モバP「もうこんな時間か」 (67)

モバPがグダグダ飯を作るだけのSSです

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~事務所・残業中~

モバP「……」カタカタ

ちひろ「……」カタカタ

モバP「……」チラッ

モバP「もう八時か……」

ちひろ「あら、ホント……気付きませんでした」

モバP「二人揃って残業なんて久々ですね」

ちひろ「ですね。プロデューサーさんはアイドル達の付き添いや営業で事務所にいる方が少ないですし」

モバP「ご迷惑おかけしてます」

ちひろ「いえいえ。ところで……お腹空きません?」

モバP「そうですね。もういい時間ですし」

ちひろ「コンビニで何か見てきましょうか」

モバP「あ、よかったら俺がなにか作りましょうか?」

ちひろ「えっ!?」

モバP「……なんですか『えっ!?』って」

ちひろ「え、あ、そのー、意外だなーと……」

モバP「今日び料理できる男なんて珍しくもないですよ。俺も一人暮らししてた時に覚えましたし」

ちひろ「ちなみに腕前は」

モバP「家庭料理レベルならまあ問題なく」

ちひろ「じゃあ……お任せしちゃってもいいですか?」

モバP「任されました。何か食べられないものあります?」

ちひろ「いえ、特には」

モバP「分かりました。チャチャっと作っちゃいますね」

~給湯室・兼キッチン~

モバP(冷蔵庫には……ピーマン、人参、玉ねぎ、ホウレン草、白菜、絹ごし豆腐その他……肉はないか。野菜がやたら多いな)

モバP(米は昼の残りがあるから大丈夫、となると……)

モバP「野菜炒めで行くか」

モバP(鍋にたっぷりの水を火にかけて、と)

モバP(同時に昆布を5センチぐらい……ざっと洗って小鍋に放り込んで煮る)

モバP(鍋の水が沸くまでの間で野菜を洗って刻む。大きさは均等に……)トントントン

モバP(ついでに深皿に氷水を作り、豆腐を一丁ドボン。冷蔵庫へ)

モバP(お、小鍋が沸いたか。普通、昆布は沸き立つ寸前に取るものと言われてるが……)

モバP(今回は事前に水につけてない分、煮る。2分ほど昆布を鍋で躍らせる感じ)

モバP「よし、もういいか」

モバP(次、小鍋に金ザルをセットして、鰹節を一掴み)

モバP(そしてフツフツと煮る。多少煮た方が出汁の味が濃くなってよろしい。煮過ぎには注意)

モバP(鰹節を引き上げたらスプーンでザルに押し付けるようにしてよく絞り、だし汁完成)

モバP(後は細切りにした白菜を入れて、柔らかくなるまで煮込む)



~事務所~

ちひろ(あ、なんかいい匂い……)クンクン



モバP「よし、鍋が沸いたな」グツグツ

モバP(次はホウレン草だ。鍋に塩をサッと溶かして、根からつける)

モバP(葉が色付いて茎がほどよい固さになったら上げて水にさらして)

モバP(さっと泳がせたらすぐ水を取り替え、それを何度か繰り返す)

モバP(水を絞って、食べやすい大きさに切って……)ザックザック

モバP(すりごまと和えて、しょうゆを少し)

モバP「……」パクッ

モバP「うん、うまい」

モバP(お次は味噌汁。とは言っても残りは仕上げだけだ。白菜はもう煮えてるので、火を止めて味噌を溶かす。そして最後にもう一煮立ち)

モバP(味は……)ズズ

モバP「……良し」




~事務所~

ちひろ(お味噌汁の匂いだ……お腹空いてきたな)グウ



モバP(さて、メインだ。野菜炒めにはこの中華鍋を使う)

モバP(ちなみに私物)

モバP(火力最大で、できるだけ熱く)

モバP(油を投入。しっかり全体に行き渡らせる)

モバP(ここからはタイミングが大事だ)

モバP「まず人参!」ジュワッ

モバP(そしてすぐさま塩!)

モバP「ピーマン! 玉ねぎ!」

モバP(火が通ったら仕上げに醤油を少々!)

