向日葵「楓の様子がおかしいですわ……」(142)
楓「んしょ、んしょっ」
向日葵「あら楓、どこか行きますの?」
楓「うん、今からお出かけしてくるの」エヘヘ
向日葵「あまり遠くへ行っちゃダメですわよ? お友達と一緒?」
楓「いっしょだよ。だから大丈夫なの」
向日葵「ならいいけど……でも、車には気をつけてね」
楓「はぁい」
向日葵「それで、何をしに行きますの?」
楓「デートなのっ」エヘー
向日葵「」
楓「それじゃあおねえちゃん、いってきまぁす」トテテ
ガラッ ピシャン
向日葵「あっ……」ポカーン
向日葵「ぇ……ぁ……?」
向日葵「楓、今、デー……え?」
向日葵「楓が……デート?」
向日葵「……誰と……?」
向日葵「!」ハッ
向日葵「ま、待ちなさい楓、ちょっと詳しく話を――」ガラッ
楓「」チョコン
向日葵「――っ!?」ピシャン
楓「?」キョトン
向日葵「(ぁ、危なかった……まだ玄関先にいましたのね……)」
向日葵「……、?」ハタ
向日葵「(どうしてまだどこにも行っていませんの?)」
向日葵「(仮に、仮にデートというのが事実なら、どこか待ち合わせ場所があるはずですわ)」
向日葵「(なのに今もまだ家の前にいるということは……)」
向日葵「……」
向日葵「(待ち合わせ場所が……ここ?)」
向日葵「(でも、それはおかしいですわ)」
向日葵「(うちの近所には楓と同世代の子供なんていませんのに……)」
向日葵「(ということは、楓のデート相手はなんらかの移動手段を持っている可能性が高い……?)」
向日葵「(自転車……はたまた、車なん、て……!?)」ハッ
向日葵「(まさか、楓が人攫いに!?)」
向日葵「……」ワナワナ
向日葵「……!!!」ガタガタガタガタ
向日葵「いやああああああ楓えええええええ」ガラッッッ
花子「か、楓ー」トコトコ
楓「あ、花子ちゃんっ」パァッ
向日葵「」ピシャッッッ
「「?」」キョトン
向日葵「(か、間一髪ですわ……!!!)」ゴクリ
向日葵「(というか、は、花子ちゃん!?)」
向日葵「……」ソローッ
花子「お、おまたせ楓。遅くなってごめん」
楓「ううん、楓もいま出てきたの」ニコッ
花子「そ、そう。だったらいいし」プイッ
楓「」ニコニコ
花子「ぅー……は、はやく行こっ? 時間、もったいないし」
楓「うんっ。それじゃしゅっぱーつ、なのっ」ギュッ
花子「ちょ、楓、手っ!?」ドキッ
楓「花子ちゃん、はやくはやくなのーっ」ステテー
花子「わわっ、ひっぱっちゃダメだし! 荷物が傾くからーっ!?」スタター
ガララ...
向日葵「……」
向日葵「楓……デートってまさか、花子ちゃんと……?」
向日葵「いえ、確かにこの辺りじゃ年頃も家も一番近いですけど……主に家の方が」
向日葵「それにしても、いつの間にそんな仲に……」
向日葵「……」ムムム
向日葵「……」
櫻子「」コソコソコソコソッ
向日葵「………………」
櫻子「……」コソッ
向日葵「ちょっと」ポンポン
櫻子「おひょあうぇぎゃっけんむるぅあくとぅるふ!?!?!?」ビクッッッッッッッッッッ
向日葵「!?」ビクッ
櫻子「って、向日葵……? なんだよもー驚かすなよー!」プンプン
向日葵「いや驚きすぎですから。その驚き方に私が驚いちゃいましたから」
櫻子「なんか用かよー。こう見えても私、すんげー忙しいんだけど!」
向日葵「尾行で?」
櫻子「」ギクリ
向日葵「図星のようですわね……」
櫻子「な、なんでそれを……」
向日葵「花子ちゃんのデートの相手。あなたも見たでしょう?」
櫻子「あ、そっか楓か……」
向日葵「そういうことですわ」
櫻子「じゃあ、向日葵はこの事知ってたの!?」
向日葵「まさか。私だって驚いてますわ」
櫻子「だよね。これはビビるわー」
向日葵「ほんとにね……って!」
櫻子「?」
向日葵「こんな所で櫻子と立ち話してる場合じゃありませんわ! 二人を見失ってしまったじゃありませんの!」
櫻子「あ、ほんとだ」
向日葵「そんな暢気な……!」
櫻子「だいじょぶだいじょぶ。最初は公園に行くはずだから」
向日葵「え、そうなんですの?」
櫻子「うん。ゆうべ、花子のやつが何度も読んでたメモを盗み見た」
向日葵「やめたげなさいよ……たぶんそれ、花子ちゃん渾身のデートコースですわよ……」
櫻子「でもそのお陰で今からでも追いかけられるじゃん」
向日葵「それは確かに……じゃあ、準備を整えて私たちも出発ですわ!」
櫻子「おー!」
~公園~
コソコソコソ...
