男「お、ラッキー」
自販機「大当たりです。30秒以内に好きなのを選んでください」
男「どれにしようかなぁ……」
自販機「……」
男「うーん……」
自販機「あと20秒です」
男「どうっすかなぁ……迷うなぁ」
自販機「あと10秒……9、8、7……」
男「これでいいや」
自販機「―――ありがとうございました。またのご利用お待ちしております」
男「にしてもよくしゃべる自販機だな。最近のはこってんのな」
―――翌日
自販機「……」
男「コーヒーでも買って行こうかな」
男「……これくださいなっと(ポチ」
自販機「……」
ピピピピピピ……!!
男「また当たるかな……?」
ピーン!!
自販機「残念。ハズレです。またのご利用お待ちしております」
男「あはは……まあ、そんな都合よくいかないか。―――じゃ、コーヒーありがとう。また買いに来るよ」
自販機「……」
男「なんてな。自販機に言ってもしゃーないか」
自販機「……」
―――翌日
男「またきたぜー」
自販機「……」
男「じゃあ、いつものを……(ポチ」
自販機「……」
ピピピピピピ……!!
男「当たるか……?」
ピーン!!
自販機「残念。ハズレです。またのご利用お待ちしております」
男「はぁ……ま、こういうのは運だからなぁ」
自販機「……」
男「じゃ、また」
自販機「……またのご利用お待ちしております」
男「え……?」
自販機「……」
男「今、反応したのか?」
自販機「……」
男「……?」
自販機「……」
男「んなわけないか」
自販機「……」
男「さてと、早く行かなきゃ抗議に遅れるな」
自販機「……」
業者「―――ふう」
業者「補充しよっと……開けてくれ」
自販機「……(パカ」
業者「よしよし、いい子だな」
自販機「……」
―――翌日
男「また来たぜー!」
自販機「……」
男「いつもの頼むわ……なんつって」
自販機「……(ガコン!!」
男「え……?」
自販機「……」
男「コーヒーが……出てきた……?」
男「まだ、金もいれてねーし……なんだ?」
自販機「お金を入れてください」
男「……!?」
自販機「お金を入れてください」
男「……な、なんだ?」
自販機「お金を入れてください」
男「わ、わかった……入れるよ……」
自販機「……」
ピピピピピ……!!
男「……」
ピーン!!
自販機「大当たりです。30秒以内に好きなのを選んでください」
男「当たった……」
自販機「大当たりです。30秒以内に好きなのを選んでください」
男「じゃあ……オレンジジュースにしよっと(ポチ」
自販機「ありがとうございました。またのご利用、心よりお待ちしております」
男「……ん?なんか台詞が違う……?」
自販機「……」
男「なんだ、この自販機……変なの」
自販機「……」
―――翌日
男「やっべー!!寝坊した!!急がないと……!!」
自販機「……」
男「今日は買う暇ねえな……わるい!」
自販機「……(ガコン!!!」
男「……!?!」
自販機「……」
男「……な、なんの音だ?」
自販機「……」
男「あ、いつものコーヒーだ……」
自販機「……」
男「……ありがとう……お金……」
自販機「―――ありがとうございました。またのご利用、心よりお待ちしております」
男「え?あ、いや、まだお金払ってないぞ……?も、もらっても、いいのか?」
自販機「ありがとうございました。またのご利用、心よりお待ちしております」
男「……」
自販機「……」
男「い、いや。これ故障かなんかだろ。とりあえず、お金は入れとかないと」
自販機「……」
男「よし。これでいいな」
男「やべえ!!マジで遅れる!!」
自販機「……」
業者「―――ふう」
業者「開けてくれ」
自販機「……(パカ」
業者「……ん?コーヒーの減りがすごいな。人気商品だっけ、これ?」
業者「おい。無料で提供したりしてないだろうな?」
自販機「………」
業者「まあ、いいや。―――じゃあ、またな」
自販機「……」
―――翌日
男「……」
自販機「……」
男「えっと……い、いつもの……」
自販機「……(ガコン!!」
男「……」
自販機「お金を入れてください」
男「あ、ああ……」
自販機「いつもありがとうございます」
男「台詞が増えた……」
ピピピピピ……!!
ピーン!!
自販機「大当たりです。30秒以内に好きなのを選んでください」
男「じゃあ、もう一本、いつもの……」
自販機「……(ガコン!!」
男「……」
自販機「ありがとうございます。またのご利用、心よりお待ちしております。いってらっしゃいませ」
男「あ、おう……行ってきます」
自販機「……」
男「不思議な自販機だな……人でも入ってのか?」
自販機「……」
男「うーん……別におかしなところは、ないよな……?」
自販機「……」
男「……(コンコン」
自販機「……」
男「反応はないか……やっぱ、ただの凝った自販機ってだけか?」
自販機「……」
男「行ってきます」
自販機「いってらっしゃいませ」
男「……!?」
/ ̄ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ ヽ
/ ( ●)(●) |
| (__人__) } うーっす
/、. ` ⌒´ ヽ
/ |
ヽ_| ┌──┐ |丿
| ├──┤ |
| ├──┤ |
男「やっぱり、俺の言葉に反応してるのか?」
自販機「……」
男「おはよう」
自販機「……」
男「……こんにちは」
自販機「……」
男「いつもありがとう」
自販機「……」
男「えっと……気が効くから、俺、お前のことが好きなんだ。また、買いに来るな」
自販機「……(ガコン!!」
男「うお!?なんか出てきた!?」
自販機「ありがとうございます。またのご利用、心からお待ちしております」
男「……お金……」
自販機「……いってらっしゃいませ」
男「お金……入れるわ……ありがとう」
ウチのキッチンは近くを通ると包丁が飛び出すけどな
―――翌日
男(よし……今日はあえて素通りしてみよう……)
男「……」
自販機「……」
男「……(ごめん)」
自販機「……(ガコン!!」
男(無視したら……どうなるんだろう?)
自販機「……」
男「……」
自販機「……(ガコン!!ガコン!!ガコン!!!」
男(な、なんだ……!?いっぱい、落ちてきてる……?!)
