ダル「スポーツやってリア充になるお」(151)

代行ID:DEv0wQV00

代行乙


ダル「……」ペラペラ

ダル「なぁオカリン」

岡部「なんだ?ダルよ」

ダル「アイシールド21って何だかんだ名作だと思わん?」

岡部「確かに面白いな。絵も上手いし」

ダル「動けるピザとかかっこよすぎだろjk」

岡部「そこかよ。まあラインマンが活躍するシーンはどれも熱いもんな」

ダル「はぁ、僕もアメフトやってたら今頃リア充の仲間入りしてたのかお……」

岡部「どうだろうな。ただ今ほどピザではないのは確かだ」

ダル「くそ!人生でも選択肢の前にセーブ出来るシステムなら!」

岡部「はは、潔く諦めることだな」

一週間後
大学にて


!!!アメフト部募集!!!

ダル「へぇーうちにもアメフト部とかあったのか」

「あれ君入部希望者かい?」

ア イヤ ミテタダケデス

セッカクダシケンガクダケデモ

イヤイヤ

イイカライイカラ

イヤ チョッ

アッ―!!! 

――――――――――――――――――――

―――――――
―――


ダル「うう、身体が……」バタン

まゆり「あ、ダルくんトゥットゥルー☆」

助手「ハロー」

岡部「ダル今日は随分と遅かったな。ん?どうした死にそうな顔してるぞ」

ダル「実は……かくかくしかじか……てことで日曜日の試合に出ることになったお……」

岡部「なるほど……ってお前アイシールドに触発されすぎだろ!」

ダル「そんなんじゃないお!ただ成り行きで……」

助手「あーあ、確実に怪我するわよあんた」

ダル「やっぱそう思う?あー鬱だ」

岡部「まあ、お前は大切なラボメンだ。できる限りの手助けならしてやらんこともないぞ」

ダル「気持ちは有り難いけども……」

まゆり「あ!ねーねーまゆしぃいいこと思い付いたよ。日曜日に皆で応援に行けばいいと思うのです!」

助手「あら、いい考えね」

ダル「ええ!勘弁してくれお!醜態を晒すだけですって!」

まゆり「もしもし……―――はーいまたねー。フェイリスちゃんも来るって」

ダル「応援よろしくたのむお」キリッ

助手「このHENTAIが」

ダル「て言っても多分ほとんど出番はないお」

―――――――――――――

――――――
――

まゆり「そろそろ帰るねー」
助手「私も今日はもう帰るわ」

岡部「ああ、気をつけて帰れよ」


バタン


岡部「はぁ。しかしお前がアメフトか」

ダル「バックレたくてしかたがないお……」

岡部「それは人としてダメだろう。まあなんだ、どうせ戦術やらルールやら覚え
なきゃならんことが沢山あるんだろう?手伝ってやるから資料が有るなら出せ」

ダル「オカリン……!やっぱ持つべきは友だお!」

岡部「ふん、俺はお前に怪我されると困るだけだ。ガジェットの開発が滞るではないか」

ダル「ツンデレ乙!!」

岡部「う、うるさい!!まぁ……お前にはどの世界線でも協力してもっらた借りがあるしな」

ダル「んーオカリンはそういうけど、ぶっちゃけ僕は記憶にないしどうでもいい訳だが」

