京子「いやいや…それはないっしょ」
結衣「たまたま昨日夢に見たんだけど あの子自分のこと「チー」って呼んでた記憶がある」
あかり(あわわ… ゆ、結衣ちゃん鋭いよぉ)
京子「私あまり覚えてないんだよね 嫌な子はすぐに忘れることにしてるし あかりはどう思う?」
あかり「えっ!! うーん アルバムを見ればヒントとかあるかもしれないね…?」
結衣「なるほど 京子、まだアルバム置いてあったっけ?」
京子「押し入れとかに入ってると思うけどー」
結衣「見てみようか」
結衣「これだな 全員びしょぬれだし…」
京子「あ…良く見ると後ろにあのいじめっ子がいる…?」
あかり「前に見たときに気づいたんだけど… これ、ちなつちゃんだよね…」
結衣「髪の色と髪型はほとんど今のままだな… ほぼ間違いなくなった」
京子「わ、私をいじめてきたあの子が… ちなつちゃんだったのか…」ガクガク
結衣「きょ、京子 落ち着け… 大丈夫だよ 今は何もしてこないだろ?」
あかり「京子ちゃんのいくつかのトラウマ、だっけ…?」
京子「うん…近くにいたって考えると、マジで怖い…」
ガララー…
ちなつ「おつかれさまですぅー」
結衣「ああ… おつかれ」
あかり「ちなつちゃん お掃除おつかれさまぁ」
京子「お、おおおっおつかれぇ!」
ちなつ「ん…? どうしたんですか京子先輩」
京子「なんでぃもないよ! 気にしないで!」
結衣(明らかに動揺してるな…)
結衣「えーと ちなつちゃん ちょっと来てもらっていいかな」
ちなつ「はいっ! なんですか結衣先輩♪」
結衣「単刀直入に聞きたいんだけど」
ちなつ「はいっ! わ、私…結衣先輩のこと…」
結衣「ふざけないで聞いて」
ちなつ「…!」
結衣「ちなつちゃん、小さい頃からこのあたりに住んでるよね?」
ちなつ「え、はい… 特に引っ越したりはないですね」
結衣「おばあちゃんの家、とかもこのあたりにあった?」
ちなつ「はい ちょうどうちから結衣先輩の家くらいの距離ですよ?」
結衣「やっぱりね…」
ちなつ「なにがやっぱりなんですか?」
結衣「あかりの家の近くの公園 あそこで遊んでた時のいじめっ子の話はしたよね」
ちなつ「あぁ…アルバムを見てるときに、ちょこっと聞きました」
結衣「ふぅ…… ……あのいじめっ子、ちなつちゃんなんでしょ?」
ちなつ「…え……?」
結衣「知らない振りしたって無駄だよ あの髪の色と髪型、そして一人称は「チー」だった」
ちなつ「……なんだ、気づいてたんですね ごまかせてると思ったのに…」
結衣「…まぁ分かったのは最近だけど」
ちなつ「………」
結衣「まぁ 私は何も言わないよ 今のちなつちゃんは普通にいい子だからね」
ちなつ「ゆ、結衣先輩っ!」キラキラ
結衣「でも1つだけ頼みがある 京子にはもう近付かないでやってくれ」
ちなつ「え…」
結衣「京子にはいくつかのトラウマがある 小さい頃のちなつちゃんの軽い「いじめ」もそうだ」
ちなつ「そんな… 京子先輩、あんなに元気で私にベタベタくっついてくるじゃないですか…」
結衣「この事実を知ったら豹変したよ さっき挨拶したとき、気づかなかった?」
ちなつ「あ… そ、そういえば… あたふたしてました…」
結衣「そういうこと わかったでしょ?」
ちなつ「わかり…ました…」
結衣「じゃあOK 戻ろう」
ガララー…
結衣「ごめん急に出てって 終わったから 今日は何する?」
ちなつ「………」
京子「あ…あ… えーと… か、各自ご自由にだらだらどうぞ…」
あかり「京子ちゃん、大丈夫だよ…」ボソッ
京子「む、無理言わないで…」ボソッ
結衣「……はぁ…… まぁ、そうだよな……」
ちなつ「……」
あかり「ちなつちゃん、そこでいいの…? 座布団あるよ…?」
ちなつ「あ、ううん… ありがとう」
京子「……」ペラッ
あかり「ね、ねぇ あんなにおとなしく雑誌読んでる京子ちゃん初めてみたよ…?」
結衣「よくみてあかり 雑誌が逆 動作だけでまったく読んでないんだよ」
あかり「あ…ほんとだ…」
ちなつ「そ、そうだ 今日は似顔絵大会でもやりませんか?」
結衣「似顔絵大会? なるほど 面白いかも」
あかり「あかり、真っ白の紙もってるよぉ」
ちなつ「じゃあお互いに右隣の人を描きましょう!」