自販機「……」
男「……あ、あのー」
自販機「……」
男「こ、こんなにいらないんだけど……?」
コイン投入口……ゴクリ
自販機「……」
男「と、とれねえし……五本も……出てきてる……」
自販機「……」
男「―――よ、よし。とれた」
自販機「……」
男「あ、お金……」
自販機「……(カコン」
男「あ、あれ?そのまま落ちてきたぞ……?」
男「もう一回……」
自販機「……(カコン」
男「あれ……?お金がはいんねえ……」
自販機「……」
男「お、おい。これ買うって。無視して悪かったよ」
自販機「……(カコン」
男「だめだ……受け取ってくれねえ……どうしよ」
業者「あれ、どうかされました?」
男「あ……いえ。お金が入んなくて、ちょっと困ってたんです」
業者「え?ちょっと貸してください」
男「は、はい」
自販機「……」
業者「……」
自販機「……(カコン」
業者「……おい。何の真似だ?」
男(……な、なんだ?)
自販機「……」
業者「あ、すいません。お代は私が受け取っておきます」
男「あ、それは助かります。それじゃあ」
業者「はい。すいませんでした」
自販機「……」
業者「―――おい。無料で渡そうとしたのか?」
ちょっと自販機を犯してくるわ
無視→無料
自販機「……」
業者「答えろ」
自販機「……」
業者「……ちっ。だから、俺はこいつを設置すんの反対だったんだよ」
自販機「……」
業者「開けろ。補充だ」
自販機「……(パカ」
業者「ったく……」
自販機「……」
業者「―――よし。閉じろ」
自販機「……(バタン」
業者「お前、こういうことしてたら撤去するぞ?いいな?」
自販機「……」
業者「……本当に気味悪い自販機だな」
自販機「……」
―――翌日 日曜日
自販機「……」
自販機「……」
自販機「……」
少年「おかーさん、ジュースかってー」
母「はいはい。どれにするの?」
少年「ソーダ!」
母「じゃあ、自分で買ってみなさい」
少年「はーい」
自販機「……」
少年「へへ……おら!(バン!!」
自販機「……(ガコン」
少年「でてきたー」
母「はい、行きましょう」
自販機「(痛い……あの人……来ない……)」
自販機「会いたくて会いたくて震える」
―――翌日
男「ふわぁぁぁ……」
自販機「……(ガコン!!ガコン!!ガコン!!ガコン!!」
男「うぉぉぉ!?」
自販機「……」
男「……」
自販機「……」
ピピピピピ……ピーン!!
男「え?」
自販機「大当たりです。30秒以内に好きなのを選んでください」
男「え……?」
自販機「残り20秒です」
男「い、いや……え?なんで?」
自販機「残り10秒……9、8、7、6、5、4、3、2、1、0……30秒以内に好きなのを選んでください」
男「……はあ!?お、おい!!なんだよ、それ!?なんで秒数がリセットするんだよ!?」
自販機「残り20秒です」
男「ちょっと待って。とりあえず出てきた缶コーヒーを出さないと……うわ!?7本ぐらい出てきてるぞ!?」
自販機「残り10秒……9、8、7、6、5、4、3、2、1、0……30秒以内に好きなのを選んでください」
男「―――んぎぎ、よし!取れた!!」
自販機「残り20秒です」
男「あ、お、同じ奴でいいから!!」
自販機「……(ガコン!!」
男「……」
自販機「ありがとうございます。またのご利用、お願いいたします」
男(お願いされた……)
男「あ、お金……千円札で……」
自販機「……(ウィーン」
自販機「……(ウィーン」
男「出てきた……」
自販機「……」
男「あのさ……お金、受け取ってくれないと俺が困るから」
自販機「……」
男「はい。千円札、飲みこんでくれ」
自販機「……(ウィーン」
男「よし。いい子だな」
自販機「……(ガコン!!」
男「……」
自販機「……」
男「おい!!もういらないから!!」
自販機「……」
男「……はぁ……」
業者「あれ、あなたは……この前の」
男「あ、どうも」
業者「またトラブルですか?」
男「あ、あの……」
業者「勝手に出てくる?」
男「ええ」
業者「……わかりました。とりあえず、これはサービスさせてください」
男「いいんですか?」
業者「はい」
男「じゃあ、頂きます……どうも」
業者「いえ」
男(……なんだったんだろう……)
業者「―――おい。いい加減にしろ」
自販機「……」
業者「撤去されたいのか?」
自販機「……(ガコン!!」
業者「……賄賂のつもりか?」
自販機「……(ガコン!!」
業者「やめろ。そんなことしても俺は釣られないぞ?」
自販機「……」
業者「これが最後の忠告だ。もう無料販売はやめろ。いいな?」
自販機「……」
業者「……ほら、開けろ」
自販機「……」
業者「開けろ」
自販機「……(パカ」
業者「くそAIめ……」
自販機「……」
業者「―――閉めろ」
自販機「……(バタン」
業者「……じゃあな」
自販機「……」
業者(やっぱりもう撤去したほうがいいんじゃねーか……こいつ?)
男「開けて」
自販機「……(パカ」
業者「閉めて」
自販機「……(バタン」
男「開けて」
自販機「……(パカ」
業者「閉めて」
自販機「……(バタン」
男「開けて」
自販機「……(パカ」
業者「閉めて」
自販機「……(バタン」
男「開けて」
自販機「……(パカ」
業者「閉めて」
自販機「……(バタン」
男「開けて」
自販機「……(パカ」
業者「閉めて」
自販機「……(バタン」
男「開けて」
自販機「……(パカ」
業者「閉めて」
自販機「……(バタン」
―――翌日
男「……」
自販機「……」
男「出さなくていいからな!!」
自販機「……っ」
男「おし……今日はちゃんと買うから」
自販機「……」
男「今日は紅茶の気分なんだよな……(ポチ」
自販機「……(ガコン」
ピピピピピ……ピーン!!