モバP(味見を……よし、大丈夫)モグモグ

モバP(完成したらそのまま皿に。いつまでも熱い中華鍋に置いといたら野菜から水が出る)

モバP「最後に冷やしといた豆腐を出して、と」

モバP(半分に切ってシンプルな冷奴。薬味がロクに無かったのが悔やまれるな)

モバP「こんなもんかな。あとは……」

モバP(あ、おととい仕込んどいたキュウリの浅漬けがあったな。あれも出そう)

モバP「野菜炒め、味噌汁、ホウレン草のごま和え、冷奴、浅漬け。よし完成!」

~事務所~

モバP「ちひろさん、出来ましたよー」

ちひろ「わ、美味しそうですね。というか、すごく本格的なような……いい意味で裏切られました」

モバP「何が出てくると思ってたんですか……」

ちひろ「じゃ、じゃあ、早速貰っちゃいますね? いただきます!」

モバP「俺も、いただきます」

ちひろ「おいしい……お味噌汁の味って、なんだかほっとしますねえ」

モバP「普段インスタントとか食べてると、ふとした時にこういうのが食べたくなりますよね」

ちひろ「あ、この野菜炒め、いいですね。シャキシャキしてて」

モバP「でしょう? 得意料理なんですよ」

ちひろ「ホントに……このホウレン草も……冷奴もなぜか自分でやるより美味しいですし……」

モバP「ち、ちひろさん? なんかヘコんでません?」

ちひろさん「ヘコんでません! 自分よりプロデューサーさんの方が料理上手かもしれないからってヘコんでるなんてそんな……!」パクッ

ちひろさん「あれ、このお漬物、どこのですか? まろやかというか……ご飯によく合いますね」

モバP「あ、それは俺が漬けました」

ちひろ「漬けた!? じ、自分で!?」

モバP「はい」

ちひろ(負けた……完全、敗北だ……)





今度プロデューサーさんに料理を習おうかな、と思うちひろさんでした。




ちひろ編終わり。続きは今日か明日に

~事務所~

モバP「……」カタカタ

モバP「……」チラッ

モバP(そろそろ九時か……うわ、もう外真っ暗だ)

モバP(一人きりだとどうも仕事に没頭し過ぎるな)

モバP(ちひろさんはさっさと帰っちゃったから話し相手もいないし)

モバP(いっつも騒がしいから、静かな事務所ってのはなんかこう、違和感があるなあ)

モバP(それにしても……九時か)

モバP「腹、減ったな」


ガチャッ

早苗「お疲れ様ー! 今帰ったわよー……って、あれ? 誰もいない?」

早苗(出かけてるのかしら? 鍵も閉めないなんて不用心ねー)

<ガタタッ!

早苗「む、怪しい物音! これは……給湯室ね!」


バタン!


早苗「ホールドアップ! 無駄な抵抗はやめて大人しく……ってP君?」

モバP「ああ、早苗さんですか、もう……びっくりさせないでくださいよ」

早苗「あはは、ゴメンゴメン。怪しい物音が聞こえたからつい昔のクセで」

モバP「いきなりドアが大きな音立てるもんだから驚いたんですよ」

早苗「P君って結構小心者よね……で、何やってたの?」

モバP「え、ああ、いや、その……」

早苗「あら、なーに? お姉さんには言えないっての? タイホしちゃうわよ?」

モバP「あ、怪しいことはしてませんって。ただ晩飯を作ろうとしてたところで……」

早苗「晩御飯? P君が?」

早苗「……料理できたの?」

モバP「俺ってそんなに料理できないように見えます?」

早苗「や、まあイメージというか……」

モバP「はあ……」

早苗「と、こ、ろ、で」

早苗「私もまだ晩御飯食べてないのよねー。ちょっとお腹すいたなー、なんて……」チラッ

モバP「……早苗さんの分も作りましょうか?」

早苗「わ、ホント? 悪いわねなんか!」

モバP「なんか食べられないものあります?」

早苗「んー、ない!」

モバP「分かりました。じゃあ、向こうで待っててください。出来たら持ってきます」

早苗「はいはーい」

モバP「……さて」

モバP(いつもならここで冷蔵庫とにらめっこするところだが、今日はそんなことは無い。もう作るものは決めてあるのだ)

モバP(ズバリ、鯖味噌)

モバP(その為に材料も買い揃えてある)

モバP(早苗さんの襲撃は予想外だったけど……多めに材料用意しといてよかった)

モバP「鯖、人参、ゴボウ、生姜、長ネギ。量もよし」

モバP(人を待たせてることだし、ササッと始めよう)

モバP(まずは小鍋に洗った昆布を入れて火にかける。味噌汁用だ。これは欠かせない)

モバP(その隣で水も沸かして、と)

モバP(沸くまでの間に野菜の用意。人参を細切りにし、長ネギは斜め切り)

