ほむら「やめなさい!ポーキー・ミンチ!!」(326)

ほむら「………今回もダメだった。まどかを助けられなかった」

ほむら「あと何回繰り返せばいいの?」

ほむら「………弱気になってはダメだわ。運命は変える事ができる」

ほむら「………そう祈るしかないのよ………」




カチッ

────────



………お前はいいよな。

なんかお前のことがうらやましいよ。

………。

俺なんかダメさ。

だけど………ま、いいよ。

いつまでも仲良くやっていこうぜ、な。



───────

まどか「う~ん…ふぁぁ…」

まどか(…今日はいつもと違う夢だったな…)

まどか(いつもは知らない女の子が怪物と戦ってる夢だったけど今日は……)

まどか(………あれ、どんな夢だったっけ?忘れちゃった!まぁいいや)

知久「まどかー。起きてる?ママを起こしてくれないかな」

まどか「あ…はーい」

─通学路

まどか「さやかちゃ~ん、仁美ちゃ~んおはよ~」

仁美「おはようございます」

さやか「お~っす。お?まどか、今日は一段とかわいいねぇ」

まどか「そ、そかな?このリボン派手過ぎない?」

仁美「いえ、とても似合っていますわ」

さやか「そうだぞーまどか、もっと自分に自信を持てばいいんだよ。なんたってこのさやかちゃんの嫁なのですからなぁ!」

まどか「きゃあっもうやめてよさやかちゃん~」

さやか「よいではないかよいではないか」

まどか「ティヒヒッ!くすぐったいよう~」

ドンッ

まどか「あっ」

「……チッ、ちゃんと前見て歩けよ」

まどか「ごめんなさい…」

「……」スタスタ

さやか「……なにあいつ、やっぱ感じ悪いよな」

仁美「あの方は確か…」

まどか「この前私達のクラスに転校してきた外国の子だよね……」

さやか「確か…ポーキー・ミンチとかいうやつだっけ?素性もわかんないし、周りと話そうともしないから不気味なんだよなー」

まどか「悪口はダメだよ…実はいい子なのかもしれないよ」

さやか「…はぁ、まどか、あんた優しすぎ」

仁美「まぁまぁ…それがまどかさんのいい所でもありますし。それより早く行かないと遅刻してしまいますわ」

さやか「うわっもうこんな時間かよ!よーし学校まで競争だー!」

仁美「あら、負けませんよ~!」

まどか「わわ、待ってよ~!」

─教室

ポーキー「………」

まどか「ねぇさやかちゃん、私やっぱりさっきの事ちゃんと謝った方がいいかな…」

さやか「いやいや、そんなことしなくていいって。ほら座ってないともうすぐ先生来るよ」

まどか「うーん…」

ガララ

和子「おはようございます!えー女子の皆さん!卵の焼き加減に文句を言う男とは絶対に交際しないように!!!」バキッ

さやか「ありゃ、今日も荒れてるねぇ先生」ヒソヒソ

まどか「あはは…」

和子「…とまぁそんなことは置いておいて…今日はまた皆さんに転校生を紹介します」

和子「暁美さん、入ってきて」

ガララ

ほむら「暁美ほむらです。よろしく」

まどか(あれ?あの子、どこかで…?)

ほむら(まどか…今度こそ貴方を救ってみせる)

ポーキー「……………」

ほむら(ん…?あんなの、このクラスに居たかしら…)

ポーキー「……………」ニヤ

ほむら(!?こっちを見て笑った…?き、気のせいよね…)

和子「暁美さんはそこの前の席ね。それじゃ授業を始めます」

────
──放課後


さやか「ねぇ、まどか。あの転校生と知り合い?今日ずっとガン飛ばされてなかった?」

まどか「う、うん…よくわかんないけど、悪い子じゃないみたいだよ」

さやか「ああ、そういえば保健室に一緒に行ったんだっけ。何かあった?」

まどか「普通におしゃべりしただけだよ」

さやか「ふーん…まぁいいや。帰り道さ、CDショップ寄ってかない?」

まどか「上条君のお見舞い用だね」

さやか「えへへ…正解。んじゃ行こ」

─CDショップ

ほむら(…入って行ったわね)

ほむら(まどかを契約させないためには、やっぱり皆の協力が必要になる)

ほむら(この時間軸では不信感を与えないようにしよう)

ほむら(今朝もまどかに変な印象は与えずに振舞った)

ほむら(…しかし、インキュベーターとは接触させないにこしたことはない…)

ほむら(でも直接危害を加えた所をまどかに見られればそれこそ信用が失われる…)

ほむら(どうすれば…)

ポーキー「………」テクテク

ほむら(…!あれは確か…ポーキー…?CDでも買いに来たのかしら…)

ほむら(あれは他の時間軸には居ないはずのイレギュラー…注意深く監視する必要があるわね)

ほむら(ここには使い魔も出るし、一応後をつけてみましょう)

ポーキー「………」テクテク

ほむら「………」

ポーキー「………」テクテク

ほむら(…?CDが目当てじゃない…?)

ポーキー「………」テクテク

ほむら(ここは…!何故立ち入り禁止の場所に自分から入っていくの?)

ほむら(………はっ!見失ったわ…い、急いで探さないと!)

ガタッ ドサッ

ほむら「きゃっ!?何?…イ、インキュベーター…!」

QB「ハァ…ハァ…」

ほむら「え…?どうして怪我をしているの?私は何もしてないのに─

まどか「ほむら…ちゃん?」

ほむら「ま、まどか!?どうしてここに!」

まどか「声が聞こえたから…どうしてその子そんなに怪我してるの?まさかほむらちゃんが…」

ほむら「ち…違う」

さやか「おーいまどか急に走り出してどうしたんだよー。…転校生?それに…おい、その生き物…」

ほむら「お願い…信じて!私じゃ──

チュン!

ほむら「!!」

マミ「あら、運が良かったわね。かすっただけですむなんて」

ほむら「巴マミ…どうしてここに」

マミ「金髪のふとっちょ君が教えてくれたのよ。ここに悪い奴がいるってね。それがまさか同じ魔法少女だなんて…」

ほむら「………」

マミ「次は当てるわよ」

ほむら「くそっ!」バッ

マミ「逃げた、か。大丈夫?怪我はない?」

さやか「は、はい…私達は…」

まどか「………ほむらちゃん………」

──翌日
─教室

ほむら「ポーキー・ミンチ」

ポーキー「……あ?」

ほむら「……どういうこと?昨日のあれ、痛めつけたの貴方でしょ?」

ポーキー「あー、あの変な白い生き物か。へへ、むしゃくしゃしてたからよー、ちょっとボコボコにしてやったんだよ。スカッとしたぜ」

ほむら「…どうして私を悪者に仕立て上げようとしたの?マミを仕向けたのも貴方でしょ?貴方のせいで…!!」

ポーキー「しらねーよ。証拠だせよ、証拠」

ほむら「は…?」

ポーキー「俺がやったって証拠だよ。無いんだろ?ならお前のせいってことになっちゃうよなぁ。へへへ」

ほむら「貴方っ…!」ギリッ

ほむら「……もういいわ。今日のことは忘れて」

ポーキー「ふん」

ほむら「………」テクテク

ほむら(まずいわね…いつもと同じ展開になってしまった)

ほむら(特に巴マミ…早急に誤解を解かないと取り返しのつかないことになる)

ほむら(……どうして……こんなことに……)

──

マミ「ここのバーガーショップでいいかな?」

さやか「そうですねー」

「いらっしゃいませ。(ニコニコ)なににいたしましょうか?」

まどか「えっと…ポテトフライ一つ」

さやか「ハンバーガーとオレンジジュースで」

マミ「私はダブルバーガーとコーヒーをいただくわ」

「ありがとうございました。(ニコニコ)またよろしくお願いしまーす。」(ニコニコ)

さやか「あの店員さんいつもニコニコしてますね」

マミ「そうね。……さて、これから魔法少女体験だけど準備はいい?」

さやか「バッチリです!私は武器になるかと思ってバットもってきましたよ!…ボロのバットしかなかったですけど」

マミ「ふふ、大丈夫よ」

まどか「私はその…衣装だけ考えてきました!」

さやか「衣装って…ププ、まどからしいねぇ~」

まどか「わ、笑わないでよぅ」

マミ「あら、可愛らしいじゃない」

まどか「えぅ…」

まどか「………ねぇ、さやかちゃん、マミさん」

さやか「ん?」

マミ「どうしたの?」

まどか「…キュウべぇを傷つけたのは、もしかしたらほむらちゃんじゃないのかも…」

さやか「何いってるんだよ、まどかも見たでしょ?あれはどうみてもほむらが…」

まどか「でも!実際に見たわけじゃないんだし…私達の勘違いかも…」

さやか「まどか…」

マミ「……そうね。あの時は私も冷静ではなかったわ。次に会ったら謝らないとね」

まどか「マミさん…!」

さやか「なんだよーこれじゃ私だけ悪者みたいじゃんか」

マミ「ふふ、美樹さんも一緒に謝ろうね」

さやか「ちぇー」

───

マミ「こっちね…ソウルジェムが反応している。この廃墟に魔女がいるわ」

まどか「あ…!マミさん、上!」

さやか「うわっ、人が…落ちてきた!?」

マミ「くっ…ダメ!間に合わない!!」

カチッ

ほむら「………」トン

まどか「ほ、ほむらちゃん!?いつのまに…」

ほむら「…大丈夫、この人は無事よ」

さやか「良かったぁ…」

マミ「ありがとう、暁美さん」

ほむら「………ごめんなさい!」

マミ「えっ?」

ほむら「この前は……その……あんなことをしてしまって……」

まどか「顔をあげて、ほむらちゃん」

ほむら「え…?」

まどか「ほむらちゃんがやったんじゃないって知ってるよ。ね、さやかちゃん」

さやか「……ん、まぁあんなことするやつがわざわざ謝りになんてこないよな」

マミ「私のほうこそ、疑ってごめんなさい」

ほむら「じゃあ…」

マミ「これから魔女退治だけど、暁美さんも来ない?」

ほむら「はい!……じゃなかった…えと…そうね、ついていくわ」ファサァ

───

さやか「うわぁ!こっちくるなぁ!」ブンブン

マミ「美樹さん、ふせて!」バン!