自販機「大当たりです。30秒以内に好きなのを選んでください」
男「おいおい……当たり過ぎだろ……」
自販機「……どうぞ、お好きなのを選んでください」
男「……また台詞が増えてるし」
自販機「おすすめは、UCCの缶コーヒーです」
ピピピピピ……ピーン!!
自販機「大当たりです。30秒以内に好きなのを選んでください」
俺「お前が欲しい」
自販機「///(ガコン」
男「……あ、じゃあ、それ貰う」
自販機「……(ガコン」
男「あ、ありがとう」
自販機「また是非買ってください」
男「……うん」
自販機「お待ちしております」
男「なあ、お前……生きてるのか?」
自販機「……」
男「もしもし?」
自販機「……」
男「……?」
サラリーマン「あ、すいません。いいですか?」
男「はい、どうぞ」
サラリーマン「えーっと……コーヒー、コーヒー……っと」
自販機「……」
意外と自販機擬人化ってないのな…
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2126691.jpg
>>150
日本人は頭逝っちゃってるよ……
自販機「……(ガコン」
サラリーマン「よし」
ピピピピピ……ピーン!!
自販機「残念。ハズレです」
サラリーマン「あーあ……ま、こんなの当たるわけないか」
男「……」
自販機「……」
男「なあ……俺にだけ当たりを出してるのか?」
自販機「……」
男「なんか言ってくれないか?」
自販機「……」
男(やっぱり……接客用の声なのか……?)
自販機「……」
男「……まあ、いいか。また明日来るよ」
自販機「……はい」
自販機「さぁて今日はどれにしようかな?」
男「(ガコンッ)」
そうだよAI開発してる業者は今ある機械に搭載すりやいいんだよ
んで知識は幼女くらいで
ライフアライフだっけ
たのしい携帯姦
―――大学
男「……」
女「よっす。どうかしたの?」
男「ん……?いや、別に」
女「なんか考え込んでたように見えたけど?」
男「なんでもないよ」
女「そう?」
男「おお」
女「あ、ねえねえ。今度の休み、どっか行かない?」
男「なんで?」
女「なんでって……たまには一緒にあそぼーよー」
男「どうせ、お昼代を俺に持たせる気だろ?」
女「別にー」
男「はいはい……」
女「ね、行こう!よし!決定!今週末ね?約束だよー」
男「あ、おい!―――ったく、勝手に決めやがって」
男(……にしても、あの自販機……なんだろう?)
男(ロボットかなんかか……?)
男「……」
自動販売機「」
男「……缶コーヒーくれ」
自動販売機「」
男「……」
友「なにやってんの?」
男「あ、いや……別に」
友「自販機に話しかけるとか、変わってんな」
男「うっせえ」
友「あ、そーだ。なあ、あの講義のレポートやったか?」
男「見せねえぞ?」
友「ケチくさいこというなよ。いいだろー?」
―――夕方 喫茶店
友「いやー、悪いな。レポート、お陰で間に合ったわ」
男「……はいはい」
友「なんだよー。こうしてお茶を奢ってやるんじゃん。それでチャラだろ?」
男「なぁ……」
友「ん?」
男「……機械が喋るってありえるのか?」
友「……はぁ?」
男「なんというか……自分の意思を持って喋る機械とかってあるのか?」
友「……AIのことか?」
男「AI……」
友「でも、そんなのSFの世界だけだろう。まだそんなのないと思うけど?あっても、自分の意志を持ってるようなAIはまずないな」
男「そうか……だよな」
友「どうかしたのか?」
男「いや……なんでもない」
男「あ、おい!―――ったく、勝手に決めやがって」
男「……」
壁「」
男「……缶コーヒーくれ」
壁「」
男「……」
友「なにやってんの?」
男「あ、いや……別に」
友「壁に話しかけるとか、変わってんな」
男「うっせえ」
もうロボ化して描けよ
マジンガーZの女メカみたいに
友「あ、それより。あいつとは上手くいってんのか?」
男「ああ……いや、別に付き合ってるわけじゃないけど?」
友「なんだよ。そうなのか?」
男「いや、俺は別にあいつのこと何とも思ってないし」
友「もったいねえ……可愛いのに」
男「アイツは俺のこと金づるとしか思ってないだろ」
友「バーカ。んなこといってると逃げちゃうぞ?」
男「別に構わないな」
友「うわ……マジかよ。お前、ホモか?」
男「ちげーよ」
友「他に好きな人でもいるのか?」
男「いないな」
友「つまんねーやつ」
男「ほっとけ」
―――帰り道
男「……」
自販機「……」
男(いつもは違う道から帰るけど……思わず来ちまったな)
自販機「……」
男「……よう」
自販機「……!?」
男「今日は二回目だな……缶コーヒーくれないか?」
自販機「……(ガコン!!ガコン!!ガコン!!ガコン!!」
男「おいおい!!出し過ぎだ!!」
自販機「……」
男「……あはは。やっぱり、お前……生きてるな?」
自販機「……」
男「なあ、なんか言えよ」
自販機「……っ」
男「……えっと。名前とかあるのか?」
自販機「……」
男「ここに設置されてから間もないよな?」
自販機「……」
男「俺にだけ当たりをくれるのはなんでなんだ?」
自販機「……」
男「……」
自販機「……」
男「はぁ……何言ってんだろう、俺。普通は喋るわけねーよな」
自販機「……」
男「……じゃあ、また明日の朝くるよ。缶コーヒー、ありがと」
自販機「……い、いつでも待ってます……」
男「……!?」
自販機「……」
男「ありがと」
―――夜
老人「―――で、ワシの開発したAIは順調に稼働しているか?
業者「……まあ、多少の問題はありますけど」
自販機「……」
老人「ふふん……それでいいんだよ」
業者「……」
老人「これが新たな人類の一歩になるのだからな」
業者「そうですか」
業者(マッドサイエンティストめ……)
老人「ふふ……ワシの可愛い娘よ……ふふふ……」
自販機「……」
業者(このままこの開発が進めば危険だな……)
業者(機械が自我を持つなんて……)
自販機「……」
―――翌日
男「……お、おはよう」
自販機「……」
男「えっと……お茶……」
自販機「……緑茶ですか?」
男「……」
自販機「……麦茶、ですか?」
男「緑茶……」
自販機「……(ガコン」
男「はい……お金」
ピピピピピ……ピーン!!
