忍「欲情しちゃいました」 (75)
陽子「何だいきなり……」
忍「私、朝はたまにムラムラきちゃうことがあるんです」
忍「アリスが同じ部屋で寝るようになってから、ムラムラすることはなくなっていたのですが……」
忍「アリスとの生活にも慣れたせいか、今朝はついにムラムラしちゃいました」
陽子「まずムラムラ言うのをやめようか」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1381333232
忍「アリスは毎朝私を起こしてくれるのですが……今回は寝ぼけるあまり、私のベッドに入り込んで二度寝したようでして」
忍「私が目覚めた時、腕の中には小さく丸まって寝息をたてるアリスが」
陽子「ははっ、アリスらしいな」
忍「柔らかい肌、抱き心地抜群の体躯」
忍「気づいた時には、私は鼻息あらく欲情しちゃっていました」
陽子「うわぁ……」
忍「その天使っぷりで癒やしを与えてくれているアリスに、あろうことか欲情してしまうなんて……」
忍「もうどんな顔でアリスに向き合えばいいのか分かりません!!」
陽子「どうりで今朝は挙動不審だったわけだ」
忍「そんなに不審でしたか」
陽子「そりゃもう。アリスを見る目が異常だった」
忍「あれ? アリスを見ないようにしてたはずなんですが」
陽子「え? 凝視してたじゃん」
忍「え?」
忍「だ、だめです。既に自分の意識さえコントロールできていないとは……」
忍「嗚呼、アリスの柔らかさを思い出しただけでドキドキしてきました」
陽子「重症だな。よし! シノの健全な青春を取り戻すために私が人肌脱ごうではないか!」
忍「アリスに脱いで欲しいです」ハァハァ
陽子「贅沢言うな」
綾「陽子とシノ、二人きりで何を話しているのかしら」
カレン「あややヤキモチ?」
綾「そんなんじゃないわよ」プイッ
アリス「今日のシノ、なんか変なんだ……」
カレン「あー、確かに変デシタ。口数も少なくて、何か考え事してるのカナーって思ってマシタ」
綾「そうだったの。気づかなかったわ……二人とも案外鋭いのね」
アリス「綾が鈍いんだよぉ」
カレン「ヨーコばっかり見てるからー」
陽子「要するにシノはロリコンになってしまったんだよ! 多分」
忍「なんと」
陽子「だから金髪は金髪でも、グラマラスな金髪美女を好きになってしまえば、アリスに欲情することはなくなるはず」
忍「なるほど……! そうと分かれば帰りに本屋へ寄って、金髪美女の写真集を買うしかないですね!」
陽子「そういうことだ!」
~放課後~
忍「ちょっと本屋へ寄っていきますね」
アリス「私も行くー」
忍「アリスは先に帰っててください。ちょっと時間がかりそうなので!」
アリス「そう? じゃあみんなと先に帰ってるね……」シュン
忍「はい、そうしてください」キュンキュン
陽子「頑張れ、シノ……!」
忍「そんなわけでこれください」
店員「あの、これは……」
忍「金髪美女の写真集ですが」
店員「こちらの商品は、18歳未満のお客様には販売できないのですが……」
忍「そんなっ! それしか私のロリコンを直せそうな本は無かったんですよ!?」
店員「ええぇ~……」
忍「はぁ……結局売ってくれませんでした」
陽子「年齢制限がある本は諦めなよ」
忍「陽子ちゃん! みんなと一緒に帰ったんじゃなかったんですか?」
陽子「シノが心配でさ」
忍「……せっかく陽子ちゃんが考えてくれた案なのに私、何もできなくて」
忍「あの本を立ち読みしている時も、アリスを思う時ほどドキドキしませんでした」
陽子「そうか……」
忍「ごめんなさい……」
陽子「いいよ、気にしなくたって。忍が欲情しなくなる方法、また一緒に考えよう?」
忍「はいっ」
こんな感じで忍を更生させようと頑張るお話です
最後まで書きためてあるので、明日はのんびりと全部投下する予定です
陽子「カレンには欲情しないの?」
忍「はい。流れるような金髪が綺麗だなぁとは常日頃思っておりますが」
陽子「ということはだ。シノがアリスに欲情する理由は、金髪だからとか、ちっちゃいからとかそんなことじゃなくって……恋、なんじゃないかな」
忍「恋……!?」
陽子「だからアリスじゃなきゃだめだったんだ!」
忍「女の子同士で恋だなんて、信じられませんっ」
陽子「欲情もそこそこ信じられないけどね」
忍「でも、そうだったのですね。私はアリスを大切に思うあまり、とうとう恋に落ちてしまった……」
陽子「その気持ちを大切にこれからを生きていくんだよ~」
忍「はいっ。実らない恋かもしれませんが、がんばります!」
忍「ただいま帰りました」
アリス「シノ、おかえりーっ」ギュッ
忍「はうっ!」
アリス「シノが帰るの、ずっと待ってたんだよ」
忍「抱きつきからの、上目遣い……ですって……? それに胸が当たって……すごく、柔らかい……」ドキドキハァハァドキハァハァドキ
アリス「どんな本買ってきたの?」
忍「…………」フラッ
アリス「シノ!? イサミーっ、シノが倒れたー!!」
忍「てな具合で、昨日はアリスのエロスに当てられてしまいまして」
陽子「日常生活に支障をきたすレベルだとは思いもしなかった」
忍「もう何をやってもだめなんです。私は二度と、アリスと普通に会話を楽しむことさえできないんです……」
陽子「そんなことはない!!」
忍「!」
