最後のラブレター(再投下版)(178)

以前消えた
作品の再投下版です

暖かい目で見守ってくださると嬉しいです

男「ここから始まるんだな」

男「うまくやっていこうな?妹」

妹「うん・・・お兄ちゃん」


この夏俺は
昔の故郷に戻ってきた


そして俺は

交通事故で死んだ

男「よいっしょっと、まぁこんな感じかな?」

妹「・・・」ボーッ

男「もう片付いたのか、早いな」

妹「私の荷物少なかったから・・・」

男「そっか」

妹「ご飯つくる?」

男「おう、一緒に作るか」

妹「うん・・・」

ーーーーー

男「んー・・・夏の風が気持ちいいな」

男「ん?」

???「どうだ?今の体は?」

男「なんだあんたか、まぁボチボチってとこかな」

男「死んでるって実感はないな」

???「生前と同じだ、ただお前自身は間違いなく死者のそれと同じだ」

???「一時的に私が蘇生してやっただけの話」

男「けど、なんで死んだ俺を?」

???「お前が強く願っていたからだ。まだ死にたくないとな」

男「そりゃ・・・高校生の若さで死にたくはないけどさ」

???「他の人間とは思いの強さが違ったのでな」

???「ちょっと興味を持ったのさ」

男「割りと適当なんだな・・・」

???「気まぐれなだけさ、そういう性分なのさ」

男「けど俺を蘇らせてあんたにメリットはあるのか??」

すみません
倉庫に行った作品です

???「そうだな、人間観察ができるってとこだな」

男「女子高生かなんかですか」

???「そうだな、強いて言えば「生」と向き合わせる」

???「といったところだな」


男「「生」と向き合う??」

???「まぁいつか分かるさ。向き合うことができたら復活させてやる」

男「そうっすか。期待してますよ」

???「その時に生きたいとお前が思うかどうかはわからないがな」

男「どういう意味っすか??」

???「そのままの意味だ。その時まで楽しみにしていろ」

男「死にたいなんて思わないと思うんだけどなぁ」

???「ふふふ、じゃあ私は失礼するよ」

男「ちょっと待ってくれ!これからあんたのことなんて呼べばいいんだ?」

???「お前の好きにしろ」

男「つってもなぁ、なんか呼び名とかないんすか??」

???「呼び名か・・・そういえば一度だけだが」

もしかして
やっくんのことですか??



「死神と呼ばれたことはあったな」

翌日

せんせー「今日からこのクラスの一員となる男だ。みんな仲良くしろよ」

男「男です。よろしくお願いします」

男子共「なんだよー、美少女じゃないのかよー」
ぶーぶー

女子達「男子が変な期待をしすぎなだけー」

せんせー「ふむ、大歓迎のようだな」

男「どこをどう見たらそんな結論に行き着くんすか!!」

せんせー「何はともあれ、お前は幼馴染の隣の座ってくれ」

男「幼馴染?」

せんせー「ん?どうかしたか?」

男「あ、いえ。なんでもないです」

幼馴染(男が帰ってきた・・・)

昼休み

男「よ、よう。ただいま」

幼馴染「ただいまじゃないでしょ。はいそこに座る」

男「はい・・・」

幼馴染「それで?なんで突然なのよ」

男「いやぁ・・・まぁ話せば長くなるんだけど」

男「結果的に帰ってくることになりました。はい・・・」

幼馴染「はい、じゃないがな」

幼馴染「なんで帰ってくることになったのか、理由を聞いてるの」

男「まぁまぁ、こまけぇことはいいじゃないですか」

幼馴染「はぁー・・・昔から大雑把じゃない」

男「寛容といってほしいな」

幼馴染「寛容とは言わないわよ。全く」


幼馴染「馬鹿・・・」

男「馬鹿じゃない!!」

幼馴染「大馬鹿よ、大馬鹿」

男「学力はそれなりに上がったわい!」

幼馴染「そういうことを言ってるんじゃないの」

男「じゃあどういうことなんだい??」

幼馴染「さぁーね?」

男「はぐらかすなよー」
キーンコーンカーン

一方中等部

先生「では、新しくこのクラスに転入することになった妹さんです。みなさん仲良くしてあげてね」

妹「妹と言います・・・よろしくお願いします・・・」
パチパチ


休み時間
ガヤガヤ
モブ子「妹さんってかわいいよね!!都会から来たんだよね?なんでこんな田舎に?」

モブ子2「背もちっちゃくて可愛いよね~。都会はどんな風なの~?」

妹「あ、はははは・・・」


男子「転校生可愛いよな」

男子2「俺は普通だと思うぜ~」(やべぇやべぇ、マジ天使ー!!)

男子3「あんなの大したことねぇっての!俺の知り合いもっとかわいい奴いるぜー」(あんなかわいい子みたことねぇよ)


金髪「・・・」

昼休み

妹(みんなお昼になっても私の周りくるからうまく逃げてきたけど・・・)

妹「興味を持ってくれるのは嬉しいけど・・・ちょっとつかれちゃったなぁ・・・」

ドンっ

妹「いたっ・・・」

金髪「きゃっ」

妹「いたた・・・あ、あのごめんなさい・・・」

金髪「いえ、私の方こそ前方不注意で申し訳ございません」

妹「あ、あなたは・・・」

金髪「あら、あなたは転校生の・・・たしか」(妹さん!!)

妹「妹です・・・あなたは同じクラスの金髪さんです・・・よね・・・?」

金髪「あら、よく覚えていらしたわね?」(転校したてなのにもう私の名前を!!)

妹「なんとか・・・顔と名前が一致する程度ですけど・・・」

金髪「なるほどね・・・妹さんと言ったわね?」(記憶力が良いにもほどがありますわ!)

妹「はい・・・」

金髪「同じクラスですからね、何度か交流もあるでしょうから覚えておきますわ」(その名を刻んでおきますわ)

金髪「ごきげんよう」
フリフリ

妹「あ・・・行っちゃった・・・」

妹「なんだか、しゃべり方がお嬢様みたいな感じだった・・・」



金髪(妹さん・・・友達になれないかしら・・)