モバP(ついでに乾燥ワカメを水で戻しとこう)

モバP(ゴボウはよく洗ってささがきにする。大きめのボウルに水を張り、切ったそばから投入していく)

モバP(白くする必要はないので、酢水ではなく普通の水でいい。ささがきはやや太めに……)

モバP(そうこうしてる内に鍋がグツグツ言い始めた。昆布を出して、鰹節で出汁を取って……よし完成)

モバP(ネギを突っ込んで、あとは煮るだけ)

モバP「そして……」

モバP(いよいよメイン。鯖の登場だ)

モバP(切り身二つ……余った方は持って帰って朝飯にしようと思ってたんだけど、まあ仕方ない)

モバP(皮目から斜めに包丁を入れる。こうすれば煮崩れを防げる上に皮も縮まなくなるから見た目も良くなる)

モバP(次に適当な大きさの皿に切り身を二つ並べて、ふきんをかぶせる)

モバP(出汁の横で煮立たせておいたお湯をさっと掛けて……すぐ水で冷やす!)

モバP(鯖はこれでよし。後は一緒に煮る生姜を刻んでいく。皮は剥かない方が風味がよく出る気がするのでそのまま)

モバP(さっきお湯を沸かしていた鍋に煮汁を作っていこう)

モバP(水、酒、みりん、しょうゆ。後で味噌を入れるのでこの煮汁は薄いくらいでいい)

モバP(刻んだ生姜を一緒に煮立たせる。火加減は強めの中火で)

モバP(……よし、沸騰したな)

モバP(一度に入れると煮汁の温度が下がるから、皮を上にして一切れずつ入れていく)

モバP(火は弱めない。のんびりやってたら臭みが出るから、強めの火でわーっと煮るのがコツ)

モバP(落し蓋は……あれ、ない。まあいいか。上からしっかり煮汁をかけるようにすれば問題なし)

モバP(鯖を煮ているスキに、味噌汁の仕上げをしよう。味噌を溶かして、ワカメを入れて、ひと煮立ち)

モバP(味見……)ズズ

モバP「よしよし」



~事務所~

早苗(あ、いい匂いしてきた。なかなか手際よくやってるっぽいわね)

早苗(こう、料理が出来るのを音が聞こえてくる距離で待つって、子供の頃を思い出すわ……)

早苗(なんか、いいかも)フフ


モバP(時々煮汁を上から回しかけつつ……鯖がいい具合になるまでまだかかるな)

モバP(今の内に、きんぴら行っとこう)

モバP(味噌汁をいったん避難させて、新しい鍋にごま油をひく)

モバP(水につけたままだったゴボウはよく水けを切って、鍋が温まったら人参と一緒に投入)

モバP(しんなりするまで炒める……やりすぎると歯応えがなくなるから確認しつつ)

モバP(火が通ったらみりん、しょうゆ、砂糖等で味付け。最後にすりごまを振りかけて、一味唐辛子をぱらり)

モバP「……」モグモグ

モバP「よし、問題なし」

モバP(そろそろ鯖がいい感じになってきたな)

モバP(フライ返しで鯖をいったん鍋から出して味噌を溶かす。みりん、酒、砂糖で微調整)

モバP(早苗さんもいるし、ちょっと甘めに……これくらいか?)ズズ

モバP(再び火にかけて、煮立ったら鯖を戻す)

モバP(味噌が焦げ付かないように気を付けて、と)

モバP(煮汁を回しかけつつ、汁気が飛んでトロリとしてくるまで五分ほど煮て……)

モバP(完成だ)

モバP(鯖は皿に置いたあと煮汁をとろっとかける。うむ、うまそう)

モバP(後はきんぴらと、味噌汁は……まだ熱々だな。あ、白菜の漬物も買ったんだった)

モバP(小鉢にきんぴら盛って、味噌汁と漬物もよし)

モバP(ご飯もよそって、いい感じに並べて)