ほむら「まどかは私が守る」バン!

まどか「マミさんとほむらちゃん、かっこいいなぁ」

マミ「私達いいコンビになれるかもね?」

ほむら「そうね」

マミ「…最下層についたわ。ここに魔女がいる。皆準備はいい?行くわよ!」ガチャ

ゲルトルート「………」

さやか「うわ、グロっ…」

マミ「ついて来て暁美さん!」

ほむら「ええ」

さやか「……行っちゃった。あんなでかいのと戦うんだ、魔法少女って…少し怖いな」

まどか「そうだね。でも…かっこいいなって…」


マドカ


まどか「え?何か言ったさやかちゃん」

さやか「ん?何も言ってないよ」

まどか「さっき誰かに名前を……」

マミ「──決めるっ!ティロフィナーレ!!」ドゴォオオオン

ほむら「やったわね」

まどか「やった!───えっ?」


◆まどかの目に一瞬、小さな黒猫の姿が見えた。

まどか「何……今の……」

マミ「ふぅ…どうだった?これが魔法少女よ」

さやか「いやー、マミさんかっこよかったですよ!もちろん、転校生もね」

ほむら「でも願い事が叶うのは一度限り。慎重に決めなさい」

さやか「はーい」

まどか「……」

ほむら「巴マミ。グリーフシードの回収を」

マミ「あ、そうね。確かこの辺りに…あら?何かしらこの人形…」

さやか「…ボロボロですね」

マミ「捨てられたのかしら…かわいそうに…」ヒョイ

人形「♪~…」

マミ「きゃっ!?」

さやか「音が鳴る人形みたいですね」

マミ「びっくりした…でも壊れてるみたい、少ししか鳴らなかったわ」

まどか「今の…音…」

ほむら「…まどか、どうしたの?さっきから暗い顔してるけど…」

まどか「あ、ううん。なんでもないよ。ごめんね」

ほむら「そう?ならいいんだけど…」

まどか「…マミさん、その人形貰えませんか?」

さやか「ええっバッチイよこんなの」

まどか「それでも可愛そうだよ…こんな所に一人なんて…」

マミ「優しいのね、鹿目さんは。はい、どうぞ」

まどか「ありがとうございます」

ほむら「こんな所で長居はやめましょう。陽も落ちてきたし…」

マミ「そうね、帰りましょう」

───
──


さやか「恭介、今日もCDもって来たよ」

恭介「ああ…さやか、ありがとう。今日もまたレアな物ばかりだね」

さやか「えへへ…恭介に喜んで欲しかったから…」

恭介「え?」

さやか「あっいや、なんでもない!なんでもないよ!」

恭介「変なさやか。さやかも聞く?」

さやか「あ…うん」

恭介「…♪」

さやか「…」ドキドキ

さやか(恭介……)

さやか「…あ、もうこんな時間だ。そろそろ帰るね」

恭介「ああ。またね」

さやか「うん。また」

ガララ

さやか(…恭介、最近悲しそうな目してるな。でも私にはこれくらいしかできないから…)

さやか「…あ」

ポーキー「………」

さやか「…よう」

ポーキー「………なんだよ」

さやか「なんだよはないでしょ?こっちがせっかく挨拶してやったってのに…!」

ポーキー「お前が勝手にしてきたんだろ」

さやか「なっ…あんたに話しかけた私が悪かったわよ!ふんだ!」スタスタ

ポーキー「………」



さやか「おまたせーまどか」

まどか「あ、さやかちゃんおかえり。上条君との面会はもういいの?」

さやか「うん、また明日来るよ。…そういえばさっきポーキーのやつと会ってさ」

まどか「そうなんだ」

さやか「こっちが挨拶してやったってのにろくに会話もしようとしないでさぁ!まったくやな奴だよ」

まどか「あはは…何のようだったんだろうね」

さやか「さぁね。それじゃ帰ろ」

グニャ~

まどか「わっ、さやかちゃん!周りが…!」

さやか「こ、これって魔女の結界ってやつ…!?」

ギーグとのコラボ書いた人?

まどか「そうだ!ほむらちゃんとマミさんに連絡を…!」

ほむら「その必要はないわ」スタッ

さやか「うわっ、転校生!いつの間に!」

ほむら「この魔女は私に任せて。貴方達はここで待ってて。巴マミも呼んだからもうすぐ来てくれるはず」

まどか「う、うん。分かった、ほむらちゃん気をつけて」

ほむら「ええ」ダッ



ほむら(巴マミを失うわけにはいかない。この魔女は一人で片付ける)

ポーキー「………」テクテク

ほむら(…!?あれは…ポーキー・ミンチ?どうしてここに…一緒に巻き込まれてしまったのかしら)

ほむら(ここに居ては危険だわ、まどか達と合流させましょう)

ほむら「ポーキー!ここは危険だから

ポーキー「うわっ!」バシュッ

ほむら「きゃっ!?なによこれっ…べとべとして動けない!」

ポーキー「おいおい、急に話しかけるなよ。びっくりしてねばねばマシン撃っちまったぜ」

ポーキー「それくらったらしばらく動けなくなるから。俺のことは大丈夫だから気にしないでくれよ。じゃーなー」

ほむら「ちょ、ちょっと待ちなさい!くそっ本当に動けない…!」

>>49
違うけど、あれ見て思いついた



まどか「ねぇマミさん…ほむらちゃん遅くないですか?もしかしたら苦戦してるのかも…」

マミ「そうね…待っててくれって言われたけど暁美さんが心配だわ。探しにいきましょう」

さやか「…最近マミさんすごく楽しそうですよね」

マミ「そう?」

まどか「そう言われてみれば…最初会ったときと比べたらすごく明るくなりましたね」

マミ「…仲間ができたから、かな。鹿目さんに美樹さん、それに共に戦ってくれる暁美さん…」

マミ「私、今までずっと一人で戦ってきたから。とっても嬉しかったのよ」

マミ「もう何も怖くないの」ニコッ

まどか「マミさん…」

マミ「…!魔女の気配がする、居るわ!」

シャルロッテ「…」

まどか「ほむらちゃんは!?」

さやか「いや…まだ来てないみたいだね。戦闘した感じしないし」

マミ「じゃあ暁美さんが来る前に一気に決めさせて!」バンバン!

シャルロッテ「」

マミ「ティロフィナーレ!!」ズガァアアン

シャルロッテ「」クパァ

マミ「───え」

まどか「ひっ…」

さやか「マミさん!!」


カチッ

シャルロッテ「」ガブッ

シャルロッテ「♪~………??」

マミ「……あ、暁美さん……」

ほむら「良かった…間に合って…遅れてごめんなさい、後は私がやるわ」

まどか「マミさん!!大丈夫ですか!?」

マミ「え…ええ…」

ほむら「こっちよ。相手をしてあげるわ、魔女」ファサァ

シャルロッテ「!」ガブッ

ほむら「遅いわね、どこを見ているのかしら」

シャルロッテ「!」ガブッガブッガブッ

ほむら「…チェックメイトよ」

シャルロッテ「?…!!!」ボゴォオオン

さやか「やったッ!」

まどか「あ…」


◆まどかは赤いリボンを着けた赤ちゃんの幻を見た。


まどか「また…」

さやか「景色が戻っていく…」

ほむら「ふぅ…皆怪我はな…きゃっ?」

マミ「うえぇぇん…マミ怖かったよぉ…」ギュ

ほむら「…よしよし。貴方はもう一人じゃないんだから、なんでも一人でこなそうとしないこと。分かった?」

マミ「うん…うん…」


さやか「って遅れてきたあんたが言ってもね」

ほむら「…それもそうね。ねばねばにてこずっちゃって…」

さやか「ねばねば?」

ほむら「こっちの話よ」

まどか「…あ、見て。あそこの木に鳥さんが居るよ」

ほむら「本当ね、あれは…カナリア…?どこかから逃げてきたのかな」

さやか「なんだかまどかの方見てる気がする」

カナリア「♪~」

さやか「わっ、歌ったよ!あの鳥!…あ、飛んでっちゃった」

ほむら「なんだったのかしら」

ほむら「さ、帰りましょう」

マミ「うう…」グスグス

ほむら「ああもう…今日は一緒に居てあげるから、泣き止みなさい」

まどか「………さっきのメロディーもどこかで………」

───
──


「はい、上条君お疲れ様。今日のリハビリはここまでにしておきましょう」

上条「はい、ありがとうございました」

「部屋まで戻れる?」

上条「大丈夫です」

ガララ

上条「よ…っと…」

上条(松葉杖もだいぶ慣れてきたな。…嬉しいやら悲しいやら)

