十神「おい日向!」日向「?」 (102)
・このSSは十神「おい苗木!」苗木「?」のその後の話です。このSSを読み始める前に前作を読んだ方がより楽しめると思います
・初っ端からネタバレのオンパレードなので注意してください
・キャラ崩壊が激しい場合が有りますご注意ください(特に十神クン)
・このSSの十神クンは多分かませでも鎌瀬でもありません。そのような十神クンを期待されている方は申し訳ありません……
・基本的に自分のPCのネット環境が整うまで亀更新です。書き込めない間出来るだけ書き溜めはしますが、尽きた瞬間から元々遅かった更新速度が更に落ちます
・投下できるのは多分週に1~2日くらいだと思います
・遊戯王の方の投下も平行してやっていくつもりですがそちらも遅くなりそうです。申し訳ありません
・上記の注意をよく読み希望を持って読んでください。そうすればどんな絶望的な事があったとしても乗り越えてその希望を更に輝かせられるハズだからね!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1381506258
俺の名は『十神白夜』。『超高校級の御曹司』として私立希望ヶ峰学園に入学した
まあそこでモノクマなる者からコロシアイ学園生活を送る様強制されたり、『超高校級の幸運』である苗木誠と共にクラスメイトと仲良くなるために奔走したり、その結果苗木と二人で『超高校級の希望』と呼ばれコロシアイ学園生活を終わらせたりしたがそんなことは今は置いておこう
そんな俺たち希望ヶ峰学園第78期生は、現在学園OBが組織した『未来機関』に所属し『人類史上最大最悪の絶望的事件』の後処理を行っている
これは、その時に俺達に起きたある一つの物語だ
物語の始まりは不二咲のある一言だった
不二咲「出来たよ十神クン! 『絶望になってしまった人から絶望を取り除けるプログラム』だよ!」
十神「ようやく完成したか。待ちわびたぞ!」
これで今までは殺すしか選択肢が無かった絶望を殺さずに救う事が出来るんだな……
十神「よし、早速俺達が秘密裏に保護している『希望ヶ峰学園の生き残り』である『超高校級の絶望達』を元に戻すぞ! 奴らに一刻でも早く戻ってもらいこのプログラムの有用性を上に知らしめてやるんだ! これ以上無駄な血が流れなくても済むように……な」
不二咲「でも、このプログラムは『絶望』になってない生身の人が一人監督者としてプログラムに参加しないといけないんだぁ……」
十神「フン、その役目俺が引き受けてやろう。苗木達では少々不安だからな……」
不二咲「ありがとう十神クン……ホントはボクが行くべきなんだけど、このプログラムに問題がないか常にチェックしないといけないから……」
十神「いや、それくらい百も承知だ。だからこの俺が引き受けたんだろう?」
十神「いいからお前は俺のことを全力でバックアップするんだ。それ以外の事はこの俺が責任を持ってやってやる。『十神白夜』の名に懸けて絶対にな!」
不二咲「あ、大丈夫だと思うけど、もしもの時のために十神クン以外にも一人NPCを生徒としてプログラムに参加させてるからね!」
十神「まあ、1人より2人の方が何かと都合が良いからな。ありがたい」
不二咲「『七海千秋』って言う『超高校級のゲーマー』として参加させてあるから、詳しくは直接会って聞いてね!」
不二咲「じゃあ、任せたからね! あ、くれ悪。だよ!」
十神「ああ、その程度の事くらい分かっているさ」
俺は不二咲から手渡されたヘルメットの様なものを被り、静かに目を閉じた
体から何かを引っ張り出されるような感覚を味わった直後、俺の意識は暗転した――――
目を覚ました時、俺の目に飛び込んだのは憎々しくも懐かしい希望ヶ峰学園の教室だった
ふと自分の体を見ると希望ヶ峰時代の服装になっている。と言う事は鏡を見ない事には確信を持てないが体型などの身体的特徴もあの頃に戻っているのだろう
教室を見回すと、誰も居な……いや、居た。パーカーを被ってうつ伏せになっている物体が
多分コイツが不二咲の言っていた俺の協力者となるNPCだな
取り敢えず話しかけてやるとしようじゃないか
十神「おい、そこのお前。お前は何者なんだ?」
……返事は無い。コイツ、この俺を馬鹿にしているのか?
??「……ZZZ……」
コイツ……寝てやがる……
大人気無いがイラッとしたのでコイツの突っ伏している机を軽く小突いてやる
??「ZZZ……っ!? ああ、ちょっと寝てたかも……しれない」
十神「かもしれないではなく完全に寝てただろう? まあ起きただけマシか。おい、お前は何者なんだ?」
もしコイツが協力者では無かった時のためにどちらとも取れる質問をする
??「七海千秋です。『超高校級のゲーマー』でーす。趣味はゲームです。オールジャンルイケまーす。よろしくお願いしまーす」
十神「『超高校級のゲーマー』『七海千秋』……つまり、お前が俺の協力者と言う事で良いんだな?」
七海「うん、それであってる……と思うよ?」
十神「何故疑問形なんだ……?」
コイツと話していると調子が狂う。これから先が思いやられるな……
??「チィーッス! あれここ何処っすかー?」
また変なのがやってきたようだ。俺の精神安定剤になるような奴は居ないのか……?
??「あれ? 唯吹の他にも誰か居るみたいっすねー?」
フン、一人目が来たようだな。まずはどんな奴か聞いておくのが得策だろうな
十神「おい、そこのお前! お前も新入生なのか?」
??「えっとぉ……言われてる意味が良くわかんないでーす!!」
ああ、コイツは間違いなく葉隠と同じ部類の人間だ。もう少し分かりやすく言うと馬鹿だ
十神「はぁ……取り敢えずお前が何者かだけで良いから教えろ。俺も情報が少なくて困っているんだ。少しでも情報を集めておきたい」
??「ああ、それなら分かるっすよ! じゃあ自己紹介だね! 澪田唯吹の澪に、澪田唯吹の田に、澪田唯吹の唯に、澪田唯吹の吹で……澪田唯吹でーす!」
澪田「はい! 自己紹介終わり!」
あ、頭が痛くなってきたぞ……これ以上めんどくさい奴が来たら、俺の胃と頭が可笑しくなるんじゃないか?
澪田「あ、忘れてたけど『超高校級の軽音楽部』って言われてたり言われなかったりしてるっす!」
十神「一番重要な所を忘れるんじゃない。と言う事は俺達と同じように新入生ってことだな?」
澪田「こまけー事は気にしねーっす! まあここに居る人が全員新入生なら唯吹もそうなんじゃないかな!」
十神「適当だな……」
澪田「適当じゃないと人生やっていけないからね! ところでお二人さんはどちら様で?」
十神「俺は十神白夜、『超高校級の御曹司』だ。そこの、机で突っ伏しているパーカー女は『超高校級のゲーマー』の七海千秋らしい。まあ俺もコイツと殆ど会話出来てないからそれ以外は分からんが……」
澪田「へー、それなら他の人が来るまで唯吹とお話しするっす! いやあ御曹司ってのはもっとこう、ポチャッとしてるものかと思ってたんすけど案外痩せてるもんなんすねー」
………………
…………
……
それから次の生徒が来るまで延々と澪田に話しかけられ続けた。無視したらいずれ諦めると思っていたが懲りずに話しかけ続けるなんてよほどの馬鹿か? いや、元々ノータリンだったか……
??「ここはどこじゃああああああああ!!」
??「あん、んだぁここは?」
今回は二人同時に来たのか。第一声からして嫌な予感しかしないんだが……
頼むからこれ以上俺の胃を痛めつけるのはやめてくれ……はあ、こんな事になるんだったなら苗木辺りにやらせるべきだったか?
そういえばしばらく来てない内に名前欄のデフォルト表記が変わってるっぽかったのでこちらの名前欄も変えてみます
十神にかわりましてかませ眼鏡がお送りします→十神にかわりましてかませ眼鏡がお送りします(TGM)
澪田「ちらっ、ちらっ」
おい澪田。何故俺の方を見る? 後どうして擬音を口で言ってるんだ?
はぁ……分かった。俺があいつ等と話せば良いんだな?
