七咲「これは…時限爆弾です!」(63)

橘「さてと、家に帰るとするか…ん?」

カチ…コチ…カチ…

橘(靴箱に時計が入ってる…?)

橘「誰だよこんな悪戯するのは…」ヒョイ

橘「…」

橘「何だか重いな…?」

カサッ

橘「何だろう、紙切れも一緒に入ってるぞ…?」カサカサ

――禁止事項――

・水
・衝撃
・高温

橘「…?」

橘「何だよこれ…」

七咲「先輩」

橘「おっ、七咲。丁度いいところに」

七咲「こんな所で座り込んで、一体どうしたんです?」

橘「いや、これが僕の靴箱に入ってたんだよ」スッ

カチ…コチ…

七咲「時計…ですね」ヒョイ

七咲「しかも、随分と重い…」

橘「あとこれも一緒に靴箱に入ってたんだ」スッ

七咲「え…っと、禁止事項?」

橘「うん。誰かの悪戯にしては、何と言うかさ」

七咲「気持ち悪い、ですね」

七咲「…」ジー

橘「七咲?」

七咲「この禁止事項って、時計の取り扱いに
関する事なんですよね…?」

橘「多分そうだろうね」

七咲「…試しに衝撃を与えてみましょうか?」

橘「えっ?」

橘「禁止されてる事をしたら壊れちゃうんじゃない?」

七咲「とは言いましても、手掛かりはこの紙切れだけですし…」

橘「うーん」

橘「…」

橘「よし、試しにわざと落としてみようか?」

七咲「はい」

カチ…コチ…

橘「えいっ」ポイ

ガチャン!!

橘「…」

橘「…?」ヒョイ

カチ…コチ…

橘「特に壊れてないな」

七咲「いたっ!?」

橘「えっ?」

七咲「あいた!いたたたたっ!?」バタッ

橘「な、七咲!?どうしたんだ!?」

七咲「つったっ」ジタバタ

橘「えっ、何!?」ワタワタ

七咲「みっ、右足が…!うぐっ…」ジタバタ

七咲「右足つってます!!」ジタバタ

橘「そんな!いきなり!?」

七咲「せ、先輩、すみませんが、ちょっと!」ジタバタ

七咲「右足っ!さすってもらってっ!いいですかァ!?」ジタバタ

橘「よ、よし、分かった」

スッ

七咲「いったっ!痛いです先輩っ!!何するんですか!?」ジタバタ

橘「い、いや七咲がさすれって言うから…」

七咲「言ってないですよ!!」ジタバタ

橘「い、いや確かに言ったよ…?」

七咲「言いましたァ!?」

橘「う、うん」

七咲「じゃあ言ってますね私はァ!いたたたっ!!」ジタバタ

サスサス…

七咲「はぁ、はぁ…!」

橘「ど、どう?落ち着いた…?」

七咲「え、ええ何とか…」ハァ

七咲「…」

七咲「す、すみません先輩。私、取り乱してしまって」

橘「い、いや、七咲が大丈夫ならいいんだ…けど」

七咲「けど?」

橘「突然だったよね、足がつったのって…」

七咲「ええ…あり得ないタイミングでした…」

橘「…」

橘「まさかとは思うんだけど」

七咲「はい」

橘「あの時計を落とした瞬間に足がつった様に感じたんだ…」

七咲「時計をですか…?言われてみれば確かに…」

橘「…」ヒョイッ

カチ…コチ…

橘「えいっ」ポイ

ガチャン!!

七咲「うっあっ!?」ズキン

七咲「あだだだだだっ!!ほっ!本当!だぁっ!!!」ジタバタ

橘「や、やっぱりそうだ…」ワナワナ

七咲「はあっ!いっ痛いっ!」ジタバタ

ヒョイ

橘「こ、この時計は…」

七咲「せっ、先輩っ!がっ!!」ジタバタ

橘「呪いの時計だ!!」ワナワナ

七咲「足っ!足さすって下さいいいい!!」ジタバタ

橘「な、七咲!ちょっと静かにしてくれよ…!」

七咲「うえっ!?先輩何を言ってっ!いってぇっ!」ジタバタ

橘(禁止事項を破るとこちら側に呪いがくる…)

橘(早くこの時計を何とかしなくちゃ…!)

七咲「さすれえええええ!!!」ジタバタ

SSの七咲は何でこう…アレなんだろうか……

七咲「はぁっ…はぁっ…!」

橘「だ、大丈夫か七咲?」

七咲「」ギロリ

橘「あ、あの」

ガスッ!

