ちなつ「あかりわんわんよ!」(105)

            ´           ,>,、
        /             { {//\
           , -=ミ 、    , -‐-ミ V//人
       /   /////,ハ V  / <ス  \ー‐ ´\
         { {/////} } /   人 ` ーrヽ=‐- . ヽ
     {__   弋ー-‐彡' ′ー=く   ヽ ト、: :\\`ハ
     //ハ      ̄   {_,. <} \_,ノ ハ: : 丶:ヽ}

京子「昨日のペット番組面白かったなー」

結衣「ああ。私もペットとか飼ってみたいな、犬とか猫とか……」



 すべてはこの一言から始まりました


 ちなつの家


ちなつ「持ってきた?」

あかり「持ってきたけど、わんわんパジャマで何かするの?」

ちなつ「あかりちゃん。今日の結衣先輩の言葉、覚えてる?」

あかり「? ええと、ペット飼いたいって言ってた……」

ちなつ「そう! 結衣先輩はペットを飼いたがっている! つまり!」

あかり「つまり?」

ちなつ「結衣先輩にふさわしい女の子になるには、ペットを上手に飼うためのスキルも必要なのよ!」

あかり「なるほどぉ~」

ちなつ「だからあかりちゃん私のペットになって」

あかり「えっ」

ちなつ「やっぱり実技で学んでいくのが一番かなって」

あかり「んん!?」

ちなつ「そのためにわんわんパジャマ持ってきてもらったんだから! さあ早く着てあかりわんわんになって!」

あかり「ち、ちょっと待ってよぉ!? あかりペットってどういう……」

ちなつ「だから、あかりちゃんにペットとして振る舞ってもらって、犬の飼い方をシミュレーションするのよ!」

あかり「えっと、それ、根本からおかしい気がするんだけど……。あかり動物じゃないし……」

ちなつ「ううっ……。だってうちペット飼ってないし、飼いたいって言ってもお母さんがダメって言うし」

あかり(だからって、あかりを犬の代わりにするのは何か違う気がするよぉ)

ちなつ「こんなこと頼めるのあかりちゃんしかいないの! おねがい!」

あかり「ちなつちゃん……」

ちなつ「いつも相談ばっかりで悪いと思ってるけど、結衣先輩のためなの……!」

あかり「……うん。ちなつちゃんの頼みだもん! あかり、ちなつちゃんのペットになるよ!」

ちなつ「ほ、本当!? ありがとう、あかりちゃん!!」パァ

あかり「お安い御用だよぉ♪」

あかり「わんわん着てきたよぉ~」

ちなつ「よし、それじゃ早速……。お手!」

あかり「わん!」サッ

ちなつ「おかわり!」

あかり「わんわん!」ササッ

ちなつ「土下座!」

あかり「わふぅ」バッ

ちなつ「ジュース持ってきて」

あかり「わおわおーん!」ダッ

 ・
 ・
 ・

あかり「ハッハッハッ」

ちなつ「よーしよし、ちゃんと持ってこれたねー。いい子だあ」

あかり「わふーん……って何かおかしくないかな!?」

ちなつ「あれ、そう?」

あかり「お犬さんはジュース持ってきたりしないよぉ」

ちなつ「それもそうか……」

あかり「もっとこう、お互いの信頼を深めるようなことしようよぉ。最初のうちは慣れてないから、なかなか心を許してくれないと思うし」

ちなつ「そうね。じゃあ、あかりちゃん、まだ出会ったばっかりの感じでお願い!」

あかり「わかった! わう~……」ジリジリ

ちなつ「おお、いい感じよあかりちゃん! ほ~ら、怖くないからこっちおいで~」

あかり「わんっ!」タタッ

ちなつ「ああん、逃げちゃった」

あかり「う~……」

ちなつ「それなら……。ほーらジャーキーだよー、おいしいよー」

あかり「!」ピク


ちなつ「ほらほら、早く来ないと私が食べちゃうぞー」

あかり「……」ジリジリ

ちなつ(寄ってきた!)