岡部「それでは俺の気がすまんのだ。ほら!さっさと覚えるぞ」

ダル「うへぇー」

日曜日
ダル「とうとうこの日が来てしまった……」

ダル「とりあえずあれから出来る限りのことはやったけど……」

「こんちわーす」「お願いしまーす」ゾロゾロ

ダル「」

ダル「相手がガチムチ揃いな件について。普通に死ぬっしょこれ!!」

ダル「拝啓、両親殿、僕は一足先に旅立つことになりそうです」

ダル「はぁ……なんでアメフト部なんかに入っちゃったんだろ……」

岡部「お!いるな!そろそろ始まるみたいだ」

助手「ところで橋田はどこのポジションやるの?」

岡部「ディフェンシブタックルという所をやるらしい」

助手「よく素人にやらせるわねそんなとこ。簡単そうに見えてすごくハードよそのポジション」

フェイリス「あれ?クーニャンはアメフトのルールがわかるのかニャン?」

助手「ええ。長いことアメリカにいたしね。向こうではものすごい人気だから自然と私も見るようになったの」

まゆり「へー、ねぇねぇそれじゃあね、試合を見ながらまゆしぃ達に色々教えてくれるとうれしいなぁ」

助手「ええ、お安い御用よ」

岡部「それはありがたいな。ん、始まったぞ」

フェイリス「あれ?ダルニャンの姿が見えないニャ」

助手「アメフトっていうのは基本的に攻守でメンバーが変わるの。今は攻撃だから橋田はお休みね」

まゆり「なるほどねー」

ワーワーガヤガヤ

ダル「始まってしまった……」

ピーッ タッチダウン

ダル「結構良い勝負だお」

ワーワーガヤガヤ

ダル「あれ?これ僕いらないんじゃね?」

ダル「て、何言ってんだ僕は、いけないフラグたt」

「おい橋田!!出番だ!」

ダル「」

ダル「やっちまったぜおい……」

岡部「おい!あれダルじゃないか?」

まゆり「おーい!ダルくーん!がんばれー!」

フェイリス「まったく聞こえてないニャン」

助手「まあ無理もないわね」



ダル(絶対死ぬ絶対死ぬ絶対死ぬ)ガクブルガクブル

「いいか?よく聞け。お前は目の前にいる相手にぶつかりに行くだけでいい。簡単だろ?」

ダル「は、はい」ガクガクブルブル

「まぁがんばれ!やばくなったらすぐ交代するから」

ダル「お、おkです……」コクン

レディーセッハッハッ

ドーン

ダル「いつつ……」

まゆり「ああ!ダルくんやられっちゃったよ!?」

助手「やっぱり素人には無理があったわね……」

岡部「そうか……」

フェイリス「で、でもダルニャンならきっともっとやれるニャ!」

フェイリス「ダルニャーン!頑張ったらフェイリスがご褒美あげるニャン!!だから諦めちゃダメニャン!!」


ダル「」ピクッ

ダル「なん……だと……?」

「橋田!さっきのプレーは気にするな。次も同じ感じでいきゃいい」

ダル「ん?わかったお!!」

「お!良い返事だな!じゃあたのんだぞ!」

ダル「おう!やってやるお!」

ダル(さっきはきっと重心が高すぎたんだな、もっと低く……)

ガシャン!!