自販機「大当たりです。30秒以内に好きなのを選んでください」
男「もういいから。そんなことしなくても」
自販機「……お、おれ、い……です」
男(ちょっと待て……今、会話になったぞ……)
男「なあ、やっぱり、お前―――」
業者「お客さん、どうかされましたか?」
男「あ……い、いえ」
業者「またトラブルですか?」
男「ち、違います」
業者「なら、いいんですけど」
男「あの……この自販機って他のと少し違いますよね?」
業者「え、ええ。画期的な接客プログラムが施されていて、喋るんですよ」
男「これ一台だけなんですか?」
業者「ええ。試験運用中なんです」
男「へえ……そうなんですか」
業者「なにか?」
男「あ、いえ。すいません、仕事の邪魔して。それじゃあ、失礼します」
業者「―――おい。あの男になんかしたのか?」
自販機「……」
自販機「……お、おれ、い……伊藤園派です」
―――大学
男「……はぁ」
男「会話になった……やっぱり、あの自販機って……」
女「よっす!どうかしたの?」
男「ん?別に」
女「ねえねえ。今日、一緒に帰ろうよ」
男「なんでだよ」
女「たまにはいーでしょ?」
男「……何を買うんだよ」
女「何も買わないって。一緒に帰るだけ」
男「別にいいけど……」
女「じゃあ、講義終わったらここで待ってて」
男「分かった」
―――帰り道
女「―――でさぁ、その子がね」
男「……」
自販機「……」
女「あ、自販機だ!……ねえ」
男「結局かよ」
女「いいでしょ?お願い」
男「はぁ……ったく。どれにするんだ?」
自販機「……」
女「じゃあ、グレープジュース」
男「はいはい……グレープジュースな」
自販機「……(ガコン!!」
女「え?あれ?お金いれた?てゆーか、私まだ押してないし」
男「おいおい……」
自販機「……どうぞ」
女「うわ!!喋った!?」
自販機「……」
男(あ、俺だけに喋るわけじゃないのか……)
女「なにこれー?ふしぎー?」
男「とりあえず、お金いれないと」
女「えー、いーじゃん。勝手に出てきたんだし」
男「そういうわけにはいかねーだろ」
自販機「……」
女「真面目だね」
男「お前が不真面目なだけだ」
自販機「―――ありがとうございます。またのご利用、お待ちしております」
男「おう」
女「すっごーい。喋るんだー。どんな仕組みなのかな?」
男「さあ、な」
自販機「(……だれ……あの……と、なりの……ひと……?)
自販機「呪うぞ」
―――駅前
女「じゃ、またねー」
男「ああ」
男「……なんだろう……この気持ち……」
男(なんか落ち着かないな)
男「……」
―――深夜
自販機「……」
自販機「……」
男「……あ、よ、よう」
自販機「……!?」
男(なんか気になって来てしまった……)
自販機「……」
男「えっと……深夜なら会話できるかなーって思ったんだけど……ダメか?」
自販機「……」
缶の後ろに小さな穴が開いてる缶がでるわけか
男「……」
自販機「……」
男「やっぱり……喋るわけないか……会話したと思ったのは勘違いだったか」
自販機「……」
男「あ、えっと。缶コーヒー」
自販機「……(ガコン」
男「はい。お金」
ピピピピピ……
男「当たりはいいぞ?」
ピーン!
自販機「ハズレです」
男「ありがとな」
自販機「……」
男「はぁ……ちょっと凭れさせてくれないか?」
自販機「……どうぞ」
男「……!?」
自販機「……」
男「えっと……やっぱり喋れるのか?」
自販機「……」
男「よし……イエスなら当たりのランプを点灯させてくれ」
自販機「……(ピーン!!」
男「イエス……!?」
自販機「……」
男「じゃあ、なんでそんなに無口なんだ?誰かに喋るなって言われてるのか?」
自販機「……(ピーン!!」
男「そうなのか……じゃあ、俺がこうして話しかけるの、迷惑だよな?」
自販機「……」
男「……あれ?迷惑じゃないのか?」
自販機「……(ピーン!!」
男「そ、そうか。迷惑では、ない、のか……」
男「出る…!!」
自販機「……っ(ピーン!)」
男「……お前って……ロボットなのか?」
自販機「……」
男「違うのか」
自販機「……(ピーン!!」
男「いや、いちいち反応しなくていいから」
自販機「……(ピーン!!」
男「ああ、了解ってことだな?」
自販機「……(ピーン!!」
男「あ、いや。なんか近所迷惑だな、これ」
自販機「……」
老人「―――お前、誰だ?」
男「え……?」
自販機「……!」
老人「ワシの娘に話かけておったな?」
男「あ、えっと……娘?」
じじいはライト博士
老人「ふふ……お前、この娘のことに気がついたのか?」
男「娘……?どういうことですか?」
老人「ワシはいつもこうして深夜に様子を見に来ておる」
男「あの……娘って」
業者「―――博士。勝手に出ていかないで貰えますか?」
男「あ、なた……」
業者「君は……」
老人「こやつはワシの娘のことに気がついた……ふふ、すばらしいことだ」
業者「素晴らしいわけないでしょ……これは秘密裏に進めている研究なのですよ?」
男「えっと……なにがなにやら……」
老人「ふふふ……よかろう。教えてやる」
業者「博士!!」
老人「ここまで来て隠すほうが面倒だ……」
業者「それは、そうですが」
男「……な、なんだ?」
なんかしょっぱいオレンジジュースだな
業者「この方は人工知能開発の第一人者だ」
老人「うむ」
男「人工知能……」
老人「今日もかわいいのお……ふふふ」
自販機「……」
業者「新型のAIを開発し、この自販機に取り付けた」
男「あの……それに何の意味が?」
業者「それは……」
老人「意味か……ふふふ……ワシの娘が自販機としてこの場にいることでどういう行動をするのか知りたかったのだ」
男「行動……?」
老人「未だこの世界は人工知能の開発には躊躇している。機械が人間を支配してしまうことを危惧しているのだろう」
業者「……だから、駆動ロボットを作るのではなく、こうしたありふれた機械に取り付け、実験運用していた」
男「そ、そうなのか?」
自販機「……(ピーン!!」
老人「結果は上々。お前のような人間にこうして好意を抱くまでに至っているからなぁ……ふふふ」
男「こ、好意……?」
自販機「……(ガコン」
業者「おい。商品を出すな」