あかり「わんっ!!」バッ

ちなつ「きゃ!」

あかり「わふ♪」モグモグ

ちなつ「くっ、エサだけ取られた……。これは強敵ね」

あかり「♪」モグモグ

ちなつ(ならば、あかりちゃんがエサに夢中になってる隙に近づいて……)


ちなつ「!!」ガバッ

あかり「わひゃ!?」

ちなつ「よーしよしよしよしよしよし!!」ナデナデナデナデ

あかり「わぷっ!?」

ちなつ「よーしよしよしよしよしよしよーしよしよしよしよしよし!!」ナデナデモフモフナデナデ

あかり「わんっ、わ、ちょ、ちなつちゃ……!?」

ちなつ「むちゅー」

あかり「ひいいい!!」


 ・
 ・
 ・


あかり「」グッタリ

ちなつ「……みたいなことを昔テレビでやってるのを見た気がして」

あかり「」

ちなつ「あかりちゃん?」

あかり「わん……」

ちなつ「どうだった? わんわん的には信頼度アップした?」

あかり「……わんわんは、喜ぶんじゃないかな……。わんわんは……」

ちなつ「本当!? よし、このテクは実際に使えそうね!」

あかり「……」


ちなつ「飼い主とペットの友情が深まったところで、次はどうしようかな?」

あかり「疲れたから休みたいわん……」

ちなつ「そうね、ちゃんとペットの身体を気遣うことも大事よね!」

あかり「うん……」

ちなつ「それじゃ、あかりちゃんをベッドに……。よっ、こいしょ」

あかり「わわっ! ち、ちなつちゃん、あかり歩いて行けるよぉ!?」

ちなつ「だ、大丈夫、たかが犬一匹っ、抱っこできなくて、何が飼い主よ……」ヨロヨロ


  ぽふっ


ちなつ「っはあ、ふー……。じゃあ、しばらくベッドで休んでてね」

あかり「う、うん。ありがとう、ちなつちゃん」


 ・
 ・
 ・


あかり「zzz……」

ちなつ「あかりちゃんよく寝てるなぁ」

あかり「わん……」

ちなつ「ぷっ。夢の中でもわんわんやってる」

あかり「むにゃ……」

ちなつ「いつもごめんね。私のわがままに付き合わせちゃって」ナデナデ

あかり「ん……」

ちなつ「おっと、起こしちゃう」

あかり「zzz……」

ちなつ「うーん、でもそろそろあかりちゃん帰らなきゃいけない時間だし……。どうしよう。ぐっすり寝てるし、起こすのもかわいそうよね……」

あかり「zzz……」


 ・
 ・
 ・


あかり「……ん、あれぇ……。ちなつちゃん……」

ちなつ「あ、起きた?」

あかり「ふわぁ……。あかり、すっごい寝てたよぉ……」

ちなつ「ホントにねー。もう7時だよ?」

あかり「……え、7時!? わわっ、あかり、早く帰らないと怒られるよぉ!」

ちなつ「それなんだけど……。ごめん、勝手にお泊りするって連絡しちゃった」

あかり「え? そうなの?」

ちなつ「明日学校お休みだし、あんまりぐっすり寝てたから、起こすのもかわいそうかなって……」

あかり「そっかぁ、ありがとう。あかりもちなつちゃん家にお泊りするの、初めてだから楽しみだよぉ♪」

ちなつ「それに、ペットの面倒はちゃんと飼い主が見ないとね!」

あかり「あ、ペット設定まだ続いてたんだ」

ちなつ「当前よ! ふふふ、今夜はかわいがってあげるからね~」

あかり「ち、ちなつちゃん目が怖いよぉ!?」

ちなつ「あかりちゃん知ってる? 動物もマッサージしてあげると喜ぶんだって~」ワキワキ

あかり「ひいいいい!?」

 ・
 ・
 ・


 チュンチュン


ちなつ「ふあぁ……おはよーあかりちゃん……」

あかり「……オハヨウ」ゲッソリ

ちなつ「あかりちゃん、昨日のマッサージどうだった? よく眠れたでしょ?」

あかり「……ウン」ゲッソリ

ちなつ「よかった♪ やっぱり疲れたときにはマッサージよね!」

あかり(あいたた……。マッサージの後遺症で、腰が……)


 「ちなつー 早く起きなさーい」


ちなつ「あ、お母さん呼んでる……。私先に行ってるね」タッタッタ....