ダル「んぐっ!!ぐぎぎっ!!!!」

フェイリス「ちゃんと聞こえたかニャ?」


ダル「フェイリスたんはっ!!」


岡部「んーどうだろうな」


ダル「僕の嫁ぇぇええええああああああ!!!!!!!」ドーン


助手「100パー聞こえてたわね」

フェイリス「ニャン」

まゆり「ふふ、ダルくんは現金だねえ」

岡部「しかし人間やれば出来るものだな。対等にわたりあってるぞ」

サキシツレイシマース オツカレー 

ダル「おつかれーす」

ダル「……ふぅ」

ダル「なんとか切り抜けた……でもやっぱりハードだお」

まゆり「おーい!ダルくーん!!」

ダル「まゆ氏!今日は応援感謝するお!」

助手「まさかあんたがあんな動けるなんてね。これを機にダイエットでも始めたらいんじゃない?」

ダル「考えとくお!スポーツもなかなかいいものですな」

フェイリス「ダルニャンかっこよかったニャン!!」

ダル「フェイリスたん!!ほ、ほんとかお!?」

フェイリス「痺れたニャン!ダルニャンの一発は破壊力抜群だったニャ!!」

ダル「フェイリスたん今のとこ疲弊しきった感じd」

助手「だまれHENTAI」

フェイリス「んっ…ご褒美にゃから…フェイリスがやるって言ってるのに…あん…///」



的な

フェイリス「でもかっこよかったのはほんとニャ。まさに戦士って感じだニャン」

ダル「おほ!ktkr!!!」

岡部「確かに、男の俺からみてもなかなか格好良かったぞ」

助手「アッー!」

岡部「え?」

助手「あ……///」カァ

岡部「ん?どうした?今何を想像したんだ、言ってみろ助ぉ手ぅよぉ」

助手「う、うるさいHENTAI!!それに助手じゃない!!」

ダル「はいはい、リア充爆発しろ」

まゆり「えへへー二人は仲良しさんだねー」

岡部「しかしダルよ、今のお前はまさにリア充って感じだぞ」

ダル「え、それマジで言ってるん?」

岡部「大マジだ。今までのお前はただのHENTAIキモオタピザだった」

ダル「いやストレートすぎっしょそれ……」

岡部「そんな奴がこの時期に汗だくで大きな荷物を小脇に抱えてたらどう思う?」

ダル「まぁ……近づきたくはないお」

岡部「そう。その通り。ドン引きされること必至だ。しかし今のお前はどうだろう?汗だくではあるが、そのポロシャツとバッグには東京電機大学アメフト部の文字がある。どうだ?」

ダル「キモくない!ふしぎ!」

岡部「ああ、驚くほど健全だ。しかもそれだけじゃない。アメフト部の文字のおかげで他人には、ああ、あの人は太って見えるけど実は中身は筋肉だろうなと思わせる事が出来る。つまり少なくともピザであることがマイナス要素になることはない。この意味が分かるか?」

ダル「……!!ぼ、僕の短所が相殺されているッ!!」

岡部「そうだ。まだあるぞ!お前は今友人達に囲まれ、さっきの試合の疲れを労われている。そしてそのうち3人は女性だ。しかも3人ともかなりのルックスを持っている!!」

助手「岡部っ///」
まゆり「オカリン///」
フェイリス「凶真ぁ///」

ダル「こ、これはもう!!」

岡部「リア充だ!!!お前は今最高にリア充だよ!!」

ダル「オ、オカリン!!僕やるお!!アメフトでさらなるリア充になってやるお!!」


こうしてダルはアメフトを始めた
そして次第にアメフトの魅力に魅せられいていった

2年後




ダル「ちゃお」ガチャッ

岡部「おう、ダル、自主トレはどうした?」

ダル「今日の分はもうやったお。あれ?オカリンひとり?」

岡部「ああ、まゆりや助手達は何やら女子会(笑)とかいうスイーツ行事に勤しんでいるらしい」

ダル「なる。由季さんの用事ってそれか。ん?オカリン何やってるん?課題?」

岡部「ああ、まぁそんなところだ」

ダル「大変だなオカリンも。はぁ疲れた……」ドサ

岡部「……」

ダル「……」

地面か…

フンッ!

うわ、なんだこれ!熱っ!
マグマ!?マグマだ!

岡部「おい、エロゲはやらないのか?」

ダル「ん、ああ、今日はいいお。その、気分じゃないって言うか」

岡部「そうか……」

ダル「……」

岡部「……」

ダル「……な、なぁオカリン?」

岡部「何だ?」

ダル「いや……あの……や、やっぱいいお」

岡部「何だよ気になるじゃないか」

ダル「ま、まあ気にすんなって」

岡部「なんだよ変な奴だな」

ダル「うん……」

岡部「……」

ダル「……」

岡部「そ、そうだ、この前の試合見に行ったぞ。大活躍だったじゃないか」

ダル「え、ああ、みんな来てたん?」

岡部「あ、いや」

ダル「ってことはオカリン一人で来てたん?」

岡部「ん、ま、まぁな。なんというか、ダルの試合見てるうちに俺までアメフトが好きになってしまってな。最近は専ら趣味として見てるんだ」

ダル「なるほどな。声かけてくれればよかったのに」

岡部「ああ、お前が由季さんと話してたから邪魔しちゃ悪いと思ってな」

ダル「そっか、別に気にしなくてもいいお。でもこの前の試合はみんなにも見て欲しかったな。会心の出来だったお」

岡部「しかしダルよ、お前のプレーはいささか身体を酷使しすぎだと思うぞ。あのままではいつか膝を壊すことになりかねん。まぁ未経験の俺が言っても何の説得力もないけどな」