帰り
男「んー帰るか」

幼馴染「そうしましょうか」

男「なに自然に一緒に帰るかたちになってんのよ」

幼馴染「いいじゃない。腐れ縁なわけだし」

男「まぁ、悪い気はしないけどさぁ」

幼馴染「じゃあ早く帰りましょ」

男「ちょっと待ってくれー。妹も一緒に帰るからさ」

幼馴染「あ、そうね。妹ちゃんは元気?」

男「まぁ、元気っちゃあ元気かな」

幼馴染「そう、ちょっと会うのが楽しみになってきたわ」

男「昔よく遊んでたのにな」

幼馴染「まだちっちゃかったころじゃない」

男「よぅー妹ー」

妹「あ、お兄ちゃん・・・」

幼馴染「久しぶり、妹ちゃん」

妹「幼馴染姉ちゃん・・・?」

幼馴染「よくわかったね!妹ちゃん可愛くなっててビックリしたよ~」

妹「幼馴染姉ちゃん・・・すごく綺麗・・・」

幼馴染「そ、そんなことないよ」

男「そういえば幼馴染はどの辺に住んでるんだよ」

幼馴染「私は今一人暮らしよ」

男「そうなのか??実家では暮らしてないのか??」

幼馴染「まぁね・・・あまりいたくなかったし」

男「そうなのか?」

幼馴染「パパはほとんど家にいないしね」

男「実業家だったよな、親父さん」

幼馴染「この地域の発展のためとかって言ってるけど、ほとんど海外に入り浸りだし」

幼馴染「家政婦さんたちといてもなんか気を使っちゃうし」

男「あんまり関わりない人と一緒に住むのもなぁ」

妹「大変だね・・・」

幼馴染「そうだねぇ~。良かったら妹ちゃん家にくる?そしたら寂しくないし♪」

男「ははなは、おいおい、妹を巻き込むなよ」

幼馴染「いいじゃない~。私だってこんなかわいい妹が欲しかった~」

妹「あははは・・・」

幼馴染「じゃあ妹ちゃんまた明日ね~」

妹「ばいばい、幼馴染姉ちゃん・・・」フリフリ

幼馴染「男は遅刻しないようにねー」

男「ハイハイー」


トコトコ

男「どうだ?学校はうまくやれそうか?」

妹「うん・・・みんないい人そうな人ばかりだよ」

男「そっか。よかったよかった」

妹「うん・・・」

男「今日の晩御飯の材料でも買っていこうか」

妹「今日は何にするの・・・??」

男「そうだなぁ~カレーにしようかな」


男「ぐがぁー今日も疲れたなぁ」

ふわっ
死神「体の調子はどうだ?」

男「き、急に出てくるなよ。あんた見た目只でさえ怖いのに」

死神「お前の趣向に合わせたつもりなんだがな」

男「俺の趣向??」

死神「ほら、幼女に」

男「そんな趣味はねぇよ!!大体会ったときからその姿じゃねぇかよ!」

死神「なんだ、妹にべったりだからそうなのかと思ったんだが」

男「俺は妹が心配なだけだから・・・」

死神「それにしては、随分とご執心のようだが?」

男「唯一家族と呼べる奴が妹しかいなかったんすよ。ばあちゃんは病気で死んじゃったからな」

死神「ほう、祖父殿は何処に?」

男「じいちゃんは貿易関係の仕事であまりこっちには帰ってこれかいからな」

男「ばあちゃんが倒れたときはすっとんで帰ってきたけど」

死神「なるほどな・・・」

男「俺たちがこっちに帰ってくるって聞いて急いで帰ってるって言ってたけどな」

死神「随分と陽気な年寄りだな」

男「ほんとだよ、けど自慢のじいちゃんだよ」

死神「陽気な年寄りと陽気な兄か」クスッ

男「俺は陽気ってわけじゃないよー」

男「面白おかしく過ごせればそれでいいってだけで」

死神「それが陽気と、いうものだ」

ガラガラ

じいちゃん「今かえったぞーい」

男「噂をすればなんとやらだな」

死神「久しぶりの対面だろう、会いにいってこい。私はまた今度来よう」

男「へいへいー」

ふわっ

男「不気味な現れかたと去りかたをする人だなぁ」

男「さてと、じいちゃんとご対面だな」
タタタタッ


じいちゃん「そうかそうか、二人がこっちに戻ってきてくれてこっちは喜ばしい限りじゃ」

男「なんか急におしかけるみたいな形になってごめんな」

じいちゃん「そんなこと孫がきにすることじゃないわい。いたいだけ居続けい」

男「ずっとってわけにはいかないよ。けど当分の間は迷惑かけるかも」

じいちゃん「子供のうちはいくらでも迷惑かけなさい。それが子供の仕事じゃよ」

妹「仕事なのかなぁ・・・」

じいちゃん「ああ、そうじゃそうじゃ。だから気にすることなんかなにもありゃせんよ」

じいちゃん「可愛い妹とも会話ができるしな、よしよし」ナデナデ

妹「ん・・・おじいちゃん」

男「ははは、妹。先に風呂に入っておいで」

妹「うん・・・」
ガラガラ

じいちゃん「しかし、ほんとに急だったな。何かあったか?」

男「いや、特になにかあったわけじゃないさ」

男「ただ、妹には都会の空気は重すぎるみたいだったからさ」

じいちゃん「そうか・・・しかし、一人でよくやっておったな」

男「慣れっこだよ。むしろ妹がいたし、それだけで十分だったさ」

じいちゃん「そうか・・・。久しぶりに会話が湿っぽくなったな、すまんすまん」

男「じいちゃん、ビール飲むだろ?注ぐよ」

じいちゃん「お前も飲むか」

男「未成年に薦めるなってのっ」

翌日
男「さてと・・・じゃあじいちゃん行ってくるよ」

妹「行ってきます・・・」

じいちゃん「気を付けてな。わしも集会に顔を出しに行くとするか」

男「久しぶりに帰ってきたし、挨拶くらいはしといたほうがいいかもな」

幼馴染「おはようございます~」

幼馴染「丁度出るところだったのね」

男「おお、おはようさん」

妹「幼馴染姉ちゃんおはよう・・・」

幼馴染「おはようっ。妹ちゃん」

じいちゃん「誰じゃこの美人は」

男「幼馴染だよ。ほら小学生のころよく遊んでた」

幼馴染「ご無沙汰しております」

じいちゃん「やんちゃ娘が今では立派なレディか・・・わしも年とったなぁ」

幼馴染「レディだなんて、そんな」

男「相変わらずだと思うけどな」

幼馴染「だまらっしゃい」

あははははは

トコトコ

幼馴染「けどよかったじゃない?お祖父様が帰ってきて」

男「うちが明るくなるのはいいけど、やかましくもなるけどな」

幼馴染「あんたはお祖父様似ね」

男「隔世遺伝ですから」

妹「・・・」

幼馴染「妹ちゃんはおしとやかなところがお祖母様似かな?」

妹「そうかな・・・?」

男「あのじいちゃんによくあんな大人しいばあちゃんがくっついたもんだなぁって。今思うと不思議なくらいだよ」

幼馴染「お互い自分にない魅力に惹かれたんじゃない?」

男「映画やドラマでよくある?」

幼馴染「どちらかというと現実的じゃない?ドラマとかだと・・・運命だのなんだのとか」

男「確かにそっちの方が多いけど、最近はそうでもないみたいだぞ」

幼馴染「最近は見てないからなぁ」

妹「やられたら・・・?」

男「やり返す!」

幼馴染「倍返しだ!!」

幼馴染「あれうちのクラスですごい流行ったわね」

男「あれは恋愛ものじゃないけどな」

幼馴染「長年連れ添った夫婦像も形成されてたしね」

男「ていうかこっちでもやってたんだな」

幼馴染「そんなに田舎じゃないわよ」

男「そんなつもりで言ったんじゃないんですけどねぇ~」

幼馴染「馬鹿にしとるなこやつ」

朝のホームルーム

委員長「それではホームルームを始めます」

男「うわぁお。美人さん」

幼馴染「そこ、デレデレしない」ペチッ

男「痛くないよ幼馴染」

幼馴染「本気でやるわけないでしょ」

男「で?美人さんは?」

幼馴染「うちのクラス委員長よ」

男「まじか!俺もクラス委員長に立候補してみようかな」

委員長「ではイケメン君よろしくお願いします」

イケメン「はい、それでは・・・」

男「あの色男は?」

幼馴染「イケメン君よ、このクラスの男子の委員長」

男「なんだよ先約ありか。ちぇ」

幼馴染「残念でした☆」

男「☆をつけるな☆を」

せんせー「男、商店祭について何かいい案があるのか?」

男「はい!?」

せんせー「どうなんだ?幼馴染と話していたみたいだが」

幼馴染(ぅう、やってしまった)

男「せんせー。商店祭のいい案はありませんが、うちの近くで良いこし餡を使った和菓子屋さんなら知ってます!」

あははははははは

せんせー「私も知ってる、馬鹿者が」

委員長「ぷっ」

イケメン「はははは」

せんせー「全く・・・で?幼馴染は?」

幼馴染「はい、元々少ない予算でのやりくりですので焼きそばやたこ焼のような具材費を多くかけるものではなく、少ない材料で行えるものが良いと思います」

せんせー「ほう・・・例えば?」

幼馴染「フライドポテトやアメリカンドックなら割安ですし」

幼馴染「どちらとも調理法は単純です」

せんせー「確かにな・・・お前も男みたいに冗談を言うかと思ったが中々まともな案だな」

委員長「では候補として追加しましょう」

せんせー「そうだな、良い参考になった」

男「自分だけ良い子ちゃんぶりやがって」

幼馴染「私はちゃんと議題のことも考えていたの」

男「そんな器用な真似ができるかっ」

幼馴染「ほら、あんたも案考えなさいよ」

男「あんっ♪」

幼馴染「きもっ」

昼休み

男「おっひるぅぅぅうーー」

幼馴染「あんたは小学生か」

男「メシある??」

幼馴染「自分で買ってきなさい」

男「ぇぇーっ!そこは「そ、んなに欲しいなら余ってるからあげるわ。べ、別にあんたのために作ってきたわけじゃないんだからね!」っておもむろに弁当を」

幼馴染「妄想は頭の中でおk?」

男「俺にもそんな学園生活を!!」

幼馴染「ゲームのなかにでも行ってきたら?」

男「俺は現実がいいのおおお」

友「そう教室の中でイチャつかれると周りの男子を敵に回すぜ?」

男「あんた誰だ」

友「おいおい、同じクラスの仲間だろ」

幼馴染「ごめんね友くん。彼とは幼馴染みなの」

友「なんだと!?転校生!!貴様転校してきていきなり美少女と仲良くなったと思ったら、幼馴染みだったのかよ!!」

男「ははっ!お前たち負け組と同じにするんじゃない!」

男「微少女な気もするがな・・・」

幼馴染「微妙って言いたいわけ?」

男「言葉には気を付けます・・・」

友「転校生、ここは一つ勝負をしてみないか?」

男「勝負?」

友「何簡単なことさ、俺たちが勝ったら幼馴染を俺たちに返してもらう」

幼馴染「私はいつからあんたたちのものになったのよ」

友「クラスのマドンナはみんなのものってことじゃないっすか~」

男「俺が勝ったら?」

友「お前の好きにしていいぜ?」

男「ほうほう」

幼馴染「ちょっと二人とも、なに勝手に話進めてるのよ!」

友「いや、男子みんなの要望でさ。みんなだって幼馴染と絡みたいんですよ」

友「だけどそこへ幼馴染みなるどこの馬の骨ともわからない男がやってきて、幼馴染をほぼ独占状態」

友「これってアンフェアじゃないかなと思って代表で俺が参上したってわけよ」

幼馴染「さっぱりわからないわ」

男「なるほどね、確かにフェアではないな」

幼馴染「いやいやなんで納得してるのよ」

男「いいだろう、帰り時間に屋上で待ってな」

友「おお、果たし合いみたいだな!面白い乗ってやるよ」

幼馴染「ちょっとそれじゃただの喧嘩じゃない!!」

男「まぁいいじゃねぇか。せっかく相手さんはお前のために戦うみたいなこと言ってるわけだし」

男「自分のために戦ってくれるんだぞ。姫様みたいでちょっと優越感に浸れるじゃないか」

幼馴染「心苦しいわ!!頼んでもないのになんで私のために戦うなんてことになってんのよ!」

友「幼馴染!!そんなチャラ男からすぐに解き放ってやるぜ!」

男子共「いいぞ!友ー!!正義は俺たちにアリ!!」

幼馴染(なんでこんなことになってるのよ・・・)

すみません
内容をかなりいじってるので

前のやつを投稿できなくて・・・

そして帰り

幼馴染「あんなこといってどうすんのよ」

男「何手は打ってあるさ」

幼馴染「なによ、それ・・・」

男「そろそろだな。へへへ」

幼馴染「??」

一方

屋上

友「さてとどう料理してやろうか」

男子A「けど大丈夫なのかよ?お前一人で」

友「心配するなってよ、こう見えても喧嘩は割りと強いほうなんだぜ。野球もやってたから動体視力にも自信あるしよ」

男子B「けどあの転校生、聞いた話じゃ、都会でかなり悪だったらしいぜ」

友「大丈夫大丈夫、そんな話ってのは尾ひれが付いてくるもんだぜ」

男子C「期待してるぜ、何かあれば俺らも助太刀するさ」

友「いや、大丈夫。それにやつとは勝負って言ったからな」

友「こっちの人数が多い分やつにとってはアウェイだからな。一対一でやるさ」

男子A「格好いいこと言ってくれるね!だからって幼馴染さんを独占するなよー」

友「そんなことしねぇよ」

友「っていうか・・・遅ぇな」

二時間

男子A「おい友・・・いくらなんでも遅すぎないか」

友「・・・・」

男子B「おいこれってまさか」

男子C「待ちぼうけ食らわされたとか」

友「・・・・」

テクテク

男子C「おい、友?」

友(いや・・・まさかな)