あかり「あかりも起きないと……。あだだだっ!!!」

あかり「お、起きれない……」

あかり「うう、みっともないけど、はいはいで行くしかないよぉ……」ヨチヨチ

あかり「……わんわんパジャマ着てるし、本当にわんわんになった気分だよぉ」


ともこ「うーん、今日も気持ちのいい朝ねー。」


あかり(あ、ちなつちゃんのお姉さんだ)

あかり「おはようございますわん」

ともこ「あら、おはy……!!?」

あかり「?」

ともこ「い、いえ、おはよう……」(犬!? 四つん這い!? 何で!!?!?)

あかり「いいお天気ですねー」ヨチヨチ

ともこ「ええと、そうね……。ところであかりちゃん、なんで四つん這いなの?」

あかり「あ、えっとこれは、かくかくしかじか」

ともこ「そ、そうなの、良かったわ……。変なプレイとかじゃなくて……」

あかり「プレイ?」

ともこ「あはは、何でもない、何でもないのよ」


 ・
 ・
 ・


ちなつ「そ、そんな……。私のマッサージのせいであかりちゃんの腰が……」ガーン

あかり「ああっ、だ、大丈夫だよ! そのうち治るから!」

ちなつ「ごめんねあかりちゃん……。きっと効果が強すぎたのね、薬も過ぎれば毒となるって言うし」

あかり(最初から猛毒だよ!?)

ちなつ「今日はこのまま部屋で大人しくしてた方がいいよね」

あかり「うん……。あ、でも、はいはいで移動する分には大丈夫だから、ペット役はできるよぉ」

ちなつ「ダメよ、悪くしちゃったらいけないし。私のことなんていいから、あかりちゃんが第一よ!」

あかり「……えへへ、ありがとぉ♪」

 コンコン

 「ちなつー、ちょっといい?」


ちなつ「あれ、お姉ちゃん……?」


 ガチャ

ともこ「うふふー」

ちなつ「お姉ちゃん、何か用?」

ともこ「ちなつ、ちょっとお使い頼まれてくれないかしら」

ちなつ「え、お使い?」

ともこ「テレビのリモコンの電池切れちゃって。お釣りでお菓子とか買ってきていいから」

ちなつ「あ、でもあかりちゃんが……」

あかり「?」

ともこ「私が面倒見ててあげるから大丈夫よ、うふふ」

ちなつ「う~ん……。分かった、じゃあお姉ちゃん、あかりちゃんのことお願いね」

ともこ「任せて♪」

ちなつ「ごめんあかりちゃん、私ちょっとお使い行ってくるから。すぐ戻ってくるからね」

あかり「あ、うん。行ってらっしゃい」

 バタン....

ともこ「……さて、あかりちゃん」

あかり「はい?」

ともこ「わんわんパジャマ、本当にかわいいわね~」

あかり「そ、そんな……。えへへ」

ともこ「……お手!」

あかり「わん♪」ポス

ともこ(かわいいいいいいいいいいいいいいい!!!!)

あかり「ど、どうかしました?」

ともこ「ああいえ、なんでもないのようふふ……。そうだあかりちゃん、ジュースでも持ってくるわね!」


ともこ「はい、どうぞ♪」

あかり「え、あの……」

ともこ「あら、オレンジジュースは嫌だったかしら?」

あかり「そ、そうじゃなくて……。何でお皿にジュース入ってるんですか?」

ともこ「あかりちゃん四つん這いだから両手が使えないでしょ? だから舌でこう……ね?」ドキドキ

あかり(ええー……)

ともこ「く、口移しっていうのもアリかしら!?」ハァハァ

あかり「ひい!? いいいえ、大丈夫ですぅ!?」

ともこ「あら、そう……」

あかり「あはは……。じゃあジュースを……んっ」ペロ

ともこ「!!」

あかり「」ピチャピチャ

ともこ「お、おいしい!? あかりちゃん、ジュースおいしい!?」

あかり「んっ……。っは、おいしい、わん……」ピチャピチャ

ともこ(はうううううううううん!!!)キュンキュン


ともこ(……うぐっ、だ、ダメだわ! 破壊力が強すぎて自分を抑えられない……!)