ダル「いや、確かにオカリンの言うとおりだお。監督にも同じこと言われてるし」

岡部「とにかく無理はしないことだ。由季さんにも心配かけることになる」

ダル「うーん、でも試合になるとつい熱くなっちゃうんだよな」

岡部「確かに。試合の時のお前は中の人が変わったとしか思えん」

ダル「それみんなにもよく言われるお」

岡部「しかしこんなに続くなんてな。正直俺はアメフトなぞ一ヶ月ももたずにやめると思っていた」

ダル「僕も自分でびっくりしてるお。でもアメフトって戦略とかがすごい緻密でそういうのがめちゃくちゃ面白いんだよな」

岡部「ああ、それは俺も同意だ。まぁ、そのせいでまゆりは未だにルールが理解できていないが」

ダル「はは、まゆ氏はああいう痛そうなのは嫌いだし、それでも良いんじゃね?」

岡部「そのくせあいつも予定が合えば必ず見に行くけどな。なんだかんだでみんなお前のことを応援してるんだ。もちろん俺だってな」

ダル「なんだよ、直接そういうこと言われると照れくさいお。牧瀬氏にもそのくらい素直になればいいのに」

岡部「ふ、ふ、ふ……ダルよ悪かったな。心配無用だ」

ダル「どゆこと?」

岡部「ふん、お前には秘密にしてたがな……俺は助手とのイベントはBまで消化済みだ!!どうだ!?絶望するがいい!!」

ダル「でも直前で怖じ気づいて最後まで行けなかったんですね分かります」

岡部「くっ……それは……!!」

ダル「図星かよ……オカリンほんとヘタレだな……」

岡部「お、お前にだけはいわれたくないぞ!!」

ダル「いや僕はもうとっくに済ませてる訳だが」

岡部「え?」

うおおあああああああああああ

ダル「だから、僕はもう卒業済みだお」

岡部「」

岡部「いや……え?……俺でも聞いてないぞ?」

ダル「わざわざこんなこと人に言わないだろjk」

岡部「くっ!!お、お前!!!」

ダル「まぁアメフトのポジションはDTなんですけどけね」

岡部「DTになってDTを捨てましたってやかましいわ!!!!」

ダル「ごめんなオカリン、一緒に魔法使いになるって約束、破っちゃった!テヘ☆」

岡部「くそっ!!くそぉぉおおおお!!!!先に約束を破るのは俺だと思っていたというのに!!!!」

ダル「まぁまぁオカリン、とっておきの情報教えてあげるから元気出せよ」

岡部「うるさい!俺はお前なんかに頼らんぞ!!」

ダル「牧瀬氏は最近、女の子が夜這いされる薄い本ばかり買っている」

岡部「……!!」ピク

ダル「そして最近、やたらラボに“忘れ物“をする」

岡部「そ、それってもう……」

ダル「両方とも由季さん情報だから信頼度は高いお」

岡部「そういえば……あのときも……」

ダル「オカリン……彼女は待っているのだぜ」キリッ

岡部「ダル……俺、やっと向こう側に行けそうだぜ……」




―――――――――――――――――――――――

―――――――――――
――

ダル「99……100!!はぁ……はぁ……よし!今日の分は終わったお!」

由季「お疲れ様。はい、タオル」

ダル「お、あざす」

由季「……」ジー

ダル「ん、なんかついてる?」

由季「ううん、……なに悩んでるのかなって思って」

ダル「あー……わかっちゃいます?」