櫻子「いたよ向日葵。あそこ」コソッ
向日葵「え、ええ……たしかに楓と花子ちゃんですわ……」コソッ
櫻子「やっぱり私の情報が役に立った……ていうか向日葵」
向日葵「な、なんですの……?」
櫻子「なんでそんな縮こまってんの?」
向日葵「だ、誰のせいだと……!」チヂッ
櫻子「え、誰のせい?」
向日葵「櫻子に決まってるじゃありませんの! なんですの、このっ……真っピンクのインバネスコートとネコミミ付の虫眼鏡は!?」
櫻子「探偵の正装だよ」
向日葵「わけがわかりませんわ……」
櫻子「アニメで見た」
向日葵「ダメダメですわ!」
櫻子「ほらほら、そんなことより監視監視」
向日葵「うぅ……これ、絶対尾行に不向きですって……衆目集めまくりですもの……」カァァ
櫻子「気ーにすんなってー」
向日葵「ですから……はぁ……もういいですわ、諦めました。で、二人の様子は?」
櫻子「んとね、今はベンチに座ってる。普通におしゃべりしてるっぽい」
向日葵「そう……会話は聞こえます?」
櫻子「むり」
向日葵「この距離じゃあ当然ですわね……」
櫻子「近づく?」
向日葵「え、でもバレちゃうんじゃ……」
櫻子「大回りして後ろから近づけば意外とバレなさそう。ほら、こっちから」コソコソ
向日葵「変な所で頼りになりますわね、あなた……」コソコソ
コソコソッ
櫻子「どーだ、ここなら聞こえるはずっ」コソッ
向日葵「ほぼ真後ろの茂み……正直、危険すぎる気もしますが……」
櫻子「大丈夫だって。ほら、もっとしゃがんで、こっち詰めて」
向日葵「わ、わかってますわ。わかってますけど……」
ムギュ
櫻子「!」
向日葵「~~~っ」
櫻子「ひ、向日葵っ。近い、近いって」アセアセ
向日葵「仕方ないでしょっ、こうでもしないとはみ出ちゃうんですから……!」
櫻子「おっぱいが?」
向日葵「おしりが! ってなに言わせんのよ櫻子のバカァ!」ベシッ
櫻子「あでっ!?」ビターン
向日葵「まったくもう……ほら、静かにしてなさいな。会話が聞こえませんわ」
櫻子「おーぼーだ……」グヌヌ
くぅ~きゅるるる……
「「!」」
櫻子「……向日葵、静かにしてって言っときながら……」ジトォ
向日葵「ち、ちがっ……私じゃありませんわ!」ワタワタ
櫻子「え~……?」
向日葵「本当ですってば!」
櫻子「じゃあ誰だよ」
向日葵「それは……腹の虫が鳴く音が聞こえるほど近くにいる……」
櫻子「……」チラッ
向日葵「……」チラッ
花子「……楓?」
楓「え、えへへ……なっちゃったの」テレッ
花子「おなかすいてるの?」
楓「うん……お昼ごはん食べてこなかったから」
花子「そ、そう……花子的には、ラッキーだし」
楓「?」
ゴソゴソ
花子「楓、これ……」オソルオソル
楓「これ……お弁当?」
花子「」コクコク
パカッ
楓「わぁっ、おにぎりと卵焼き! 花子ちゃんが作ったの?」
花子「お、おにぎりだけだし。卵焼きは、ほとんど姉ちゃんに手伝ってもらったし……」モニョモニョ
楓「それでもすごいの。これ、楓が食べてもいいの?」キラキラ
花子「ん……た、食べれば?」プイッ
楓「ありがとうなの花子ちゃん、いただきますっ」スッ
花子「……」チラッ
楓「あー……んっ。もぐもぐもぐ……」
花子「……」ドキドキドキドキ
楓「……とってもおいしいのっ」ニコッ
花子「っ……ほ、ほんと?」
楓「ほんとなの。楓、シャケのおにぎり大好き~」
花子「……知ってるし」ポソッ
楓「花子ちゃん?」
花子「な、なんでもないしっ。ほら、卵焼きもおいしいし、食べて」スッ
楓「わぁい、ありがと~」モグモグ
花子「……♪」
櫻子「……」
向日葵「……」
櫻子「おなかペコい」グー
向日葵「奇遇ですわね……私もですの」グー
櫻子「あっそうだ」ガサゴソ
向日葵「?」
櫻子「……じゃんっ。おにぎり~」
向日葵「珍しく用意がいいんですのね……あの短時間で作ってきましたの?」
櫻子「いんや、花子に余分に握ってもらってた」