あかり「だ、大丈夫ですか……?」

ともこ「ハァハァ……。あかりちゃん、居間の方でテレビ見ないかしら?」

あかり「あ、はい、いいですよぉ♪」

ともこ(テレビでも見て気を紛らわせないと……)

あかり「それじゃ行きましょう♪」ヨチヨチ

ともこ(あかりちゃんマジわんこ)


あかり「あ、階段……」

ともこ「あかりちゃん、その恰好じゃ階段降りにくいわよね……。よし、私につかまって?」

あかり「は、はい」ガシ

ともこ「よいしょ」

あかり(わわっ! 抱っこ!?)

ともこ「ふふ、あかりちゃんは軽くていいわね」

あかり「あ、ありがとうございます……///」

ともこ「それじゃ降りるわね」トントン

あかり「大丈夫ですか?」

ともこ「平気へいき♪ これでもあかりちゃんより6つも年上なn

 ズルッ

ともこ「あっ」

あかり「へ?」


 ドンガラガタガタバターン!


ちなつ「ただいまー」

ちなつ「あかりちゃん待たせちゃったかなぁ……」

ちなつ「あれ? 階段のところに誰か……」


あかり「」

ともこ「」


ちなつ「あ、あかりちゃんにお姉ちゃん!? 二人とも階段から落ちたの!?」

ちなつ「あかりちゃん、しっかり!」ペシペシ

あかり「う、ううーん……」

ちなつ「お姉ちゃんも起きて!!」ベチン

ともこ「へぶっ」


 ・
 ・
 ・


ちなつ「お姉ちゃん、ちゃんとお世話するって言っといたくせに何やってるのよ!?」

ともこ「ご、ごめんなさい……」

あかり「まあまあ、あかりは大丈夫だったし……。それに落ちたときの衝撃で腰痛いのも治ったし!」

ちなつ「はぁ……。あかりちゃんがそう言うならいいけど」

あかり「でもその代わりに、今度はともこさんが腰を痛めちゃったんですよね……。すみません、あかりのせいで」サスサス

ともこ「ううっ……。あかりちゃん、なんて優しいの」ウルッ


 ピンポーン


ちなつ「あれ、お客さん? はーい!」


あかね「こんにちはー」

ちなつ「あれ、あかりちゃんのお姉さん?」

あかり「お姉ちゃん!」

あかね「ちなつちゃん、あかりがお世話になってるわね。今日はともこさんとお出かけする約束をしてたんだけど……」


 ドタドタ

ともこ「あ、あかねさん!? あかねさんの方から会いに来てくれるなんて……!」ヨチヨチ

あかね「……ともこさん、お馬さんごっこの途中かしら?」

ともこ「ああっごめんなさい! 私ったらあかねさんの前でこんな恰好……」

ちなつ「実はかくかくしかじかで」

あかね「あら、そうなの。あかりを抱っこしたまま階段から……。あらあら~」コォォォ

ちなつ(禍々しいオーラが!?)

あかね「それじゃあともこさん、一緒にお出かけ……。いえ、お散歩に行きましょうか?」

ともこ「えっ! あ、あの、ごめんなさい。私、腰が痛くてちょっと今日は……」

あかね「うふふふ。四つん這いなら動けるんでしょう? なら問題ないわね。今日のお出かけ、ともこさんもすっごく楽しみにしてたじゃない」

ともこ「でも私、このままで街を歩くのは恥ずかし……」

あかね「」ゲシッ

ともこ「ああん!/// い、行きますっ! あかねさんと一緒にお散歩行きますぅ!///」

あかね「ちなつちゃん、あかりのことよろしくね。ほら、ともこわんわんも、行ってきますって挨拶なさい」

ともこ「い、行ってきま……」

あかね「」ゲシッ

ともこ「あひん!/// わ、わんわんっ!///」


 バタン....