由季「うふふ、馬鹿にしないで。どれだけダルくんのこと見てきたと思ってるの?」

ダル「そっか……」

由季「よかったら話して」

ダル「……実は……」

ダル「実は……この前社会人チームで練習させてもらったときコーチがすごい僕のこと気に入ってくれて……アメリカの大学にアメフトで留学してみないかって言われたんだお」

由季「……どうするの?」

ダル「……行こうと思う」

由季「そう……」

ダル「……それで、僕、向こうで本気でプロ目指してみようと思う。英語もいま牧瀬氏に教わってる」

由季「……」

ダル「……ごめん。勝手だよな……」

由季「ううん、いいの。こんなに頑張ってるんだもの」

ダル「……」

由季「……」

ダル「だから……その……」

由季「……」

ダル「えっと……」

由季「ゆっくりでいいからちゃんと言って。聞く覚悟は出来てるから」

ダル「う……うん、その……これもものすごく勝手だけど……!」

由季「うん……」

ダル「由季さんも一緒に来てくれないか?」

由季「え……?」

ダル「無理にとは言わないお」

由季「え、い、いいの?ダルくん……グスッ」ポロポロ

ダル「えっ……ちょっ……ゆ、由季さん?」オロオロ

由季「……大丈夫。気にしないで。ちょっと安心しちゃっただけ」ニコ

ダル「よ、よかった……」

由季「ダルくん、私一緒に行く。一生そばにいる。付き合った時にずっとダルくんのそばにいるって決めたもの」

ダル「由季さん……ほんとにいいの?」

由季「うん、いいの。行かせて。好きな人と離ればなれなんていや」ギュッ

ダル「……ありがとう」ギュッ

ダル「……」

由季「……」ジー

ダル「あっ……」

由季「……隠しても無駄」

ダル「え……?」

由季「まだ話せてないんでしょう?……岡部さんに」

ダル「う、うん……」

由季「平気……きっと応援してくれる」

ダル「うん……」


――――――――――――――――――――――――

―――――――――――
――――

英語レッスン日

ダル「トゥットゥルー☆ダルしぃなのら☆」

シーン

ダル「牧瀬氏はまだ来てないのかお……」

ダル「ん?なんだこのノート」

ダル「オカリンの字だ……」

ダル「?……なんだかびっしり書いてあるお……」

助手「はろー」

ダル「あ、牧瀬氏、これってなんなん?オカリンのっぽいんだけど」

助手「ん?なにそれ?見せて……ふうん、あいつ医学なんて興味あるんだ」

ダル「医学?」

助手「ええ、そうみたい。特にスポーツ医学の分野ね。しかし驚いたわ。ものすごくわかりやすくまとめてある。まるで質の良い入門書読んでるみたい」

ダル「へーオカリンがねぇ」

――――――――――――――――――――――
―――――――――
――

ダル(オカリン最近図書館に通ってるみたいだけどあんなこと勉強してたのか)

ダル(しかしなんでスポーツ医学なんだろ……)

ダル(……)


――……お前には借りがある……―――――――――

――――――――――――――……膝を壊し……――――――――


ダル(あ……!)

ダル(オカリンのやつ……!!)

ダル(……)

ダル(やっぱりそうだよな……)

ダル(こうするしかないのかな……)

ダル(……はぁ……)