上条「……ん?」

ポーキー「………」

恭介「あの……僕に何かようですか?」

ポーキー「お前、腕が動かないんだってな」

恭介「…え?」

ポーキー「将来有望のバイオリニストだったそうじゃん。泣けるねぇ、もう弾くことができないなんて」

恭介「……なんでそんなこと知ってるんだよ」

ポーキー「それでお前、毎日弾けもしない音楽を聞かされてるんだろ?ケケケ!俺なら怒り狂ってるね!」

恭介「うるさい!!僕を馬鹿にしにきたのか!?どいてくれ、邪魔だ。部屋に戻れない」

ポーキー「おっと、こりゃ失礼」

恭介「………」

ポーキー「…ヒヒ」

───

さやか「恭介ー…入っていい?」

恭介「……ああ」

ガララ

さやか「えへへ……今日も来ちゃった」

さやか「腕の具合はどう?」

恭介「…ん、ダメだね、動きそうにないよ」

さやか「そ、そっか…」

恭介「……」

さやか「……あ、あのさ!今日もCD探してきたんだ!良かったら聞いてよ。これなんだけどね…」ゴソゴソ

恭介「ねぇ…さやか」

さやか「ん?なに恭介」

恭介「さやかは僕を虐めているのかい?」

さやか「…え?」

恭介「もうたくさんなんだ!!弾けもしない音楽を聞いていてなんになる!?」

さやか「きょ、恭介…」

恭介「さっき豚みたいなやつが僕を馬鹿にしにきたよ。君が僕の惨めな姿を周りに言いふらしてるんだろ?」

さやか「そんなこと…」

恭介「でていってくれ」

さやか「きょう

恭介「でていけっていってるんだ!!」

さやか「っ………!」ダッ

恭介「………」

───


さやか「…そっか…恭介に喜んで貰おうと思ってやってたけど、違ったんだ」

さやか「ずっと、恭介を苦しめてたんだ。嫌われちゃったかな」

さやか「腕が動かないのに…バイオリンの曲ばっかり聞かせて」

さやか「私ってほんとバカ…」

「君の願いは決まったかい?」

さやか「え…?」

───

まどか「ティヒヒ、ほむらちゃんと二人で下校するのって初めてだね」

ほむら「そうね」

まどか「…ねぇほむらちゃん。ずっと気になってたんだけど」

ほむら「なにかしら」

まどか「魔女を倒したときに、一瞬変なの見える時って無い?」

ほむら「…?いや…」

まどか「じゃあさ、拾った人形の音とか昨日の鳥さんのメロディーに聞き覚えはない?」

ほむら「ごめんなさい、なんのことか…」

まどか「そっか…ううん、いいんだよ」

まどか「……あれ?あそこにいるの仁美ちゃんじゃない?どこいくんだろう…」

ほむら「魔女の口付けよ」

まどか「えっ?」

ほむら「仁美、ごめん」ドス

仁美「うっ」ドサッ

まどか「わっ、ほむらちゃんご乱心!?」

ほむら「ちょっと気絶してもらっただけ。ほら、周りを見て…みんな同じところへ向かってる」

ゾロゾロ

ほむら「私も行かなければ…まどかも一人で居ては危ないわ、ついてきて」

まどか「う、うん」

─廃工場

ほむら「さて…この工場ごと爆破したいけどそうもいかないわよね」

まどか「あ、ポーキー君っぽいのが居るよ」

ほむら「…はぁ、なんであいつはこう行く先々に…」

ポーキー「この魔女の口付けってやつ便利だな。他人を自分のオモチャにできるとか最高じゃん。俺にもできないかな」

ほむら「ポーキー」

ポーキー「うわっ!」バシュッ

ほむら「…もうそれにはあたらないわ」

ポーキー「ちぇ、嫌な奴だなお前」

ほむら「あなたは操られていないのね。どうしてこんなところに居るの?」

ポーキー「いやー、行列ができてたから何かパーティでもあるのかと思ってさ」

ほむら「…そんなものはないからさっさと帰りなさい」

ポーキー「言われなくてもそうするよ。アバヨ」

ダニエル「」ガシッ

ポーキー「お?」

ジェニファー「」ガシッ

ポーキー「うわああ~」

まどか「ポーキー君がテレビの中に引きずり込まれちゃった!」

ほむら「あれが入り口ね。行くわよまどか!」



まどか「ポーキー君いないね」

ほむら「この際あいつはどうでもいいんだけど…。魔女はどこかしら」

まどか「うーん…きゃっ!?」

ダニエル「♪」ガシッ

ほむら「まどか!!くっ、使い魔に気づけなかった…まどかが盾にされているから銃器が使えないわ!」

「使い魔だけ切ればいいんじゃない?こんなふうにねっ!」ザシュッ

ダニエル「」シュウゥ

まどか「あ、ありがとうございま…さやかちゃん!?その格好…」

さやか「あはは…なっちゃった、魔法少女」

ほむら「さやか…」

さやか「ほむら!本体はあのハコだよ!」

ほむら「分かったわ。このRPG-7で」

さやか「…わお」

ほむら「ふんっ」バシュ

エリー「!?」

ドゴオオオオオオオン

まどか「やった!……あっ」


◆まどかは一瞬、ハンバーグの匂いを感じた


まどか「パパの作ったハンバーグの匂いが…」

さやか「え?まどか……おなかすいたの?」

ほむら「ふふっ」

まどか「ち、ちがうよぉ!」

さやか「そうだね~夕飯前だもんね。成長期の女の子はつらいねぇ~」

まどか「ぶぅ」

『………ザザッ………』

ほむら「!?急にテレビがついた…?」

まどか「ひっ!?」ギュ

ほむら(ま、まどかが私の手を握り締めている…幸せ)

『……世にも珍しい歌う猿の登場です!では皆さんご清聴願います!』

『~~~♪』

『………』プツッ

さやか「あ…消えた。このテレビコンセント繋がってないよね…まさか」

ほむら「やめてよ…」

さやか「冗談だって」

ほむら「もう…まどか、大丈夫?」

まどか「うん…」

まどか(怖くて目をつむってたけど……メロディーは聞こえた)

さやか「魔女も倒したしおなかもすいたし、家に帰りますか」

まどか「あ、待ってさやかちゃん。ポーキー君が…」

さやか「」ピクッ

さやか「…ポーキーがどうかしたの?」

まどか「さっきまで一緒に居たんだけど、心配だから探しに…」

さやか「私、あいつのこと嫌いだから」スタスタ

まどか「さ、さやかちゃん!」

ほむら「まどか……」フルフル

まどか「……分かった、3人で帰ろ?さやかちゃん」

さやか「ん」

───
──


ガララ

さやか「…おっす、恭介」

恭介「…さやか」

さやか「ごめんね…また来ちゃった」

恭介「いや、僕のほうこそごめん。昨日は言い過ぎた」

さやか「…腕治ったんだって?」

恭介「そうなんだよ。先生にはもう動かないって言われてたのに、ほらこのとうり」

さやか「良かった…それだけ聞きたかったんだ。じゃあね、恭介」ダッ

恭介「さ、さやか!待ってくれ!……さやか」



まどか「あれ?さやかちゃんもういいの?」

さやか「うん。ちょっと確認したかっただけだからさ」

さやか「さて、さやかちゃんが魔女をバシバシやっつけちゃいますよー!」

まどか「一人で大丈夫?マミさんとほむらちゃんも呼んだほうが…」

さやか「まぁ怖くないって言えば嘘になっちゃうけど……頼りっぱなしじゃ成長しないもんね。一人でやれるところまでやってみるよ」

まどか「…分かった。でも私はずっとさやかちゃんと一緒に居るからね」

さやか「ありがと、まどか」

──

さやか「む、この路地から気配がする」

アンニャ「アハハハウハハハハエヘヘヘヘヘ」

まどか「さやかちゃん、あそこ!」

さやか「小さいな…使い魔か。でもやっつけなきゃだよね。ふんっ」ブン スカッ

アンニャ「ウワーーーー!!??ウヒイイイイイイ」

さやか「ありゃ、外したか。もいっちょっ」ブン

ガキンッ!

さやか「なっ!?」

「おいおい、使い魔やっちまってどうすんのさ?」

さやか「だ、誰!?」

杏子「まったく、使い魔は人間を喰わせてから…ってあんた、美樹さやかか?」

さやか「なんで私の名前を…」

杏子「金髪の豚があんたのこと噂してたぜ。オトコのために魔法少女になったんだって?笑っちまうぜ」

さやか「……あいつ……!」ギリッ

まどか(豚って…ポーキー君のことだよね…なんで魔法少女のことを知っているの…?)

杏子「一生に一度の願いを他人のために使い、グリーフシードも落とさない使い魔を倒そうとする……あんた、馬鹿か?」

さやか「おまえぇ!!」

杏子「なんだやる気か?こいよぺーぺー、二度と立てないようにしてやるぜ!」

まどか「さやかちゃんっ!!」

「そこまでよ」

シュルルル

杏子「うがっ!なんだこれっ…くそ動けねぇ!」

さやか「リボンっ…!?」

マミ「声が聞こえたから来てみれば……魔法少女同士で何をしてるの?」

杏子「離せマミ!もとはといえばこいつが!」

さやか「マミさん、こいつと知り合いなの?」

マミ「ええ、ちょっとね。離してもいいけどまた襲い掛かろうとしない?」

杏子「はぁ…しねーよ。興が削がれたぜ」

ごめんなさい、ちょっとご飯いってきます

ありがとう

マミ「分かったわ、二人とも反省するように」シュルル

杏子「……けっ」

さやか「……ふん」

杏子「帰るわ、じゃあな」

マミ「あ、ちょっとまって」シュルル

杏子「うわっ!おいなにすんだ!」

マミ「これから皆でお茶しない?」

杏子「…は?」

───

「いらっしゃいませー」(ニコニコ)

マミ「うふふ、今日は先輩のおごりよ!」(ニコニコ)

杏子「……………」ムッスー

さやか「……………」プイ

まどか(うう……ものすごく居心地が悪いよぅ……)

マミ「…ダメじゃない。魔法少女同士どうして仲良くできないの?」

さやか「こいつが悪いんですよ」

杏子「お前が悪い」

さやか「はぁ!?何よ!」ガタッ

杏子「やるか?」

マミ「はぁ……」

さやか「………ねぇアンタ、あの豚と知り合い?」

杏子「は?いやべつに……急にしゃべり始めてうざかったなあいつ」

さやか「そう。………さっきはごめん」

杏子「……おう」

さやか「でも、私は自分の願いは正しいと思ってるから。後悔なんてあるわけない」

杏子「…あんた、ちょっと面かしなよ。連れて行きたいところがある」

まどか「だっ、だめだよ!また痛いことするんでしょ!」

杏子「しねーって!ちょっとお話するだけ!」

さやか「…いいよ。マミさんまどか、ごめんね」

マミ「ええ、行ってらっしゃい」

「ありがとうございましたー」(ニコニコ)

まどか「あんなにいがみあってたのにもう仲良くなっちゃった。マミさんすごい!」

マミ「あのままだと自分の気持ちを相手に伝える事ができなかったからね。無理やりつれてきたかいがあったわ」

マミ「さ、私達も帰りましょうか」

──帰り道

まどか「あれ…ポーキー君だ。なにしてるの?」

ポーキー「お、いいところで会ったな」

マミ「あら…はじめましてかな?」

まどか「この子クラスメイトのポーキー君っていうの」

ポーキー「あ、マミさん。いつもきれいですね。へへへ」

マミ「あれ?初対面じゃなかったかしら…」

ポーキー「そんなことはおいといて。これ見てくれよ」ドサッ

まどか「えぇー…なにこれ」

ポーキー「マニマニの像っていうんだけどさー。ピカピカでかっこいいだろ?イカすだろ?」

まどか(ポーキー君ってすっごい趣味悪いんだなぁ)

ポーキー「というわけでお前にやるよ。大事にしてくれよー」ダッ

まどか「ええっ!?困るよ、いらないよう!」

マミ「いっちゃったわね」

まどか「うーん…このままにするのも悪いし…ゴミ捨て場に運ぼうかな…」

マミ(優しいのかひどいのかよくわからないわね)

まどか「んしょ…重っ!重いよこれぇ…」グス

マミ「はいはい、片方持ってあげるから」



まどか「このあたりでいいかな」

マミ「ここなら明日業者さんがもっていってくれるわよ」

マニマニの像「」

まどか「…あれ?今これ、動きませんでした?」

マミ「え?そんなはずは…」

マニマニの像「」ピカーーーーー!