橘「いたっ!脛を蹴るなよ七咲…!」

七咲「先輩のいじわる!」

橘「ご、ごめん…」

七咲「…」

橘「…」

橘「ど、どうしよっか…この時計…?」

七咲「…」

七咲「…どうしましょう…?」

橘「あっ!」

七咲「どうしました?」

橘「見える?ここ…時計の裏側…」

七咲「あ…テープで頑丈にとめられてますね」

橘「きっと一度分解されてるんだよ、この時計…」

七咲「ええ…」

橘「…あ」

橘「開けてみよっか…?」

七咲「ちょ、ちょっと待って下さい!」

橘「えっ?」

七咲「大丈夫なんでしょうか…?」

橘「何が?」

七咲「変に分解しようとすると、
また妙な事が起こるかもしれませんよ…?」

橘「あ、七咲さっき足つってるから…」

七咲「…」

橘「びびってるんだな?」

七咲「なっ…びびってませんよ?」

橘「じゃあ何でそこまで慎重になるんだ?」

橘「禁止事項にも触れていないんだ、大丈夫なはずだろ?」

七咲「…」

橘「よし、じゃあ開けるぞ!」

七咲「は、はい…」ビクビク

バリバリバリ…

七咲「」ビクビク

パカッ

橘「開いたぞ!」

七咲(…)ビクビク

七咲(良かった、何ともないや…)ホッ

七咲「な、中はどうなってるんです?」

橘「何か凄い配線の数だよ…」

七咲「えっと…」ジー

七咲「赤、青、黄、緑、白、黒の6種類の配線がありますね」

橘「それと、また紙切れ…」カサッ

橘「今度は2枚入ってるぞ…?」ヒョイ

橘「…ってうわ!」ビクッ

七咲「な、何ですか!?」ビクッ

橘「こ、これ…」スッ

七咲「…!」

七咲(わ、私のフルネームがびっしり書かれてる…!)ブルブル

橘「そ、それがさっきの呪いの源なんじゃないか…?」

七咲「そ、そうみたいですね…」

橘「どうするんだ、それ…?」

七咲「わ、私の親戚に寺生まれのTさんという方が
いますから、その人にきちんと処分してもらいます…」

橘「そ、そっか…」

七咲「で、もう一枚の紙切れは…?」

橘「えっと、読むぞ…」

七咲「は、はい」

橘「制限時間は30分」

七咲「…それから?」

橘「…以上だよ」

七咲「えっ?それだけですか?」

橘「うん」

七咲「制限時間…何の制限時間でしょうか?」

橘「例えば爆発までの時間とか…」

七咲「ええっ!?」

橘「じ、冗談だよ…はは…」

七咲「先輩、こんな時に冗談言ってる場合じゃ…」

カチ…コチ…

七咲「…!?」

橘「どうした七咲?」

七咲「こ、ここ…配線の奥…」スッ

橘「どれどれ…?」ヒョイ

橘「あ、時計の中にデジタルの時計が…」

橘「いや、時計というか…これは…」

七咲「カウントダウンタイマー…ですよね…」ドキドキ

橘「ま、まさか…!?これ本当に…!?」ワナワナ

七咲「き、きっとそうですよ先輩…!」ドキドキ

七咲「これは…時限爆弾です!」

橘「うわあああ!ダッ」

ガシィ!!