――――――――――――――――――――――

―――――――――――
―――――

ダル「うーっす」バタン

まゆり「ダルくんトゥットゥルー☆」

ダル「まゆ氏トゥットゥルー☆ はぁ、今日は暑いお……オカリン、コーラある?」

岡部「冷蔵庫に入ってるぞ。しかしお前めちゃくちゃ痩せたな」

ダル「体重はそんな変わってないお。体脂肪率が9%くらいまで落ちたからそう見えるんじゃね?身長も伸びてるからそれもあると思われ」

助手「言われてみれば伸びたわね。あんたもう岡部よりも身長高いんじゃない?しかし2年でここまで変わるとは……」

まゆり「あ、そういえばこの前フブキちゃんがねぇ、ダルくんの事かっこいいって言ってたよ。ふふ、ダルくんもすっかりイケメンさんの仲間入りだねぇ」

助手「確かにワイルドな男性が好きな子には需要がありそうね」

まゆり「でもダルくんには彼女さんがいるもんねー」

助手「由季さんほんとに素敵な人よ。橋田にはもったいないくらい」

岡部「はは、もうお前もすっかりリア充だな」

ダル「うーん、でももうなんかリア充とかどうでもよくなってきたお。最近は本気でアメフト楽しくなってきたんだよな。」

岡部「ん、そ、そうか、いいことじゃないか」

まゆり「?」

岡部「ま、まぁほどほどにするんだな」

まゆり「どうしたの?オカリン……」

岡部「ん、ああ、なんでもない」

まゆり「あ、オカリンもしかして寂しいの?最近ダルくんあんまりラボ来ないから……」

岡部「違う!そんなんじゃないぞ!」

助手「ツンデレ乙」

まゆり「そっかぁ……。まゆしぃは寂しいなあ。でもやっぱりダルくんにはアメフトを頑張って欲しいのです」

ダル「……」

岡部「ダ、ダルよ気にすることなどないぞ!狂気のマッドサイエンティストであるこの俺は来たる最終聖戦(ラグナロック)に備え最強の戦士を従える必要がある、その役目を果たせるのはお前しかいない!だからその調子で精進するがいい!!フゥーハッハッハッハ!!!」