向日葵「……まあいいですけど……」
櫻子「ほい、ひとつくれてやろう」ホイ
向日葵「あ、ありがとう……」
モグモグ
向日葵「!」モグッ
櫻子「?」モグモグ
向日葵「これ、すごくおいしい……」モグモグ
櫻子「そう? 別に普通じゃん?」
向日葵「ええ、普通においしいですわ。塩加減もちょうどいいし、大きさも……楓に食べさせる為でしょうね、小さめに握られてますわ」
櫻子「へー」キュップイ
向日葵「……つまり、櫻子のおにぎりとは雲泥の差ってことですわ」
櫻子「なにをぅ!?」ムキー
向日葵「だって事実ですもの。花子ちゃんのおにぎりだったら毎日でも食べたいくらいですわ」ゴクン
櫻子「このっ……! そんなに言うんなら、向日葵が花子と付き合えばいいじゃん!」
向日葵「は、はあ? どうしてそうなるのよ……」
櫻子「そうなるよっ。花子の方がいいんでしょ? じゃあ付き合っちゃえよ!」
向日葵「方、って……恋人でなければおにぎりが食べられないわけでもないですし……そもそも、単なる思いつきですし……」
櫻子「お、思いつき? ほんとに……?」
向日葵「本当です。私が櫻子を野放しにしたら誰があなたの面倒を見ますのよ」
櫻子「なっ、なんだそれ! 人をペット扱いすんな!」
向日葵「限りなく近いようなものですわ」
櫻子「むっかー! ……って、ヤバいよ向日葵、花子たちがいない!」
向日葵「えっ!? しまった、櫻子と口喧嘩してる間に……!」
櫻子「追いかけよ。たぶんこっち!」ダッ
向日葵「ちょ、多分って! 勘で決められても……ああもう、待ちなさいったら!」ダッ
ちょっぴり寝る。ちょっぴりね
クワッ
タッタッタッタッタッ...
櫻子「いた! 向日葵あそこ!」
向日葵「本当にこっちで合ってましたわ……」
櫻子「私すごい!」エヘン
向日葵「……見つけたのは櫻子ですけど、見失ったのも櫻子ですからね……?」
櫻子「いーからほら、ちゃんと前見てろって」
向日葵「……お店に入っていきますわ。あれって、駄菓子屋さん?」
櫻子「ちょうどいいや、入り口の脇なら隠れられるよ」ササッ
向日葵「ええ、それで行きましょう」ササッ
櫻子「……」チラッ
向日葵「……」チラッ
花子「楓、食べたいお菓子とかある? 買ったげるし」
楓「えっ……そんな、花子ちゃんに悪いの」
花子「べ、別に気にしないでいいのに」
楓「でも、楓も少しならおこづかい持ってるの。だから……」
花子「うぅ……だったら、花子が楓の好きなお菓子買って、楓は花子の好きなお菓子買って……交換、する?」
楓「ん……うん、それならだいじょうぶなのっ」ニパッ
花子「ほっ……じゃあ、楓は何がいい?」
楓「えっとねえっとね、んー……ふ菓子!」
花子「渋いし!」
楓「え、おかしいかな……?」シュン
花子「ぁ、べ、別におかしくない、おかしくないし!」アセアセ
楓「ほんとに?」
花子「ほんとほんと。じゃあ、楓はふ菓子ね。花子が買ってあげるし」
楓「花子ちゃんありがと~。花子ちゃんは何にするの?」
花子「んっと、花子はー……」ウーン
櫻子「……楓はいい子だなー」
向日葵「花子ちゃんもね。気遣いの出来るいい子ですわ」
櫻子「私の妹だからね!」フフン
向日葵「……櫻子の妹なのに、が正しいと思いますわ」
櫻子「あんだとー!? 私になんか文句でもあんのかー!」
向日葵「大アリですわよ!? 日頃からしょっちゅう人におごらせといてふてぶてしいですわね!?」
...キャッキャッ
向日葵「! いけない、二人が出てきますわ!」
櫻子「うそ、やば!?」
向日葵「このままじゃ鉢合わせに……ッ櫻子!」ガバッ
櫻子「うおっ、なんじゃー!?」
ぎゅっ
櫻子「!!?」
...テクテクテク
楓「わ……見て花子ちゃん、カップルさんが抱き合ってるの」キャー
花子「か、楓っ! こういうのは見ちゃダメだし!」メカクシッ
楓「楓たちもする?」
花子「し、しねーーーーしっ!」カァァァッ
テクテクテク...