テクテク

友(ゴクリ)

ガチャガチャ

友「・・・・・」

男子共「・・・・・」

帰り道

幼馴染「はぁぁ!?じゃあ、あんた屋上に呼び出したままにしてわざと帰ってきたわけ!?」

男「だって、一人アウェイに乗り込むとかアホのすることじゃねぇか」

幼馴染「いやいや、約束したのだから筋は通しなさいよ!」

男「仮に約束を守って乗り込んだとしよう。そしてやつも倒す」

幼馴染「倒すことは前提で話すのね」

男「倒したとしてもやつの取り巻きが不意打ちをしてこないとも限らないだろ?」

幼馴染「だったら私も行くわよ」

男「それでもなお、不意打ちをして、俺を倒すあとはお前を黙らせればいいだけじゃないか」

幼馴染「黙らせるって何よ・・・」

男「やつら憧れのお前を目の前にして、思春期男子の衝動を抑えられるとは思えんからな」

幼馴染「最低ね」

男「俺がじゃないよ、奴らがもしかしたらってこともあるだろ?」

幼馴染「確かに可能性としてはあるかもしれないけど、同級生の同じクラスの仲間をそんな風に疑うことなんて私にはできるわけないでしょ!」

男「わからねぇって言ってるじゃないか。だから保身のためにこうして先手を」

幼馴染「こういうのは先手とは言わないわよ!!ただ逃げてきただけじゃない!!」

男「逃げるのも手段のひとつだって」

幼馴染「まだ逃げるだけならわかるわよ、けど」

幼馴染「これから友達になるかもしれない人をそんな風に見るなんて・・・」

幼馴染「いくら幼馴染みのあなたでもそれは許さない!」

男「落ち着けって幼馴染」

幼馴染「久しぶりに帰ってきたから・・・すごく嬉しかったのに」

幼馴染「クラスメイトのことをそんな風に言うなんて」

男「クールダウンだよ、落ち着けよ幼馴染」

幼馴染「さようなら!」
ツカツカ

男「おいおい・・・・いっちまった」

妹「お兄ちゃん何かしたの・・・?」

男「怒らせちった」

妹「喧嘩は良くないよ・・・?」

男「ああ、ちゃんと謝らないとな」

妹「うん・・・」

男「さてと、今日の晩御飯何しようかな」

翌日

男「ちーっす」

友「よくもまぁ、顔を出せたものだな卑怯者」

幼馴染「・・・・」

男「いやぁ悪い悪い昨日はアウェイでやりあうのがちょっと嫌だったし、気分が乗らなくてな」

友「だったら今この場で勝負しろ」

男「おいおい、教室でおっぱじめる気かよ。それはやめといた方がいいと思うぜ」

友「心配することないさ、お前を一発で仕留めればな」

男子A「昨日はよくも屋上に閉じ込めやがって」

男子B「友!!やっちまえ!!」

男(ただのヤンキーじゃねぇかよ・・・ん?閉じ込めた??)

友「さぁかかってこい」

なんだなんだ
喧嘩でもやるのか

ザワザワ

委員長「はいはいストップ。そこまでですよ」

イケメン「二人とも落ち着いて、大人気ないよ」

友「美人委員長は黙ってくれ、これは俺と転校生の問題なんだよ」

委員長「それ以上はだめですよ、周りに迷惑もかかりますし、何よりクラス委員長として放っておくわけにはいきません」

イケメン「クラスの問題は俺たちで解決するためにあるようなものだからね」

男「だとさ、色男と美少女に言われたんじゃ退いといた方がいいんじゃないか?」

友「うーん・・・」(確かに反抗するのは得策ではないな)

委員長「この場は伏せるとしてあとで事情は聞きます。いいですね?」

イケメン「それでいいかい?」

友「・・・わかったよ」

男「俺もそれでいいよ、色男」

幼馴染「ほっ」

男(・・・)チラッ

幼馴染「っ!!」プイッ

男「はぁ・・・意地っ張りだなぁ」



休み時間
委員長「なるほど・・・そんいうわけですか」

男子A「そうなんすよ!屋上で待たされるわ」

男子B「約束は破られるわ」

男子C「挙げ句閉じ込められたんすよ!!」

イケメン「ふむ・・・確かに男くんのやったことは少し過剰すぎる点もあるみたいだね」

委員長「そうですね・・・けど何人も連れて待ち構えてるのもいかがなものかと」

男子A「なっ、委員長はぽっと出の転校生なんかを擁護するんですか!?」

男子C「そーだそーだ!」

委員長「来たばかりだからこそ、みんなで彼を非難するのは間違っていると思いますし」

イケメン「このまま彼の居場所を奪うのはどうかと思うよ?」

男子B「居場所を奪ってきたのはあの転校生のほうだよ!」

男子C「幼馴染さんを独占するなんて、ずるい!」

イケメン「それが本音かい」

委員長「とにかく、男くんとも話をしてみますので。それから判断しますね」

友「あいよ、頼みますよ」

委員長「それで、男君。彼らから聞いた話ですが・・・本当のことですか?」

イケメン「ことと次第によっては今後のクラスでの生活が大きく変わってくるよ?」

男「まぁ・・・八割は本当の話なんじゃないんですかね」

イケメン「じゃあ認めるということでいいのかい?」

男「そうっすね、けど先に因縁をつけてきたのは向こうっすよ。俺はただ幼馴染と話をしてただけですし」

委員長「ことの発端は彼らに原因があったみたいですね。わかりました、彼らには注意しますが男君も問題をおこさないように気を付けてくださいね」

男「あいよーっす」

イケメン「ということでこの問題は一件落着ということにしようか」

委員長「・・・・」

イケメン「ん?委員長さん?」

男「んん?」

委員長(やっぱり覚えてないかなぁ・・・)