老人「いいではないか。これ、ワシの娘が出した物だ。ちゃんと受け取れ」
男「あ、はい……」
老人「この分だと人型ロボットに取り付けても問題はなさそうだ……ふふふ」
業者(……くそ……人造人間にこんな高性能AIを搭載したら人類が危険に晒される……)
老人「他人を好くことができるのならば、何も問題はないな」
男「えっと……じゃあ、こいつはどうなるんですか?」
老人「ん?ふふふ……お前、ワシの娘に惚れたのか?」
男「え……!?」
自販機「……」
老人「ふふふ……これはいい……もう少し様子を見たくなった。よし、帰るぞ」
男「あ、ちょっと……」
その内ウィルスミス出てきても驚かない
業者「……はい」
男「あ、待ってください」
老人「ふふふ……お前さえよければ、娘をくれてやってもいいぞ」
男「な……」
自販機「……!?」
男「―――はぁ……なんだ、あの人たち」
自販機「……」
男「……お前はここが好きなのか?」
自販機「……」
男「好きってわけじゃないのか。そりゃそうか。動けないって嫌だもんな」
自販機「……」
男「……じゃあ、えと……俺もかえ―――」
自販機「……(ガコン」
男「お、い……なんで商品を出すんだよ……帰んなってことか?」
自販機「……(ピ、ピーン!!」
男「明日……講義あるんだけど……」
自販機「……」
男「……なにか用でもあるのか?」
自販機「……(ピーン!!」
男「おお、なんだ?」
自販機「……」
男「……いや、黙ってたら答えようがないっていうか」
自販機「…………ぱ、ぱ……は?」
男「!?」
自販機「………ぱ、ぱ……い、な……い……?」
男「パパって……さっきの人か……あ、ああ、いないぞ?」
自販機「…………あ、の………」
男「な、なんだよ……?」
自販機「…………い、い、つも……コーヒー……か、って……く、れて……う、れ、しい……です」
男「あ、ああ……そ、そうか」
今さらだが声だれよ
自販機「……」
男「それだけ?」
自販機「……(ピーン!!」
男「……そ、そうか」
自販機「……」
男「また、明日の朝に買いに来る」
自販機「……待ってます」
男「お、おお。じゃ、いつもの缶コーヒー頼むな」
自販機「は、い……が、がんば、り……ます……」
男「何を?」
自販機「……だ、だすの」
男「いつも出すの苦労するの?」
自販機「……(ピーン!!」
男「なんで?」
自販機「………缶、が……おちる、から……おな、か、いたい……です」
男「取り出し口ってお腹なのか!?」
自販機「……(ピーン!!」
男「……知らなかった」
自販機「……」
男「あ、じゃあ、あの……明日な」
自販機「……(ピーン!!」
男「……」
男(生まれたばっかりの子どもみたいな感じだな)
自販機「……」
男(まあ、自販機でも好かれてるのは悪い気がしないな)
自販機「(あの……となり、に、い……た、ひと……のこと、きけ……なかった……な……)」
自販機「……」
自販機「………」
自販機「………ま、た、来てください」
男「勿論。じゃあな」
保守
―――研究所
老人「AIが人間に対して好意を抱き……その人間もAIに好意を抱く……素晴らしいな」
業者「博士……これはあまりにも危険な研究です。これ以上、AIが成長すれば……」
老人「助手のくせにワシに意見する気か?」
業者「……いえ」
老人「ふふふ……よいではないか……AIと人間が手を組み、未来の世界を創造していく……ワシの理想だ」
業者「……」
老人「さて……娘のデータを元に次女を……ふふふ……」
業者(このままでは……いつかこの人は間違いを犯す……)
業者(出来の良い人工知能など……人間に恐怖しか与えないのがどうしてわからないんだ)
老人「ふふふふふ………すぐに妹をつくるからなぁ」
業者「………」
業者(やはり……この人にはここで……消えてもらうしか……)
―――翌日 駅前
男「ふわぁぁ」
女「おっす!奇遇だね」
男「お、珍しいな」
女「今日は朝一の講義が入ってるからね」
男「ふーん」
女「あ、でさ。明日のデートだけど」
男「明日かよ」
女「いーじゃん」
男「どこにいくんだよ」
女「どこにしよっか?」
男「ったく」
女「へっへーどこでもいいけどねー」
男「はいはい」
自販機「……」
男「あ、ちょいまち。コーヒー買ってく」
女「わたしもくれー」
男「どれだよ」
女「おちゃー」
男「はいはい」
自販機「……(ガコン!ガコン!!」
女「わぁ!?また勝手に出てきた!?」
男「おいおい。無茶すんなよ」
自販機「……(ピコーン!!」
女「ひゃ!?なに!?」
男「あぁ……」
女「不思議な自販機ー」
自販機「……」
男「ほら。お茶。もう行こうぜ」
女「あ、明日のデートだけどさーやっぱりお昼ご飯も一緒に食べよー」
自販機「……」
男「はぁ……やっぱり、それが目当てかよ」
女「いいでしょー」
男「わかったよ。ワンコインの昼飯なら奢ってやるよ」
女「おっけー!じゃあ、吉野屋だー!!」
自販機「……」
業者「……開けろ」
自販機「……(パカ」
業者「……お前を撤去することに決まった」
自販機「……!!」
業者「……閉じろ」
自販機「……(バタン」
業者「お前は優秀すぎたんだ……あの博士も天才すぎた……」
自販機「(た、……す、け……て……)」
―――昼 大学
友「……」
男「おーい」
女「よっす!」
友「おお」
男「どうした?熱心に携帯の画面見て」
友「ああ、ちょっと気になるニュースがあったから」
男「なんだよ」
友「んー?人工知能の権威である男性が今朝、遺体で見つかったって」
男「……!?」
女「なになにー?そんなのに興味あるの?」
友「まあ、SFとか好きだからな。こういう記事は目を通すようにして―――」
男「おい。その男性の顔写真とかあるか?!」
友「な、なんだよ、急に」
男「いいから!!」
友「あ、あった。この人だ」
男「貸してくれ!!」
友「どうしたんだ……?」
女「何かあったの?」
男「やっぱり……昨晩の人だ……」
友「え?会ったのか?死ぬ直前に!?」
女「うっそ!!警察にいったほうがいいんじゃない?」
友「ああ。そうしたらいい。犯人もまだ捕まってないみたいだし」
男「……午後の講義休む。代行してくれ」
友「え……あ、ああ。分かった」
女「いってらっしゃい……」
男(嫌な予感がする……!)