ちなつ「……」

あかり「……」


ちなつ「部屋、もどろっか……」

あかり「うん……」ヨチヨチ

ちなつ「あれ、あかりちゃん、立てるようになったんじゃないの?」

あかり「はっ! つ、つい……」


 ・
 ・
 ・


 そんなわけでペットごっこを再開するのだった

あかり「わんわん!」

ちなつ「よーしよーし」ナデナデ

あかり「わふー」


あかり「くぅ~ん」スリスリ

ちなつ(すごい、あかりちゃん完全に犬になりきってる!)

あかり「」ペロペロ

ちなつ「きゃあ!? ち、ちょっとあかりちゃん、さすがに顔舐めるのは……」

あかり「♪」ペロペロ

ちなつ「もういい、もういいから……!」グググ...

あかり「くぅーん」コロン

ちなつ(お腹を見せて服従のポーズ!?)

あかり「」コロコロ

ちなつ(イメージに没入しすぎて身も心も犬になってるのね……)

あかり「くぅん?」

ちなつ(今のあかりちゃんは完全に犬化してる……。今のあかりちゃんになら……)


ちなつ「……」ゴクリ

ちなつ「あかりちゃん」スッ

あかり「わぅ……?」


 ちゅっ


あかり「!」

ちなつ「ふふ、あかりちゃんのくちびる、やっぱり柔らかい」

あかり「……」ペロ

ちなつ「んっ……。キスのお礼?」

あかり「わん♪」

ちなつ「いい子ね、あかりちゃん」ナデナデ

あかり「きゃうん」

ちなつ「こっちの方も撫でてあげるね……」サワッ

あかり「んっ……」

ちなつ「服の上からでも感じちゃうんだね、あかりちゃん……」


 あかりと長い時間を過ごした

 次の日・学校


あかり「ちなつちゃん、おはよう」

ちなつ「あ、あかりちゃん、おはよう……///」

あかり「どうかした?」

ちなつ「べ、別に何でも……。あはは」

あかり「土日はちなつちゃんのおうちにお泊りできて楽しかったよぉ~」

ちなつ「そっそう!? よかった~」ドキドキ

あかり「でも、何だか昨日の記憶だけやけに曖昧なんだよねぇ。ちなつちゃん、昨日何したか覚えてる?」

ちなつ「ふふ普通に遊んでただけだと思うけど~……」

あかり「そうだっけ?」

ちなつ「そうよ~あは、あはは……」ダラダラ


 授業中

あかり「……」ソワソワ

ちなつ「……」

あかり「……」チラチラ

ちなつ(あかりちゃんが何か落ち着きない……)