助手「厨二乙。まったく素直じゃないんだから」

ダル「オカリン……実はそのことで話があって……」

岡部「ん、なんだ?」

ダル「その……僕、ラボメンから抜けようと思う……」

岡部「なんだと?なぜだ?ラボに来れないことを気にしているなら気にしないで良いんだぞ?」

ダル「違うんだよオカリン……」

岡部「じゃあなんでだ?ちゃんと分かるように説明しろ」

ダル「アメフトで……アメリカの大学に留学が決まったんだお。それで……」

岡部「き、聞いてないぞそんなこと!!それに……だから抜けるって言うのか?籍だけでもおいとけばいいだろう?」

ダル「これは僕なりのけじめなんだお。だからもう……」

岡部「理由になってないぞ!!けじめってなんだよ!!」 

ダル「もう決めたことだお……それに……みんなといるのは楽しいけど、今の僕にとってはアメフトが一番大切なんだお……」

岡部「くっ!ああわかったよ!!お望み通り今日限りでお前は除名だ!!もう二度と来なくていい!!アメリカにでもなんでも勝手に行けばいい!!」

助手「ちょっと岡部!!」

ダル「ごめん……みんな……」バタン

まゆり「あ、ダルくんまって!!」

助手「何熱くなってんのよあんた!ほら、追いかけなさい、まだ間に合うから!」

岡部「……」

まゆり「オカリンはやく!!」

岡部「……」

助手「意地になってる場合じゃないでしょ!?今回のはどう見たってあんたに非があるわ」

岡部「……」

助手「はぁどんだけガキなのよ。信じらんない!!勝手にやってれば?」バタン

まゆり「紅莉栖ちゃん!…………ねぇオカリン?まゆしぃはけじめとかよくわかんないけどね、ダルくんにはちゃんと考えがあったんじゃないかなって思うのです」

まゆり「だからオカリンはね、ちゃんとそれを聞いてあげるべきだと思うのです」

岡部「……」

まゆり「ね?オカリン?」

岡部「……まゆり」

まゆり「なぁに?オカリン」

岡部「ちょっと一人にさせてくれ」

まゆり「……うん……じゃあ明日ちゃんとダルくんに謝るんだよ?」

岡部「……」

まゆり「……じゃあ明日ね」バタン

岡部「…………」

―――――――――――――――――――

―――――――

助手「……」ガチャ

岡部「……ああ、助手か。どうした?ふ、忘れ物か?」

助手「ふざけないで。……あんたホントにこのままでいいの?」

岡部「……何がだ?」

助手「橋田の事に決まってるでしょ!?仲直りしないままでいるつもりなのかって聞いてるの!!」

岡部「……」

助手「なんとかいいなさいよ!!」

岡部「……なぁ」

助手「なに?」

岡部「お前このこと知ってたろ」

助手「あ……」

岡部「やっぱりな。あいつが留学を口にしたときすぐ分かったよ。ダルがいきなり英語を流暢に話せるようになったのはお前が教えたからだろう?」

助手「……そ、そうよ」

岡部「思った通りだ。それがな……なんだか悔しかったんだ……」

助手「……でもあれは……!」

岡部「いや、違う……そういう意味じゃないんだ」

助手「……どういうこと?」

岡部「結局俺は……ダルの力にはなれないのかってな」

助手「岡部……」

岡部「日を重ねるごとにあいつは完璧な人間になっていく……もともと頭はよかったしな。いつしか俺が出来ることはあいつはなんでもこなせるようになっていた」

助手「……」

岡部「今思えば俺はお前やダルに頼ってばかりだった。自分の目的のためにあいつの娘の存在を消したりもした。しかし……俺はダルに何も返せていない」

助手「……でもそれは別の橋田よ」

岡部「わかってる……でも一緒なんだ……俺にとっては……」

助手「じゃあこれから返していけばいい」

岡部「無理だよ……紅莉栖、NFLを見てきて少しは目が肥えてるんだろう?お前の目から見てダルはどうだ?おそらくだが、あいつはもう日本に帰ってくる気などないんじゃないのか?」

助手「……そうね。初めて2年そこらであれならはっきり言って天才よ。ネックだった英語ももう話せるし、十中八九向こうでプロになるでしょうね」

岡部「ふ……ほらな。あいつはもう俺とは違う世界の人間になろうとしてるんだ!!」

助手「はぁ、あんたってほんと馬鹿ね!!」

岡部「馬鹿とはなんだ!!」

助手「じゃあ秘密にしろって言われたけど言うわ、橋田は全部知ってるわよ!?
あんたが橋田に負い目を感じていることも!!橋田ために影で必死にスポーツ医学について勉強してたことも全部!!
もちろんあのノートの事も知ってるわ!あの馬鹿みたいに丁寧にまとめられたやつよ、その理由だってたぶん気づいてる!!」

岡部「なっ……」

助手「あいつわざわざ私やまゆりに相談して来たんだから!!
オカリンがまた、今度は僕のせいで生き方を縛られてしまっていて申し訳ないって!!
あんたにはもう自由に生きて欲しいって!!」

岡部「……そんな」

助手「あんたのやり方は否定しない、あんたの葛藤だって理解できるわ!!
でもこれじゃあ自己完結させて逃げてるだけじゃない!!
結局、橋田のことなんてなにも考えてないのと一緒よ!!
あいつが今日、どんな気持ちでラボメン抜けるって言ったかわかる!?」

岡部「くっ……」

助手「……もう一度聞くわ、本当にこのままでいいの?」

岡部「……」

岡部「…………俺、ダルのとこに行ってくる!!」ダッ

助手「ええ、ここで待ってあげるから。ちゃんと話してきなさい」

バタン

助手「ったく、ほんとめんどくさい奴ね」

――――――――――――――――――――

―――――――
――




岡部「はぁ……はぁ……あいつの部屋は……よしっまだ電気はついてる!!」


プルルル…..


ダル「ん?」

ダル「……!!」
  (オカリン……!!)

ダル「も、もしもし?」

岡部「俺だ。今お前の家の下にいる。話がしたい、降りてこい」

ダル「わ、わかったお……」

岡部「……よう」

ダル「う、うん」

岡部「今日は……すまなかった……」

ダル「いや……僕こそ悪かったかったお……」

岡部「紅莉栖から全部聞いた。なんていうか……気を遣わせてたみたいだな」

ダル「それは僕のセリフだお……」

岡部「……」

ダル「……」

岡部「……」

ダル「……」

岡部「……いつ、発つんだ?」

ダル「……来月だお」

岡部「……うまくやれそうか?」

ダル「どうかな……」

岡部「はは、まぁどこにいても同じか。お前なら」

ダル「へへ、それは買いかぶりすぎだろオカリン」

岡部「……」

ダル「……」

岡部「彼女とは、どうするんだ」

ダル「僕の生活がある程度落ち着いたら彼女もアメリカに来るみたいだお」

岡部「そうか、言葉は大丈夫なのか?」

ダル「由季さんもいま牧瀬氏に英語教わってるみたいだからたぶん問題ナシ」

岡部「なるほどな…………まぁなんだ……大切にしろよ」

ダル「はは、オカリンこそ牧瀬氏のこと大切にしろよ」

岡部「ああ……」

ダル「ん?」

岡部「俺は確かにお前に負い目を感じている」

ダル「……オカリン」

岡部「でもそんなのなくたって俺は絶対に同じ選択をする」

ダル「……」

岡部「お前は俺の人生を縛ってなんていない。むしろ可能性を与えてくれた」

ダル「……」

岡部「俺は本当にお前に感謝してるんだ」

ごめんみすった
訂正↓

ダル「……」

岡部「ダルよ」

ダル「ん?」

岡部「俺は確かにお前に負い目を感じている」

ダル「……オカリン」

岡部「でもそんなのなくたって俺は絶対に同じ選択をする」

ダル「……」

岡部「お前は俺の人生を縛ってなんていない。むしろ可能性を与えてくれた」

ダル「……」

岡部「俺は本当にお前に感謝してるんだ」

ダル「……」

岡部「だからダル……申し訳なくなんて思わなくて良いんだ」

ダル「……」

岡部「俺はこれだけ伝えたかった。遅くにすまなかったな。じゃあ、また今度な」

ダル「……」

ダル「……」

ダル「……オ、オカリン!!」

岡部「……?」

ダル「僕……僕、絶対にNFLでプレーしてみせるお!!でもきっと怪我する時もあると思う。だから……」

ダル「オカリンには……絶対に一流のスポーツドクターになってもらわなきゃ困るんだお!!」

岡部「……!!」

ダル「や、約束してくれ!」

岡部「……お、お前こそ!次俺との約束を破ったらゆるさんぞ!!!」

ダル「はは、まだ根に持ってたのかオカリン」

岡部「ふ、まぁ今のは冗談だ…………任せておけ……どんな怪我でも治してやる!!
お前は大切な “ラボメン” だからな!」

ダル「……!!」

ダル「……絶対だぞ」

岡部「……ああ、約束する」


――――――――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――
―――――

岡部「……ただいま」ガチャン

助手「おかえり。ちゃんと話せた?」

岡部「どうだろうな……でも……ちゃんと伝わったとは思う」

助手「そう、よかった」

岡部「……紅莉栖」

助手「なに?」

岡部「俺も……本気で頑張ってみるよ」

助手「……うん、応援してる」ニコ

――――――――――――――――――――

―――――――――――――
―――







おかあさーんみてー!おとうさんがででるー!









あら、ほんとね






日本人初のNFLプレーヤーの……――――――



よろしくお願いし……―――――――









スポーツドクターとして世界で活躍する……―――――――――



初めまして……――――――――



―――――――ええ、そうですね……―――――――――――









―――はい……―――― 





――――――――――――――――――

―――――――――

――――
――




それは……――――――――――――――――――――――――
















―――――――――――――――――――約束したんです。親友と





おわり
ホントはダルがアメフト部に入ってからの2年間もちゃんと書いたんだけど
あり得ないくらい長くなったから割愛したごめんね

次は多分オカリン×ルカ子で書く
じゃあ、お粗末様でした

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