幼エルフ「おじちゃんはなんで毛むくじゃらなの?」
オーク「気付いたらこうなっていたのさ」
幼エルフ「おじちゃんのお鼻はどうして大きいの?」
オーク「それも、いつの間にかこうなっていたんだ」
幼エルフ「おじちゃんはエルフじゃないのに、どうしてエルフしか知らないおまじないを知ってるの?」
オーク「おじちゃんは昔、エルフだったからさ」
くぅ疲
幼エルフ「おじちゃんはどうして毛むくじゃらの大きいお鼻になったの?」
オーク「さぁ…。でも思い当たることがある。昔、とても悪いことをした」
幼エルフ「なにをしたの?」
オーク「昔、俺は君の住んでいる里で暮らしていた」
オーク「そこで、とても悪いことをしたんだ。それで里に居られなくなって、姿もこうなってしまった」
幼エルフ「おじちゃんはどこに住んでるの?」
オーク「この先に谷があるだろう。君たちが『暗がり谷』と呼んでいるところだ。その谷の底に住んでいるんだ」
幼エルフ「おじちゃんはどうしてここに毎日いるの?」
オーク「ここに狩に来ているのさ。狩がひと段落して休んでいると、いつも君がやって来るだろう?だからここにいつもいるんだ」
オーク「おっと、そろそろ帰らないと陽が沈んでしまうぞ」
幼エルフ「えー?やだ!もっといろいろ教えてよ!」
オーク「また明日ここに来ればいい」
幼エルフ「ぶー!……わかったよ」
オーク「そうだ、帰る前にこれを持って帰ってくれ」
幼エルフ「わあ!きれい!」
オーク「これを君のお母さんに渡してくれないか?ここで拾ったと言って」
幼エルフ「あたしにはくれないの?」
オーク「もっと大きくなったらひとつあげよう。それまではお預けだ」
幼エルフ「わかった!」
……
幼エルフ「ただいま!」
母エルフ「おかえりなさい」
幼エルフ「あのね、お母さん、これ」
母エルフ「……!幼、これ、どうしたの?」
幼エルフ「あのね、えっとね、拾ったの」
母エルフ「どこで?」
幼エルフ「えっとね、森の出口のところ」
母エルフ「……そんなところに……」
幼エルフ「……?」
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