まどか「わっ!?マミさん!!」

マミ「鹿目さん!!」

まどか「わあああああああ!!」
マミ「きゃああああああ!?」

────


マミ「いたた…鹿目さん大丈夫?」

まどか「はい…なんとか…。何が起こったんですか?」

マミ「分からないわ…光に巻き込まれて気を失って…」

男「おいおいお譲ちゃんたち。そんなところで寝転がってちゃ邪魔だぜ」

マミ「えっ!?す、すみません…あなたは?」

男「いいえ。そのとうり。私はこのバーのマスターだ」

マミ「…バー?私達今までゴミ捨て場にいたはずじゃ…?」

男「ゴミ捨て場?何を言ってるんだ?ここはムーンサイドだぜ」

まどか「ムーン…サイド?」

女「ほらほら!子どもは出てった出てった!」グイグイ

マミ「ちょ、ちょっと!」

まどか「マ…マミさん!なんですかここ…!」

マミ「…見滝原…じゃないみたいね。まさか魔女の結界…?」

男「やあ君たち。わかるかい?」

まどか「ひっ!?い…いいえ…分かりません」

男「分かるのか。それならよかった。じゃあな」

まどか「え…」

マミ「まずいわね…なんとかして元の世界に戻る方法を探さないと…」

うしなわれたきおく「…」ヌゥ

まどか「わっ!」

マミ「使い魔!?鹿目さん、逃げるわよ!手を離さないで!」

まどか「は、はい!」

マミ「はぁっ…はぁっ…!」

マミ(怖い…怖いけど後輩にかっこ悪い姿は見せられないわ…!)

マミ「…ふぅ…ここまでくれば大丈夫かな」

まどか「マミさん、怖いよぅ…」ギュ

マミ「安心して、貴方は私が守るから」

マミ「どうやら人の形をしているのは安全みたいね。情報収集をしてみましょう、何か分かるかも」

マミ「あの、すみませ…

男「まどかのHPは0になった!マミのHPは0になった!」

マミ「ひっ!?し、失礼しました…。こ、今度はこっちの人に…すみ

男「ドッカーーーーン!」

マミ「きゃあっ!?」

男「ああ、びっくりした!」

マミ「えぐっ…もうやらぁ…」

まどか「マミさん…よしよし。あ、ここホテルみたいですよ、ちょっと休憩しません?」

マミ「うん…」グス

ガー

男「いらっしゃいませ。ホテル・ダークムーンです。一眠りしますか?」

まどか「はい、お願いします。二人なんですけど…」

男「ずっと起きているんですね。ホッホッホ!」

まどか「え?あの…」

マミ「やっぱりおかしいわ。さっきからはいといいえが逆になってるみたい」

マミ「すみません、やっぱりいいえで」

男「かしこまりました」

マミ「ほら、やっぱりね」

まどか「す、すごいマミさん!」

男「150ドルになります」

マミ「……へ?ドル?円じゃダメ?」

男「ダメです」

マミ「……お邪魔しました」

ガー

まどか「はいがいいえでいいえがはい……ややこしいなぁ」

マミ「でも糸口が見えてきたわね」

まどか「マミさん、私も手伝います!さっそくあの人に…すみませーん!」

男「ハロー!そして…グッドバイ…するかい?」

まどか「あ、いいえ、結構です」

男「では…グッドバイ!」

まどか「へ?あ、間違えた!うわー!」ピューン

マミ「き、消えた!?あなた鹿目さんをどこにやったの!?」

男「君もグッドバイするかい?」

マミ「くっ…答えはいいえよ!」

男「OK、グッドバイ!」

ピューン



マミ「ここは…?鹿目さん!大丈夫?」

まどか「あ、はい…私達どこかに飛ばされたみたいです。部屋…のようですけど」

マミ「うかつに返答できないわね。鹿目さん、こんなところ早く出ましょう。気味が悪いわ」

まどか「それが…この部屋、出入り口がないんです。窓もついてないし…」

マミ「そ、そんな!私達閉じ込められちゃったの!?」

まどか「はい、ここにいるのは私達と……あそこにいる怖いおじさんだけですね」

男「………」

マミ「…みるからに機嫌悪そうな感じね」

マミ「でも話しかけないと始まらないわ。あの…」

男「なんだ?俺は今ヒマでヒマで手が離せないのよ。用事があるならそこにいる俺の相棒に話しかけちゃどうだ?」

まどか「え?他には誰も…」

マミ「…!待って、そこに誰かいるわ。ぼんやりと見える」

「ヒッヒ。あんた、俺が見えるのかい?」

マミ「いいえ。しっかりと見えているわ」

「ヒッヒ。そうか。おいらが見えている…と。あんたら立派なムーンサイド人だぁよ」

マミ「あの…私達外に出たいんですけど、どうすればいいですか?」

「ヒッヒ。おいらはしらねぇな。そこにいる俺の相棒に聞いてみな」

マミ「え?そ、そうですか…ありがとうございました」

マミ「あの…ドアを探してるんですけどどこにあるんですか?」

男「なんだって?ドアを探してる?そんなもんここにゃねぇよ!俺のヒマを邪魔するならここからでてけ!」

マミ「きゃっ!?」ピューン
まどか「うわぁ!」ピューン



マミ「…もはやなんでもありね、この世界は」

まどか「まぁ無事に出れた事だし、元の世界に戻る方法を探しましょうよ」

「ヒッヒ。あんたらもとの世界に戻りたいのかい?」

マミ「ひっ!?な…なんだ…ついて来たんですか…?」

「ヒッヒ。あんたたちにはおいらが見えている…と。面白そうだからついていくことにした」

まどか「元の世界に戻る方法知ってますか?」

「ヒッヒ。しらねぇなぁ。おいらは生粋のムーンサイド人だもんでね」

まどか「そうですか…」

「なぁ。どうだいこの金歯。うらやましいだろう。にかっにかっ」

まどか(全然見えないよぅ…)

金歯「なぁ…おいらのまゆげつながっててカッコエエだろ?」

マミ「そうですね…」

まゆげ金歯「そうだろうそうだろう。ヒッヒ。ヒッヒ」

まどか(気持ち悪いよぅ…)