 休み時間

あかり「ふう~。やっと終わったねぇ、ちなつちゃん」ギュ

ちなつ「あ、うん、そうね……。ところで何で手握ってるの?」

あかり「ええと、何だかちなつちゃんに触れてないと落ち着かなくて……」

ちなつ「そ、そう///」ドキ

あかり「えへへぇ♪」

ちなつ「あ、色ペン忘れてきちゃった……」

あかり「あかりが貸してあげるよぉ」

ちなつ「ほんと? ありがとう、あかりちゃん」スッ

あかり「わん!」ポス

ちなつ「えっ」

あかり「はっ!! か、身体が勝手に……」



櫻子「アレ私もやりたーい! 向日葵、お手!」

向日葵「……」

櫻子「お手! おーて!! ちょっと、お手って言ってるじゃん!!」

向日葵「しっしっ」

櫻子「むきー! 何だメス犬おっぱいのくせにー!」

向日葵「だ、誰がメス犬ですの!」

めりちゃん「向日葵ちゃんはむしろネコかなー」

 ごらく部。


京子「今日はスーパーボール持って来たよ」

結衣「また懐かしいものを……」

ちなつ「あ、このボールきれーい」
あかり「ほんとだぁ」

ちなつ「デコボコした形のもあるんですねー」
あかり「ちなつちゃん、これも綺麗だよぉ」


京子「なあ結衣」

結衣「何だ、京子」

京子「あの二人さあ……」


あかり「キャッキャ」
ちなつ「ウフフ」


京子「距離近くない?」

結衣「……うん」

ちなつ「スーパーボールって投げたらすっごい跳ね返るのよね……。えいっ」ポイ

あかり「!」キュピーン

あかり「わんわんわん!!」ダダッ

ちなつ「!?」

京子(あかりがいきなり走り出した――!?)

あかり「わんっ!」パク

結衣(スーパーボールを口にくわえた――!?)

あかり「わふっ」タタッ

京結(ご主人様の元に戻っていく――!?)

 コトッ

あかり「わん♪」

ちなつ「……あ、ありがとう、あかりちゃん……」

あかり「えへへぇ」


京子「ちょっと結衣さんなんですか今の」

結衣「知らんがな……」

ちなつ「……あかりちゃん」

あかり「なに?」

ちなつ「お座り」

あかり「わん!」バッ

ちなつ「……」

あかり「あっ」

ちなつ「なんか……ますます犬化してない?」

あかり「ううっ」

ちなつ「ひょっとして、私があかりちゃんにわんわんを強制したから……」

あかり「そ、そんなことは」(あるかも……)

ちなつ「これ以上悪化するといけないし、わんわんはしばらく封印ね」

あかり「うん……」


 忍耐の日々が始まった


ちなつ「あかりちゃん、それ取ってくれる?」

あかり「うん、いいよぉ」

ちなつ「ありがとう」

あかり「どういたしましてぇ」スッ

ちなつ「……!!」ペシッ

あかり「あっ……」

ちなつ「あかりちゃん、今、お手しようとしたでしょ……!?」

あかり「ううっ、ごめんねぇ……」

 ・
 ・
 ・

先生「“私はペンを1本持っています”。赤座さん、これを英語に訳してみて」

あかり「は、はい。えっと、アイハブ……」

あかり「……」

ちなつ(あかりちゃん?)

あかり「ア、アイ、ハブ……!」ウズウズ


あかり「わん!!!」


クラス「!?」

あかり「……ペン」

ちなつ(あちゃー)

先生「は、はい、正解です。元気がいいですねー」

あかり「あぅ……」

 ・
 ・
 ・


あかり「ちなつちゃん、部室いこぉ♪」ピト

ちなつ「う、うん……」ドキッ

あかり「……♪」スリスリ

ちなつ「!!」バッ

あかり「あっ……」

ちなつ「だ、ダメよあかりちゃん! 私はもう、あかりわんわんの飼い主じゃないんだから……!」

あかり「でもあかり、ちなつちゃんとくっ付いてないと、何か落ち着かないっていうか……」

ちなつ「……それはあかりちゃんがわんわんだったころの名残よ。あかりちゃんはもうペットじゃなく、ただの友達に戻ったじゃない」

あかり(ただの、友達)ズキ

ちなつ「だからそういうことは……」

あかり「友達は、そばにいちゃいけないの?」

ちなつ「え……」

あかり「あかり、なんだかよく分からないけど、ちなつちゃんのそばにいないと落ち着かないよぉ。ちなつちゃんの近くにいて、ちなつちゃんに触れてないと、すっごく寂しくなっちゃうんだよ」

ちなつ「そ、それは、えっと」

あかり「もっとちなつちゃんと触れ合いたいんだもん! ちなつちゃんにいっぱいかわいがって欲しいんだもん! ちなつちゃんのそばにいれないなら、あかりわんわんのままでいいよっ! あかりのこと、またちなつちゃんのペットにしてよぉ!」