イケメン「彼がどうかしたかい?」

男「おいおい、止してくれよ。あまりの俺のイケメンさに見惚れるのは」

委員長「・・・」

男「そんな凍るような視線で見るのも止してくれよ」

委員長「いえ・・・話は以上です」

男「あいおーじゃあ失礼しました~」


~~~~~~

昼休み

男「はぁ~今日は寂しく一人か」

幼馴染「・・・」

男「どこかの可愛い子ちゃんがご馳走してくれないもんかねぇ」

幼馴染「・・・・」

男「腹ペコだよぅ」グー

幼馴染「・・・」トコトコ

男「ん?どうした微少女?」

幼馴染「だまらっしゃい」

男「お!お弁当を恵んでくれるのかい?」

幼馴染「どうせないんでしょ?こっちもちょっと作りすぎたし」

男「ツンデレ?」

幼馴染「弁当没収するわよ」

男「ごめんなさい、ありがたく頂戴いたします」

幼馴染「まぁ、昨日は言いすぎたわ。ごめんなさい」

男「ツンデレはやめてデレにはしったか」

幼馴染「ツンデレじゃないから、デレるわけ」ハハッ

男「小バカにするなよー!傷つくだろ!」

幼馴染「はいはいわかったから、屋上に行きましょう」

男「スルーすんなよ!!」

屋上
男「しかしこう毎度毎度屋上だと飽きないか?」

幼馴染「じゃあ、どこで食べたいわけ?」

男「この学校食堂が広いんだしさ、校庭とかもいいな」

幼馴染「食堂は学食をたべる生徒でごった返しよ」

男「だよなぁ・・・そのなかで弁当を食べるってのもなんか申し訳ないんだよな」

幼馴染「それと、校庭はカップルばっかよ」

男「なんだとぅ!?公共の場で奴らはいちゃついてるのか!?」

幼馴染「別にいいじゃない、本人たちは楽しそうなんだし」

男「見ている俺たちは腹立つ!!」

幼馴染「私は腹立たないんだけど」

男「怒れ幼馴染よ!!」

委員長「なーにしてるのかなぁ?」

幼馴染「男が騒いでるだけよ」

男「聞いてくれよいいんちょ!幼馴染ときたらカップルをみても「リア充うんこ!」ってならないんだぜ」

幼馴染「なってたまるか」

委員長「端からみたら二人もリア充に見えなくはないと思うけどな~」

幼馴染「ないない」

男「幼馴染み属性が邪魔をするんだ」

幼馴染「幼馴染みだから絡んでるようなものじゃない」

男「こんな冷たいこと言うんですよ」

委員長「幼馴染ちゃんももう少し優しくしてあげなきゃダメだよ?」

幼馴染「男が付け上がらなければね」

男「俺はいつでもハイだぞ」

幼馴染「ていうかあんたまだ気づかないの?」

男「幼馴染のスカートの丈が微妙に短くなってるところにか?」

幼馴染「ちがうわ!あほ!」

男「太ももが良い具合れす」

幼馴染「あたしの太ももなんかみてもなんの得にもならないわよ」

委員長「クラスの男の子なら食いつくと思うよ?」

男「俺もクラスの男だ」

幼馴染「そうじゃなくて!彼女よ!何か気づかないの!?」

男「委員長がどうかしたのか??」

委員長「無駄だと思うよ?全然気づいてないみたいだし」クスッ

幼馴染「あれだけ一緒に遊んだのにねぇ」

男「話が見えてこないぞ」

委員長「はぁ・・・もうしょうがないなぁ」

男「???」

委員長「久しぶりだね男くん、ボクだよ」

男「ボク・・・!?まさか」

男「委員長がどうかしたのか??」

委員長「無駄だと思うよ?全然気づいてないみたいだし」クスッ

幼馴染「あれだけ一緒に遊んだのにねぇ」

男「話が見えてこないぞ」

委員長「はぁ・・・もうしょうがないなぁ」

男「???」

委員長「久しぶりだね男くん、ボクだよ」

男「ボク・・・!?まさか」

男「委員長は本当は男だったのか!?」

委員長「ちっがーう!!そんなわけないでしょ!!」

男「なんだと!そのおっぱいが本物かどうか確めてやる!」

幼馴染「なにやってんのよ!!」

委員長「ボクだよ!!幼友!」

男「幼友?」

委員長「幼ちゃんとよく一緒にいた幼友!!」

男「あー・・・ああ??」

幼馴染「喧嘩売ってるのあんた」

男「ちげぇーよ!思い出してるところなの!」

幼友「男くんのばーか」

男「お、そのフレーズ思い出したぞ!幼馴染がちっちゃいとき言ってた口癖だ」

幼馴染「うしろでよく幼友も一緒に言ってたわよね、ていうかなんて思い出し方してるのよ」

男「人の善意は忘れるが、悪意は覚えてるのよ」

委員長「嫌なフレーズだね・・・ボクの思い出って嫌なことしかないんだね」

男「そ、そんなことないぞ!!あの頃の委員長はちっちゃかわいかった!」

委員長「ふーん、昔はねぇ~」

男「いまだってかわいいぞ、ずいぶん育っちゃってまぁ」

幼馴染「どこに向かっていってるのよどこに」

委員長「そんなに胸大きいかなぁ・・・」

男「女の子にとっては悩みかもしれないが男にとっては夢とロマンなのさ」

委員長「男くん変態になっちゃったね」

幼馴染「兆候はあった気もするけどね」

男「男なんてみんなこうよ?」

幼馴染「あんたが異常なだけよ」

委員長「けど、はじめは不良になっちゃったのか心配だったなぁ」

幼馴染「見た目がこんなんだからね、特に目付きとか」

男「荒んだ外見!中身は変態!その名は男!」

委員長「ぶっ飛びっぷりも相変わらず」クスッ

幼馴染「わかったから、男さっさとお昼済まさないと昼休み終わるわよ」

男「はい、母さん」

幼馴染「母さんちゃうわ!」

食堂

妹「・・・」もぐもぐ

金髪「相席よろしくて?」

妹「あ、うん・・・どうぞ」

金髪「お弁当なのに食堂で?」

妹「ごめんなさい・・・」

金髪「あ、いえ、怒ったつもりじゃないのよ」

金髪(なにやってるのよそうじゃないでしょ!私!)

金髪(私は妹さんと仲良くなりたいのであって・・・)

金髪「随分と可愛らしいお弁当ね、ご両親がお作りに?」

妹「ううん、お兄ちゃんに作って貰って・・・」

金髪「あら、お兄さんに?」

妹「うん・・・」

金髪「随分と仲のよろしいのですね」

妹「そうかな・・・?私にとっては普通だったから・・・」

金髪「御兄妹で仲がよろしいのは滅多に見かけませんわね」

妹「そ、そうなんだ・・・じゃあ変なのかな・・・」

金髪「!!」

金髪「いえ、そんなことはないと思うわ」

金髪「身内同士で気兼ねない関係というのはとても良いことだと思いますわ」

妹「ありがとう・・・」

妹「金髪さんは兄弟はいらっしゃらないんですか・・・?」

金髪「金髪でいいですわよ。同級生なのにさん付けで呼ぶのは何か変な感じですし」

妹「じゃあ・・・私のことも呼び捨てで」

金髪「ええ、勿論ですわ」

妹「えっと・・・金髪・・・?」

金髪「よろしくね、妹」

妹「うん・・・よろしく」






少年「・・・・」



ーーーーーーー

帰り

妹「よいっ・・・しょ」

金髪「妹、一緒に帰りません?」

妹「うん、勿論・・・」

金髪「ふふ、では行きましょう」


金髪のやつ、いつ妹さんと仲良くなったんだ?

私たちとは打ち解けてくれなかったのにね。なんで妹さんに??

妹「・・・・」

金髪「気にすることないわ、行きましょう」

妹「う、うん・・・」

正門

幼馴染「今日も妹ちゃん待ちね」

男「しばらくは一緒に帰ろうと思ってな」

委員長「男くんってシスコン??」

男「家族思いなだけだい、って普通に委員長も混ざってるな」

委員長「もう、普段はボクのことは幼友でいいよー」

男「家に帰るまでが委員長かと」

幼馴染「遠足かなんかかい」


妹「あ、お兄ちゃん」

金髪(ふーん・・あの人が妹のお兄様)

男「おう、待ってたよ。っと彼女は友達か!?」

妹「うん・・・クラスメイトの金髪さん」

金髪「クラスメイトの金髪と申します。以後お見知りおきを」

男「おう、よろしくな。俺は妹の兄の男」

幼馴染「私は幼馴染」

委員長改め幼友「ボクは幼友、よろしくね♪」

金髪「よろしくお願いします」

男「よっしゃ、揃ったことだし帰りますかね!」

友「ちょっとまてぃぃ!!」

男「ん?誰だこいつ」

幼馴染「いがみ合ってた友くんよ・・・あんた忘れたの・・・?」

幼友「どうかしたの?友くん」

友「どうかしたのじゃないがな。なんで二人して転校生の取り巻きになってるのよ」

男「俺のハーレムだからな」

幼友・幼・金髪「・・・」ジリジリ

男「あ、そんな離れないで」

友(露骨な嫌がられようであわれだな・・・)

友「ってそうじゃなくて!委員長まで転校生の味方をするんですか!?」

幼友「味方をするかどうかは置いておいて、男くんが閉じ込めるまでするとはどうしても」

幼馴染「私もそう思うし、なにより屋上の扉のカギの閉め方がまず初めてきた男にはわからないと思う」

男「そういえば、鍵穴が無かったよな。施錠するひねりもなかったし」



幼友「あれはね、ノブ自体を外して施錠するんだよ」

男「なんだその欠陥品」

幼馴染「まぁ、何度か修理しようとしたんだけど、ことごとく壊れて。それでノブだけ取り外ししようってことになったの」

男「適当だなぁ・・・それでひねりも鍵穴もなかったわけか」

幼馴染「これで男が閉じ込めていってわかった?」

友「むぅ・・・しかし待ちぼうけを食らわされたのは確かだ!」

幼友「そもそも、友くんたち男子が一方的に男くんを目の敵にしていたのが原因だとおもうけど?」

幼馴染「何人かで待ち伏せがあるのはわかってたけど、それで待ちぼうけさせる男も男だけどね」

男「えー、ぼくもうすこしで集団リンチに遇うところだったんですよー?」

幼馴染「お黙り」

男「はい・・・」

幼友「とにかく今後このようなことがあればお互いの事をせんせーに報告しなければならないし」

友「それは面倒だから困る」

男「全くだな」

幼友「それが嫌ならお互い仲良くしてください。大体男の子同士なんだからすぐに打ち解け合えるものじゃないの?」

男「さぁ?」

友「こいつとは解り合えそうにないっすね」

幼馴染「あんたらは子供か!」

幼友「・・・あー・・・うん、これ以上問題を起こさなければいいです」

男「あいよー」