男「…お?これは驚いた!まゆげつながりの金歯さんじゃねぇか!なにやってんだ?こんなガキどもほっといてバーボンでもひっかけにいきましょうぜ!」

男「おいガキども!俺はこの先のマニマニの像に行くための道で邪魔をしていたが今からまゆげつながりの金歯さんとバーボンに行く!じゃあな!」

まどか「な、なんだったの…?」

マミ「それよりあの人、マニマニの像って言ってなかった?この先にきっと何かあるのよ」

まどか「行ってみましょうマミさん」



マニマニの悪魔「………」

まどか「これは…元の世界でポーキー君が置いていった物と同じ?」

マミ「分かったわ!こいつが魔女の本体ね!結界に閉じ込めて精神を狂わせるのが目的だったのよ!」

まどか「じゃあこれを壊せば…」

うしなわれたきおく「…」

なぞのゲージュツ「…」

ロボ・ガロン「…」

ゾロゾロ

まどか「マミさん!いつのまにか囲まれちゃってます!」

マミ「ふふ、安心して鹿目さん。こんな時のために必殺技を考えておいたの!」

マミ「ダンサデルマジックブレッド!!」ズバババババ

まどか「すごい!全方位攻撃なんてかっこよすぎるよマミさん!」

マニマニの悪魔「………」ズズゥン


◆マニマニの悪魔は砕け散った。

◆まどかの目に一瞬、哺乳瓶が見えた。

マミ「ふぅ…ここは…ゴミ捨て場?やった!戻れたみたい!」

ほむら「きゃっ!?」ビクッ

まどか「あ、ほむらちゃんだ。どうしたの?」

ほむら「どうしたもこうしたもないわよ…。あなたたち、遠くをみるようなうつろな目をしてゴミ捨て場を歩き回ってたかと思えば急に喜びだして…大丈夫?」

マミ「ええ、悪い魔女は私が退治したわ!」ドヤァ

ほむら「え、魔女…?そんなはずは…まさかそこで粉々になってるのが?」

まどか「ほんとになんだったんだろう…グリーフシードも落とさなかったみたいだし…」

マミ「まぁ、すべての魔女が落とすとは限らないしね」

ほむら「…ふむ、どれどれ」

ほむら「あら?何か音が鳴ってるわ」

まどか「え?」

マミ「あら本当。壊れた体からメロディーを出す魔女なんて珍しいわね」

まどか「……」

ほむら「…でも、まどかを危険から救ってくれたのは確かみたいね。ありがとう、マミ」

マミ「暁美さんからお礼を言われた…明日は雨かしら?」

ほむら「…なによ。まどか、マミなんてほっといて帰りましょう」

マミ「ああ、まってよ~!」

まどか「ティヒヒ」

───
──



仁美「私、ずっと上条君のことをお慕いしておりました」

さやか「…え?そ、そうなんだ」

仁美「あなたは私の大切なお友達ですわ。だから、抜け駆けも横取りするようなこともしたくないんですの」

仁美「明日の放課後に上条君に告白します」

仁美「丸一日だけお待ちいたしますわ」

──

さやか「…とか言われてもさ…私、もう恭介に嫌われちゃってるし」

さやか「恭介と合わす顔なんて持ってない。……でも諦めれるわけないじゃん……どうしよう……恭介がとられちゃう……」

「ウーララ。おや、そこのお嬢さん。うかない顔してどうしたのですか?」

さやか「…お前…!よくまぁ私の前に出てこれたな。お前のせいで……!」

ポーキー「僕のせい?いったいなんの話か分かりませんが人のせいにするのはよろしくないですよ」

さやか「なっ…!お前が恭介に変な事吹き込んだんだろ!?」

ポーキー「事実無根、いわれの無い疑いをかけられたものだ。証拠はあるんですか?」

さやか「お前ぇ!!」

ポーキー「ハハ!サヤカ!何もする勇気も無い君が僕をどうにかできるのか?いいやできないね!」

ザッ

「そこまでだ。退きな豚野郎」

さやか「…杏子…」

ポーキー「おやおや、野蛮で怖いオンナの登場だ。僕は退散するとするよ」

杏子「ったく…おいさやか、あいつにイラつくのは分かるが手だけはだすんじゃねーぞ。お前にはまだ失う物があるんだからな」

さやか「うん…」

杏子「……なんだ、悩みか?懺悔ならこの杏子様が聞いてやるぜ?」

さやか「懺悔って……そうね。ちょっと聞いてもらおうかな」



杏子「……なんだよ、そんなことかよ」

さやか「そんなことってなによ……こっちは真剣だっつーの」

杏子「そうだな。お前が悪い。はい!この話は終わり!」

さやか「は?」

杏子「話してスッキリしたろ?さやかがどうしたいかはあたしは知らない。だが後悔だけはするな。いいな?」

さやか「…そうね。なんか、あんたに話したら悩んでた自分が馬鹿みたいに思えてきたわ」

杏子「なんだそりゃ」

さやか「ふふ、ありがとね」

杏子「おう」

─翌日
放課後

さやか「……………」ボー

まどか「さやかちゃーん帰……どしたの、ボーっとして」

さやか「へっ?ああ、うん。ダイジョブダイジョブ。…帰ろっか」

「さやか、ちょっといいかな?」

さやか「んっ?恭介…どうしたの?」

恭介「よかったら鹿目さんも一緒にどうかな」

まどか「え、うん…」

─病院
屋上

さやか「こんなとこつれてきてどうしたのさ」

恭介「大丈夫、許可はとってあるよ」

恭介「…この前、さやかにひどいこといっちゃっただろ。ずっと謝りたかった。謝りたかったのにさやかは僕から逃げてる感じでさ」

さやか「……ごめん。なんか顔あわせづらくって」

恭介「君が一番お見舞いに来てくれてたね。だからお礼がしたかった」

恭介「僕に何ができるかずっと考えてたんだ」

恭介「…曲をつくった。この動くようになった手で、僕のバイオリンを聴いて欲しい。…どうかな?」

さやか「聴かせて。恭介のバイオリン…聴きたい」

恭介「ありがとう。では…」スッ

       ~♪

まどか(あ…この曲、似てる…いままで聴いてきたメロディーに似てる)

まどか(とっても暖かくて優しい…安心する…)

さやか「……………」

さやか(私、恭介に嫌われたんじゃなかったんだ)

さやか(これ以上つらい思いをするくらいなら自分から距離を置こうと思ってた)

さやか(仁美に…とられてもいいかなって思ってた)

さやか(でも……違ったんだ……)

さやか(言いたい。私、恭介に言いたい)

       ~♪…

恭介「どうだったかな?人前で弾くのは初めてだったんだけど…」

さやか「恭介」

さやか「私、恭介の事が好き。ずっと前から好きでした」

恭介「え…?」

さやか「ごめんね。びっくりしたよね。でもこれだけは言っときたかった」

恭介「…さやかは小さい頃から一緒にいるから、異性としては見たこと無かった」

さやか「…!そう、だよね。でもこれからも友達として仲良く…」

恭介「待ってくれよ。無かった、って言ったろ」

さやか「え?」

恭介「……こんな僕でよければ」

さやか「…恭介ぇ!!」ガバッ

まどか「…よかったね…さやかちゃん」


◆まどかは遠くにママの声がしたように思った。
 思いやりのある強い子に…と聞こえた。


杏子「…へっ、よかったじゃねーか」

ほむら「覗き見とは関心しないわね」

杏子「お互い様だろ」

ほむら「ふふ…」

───
──
─ほむホーム


ほむら「今日皆に集まってもらったのは他でもないわ」

ほむら「もうすぐ、この町にワルプルギスの夜がやってくる」

ほむら「私達が束になっても勝てるかどうか分からない。だからこうやって作戦会議を……」

杏子「マミー、おかわりー」

マミ「もう、いっぱい焼いてきたからゆっくりたべなさい」

さやか「うへへぇ…恭介ぇ…」

まどか「…ほ、ほむらちゃん。私は聞いてるよ」

ほむら「………はぁ」バッ

さやか「ああ!なにすんだ!返せ私の恭介!」

ほむら「返せじゃないわよ。何写真見てニヤニヤしながらよだれたらしてるのよ。みっともない」

さやか「えっまじ?よだれでてた?じゅる」

ほむら「クッキーも没収よ。マミも杏子を甘やかさない!」

杏子「あってめっ!食い物の恨みは恐ろしいぞ!」

ほむら「一生何も食べれなくしてあげましょうか」

杏子「…ごめんなさい…」

マミ「作戦会議って言っても…どこにでるか、どんな敵かも分からないのに考えようが無いじゃない」

ほむら「奴の出る場所は決まっているわ。資料もここに」ドサドサ

マミ「…随分と用意周到ね」

ほむら「統計よ」キリッ

マミ「でもこれだけあれば十分ね。魔女の弱点を調べて有効な技でかっこよく決めて…」ブツブツ

杏子「作戦なんていらねーよ。ばー!っとやって、がー!っとやればいいんだよ、今までどうり」

ほむら「そんな生易しい相手じゃないのよこいつは。ここまで最善の結果を残すことができた。全力で挑みたいのよ」

さやか「ほむらがここまで言うんだ、きっとマジなんだろうね。4人の魔法少女が相手でも勝てるかどうかわかんないなんて」

さやか「でも私は負けないよ。やっと手に入れた幸せを手放したくない。この友情も壊したくないしね」

ほむら「さやか……大きくなったわね」

さやか「うぇ、なんだよ気持ちわるいなぁ」

杏子「ちぇ、わかったよ。ほむら、あたしは何をすればいい?指示くれよ、詳しいんだろ?」

マミ「私もお願いするわ。かっこよくきめさせてね!」

ほむら「ありがとう…皆…そうね、杏子は─



ほむら「…大体こんなものかしら」

杏子「りょーかい」

マミ「かっこいい必殺技考えてくるわ!」

ほむら「ほんとに大丈夫?あとでさっきの作戦を紙に書いてコピーして皆に渡すからね」

杏子「子どもじゃあるまいしちゃんと覚えれるって!」

ほむら「そう?ならいいんだけど…」

さやか「…さて、もういいかな?ちょっと恭介と会う約束があるんだ」

マミ「うう…美樹さんが私よりどんどん大人になっていくわ…」

ほむら「ええ、ありがとう。それじゃ今日はこのあたりで解散しましょう」

杏子「マミー、腹減ったよ。なんかおごってくれー」

マミ「はいはい。私の家で夕飯をご馳走してあげるわ。鹿目さんと暁美さんもどう?」

ほむら「いいえ、私は片付けと準備があるから遠慮しておくわ」

まどか「あ、私はほむらちゃんの手伝いするので残ります」

マミ「分かったわ、またね。二人とも」

ほむら「…私なら大丈夫なのに。まどかも行ってきたら?」

まどか「ううん、いいんだよ。今はほむらちゃんといたいな」

ほむら「そう。ありがとう」

まどか「ティヒヒ。…最近ほむらちゃん、なんだか忙しそうだよね。焦ってるっていうか…そんなかんじ」

ほむら「そんなこと…ないわ」

まどか「私ね…皆が魔法少女になっていく中、私だけが取り残されていって一人ぼっちになっちゃうんじゃないかなって思ってた」

ほむら(そういえばこの時間軸はインキュベーターをあまり見かけないわね)

まどか「でも違った。さやかちゃんもマミさんも杏子ちゃんも、ほむらちゃんも私と一緒にいてくれた。とっても嬉しかったな」

まどか「だからね、私も皆と一緒に居たい。ほむらちゃんともずっと、ずっと一緒に居たいなって」

ほむら「…まどかっ!」ギュ

まどか「わっ、ほむらちゃん?」

ほむら「やっと…やっとここまで来れた。誰も欠けてない。貴方が幸せな世界…。絶対に乗り越えて見せる…!」

まどか「…ほむらちゃん」ギュ


◆まどかは、メガネをかけたほむらを見たような気がした。

───
──
─まどホーム


まどか「おはよーパパ、ママ」

知久「おはよう、まどか。朝ごはんできてるよ」

詢子「おはよー。…ん?なんだ、この広告」

まどか「どれ?」

詢子「世界のサボテンフェアだってさ。駅前のデパートでやってるみたいだよ」

まどか「へぇ、おもしろそう!」

詢子「そうか、なら友達と行ってきたらどうだ?入場料くらいは出してあげるからさ」

まどか「ほんと?やったー!ありがとうママ!」




まどか「というわけなんだけどほむらちゃん。一緒にどう!?」

ほむら「気持ちはありがたいんだけどね、まどか。あの…ワルプルギスに備えて準備が色々と」

まどか「……そうだよね……ごめんね……」ドンヨリ

ほむら「!!!」

ほむら「というのは冗談よまどか。一緒に行きましょう」ファサァ

まどか「やったー!」

ほむら(そんな顔されたら行くしかないじゃない……!)ホムゥ

─デパート

まどか「わぁ、いろんなサボテンさんがいるんだね。なんでこんな形してるんだろう?」

ほむら「サボテンは多くが多肉植物っていってね、砂漠等の乾燥地帯でも生きれるように進化してきた植物なのよ」

まどか「へぇ、ほむらちゃん物知り!」

ほむら「それほどでもないわ」テレ

まどか「かわいいなーサボテンさん」

ほむら(…あれ?これって俗に言うデートってやつじゃない?)