橘「!?」

七咲「どっどど何処に行くんですか先輩!?」ガクガク

橘「決まってるだろ!逃げるんだよ!!」グイグイ

七咲「わ、私を差し置いて逃げようとするなんて
ほっ、本当に最低なせせっ先輩ですね!!」ガクガク

橘「じゃあ七咲も一緒に逃げようよ!」

七咲「む、無理です!」ガクガク

橘「何で…」ハッ

橘「お約束か!」

  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::;ヽ,            __/ ̄ ┐ ̄ /            iヽ`, i´//‐
  /;;;',;',;',;',;',;;;i゙ jfji;;l           `i    解   〉           ヾ、,、,_, ,〃_''
  l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,l,.,_、〈 l            |        |             _|_ ``''z -__ー
  |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|!' `´_r'            ノ   放   |             ヾ>,=、_i、、 /
  ,`r-;;、;;;、;;||、_ ´f           ;;;;;;;;)  └    |            r〈 _`'''" {,Ilノ`、
. /`'、_  ミ / `''゙          ;;;;'' /    !!   /`;;;;;          r'i ノ_'〟‐'゙ /
/    `,‐亠、          ;;;;''    ̄ ̄ヽ'´ ̄`ヽl  '';;;;        / |ヽ、i l(!゙ /
    /   `''i     _;、,、r、,'、'',.,      _ ,、      '';;;;      / ヾ、.ヽヾゝ、_,=;;彡
    //     `!,  ,、! 、, 、 , `,'゙z_,   r‐;゙i=iヽ,_      '';;;;    /   ヾ ,i 〈、/''"~
.   | |       `'〈 ー`、、 l ' '- ヽ,.、/  7 ~ヽヽ,__r:r───--‐'`、   /ヽノ||.|
    `'、_''ー-、    ,ネ ニ __`  、 ミ k i, _,_ 'i  '/ ,i ー| |        !i. /  ,:'゙/.|| l
      `''ー `iー、_ 7 Z ,. , ,、 、ヾ 、fl ,ゞ `'r'--v'''"´`|_|_____,,:-'゙   ~''iヽ_,ゝ
       //.|  `'i,、 / / v l i) ヽ、 i'.`   /   ゙i     ;;;;           /l゙l || /
      / .l    <, // i w ヽ ,r',,,,  /     |   ;;;;;'''           /V/ |.| /
   ,.〟''゙r─''"'''''''ヾ'゙ "Vw、、,,、,iw'゙  ,:;;;;;,ノ==,、、 |;;;;;;'''''            /_ 〉L| | ヽ
、  //i゙      ``''ー──'''`´ ̄ ’ヾ、、    |.              //;//ヽ 〉 |〉

橘(どうしよう、七咲を置いて逃げるなんて出来ないよ!)

七咲「せ…先輩…」ガクガク

橘「どうした七咲!?」

七咲「な、中のデジタル時計の時間は…?」ガクガク

橘「え、えっと」ヒョイ

橘「あと15分…だよ…」ワナワナ

七咲「せ、先輩…」ガクガク

橘「今度はどうした七咲?」ワナワナ

七咲「その…お、おしっ…こ…///」ガクガク

橘(くそっ!前門の虎後門の狼だよ!)ワナワナ

やっぱ失禁来ちゃったかwww

橘「…いや、待てよ?」ワナワナ

橘「ド、ドラマとかで見た話だけど…」ワナワナ

橘「この6種類の配線のうち…」ワナワナ

橘「どれかを切れば爆弾って止まるんじゃないか…?」ワナワナ

七咲「そ、そんな確証も無しに切るつもりですか!?」ガクガク

橘「し、仕方無いよ…。でも…き、切る配線を間違えたら…」ワナワナ

七咲「や、止めて下さい先輩!無謀過ぎます!」ガクガク

橘「しかしそうでもしなけりゃ助からないよ!」ワナワナ

橘「失禁しながら爆死してもいいのか七咲!?」ワナワナ

七咲「切る配線を間違えても失禁しながら爆死するじゃないですか!」ガクガク

橘(あと13分をきった…もう迷ってる時間は無いぞ…!)ワナワナ

ガサゴソ

橘「ハサミハサミ…あった!」

橘「い、行くぞ…!」ブルブル

七咲「な…何色から切るんですか…?」ガクガク

橘「赤」ブルブル

七咲「危険色じゃないですか、止めて下さい!」ガクガク

橘「じゃあ黒で…」ブルブル

七咲「ストップです先輩!喪服っぽいイメージですよ黒って!」ガクガク

橘「じゃ、じゃあ白を切るぞ!」ブルブル

七咲「死装束が脳裏を過りましたよ先輩!」ガクガク

橘「ちょっと黙ってよ!」ブルブル

橘「青だ…まず青を切るよ…!」

橘「えいっ!」

パチン!

七咲「…」ガクガク

橘「…」ブルブル

橘「だ…大丈夫だったか…。でも…」ブルブル

カチ…コチ…

橘「駄目だ止まらないよ!」ブルブル

七咲「だから私は赤か白か黒にしろとあれほど…!」ガクガク

橘「しーこいこい、しーこいこい」ブルブル

七咲「うあっ何それおしっこが出そうになる!止めて下さい先輩!!」ガクガク

七咲可愛いよ七咲

橘(あと11分…すぐ次を切らないと…!)ブルブル

橘「次は…よし…緑だ…!」ブルブル

七咲「みっ緑は目に優しいので賛せ」ガクガク

橘「しーこいこい、しーこいこい」ブルブル

七咲「さっ、賛成したんだからいいじゃないですか!
もうそれ止めて下さいって!!」ガクガク

橘「き…切るぞ…?」ブルブル

パチン!