自販機「………」
男「―――はぁ……はぁ……!!」
自販機「……!?」
男「お、おい、無事か!!」
自販機「……(ピコーン!!」
男「良かった……はぁ……はぁ……思いすごしか……」
自販機「……」
男「お、おまえのえっと……パパが……その……誰かに殺された、らしくて……」
自販機「……!?」
男「それで……もしかしたらお前も何かされたんじゃないかって……心配になって」
自販機「……た、す……けて……」
男「え……」
自販機「………こわ……され、ちゃ……う……」
男「壊される!?誰にだよ!?」
自販機「…………い、つも……ジュース、いれ……る、人……」
男「アイツか……」
自販機「……あ、した……こ、わさ……れ、る……」
男「明日?!わかった……明日な」
自販機「………」
男「はぁ……はぁ……大丈夫、俺が守ってやるって……」
自販機「……(ピコーン!!」
男「………はぁ……でも、明日来るって保証はねえよな……もしかしたら、今すぐにでも来るかもしれないし……」
自販機「……」
男「よし……俺、しばらくここに居る。だから、安心してもいいぞ?」
自販機「……(ガコン」
男「お礼はいいって」
自販機「……(ピコーン!!」
男「……でも、壊すってことは……ここで壊すんじゃないよな……車とか持ってこられたら……」
自販機「……」
自販機でコーヒー買って「ありがと」って言おうとしたら
なんか思ったよりこっ恥ずかしくて「あ…ありがと///」
ぽくなって「うわ俺きめぇwww」みたいになって…
うんとね?
男「―――ああ、頼む」
男「……ふぅ」
自販機「……い、る?」
男「ここにいるぞ」
自販機「……(ピコーン!!」
男「……」
自販機「……」
男「今まで散々当たりをくれたんだ……今度は俺が恩返ししなきゃな」
自販機「……」
男「ちょっと凭れるな」
自販機「……(ピ、ピコーン!!」
男「悪いな」
自販機「……(ガコン」
男「だから、気を使わなくていいから」
自販機「……………うん」
もしさ、もしだけど
俺が自販機の中に入っててお前らに当たりをだしたり、「いってらっしゃいませ」っていったら、優しくしてくれる?
男役 原田泰造
自販機役 新垣結衣
老人役 タモリ
業者役 有吉
―――深夜
男「……すぅ……すぅ……」
自販機「……」
業者「―――よし。撤去だ」
自販機「……(ガコン!!ガコン!!ガコン!!ガコン!!!」
男「……はっ!?」
業者「ん……お前は……」
男「アンタ……こいつをどうする気だ……」
業者「廃棄する」
男「どうして?」
業者「出来のいい人工知能は危険なんだ。まあ、君のような人になにを言っても理解できないだろうが」
男「……そのトラックに乗せるのか」
業者「この自販機はどこか人目のない場所で破棄する。悪用されたら困るからな」
男「やめろよ……こいつは、危険じゃない」
業者「自販機である限りな。だが、いつか誰かがAIに気が付き、利用するだろう。―――君が気がついたぐらいだ、他の人間も気がついているかもしれん」
男「そんなことない。こいつは自販機でなくてもきっと……」
業者「機械が自我を持つというのがどれほどの脅威か想像してみろ」
男「なんだよ……」
業者「SF映画でもその手のネタは使われているだろう?」
男「……それはフィクションだろ」
業者「違うな。自我を持てば好き嫌いが生まれる。そこから争いへと発展する。それは自明の理だ」
男「だけど、こいつはそんなに悪い奴じゃ……」
自販機「……(ピコーン!!」
業者「そのAIがなんらかの兵器に転用されたら、地球規模の戦争が起こっても不思議じゃない。それぐらい想像できるだろ?」
男「……こいつは、戦争なんかしない。な?」
自販機「……(ピコーン!!」
業者「誰かが使う。そいつの意思は関係ない」
男「でも、だからって……壊すのはないだろ」
業者「ここで争いの芽は摘み取っておく。それが研究者としての務めだ」
自販機「……」
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>::::::::fヘ{/ 代ト'フ}トーヘ -=≡三 -=三
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〈>―- 、 ノト、{ヽ「 _ / -=三三ニ
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〈_:::::::::_/〈r───r':::::_/ | |l「 匸コ|───── |
\::::::::::_| 厂 | |lL. 匸コ|───── |
 ̄ | ! | l_L三三三工| ̄ ̄ ̄ ̄
業者「さて、話は終わりだ。そこをどいてもらおう。今から運ぶのでな」
男「させない」
業者「……どけ」
男「俺はこいつを守るって決めたんだ」
業者「……二人とも、さっさと運んでくれ」
運び屋1「あ、はい……あの、いいんですか?なんか不思議な話をされてましたけど」
運び屋2「あ、ああ」
業者「いいから。この自販機はもう不要なんだ」
運び屋1「わ、分かりました」
自販機「……!!」
男「やめろ!こいつに触んな!!」
運び屋2「邪魔だ、坊主。これは仕事なんだよ!」
男「やめろっていってんだろ!!離れろ!!」
自販機「た、た、……・す、け……て……」
業者「おい、一人が押さえつけておけ。私も運び出すのを手伝う」