モバP「よし、出来上がり」

~事務所~

モバP「できましたよー」

早苗「お、やっとね。お姉さん待ちくたびれちゃったわ。もうおなかペコペコ」

モバP「お待たせしてすいません」ハハ…

早苗「これは……鯖の味噌煮?」

モバP「あときんぴらごぼうと、ネギとワカメの味噌汁ですね」

早苗「ちょっとした定食じゃない。P君にこんな特技があったとは、意外だったわ」

モバP「特技なんてもんじゃないですよ。ちょっとかじってるだけです」

早苗「なんにせよおいしそうね……もう食べていいんでしょ?」

モバP「はい、どうぞ」

早苗「いただきまーす」

モバP「いただきます」

早苗「ん、おいしい! 味噌煮がいいわね。甘みがあって、とろっとしてて、風味があるっていうの?」パクパク

モバP「そう言ってもらえると、作った甲斐があります」モグモグ

早苗「お酒にも合いそうねぇ」

モバP「今はやめてくださいよ。早苗さん一回飲み始めると長いんですから。俺まだ仕事残ってるんです」

早苗「もう、ジョーダンよ。お酒に合いそうってのはホントだけど……たまにはお酒なしもいいでしょ♪」

モバP「普段もそれくらい自重してくれればいいんですけどね……」

早苗「それにしてもきんぴらごぼうなんて久々に食べたわ。ピリ辛でいいわねー」ズズ

早苗「お味噌汁も、出汁がおいしい! ね、今度作り方教えて?」

モバP「ええ、いいですよ」

モバP(早苗さん、おいしそうに食べるなあ。今までそういう方向には目を向けてなかったけど、食レポなんかもいいかもな……)

早苗「ねえ、P君?」

モバP「はい?」

早苗「あ~ん♪」

モバP「あっ、ちょ、い、いきなりはやめてください!」

早苗「あ、赤くなった。可愛いトコあるわねー」ハハハ

モバP「からかわないでくださいよ、もう……」





お酒はないけど、こういうのも悪くないな、と思う早苗さんでした。




早苗編おわり。次は今日か明日に

~事務所・夜~

モバP「……」カタカタ

モバP(今日も今日とて残業。最近仕事増えてないか?)カタカタ

モバP(いや、仕事増えるのはありがたいんだけど……やり方考えないとな。これ以上増えたらいくら残業してもおっつかなくなる)カタカタ

モバP(ちひろさんの仕事量も相当なモンの筈だが……どうやって定時に帰ってるんだあの人。効率的な仕事のやり方とか、教えてもらおうかなー)カタカタ

モバP「よし、やっと一段落……げ、もう八時か」

モバP「腹も減ったし……気分転換も兼ねて、なんか作るかぁ」

~給湯室・兼キッチン~

モバP「何があるかな、と」

モバP(お、鶏肉……あとは人参と大根が少し、キャベツ、トマト、インゲン。じゃがいももあったな)

モバP「まずは出汁を仕込んでおいて……」

モバP(この工程も、もう慣れたもんだ。ただし、今日は少し多めに。あ、鰹節が残り少ないな、買い足しとくか)

モバP(大根と人参を小さめの短冊切りにして……料理中ってなんかテンション上がるよな)

モバP(じゃがいもの皮を剥いて等分に切る……今なら事務所に誰も居ないし、いいよな?)

モバP「ミミミン ミミミン ウーサミン」(裏声)

モバP(鶏肉を一口サイズに切って……やべえテンション上がってきた)

モバP「ミミミン! ミミミン! ウーサミン!」(裏声)


ガチャッ

菜々「Pさん?」ヒョコッ

モバP「うわあ! な、菜々!?」

菜々「はい、ナナです! ……じゃなくて、何やってるんですか?」

モバP(き、聞かれたか?)

モバP「い、いやなに、ちょっと晩飯でも作ろうかと思ってな。ハハハ……」

モバP「な、菜々こそどうしたんだ、こんな時間に?」

菜々「事務所に明かりが点いててちょっと気になっちゃいまして。Pさんもちひろさんも、普段残業なんてほとんどしないじゃないですか」

菜々「それで給湯室から声が聞こえて、っていうかPさんさっき歌」

モバP「あああ菜々! 今晩飯作ってるんだけどさ! よかったら一緒にどうだ!?」

菜々「へ、いいんですか?」

モバP「もちろんいいとも!」

菜々「正直ちょっとお腹空いてましたし……じゃあ、お願いします!」

モバP「よーし、向こうで、待っててくれ! 出来たら持ってく!」

菜々「ところでPさんさっき歌」

モバP「待っててくれ!」

バタン!


~事務所~

菜々「追い出されちゃった」

菜々(さっきのって私の歌だよね、多分。気に入ってくれてるのかな……?)