ほむら(この後のこと何も考えて無かった!夜景の綺麗な高級レストランの予約とかしてない!)

ほむら(そこそこ高級なレストランで妥協しましょう。その後は二人で夜の街に……)

ほむら(…いいえ、やっぱりまだ早いわよね。まずはまどかのご両親に挨拶にいかないと)

ほむら(そしてこう言うの。娘さんを私にください!」

まどか「え?」

ほむら「ん?」

まどか「ほむらちゃん何か言った?」

ほむら「言ってないわ」

まどか「そっか」

ほむら(…ちょっと舞い上がってしまったわ。まだワルプルギスの夜を倒していないというのに)

ほむら(私、ワルプルギスの夜を倒したらまどかと結婚するんだ…)

ほむら(緊張したら尿意を催してきたわ)

ほむら「ごめんなさい、まどか…ちょっとトイレにいってくるわね」

まどか「あ、うん。ここで待ってるね」

…ジャー

ほむら「ふぅ…スッキリ。お待たせ、まど……あら?いない……どこにいったのかしら。ここで待ってるって言ってたのに……」

ピンポンパンポーン

◆お呼び出しを申し上げます。見滝原からお越しのホムラ様…お友達のマドカ様が4階の事務所でお待ちです。…クケッ

ほむら「!?まどかがどうして…?とにかく行って見ましょう」

タッタッタ…

ほむら「…おかしい、他の客の姿も見えないわ。どういうこと?」

キラーカップ「コーヒードウゾー!」バシャア

ほむら「きゃっ!あっつい!なによこいつ…使い魔!?」バンバン

キラーカップ「グエー!」バタ

ほむら「いつの間にか魔女の結界に入ってしまったの!?そんな感じはしなかったけど…でもそうでないとしたらこいつらの説明がつかないわ!」

◆ホムラ様、ホムラ様…クケックケックケッ。おはやくマドカ様のところに。お急ぎください。クケケケケケケ

ほむら「この放送も何か変よ!まどかの身に何が!?」

あやかしのレコード「ハーイ」

ムジカ「ジャーンジャーンジャーン」

ほむら「邪魔よ!」バンバンバン

◆ホムラ様、ホムラ様!クケックケッ…

ほむら「はぁっ…はぁっ…ここね!まどかぁ!」ガチャ!

デパートの怪人「クケックケックック。よくここまでたどりついたな。
 このデパートがお前の墓場になるんだ!クケッ。
 死んで地獄へ…いや、天」

カチッ

ほむら「………」ズラァ バン バン バン バン バン!

ほむら「そして時は動き出す」

デパートの怪人「国へクケェエエエエエエ!!」バタン

デパートの怪人「は、話が違うぞ!お前もPSI使いか!?」

ほむら「まどかはどこよ?早く答えないと次は脳天ぶちぬくわよ」

デパートの怪人「まってくれ!俺は連れてこられただけだ!アケミホムラを殺せと命令されただけだ!」

ほむら「誰によ」

デパートの怪人「それはいえねぇなぁ…クケッ」

ほむら「さーん…にーい…」

デパートの怪人「ま、待て!マドカがどこにいるか知りたくないか!?俺を殺すと会えなくなるぞ!」

ほむら「言いなさい」

デパートの怪人「クケッ…いいか、よく聞け。あのお方はこのデパートの地下にストーンヘンジと同じ基地を作った。そこにマドカはいる」

デパートの怪人「他にも色々な人間がとらわれているぜ。人間のエネルギーを使って復讐を始めるつもりだ。
 クケケ、あのマドカとかいう人間はすさまじいエネルギーをもっているみたいだったな」

ほむら「くっ…まどか…!」

デパートの怪人「もういいだろ?見逃してくれよ。クケッ」

ほむら「そうはいかないわ。あなたみたいな危なそうな奴放っておけるわけないじゃない」

デパートの怪人「なんだと!?」

ほむら「お生憎様。あなたみたいなのは毎日相手してるから躊躇いなんてないわ」

デパートの怪人「…俺を倒しても…クッ、ポーキー様の…。今頃マドカは…ククッ」

バン!

ほむら「まどかが危ない…!」ダッ

ほむら(私のせい…!私が少しでも目を離したから…!まどかに何かあったら私…私!!)



ほむら「地下ってここかしら…」

◆なぜかコケシのようなものが道をふさいでいる!

ほむら「何これ…邪魔ね」ボゴォオン

◆コケシは粉々に砕け散った

ほむら「まどかぁー!まどかぁー!いるなら返事をしてー!」

ほむら「それにしてもなんなのここは…?複雑に入り組んでいるし気味の悪い生物もいるし…人間が作ったものでは無いみたいだわ」

「ほむら…ちゃん…」

ほむら「まどか!?この部屋ね!まどかぁー!」ガチャ

まどか「ほむらちゃん…助けて…」ゴボゴボ

ほむら「な…なにこれ…ひどい…誰がこんなことを…」

QB「訳がわからないよ…」ゴボゴボ

「来タカ…」

ほむら「誰っ!?」

DXスターマン「コノ星ハ魔法少女トイウ良質なエネルギーヲモツ人間ガ存在スル…奴ハソノエネルギーヲ利用シテギーグ様ヲ復活サセルトイッタ」

DXスターマン「オマエノエネルギーモイタダクトシヨウ」

ほむら「お前がこんなことを…絶対に許さない!!」

DXスターマン「来い人間!」

ほむら(戦うには狭すぎる…まどかに被害が及ぶ可能性がある爆発物は使えない)

ほむら(魔力もここに来るまでに使いすぎたわ。できれば温存しておきたいけど…まずは相手の様子を伺って…)

DXスターマン「ドウシタ…来ナイナラコチラカライクゾ」

◆DXスターマンはPKスターストームαをこころみた!

ほむら「これは魔法!?まずい、避けれない!!」

◆暁美ほむらに致命的なダメージ!

ほむら「きゃああああああっ!!」

ほむら(こんなところで…こんなところで終わってしまうの!?…そんなのってないよ…せっかくここまで来れたのに!)

ほむら(くっ…!まだ死ぬわけには行かない!悔しいけど過去に戻れば……!)スッ

「うりゃあああああああああああ!!」ガキン!

DXスターマン「ム…」

さやか「ほむら!大丈夫!?」パアアアァ

ほむら「さやか!傷が回復していく…ど、どうしてここに!?」

さやか「いやー、地下へ向かうほむらを見かけて追ってきたんだけど途中で見失っちゃって、迷ってた…ごめん」

ほむら「…ありがとう…さやか」

DXスターマン「何人集マロウト関係無イ…モウ一度スターストームヲ」

ゴトッ

さやか「ん、盾から何か落ちたよほむら」

ほむら「あ…これは昔私が作ったペンシルロケット20」

DXスターマン「ナン…ダト…?ヤメロ!絶対撃ツナヨ!絶対ダカラナ!!」

さやか「…なんかあいつすごい焦ってるけど」

ほむら「そうね…ダメもとで撃ってみましょうか」

DXスターマン「ヤメロオオオオオオオオオ!!!」

チュドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

YOU WIN


DXスターマン「…マタシテモ負ケテシマッタカ」

ほむら「まだ生きていたの」

DXスターマン「ストーンヘンジデ人間ニ敗レ虫ノ息ダッタ私ヲココマデ連レテキタノハ他デモナイ…ポーキーダ」

DXスターマン「本当ハ分カッテイタノダ。ギーグ様ハモウイナイノダト。アイツニ騙サレテイタノダト…」

DXスターマン「殺シテクレ…少女ヨ。ギーグ様ノ居ナイ世界ニ価値ナドナイ」

ほむら「…いいのね」

DXスターマン「頼ム」



◆基地は機能を停止した



ほむら「まどかぁ!!」ガバッ

まどか「けほっけほっ…ありがとうほむらちゃん、さやかちゃん」

QB「助かったよ!いやー僕としたことが宇宙人に捕まってしまうなんてね!」

ほむら「お前はついでよ」

QB「久しぶりに会ったのに冷たいな君は」

ほむら「皆、よく聞いて。あの転校生…ポーキーミンチは違う世界からやってきて私達の邪魔をしていることが確定した」

まどか「そんな…」

さやか「そんな気はしてたよ。でもなんで私達の邪魔を?」

ほむら「それは分からないけど…とにかく気を抜いてはダメよ。次に何をしてくるか…」

さやか「それより早くここを出ようよ。気味悪いし」

ほむら「そうね」


マドカ


まどか「…誰かが私を呼んでる…」テクテク

さやか「お、おいまどか!?どこいくんだよ!」

ほむら「追いかけましょう!」



サボテン「………」

まどか「サボテンさんが歌ってる…」

ほむら「まどか、あなた疲れているのよ」

まどか「ほんとだって!二人には聞こえないの?」

さやか「うーん…聞こえないねぇ」


◆まどかは、自分を抱いているパパの幻を見た。


ほむら「行きましょうまどか」

まどか「うん…」

まどか(貴方は一体誰なの?私が今まで見てきた…聞いてきたのは何?)