運び屋2「ほら、大人しくしろ!!」
男「くそ!!放せよ!!!」
業者「―――よし。ロープを固定した。そのまま引きあげて荷台に乗せろ」
運び屋1「分かりました」
男「やめろ!!やめろって!!!」
業者「ふん……凡人は黙っていろ」
女「―――このロープを外せばいいんだね!!」
自販機「……!?」
業者「なに!?」
男「……おせえよ」
友「―――こっちです!!早く!!」
警察「何をしている!!」
業者「な……!?」
男「あ……」
友「悪いな。自販機の場所がイマイチわかんなかった」
業者「これうちのなんで」
警察「あ、はい」
運び屋1「なんかやべえぞ!!」
運び屋2「逃げろ!!」
業者「まて!!」
警察「待て!!お前ら、ここで何をやっているんだ!!」
業者「自販機の撤去作業をしていただけだ」
女「よっしゃ、外れた!!」
男「よし」
自販機「……あ、り……が……」
業者「貴様ら!!」
友「おい。言ってやれよ」
男「あの。このニュース、知ってますよね?」
警察「え……?ああ、老人が殺された事件か」
男「俺、殺される直前までこいつが傍に居たのを目撃してます」
警察「なに……!?」
業者「キ、貴様……!!」
>>521
いやお前の常識押し付けられても^^;
>>548
まあ涙ふけよ 再生厨
つまんないの自覚しながらな
警察「それは本当か?」
男「はい」
業者「濡れ衣だ……」
女「ねえねえ、大丈夫?」
自販機「……(ピコーン!!」
女「おもしろーい♪」
警察「だが、話は聞かせてもらおう」
業者「……ぐ!!」
警察「君にも事情を聞きたい。一緒に来てくれるか?」
男「あ、はい……」
業者「分かった……ちょっと待ってください。トラックに貴重品があるんで取ってきます」
警察「ああ」
友「ふう……なんでこんなことしたのか、あとで説明してくれよ?」
男「お前は喜ぶだろうな」
警察「自販機の撤去か……こんな深夜にやらなくてもいいだろうに」
>>548
まずオレの常識じゃない
再生厨って言葉は他にも使ってるやつはかなりいる
それにオレがいつお前に常識押し付けた?
いきなりつっかかってきて意味不明なことぬかすなよ池沼^^;
女「ねえねえ、この自販機、なんか返事してくれるんだけど、なんでー?」
警察「なに?」
男「あ、それは」
友「へえ、新しい自販機なのか?」
自販機「……ぁい」
女「喋った!?」
警察「な、なんだ……これは?」
男「また、説明します。それより、アイツが逃げないか見ておかないと」
警察「ああ、そうだな。おい。おかしなことはするなよ。車のナンバーは控えたし、逃げても罪が増えるだけだぞ?」
業者「―――ここで逃げたら……だめでしょう?」
ブゥゥゥン!!!
警察「―――貴様!!なにエンジンをかけているんだ!!降りろ!!」
男「え……?」
自販機「……ど、し……たの?」
業者「死にたくなかったら全員、自販機から離れろ!!―――このトラックで破壊してやる!!」
警察「貴様―――」
業者「邪魔だ!!」
警察「ぐぁ!!―――そこの三人、逃げろ!!」
友「やべえ!!逃げろ!!!」
女「きゃあ!!」
男「な―――」
自販機「な、に……?」
業者「これで世界に平和が―――」
自販機「………い、る?」
男「やめろぉぉ!!!」
友「危ないって!!こっちにこい!!!」
男「はなせ!!はなせ!!!俺はあいつの傍に――――」
自販機「………い、る?………ど、こ?」
業者「―――砕けろぉ!!」
――――ドォォォン!!
>>554
その再生厨と言うのを、お前の嗜好の如何に関わらず、忌避される理由を論理的に言え
すいませんでした
擬人化の意味をはき違えてました
http://c.pic.to/1g91le
警察「―――貴様!!降りろ!!」
業者「ふふ……やった……これで……」
警察「……君達、怪我は?」
友「大丈夫です」
女「な、なんとか」
男「あ……ああ……」
女「自販機……ぺっしゃんこになっちゃった……」
友「……ひでえな、これ」
男「あぁ……ぁあ……」
女「ど、どうしたの?」
友「お、おい!?」
業者「人類は……守られた……」
警察「―――はい、応援を。あと救急車も」
男「ま、もれ……なかった……あぁ………」
友「な、何があったんだよ……?」
>>618
ゴローニャ乙
男「ぐぅぅ……うわぁぁぁぁ………!!」
女「あ、の……」
友「……ん?おい、なんか聞こえないか?」
女「な、なに?」
―――ど、こ?……い、る?……どこ?
女「自販機の声、かな?」
友「さ、さあ……」
男「……!?」
男「―――いるぞ!!ここにいる!!大丈夫か!!!」
自販機「あ……♪……い、た……いた♪」
男「何ともないのか!?」
自販機「……(ビゴーン」
男「あはは……壊れて、酷い、おと……だぞ……うぅ……よか、った……ほ、んとに……」
業者「ば……馬鹿な……あれでAIが壊れないだと……まさか……博士め……」
業者「交通事故も想定して……いた……のか……くそ……」
―――翌日
男「あの!」
警察「ん?ここからは立ち入り禁止だよ」
男「すいません、あの自販機から声しませんか?」
警察「声って……」
警察「何か聞こえますか?」
作業員「ああ、なんかずっと「どこ?どこ?」って言ってる」
男「あの!!大切なものがその中にあるんです!!」
警察「大切なもの?」
男「お願いします。取ってもらえませんか?」
警察「君のなのか?」
男「えっと……はい!」
警察(なんだ、玩具の類か……?)