友「ういーす」

妹・金髪「???」

ーーーーーー

幼友「もう・・・なんで学校の外に出ても委員長をやらなきゃならないのさ・・・」

幼馴染「男もなんでそこまで向きになるのよ」

男「俺はそんなに気にしてないぞ」

幼馴染「じゃあなんでそこまで突っかかろうとするのよ」

男「あそこで簡単に謝ったら大したことないやつに見られるじゃんか」

男「ストレスで胃が破壊されちゃう♪」

幼馴染「幼友は今にも破壊されそうな状態よ・・・」

男「だから、俺から突っかかろうなんてことはしないようにしてんだけどなぁ」

友「ふぅ・・・疲れた」

男子A「友!どうだったんだよ!?」

男子B「幼馴染さんは説得できそうか?」

友「難しそうだな、お互い幼馴染みらしいし。信頼度が違いすぎる」

男子C「確かになぁ・・・けどあの転校生の好き勝手にさせるのはどうもなぁ」

友「うーん・・・」(けどそんな悪いやつには見えないんだよな)

男子A「あの転校生、前住んでたところじゃ有名な奴だったらしいぞ」

男子B「それって不良ってやつか?今もまだそんなのいるのたかよ」

男子C「何人も女と付き合っては振ってたらしいしな」

友「なんでそんなこと知ってるんだ」

男子A「俺の友達がやつにこっぴどくやられたみたいで、噂もそいつから聞いたんだよ」

男子B「おいおい、まじかよ・・・それやばくないか」

男子A「他にも他人の彼女を寝とったとか」

男子C「幼馴染さんと委員長が危なくないか!?それ」

友「・・・」

男子B「友!Aが言ってるんだから間違いない!奴の本性を掴んでだな・・・」




友「興味ないな」

男子共「!?」

男子B「おまえ!二人がこのまま毒牙にかかってもいいのかよ!?」

友「それはあいつら二人が望んでそうなるわけだろ?俺たちがとやかく言うことじゃない」

友「それにそんな問題があったら学校自体いられないだろ」

男子C「だから本性を暴いて、学校から追い出してやろうぜ!そうすれば学校も平和になるしな」

男子B「おう!確かにな!」

友「お前らなぁ」

男子A「どうしたんだよ?お前らしくないじゃないか」

友「実被害がでてるわけじゃないし、奴が本当にそれをやったのか断定するのも軽率じゃないか」

男子A「お前は俺の言うことを信用しないのか?」

友「そうは言ってないさ、ただお前自身が見たことじゃないんだろ?それを鵜呑みにするほど俺はバカじゃないさ」

男子A「じゃあお前はどうすんだよ?」

友「俺は自分の目で奴がどういう人間なのか見極めるよ」

男子B「そうかよ、勝手にしろよ」

男子C「俺たちだけで転校生の正体を掴んでやる」

男子A「つーわけだ、じゃあな」



友「一方的だなぁ・・・」

友(あいつら何かやらかさなければいいんだがな・・・)

その夜

妹「お兄ちゃん・・・クラスでうまくいってないの?」

男「いや?そんなことはないぞ」

妹「帰りに男の人ともめてたみたいだけど・・・」

男「あーちがうよ、相手が勝手に目の敵にしてきてるだけだよ」

妹「そうなの・・・?」

男「おう!だから妹が心配するようなことはないさ」

じいちゃん「なんじゃお前、喧嘩でもふっかけられたのか?」

男「ちげーよ、そんな血の気の多いやつがこの辺にいるわけないだろ」

じいちゃん「田舎ほどなにするかわからんやつが多いからな、そのうち闇討ちにでも遇うんじゃないか?」

男「いつの時代だよ、俺はお偉いさんか何かかよ」

じいちゃん「ははははは」

風呂場

男「うぇうぇ~♪」

男「それにしても面倒なやつに目をつけられたもんだなぁ」

男「大人しくしてるつもりなんだけどなぁ・・・」

死神「それよりももっと面倒な奴に目をつけられていなければいいがな」

男「いやぁぁぁぁ、勝手に入ってこないでよ!!」

死神「最初からいたんだが」

男「声くらいかけてくれ!!」

死神「お前の下手くそな歌を聴いていた」

男「やましいわ」

男「で?さっき言ってたもっと面倒なやつってのはなんだよ?」

死神「さぁな、気づいていないなら私は教えられん」

男「なんだよなんだよっ!ケチ臭いな!!だからそんな貧乏くさい格好してるんだよ!」

死神「死神だしな、死神がスパンコールなんて着てたら滑稽だろ?」

男「なんでそのチョイスなんだよ。極端すぎるだろ!」

死神「地味だと言うから」

男「だからってスパンコールはねぇだろ!!」

死神「うるさいやつだな、お前の命は私の手のなかにあるのをわすれてるわけじゃあるまい?」

男「ぐっ!人の命を盾にするなんてあんたは悪魔か!!」

死神「死神だ」

男「だまらっしゃい!」

死神「ところでずいぶんと充実した青春を送ってるな、まるで軽い小説の主人公気分だな」

男「女の子には不自由してないね確かに」

死神「自覚はあるんだな」

男「普通は一人いるだけでもすんごいことさ!都会にいたときいやと言うほど思い知らされた」

死神「ほぅ・・・嫌な記憶しかないようだな」

男「暴力と血と泥沼でかたくさんでした」

死神「散々だな」

男「俺はこういうラブコメを待ってたのよ!」

死神「中々ない体験だから満喫しておけよ、あと10年20年経てば血だま色に変わってるからな」

男「その将来も希望に満ち溢れていて欲しかったです」

死神「それを決めるのは今のお前自身だ。お前の取捨選択で地獄にも天国にも死にも変わる」

男「どれも死後の世界と突っ込んだら負けですか?」

死神「死は確定だな」

男「じゃあ黙ってます」

翌日
ザーザー

男「今日は雨か・・・妹?傘持ったか?」

妹「折り畳みも持ったよ」

男「よっしゃ行くか」

じいちゃん「気を付けて行くんだぞ。たまに田んぼが浸水して洪水が起こってるときがあるからな」

男「どんな状況か観てみたいよ」

いってきまーす

死神「・・・」

死神「雨か・・・」

幼馴染「おはよっ」

妹「幼姉ちゃんおはよう・・・」

男「おはよう、つーか雨ひどいなこれ」

幼馴染「梅雨の時期になるとひどいからね、台風が来たときなんて三日くらい休校の時もあるし」

男「まぢかよ・・・さすが田舎」

妹「あ、カエルだ・・・」

幼馴染「おはよっ」

妹「幼姉ちゃんおはよう・・・」

男「おはよう、つーか雨ひどいなこれ」

幼馴染「梅雨の時期になるとひどいからね、台風が来たときなんて三日くらい休校の時もあるし」

男「まぢかよ・・・さすが田舎」

妹「あ、カエルだ・・・」

教室

男「おはよーっす・・・って人ほとんどいねぇぞ」

幼馴染「あれ・・・ほんとだ。おかしいなぁ休校なんて聞いてないけど」

幼友「あ、二人ともおはよう」

男「おはよう、今日はやけに少ないな」

幼友「雨もひどかったし。みんな休校だと思ったんじゃないかな」

幼馴染「雨の影響で学校に来れないって人もいるしね」

男「交通手段が限られるから結構きついんだな」

ガラガラ
せんせー「せっかく来てくれたお前たちにはすまんな、今日は休校だ」

クラス「えーー」

幼馴染「どうする?」

男「んー妹と帰るかな、じいちゃんも心配してたしな」

幼友「ボクはせんせーに呼ばれてるからちょっと遅くなるかも」

幼馴染「幼友の用事が終わるまでは待機ね」

男「だなっ」

幼友「二人ともごめんね、すぐに済ませてくるからっ」
タッタッタ

中等部

ピピッ
妹「ん?お兄ちゃんかな・・・」

金髪「どうかなさいました?」

妹「もうすぐ帰るから仕度しておいてだって・・・」

金髪「今日は休校で残念ですわね」

妹「大雨で休校になるなんて、大変だね」

金髪「交通手段が限られますし、田んぼが多いですから浸水も深刻ですし・・・」

妹「そっか・・・静かで良いところでもそういうところで大変なんだね」

先生「委員長さん~、一階の資料を運んで欲しいんだけど・・・」

妹「あ、先生」

金髪「委員長なら先ほど帰られましたよ」

先生「あら、そっか・・・一人で運ぶしかないかー」

妹「私も手伝いますっ・・・」

金髪「私もお手伝いいたしますわ」

先生「ありがとう~一人じゃ運ぶの大変だったから助かるよ~」

職員室

先生「ごめんねぇ、二人にも手伝わせちゃって」

金髪「いえ、私たちも時間をもて余していましたし」

妹「資料の量も多かったので三人で運んで早く終わりましたね・・・」

先生「二人とも力強いね・・・わたしなんてヘロヘロだよ~」

金髪「先生もまだ20代では・・・」

先生「二十歳すぎてからなんか体力が駄々下がりでね」

体育先生「それは良くないですね!先生!どうですか?私と一緒に早朝ランニングは!?」

先生「あははは・・・気が向いたらにしますね」

金髪(下心が見え見えですわね・・)

妹「・・・」

・・・・・・
・・・・・・・・

妹「・・・?」

金髪「?」

金髪「どうかしました?」

妹「へ?・・・ううん・・なんでもないよ・・・」

金髪「??」

妹(・・・気のせい・・・かな・・・)


ーーーーー
ーー

先生「あ、資料が一式足りない!」

金髪「他の資料と紛れてないのですか?」

先生「どこにもないわね・・・」

妹「先生私たちが取りに行ってきます」

先生「何度もごめんね、助かるわ」

金髪「最後まで手伝いますわ。行きましょう」

妹「うんっ・・・」

タッタッタ

一階の準備室

妹「このへんかなぁ」

金髪「中々見つかりませんわね」

・・・・・ーーっ・・・

妹「??」

金髪「こっちにはありませんわね・・・ん?」

妹「・・・・」

金髪「妹?どうかなさいました?」

妹「う、ううん。なんでも・・・」

金髪(どうしたのかしら・・・)

妹(また聞こえた・・・さっきよりもはっきりと・・・)

妹(でも・・・何の音?)

二階廊下

せんせー「すまんな、面倒なことを手伝わせて」

幼友 「いえ、委員長ですから。それに一人じゃ時間がかかってしまう量でしたし」

二階廊下

せんせー「すまんな、面倒なことを手伝わせて」

幼友 「いえ、委員長ですから。それに一人じゃ時間がかかってしまう量でしたし」