十神「おい、お前らは一体何者だ? やはりお前らも希望ヶ峰学園の新入生なのか?」
??「墳ッ、その通りじゃあ。『超高校級のマネージャー』弐大猫丸とは、ワシの事じゃああああ!! 地獄に行っても忘れるんじゃねえぞ!」
??「おっす! オレは終里赤音ってんだ! よろしくなッ!」
弐大「ところでお前さん、良い体つきじゃのぅ……なんかスポーツの才能でも持っとったりせんか? いいや、持っとらんでも良い。このワシが鍛えてやる! そうすればお前さんは更に……」
終里「え、やだぜめんどっちい。オレは戦うのは好きだけど鍛えんのは面倒だからやなんだよ」
弐大「な……ななな……なんじゃとおおおお!?」
弐大「このワシのマネジメントを断ったのはお前さんが初めてじゃあ……更に気に入った! 何が何でもワシがマネジメントしてやるぞおお!!」
終里「なあそこのお前。ええっと……なんだっけ?」
十神「十神白夜だ」
終里「十神、ちぃっとばっかし騒がしくなるけど勘弁してくれよな! このおっさんを黙らせるまでだからよ!」
弐大「ほお? 戦いとは……ガッハッハッハ! 実に面白いぞ! そっちがその気ならワシは戦いながらマネジメントしてやろう……さあこいッ!!」
終里「後で吠え面書くんじゃねぇぞぉ!?」
澪田「あれれれれれ!? 唯吹ってば何時の間に世紀末にタイムスリップしちゃったんすか!?」
七海「うわあ……あんな動き、格ゲーみたい……かも? 机や椅子が飛んできてるし……あ、椅子が十神くんに当たった」
澪田「うわあ、キレイに弧を描きながら飛んでるっすねー」
七海「あの動きって格ゲーで真似出来るかな。後で試してみよう」
十神「き、貴様ら……少しくらい俺の心配をしたらどうなんだ?」
澪田「うっはー! あんだけ見事に顔面強打だったのに眼鏡は傷一つ無いっすね!」
十神「俺自身より眼鏡の心配……だと……?」
部屋の隅で飛んでくる物を避けながら戦いが終わるのを待つことにしよう。これ以上痛い思いはしたくないからな……
それから暫くして戦いは終わった。最後は手を取り合いながらお互いを讃え合っていた
……それはいいとして、この散らかりまくった教室は誰が片づけるんだ?
澪田「ちらっ、ちらっ」
七海「ちらっ……ちらっ?」
弐大「ちらっ! ちらっじゃあ!!」
終里「お前がやってくれんのか? サンキュー!」
……だろうな。まあ分かっていたさ
結局教室の片づけは俺一人でやる事となった。片づけが終わった直後また新たに到着した奴が来たようだ
今度こそまともな奴である事を祈ろう
??「フン……ここが俺様の新たな戦いの場か……? しかし、この破壊神暗黒四天王の前には全て無意味なのだ! はーっはっはっは!!」
……祈ろう……
次の投下は今使っている物と違うPC等でしかできなさそうなので要らないとは思いますが一応酉付けておきます
??「フン、煩わしい太陽だな……だがこの俺様の手にかかればその光を奪う事など造作もない事だ……」
……このプログラムを受けている奴らは俺以外全員頭の螺子がぶっ飛んでるんじゃないか?そもそもここには太陽の光など届いていないが……
十神「おい、そこのお前。俺は『超高校級の御曹司』十神白夜だが、お前は何者だ?」
??「なんだ貴様は? この俺様の前に立つとは……この俺が『制圧せし氷の覇王』と呼ばれた田中眼蛇夢と知っての狼藉か!」
十神「は……?」
??「フッ、下がらぬか。よかろう……その勇気だけは認めるとしよう」
十神「い、一体コイツは何を言っているんだ? 説明しろ七海!」
??「その勇気を讃えて我が名を聞かせよう! 貴様の人生の中でも忘れられぬ名前となるはずだ!」
??「俺様は田中眼蛇夢……覚えておくがいい。いずれ、世界のすべてを支配する男の名だ」
七海「……多分、邪気眼とか厨二病って言われてる部類の人……じゃないかな? 分かりやすく言うと自分は特別な能力を持つ人間なんだって妄想してる人の事……だよ?」
十神「そう言う事か、ワンテンポ程遅かったが納得した。しかしこの学園には変人しか居ないのか? 正直心配になってきた」
田中「フハハハハハハッ!! 俺様の名を聞いて震え上がるがいい!!」
十神「妄想か……そう言われればだんだんとコイツが何を言ってるのかも分かる気がしてきた」
田中「さて、今度は俺様が問おう。貴様は誰のマスターだ?」
多分今のは「今までペットを飼った事が有るか?」だな
田中「答えよ、貴様が契約した種族はなんだ?」
これは「もし飼ってたなら何を飼ってたのかも教えてくれ」だな
田中「さっさと答えろ! だが、その頃には貴様は海の藻屑となっているぞ!」
これはかなり難解だが多分「早く教えてくれ。俺は『超高校級の飼育委員』だからな。御曹司がどんなペットを飼っているのか気になるんだ!」で合っているはず。ならば俺が言うべき解答は……
十神「フン、俺は金持ちが飼っていると思われるペットは大体飼っているぞ?」
田中「き、貴様ッ! エリートだな!?」
フン、コイツとの会話も慣れてきたな。今のは「本当か! それは凄いな、流石は御曹司なだけは有る」だ
田中「貴様の魔力……今はまだだがいずれ俺様と肩を並べるまでになるやもしれん」
これは翻訳するまでもない……コイツもしかすると中々いい奴なのかもしれないな
は、ははははははは……ようやく(思考は)まともな奴と会えた。プログラム開始からこれほどまでに嬉しいことは無い
俺は田中とペットについて熱く語り合いながら次の参加者を待つのだった
??「うゆぅ……ここは、どこですかぁ……?」
??「ジャマなんだよ、さっさとどけよなこのクソビッチ!」
??「く、クソビッチですかぁ!?」
ああ、俺の癒しは田中だけなんだろうか……
??「クソビッチにクソビッチって言って何か悪いの? それともゲロブタの方が良い?」
??「ふ、ふゆぅ……申し訳ありませぇん……もう口答えなんてしませんから許してくださぁい!」
十神「おい、そこの。流石にそれは言い過ぎじゃないか? お前らが普段からの知り合いで日常的にその様なプレイをしてるのなら俺はこれ以上何も言わないが」
??「はぁ? わたしがこんなゲロブタと知り合いの訳ないじゃん! 知り合いだったら首吊ってるレベルだよ!」
??「ごめんなさいごめんなさいぃ~! 死ぬ以外はなんでもしますから許してくださぁい……」
十神「それなら見過ごす訳にはいかなくなったな」
??「はぁ? いきなり何言ってんの? あ、そうか! 今取り敢えず助けといて後でゲロブタの身体を要求するつもりなんだ! ゲロブタって体付きだけはいいからねぇ~」
??「ふえぇ!? 私、どんな事されちゃうんですかぁ……? で、でも虐められるよりはマシなのかも……」
十神「この俺がそんな事するわけがないだろう!」
??「ですよね……私みたいなゲロブタの身体に興味を持つ人なんて居ないですよね……」
十神「そ、そういうつもりではなくてだな……ああ! なんでこうもここに居る奴らはめんどくさいんだ!!」
七海「十神くんはえっと……そこのきみ達なんて名前だっけ?」
??「罪木蜜柑です……皆さん本当に心から何卒よろしくお願いしますぅ!」
??「西園寺日寄子だよー!」
七海「私は七海千秋だよ。ねえ罪木さん、十神くんは罪木さんが西園寺さんに虐められてると思って助けてあげようとしただけだと思うよ?」
罪木「ふえぇ!? 私なんかを……? お礼に私は一体何をすれば……そうだ! 取り敢えず服を脱ぎますから……」
十神「おい罪木! 自分の体ならもっと大切に扱え! 自分だけの問題では無いんだからな。それで怪我でもしたらどうなるんだ?」
罪木「えへへ、その心配は要りませんよぉ? 私って『超高校級の保健委員』ですから、大抵の怪我なら自分で治療出来ちゃいますし……あ、だからと言って私しか治せないって訳じゃ無いんですよぉ? 皆さんも死んでさえなければ絶対に治せちゃいますから」
十神「ならば、お前が自らを治療または手術している最中に俺が手術が必要な程の大怪我を負ったらお前はどうしてくれるんだ?」
罪木「ええっとぉ……その……ふ、ふゆぅぅ……」
十神「……答えられないんだな。まあそうだろう、自分と相手を同時に手術するのはたとえ『超高校級』でも難しいだろう。それに絶対治せると啖呵を切った以上今更無理とも言えまい。だが、これから先そういう事態が起こらないとも言えないだろう?」
十神「だからこそ医療の心得のあるお前は人一倍自分を大切せねばならんのだ」
罪木「うえぇえぇぇぇん……ごめんなさぁい……」
いきなり泣き出しただと……おい苗木! こんな時はどうすれば良いんだ!?