───
──




ワルプルギスの夜、襲来



マミ「ついに来たわね、この日が!」

ほむら「住人の避難は?」

さやか「バッチリだよ」

杏子「腕が鳴るぜ!」

ヒュウウウウ…



マミ「霧が出てきた…」



さやか「やばっ…トイレいっときゃよかった」

杏子「ここでしちまえよ」



ほむら「馬鹿いわないの。来るわよ!」

「レディーーーーーーーーースアンドジェントルメーーーン!!」

ほむら「なっ…!?ポーキー!?」

ポーキー「ご機嫌うるわしゅう、ブタのケツのゴミども」

マミ「ポーキー君…貴方…」

ポーキー「違うぜマミさん!重装備ポーキー様だ!カッチョイイだろ?宇宙の科学の結晶だ」

さやか「お前にかまってるヒマはないんだよ!どけ!」

ポーキー「まぁまぁそういいなさんなって。アケミホムラ!よくも俺の計画の邪魔してくれたな!俺は今すごくお怒りだ。Do you understand?」

ポーキー「俺はこの日をずーーーっと楽しみにしてたんだ。これを見ろよ」

ポーキー「『悪魔のマシン』さ。本来はギーグを制御するためのものだったが、お前らの大好きなワルなんとかちゃん専用に改造した」

ポーキー「こいつのスイッチを切ればどうなると思う?俺にも想像がつかない。とても恐ろしい事がおこるだろう」

ほむら「やめなさい!ポーキー・ミンチ!!」

ポーキー「アッハッハ!いいね!ワクワクするぜ!もっと絶望を見せてくれよ!」

ポチッ

ワルプルギスの夜「アハハハ…アハ…ア…アアアアアアアアアアアア!!!」ボロボロ

杏子「なっ…ワルプルギスが崩れてくぜ!?」

ほむら「それだけじゃない!黒い何かが…広がっていく!」

─避難所


まどか「……キュウべぇ……!これって!?」

QB「驚いたな…ワルプルギスの夜は完全に崩壊し、絶望という概念だけがこの町を包み込んでいる。この状態は魔女の結界に近いね」

まどか「ほむらちゃん達は?無事なの!?」

QB「まだ生命反応はあるようだ。しかしこの星にこれほどの科学力があったのか?いや…違うな。これは遥か遠い宇宙で生まれた技術だ」

まどか「皆大丈夫だよね?なんとかなるよね?」

QB「…どうだろう。相手はもはや実体のない概念だ。どうやって倒せというんだい?」

まどか「そ、そうだ!私が魔法少女になるよ!私すごい魔法少女になれるんでしょ!?だったら…」

QB「そうしてあげたいけど無理だ。この空間に包まれた時点でインキュベーターとしての機能が完全に失われている。新たな魔法少女を生み出す事はできない」

まどか「そんな……」

QB「やれやれ…これじゃスペアの体と入れ替わる事もできない。これが死か。恐怖はないが君たち人間の気持ちが少し理解できたよ」

まどか「私…最後まで何もできなかった…やっぱりいらない子だったんだ…」ポロポロ


◆マドカ。

まどか「…!またこの声…!あなたは誰!?」


◆最後のパワースポットは貴方の心です。目を閉じて…自分を信じて。あなたはいらない子なんかじゃない。思い出して、大切な人たちの事を。


まどか「…自分を信じる…」


◆まどかはそっと目を閉じた

◆まどかは、魔法少女の自分に見つめられているような気がした


QB「ん…?まどか?どうしたんだい?…魂が器に存在しない。さっきから不思議な事ばかりが起きる。訳がわからないよ」

─────


『まどか…うーん、やっぱりまどかって名前でいいか』

『まどか…この子、自分の名前を聞いて笑ったよ。気に入ってるのかな』

『ちょっと…その赤いリボンつけてみてよ。アハハ、けっこうかわいいじゃん』

『ハンバーグでお祝いしよう。この子もママに似て、ガンバリ屋になるんだろうなぁ』

『特別な存在になんてならなくていい。思いやりのある強い子に育って欲しい』

『まどか……よろしくね』


─────

まどか「うぅん…ここは…?ひゃっ!なんで私裸なの!?」

QB「やぁまどか!」

まどか「きゃあ!あ、あっちいってよキュウべぇ!!」

QB「どうしてそんなに恥ずかしがるんだい?ここはマジカント。君の心が生み出した国だ」

まどか「マジカント…?」

QB「奥に進みなよ。彼女が待ってる。そこに全ての答えがあるよ」

まどか「…分かった」

詢子「お、まどか。疲れたらいつでも家に帰ってこいよ。待ってるからな」

知久「やぁまどか。いつかまどかも誰かのお嫁さんに行くのかな。その時はパパを頼りにしてくれよ」

タツヤ「うー」

さやか「やっほーまどか。私、まどかにいっぱい勇気を貰ったんだよ。今度は私の番だからね」

マミ「こんにちは、鹿目さん。私、貴方に出会えて本当によかったと思ってるわ。ありがとう」

杏子「よぉ、まどか。あたしにはもう無いけどさ…守らせてくれよ。あんたの幸せをな」

ほむら「鹿目さん!こんな私に優しくしてくれた鹿目さん…あと少し。もう少しだからね!待っててね!」

ポーキー「…マドカ。お前もアイツと一緒さ。俺なんてどうでもいいんだろ。あっちいけよ」

まどか「いろんな人が居る…」

QB「そうさ。皆君が出会ってきた人。いろんな人の心の声。すべての声を聞くんだまどか」

まどか「心の声…」

まどか(こんな私でも…誰かに必要とされている。すべきことがある。それはとっても素敵だなって)

まどか(この先にある。私の全てが。そんな感じがする)

まどか「…歩いてたら建物が見えてきた。ここに入ればいいのかな」

ドラゴン「……………」

まどか「ひゃっ!おっきぃ…門番さん?」

ドラゴン「……グルル、お待ちしておりました……マドカ様。この楽譜を受け取ってください」

まどか「あ、ありがとうございます」

ドラゴン「どうぞお進みください…クイーンがお待ちです」

まどか「どうも…」



まどか「親切なドラゴンさんだったな…なんだろ、この楽譜」

「はじめまして。マドカちゃん」

まどか「あっ、はじめまして!あなたは…?」

クイーンマリー「私の名前はクイーンマリー。突然ごめんなさい。私はずっとあなたを見てきました。
    あなたはとても大きな因果を背負っていますね。とてもつらかったでしょう。
    でもそれが複雑に絡み合っていく中で、奇跡とも呼べる確率で、私の世界とリンクしました。
    あなたの周りの希望や祈りの力を使ってあなたの心にずっと呼びかけていたのは私です。
    すべてが揃ったとき、あなたをこのマジカントに呼ぶことができました」

まどか「………」

クイーンマリー「あなたはいらない子なんかじゃない。自信を持って、マドカちゃん。
    さあ。あなたはずっとメロディーを聴いてきたはずです。あなたの覚えてきた歌を私に聴かせて!」

◆まどかは歌った。

クイーンマリー「そう。そう…この歌だった」

◆まどかが歌うと、クイーンマリーも歌いはじめた。

クイーンマリー「ああ…ギーグ…。…いいえ、今は感傷に浸っている場合ではありませんね」

クイーンマリー「行きなさい、マドカ。皆を救えるのはあなたしかいません。私の歌を…皆に聴かせてあげて」

まどか「はい。ありがとうございました」

クイーンマリー「ふふ…いい目をしているわ。あの子達にそっくり…」

───
──


ほむら「うう…はっ、皆!マミ!さやか!杏子!」

ポーキー「やっと起きたか。そいつらは気絶してるだけだぜ」

ほむら「ポーキー…!貴方は一体何者なの?どうして私達の邪魔をするの!?」

ポーキー「お前、過去に戻れるんだろ?」

ほむら「なっ…」

ポーキー「俺もだよ。ギーグって宇宙人が残したこのマシンで色々な世界を行ったりきたりできる」

ポーキー「そんな中、お前達を見つけた。友情だのなんだのくだらねーことで泣いたり笑ったり。見てるうちにイラついてきてよ、邪魔してやろうと思ってね」

ポーキー「特にミキサヤカ!グダグダいって廻りに迷惑かけて。くだらねー奴だぜ。あいつにはめいっぱい嫌がらせしてやったな。へへ」

ほむら「くだらなくなんかないわ!!」

ポーキー「…くだらねーよ。あいつもそうだった。あいつだけが友達だった。でもあいつの目に俺は映ってなかった」

ポーキー「どんなに先回りしても、どんなに嫌がらせしてもずっと前だけを見つめてやがる。旅の途中でできたナカマとやらと一緒に悪者退治さ」

ポーキー「嫌がらせもエスカレートしていってとうとう俺も戻れなくなっていった。もう何がしたかったのかさえ分からない」

ポーキー「だんだんふっきれてきたよ。もう悪者を貫いてやろうかと思ってる。オマエラは全員俺のオモチャなんだよってな」

ほむら「ポーキー…あなた…」

ポーキー「ケケケ、そんな目で俺を見るのはやめろ。ちなみに俺もお前ももう過去には戻れないぜ。この空間は完全に異質だ。どこにも繋がっていない」

ほむら「そんな…!」

マミ「うう…ここは…」

さやか「うぐ…頭が痛い」

杏子「う…ど、どうなったんだ!?」

ポーキー「オモチャも揃った事だしそろそろはじめるか。
     怖いだろ!俺だって怖いよ。ワルプルギスの夜は自分の力のあまりの強さで自分を滅ぼし、このあたりを絶望で覆いつくしてしまったのさ。
     ケッケッケ!エサになれよ、俺も…おまえ達も!」

さやか「あんにゃろぉ…!」

杏子「おい、どうにかできねーのかよほむら!!」

ほむら「私だって分からないわ…!」

マミ「とりあえずやってみるしかないじゃない!ティロ・フィナーレ!!」

◆マミの放った魔法は闇の中に吸い込まれていった

マミ「…ダメね…」

ポーキー「お前たちの力はそんなもんで精一杯だろ。このままどこだか分からないこの空間でゴミになって消えるのを待つばかり…。
     くー!悲しい話だよ。涙が出るね。俺もドキドキしてるんだよ。…怖くてさ。この真っ暗闇に向かって助けを呼んでみるかい?
     マドカーッ!って叫んでみろよ。ホムラ!マドカッー!マドカッー!おしっこ漏れちゃいそうに怖いよう!ってか。
     テレパシーでもなんでも使えるもんなら助けをよんでみればいいさ。
     けっけっけっけっ…。はやく楽になりな!」

さやか「…本当にどうにもならないの?」

マミ「そんな…!なら皆死ぬしかないじゃない!」

ほむら(皆のソウルジェムが濁っていく…でも私達にはどうすることもできない…)

杏子「………」シュル

杏子(…頼むよ神様…!こんな人生だったんだ。せめて一度くらい、幸せな夢を見させてくれよ…!!)

