もこっち「モテないし原爆落とされる」 (93)

もこっち「麦大きくなったね智貴」

智貴「そうじゃのう智子姉ちゃん」

父「お前らもこの麦のように強くなるんだぞ」

 ウゥゥウウウウウー

智貴「うわーっ空襲だっ!」

警官「空襲警報発令!空襲警報発令!」

智貴「早く防空壕に入るんじゃ!」

もこっち(ちくしょうアメ公が調子に乗りやがって…)

父「この戦争はもう日本の負けじゃ」

もこっち(なに言ってんだよクソ親父、さっさと竹やりの訓練いけよ)

智貴「父ちゃんそんなこと憲兵に聞かれたら監獄にぶちこまれるぞ」

父「ばかたれ本当のことを言ったまでじゃ」

もこっち(ちくしょうこの親父のせいで非国民扱いされる私の身にもなれよ…)

父「この戦争はするべきじゃなかったんじゃ」

智貴「大本営の発表では日本は連戦連勝しとるそうじゃ父ちゃん」

父「そんなもの信じられるか!」

先生「日本は神の国だどんな敵でも神風が吹いて日本は必ず戦争に勝つ」

もこっち(またこの話か…)

生徒A「先生…」

先生「どうした?」

生徒A「私のお金が盗まれました」

先生「なんだと?犯人は誰だ!」

生徒B「黒木じゃねーの、貧乏だし」

もこっち(なに言ってんだテメー!?)

先生「黒木、貴様が犯人か?」

もこっち「ち、ちち…ちがいます…」

先生「身体検査をする、服を脱げ」

もこっち(は…?ふつーに嫌なんだけど…)

先生「さっさと脱げ、この非国民の子が!」

もこっち「え…い、嫌です…」

先生「ぬぬぬ…俺の言うことが聞けんのかァー!」バキッ!

もこっち「ぐはぁっ…」

先生「お前が一番怪しいんだよ!」バキーン

もこっち「ひぃっ…や、やめて…!やめてください…!」

先生「お前のようなやつは粛清してやる!」

もこっち(きちがいだ…この先生きちがいだ…)

もこっち(うう…こんな仕打ちあんまりだ…)

先生「おい、下も脱げ」

もこっち(無理!そんなの無理だって!)

生徒B(へへへ…)

先生「また殴られたいのか!」

もこっち「わ、私本当に盗ってません…」

先生「なら脱いで証明しろ」

智貴「智子姉ちゃん!どうしたんじゃ!」

もこっち(弟…!私を助けろ!姉の下半身がヤバイんだ!)

先生「なんだお前は?」

智貴「ねえちゃんをいじめるな!」

先生「っ!?」

智貴「くやしいのうくやしいのう、わしゃあの先生をぶっ殺してやりたいよ」

もこっち「ううう……うう…」

朴「やあ智子ちゃんと智貴くん、どうしたんだい?」

智貴「朴さん実は――」

朴「ふーむ、ひどい先生がいるもんじゃのう」

智貴「許せんじゃろう…」

もこっち(むっ…!?なにか飛んでくる!?)

智貴「痛っ!」ガツン

朴「ぐっ…!なんだ?」ガツン

生徒C「やーい非国民と朝鮮人が仲ようしとるぞ」

生徒D「だめな人間同士が仲ようしとる!」

智貴「ギギギ…クソ野郎が…」

もこっち(いけ!弟!あいつらぶっ殺せ!)

智貴「わしゃもう頭にキタぞ!」

生徒C「うわっ!」

智貴「お前らぶっ殺してやる!」バキッ!

生徒C「ぎゃ!」

もこっち(よし、やれ!)

生徒D「この非国民が!」

智貴「くそがっ!」バキーン

生徒D「ぎゃあ!」

智貴「わしゃあもう我慢ならんのじゃ!」バキ!

生徒C「ひいっ!もうやめてくれー」

もこっち(いまだ!とどめをさせ!)

朴「もうやめるんだ智貴くん、本当に死んでしまう」

智貴「うっ…」

もこっち(ちっ…邪魔すんな朝鮮人)

生徒C「ギャーたすけてくれー」

もこっち(逃げられたか…)

智貴「くそボケナス死んでしまえ!」

もこっち「智貴…もういいよ、いこう」

智貴「そうじゃな」

智貴「母ちゃん腹減った」

母「智子、智貴…実はね…」

もこっち「え…?ないの?食べるもの」

母「しりあいの家をまわったけど米もイモもかしてもらえなくって…」

もこっち(このクソババア…食い物のためなら股開いてでも確保してこいよ…)

智貴「しょうがねえな…」

母「ごめんよ」

もこっち「じゃ、じゃあさ、イナゴ捕ってこようか」

智貴「そういや軍隊の射撃場にいっぱいいるな」

母「そうだね、すこしでも腹のたしになるね」

もこっち(使えねー母親もつと子も苦労するな)

智貴「いなごいっぱい取れたな姉ちゃん」

もこっち「そうだね」

憲兵「まていっ」

もこっち「な、なんですか?」

憲兵「なぜあれをふんづけて通らない!」

もこっち(踏み絵か…鬼畜米國ルーズヴェルト、鬼畜英國チャーチル)