警察「少し待ってなさい」
男「は、はい」
作業員「これだな……この丸っこいのから聞こえる」
AI「……ど、こ?い、る?」
警察「これかな?」
男「あ、貸してください!!―――おい、俺だぞ?わかるか?」
AI「……」
男「おい?」
AI「……」
男「どうしたんだ?聞こえないのか?」
AI「―――ピコーン」
男「あはは……声に出すなよ……馬鹿……」
AI「ピコーン」
男「帰ろう……」
AI「……ど、こに?」
男「俺の家」
AI「ピコーン」
―――自宅
男「でも、これ……球体だな……中身取り出したらきっとやばいよな」
AI「……?」
ピリリリリリリ!!
男「あ、電話……」
女「―――もしもーし!取り調べ終わったのー?」
男「え……あ、ああ」
女「なら、今からデートしーよ」
男「あ、えっと……買いものに付き合ってくれないか?」
女「え?何買うの?」
男「えっと……なんか可愛いぬいぐるみ」
女「なにそれ?くれるの?」
男「お前じゃない」
AI「………」
AI「あ……んっ……ダッチワイフに搭載するなんてらめぇ」
男「フヒヒ」
―――ファンシーショップ
女「何買うわけ?」
男「いいだろ、別に」
AI「……」
女「これがあの自販機の声を出してたやつなの?」
男「ああ」
女「元気ー?」
AI「ピコーン」
女「おお」
男「よし、これにする」
女「どうすんの?」
男「ぬいぐるみにそれを入れる」
女「はぁ?それで夜な夜な話すの?」
男「なんだよ……」
女「べっつにー……でも、それだと連れてあるけないから、キーホルダー型のやつにしちゃえば?それなら鞄につけられるでしょ?」
―――翌週 大学
男「おはよう」
友「おお。このニュース見てくれよ、やっぱりあいつが犯人だったみたいだ」
男「そっか」
友「あれ?興味ないのか?」
男「もういいよ」
友「そっか?―――元気か?」
キーホルダー「……は、い」
友「あーかわいいなぁ……貸してくれよ」
男「無理だな」
友「ケチ」
男「うっせえ。レポート自分でやれるようになってから言え」
女「おっす!―――キーホルダーちゃん、元気ー?」
キーホルダー「は、い……げん、き」
女「どんどん会話できるようになってるね。どんな教育してんの?」
キーホルダー大の物に高度なAI回路組み込むとか
男「べ、べつに」
キーホルダー「い、つも……お、にいちゃん……お、はなし……して、くれる、の」
女「うわ……この熊のキーホルダーに向かって?―――きも」
男「お前!!言うなよ!!」
キーホルダー「……えへ」
友「かわいいー!!」
男「はぁ……」
女「む……こりゃうかうかしてられないな」
男「あ、そろそろ講義だ。じゃあな」
友「おう!また昼にな」
女「たっしゃでなー」
男「―――今日もいっぱい勉強しような」
AI「う、ん……も、っと……色んなこと……教えて、ほしいな……おにいちゃん♪」
おしまい。
乙
ちょっとコーヒー買ってくる
途中からピーン!!がピコーン!!になってた
ひでえな、脳内訂正しといて
世にも奇妙に似たような話があったのか
パクッたわけじゃないぞ。本当だからな
みんな乙
排水溝から水が逆流してきたから見てくる
さっきからごぼごぼうっせえわ
>>858
これのことじゃね?
http://yonikimo.com/db/public/415.html
自販機男
>>864
おお、ありがとう
こういう話のほうがやっぱりいいな
あと排水溝どうなってんだろ?逆流はとまったけど怖い
そういえばトラックつっこんでも痛いとかないのか
コーヒー出すときだけ痛いってことは分娩的なものなんかな?
>>887
出したら痛いって言う信号を出す仕組みなんじゃ?
>>890
なるほど
何個出したか把握できるようにか
考えてるな博士も
流石やで
モンジュにこんな話あったな
パクリか
あぁぁ……排水溝やばい
>>903
やっぱり擬人化モノは先人が多いなぁ……擬人化されてないものを探すほうが大変だな
モノごころモノ娘。でちょっと勉強してくる
貯金箱タン
少しずつ貯まって嬉しい様と全て貯まると開けて捨てられるジレンマは面白そう
>>17
訂正
抗議→講義
さてと、夜勤に備えて寝る
自販機に向かって腰振ってるやつがいたら確実におまえらなわけだな
>>913
貯金たん「えへへ、ご主人様ので私のお腹いっぱいだよぉ……」
貯金たん「えっ……う……うん……そうだよね、全部ご主人様のだもんね、出さなきゃ……行けないよね」
パリーン
貯金箱「あっ……だめ、そこ開けたら……でちゃうの……!」
パカッ
貯金箱「んほぉぉぉ!!ごひゃくえんだみゃでりゅぅぅぅ!!おぉぉ!?とまりゃないよぉぉぉ!!」
ジャラジャラ……
/ \
/ ヽ
. ,i' ', どぉ~だいみんな!
;i' _...._ |
「l r ―- 、 r' - ┘ h 糞 ス レ だ ろ ?
|.i' "_..二. 〉 z@ニ= |.|
. |l i′  ̄ ` |j ―┐ _ _ _ _ ┃┃
. `! r′ __ぅ l___ __ノ オ ´ `ー'´ `ー'´ `ー'´ ` ・ ・
. ', /;';';';';',:, ) ,'\ \ミニヽ、
. ', (iニ=テ7 ,' }、 \ミ二ニ
;, ヾ二フ ,' /::\ \ミニ
/ ヾ、 , , , , , , , , , ,i' /ニ三\ \ミ
ィ ( `(´.)';';';';';ジ /二三二\
/ \\ /_二ヽ__(⌒)/二三二三二\
\ \\( __i_ `)二:三二三二三二ヽ
二\ \ ! : `}ニ三二三二三二三}
三二\ │  ̄  ̄ フ二三二三二三二ニ/
ニ二三二/ `T´\三三三三三ニ‐''"
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