澪田「あ~あ、ダメっすよ白夜ちゃん。女の子を泣かせるなんて! 唯吹は激おこっす!」
十神「……俺はコイツを泣かせる様な事を言った覚えはない」
罪木「ち、違うんです! 初めて十神さんは私を心配してくれて……それがとっても嬉しくて……」
罪木「えへっ、えへへへへ……! はわぁっ! ご、ごめんなさぁい! いきなり笑ったりして!」
十神「いや、謝る必要など無い。罪木はもっと胸を張って前を向いて自分に自信を持てば良い。そうすれば罪木を虐める奴らも居なくなるはずだ。それを俺は傍で見ていてやる。それでもイジメが無くならないなら俺に頼れ! 俺が何とかしてやる」
罪木「ほ、本当ですかぁ!? 嬉しいです……ぐすっ……えへへへっ……ずっとそばで見守ってくださるなんて……」
そんな意味で言ったつもりじゃあないんだが……改めて見ると罪木は泣き顔よりも笑顔の方が似合う。ならばこの笑顔を壊さない為にもしばらくはこのままで良いだろう
西園寺「……ふーんだ! みんなゲロブタにばっかり構っちゃってさ! みんなみんな大っ嫌いだぁ!!」
十神「今度はなんなんだ?」
田中「フッ……我が盟友は察しが悪いな。あれはあの小娘の持つ特殊能力の一つ『集約せし嫉妬の権化』に決まっているだろう」
七海「……要するに、罪木さんばかりみんなに構われて西園寺さんは寂しかったんだと思うよ?」
十神「フン、なんだそんな事か……心配して損したぞ」
まあ、後で少しくらい構ってやるとしよう。皆の精神安定をはかるのもこの俺の役目なのだからな。はあ……こんな時に苗木が居れば、もっと上手く立ち回れるんだろう。居ない人間についてとやかく言っても意味は無いんだが……
??「フン、ここは何処だ? 見た限り何処かの教室か何かの様だが?」
そうこうしている間に新たな参加者が――な、なん……だと……?
おい、不二咲……なんの冗談だ?
なんで、ここに……
??「おい、そこのお前! 何故この『超高校級の御曹司』である十神白夜の姿をしているんだ?」
十神「丸々と太った姿の俺が居るんだ!?」
澪田「ぎゃああああああああ!!! びゃ、白夜ちゃんのドッペルゲンガーっす!」
七海「あ、澪田さんが泡を吹いて倒れちゃった……かも?」
田中「何故目の前で起きている惨状を見ながら疑問形なのだ? まさか……っ! この俺様の頭脳を持ってしても分からんだと……!?」
十神「田中。コイツはそう言う奴なんだと思っておけ。考えるだけ無駄だ」
十神?「おい! そこの愚民!」
十神「まさかとは思うが、お前の言う愚民とは俺の事では無いだろうな?」
十神?「逆に聞くがお前以外に誰が居ると言うんだ?」
罪木「だ、ダメですよぉ! 同一人物同士で争うなんて……あ、ごめんなさぁい……私なんかが出しゃばって……」
十神「いや、助かったぞ罪木。お前のお蔭で少しばかり冷静さを取り戻せた。まあ一つ指摘するなら俺とコイツは同一人物ではない」
罪木「あ、ありがとうございますぅ! えっと……痩せてる方の十神さん!」
十神「……まあ良いか。それよりも重要な事が残っているしな」
十神「取り敢えずお前は一体誰なんだ?」
十神?「お前の方こそ誰なんだ!」
澪田「もういっその事別人って考えた方が良くないっすか?」
七海「なら……呼び分けるためにあだ名を付けるのはどう……かな?」
西園寺「太ってる方の腕がすっごくむちむちだねー。『豚足ちゃん』ってあだ名がぴったりだよー!」
十神?「と、豚足ちゃん……だと……?」
十神?「フッ……この俺が、他人からそんな風に呼ばれる日が来るとはな……」
澪田「おっ!? 以外と好感触……? それなら唯吹は『豚足ちゃん』と『十神』を足して『豚神ちゃん』ってのを提案するっす!」
十神?「フン、構わん。好きに呼ぶと良い。最後に本物の十神白夜と分かるのは俺の方なのだからな!」
豚神「これから俺の事は豚神と呼ぶが良い! 愚民と戯れるのもまた一興だ……」
十神「なんだ……コイツ……? 一瞬にしてこの面子を手懐けた……だと……」
この人心掌握術は御曹司の領域を超え、もはや詐欺師のそれだ……
クソッ! これ以上偽物風情の豚神にいい恰好などさせてたまるか!
俺が決意を新たにした時、次の参加者が教室の扉を開けた
??「ひかえおろう!」
??「うわあ、すごい美人さんがいっぱい居るね! ああ、ぼくの下半身に毒が溜まって来ちゃったよ!」
??「初っ端から下ネタかよ! てかなんでオレ初対面のヤツに突っ込み入れてんだろ……?」
またか……またなのか……いい加減にしろよ希望ヶ峰学園……!!
どうして入学基準に精神面を入れないんだあのトンチキめが!
取り敢えず今回はこれくらいで……
もし寝れなかったりしたら続きを投下するかもしれないですけど期待しないでください
ではミナサンお休みなさい。らーぶらーぶ!
??「……あれ? もしかして今日本語の使い方を間違えてましたか?」
??「いやあ、希望ヶ峰学園に入学してよかったよ。可愛い子を見て溜まりに溜まった毒のせいで下半身が膨らんじゃった!」
??「ちょいとそこのお嬢さん。下半身の毒を吸い取って貰えないでしょうか? そう、口で!」
??「下半身ですね! 分かりました!」
??「いや、分かったらダメだって!」
??「うおっと……ジャマが入ったか……」
??「……どうも、こんにちは」
??「こ、こんにちは……左右田和一だ。よろしくな」
??「やあ! ぼくの名前は花村輝々だよ。巷では『超高校級の料理人』なんて呼ばれてるけど……」
花村「『超高校級のシェフ』と読んで貰えるかな? その方がほら……アーバンな香りがするでしょ? ンフフ、みんなよろしくねー!」
??「あ、そういえば自己紹介がまだでしたね? 遅れてしまってすみません! わたくしは、ソニア・ネヴァーマインドと申します」
ソニア「『ノヴォセリック王国』というヨーロッパの小国から留学生としてやって来ました。色々とご迷惑をお掛けすると思いますが、今後ともよろしくお願い致します」
左右田「よ、よろしくお願いします……」
十神「フン、そこのチャラ男が目を奪われるのも無理は無い。そこの留学生とやらは『超高校級の王女』と呼ばれる本物の王女なのだからな」
左右田「……ファッ!? マジかよ……オレ今王女様と話してんの!?」
十神「マジだ。世界を統べる十神財閥の後継者である十神白夜が言うんだ。間違いない」
左右田「お、オレ! 左右田和一って言います! 『超高校級のメカニック』をやってるんで機械関係で困ってる事が有りましたらいつでも声をかけてください! ソニアさんが王女様とは知らなくって……さっきの適当な自己紹介は忘れてください!」
ソニア「そんな、適当だなんて……わたくしは嬉しかったのですよ? ここに来て直ぐに対等な友人が出来たと……」
左右田「ソニアさん……」
花村「ちょいちょい、お二方さん。さっそくボクは仲間外れコースかな?」
左右田「いや、そういうつもりじゃ……いや、やっぱ忘れてたわ」
花村「まったく。ぼくを会話からはぶるなんて……そんなのお魚抜きの海鮮丼だよ!」
左右田「なあ、花村ってさ……幸せそうだよなぁ?」
花村「ンフフフ……まあハイかイイエかって言われたらモチロンハイだね。だってこんなに沢山のカワイ子ちゃんが居るんだよ!? 幸せ以外の何が有るんだい?」
花村「だからぼくは色んな妄想をしてそれを同意の上で実行に移すんだ。今のソニアさんみたいにね……」
十神「……よし、見かけたら全力で止めるからな」
左右田「……十神。オレも加勢するぜ」
花村「まあとにかく、料理も恋も情熱が一番大切だからね。ンフフフ……」
豚神「コイツは色んな意味で危ないヤツだな……」
左右田「あれっ? 十神お前いつの間に太ったんだ?」
十神「お前は何処を見ている。俺はここに居るぞ」
左右田「あっれぇ!? そうか分かったぜ、双子かなんかだな!」
十神「残念ながらコイツと俺は同一人物でもなければ血も繋がってない。要するにただの他人なんだが、このデブは自分の事を十神白夜だと思っているんだ」
豚神「それは俺の台詞だ!」
左右田「なんとなく分かったからお前らちょっと黙れ! 同じような声で違う内容を話されたら頭がこんがらがっちまう……」
ちっ……どうすればコイツらに俺が本物だと証明出来るんだ……?