せんせー「しかしこれだけのものを持ち運びするのも楽ではないな・・・」

幼友「ほんとですねー」

ジャー・・ジャー・・・・

せんせー「ん?なんの音だ?」

幼友「??なんでしょう、水が流れるような、なんていうか」

せんせー「!!」

せんせー「まさか・・・!」
タッタッタ

幼友「あ!せんせー!?」

男のクラス

幼馴染「それにしても遅いわねぇ・・・・」

男「幼友ちゃんか?せんせーにコキ使われてるんじゃないか?」

幼馴染「多分資料を運び出す作業を手伝ってるんだと思うんだけど・・・ちょっと時間が掛かりすぎてる」

男「思ったより量が多かったとか」

幼馴染「かなぁ・・・」

おい見ろよ!

なにこれ!!

大変見てみて!!水が

幼馴染「どうかしたの?」

あ、幼馴染さん、見てよあれ

幼馴染「ん・?・・・!!」

男「おいおい、なんだあの水の量!やばくないか!?」

幼馴染「あの高さだと一階はほとんど浸水してるわね・・・」

男「こりゃ、帰れそうにないな・・・・」

男「妹・・・大丈夫かな・・・」

幼馴染「中等部は三階だし、万が一、一階の行くことがあれば階段まで浸水してるから気づいて上の階に避難すると思うわ」

幼馴染「妹ちゃんならしっかりしてるし、多分大丈夫だと思うよ」

男「おう、そうだな。一応連絡してみるよ」

幼馴染「そうね、確認はしておいた方がいいわね」

ピッ

プルルルル

一階準備室

金髪「あ、あったわ!これじゃないかしら」

妹「えっと・・・そうだね、これだと思うよ」

金髪「よし、じゃあ帰りましょう」

ガタガタ

金髪「あれ・・・?」

妹「どうしたの・・・?」

金髪「ドアが開きませんわ・・・!」

妹「え・・?」

ガタガタ

金髪「だめですわ!全然開きませんわ!!反対側から押さえつけられてるみたいで」

妹「そんな・・・」

職員室

せんせー「一階に残ってる生徒はいませんか!?」

教頭「どうなさいました!?一体」

幼友「外を見てください!」

なんだなんだ?


こ、これは・・・!!

せんせー「外の状態を見ての通り一階はすべて浸水してると思われます!一階に残ってる生徒や教員方はいませんか!?」

体育教師「いえ・・・多分いないのでは」

先生「!!!わ、私の生徒が準備室に行ったっきりで・・・」

せんせー「どこの準備室ですか!?」

先生「一階奥の準備室です!」

せんせー(幸い真上はうちのクラスだな・・)

せんせー「よし、すぐにいくぞ!」

先生「は、はい!」

幼友(もしかして・・・先生のクラスってことは中等部の子??)

男「おかしい・・・電話に出ない」

幼馴染「妹ちゃん?」

男「ああ、おかしいな・・・」

幼馴染「まさか、一階に行くことなんて・・・」

男「・・・・」

男(どうしたんだ・・・妹!)



屋上

ザザーーー

死神「思いの外・・・激しいな・・・」

死神「恵みの雨にしては・・・少しばかり恵みすぎだな」

ズザァァザァァ

金髪「ハァハァ・・・ダメですわ・・・びくともしません」

妹「外に連絡を取るね」
ピッ

妹「あ、お兄ちゃんから連絡が入ってる・・・」

金髪(シスコンですわね・・・)

金髪「その方が良さそうですわね・・・というより・・・なにやら床が濡れているようですけど」

妹「え・・・・?」

ピタピタ

妹「・・・これって・・・」

ピッ

ピッ
男「もしもし!?妹か!?」

妹『お、お兄ちゃん・・・?』

男「心配したんだぞ!!今どこにいるんだ!?」

幼馴染「繋がったの!?」

妹『今一階の準備室にいるよ・・・』

男「なっ!一階にいるのか!?大丈夫なのか!?」

幼馴染「!!!」

妹「今のところは・・・外はどうなってるの・・・?」

男『外は水が浸水してる!一階は飲み込まれてるほどの量だぞ!』

妹「そっか・・・やっぱり」

金髪「妹!!水の量が増えてますわ!!このままでは!!」

妹「・・・・」キョロキョロ

妹「!!」

タッタッタ

金髪「妹!?どうしたの!?」

妹「この上部の窓からなら出られるかもしれない・・・!」

金髪「無茶ですわ!!そこまで浸水していたら・・・」

妹「えぃっ!」
バリィン!!

男「妹!?今の音はなんだ!?」

妹『ガラスを割ったの・・・かなり上部にあったからここまでならまだ浸水していないかも』

男「なんて無茶するんだ!!待ってろよ今助けに行くから!!場所はどこなんだ!?」

妹『一階の準備室・・・っ!!かなり水が浸水してる・・!』

男「準備室だな!」

幼馴染「男!!準備室ならこの真下よ!!」

男「まじか!!窓から確認して・・・」

タッタッタ

ガラガラ
ビューーーー
ザァザァー


男「やべぇな外!!台風かよ!」

幼馴染「こんなの全然たいしたことないわよ・・・!!」

妹「お兄ちゃんっ・・・!!」

男「妹!!」

幼馴染「窓ギリギリのとこまで浸水してるわね!急いで先生を呼ばないと」

男「そんなの待っていられるか!」

幼馴染「そんなこと言ったって私たちじゃどうにもならないわよ!!」

男「おいおい、幼馴染さんともあろう人が。今できることを最大限考えてみろよ」
ビリビリ

幼馴染「ちょっと!カーテンでロープでも作る気!?」

男「他にできることがないだろ!お前が支えててくれよ」

幼馴染「男はどうするのよ!?」

男「俺が妹を引き上げる」

幼馴染「この水流の中!?正気!?」

男「正気だったらパニクってたろうな」ギュッギュッ

男「じゃあ頼むぞ」

幼馴染「男!!」

二階廊下

友「帰り損ねたか・・・この浸水の中じゃ無理だな」

友「ん?」

友「あれは・・・!?」

男「わっとととと!」

妹「お兄ちゃん!!」

バリンっ!!
金髪「きゃっ!妹!!水がかなり入ってきてますわ!!」

金髪「このままここも浸水するのは時間の問題ですわ!!」

男「結構滑るなっ・・よっと!」

男「よし!妹掴まれ!!」

妹「待って!!先に金髪を」

男「金髪ちゃんもいるのか!?」

金髪「わ、私よりも妹が先に」

妹「多分金髪は泳げないと思うから・・・だから!お兄ちゃん」

男「そうなのか!?」

金髪「そ、そんなことありませんわ!!」

妹「早く!」

金髪「い、妹・・・」

男「よし!金髪ちゃん来い!!掴まるんだ!」

金髪「は、はい!」
ガシッ

男「幼馴染!!引っ張れ!」

幼馴染「わかってるけど!!私一人じゃ・・・!!」

幼友「ボクも手伝うよ!!」

幼馴染「幼友!!」

幼友「こんなことだろうと思ったよ!」

ググクッ

幼友「お、重い!!」

せんせー「大丈夫か!?」

幼馴染「せ、せんせー」

せんせー「この馬鹿共が!無茶しおって」

男「せんせー金髪ちゃんを」

せんせー「わかった!っておい!お前は何してる!?」

男「下にまだ妹が残ってるんですよ!!」

ザァザァー

バリンっ!!

ズザァザー

妹「!!ま、窓が!」

男「妹!!!!」

幼馴染「無茶よ!!男!!もう窓まで浸水してるのよ!」

男「くっ・・・!!」

ブチブチ

ブチッ!!

男「のわっ!」

幼馴染「男!!!!!」

幼友「男くん!!」

せんせー「男!!大丈夫か!?」

男「ぐっぬぬぬ、なんとか!」

男(くそっ!もう手が・・・)

シュルシュル

男「!?・・・カーテン!?」

三階

友「それに掴まれ!転校生!!」

幼友「友くん!!」

男「なんだなんだ、手のひら返しか・・・?」

男「まぁいいや、助かった!」ガシッ

男「よっと・・・」

友「ほら、掴まれ!」

男「悪い助かった」

友「中等部の子を助けてたのか、しかしやりかたが無茶苦茶だな」

男「いや、まだ助けてないやつがいる」

友「まだ一階に残ってるのか!?しかしこの浸水じゃ・・・」

男「いや、手はまだある」

タッタッタ

友「おい!転校生!!」

一階準備室

ぽちゃぽちゃ・・

じゃばっ!!
妹「ぷはっー!!」

妹「もう天井まできてる・・・」

妹「はぁ・・・はぁ・・・出ようにももう方法がない・・・」

妹(こうなったらドアを叩いて開けるしか・・・)

妹「はーっ・・・」
じゃばんっ!!

続きは明日書きます・・・

再開します

二階階段

せんせー「お前たちはここにいろ、10分以上経っても戻ってこなかったら他の教職員たちも呼べ」

幼友「ちょっ、せんせーはどうするつもりなんですか!?」

せんせー「他に方法がない、泳いで助ける」

幼馴染「いくらなんでも無茶です!!」

せんせー「時間の猶予はない!後は任せた・・・」
ダッダッダ


友「おい!転校生!!正気か!?」

男「じゃ、あとはみんな任せたぜ」
ジャバーン

幼馴染「男ぉぉ!!!」

せんせー「あのバカ!!」
ジャバーン

幼友「せんせー!!男くん!!」

友「嘘だろ・・・マジでいきやがった」

幼馴染「そんな・・・男・・・」

ブクブク

男(水は思ったより濁ってないし、水流もそこまで強いわけではないみたいだな)

男(確かこの先だよな)ブクブク

ガシャン!!

男(のぁっ!!)ぶぼぉここ

男(危ない危ない色んなものが水流の影響で流れ着いてくるな )

男(急がないと妹が・・・!!)

ガンッ
ガンッ

妹(開かない・・・!これだけ体当たりしても壊れないなんて)

妹(うっ・・・もう息が・・・)

妹(!?光?)


ジャバっ!!

妹「はぁーーーっ!」

妹「ここだけ空洞化してたなんて・・・」

妹「少しはしのげそうだけど・・・空気がなくなる前になんとかしないと」

妹「後一息・・・」

ジャバーン

ガンッ
ガンッ

男(この音!?もしかして)

ブクブク

ガンッ
ガンッ
男(間違いない!準備室だな)

ガンッガンッ



妹(!?外側から!?もしかして・・・お兄ちゃん??)

男(おらぁ!!)
ガンッガンッ!!
ガンッ

男(くっそ!ビクともしねぇぞ!どんだけ硬いドアなんだよ!)

せんせー(どいてろ!!)

男(のぁ!?せんせー!?)

ブクブク

ガシャーン!!

男(妹!!)ブクブク