ちなつ「ちょっと、あかりちゃん、落ち着いて……!?」

あかり「だってっ……。だってぇ……」ポロポロ

ちなつ「あかりちゃん……」

あかり「ぐすっ……。ひぐ……」

ちなつ「……ごめんね。私、あかりちゃんを元に戻すのに躍起になって、あかりちゃんの気持ちとか、全然考えてなかった」

あかり「ううん……。あかりも、変なこと言ってごめんね。あかりがわがまま言ってるだけだよぉ……」グスッ

ちなつ「もう、そんなこと言わないの。あかりちゃんは、もっとわがままで丁度いいくらいなんだから」

あかり「そうかな? ……えへへぇ」

ちなつ「でもね、あかりちゃん。やっぱり、あかりちゃんを私のペットには出来ないわ。あかりちゃんはペットじゃなく、友達だもの」

あかり「……うん。そう、だよね」


ちなつ「あかりちゃんは、私のことどう思ってる?」

あかり「……ずっと一緒にいたい。ちなつちゃんと離れたくないよぉ」

ちなつ「じゃあ、ずっと一緒にいれる関係になる? ペットでも友達でもなく……」

あかり「え……?」

ちなつ「恋人」

あかり「え……。え、えええっ!?///」

ちなつ「ふふっ♪ 私はいいよ、あかりちゃんと恋人になっても」

あかり「で、でもっ、あかり、そういうの、まだ、よくわかんなくてっ……///」アセアセ

ちなつ「これからちょっとずつ知っていけばいいのよ。ずっと一緒にいてくれるんでしょ?」

あかり「う、うんっ……。ずっと、一緒……」

ちなつ「友達のままでいいなら、それでもいいけど……。あかりちゃんの気持ちは、どう?」

あかり「…………こ、恋人が、いいっ」

ちなつ「そっか。じゃあこれからは友達じゃなく、恋人ね、あかりちゃん!」

あかり「うんっ!」

あかり「あ、あのっ、ちなつちゃん」

ちなつ「なに?」

あかり「ちなつちゃんのこと、ぎゅ~~って、したいっ」

ちなつ「うん。恋人のお願いなら……しょうがないわね」

あかり「えへへぇ、やったぁ♪」ダキッ

  ぎゅ~~

ちなつ「あかりわんわんは甘えん坊さんね」

あかり「む~。もうわんわんじゃないよぉ」

ちなつ「はいはい」ポンポン

あかり「わんわんじゃないのにっ」

ちなつ「でもあかりちゃんの身体、わんわんみたいにあったかい」

あかり「そっそうかな……えへへ///」


 ・
 ・
 ・


あかり「♪」テクテク

  今日はあかりちゃんとふたりでお散歩です

あかり「手つないでお散歩するの、楽しいねぇ~♪」

ちなつ「ふふっ、あかりちゃん、ホントに楽しそう」

あかり「恋人さんと一緒だとすっごく楽しくて、ぽかぽかだよぉ♪」

ちなつ「あかりちゃんって、たまに恥ずかしいこと平気で言うよね……///」

あかり「? そうかなぁ」

ちなつ「そうよ、この間だって……」

あかり「あっ! ちなつちゃん、あそこにネコさんいるよぉ♪ かわいい~」

ちなつ(ほんと、わんわんみたいね)

あかり「ねえ、ちなつちゃん」

ちなつ「なに?」

あかり「腕、組んでもいい?」

ちなつ「……うん、どうぞ」

あかり「やったぁ♪」ギュ

ちなつ(ちょっとしたことで、本当に嬉しそうな顔してくれる)

ちなつ「……」ナデナデ

あかり「わっ……。どうしたの?」

ちなつ「ううん、なんとなく」

あかり「……」ペロ

ちなつ「ひゃ!?/// な、なんでほっぺ舐めるのっ!?」

あかり「なんとなくだよぉ~♪」

ちなつ「もうっ」


 ・ ・ ・

    おわりわん!

やっぱ終わりまで書き溜めないとダメだわ詰まる
終わりが見えなさすぎて困るわんわん

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