??「あん? んだここは?」
??「私はたしか校門をくぐって……ここは何処だ?」
??「ちょっと男子! ここが何処なのか教えなさいよね! まったく、男子って頼りにならないんだから……」
今回も3人か……机の数からして残るは2人……そろそろ大詰めだな
遅くなって申し訳ありません!
一応ネットワーク環境は出来たのですが、DNS逆引きが出来なくて投下できませんでした……
今は友人のアクセス制限のかかっていないスマホからテザリングで書き込んでいます。多分これからもこれくらいのペースになるかもしれないです
死ぬ以外なんでもしますから許してくださぁい……
左右田「なあ十神、今来たヤツなんか悪ぶってんな」
??「あんだとテメー! あんまし調子こいてっと東京湾に沈めんぞ?」
左右田「ひぃ! ガキの癖になんかドス利いてんだけど!?」
??「おい、今オレの事を馬鹿にしたよなあ?」
左右田「え、いや、そんなつもりじゃ……」
??「言い訳してんじゃねえぞゴラァ!! どう落とし前つけるつもりなんだってきいてんだよ!!」
左右田「な、なんだよぉ、落とし前のつけ方なんて知らねえよ……十神ぃ……助けてくれぇ!」
十神「全く、考えもせずに頭の中の単語をポンポン口に出すからこういう事になるんだ。良く覚えておけ」
十神「国内最大の指定暴力団『九頭龍組』の跡取りと目されている『超高校級の極道』九頭龍冬彦とお見受けする。このバカが粗相をした落とし前……この俺、十神財閥後継者十神白夜に付けさせて貰いたい」
九頭龍「あぁん? 落とし前ってのは一体何をしてくれるんだ?」
十神「これから先九頭龍組に何か問題が発生した時一度だけ十神財閥が総力を挙げて問題解決に協力する。これでどうだ?」
九頭龍「……要するに十神財閥が後ろ盾になるってことだろ? それなら許してやらねえ事もねえよ。だが分からねえな……なんで天下の十神財閥次期当主様がそんな冴えねえチャラ男をそこまでして守ろうとすんだ?」
十神「……正直コイツがどうなろうとも俺の人生自体には何の影響も無い」
左右田「ひ、ひでぇ……そんなはっきり言われると傷つくぜ……」
十神「だが、こんな左右田でも俺の仲間だからな。仲間の為に尽力するのは仲間としての義務なんじゃないかと俺は思う。たとえ俺が『超高校級の御曹司』でなくても今と同じように左右田を庇っていただろう」
左右田「十神……」
十神「本当に大切な物は失ってからようやく気付くモノだ。かつて俺がその事を知った時すでに遅かった。だからせめてこれからは俺の手で守れる範囲の物全てを守りたい。そう思ったんだ」
九頭龍「ちっ……十神、テメーの覚悟は良く解った。今回はテメーのその覚悟に免じてそこのチャラ男を発言は聞かなかった事にしてやるぜ。後ろ盾云々も無かった事にしてやる! おいそこの!」
左右田「は、はいッ!?」
九頭龍「中々良いヤツをダチに持ったな。次は無えから覚悟しとけよコラァ!」
左右田「はいィ!!」
??「左右田のせいで自己紹介するタイミングを逃しちゃったじゃない! ……遅くなっちゃったけどアタシは小泉真昼。『超高校級の写真家』をやってるよ」
小泉「後今のやり取りでアタシの中では『頼れる十神』と『頼りない左右田』ってインプットされたからね! 特に左右田! 一度付けられた評価を変えるのは大変だよー? まあ精々頑張りなさいよね、男子ってそういうとこ適当だったりするし!」
左右田「た、頼りない……?」
??「まあ今の状況を客観的に見られてしまっているのなら仕方ない事だろう」
??「おっと名乗るのが遅れてしまったな。私は辺古山ペコ。『超高校級の剣道家』として希望ヶ峰学園に入学する事となった」
辺古山「正直私も今の九頭龍と十神のやり取りを見て左右田の現評価をこの中で最下位にしたからな……まあそれくらいかっこ悪かったと思ってくれ」
左右田「は、花村より下……? がへェ……」
七海「あ、泡吹いて気絶しちゃった……」
澪田「うっひょー、唯吹とおそろっすねー!」
豚神「そんなお揃いなぞ誰も得しないがな……」
澪田「HAHAHA! 豚神ちゃん、今は正論は無しっすよ! ブレイク・オンってヤツっす!」
豚神「それを言うなら無礼講だろう? それに少し語呂合わせだとしてもあまり上手くないぞ」
澪田「たっはー! だから豚神ちゃん、唯吹的にはちゃんとのって欲しいっすよ……」
豚神「……分かった、次はちゃんと乗ってやる。だからそんなに落ち込むんじゃない」
田中「……この自らの過ちの重さに押し潰されし無様な男はどの様にしておけば良いか?」
小泉「それくらい自分で考えなさいよ! アンタも男の子でしょ!?」
十神「……取り敢えず部屋の隅にでも引きずっておけ。流石に教室のど真ん中に何時までも放置しておくのは可哀想だ」
田中「フッ……そのくらいの事この俺様にかかれば造作もない事……」
左右田と九頭龍の衝突……一瞬胆が冷えたが蓋を開ければ大した事は無かったな
??「……来ちゃった」
これで残るは一人か……
??「ここが希望ヶ峰学園……ここに居る皆が超高校級の才能を持つ皆なんだね!」
なんだ。苗木か? わざわざアバタ―を弄ってまで高身長になりたいのかお前は……
??「おっと、ボクとしたことが自己紹介をするのを忘れてたよ。ボクの名前は狛枝凪斗。『超高校級の幸運』なんて才能として呼ばれたただの一般人さ」
ゾクリ。苗木……いや、狛枝が自己紹介をした直後俺に言いようの無い悪寒が走る
なんだこの感覚は……? この感覚の名前はまだ分からないが、少なくとも一つ分かった事が有る。コイツは苗木では無い。もっとどす黒いナニカだと言う事が……
狛枝「ボクの自己紹介はこんな感じかな? みんなの事も教えてくれると嬉しいな! 早くみんなと仲良くなりたいしね!」
田中「俺様は制圧せし氷の覇王、田中眼蛇夢だ! 俺様の名を胸に刻みながら朽ち果てるがいい……」
澪田「澪田唯吹の澪に、澪田唯吹の田に、澪田唯吹の唯に、澪田唯吹の吹で……『超高校級の軽音楽部』澪田唯吹っす!」
七海「……七海千秋。『超高校級のゲーマー』……かな?」
狛枝「……なんで疑問形なの?」
豚神「俺は『超高校級の御曹司』十神白夜だ」
澪田「あれ? 珍しいっすね。白夜ちゃんが豚神ちゃんの言ったことに噛みつかないなんて……」
十神「……すまん、考え事をしていた。で、何か言ったか?」
田中「フッ……我が盟友とも有ろう者が一体どうしたのだ?」
狛枝「……あれ? 十神クンが二人も居る……?」
十神「しまった! 俺ともあろう者が先に説明しておくのを忘れていた……」
狛枝「……す、凄いよ! 『超高校級の御曹司』程になると分身……いや、実体が有るみたいだから影分身も出来るんだね!」
豚神「おい十神……」
十神「奇遇だな豚神。多分今俺達は同じ事を考えているだろう」
十神・豚神「「コイツはめんどくさい」」
狛枝「どうしたの二人とも。そんなにカリカリしないでよ……深呼吸深呼吸」
ああ、何故かこの笑顔を無性に殴り飛ばしたい衝動に駆られる……
豚神「よく聞け狛枝。ここには十神白夜を自称する人間が二人いる。それで差別化するために別の呼び方をしているんだ。俺の事は豚神と呼んでくれ」
先ほどの悪寒と言い俺は一体どうなってしまったんだ?