妹(お兄ちゃん・・・!)ブクブク

せんせー(お前たち)クイクイ

男・妹(!!)

せんせー(ついてこい、急ぐぞ)クイクイ

男(りょーかい)Vサイン

妹(はいっ・・!)コクン

ブクブク

幼友「どうしよう・・・全然上がってこない・・・」

幼馴染「男・・・妹ちゃん・・・」

友「くそ!こうなったら俺も!」

幼友「無茶言わないで!!こんな水流の中友くんまで行くなんて」

友「他に手がないだろ!見殺しになんかできるか!」

幼友「待ってよ友くん!!」

ザバーン!!

男「はぁーっ!!」

妹「げっほげほっ」

幼友「男くん!!妹ちゃん!!」

男「俺よりも妹を!」

幼友「しっかり!水吐き出して」

妹「げっほげほっ!」

男「はぁはぁ」

友「しっかりしろ転校生!肩を貸せ」

男「あー・・悪い悪い」

せんせー「ぷはっー!!」
ザバーン

幼馴染「せんせー!!」

せんせー「私はいい!それより二人は!?」

幼友「なんとか無事です!」

せんせー「そうか・・・」

男「いやぁはは、なんとか助かってよかったよ・・・」

ツカツカ

バシンっ!!

幼友・友・妹「!!」

男「いったぁぁ!?」

幼馴染「・・・っ!」

幼友「お、幼馴染」

男「お、幼馴染み?」

幼馴染「あんたは・・・どこまで馬鹿なのよ・・・」

幼馴染「人がどれだけ心配したかも知らないで・・・揚々として・・・」

男「・・・悪かった」

幼馴染「ホントよ・・・バカ・・・」
ギュッ

男「・・・」(幼馴染・・・)

金髪「はぁはぁ、先生方をお連れしましたわ!」タッタッタ

先生「みんな!!大丈夫!?」

教頭「怪我はありませんか!?」

友「やっとお出ましかよ」

先生「本当にすみません!!」

金髪「いえ・・私たちも率先して先生の手伝いをしようとしましたし」

妹「こうして無事でいられてますから・・・」

先生「二人とも・・・」



せんせー「この馬鹿者が!!命知らずもいいところだぞ!」

男「ま、まぁまぁあの場じゃ早く行動しないとまずい状況でしたし・・・なぁ?」

幼馴染「すみません・・・」

男「謝るんかい!!」

せんせー「確かに妹が危険な状態だったとは言え、水流に飛び込むなどもっての他だぞ!!」

男「は、はいっす・・・」

せんせー「幸い事なきを得たが今度からは気を付けろよ。いいな!?」

男「はい・・・」

幼馴染「わかりました・・・」

先生「せんせー・・・そのくらいで・・・」

教頭「まずは服を乾かしましょう。一旦教室に戻り、着替えて」


妹(お兄ちゃん・・・)

ーーーーー

体育館

えーでは
今から避難された方々に・・・

ざわざわ

幼馴染「結局残った生徒は二階の体育館で待機ね」

幼友「さほど人数がいるわけでもないけど・・・水が引くまでは動けないね」

友「雨は止んだか」

幼友「今日は友くんもありがとう」

友「俺は何にもできてないっすよ。むしろ・・・」チラッ

幼友「うん?」

ーーーーー

金髪「妹?ひとつ聞いてよろしいかしら?」

妹「うん・・・?」

金髪「どうして私が泳げないと?」

妹「どうだろう・・・水を極端に怖がってたから・・・かな」

金髪「そんなにかしら・・・」

妹「足も震えてたし・・・水を避けるように逃げてたから」

金髪「ぅぅ・・・私そんなに取り乱していましたの・・・」

妹「半分は勘だよ・・・?」

妹「それに・・・ああでも言わないと、お兄ちゃん・・・私を先に助けていたと思うから」

金髪「確かに・・・自分の妹を先に助けたいと思うのは家族として自然なことですわね・・・」

金髪(でも・・・あの緊急時にそこまで考えて・・・)

妹「けど本当に浸水までするのは予想外だったけど・・・」

金髪「けど、あのとき妹が言ってくれなかったらと思うと」

金髪「危険な目に遇わせて申し訳ありません・・・」

金髪「本当にありがとう」

妹「ううん・・・助けてくるたのはお兄ちゃんだから・・・」

きん

>>139はなしで
すみません

金髪「そうですわね・・・もちろんお兄様にもお礼しなくては」

妹「へっくちっ・・・」

金髪「大丈夫?体が冷えているから今暖かい飲み物をお持ちしますわね」
トコトコ

妹「あ・・・そんな気を使ってくれなくてもいいのに・・・」

男「妹、体調は大丈夫か?」

妹「お兄ちゃん・・・うん。大丈夫だよ・・・」

男「そうか、具合が悪くなったらすぐに言うんだぞ?」

妹「うん・・・」

男「その・・・すまんな、先に助けてやれなくて」

妹「気にしないで・・・むしろ先に私を引き上げるかどうか不安だったから」

妹「金髪があそこに取り残されてたらと思うと・・・」

男「そうか・・・そんな怖い思いをさせて、ごめんな・・・」

妹「私は泳げたから平気だよ・・・お兄ちゃんの判断は間違ってなかった」

妹「それにお兄ちゃんは助けに来てくれた・・・ありがとう、お兄ちゃん・・・」ニコ

男「妹のピンチに駆けつけない兄なんていないさ」クスッ

妹「あはは、そうだね・・・」クスッ

男「そうともよっ」

あはは


友「・・転校生はなんの迷いもなく水流に飛び込んでまで家族を助けようとしたさ」

友「他人である金髪ちゃんも助けたし」

幼友「妹ちゃんのお友だちだったしね・・・それでも誰かのために動けるって言うのはすごいことだね」

友「俺がやったことなんて、カーテンをロープ代わりにしたくらいだよ」

幼友「それでも、あれだけ男くんと衝突してたのにできたことはやっぱり男くんと同じことをしたとボクは思うよ?」

友「あいつと同じ・・・か」

幼友「どう?男くんのこと、少しはわかってくれたかな?」

友「いや、その逆だな」

幼友「え?」

友「お茶らけてふざけてるかと思えば、なにふりかまわず必死になるし・・・余計にわからなくなったよ」

幼友「・・・・」

友「けど・・・いや、だからこそ、知りたくなったな。あいつのことを」

幼友「そっか」クスッ


友「ん?そういえば委員長自分のことを・・・」

幼友「!!き、気のせいじゃないかな?あ、あははは」

友「???」

ーーーーー

それから
水は思っていたよりも早く引き
昼頃には帰宅することができた

じいちゃんにことの次第を話すと痛いゲンコツが飛んできた

それから3日間休校となり
ちょっとした連休を満喫した



男「それにしてもびっくりだな・・・まさかあんなに浸水するなんてな」

妹「ほんとだね・・・台風が来たらどうなるのかな・・・」

男「ここら辺一帯沈んだりしてな」

妹「大袈裟じゃないかな・・・」

TV
地元では商店祭にむけて
着々と準備が進められており・・・

男「そーいえば、妹のクラスは何をするだ??」

妹「私のクラスはごみ拾いと本部の手伝いだよ」

男「ごみ拾いか・・・大変だなぁ」

妹「中等部は屋台とかできないからね・・・」

男「退屈だったら、兄ちゃんのとこに来い」

妹「ちゃんとクラス活動はしなきゃ・・・」

男の部屋

男「もうすぐ、商店祭かぁ。一体どんなものなんだろうな」

死神「主に駅、商店街付近でやるみたいだな」

男「うぉっ、ビックリするじゃないか!」

死神「くつろいでるぞ」

男「どうもな、ていうか・・・なんであんたがそんなことを?」

死神「ビラを配ってたぞ?」ヒラ

男「現世の人間と関わって大丈夫なのかよ」

死神「人の器くらいならいくらでも作り出せる」

死神「ほう・・・この海鮮焼きというのは楽しみだな」

男「満喫しすぎだろ」

死神「私だって好きで死神を、やっているわけじゃない。これくらいの娯楽は楽しませてもらはないとな」

>>114
訂正

死神「私だって好きで死神を、やっているわけじゃない。これくらいの娯楽は楽しませてもらわないとな」

死神「そんなことより、お前の方はどうなんだ?随分ひどい目にあったみたいだな」

男「ああ、まさか校内で泳ぐ羽目になるとは思ってもなかったよ」

死神「雨もひどかったようだひな、原因は堤防が一部決壊したことらしいが」

男「後から聞かされてびっくりしたよ。そんなに雨がひどかったわけでもないのに」

死神「確かに疑問の残る災害だったな」

死神「だが内心ほっとしているのではないか?」

男「悲惨な目にはあったけど、みんな無事だったからな」

男「ホッとしたって言ったら変な言い方かもしれんが・・・」

死神「それもそうだが・・・それだけではあるまい」

男「というと・・・?」

死神「死んでいる身でありながら・・・死を垣間見たのだからな」

死神「自分がまだ生きていると・・・そう感じたのではないか?」

男「・・・!」

男「それは・・・」

死神「ふふふ、そりゃそうだ。お前の肉体も心も生前のそれと同じなのだからな」

死神「死の恐怖を感じることは至極当然だ」

男「そりゃ・・・怖かったけど」

死神「だが・・・お前は皆とは違う」

死神「この世の者でないから死ぬことは許されない、だが死んでもいない」

男「わかってるって、それくらい」

男「だからあんたは生と向き合わせるって言ったんだろ?」

死神「わかっているならいい、だが今回お前は一つ向き合うことができたな」

男「そうなのか?」

死神「ああ、一つヒントをやろう。お前があの時選んだことこそが向き合うためのヒントだった」

男「なんのことかサッパリだぞ、助けにいったときか?それとも水流に潜ったときか?」

死神「それは紐解いていけばわかる。それだけお前は危険のなかに飛び込んでいたのだからな」

男「・・・危険をおかすことが向き合わせることなのか?」

死神「危険は常に生と死と隣り合わせだからな」

男(確かに・・・死の恐怖を感じる瞬間、生きたいって思うのが普通だからな・・・)

死神「少ししゃべりすぎたな」

死神「次はどう向き合うか・・・。楽しみにしているぞ」


男「楽しみって・・・」

男「・・・」

男(けど・・・何か違和感を感じるな・・・)

男(なんだろう・・・それがわからない)

男「・・・」


ーーーーーー

ーーーーー

男(・・・しかし、そう毎度毎度危険があるわけでもないしな・・・)