結衣(なるほど この席なら京子には触れないな)
京子「……あれ 何するの?」
結衣「聞いてなかった? 右隣の人の似顔絵を描こう大会」
京子「…そっか でも私はいい… 3人でやって」
あかり「京子ちゃん 1人で雑誌読んでても…」
京子「い、いいんだよ ほっといて」
ちなつ「あ……」
結衣「ごめんちなつちゃん こういうときは、ほっといてあげて」
ちなつ「……はい」
あかり「……」カリカリ
結衣「……」カリカリ
ちなつ「……」カリカリ
京子「……」チラッ チラッ
結衣「京子 やりたいならやろうよ」
京子「ま、まぁやりたいけど… ちょっとまだ、無理かも」
あかり「京子ちゃん! もうちなつちゃんも自分で分かってるし、またいじめようなんてつもりないよ…?」
ちなつ「あかりちゃん…」
あかり「なのに、そうやってずっと怖がってるのはちなつちゃんに失礼だと思うんだ…?」
結衣「あかり、よせ…」
あかり「あ…」
京子「む、無理なもんは無理なんだよ… あかりはそういう性格だから分からないんだ…」
ちなつ「京子先輩… 悪いのは私なんですから あかりちゃんを悪く言うのはやめてください…」
京子「ご、ごめん!」ビクッ
結衣「…ごめんちなつちゃん… 今日は、私と先に帰ろう」
ちなつ「…はい…」
結衣「いいね京子、あかり 先に帰るから」
あかり「うん、わかった… あかりもごめんなさい…」
京子「……ごめん」
結衣「それじゃ また明日」
ちなつ「…失礼します…」
京子「………」
あかり「…京子ちゃん?」
京子「こ、怖かった」ギュッ
あかり「わあっ!///」
結衣「違うか!」
ちなつ「違わない!」
結衣「そうか!」
ちなつ「何か問題があるか!」
結衣「無い!」
ちなつ「そうか!」
みたいなスレかと思ったのに
京子「ダメなんだ もうなにもしてこない、いい子だって分かってるのに 思いだしたら怖くて…」
あかり「京子ちゃん…」ギュッ
京子「なんか 私のせいでごらく部の空気が悪くなっちゃった…どうしよう… 元に戻せるかな…?」
あかり「大丈夫だよ この部を作ったのも、京子ちゃんなんだから」
京子「うん、そうだよな… へへ なんかごめんな ちなつちゃんがいなくなったらホッとしちゃって 急に抱きついて」
あかり「あかりでよかったら、いつでもギュッってしていいよ!」
京子「じゃあ…結構お世話になるかもしれない…」
あかり「頑張って、克服しよう? 結衣ちゃんも分かってくれてるんだから大丈夫だよ!」
結衣「…なんかごめんね やっぱり雰囲気悪くなっちゃって」
ちなつ「あ…いえ…」
結衣「私があんな夢みたからだな… 言わなきゃよかった」
ちなつ「そんな 小さい頃の私がいけないんですから 結衣先輩のせいじゃないです!」
結衣「…うん ありがとう」
ちなつ「京子先輩って やっぱり私のこと苦手になっちゃったんでしょうか…?」
結衣「まああの様子だと 反射的に怖い、だけかな 本当にダメだったらちなつちゃんが来次第、帰ってるはずだしね」
ちなつ「…そ、そうですよね…」
結衣「……でも実際 結構難しい問題なんだよね…」
-後日-
結衣「…さて 一番気楽だった放課後が、今度は一番気が重いなんてね」
あかり「ちなつちゃん、もうああいうことする気はないんだよね…?」
結衣「ああ 本人も結構気にしてたし 自分のせい自分のせいって言ってたから 反省はしてるんだよ」
あかり「じゃあ後は… 京子ちゃん次第なんだ」
結衣「そうなるね あいつ変なところで精神的に弱いから…」
あかり「でも昨日2人が帰った後に話してみたけど 京子ちゃんも頑張ってみるって言ってたよ」
結衣「そうか… 本人がそう言ってるなら頑張ってもらうしかないな」
京子「うぐぐ… お腹が… トイレトイレ…」
シャッシャッ…(ブラシ音)
綾乃「と、歳納京子!」
京子「うぉ! 2階掃除中!? タイミングわるっ… うぅ…」
綾乃「あ… お、お腹痛いの…? ごめん、急ぐから!」
京子「うん…いや、いいや 1階のを借りる…」
綾乃「なんかごめんなさい…」
京子「いいってー …いや今のは「痛ってー」じゃなくてだね」
綾乃「わかったから急ぎなさいよ… その も、漏れたら大変でしょ…///」
京子「そんなミスはしませんよ!」
おい、まさか会長出さないよな?