??「…………あれ?」
フン、これで全員揃ったようだな。まだまだプログラムは始まったばかりだと言うのに……俺の胃は最後まで持ってくれるだろうか?
辺古山「何者だ?」
十神「そんなに警戒してやるな。コイツの顔色が悪くなってるぞ……大方最後の新入生だろう」
澪田「どうして最後だなんて分かるんすか!? 白夜ちゃんってもしかしてエスパーっすか!?」
十神「ここにある机と今居る人間の数を見ればすぐ分かるだろう。考える事を放棄するな。特に澪田、お前に言ってるんだ!」
澪田「だってぇ~考えるのってメンドクサイじゃないすか……なら他の人の意見に乗っておこうかなって……」
十神「まあ、今俺が言った事を頭に入れておけ。いつか他の誰でも無いお前自身が考え、選択しなければならん時も来るだろうからな」
澪田「はいはいこの話はやめやめっす! はいさい!」
??「あの……状況が全く掴めてないんだけど、ここは?」
??「その質問はあちしが答えまちゅ!」
澪田「うわぁ!! ぬいぐるみが喋ったぁ!?」
田中「コイツ……機関の生み出したゴーレムか……?」
十神「いや、流石にそこまで壮大なスケールの話じゃあないだろう……大方希望ヶ峰学園の新入生を歓迎するために作られたラジコンか何かだろう」
??「あちしはゴーレムでもラジコンでもないでちゅ! あちしはヌイグルミなんでちゅ。フェルト地なんでちゅ」
??「あちしには『魔法少女マジカル☆ウサミ』略してウサミって言うラブリーな名前が有るんでちゅ!」
ウサミ「こう見えてもミナサンの先生なんでちゅ。フェルト地なんでちゅ。よろしくね!」
終里「つーか、なんでチワワが喋ってんだよ?」
澪田「え!? あれってチワワなんすか!?」
ウサミ「……ミナサンはウサギってご存知でちゅか? フワフワと柔らかくてモフモフと愛らしい生物でちゅ!」
花村「ミートパイなんかにすると美味しいんだよねぇ……」
豚神「それは本当か……?」
終里「ならコイツ捕まえっから料理してくれよ!」
ウサミ「ほわわっ!? 先生に暴力なんていけまちぇんよぉ……」
十神「コイツらの茶番はどうでも良い。それよりもウサミとやら、お前は知っているようだな。俺達がどのような理由で集められているのかを……!」
ウサミ「おほん、もちろん知ってまちゅ! あちしはこの『修学旅行』の引率の先生でちゅから!」
豚神「修学旅行……だと……! おい……修学旅行とはどういう意味だ!」
ウサミ「そのままの意味でちゅよ? ミナサンには学園生活最大のイベントと言っても過言ではない修学旅行に参加してもらいまちゅ!」
左右田「おい、待てって……」
ウサミ「いいえ、待ちまちぇん! では、さっそく、楽しい修学旅行の旅に出発しまちょーう!」
ウサミがステッキを振ると教室はまるで昔のスタジオセットの様に倒れ、目の前に広がるのは……
左右田「ウ、ウソ……だろ?」
澪田「こ、ここはどこっすかぁ!?」
花村「あびりるらびーん!?」
十神「落ち着けお前ら!!」
ウサミ「安心してくだちゃい。修学旅行が始まっただけの事でちゅから!」
澪田「て言うか、どうしていきなり修学旅行!? 色々とすっ飛ばしすぎでしょ!」
??「それに賛成だ!」
七海「……あ、いたんだ」
豚神「おい……お前は何者なんだ? 何を企んでいる?」
ウサミ「ほわわっ? 企むなんてとんでもない! あちしはミナサンの為にやってるだけでちゅよ!」
ウサミ「ここには危険もないし、他人もいない。ミナサンの為だけに用意された島でちゅ」
ソニア「それは良いですね! しかも無人島だなんて……」
狛枝「まさか、この無人島でボクらに殺し合いをさせるつもりじゃ……!」
ウサミ「ほわわっ! こ、殺し合い!? きゃあ! 怖い!」
澪田「あら可愛らしいっすね!」
ウサミ「殺し合いなんて物騒な事はあちしが許しません! ミナサンらーぶ、らーぶしましょう!」
ウサミ「ミナサンはこの島でほのぼの~っと暮らしながら、仲良く絆を深めていってくだちゃい!」
ウサミ「『どっきどき修学旅行』が始まりまーちゅ!!」
この絶望矯正プログラムは修学旅行の形式で進んでいくんだな。恐らくここで形成された人格を元の肉体に上書きすることで絶望を取り除くのだろう
??「えっと……考え事してたか? それなら後ででも良いんだけど……」
十神「いや、構わん。どうしたんだ?」
??「さっきはウサミが来た所為で自己紹介出来なかったからさ……俺は日向創。どんな才能を持ってたかはすまないが忘れてしまってるんだ。多分記憶が混乱してるだけだからすぐに思い出せるって狛枝が言ってたんけど……」
狛枝「ボクとしても日向クンがどんな才能を持ってるのか気になるからね。取り敢えず彼に付いて行って記憶を取り戻す手伝いをしてあげようと思ってさ」
狛枝「ほら、日向クンってまだみんなに自己紹すら出来てなかったはずでしょ? なら、最初はそこから手伝ってあげようと思ってね」
十神「ほう、それは中々愁傷な心構えだな。それならこの俺も同行してやろう。この『超高校級の御曹司』である十神白夜がな!」
日向「いや、そこまでして貰うのは流石に悪いっていうか……」
狛枝「本当かい!? いやあ、嬉しいなぁ……正直ボクだけだったら心細くてさ……ほら、ボクってさ日向クンが来る直前に来たからまだみんなと上手く馴染めてないっていうか……」
狛枝「だからさ、みんなと仲良く話していた十神クンが一緒に来てくれるなんてとても心強いよ!」
十神「フン、頂点に君臨する者は常に下の者の管理を怠ってはならないからな」
日向「……本当に良いのか?」
十神「……二度は言わんぞ」
それに、お前と行動を共にすると言う事はお前にくっついている狛枝を監視する事にも繋がるからな。あれ以来コイツが何かおかしなことをしてないか監視しておかなければと思っていたんだ。少なくともあの時の違和感が何だったのかを確認するまでは……
こうして俺は日向と狛枝と共に他の参加者に自己紹介をして回った
はあ……正直狛枝よりも他の参加者の方が危ない気がしてきたぞ……西園寺は蟻を潰し続けている、終里は俺の名前すら覚えていない。田中と七海は相変わらずマイペースに自分の世界に入り込んでいる、花村は懲りずにソニアにセクハラをしていた。まあ俺達三人が全力で止めたが。他にも色々と言いたい事は有るがこのままのペースだと日が暮れるので割愛してやる
全員が日向と面識を持った時、アナウンスがなった
ウサミ『ミナサン他の参加者と自己紹介は終わったみたいでちゅね。あちしからミナサンに動機をプレゼントしちゃいまちゅ!』
ウサミ『動機と言ってもそんなに物騒なものではないでちゅ。ミナサンがもっと仲良くなるための動機でちゅ』
ウサミ『ミナサン、砂浜に集まってくだちゃい!』
日向「動機……か。俺はすぐにでもこの学園を抜け出して希望ヶ峰学園に帰りたいってのに……!」
狛枝「日向クン、そんなに焦ってもいい結果は生まれないよ。取り敢えずここはウサミの言ってた通りにしようよ」
十神「お前が希望ヶ峰学園に物凄い執着を持っているのは分かった。だが、お前の勝手な行動で俺達全員が帰れなくなったらどうするんだ? まずはあのぬいぐるみの言っていた通りに行動してみて、何か不審な点が有ったら俺達の手で脱出する方向で行動すれば良いだろう?」
日向「……確かにその通りかもしれないな……今はウサミの言ってた通りに行動するしか無いのかも……」
日向は渋々と言った体で頷いた。しかし、俺は知っている……この島を出る事は出来ない事を……もし、この島を脱出できたとしても、希望ヶ峰学園はとうに無くなっている事を……
皆を騙していると言う罪悪感で胸がチクリと痛む。しかし、俺は進むしかないんだ。お前たち全員を救うために……
いつの間にか砂浜にたどり着いていた。そこに居たウサミが言うには皆が仲良くなるには海で遊ぶのが一番だと。そのために水着を用意していたとのことだ
一部の人間を除いて全員が水着を着て海に入っている中、日向のみが未だ難色を示していた
日向「なんでこんな所で足止めされなきゃなんねえんだよ……俺は今すぐにでも希望ヶ峰学園に帰りたい! どうしてみんな俺の意見に賛成してくれないんだよ!」
十神「日向。多分全員が帰れるものなら帰りたいと思っているだろう。だがな、ここに危険が無いと俺達自身が分かってしまったんだ。この中には、今まで勉強や才能に振り回されていた者も大勢いるだろう。俺達は超高校級と呼ばれてはいるが中身はまだただの高校生なんだ」
十神「少しくらい羽を伸ばさせてやるくらいの余裕は持っておかないと人の上に立つ事は出来ないぞ?」
日向「……ああ! 分かった、分かったよ! そんなに言うなら俺だってのほほーんと修学旅行を満喫してやるんだからなっ!」
日向「おーい皆! 俺を忘れてんじゃないだろうな! 俺も混ぜてくれよ! 十神も早く来いよな!」
日向が海に入ろうとした瞬間、天気が急激に悪くなり辺りが薄闇に包まれた。ウサミが何かしたのかと思ったが、ウサミの表情を見る限りそれも違うようだ
日向「な、なんなんだよ! こんな急に天気変わるなんておかしいだろ! 今度は何したんだよっ!」
日向は腹立ちまぎれにモノミに詰め寄るが、ウサミは空を見てブルブルと震えていた。
ウサミ「こんな……こんなことある訳ないでちゅ……あるはずがないんでちゅ……あぁ、なんでこんなことに…!」
ウサミが驚愕している中アナウンスが鳴り響く。憎らしくも懐かしいあの声の……
??『あー、あー、マイクチェック、マイクチェック。オマエラ聞こえてるー? 退屈な茶番は飽きちゃったでしょ。真打の登場です!ジャバウォック公園にお集まりください!』
十神「おい、ウサミ……どういう事か説明しろ!」
ウサミ「……あちしがミナサンを守りまちゅ!」
そう叫ぶとウサミは公園に向かって走って行った。あのアナウンスの声の主を俺は知っている。どういう事だ……
……どうして、モノクマがここに存在しているんだ!?
俺は誰よりも早くジャバウォック公園に向かって走り出した。真実を知るために、そして、もしこれが俺の思う最悪の状況だった時、最善の選択をするために……
案の定俺はウサミを除いて一番早くジャバウォック公園に着いた。まだウサミ以外に誰の影も見えないが安心は出来ない
しばらくして俺に続き一人二人と公園に着き、最後の一人が着いたとき状況は動いた
??「あーっはっはっは! オマエラ、ごきげんよう! そして、おひさしぶりです!」
??「ボクはモノクマ。希望ヶ峰学園の学園長なのだー!」
モノクマ「なーにがドッキドキ修学旅行だよ!そんなもの誰も見たくないっての! もっと世間のニーズを考えろよ! 皆が見たいのは、絶望、他人の不幸だけだっつーの! そういう訳で、ただいまよりコロシアイ修学旅行を始めます!」
またコイツはコロシアイを起こさせようと言うのか……しかしここは絶望矯正プログラム。言うなればゲームの中のはず。しかも不二咲とアルターエゴがゲームマスターの……
まさかこのモノクマは絶望の誰かが持ち込んだウィルスなのか? だとしたら……
ウサミ「そんな事あちしが絶対にさせないでちゅ! ミナサンを守るんでちゅ!!」
モノクマ「なんだお前! やる気かー!?」
頼んだぞウサミ……ここがゲームの中である限り、お前だけが頼りなんだ……!
ウサミとモノクマの戦い、勝ったのはどちらでしょうか?
安価↓5で多かった方の勝利とします
1.ウサミ(十神クンが胃を痛めながらどっきどき修学旅行継続。アイランドモードでらーぶらーぶ)
2.モノクマ(十神クンが体と命を張りながらコロシアイ修学旅行で誰も犠牲にならないようみんなを導きます)
今回は書き溜めが尽きたのでこれくらいで……らーぶらーぶ!
取り敢えず今回はこれくらいで許してください……
一応書き込めない期間中にもう一つ別の十神クンSSを書き溜めしているので終わり次第また友人からスマホを借りてこのSSと一緒に投下します
楽しみにされておられた方……は居られないかもしれませんが、本当に申し訳ありませんでした
このレスは安価に含まないです
ウサミ「らーぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶ……」
モノクマ「うごがばぼげぇ?」
ウサミ「でちゅぅぅう?」
ウサミ「らぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶらぶ」
ウサミ「らーぶらーぶでちゅッ!(さよならでちゅ)」
モノクマ「ヤッダァバァーッ?」
十神「や、やったか?」
花村「劇画タッチのウサミ……うん、オーケーだよ?」
豚神「花村の守備範囲には脱帽だな……」
澪田「そんなの初対面から分かってたことじゃないっすか! そんな事より一緒に泳ぎに行くっすよ豚神ちゃん?」
田中「……結局この茶番は一体なんだったのだ?」
ウサミ「ミナサンやりまちたよー! これで危機は去りまちた!」
狛枝「いや……まだだよ!」
モノクマ「いやぁ……完敗だよ……ボクはもうすぐ完全に消滅する……でも最期の力を振り絞って修学旅行のルールを書き換えてやる……」
モノクマ「他人を傷付けられないってルールをさ!」
モノクマ「絶望の種は既に蒔いた……オマエラが絶望するのを地獄から見ててやるさ」
モノクマ「死してなお絶望的な、このモノクマの恐ろしさ……しかと味わいながら絶望しろ!」
モノクマ「先に地獄で待って居るよ! うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!」
そう言うとモノクマは煙となって消え失せた
最期の言葉が気になるが、当面の危機が去ったと喜んでおくべきだろう
出先のWi-Fiから頑張って書きました
残念ながら今回はこれまでのようです……
申し訳ありませぇん! 死ぬ以外なんでもしますから許してくださぁい!!
弐大「今のは一体なんだったんじゃあ!?」
日向「……取り敢えず良く分からないけどこれまで通りの修学旅行を満喫すれば良いって事だろ?」
ウサミ「その通りでちゅ! ミナサンはこれまで通りらーぶらーぶすればいいんでちゅ!」
田中「フッ……他者と愛し合うなど孤高の存在である俺様には必要の無い概念だが、このヴァルハラでしばしの休息を取るのも乙な物かもしれんな」
西園寺「うーんと……田中おにぃが何を言ってるか全然分かんないけどまあ良いや! さーてと、蟻タンを潰しにいこーっと」
花村「そういえばさ、ぼく達って海水浴の途中だったじゃない? これからもう一度泳ぎに行こうよ!」
日向「それに賛成だ! 皆も泳ぎに行こうぜ!」
終里「よっしゃあ! 魚捕るぞぉ!!」
小泉「ちょっと男子! 女子の事をいやらしい目で見ないでよ?」
ソニア「先ほどはあまり泳げませんでしたし、もう一度皆さんと一緒に水遊びするのも良いかもしれませんね」
左右田「ソニアさんが行くならオレも行くぜ!」
花村「皆が遊び疲れた後はぼくが手料理を振る舞ってあげるよ! 疲れなんて吹き飛ぶような素晴らしい料理を味わわせてあげるからね……ンフフフ!」
辺古山「料理に変なモノを入れたりしたら切り捨てるからな?」
終里「おっ? 花村と辺古山が戦うのか! それなら腹ごなしがてらオレも混ぜてもらうぜ!」
花村「そ、そんな変なモノなんてい、入れるワケないじゃないか……アハハハ」
豚神「それでは全員でもう一度海で遊んだ後花村の料理を食べる。と言う予定で構わないか?」
西園寺「わ、わたしは行かないもん! 蟻タン潰してる方が楽しいし!」
左右田「おいおい、皆が行くってのに一人だけ来ねえなんて調子狂っちまうぜ! だからオメーも来いよな!」
西園寺「うっさいなこのストーカー予備軍!」
左右田「す、ストーカー……!?」
左右田「うっせうっせ! 誘ったオレがバカだったぜ!」
左右田「おーい、ソニアさーん! 待ってくださいよー! 後オレはストーカーなんかじゃねーから、覚えとけよな!やーいやーい毒舌チビー!!」
ソニア「……人の身体的特徴を馬鹿にする人の事なんて待ちませんっ!」
左右田「そ、そんなぁ……」
十神「全く左右田も学習しないヤツだ……」
西園寺「……」
十神「……おい、西園寺」
西園寺「何? あんたもあのストーカーと同じ事言うの?」
十神「そこまで泳ぎに行くのを拒否するのは……もしかするとお前、着付けが出来ないんじゃないか?」
西園寺「そ、そんなわけないじゃん! 頭に虫でも湧いちゃったの!?」
十神「ムキになって否定するあたりがまた怪しい。俺が昔読んだ本に書いてあった事だ」
十神「まあ俺としてはお前がこの常夏の島で汗に塗れたまま着物を着続け他の生徒から臭い臭いと言われても別に何の不都合が有るわけでも無いしな」
西園寺「う……うわあああああああんっ!!」
十神「どうした? 何故泣く? 自分に非が無いのであれば堂々としていれば良いんじゃないか」
西園寺「うっく、ひっく……だって……一人じゃ帯結べないんだもん!」
十神「そんなこと女子の誰かに着付け出来ないか聞いてみれば良いだけの事だろう。小泉辺りは世話焼き体質だからな。多分帯くらい結べるはずだ」
西園寺「さっき酷い事言っちゃったからお願いしても断られちゃうかも……」
十神「……チッ、その時は俺の所に来い。帯くらい俺が結んでやる」
西園寺「ぐすっ……うっわあーロリコンさんだー! タイホされるレベルの変態さんだよー!」
十神「フン、それくらい軽口を利けるなら大丈夫だろう。さっさと行け」
西園寺「当ったり前じゃん! ロリコンの変態さんとこれ以上一緒に居たらどんな事されちゃうか想像がつかないからねー。わたしはみんなに保護されに砂浜にいこーっと! それじゃあ……」
西園寺「ありがとね、十神おにぃ!」
フン、素直じゃない奴め……これで少しはあいつも輪の中に入れるようになれればいいんだがな
よし、俺もたまにははめを外してあいつ等と遊んでやるとするか
PROLOGUE
『かません☆アイランドへようこそっ! どきどき修学旅行で(十神の胃が)大パニック?』
END
生き残りメンバー
16人+1人→17人
To be.
continued
CHAPT. 0.5
『とある幸運の希望厨(こまえだくん)』
ボクは今年、私立希望ヶ峰学園に入学した……はず。確かに校門を潜ってこれから会えるだろう超高校級の才能を持つ人類の希望達について期待を膨らませていた……はず
それなのに気が付いたらボクは何処かも分からない教室の扉を開けていた。どうしてかは分からないけどその扉を開けなければならない、そんな使命感にも似た何かを持って……
そこに居たのは超高校級に才能の持ち主だった。素晴らしいよ! ボクみたいなゴミクズが同じ場所で息をするのさえおこがましく思えるほどに彼らの希望は神々しかった
……このただでさえ素晴らしい希望は絶望に立ち向かったとき、どれほどの輝きを見せてくれるんだろうね!
ウサミと名乗るぬいぐるみの一言からいきなり始まった修学旅行。皆の才能と言う希望をさらに輝かせるための踏み台になろうと思ったんだけど、修学旅行のルールの所為で実行できないや
……折角皆の希望が輝くのを間近で見る事が出来ると思ったのに残念だよ
意気消沈して渋々修学旅行を満喫しようとしたその時、モノクマとやらが修学旅行のルールを書き換えてくれた
それもボクの計画の妨げになっていた部分をピンポイントで!
あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!
やっぱりボクは『幸運』なんだよ……これでボクは皆の踏み台になることが出来る
これはとてもとても素晴らしい事なんだよ!
じゃあ善は急げって言うし早速伏線をばらまく事にしようか……どうなるかは後からのお楽しみってね
さあてと、まずは何処から手を付けようかな……これからの事を想像するだけで歓喜の震えが止まらないよ!
モノクマの言ってた絶望の種って言葉もあながち間違いじゃない気がしてきたよ。でもこれから生まれる絶望を皆は乗り越えてくれるって信じてるからね!
ボクの期待を裏切らないでくれると嬉しいなぁ……
CHAPT. 0.5
『とある幸運の希望厨(こまえだくん)』
END
生き残りメンバー
17人
To be.
continued
CHAPT. 1
『絶望トガミカル』
西園寺との会話の後俺は西園寺を含む他の生徒達と合流し海水浴を楽しんだ。どのくらい楽しんだのかだと? そうだな、危うく俺がここに居る意味を忘れる所だったとだけ言っておく
くたびれるまで海水浴を楽しんだ後花村が料理を振る舞った。『超高校級の料理人』の名に恥じない料理だったな
俺達が花村の料理に舌鼓を打っている時、話は上がった
豚神「俺達は今日初めて出会う事が出来た。それも同級生としてだ! これを祝わずに何を祝うんだ?」
西園寺「豚足ちゃんがなんか言ってるよ? 小泉おねぇ!」
小泉「……まあ要するに、歓迎パーティーを開くって事だよね?」
澪田「いぃやふおぉぉぉお!! パーティーって響きだけでなんだかテンションが上がってきたっす!」
花村「パーティーねぇ……ンフフ! 料理はぼくに任せてよ。腕によりをかけて作っちゃうよん!」
終里「花村って見た目はアレだけどメシはうめえからな! 楽しみだぜぇ!!」
七海「そうだ、料理は花村くんに任せるんだから食後のデザートは私たち女子で作るって言うのは……どうかな?」
ソニア「それは素晴らしい提案ですね! ノヴォセリック王国の伝統的スイーツを披露するまたと無い機会です」
左右田「ソニアさんが作ってくださったものならオレはなんでも喜んで食べます!」
花村「女の子が作ったデザートが食べられるなんて……よーし、ぼく頑張っちゃうぞー!」
田中「しかし、何処で漆黒の宴を開催しようと言うのだ?」
日向「そうだな……確かにここでパーティーをするってのもちょっと違う感じがするよなぁ……」
狛枝「それならホテルの離れにあるロッジ風の『旧館』なんてどうかな?」
罪木「旧館って何か良い響きですねぇ~」
弐大「ならそこで決まりじゃあああああ!! 早速準備に取り合かかるぞ!」
狛枝「でも一つ問題があってさ、まだ改装中で鍵がかかってるみたいなんだよね……」
西園寺「ちっ……糠喜びさせるんじゃねーっつの!」
狛枝「そんな……ボクはただみんなが場所を探してるって言ってたから……」
ウサミ「そんな泣きそうな顔しないでくだちゃい! あちしが何とかしまちゅから!」
澪田「うわっ!? いきなり出てきたっすね……」
ウサミ「ミナサンの絆のためならこれくらいお安い御用でちゅ!!」
ウサミ「でも、旧館は暫く使っていないので結構埃が溜まっていると思いまちゅ……」
狛枝「それならボクがこんな事もあろうかと準備しておいたんだよね」
西園寺「流石に準備が良すぎない? もしかしてそのくじに細工とかしてあるんじゃないのー?」
狛枝「……実はさ、元々これって王様ゲーム用に用意しておいたんだよ。皆の仲を深められると思ってさ!」
狛枝「ほら、修学旅行とかの定番って聞いたし丁度良いかなって」
澪田「凪斗ちゃん……それ、修学旅行じゃなくて合コンの定番っすよ?」
狛枝「ええっ!? そ、そんなぁ……!」
豚神「……このままくじを使ってやらないと言うのは狛枝があまりにも不憫だ。今回はこのくじで掃除当番を決めてやろうじゃないか」
澪田「豚神ちゃんの提案なら唯吹は受け入れるっすよ! 唯吹の懐の深さを豚神ちゃんに見せてあげるっす!」
田中「フッ……俺様は運命や因果律などとうに超越している! つまり俺様が不幸のヘタをおっかぶる事など有り得ん!」
弐大「早くしろおおお!! クソが出るぞおおおおお!!!!」
花村「田中くんと弐大くんが何を言ってるのか理解出来ないよ……まあぼくは賛成だね!」
十神「まあそれで良いんじゃないか? 他の手段を用意するのも面倒だしな」
狛枝「じゃあ決まりだね! いやぁ……ボクの準備したくじが無駄にならなくて本当に良かったよ」
狛枝「ってボクが当たりだ!?」
日向「おいおい、お前の才能って『超高校級の幸運』じゃないのかよ。それじゃまるで『超高校級の不運』じゃないか」
狛枝「逆に考えるとこの中で1本しかない当たりを引けたって事なはずだよ。当たりにどんな特典が付いてくるかは別だけどさ……」
狛枝「まあ、掃除だったらボクに任せてよ。実は得意なんだよね」
花村「じゃあぼくも狛枝くんと一緒に旧館に向かう事にするよ。もうそろそろ仕込み始めないと間に合わなくなりそうだしね」
花村「料理の方はぼくに任せるといいさ」
豚神「では一旦解散して各自で行動、夜になったら旧館に集合だ」
小泉「じゃあアタシ達はお菓子作りの準備をしましょ! 早く出来たら味見しながら女子会もしちゃおうよ!」
ソニア「いいですね! わたくし女子会という物に憧れてたんです!」
終里「よっしゃ! 食うぜ!!」
澪田「赤音ちゃん赤音ちゃん、ちゃんと準備しないと味見させてもらえないかもっすよ?」
終里「……マジかよ!?」
小泉「はいはい、じゃあ女子は全員集まってねー! あ、日向はレシピの載った雑誌を貸してくれるついでに準備も手伝ってよ」
日向「はぁ……しょうがねえな」
花村「くぅ~っ! 女子の集まりに行けるなんて日向くんは勝ち組だよ! ぼくも仕込みがなかったら手取り足取り教えてあげる所だったのになぁ……」
西園寺「……あんたに教わると大切な何かが無くなりそうだからやだー!」
花村「うぷぴぃっ!?」
小泉「はいはい、皆自分の持ち場に行こうねー!」
西園寺「痛い! 痛いよ小泉おねぇ! 頭グリグリしないでぇ~!!」
十神「はぁ……まあ仲が良いと思うべきなんだろうな」
十神「そうだ狛枝」
狛枝「どうしたの十神クン?」
十神「ウサミから旧館の見取り図を借りたんだが、思いの外広くてな。1人では夜までに終わるか分からない。だからこの俺も掃除を手伝ってやろうじゃないか」
狛枝「そんな……悪いよ。ここはボクだけで大丈夫だからさ」
十神「例えばだ。例えばお前の掃除が終わらなくてパーティーが延期になったらどうなると思う?」
狛枝「……そうだね、まず小泉さん辺りが西園寺さんと一緒になって罵声を浴びせてくるだろうね。その後は空腹で怒り狂った終里さんに殺されちゃうかも……」
十神「だろう? ここは大人しく受け入れておけ、良いな?」
狛枝「……うん、そうさせてもらうよ」
十神「本当は日向も呼んで3人でやりたかったんだがな。ヤツをこれ以上酷使するのは良心が痛んでな……」
狛枝「あははは……じゃあ早速旧館に行こうか」
十神「ああ、そうだな。さっさと終わらせるぞ」
十神は日向を警戒しなくていいのか?
一応カムクラなんだし
七海がいるから大丈夫ってわけでもないだろう
>>72
現在十神クンが警戒しているのは
狛枝>>>(絶対的な希望)>>>日向>>豚神>罪木=西園寺>その他
と言う感じです。状況によりいつでも変動しますが
日向クンはカムクラではない状態で修学旅行に参加しているのでまあ今は大丈夫そう、それなら今一番危なそうな狛枝を警戒しよう。と言った思考回路なのです。もしもカムクラ化で修学旅行に参加していたら多分手錠で繋がれていた頃のLと月並の警戒をしていたでしょう
一応常に日向クンか狛枝のどちらかと一緒に居る様にはしている様です。今回に関して言えば日向クンの事は七海さんに任せている部分が大きいようです。流石はかませですね、フラグの建て方が違います
西園寺さんと罪木さんのは警戒と言うより心配だから見守っている感じです
旧館。そこは……人知を超えた魔窟だった
おっと、田中の口調が移ってしまった様だ。だが、それも仕方ないと納得できる程旧館は汚れていた……いや、汚染されていた
床に埃は降り積もって白くなっているわ、蜘蛛の巣やら虫の死骸やらが大量に部屋の隅に溜まっているわ……
キッチンもシンクに溜まった水が腐って排水溝はヌメリとカビと腐った生ゴミで地獄絵図。花村が泡を吹いて気絶していた、それだけでどれ程の物か想像がつくだろう?
正直絶対女子には見せられない。絶対にだ
取り敢えず花村を比較的綺麗だった事務室に寝かせ、狛枝と二人で虚ろな目をしながら掃除する事にする。狛枝は大広間、事務室、トイレを。俺は厨房、倉庫を分担してだ
厨房の地獄絵図も十神財閥に代々伝わる十神流48の清掃術にかかればなんてことないただの汚れと化すのだ! いや、まあそこそこ苦戦はしたがな。十神棒が無ければこれ以上の苦戦を強いられる事になったのだと考えると正直恐ろしいを超えて泣きたくなる。流石は十神棒だ
厨房の悪夢を乗り越えた俺は倉庫の掃除に向かおうと思ったのだがどうやら思いの外厨房の掃除で時間をかけていた様だ。狛枝が既に倉庫も終わらせたと報告してきた。今は大広間の飾りつけをしているとの事なので、せめてもの詫びとして俺も手伝う事にする
フン、この俺が飾り付けるのだからな。最高のパーティーに仕上げてやる! 十神白夜の名にかけてだ
いつの間にか目を覚ましていた花村も厨房で仕込みを始めているはず。フッ……このまま全て上手く行く事を祈ろうじゃないか
ふぅ……ようやく飾り付けが終わった。いや、これは最早飾り付けと言うより装飾と言った方が良いな
ククク……奴らの驚く顔が目に浮かぶようだ。まあ本来の目的である狛枝の監視も怠っていない。安心しろ愚民ども
後は夜まで待つだけだな。良いパーティーになると良いな本当に……
~~視点変更【豚神】~~
まさか俺達の中にモノクマとやらに唆され殺しを行おうとする者が居るとはな……
俺の元に送られてきた手紙には
【警戒せよ 今晩コロシアイが起きる 必ず誰かが誰かを殺す】
とある。俺はこの修学旅行を嫌な思い出とさせない為にも必ず全員を救って見せる
犯行を行おうとする『クロ』だとしても……誰一人死なせはしない。たとえ俺の……僕の命を犠牲にしたとしても……
こんな道を歩むのは俺だけで十分なのだから
さて、俺も準備を始めるとするか……
コロシアイが起きない事を祈りながら俺は準備を始める
~~【豚神】視点終了~~
今回はこれくらいで勘弁してくださぁい……
予想外にシリアスになってしまいました。一応本来はらーぶらーぶSSなんです。本当ですよ?
悪いのは全部狛枝クンなんです。>>1は悪くありません
このCHAPTが終わり次第平常運転に戻るはずですかららーぶらーぶを求めておられる方はそれまでお待ちください
それではミナサンらーぶらーぶでちゅ!
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