向日葵「……」
櫻子「……」
向日葵「い、行きました……?」
櫻子「……っぽい……」
バッ
櫻子「ひっ、向日葵のヘンタイ! いきなり何すんの!」
向日葵「なっ……し、仕方ないでしょう!? ああでもしないと私達の顔を隠せなかったんですから!」
櫻子「言い訳すんじゃねー! 言い訳するくらいなら駄菓子おごれこの駄っぱい!」ガー
向日葵「早速たかってんじゃねーですわ!!」シャー
……
…………
………………
櫻子「尾行なう」
向日葵「あなたtwitterとかやってないでしょうに」
櫻子「うん。だからあかりちゃんにメールしてる」
向日葵「真面目にやんなさいよ……」
櫻子「だーって、この距離じゃ何も聞こえてこないもーん」
向日葵「それは……あ、見なさい櫻子、二人が並木道に差し掛かりましたわ!」
櫻子「で?」
向日葵「鈍いですわね、あそこなら木に隠れて距離を詰められます。行きますわよ!」ダッ
櫻子「……いつの間にか向日葵の方がノリノリな気がする……」ダッ
楓「ふわぁ……風が気持ちいいね、花子ちゃんっ」
花子「ん。晴れてよかったし」
楓「だねー」ニコニコ
花子「……」テクテク
キュッ
楓「え?」
花子「~っ」カァッ
楓「花子ちゃん、手……」
花子「かっ、楓がはしゃいで転んだら危ないから……それだけだから、別に、手、つなぎたいとかじゃ、ないし……」ゴニョゴニョ
楓「……」
花子「……っ」
楓「えへへ……わかったの、花子ちゃんっ」ニコッ
花子「………………、えへ」ニヘ
テクテクテク...
ttp://siberia.ddo.jp/php-bin/up_2/img/up2925.jpg
花子ちゃん輝かしい活躍のごく一部
櫻子「……」
向日葵「……」
櫻子「……なにあれ、素直じゃないなぁ」
向日葵「ですわね」
櫻子「もうどっからどう見ても楓のこと大好きなんじゃん。ねー?」
向日葵「ええ。一目瞭然ってやつですわ。花子ちゃん、あれで隠せてると思ってるのかしら……」
櫻子「まったく、なんでーツンツンしてるんだろはてー」ハテー<(。ε゚)>
向日葵「もっと自分の気持ちに素直になりませんと、あとで後悔するのは自分ですのにね」
櫻子「ほんとだよねー」
テクテクテク...
……
…………
………………
櫻子「また公園なう……っと」メルメル
向日葵「やめなさいったら」
櫻子「つーかなんで二度目の公園?」
向日葵「散歩道の途中ですし、座れるからじゃ?」
櫻子「ふーん……にしても退屈なデートだなぁ、暇な奴らめ」
向日葵「いえ、暇とかその退屈なデートを尾行してる私達が言えた義理じゃないですけどね?」
櫻子「あ、でも見て見て! なんか怪しいふいんき!」
向日葵「雰囲気」
櫻子「ふいんき」
向日葵「……監視を続けましょう」
櫻子「?」
向日葵「……」コソッ
櫻子「……」コソッ
楓「花子ちゃん、デートはもうおしまいなの?」
花子「ん、おしまい。……つまんなかったら、ごめん。デートとか、何していいか全然わかんなかったし……」ショゲッ
楓「ううん、とっても楽しかったの。花子ちゃんは?」
花子「う、うん……ま、まあまあ」
楓「そっかー」ニコニコ
花子「ぐ……」カァァ
楓「ねぇ、花子ちゃん?」
花子「なに?」
楓「デートの最後はいつものアレ、やってほしいの」
花子「えっ!?」
楓「やってほしいの。だめ?」
花子「だ、だって……ここ、人がいっぱいいるし……」モジモジ
楓「花子ちゃん……」ジッ
花子「うっ、ぅう……」タジッ
櫻子「い、いつものアレ!? いつものってなに? ねえ向日葵、なに!?」アワアワ
向日葵「わ、私が知るわけありませんわ! 訊きたいのはこっちですわよ……!」ワタワタ
櫻子「どど、どーする? 強行突入しとく?」
向日葵「しとくったって……止めて、その後どう言い訳しますの? 妹のデートを尾け回してたとか、姉として中々最悪ですわよ!?」
櫻子「でも、だったらほんとにどーすんのってば!」
向日葵「わかんないわよっ! あああ……早くなんとかしないと、楓が毒牙に……!」
櫻子「むっ!? ちょっと待て向日葵、人の妹を毒呼ばわりとはどーゆー了見だよ!?」
向日葵「あ、いえその、今のは言葉のアヤで……」
櫻子「だいたい、楓の方がうちの花子をたぶらかしてんじゃないの!?」ガー
向日葵「はあ!? あなた、私の楓のマジ天使ぶりを侮ってんじゃねーですわよ!」シャー
ギャアギャア
櫻子「……あっ!? やばい向日葵、そうこうしてる内にふたりが!」
向日葵「えっ!?」
花子「か、楓……」
楓「花子ちゃん……」
ぎゅー
花子「こ、これでいいっ?」カァー
楓「えへへ……うんっ、あったかーい」ギュッ
櫻子「∵」
向日葵「∵」
花子「ぅぅぅ……は、恥ずかしいし……」カァー
楓「照れてる時の花子ちゃん、あったかいから大好きなのー」スリスリ
花子「ふにゃっ!? か、かえでっ、あんまり動かないでほしーしっ……!」プルプル
楓「えへへ、ごめんなさいなの」テヘペロ
花子「もぉ……」プクー
ガサガサ
櫻子「あ、アホくさ……!」
向日葵「ですわね……私達は小学生と幼稚園児を相手に何を懸念していたんでしょう……」
櫻子「……もー帰る?」
向日葵「帰りましょうか……そういえば夕飯の買い物とか、家事全般スルー余裕でしたわ」
櫻子「あ、うちもだ。向日葵、うちの分もやれ!」
向日葵「死後さばきに合え」
ガサガサ...
花子「……」
楓「……」
花子「……行った?」
楓「うん、行ったの」
花子「なんかごめんね楓。たぶん……絶対、櫻子が言いだしっぺだし」
楓「櫻子お姉ちゃんを怒らないであげて? 楓のおねえちゃんも、意外とアレだから……」
花子「……どこの家も、末っ子は大変だし」
楓「大変なのっ。……花子ちゃん」
花子「ん?」
楓「おねえちゃんたちもいなくなったし……本当の、いつものアレ。したいの」
花子「ほ、本当の……」カァッ
楓「うん。お目め、閉じてて……?」
花子「……んっ」ギュッ
ちゅー
楓「……」
花子「……っ」
楓「えへへ……ちゅーしちゃった」
花子「う、うん。しちゃった、し」
楓「そろそろ花子ちゃんからもしてほしいの」
花子「ぅ……そ、それは……まだ、恥ず……」ゴニョゴニョ
楓「……もぉ。花子ちゃん、かわいすぎるのっ」チュッ
花子「ひぁ!? か、楓、不意打ちは反則だし!」
楓「」チュッチュッチュー
花子「にゃあっ!? ちょ、かえで……やめ、んっ、むぅ……ん……」
楓「んっ……花子ちゃん、大好きなの」ニコッ
花子「は、花子も……好き。楓、大好き……」ギュッ
楓「……えへへ……」ギュウ
綾乃「∵」
久しぶりの反則技で一発レッド退場おやすみなさい。流行れ楓花
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