「とこ・・!」

男(だからって・・・危険に自ら突っ込むことが向き合うかと言われたら・・・違う気もするし)

「お・・とこ・・!!」

男(なんなんだろうなぁ・・・)

「男!!」

男「んあ!?な、なんだ!?」

幼馴染「なんだ!?じゃないわよ!店番だってのに、ボーッとしないでよ」

男「あ、悪い悪い」

幼馴染「全く・・・自分で焼きそば作りたいって言い出したのはどこのどいつよ」

男「わたくしであります」

幼馴染「なら、早く焼く!焦げ焦げになっちゃうわよ」

男「うぃーっす!」

じゃーじゃー

商店祭一日目

幼友「ご苦労様、二人とも」

幼馴染「今のところ良い感じに繁盛してるわよ」

男「やきとり食いてー!!」

幼友「あはは、ほら?買ってきたやつ食べさせてあげる。あーん」

男「おお!さすが幼友ちゃん!ではいただきます」

男「でっへっへ、あーん」

幼馴染「・・・」イライラ

幼馴染「さっさと手を動かす!」

男「は、はひ!」

幼友「ま、まぁまぁそんな怒らずにさ・・・」

幼馴染「幼友もあまり男を甘やかさないで。調子に乗るから」

男「調子が良いのは良いことじゃないかー!」

幼馴染「調子の良いこと言わないの」

男「お、うまいな。お前」

幼馴染「やかましいわ!」

男「しっかし・・・商店祭ってすごいのな、こんなに人でごった返しになるとはおもってなかったわ」

幼馴染「この地域の商店街の人々が集まってきてるからね、出店を出してるけど中には質の高いものまであるから」

幼馴染「それを目当てにくる人も少なくはないわ」

子供「お姉ちゃん、焼きそば三つ頂戴~」

幼馴染「はいっ、いらっしゃい♪三つだね」

男「おうよ!」
ジャージャー


ーーーーーー

ーーーーー

男「ふぅーー疲れたぁぁ」

幼馴染「そろそろ交代だから、色々見てきたら?結構面白いものもあるわよ」

男「そうだな、妹もそろそろ休憩みたいだし。幼馴染も一緒に回ろうぜ」

幼馴染「私はまだやることがあるから、あとで連絡するね」

男「わかった、じゃあまたあとでな」

幼馴染「うんっ」



ガヤガヤ

男「さてと、妹はどこかな」

男「しかし・・・色々あるのはいいがこれだけ人混みが激しいと人一人見つけるのも大変だな」

へいいらっしゃいー
安いよー

男「B級グルメを連想させるみたいで面白いな」

友「よう転校生」

男「お前・・・」

友「うちの最大イベントの一つ商店祭は楽しめているか?」

男「誰だっけ?」

友「あのなぁ・・・あんだけ憎まれ口叩きあったろ」

男「で?なんか用か?」

友「初めてだろうから案内してやろうとおもったんだよ」

男「悪いが間に合ってる。自力で探し歩いた方が楽しいしな」

友「そういうなよ、つれない奴だな」

男「これから妹と合流するんだよ。ほらあっちいけ、しっしっ」

友「そういえばあのときも妹を助けるために飛び込んだが、お前シスコンなのか?」

男「!!」
グイ!!

友「っつ!!」

男「もう一回言ってみろ…!」

友「お、おい!落ち着けよ」

男「んな…糞みたいなもんと一緒にすんじゃねぇ」

友「悪かったって!とにかく落ち着け」

友「馬鹿にしたわけじゃないが、あまりにも妹さんを気にするからそう思っただけだよ」

男「悪かったな」


妹「あ…お兄ちゃん」
トテトテ

男「お、やっと昼休憩か?俺も今とれたところなんだよ」

妹「そっか…あ、えっとその人はこの間の…」

友「おう、俺は友って言うんだよろし」
男「こいつは空気だと思えばいいよ」

友「お前なぁ」

妹「えっと…はじめまして…友さん。妹と言います」

友「ああ、よろしくな妹ちゃん!」

妹「金髪も一緒なんだけど…いいかな」

男「おう!いいとも」

金髪「ご一緒させてもらいますわ」

友(ていうかこの二人中学生に見えねぇな)

幼馴染「男~」トコトコ

男「幼馴染?休憩か?」

幼馴染「さっきもらったところよ。あら妹ちゃんに金髪さんも一緒なのね」

妹「幼姉ちゃんも一緒に回ろう…」

男「そうだなどっちにしろ呼びにいくつもりだったりしな」

幼馴染「ええ、もちろん。今回はどの程度出店があるかも調べないと行けないし」

金髪「そういえば課題でありましたわね」

友「人がどの程度来たのかってのも調べないとならんみたいだしな」

男「そんなことまでするのかよ…結構面倒くさいのな」

幼馴染「遊びじゃないからね。あくまでも学校外活動だから、これも授業の一環よ」

男「まぁ昼休憩くらいらのんびりしようぜ」

妹「あ、リンゴ飴だ…」

ガヤガヤ

男「すげぇ盛況っぷりだな」

幼馴染「まぁね、毎年こんな感じよ?」

男「こんなにごった返しだと揉め事とかも多そうだろうな」

幼馴染「あら、結構これでも治安はいいのよ。揉め事だってほとんどないし」

男「みんな大人しそうだもんな、これが都心部だったらあらゆるところで喧嘩が勃発してるよ」

幼馴染「ふーん…」じー

男「お、俺はんなことやってねぇぞ!?揉め事嫌いだし」

幼馴染「わかってるわよ、冗談冗談。あんたがそんな人間じゃないってことくらい」

幼馴染「こないだの行動を見てればね…」ボソッ

男「こないだ??」

幼馴染「さ、そんなことより少しは楽しみましょう!」

男「お、おう、って…あれ妹??」

――――――――


妹「あれ…お兄ちゃんとはぐれちゃったね」

友「っと、ホントだな。ったくあれだけ大事だとか言ってたくせにな」

妹「お兄ちゃん…そんなこと言ってたんですか…?」

友「ああ、君のことを本当に大事に想ってるみたいだったぜ」

妹「そうですか…」

友「妹ちゃん…?」

妹「あの…友さん。お兄ちゃん少し不器用で素直に気持ちを伝えることが苦手で…」

妹「それで友さんに迷惑をかけたりしちゃうかもしれないですけど」

妹「お兄ちゃんと仲良くしてください…お願いします…」

友「…」

友「はは…妹ちゃんは兄思いなんだね」

妹「変ですよね…」

友「いや、そんなことないよっ。むしろそうやってお互いを大事に想える兄妹は羨ましいよ」

妹「兄妹…」

友「勿論、あいつとはうまくやっていくつもりだよ。まぁちょっと時間はかかりそうだけどな」

妹「ごめんなさい…」

友「謝らなくていいよっ」

友(こりゃあいつが極端に心配するのも無理ないな)

友「さてと三人を探しに行こうか」

妹「はいっ…」

テクテク

金髪「妹!!」タタタタタッ

妹「あ、金髪…」

金髪「もう!探しましたのよ!!それと…」

友「え?俺??」

金髪「妹に何かしました?」ジー

友「な、何もしてないよ!!」

妹「友さんは何もしてないよ…?どうしたの…??」

金髪「いえ…別に」(妹に手を出したら地獄に叩き落とす…)ジー

友「あ、ははは…」(やべぇ…誰か殺りそうな目だぞ)

―――――

ガヤガヤ
男「くっそ…全然見つからないな」

幼馴染「お、男…そんな急いで歩かなくても…」

男「ああ、悪い。この人の数だとちょっとな…」

ぐにゃぐにゃ…

男「あ…ああ?」

ぐにゃぐにゃ

男(な、なんだ…暑さのせいで頭をやられたか…?)

男(なんか視界がグニャグニャにみえてくる…?)

男「う、うう…」

幼馴染「男…?大丈夫??」

男「な、なんだこれ…」


ガヤガヤ

きゃあああああ
誰か救急車を呼べ!!!

うぅあぁぁ…血が止まらねぇよぅ…

水を持って来い!!!

男「はぁ…はぁ…」

幼馴染「男!?大丈夫!?」

男「あ、ああ」

男(なんだったんだ今の…いろんな叫び声や…雑音が聞こえてきたけど)

男「!?」ゾクっ


死神「そうだ…それが「死」を感じるということだ」

男(な、何を…?)

死神「お前が見たものは幻覚でもなければ妄想でもない、「過去」を見たんだよ」

男(過去…?さっきのぐにゃぐにゃしたやつが…か?)

男(何を言ってるのかさっぱりだぞ…!)

死神「言ったろ?じきに嫌でも分かると」

男(だからってなんで過去なんだよ…うぅ)

死神「無理するな、視界が歪んで気持ち悪かろう」

死神「じきに落ち着く…」

男(お、おい!俺にどうしろと!?)

死神「さぁな」

ふわっ…


男「うぅぅ」

幼馴染「男!?大丈夫!?」

男「あ、ああ…ちょっと立ちくらみしただけだ」

幼馴染「そう…人混みがすごいから酔ったのかな」

男「かもしれん。あんまこんなことはないんだけどな」

幼馴染「暑さもあるし仕方ないわよ。少し離れて日陰で休みましょう」

男「ああ」

男(…)

男「ぷはぁー、ジュースが体に染み渡る」

幼馴染「大丈夫?少しは落ち着いた?」

男「ああ、お陰でな」

幼馴染「子供の頃は風邪すら引かなかったのに、立ちくらみするなんて」

男「健康なのが取り柄なのになぁ」

幼馴染「そういうときもあるってことね。この前のこともあるし」

男「そんなに引きずってないよ」

幼馴染「けど・・・私が心配なのよ。またあんなことになったら・・」

男「心配すんなよ。俺がこんなこと位でへこたれないのはお前がよく知ってるだろ?」

幼馴染「そうだけど・・・不死身なわけじゃないじゃない」

幼馴染「人間何がきっなけで、突然死んじゃうかなんてことだってあるし」

幼馴染「嫌よ・・・そんなの」

男「はははは、大袈裟だって!大体俺が死ぬところ想像できるか?」

幼馴染「この前のやつでもし・・・って想像を、というか夢を見たし」

男「けど、帰ってきた姿をお前は見てるんだぞ?」

幼馴染「そうだけど・・・」

男「俺から危険なことに首を突っ込むような真似はしないよ。それに俺だって死にたくないしな」

男「心配するなとは言わんが・・・俺を信用してくれ」

幼馴染「男・・・」

死なないか・・
実際死んでいるのか生きているのかさえあやふやな状態だというのに・・・

紛らせるように幼馴染に言っていたが

俺は結局生き返ることができるのか

そんな不安しかなかった

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