◆杏子は心をこめて祈った




「………!」

「…?どうしたのさ、早く行かないと先輩達に怒られちゃうよ」

「誰かが……呼んでいる」

「え?誰かって…何も聞こえないけど…」

「誰かが助けを求めている。かつて僕が女の子の声を聞いてかけつけた時のように」

「一緒に祈ってくれトニー。彼女達の無事を…」



◆メガネの少年は、いまだかつてない気持ちの高まりを感じて、見知らぬ少女達の無事を強く祈った




カエレ… チガウ… チガウ… チガウ…


ポーキー「ん…?なんだ、様子が変だぞ」

杏子(誰か…あたし達に力を貸してくれ…!)

◆杏子は心をこめて祈った




「……………」

「王子、お疲れ様です。そろそろ休憩なされては…」

「……いや、まだだ。まだやるべきことがのこっている」

「はぁ…そうですか。熱心なのはいいことですがお体に障りますよ」

「爺には聞こえないのか。どこか遠い星で…俺に助けを求めている声が」

「なんと…これは失礼をしました」

「……………」


◆べんぱつの少年は宇宙の声を聞き、見知らぬ少女達のために強く祈った




……ウレシイ……カナシイ……トモダチ……


ポーキー「おい!キョウコ!何をしてるんだ!」

杏子(頼む…神様!この祈りを誰かに…!)




「オネーチャンあそぼー」

「ダメだ、オネーチャンは俺と遊ぶんだ」

「はいはい、皆遊んであげるから…。…!ごめんなさい、ちょっと出かけないといけなくなっちゃった」

「えー」

「すぐ帰ってくるから、ね?」

「約束だよ!」

「うん。もちろん」

「……あなたの祈り、確かに聞こえました。私も祈ります。貴女達の無事を……」


◆赤いリボンの少女は、同じ力を持つ少女の祈りを聞き、見知らぬ少女達の無事を強く祈った



           アーアーアー……キ モ チ イ イ……


◆ワルプルギスの夜のディフェンスが不安定になった!

ほむら「…!何かくる!!」

◆ワルプルギスの夜からの攻撃の正体がつかめない!

杏子「っ!ぐああああっ!」

さやか「杏子!!」

杏子「くそっ……あとちょっとだったのに……へへ……もう少し親父の教えを聞いとけばよかったかな……」

マミ「喋っちゃダメよ!傷口が開くわ!」

ポーキー「…ハハ、ちょっぴり焦ったぜ。だがここまでだな。もう祈りは通じない。ワルプルギスを倒す事ができるとすればそれは…

「もういい、もういいんだよ」

ポーキー「…お前…!」

ほむら「まどか!?どうしてここに…!危険だから早く離れて!!」

まどか「大丈夫だよほむらちゃん。私、もう何も怖くない。もう後ろを向かない」

まどか「私、歌う。すべての人に聴いて欲しい。すべてを救いたい!」

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=ghZpyHP7B_g&feature=related

◆まどかは歌った


ポーキー「…なんだこの歌は」


            マドカ! マドカ! イタイ…イタイ…


◆ワルプルギスの夜からの攻撃の正体がつかめない!


ほむら「まどか!!」

マミ「レガーレ・ヴァスタリア!!」バシィ!

マミ「実体の無い物への攻撃はできないけど…鹿目さんを守るのは簡単じゃない?」

ほむら「マミ…そうね!皆、まどかを守るのよ!」

◆まどかは歌った

ポーキー「…歌うのをやめろ」


    マドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマ
    ドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマド
    カサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカ
    サンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサ
    ンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサンマドカサン…


◆ワルプルギスの夜からの攻撃の正体がつかめない!


さやか「ちぇああああああああ!まどかには指一本ふれさせーん!!」

◆まどかは歌った

ポーキー「歌うのをやめろ!!」


              アー…アー…アー…


◆まどかは歌った

ポーキー「……………」


              ウレシイ…ウレシイ…ウレシイ…


◆まどかは歌った。人も、魔女も、全てを救うために。これが彼女の願い。彼女の愛の歌。

ギーグ様はどこ行ったの?ワルプルギスでもあいつには勝てないだろ

>>285
ギーグはもうやられた後です。これはギーグっぽいワルプルです






                 …オ カ ア サ ン ア リ ガ ト ウ…




杏子「やったのか…!?」

ポーキー「…まさか、こんな歌に敗れるなんてな。もろいもんだな、魔女ってのも」

ほむら「…魔女も元人の子…ということか…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ほむら「空間が崩壊していく!ここにいては危険だわ!皆私につかまって!!」

マミ「はい!」

さやか「あいよ!」

杏子「いてて…手を貸してくれ」

まどか「待って!ポーキー君も一緒に!!」

ポーキー「…はは、マドカ、お前は優しすぎるぜ。こんな俺にも手を差し伸べるってか。悪いけど遠慮しておく」

まどか「そんな…!」

ほむら「まどか早く!もう時間がない!!」

ポーキー「ここで死ぬのもいいな。俺はもう疲れたんだ。お前らは永遠に仲良くやってろよ。じゃあな」

まどか「ポーキーくーーーーん!!」




「おにいちゃーん!お客さんだよー!お隣のピッキー君!」

「あ…こんにちは。兄のこと何か分かりました?」

「…そうですか。そうですよね…すいません。こんなこと聞いて」

「あんなんでも僕の兄だったんです。居なくなったら寂しくて…母は気にしてませんけどね」

「何か分かったら連絡ください。じゃあ失礼します…」

「……………」


◆赤い帽子の少年は、久しく見ない隣人の姿を思い出し、友人の無事を強く祈った


ポーキー「…おい、なんで生きてるんだ俺は」

ポーキー「…お前はどれだけ俺の邪魔をすれば気が済むんだ」

ポーキー「俺はまた、あえて逃げるというような行動をとる」

ポーキー「ネス!お前が悪いんだぞ!次の世界ではどうやって遊んでやろうか!ヒッヒッヒ!」

ポーキー「マドカ!お前たちのことは忘れないぜ!縁があったらまた会おう!シーユーアゲイン!!」

ポーキー「…おっと。ヨーヨーを落とすところだったぜ」



私達の戦いは、こうして幕を閉じた。

あの日あった出来事は、ほぼ全ての住民が避難していたことから目撃者も少なく見滝原の都市伝説として事なきを得た。

そして私は今、まどかと一緒に歩いている。

彼女を、家まで送り届けるために…。


まどか「ティヒヒ、ほむらちゃんとこうしてゆっくり歩くのって久しぶりだね」

ほむら「そうね」

まどか「ポーキー君…大丈夫かな」

ほむら「まだ心配してたの?あいつならきっと大丈夫よ。すっごく悪運の強そうな奴だったし」

まどか「…うん、そうだね」

まどか「そういえばほむらちゃん、昔メガネとみつあみじゃなかった?」

ほむら「えっ…ど、どうして?」

まどか「ちょっとね、夢で見たんだ」

ほむら「そう…夢ね。どうだった?」

まどか「とっても可愛かったよ」

ほむら「そ、そう…嬉しいわ」テレ

ほむら「まどか…私、あなたに秘密にしていたことがあるの。私、実は…ムグッ」

まどか「だーめ。そういう話はやめとこ。今はゆっくり…ほむらちゃんとお話したいな」

ほむら「…そうね。ごめんなさい。そういえばまどか、あの歌はなんだったの?」

まどか「クイーンマリーさんの子守唄だよ。とってもいい歌だったでしょ?」

ほむら「クイーンマリー…?」

まどか「とっても綺麗な人だったよ。皆にも会わせてあげたいなぁ」

ほむら「そうなんだ。…不思議よね、初めて聞いたのにとても懐かしい感じがしたわ」

まどか「歌に人も魔女も宇宙人も関係ない。私、この歌を大事にしていこうと思うんだ」

ほむら「いつのまにか立派になったわね、まどか」

まどか「ティヒヒ、そうかな」

まどか「あ…家についちゃったね」

ほむら「…そうね」

まどか「………」

ほむら「………」

ほむら「あの…まどか」

まどか「何?ほむらちゃん」

ほむら「これからもずっと、私と仲良くしてくれる?」

まどか「変なほむらちゃん。どうしてそんなこと聞くの?」

ほむら「…だって私…」

    「あのーすいません。ちょっと写真撮らせてもらってもいいですか?」

ほむら「え?」

まどか「写真だってほむらちゃん。撮ろう撮ろう!ほらほらこっちこっち!」グイグイ

ほむら「きゃっ///」

     「いやーよかった!きっと最高の思い出になりますよ」

     「さあ、こっちむいて撮りますよーっ!」

     「チーズ、サンドイッチ!」

カシャ




『Because I love you』





ポーキーに対する個人的な解釈とかもありましたが読んでくれた人保守してくれた人ありがとうございました
私もポーキーは好きです

ポーキーは好きとか嫌いとかじゃなくて、生きていちゃいけない奴だと思っている
存在自体を許してはいけないタイプは稀にいる

>>320
そんなカミーユみたいなこといわないであげてください
確かに3ではひどいことしたけどラストは可愛そうだった
どこで道を間違ったんだろうね

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom