「まゆしぃね……ちょっと寂しかったんだ」

岡部「何がだ……?」

まゆり「オカリンとダルくんがガジェットを作ってて」

まゆり「まゆしぃは二人が楽しそうで嬉しいんだけどね」

まゆり「まゆしぃはあんまりお手伝い出来なくて」

まゆり「何だかね、オカリンが少し遠くに感じちゃったのです」

岡部「馬鹿だな、まゆりは」

岡部「俺は……ずっとここにいる」

岡部「まゆりも一緒に居るんだろう?何しろ、俺の人質なんだからな」

まゆり「うん……」

岡部「まゆりは、俺の、大事な人質だからな……」

まゆり「うん……」

岡部「さて、そろそろ行かないと終電を逃してしまうぞ」

まゆり「うわー、もうこんな時間!」

岡部「少し走るぞ!遅れるなよ、まゆり!」

まゆり「オカリン、待ってよー!」


岡部「はぁ……はぁ……」ゼェゼェ

まゆり「オ、オカリン大丈夫?」ピンピン

岡部「こ、この程度、どうという事は無い!」ゼェゼェ

-数日後ラボ

岡部「ふむ、電話レンジ(仮)の秘密はまだ掴めないか」

ダル「ゲルバナ現象、未だ解明ならずだお」

岡部「まあ夏休みはまだ十分にある。焦る必要は無い」

ダル「気長にやりますか」

ダル「あ、そうそう。まゆ氏と何かあったん?」

岡部「な、何も無い!」

ダル「ふーんへーほー。いや、最近また元気になったみたいだからさ」

ダル「オカリンが何かしたのかと思って」

岡部「何も無いと言っているだろう!依然まゆりは俺の人質だ!」

ダル「ふぅ、はいはい。敢えて言おう。リア充爆発しろ」

ダル「あ、そうそう」

岡部「今度は何だ」

ダル「結局あれ行くん?」

岡部「あれではわからん」

ダル「ほら、ドクター中鉢のタイムマシン発表会」

岡部「ああ、勿論だとも。興味深い内容だからな。勿論お前も行くんだ」

ダル「えー?僕はパス。興味無いし」

岡部「チッ、では仕方ない。まゆりを連れて行くか」

ダル「熱ッ!リア充熱ッ!?マグマ!?マグマだ!」

岡部「うるさい!そんな物では無い!」

岡部「という訳で来週の発表会にお前も来い」

まゆり「うん、その日ならバイトも休みだし大丈夫だよ」

岡部「コス作りは大丈夫か?」

まゆり「大丈夫だよー。今のペースならギリギリ間に合うよ」

岡部「やれやれ。コス作りにバイトに人質か。他人事ながら大変だな」

まゆり「まゆしぃが好きでやってる事だからいいのです」

岡部「では人質らしく遠慮なくこき使ってやろう」

まゆり「あはは……そこは程ほどにお願いするのです」

―そう

―まゆりは俺の

―たった一人の

―大事な

―そして大切な人質だ

―代わりなんて居ない

8/13日 ラボ

                      ,。 -―--ミ
               ,。- ´        `  、
               〃              `ーミ
                /    ,              `ヽ
                ,’   ,’   /    /    ,ィn  ! 紅莉栖「な、何、これ……」
            i  ′ i   / /  ,.ィl    l´`l   !
            | i   l!   i 厶イミハ   ノ  リ  ! ダル「ちょ……」
            | |   '。   V´ 弋:ハノ ィ気イ , i!
            | | |  ヽ  ト     レ代ラソ/ :|  岡部「なッ……」
            ∧ | |  l \ ヽ._      ! 彡'  :N
              乂ゞ、l   Ⅵ|リ⌒      ,.イ   //  まゆり「萌郁さん……?」
              「^ヾ|   Ⅵ\   ` /   //
             ゝ. 》。  V=ミ_> 。イ ,  ,'/     岡部「桐生……萌郁……」
              .イニヘ  Vニ了__彡イ /.(_
      ,。-―――' ニ三三'。 Vニ「\ ,' {{

     〃三三 三三三三三リ  }}tト。_Y  ト、   )
    /三三三 ニニニニニニフ  ノ∧Vニ{{  ヾ゚゙ー'

    三三三三. 三三彡'´ ,. ィ仁  \ \   \
   ,/三三三 三三ニニ〃,ィ/三三三三三℡マ>、  `ヽ
   {{ 三三三三三ニニ{{ ニニニ℡三三三三三℡マハ、 :
   V 三三三zン ニニヘ|ニニニニ}}三三三三三三}}三℡|

    |三三三イ|ニニニニニニニニニ7三三三三三三}}三三 ヽ
    |三三三:ニ|ニニニニニニニニニl三三三三三三/三三三 ;

――だから

――もしまゆりを救えるなら

――どんな事だろうとやってやる

――例えこの脳が燃え尽きようと

――俺が俺でなくなろうと

萌郁「タイムマシンはSERNが回収する……」

萌郁「牧瀬紅莉栖――」

萌郁「岡部倫太郎――」

萌郁「橋田至――」

萌郁「3名は一緒に来てもらう……」

岡部「ま、まゆりは……?」

萌郁「椎名まゆりは……」

萌郁「必要ない……」

――パァンッ――

   o
    ゝ;:ヽ-‐―r;;,               。
,,_____冫;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\      ,,,,,,,, o  /
"`ヽ;:;:;;;:::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:从    (;:;:;:;:ヾ-r
   〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:) 0  ソ;:;:;:;:;:;:;:}
  ,,__);:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ     ゞイ"ヾ,:;:,ソ
  (;:;:ノr-´^~;;r-ー⌒`    ,.、
  "  ,,,,      _;:;:⌒ゝソ;:/
    (;:;:丿    (;:;:;:;:;:;:;:;:;:)
            ヾ;;;;;;;;;;;;/; \
            ´  /;:ノ 。  。
                ()

――例え神を敵に回そうとも

――例え世界の摂理に抗おうとも

――仲間の想いを踏みにじっても

――仲間の心を振り払っても

――仲間の想いを裏切っても


――まゆりだけは救ってみせる



     ____        _                シュタインズ・ゲート
     ( ゙、_.`゙ _n_    .`_゙  , __  __  ::γ,r'"''t!: .
    `''- 、ヽ.゙f!''γ゙ニヽ1| 1!'".゙f! (、_`゙ o::{. {::::::t-r ''~〕! 十 γ゙ニヽ

    f 、__ノソ l:しヽヾ_ィ 」:!_._!L j.l_ ,、,_) i7::ヽヽ ノ_j:: ど,j!、 lレヾゞ
     ~ ̄~ .~   ̄ 
                      ――懐古原理のモノローグ

       _
     σ  λ
     ~~~~
    / ´・ω・)   <トゥットゥルー♪

 _, ‐'´  \  / `ー、_   
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ <若干オチが弱いけどおーわり♪読んでくれてありがとう!
{ 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー~'´ ̄__っ八 ノ <ここから本編に繋がる的な感じ?前日談的な?

\ヽ、   ー / ー  〉
  \`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-/   <でもちょっとまゆり寄りにしすぎたよね これで助手になびいたオカリンは許されないよね

       _
     σ  λ
     ~~~~
    / ´・ω・)     < まぁ所詮SSだしね こうだったらいいねだからね

 _, ‐'´  \  / `ー、_   
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ <とにかく終わってよかったよ 前スレは落としてすいまえんでした;;
{ 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー~'´ ̄__っ八 ノ <書き溜めも無かったのでこんな時間までかかっちゃった

\ヽ、   ー / ー  〉
  \`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-/   <お付き合いくださった方々 重ね重ね本当にありがとうございました

       _
     σ  λ
     ~~~~
    / ´・ω・)   <という訳で>>1しぃはこれで寝るます

 _, ‐'´  \  / `ー、_   
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ <途中離脱した人も後で読めるといいな
{ 、  ノ、    |  _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー~'´ ̄__っ八 ノ <あと、もし起きて残ってたらおまけ書きます

\ヽ、   ー / ー  〉
  \`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-/   <でも無理に保守しないでくだしあ

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