京子「よっしゃ!さすが1階、誰もいない!」
京子「……ふぃぃ…」
ガサゴソ ガタン
京子(誰か来た…? 焦ってたら可哀そうだし急ごう)イソイソ
ガゴン ジャーーーー
京子「よっし」
ガチャ…
京子「ん…?」
ビシャアアアー
京子「…!!」
ちなつ「なっ! きょ、京子先輩!」アセアセ
京子「あ……ああ…あ…」ガクガク
ちなつ「す、すみません! いるとは思わなくて… 今日は水撒き掃除だったんです…」
京子「………」ガクガク
ちなつ「あ… さ、寒いですよね… すみません、このタオル…」
京子「あああ… こ、来ないで… やだ…」
ちなつ「え…」
京子「ま、まただ! またいじめるんだ! やだ、やめてよ…! う、うわぁあ!」スタタタ
ちなつ「あっ 京子先輩!!」
トイレで水撒き掃除ってどういうことだよ…
汚物が巻き散らかされてたら水撒き掃除するだろ
>>31
あれ
壁から床にかけて水撒いてブラシで磨くってやりませんでした?
京子(まだだ)
京子(まだちなつちゃんは私をいじめる気でいるんだ…)
京子(た、助けて…)
ガララ!
結衣「おぉ びっくりした」
京子「結衣 たすけて」
結衣「ど、どうした? ん? …なんでそんなに濡れてるんだ…?」
京子「ち、ち…ちなつちゃんにやられた…」
あかり「ええっ!? なんでちなつちゃんが…?」
京子「分かんないよ… 1年生のトイレ使ってたのが気に食わなかったのかな…」
結衣「そもそもなんで1年生のトイレ使ったんだ…?」
京子「2階のは掃除してたから… お、お腹痛くて…」
結衣「…ごめんごめん そっか」
京子「うぅぅ… 結衣、ゆいぃ」
あかり「ちなつちゃん…」
結衣「ああ… もしかして 私たちにバレて、自棄になったんじゃ…」
あかり「とにかく! あかり、ちなつちゃんを探してくるね!」
結衣「頼むよ 直接全員で話さないとダメそうだ…」
ちなつ「京子先輩!」
あかり「あ… 行く必要なかったね…」
結衣「待った! それ以上近づかないで」
ちなつ「は、はい…」
京子「……」ガタガタガタガタ
結衣「ちなつちゃん 京子が水かけられたって言ってたんだけど…」
ちなつ「は、はい… あの いると思わなくて…掃除で水を撒き始めたら京子先輩がトイレから出てきて…」
結衣「…なるほど まぁ、なくはないか…」
あかり「でもちなつちゃん 水撒きって昨日のはずじゃ…?」
ちなつ「昨日やるの忘れちゃって… 今日、代わりにやったの…」
結衣「…そっか…」
結衣(うそ、じゃないよな…?)