橘「ああっ!?」ブルブル

七咲「ど、どうしたんですか先輩!?」

橘「じ…10分あった制限時間が…残り5分に…」ブルブル

七咲「そ、そんな!?」ガクガク

七咲「先輩!みっ、水色を切りましょう!」ガクガク

橘「み、水色なんて…」ハッ

橘「水色…みずいろ…」ブルブル

七咲「恋はみずいろ、ってね…ふ、ふふっ」ガクガク

橘「無駄なキャラソンの宣伝時間のせいで
失禁しながら爆死したいのか七咲!」ブルブル

橘「しっ、白だ!白を切るぞ!」ブルブル

七咲「…」ガクガク

パチン!

橘「…!」ブルブル

カチ…コチ…

橘「だ、駄目だ!これも違う!!」ブルブル

七咲「…」ガクガク

橘「…七咲?」ブルブル

七咲「出そう…」ガクガク

橘「な、何だって!?」ブルブル

橘「げ、限界なのか七咲!?」ブルブル

七咲「」コクリガクガク

橘(駄目だ、七咲をトイレまでおぶって行ってる間に
校舎ごと吹き飛んでしまうかもしれない…!)ブルブル

橘「こうなったら!」キョロキョロ

橘「あった、七咲の鞄!」ガサッ

タタタッ

橘「はいっ七咲!」ドサッ

七咲「せ、先輩…まさか…?」ガクガク


大好きな先輩の目である、見紛う筈も無い。

橘の目は間違いなく、「鞄の中にしろ」と七咲に伝えていた。

さすが橘さんやでぇ…

橘(さあ、早く爆弾を止めないと!)タタッ
七咲(鞄の中…でもお漏らしするよりは余程良い…はず!)ガクガク

七咲(先輩の好意を無下には出来ない…!
決めた、パンツを脱いでこの中に出そう!)ヌギヌギ

橘「残り時間は…!?」ヒョイ

カチ…コチ…

橘「うわああっ!2分をきってる!!」ブルブル

七咲(の…残り時間は2分もないんだ…。
多分私達は助からない…)ズルッ

七咲(死ぬならせめて…せめて先輩のもとへ…)ズルッ

橘「ど、どれだ…?どれを切る…!?」ブルブル

橘「駄目だ駄目だ!頭の中が真っ白で
もう何も考えられないよ!」ブルブル

ズルッ…

七咲「せ、先輩…」ガクガク

橘「な、七咲!?ここまで這って来たのか…!」

七咲「ど、どうせ死ぬなら…」ガクガク

七咲「先輩の…側で…」ガクガク

橘「七咲…」ブルブル

七咲「先輩…」ガクガク

カチ…コチ…

橘「きっとこれが最後のチャンスだ…」ブルブル

橘「だから七咲が決めてくれ…」ブルブル

橘「七咲、何色を切る…?」ブルブル


想いあう二人には言葉など要らなかった。

チョロチョロ…

七咲は股間から流れ出る液体を以てして、
愛する橘に最後に切る運命の配線の色を伝えた。



橘「黄色だな、七咲!」ブルブル

パチン!!

カチ…







橘「…と」

七咲「…と」チョロチョロ

橘&七咲「止まったあああああ!!!」

橘「やったぞ七咲!僕達は生き残ったんだ!!」

七咲「私っ!私っ…ううっ…!」チョロチョロ

橘「な、泣くなよ七咲…!僕まで泣いちゃいそうだよ…!」ウルウル

橘&七咲「わああああああん!」

美也「じゃじゃーん!ドッキリ大成功なのだー!」ヒョコッ

七咲「み…美也ちゃん…っ!?」ウルウル

橘「うぐっ…み、美也…か…?」ウルウル

橘「よ…良かった…僕は…美也も…助けられたんだ…うぐっ」ウルウル

美也「にぃにー」

橘「な、なんだ美也…?」

美也「ドッキリだよ?」

橘「…?」

美也「にぃにの靴箱に爆弾型のおもちゃ入れたの、みゃーだよ?」

橘「えっ」

七咲「えっ」

俺「えっ』

美也「ほ、本当ならもっと盛り上がるはずなんだけどね…」

美也「…」チラッ

七咲「な、なに…?」

美也「あ、逢ちゃん、その」

七咲「あっ…」

美也「お漏らしするほど怖がらせて…」

七咲「いや…っ」

美也「そのうえノーパンで偽物の爆弾処理をさせて、
本当にごめんなさい…なのだ…」ペコリ

七咲「笑ってよ!笑い飛ばしてよ美也ちゃあああん!!!」



おしまい


良い話だった

水曜に書く約束したから書くよ>美也×純一SSの続き

ただ俺はやらしいのを書きたいのにラブリーや七咲が邪魔するんだ…

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