母「すいみません」

憲兵「この非国民が!」

智貴「まかせとけ!こいつめこいつめ!」ドタドタ…

もこっち(わ、私もやらなくちゃ…じゃなきゃ憲兵にひどい目にあわされる)

智貴「このやろう!しょんべんたれー!」

もこっち「こ、こんちくしょー…」

憲兵「鬼畜米英をにくむ気持ちを忘れてはいけんぞ」

もこっち(気持ちだけで勝てるほど戦争は甘くないけどな)

父「わしのために非国民といわれ米をわけてもらえずすまん」

智貴「気にすんなよ父ちゃん」

もこっち「いなごもまぁ…おいしいよ」

 ガタガタ…

智貴「誰かきとるぞ」

母「どなたですか?」

ゆう「もこっち…」

もこっち「ゆうちゃん!集団疎開にいたんじゃなかったの?」

ゆう「むこうでいじめられててこっちに来ちゃった…」

もこっち(たしかに田舎はキツかったなぁ…)

先生「きをつけー天皇陛下のいらっしゃる東京にむかって最敬礼」

もこっち(みえもしない天皇陛下になんで毎朝敬礼しなくちゃなんないんだろ)ヒソ

ゆう(天皇陛下は日本をまもってくださる神様だもん)ヒソ…

先生「それでは作業開始」

もこっち(今日も畑仕事か…かったりーな)

先生「しっかり働くのだぞ」

もこっち(お、このイモもう食えそうだな…)

ゆう(先生に見つかったらボコられるよ)

もこっち(もうお腹空いてもたないよ…食べようゆうちゃん)

ゆう(う、うん…)

先生「きさまらなにをやっておる!」

もこっち「おっふ!」

先生「イモを勝手にくったな」

ゆう「ご、ごめんなさい…お腹が空いて…」

先生「ばかたれっこの畑がどんなに大切かわかっておるのか」バキ!

ゆう「ぐぁっ…」

もこっち(ひぃっ…!こいつ本意気で殴るのかよ!)

先生「天皇陛下の子供として恥をしれ!」ドカッ!

ゆう「ぎゃっ…!」

もこっち「あわわわ…」

先生「貴様もイモを食ったのか?」

もこっち「た、たべてませんっ!たべてません!」

先生「そうか…二度とこんな真似するなよ」

もこっち「は、はひ…!はい…!」

ゆう「うう…」

もこっち「だ、だいじょうぶ?」

ゆう「うん…ひどい目にあったね」

もこっち(むっ!?石的なものがこっちに飛んでくる気配が…!)

ゆう「もこっち…?ギャッ!」

もこっち(ああっ!ゆうちゃんの後頭部に石が直撃した!)

田舎者「やいヨソ者!ここはお前に勝手にはさせんぞ、みんなやったれ!」

もこっち(やべぇ…田舎者怖ぇ…なんだよその無茶な先住民思想)

田舎者B「この疎開が!」バキ!

ゆう「ギャー!」

田舎者C「マンコさかむけにしたれ!」

ゆう「や、やめて…」

もこっち(だ、誰か助けを呼んでこなきゃ…!)

田舎者D「脱がせ脱がせ!」

ゆう「嫌~!」

もこっち(なんだこれ…もう集団レイプだよ)

ゆう「きゃ~~!」

田舎者E「やったー丸出しじゃー!」

もこっち(うほっ!こりゃ勃起もんじゃ!)

田舎者F「わ、わしもうしんぼうたまらん…」

ゆう「も、もうやめて…」

もこっち(どうしよう…このままじゃゆうちゃんが犯されるよ…つーか私も同じ目に…)

田舎者G「へへへ…」

もこっち(それにしても田舎者多いな…こりゃ逃げるの無理だな)

田舎者P「おら、もっと舌を使うんじゃ!」ぐい

もこっち「おえぇぇえっ!げぼろろぉぉおお!」ビチャビチャ

田舎者P「汚っ!こいつ吐きやがった」

もこっち(もうダメだ…意識が朦朧としてきた)

田舎者R「もう帰るか、こいつら犯してたらノミとシラミでかゆなってしゃーない」

田舎者S「そうじゃのうハハハ」

もこっち(ちくしょう…8時間も犯しつづけやがって…)

ゆう「ギギギ…」

もこっち「ゆ、ゆうちゃん…大丈夫?」

ゆう「アハハハ…精液いっぱい中で出されてりゅよぉ…」

もこっち(ゆうちゃん気が狂っちゃってる…)

もこっち「あれはキツかったなぁ」

ゆう「もう思い出したくないよ」

もこっち「こっち(広島)ならもう安心だよ、ゆうちゃん」

ゆう「そうだね、田舎はもうこりごりだよ」


――そのころアメリカではマンハッタン計画名づけられた核兵器の完成が近づきつつあった
はかりしれない破壊力を秘めた原子爆弾を日本の上空で爆破させ太平洋戦争を有利に終結させる
その舞台選びが小倉 広島 京都 新潟と四つの都市にしぼられ着々と準備が進んでいた…


ゆう「もこっち、早く戦争終わるといいね…」

もこっち「そうだね…戦争はもう嫌だよね…」


     第一話 おわり

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