菜々「……ちょっと嬉しいかも」フヘヘ

モバP(気付いてないなあれは。気付いてないに違いない。絶対気付いてない)

モバP(……顔が熱い)

モバP「ゴホン!」

モバP(気を取り直して続きだ。今のドタバタの間に出汁が沸いた。人参と大根を煮ていく)

モバP「と、忘れてた」

モバP(出汁を少し別の鍋に移しておく。具体的には鶏肉とじゃがいもがヒタヒタに浸かるくらいか、もう少し少なくても大丈夫)

モバP(そこに醤油とみりんで味付けだ。シンプルなのがいい)ズズ

モバP(味良し。火にかけていこう)

モバP(沸騰したら、鶏肉を入れて強火で一気に煮る。こうすると鶏が味をよく吸う)

モバP(大体色が変わったようなところでじゃがいもを入れる。火がちょっと強いかもな……強めの中火くらいにしとこう)

モバP(あとは蓋をして、十分ほど放置。煮物って楽でいいね)

モバP(次にサラダ用のキャベツを切る……前に、まな板と包丁洗っとこう。鶏肉切っちゃったしな)

モバP(万が一ということもある。食中毒は怖い)

モバP(ざっと洗ったところでキャベツを千切りにして皿に盛っておく。トマトは輪切りにしてこれまた皿に盛ってラップして冷蔵庫に)

モバP(俺はこの前気付いた……)

モバP(よく冷やしたトマトに塩かけて食べると、めっちゃうまいという事実に!)

モバP(正直ドレッシングかけて食うよりずっとうまい。俺はあれで野菜の味に目覚めた)

モバP(ただ塩かけるのは食べる直前だ。水が出るからな)

モバP「おっと」

モバP(出汁が煮えてた。危ない危ない。具に火も通ってるし、味噌を溶いとこう)

モバP(じゃがいもはどうかな? 竹串を通して……)

モバP(もう少しってとこか。今の内にインゲン切っとこ)


<菜々『Pさーん、メニューなんですかー?』

モバP「煮物ー。あと少しで出来るから待ってろよー」

<菜々『はーい』



~事務所~

菜々(煮物かあ、いいなあ。あんまり自分で作らないからなあ)

菜々(どうやってもお母さんとおんなじ味にならないんだよねえ……)シミジミ

モバP(よし、煮物がいい具合だ。最後にインゲン入れて、もう一煮立ち)

モバP(味噌汁とご飯をよそって……)

モバP(キャベツを塩もみしてレモンを添える。トマトも取り出してザッと塩を振る)

モバP(煮物……)パク

モバP「よし」

モバP「後は漬物でもあれば……お、柴漬け」

モバP(完璧だ)

モバP「菜々―、出来たぞー」

~事務所~

菜々「わあ、おいしそうですね!」

モバP「はいこれ菜々の分。そっち持ってって」

菜々「はーい♪」

モバP「じゃ、いただきます」

菜々「いただきます!」

菜々「ああー……いいですねえ、こういう煮物の味って。なんだか懐かしいです」

モバP「まだ17歳なのに?」

菜々「ハッ……い、いや、そう! ウサミン星では毎日食べてたんですよ! 国民食なんです!」

モバP「へー」ニヤニヤ

菜々「な、なんですかその顔! ホ、ホントなんですからね!」

モバP「ゴメンゴメン、怒るなって」

菜々「もう……あ、このトマト美味しい」

モバP「だろ? 俺それ大好きなんだよ」

菜々「よく冷やしたトマトにお塩をかけて丸かじりしてましたよ。思い出します……」

モバP「いいなあ、そういうの。取れたてをよく冷やしてかぶりつきたいねえ」


菜々「ふう、ごちそうさまです」

モバP「お粗末様です」

菜々「Pさんって、料理上手だったんですねー。ちょっと意外です」

モバP「俺ってそんなに料理できないように見えるかな……?」

菜々「イメージでなんとなく……?」

モバP「不器用そうってことか? そんなことないのになあ」

菜々「それにしても、煮物がおいしかったです! 今度作り方教えてくれませんか?」

モバP「おお、いいよあんなもんでよければ。というか、下手したら菜々の方がうまいんじゃないか?」

菜々「そうでもないですよ? お母さんに教えてもらった煮物も、未だにうまく作れませんし……」

菜々「そうだ! 今度一緒にお料理しません? Pさんにアドバイス貰えば、上手にできるかもしれませんし!」

モバP「おお、いいぞ? また今度な」

菜々「約束ですよ!」





お母さんの煮物を食べに、今度実家に帰ろうかな、と思う菜々さんでした。




菜々編終わり。次は明日か明後日に

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