京子「…なんで… いじめるの…? 私、なにかした…?」
ちなつ「京子先輩! わ、私はいじめてるつもりはなくて… その…」
結衣「つもりはなくても 相手が嫌なことってあるんだよ、ちなつちゃん」
ちなつ「え…? はい… それは、わかります…」
あかり「本当に、昨日の水撒きって忘れたの…?」
ちなつ「うん… あかりちゃん、信じてくれないの…?」
あかり「だって今日のお昼に使ったけど… すごくきれいだったよ…?」
結衣「…むぅ ちなつちゃん 嘘、ついてるよね」
ちなつ「わ、私うそなんてついてないです!」
結衣「…そう もういい 今日は帰ってくれる?」
ちなつ「ゆ、結衣先輩っ!」
あかり「ちなつちゃん… あかりも一緒に行くから、今日は帰ろう…?」
ちなつ「う、うぅ…」
結衣「ごめんねあかり 任せるよ…」
京子「………」
結衣「……大丈夫か、京子」
京子「ゆ、結衣… うん…」
結衣「とりあえず、体操服でもなんでも着替えた方がいいな そのままじゃ風邪ひく」
京子「いい それより、結衣」
結衣「なんだ?」
京子「ちなつちゃんやっぱり無理だし… 私ごらく部やめる…」
結衣「お前が作った部活なのにか…?」
京子「結衣が継いでよ」
結衣「…いや お前がやめるなら解散だろ 普通に」
あかり「…あ、えっと… あのねちなつちゃん」
ちなつ「………」
あかり「結衣ちゃんと京子ちゃんは、お互いに嘘付く子じゃないって思ってるから… ちなつちゃんの言葉が届かなかったんだと思うの…」
ちなつ「うん…」
あかり「なにかあかりとかが間違えてることがあったら言って? あかりが伝えるから!」
ちなつ「本当に掃除なの… いるの気がつかなくって 水撒きって人がいないと豪快にやりたくなるじゃない…」
あかり「…本当に 狙ってやったんじゃないんだよね?」
ちなつ「違うよ! だって京子先輩のことだって私好きだし… ゆ、結衣先輩ほどじゃないけど…」
あかり「そっか! うん、わかった あかりが明日説明してあげる!」
ちなつ「…ありがとう あかりちゃん」
-更に後日-
結衣「ん 今日はどうする?」
京子「…なにもする気おきない…」
結衣「まあ いいんじゃない たまには何もしなくても」
ガララ
京子「!」
あかり「京子ちゃん結衣ちゃん!」
結衣「…あかりか どうした?」
あかり「やっぱり昨日の、京子ちゃんの誤解みたいだよ…?」
結衣「ん? どういうことだ?」
あかり「ちなつちゃん 本当に掃除だったんだって…」
京子「……」
あかり「それに 京子ちゃんのことも好きだから いくらなんでも水をかけたりしないって」
結衣「……それも嘘かもしれないよ あかりは信じられるの?」
あかり「だって、今もまだいじめるんだとしたら 昔いじめっ子だったことをわざわざ言ったりしないと思うんだ」
結衣「それは… そうかもしれないけど…」
京子「…それは、証拠があったから逃げられなかったんだよ…」
あかり「京子ちゃんまで…」
結衣「昨日な ちなつちゃんがいるなら部活やめるって京子が言いだしたんだ」
あかり「え… 本当なの…?」
京子「うん さすがにこんなビクビクしながら生活してちゃ疲れるし…」
ガララ
ちなつ「それなら 私がやめます…」
あかり「ちなつちゃん! き、聞いてたの!?」
ちなつ「3人は、昔から仲が良かったのに… こんな中に私が入ったこと自体が間違いだったんです…」
あかり「ま、待ってよちなつちゃん!」
結衣「…まぁ そうしてくれるなら そっちの方がいい…のか…?」
京子「…ち、ちなつちゃんがそれでいいなら」
あかり「良くないよぉ… ねえ、2人とも! 全然よくないよ!」
結衣「…じゃあ、京子にやめろって?」
あかり「うう…」
ちなつ「いいのあかりちゃん 気にしないで…」
あかり「待って! ちなつちゃんがやめるならあかりもやめる!」
結衣「え… な、なんであかりが」
あかり「だっておかしいもん …ちなつちゃんだけ仲間はずれなんて…」
ちなつ「あかり…ちゃん…」
あかり「いいよ あかりも一緒だから 一緒にやめよう?」
京子「あ、あかり…」
あかり「…じゃあね 2人が分かってくれないなら、いいんだ」バタン
結衣「待ってあかり!」
京子「な、なんでだ なんであかりが…」
結衣「私がいけないのか…? こんな、話を出した…私が…?」
ちなつ「良かったの? あかりちゃん… お2人と、親友だったのに…」
あかり「さっきのは、どう考えても2人がいけなかったもん… だからいいの」
ちなつ「で、でも」
あかり「それにあかりが説明しても信じなかったってことは、あかりのことも…そんなに信じてないんだよ きっと」ウルッ
ちなつ「…あかりちゃん… 泣いて…」
あかり「…ぐすっ えへへ また、やり直そうよ 1年せいとして」
ちなつ「ありがとう… ごめんね 本当に…」
あかり「新しい部活はいってみたり 生徒会に参加してみたり 色々あるから大丈夫だよ!」
ちなつ「……うん」
あかり「色々… やり直そう…」
ちなつ「うん…」ギュッ
~END~
チーナ毎回可哀そうだから今回はいい意味で可哀そうになるようにしてみました
しかし自分で打ってて結衣と京子が屑になると思わなかった
今こそあかりがイジメイケナインジャーに変身する所だろ
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