陽子「アリスはシノのために日本語を覚えてまで海を越えてきたんだぞ! それなのにシノはアリスのことを簡単に諦めてしまうのか!?」
忍「陽子ちゃん……」
陽子「私がいくらでも手を貸してあげるからさ、もう諦めたようなこと言わないでよ」
忍「感動しました……陽子ちゃんの厚い友情に涙さえ浮かびますっ。分かりました。私、アリスを諦めません!」
陽子「よく言った!」
綾「あの二人、なんか大きな声出してるけどあんまり聞き取れないわね」
カレン「アリスのエロスがどーとか聞こえましたケド」
綾「それはさすがに聞き間違いよ。アリスにエロスなんて」
アリス「むっ」
陽子「となると、改めて解決策を練る必要があるな」
忍「うう、何も思いつきません……今日はアリスのぷるんっとした唇が気になって、授業もまともに受けられませんでした」
陽子「シノの性的本能がついにキスを求めだしたかぁ」
忍「アリスとキスができたらどれだけ幸せなのでしょう。想像しただけで切ないため息が出てしまいます……」ハァ
陽子「……そうか。その手があった!」
忍「どの手があるのですか?」
陽子「シノはもしアリスとキスできたらどんな気持ちになると思う?」
忍「そぉれはもう! 心臓が破裂するほどドキドキして、意識を失ってしまいます!!」
陽子「そう、それだ。それほどのドキドキを体験すれば、ちょっとやそっとのことで欲情してしまうことはなくなると思うんだ!」
忍「つまり、アリスと実際にキスをしろって言うのですね……!!」
忍「でも、それはいくらなんでも無理ですっ。アリスは私みたいに特殊ではありません。キスなんてさせてくれるはずが」
陽子「キスはキスでも……キスの『練習』ならどうだ」
忍「?」
陽子「こうすればいいんだよ……ヒソヒソ」
忍「!!」
~夜~
忍「アリス! 折り入ってお願いしたいことがあります」
アリス「お願い? シノのお願いだったら何でも聞くよっ」
忍「ありがとうございます。このお願いは、何も詮索せず聞き入れてほしいのです」ハァハァ
アリス「いいよ。シノがそれを望むなら、私からは何も聞かない!」
忍「では私とキスの練習をしてください!! このサランラップ越しにっ!!」つニュークレラップ
アリス「!?」
アリス「な、なんで……あっ、詮索しちゃいけないんだ」
忍「それじゃあ始めますね。大丈夫です。何回かしたら終わらせますから」ハァハァハァハァ
アリス「う、うん……ラップ越しだし、いいよ」ドキドキ
忍「では、いきます!!」
チュッ
アリス「んっ……」
忍「」ブワッ
アリス「シノ!? イサミーっ、シノが鼻血ー!!」
忍「あまり効果がなかったので、他の案を考えたいのですが」
陽子「そうだなぁ。すぐに倒れちゃうんじゃ仕方ないもんなぁ」
忍「私が不甲斐ないばっかりに、申し訳ありません……」
陽子「気にすんなって。友達だろっ」
忍「陽子ちゃん……!」
綾「もう、いつも二人だけで何を話してるのかしらね!」
カレン「あややがヤキモチを焦がしてマス。焼きすぎー」
アリス「……」
カレン「アリス? どうしたデスか? 朝からあんまり喋ってないデスね」
アリス「なっ、なんでもないよ。普通だよっ」
カレン「怪しいデス。昨日シノと何かあったんじゃ」
アリス「だからっ、なんでもないの!」
カレン「アリス……」
これはハッピーエンド?バッドエンド?
陽子「キスぐらい過激なことをすればショック療法で直ると思ったんだけどなー」
忍「私がショックに耐えられればよかったのですが……」
陽子「無理は言えないよ。シノにできることからやっていこう」
忍「はい!」
陽子「情報を整理してみよう。シノの欲情は、同じベッドで眠るアリスの柔らかさから始まった。だよね?」
忍「その通りです」
陽子「その次はキスして鼻血を出した」
忍「面目ないです」
陽子「そこで思ったんだ……シノは大事なステップを踏み忘れているんじゃないかって」
忍「ステップ、ですか?」
陽子「そう。恋愛の初歩の初歩、それは……ヒソヒソ」
忍「!!」
~放課後~
忍「あ、あああああアリス!」
アリス「ししししシノ! な、なななに、何かなっ」
忍「その、あのですね、アリスが良かったらでいいんですけどね? その、手を繋いでいただけないかと……」
アリス「そんなことくらいお安いご用だよ! いつまででも繋ぐよ!」
忍「本当ですか!? でででででは早速!」スッ
アリス「うん!」ギュッ
忍「あっ……なんだかすごく、ちょうどいい具合の幸せを感じます……」ドキドキ
忍「手を繋ぐこと。これが恋愛における重要なステップだったのですね」
忍「幸せです」
陽子「昨日の下校中どころか、今朝の登校中もずっと手を繋いでたもんな」
忍「アリスの温もりが手から心に伝わって、天へと導かれる思いです」
陽子「よしよし、これでもう変に欲情することはないだろう。シノの悩みも解決だな」
忍「そうですね。これからは徐々にステップを踏んで、無闇やたらと欲情しないようにがんばります!」
陽子「えらいぞーシノー」ナデナデ
忍「えへへ」
綾「最近の陽子はシノばっかりね。そんなにシノと二人きりがいいのかしら……」
アリス「またシノと手を繋ぎたいなぁ。シノってばすごいんだよ? 手を繋いだだけなのに、わたしを幸せにしてくれるの! シノからは人を癒やす成分が放たれているに違いないよ。その成分を政府の研究機関に寄付すれば世界は平和になるかもしれないね。シノの香りが手の平に残ってるよ。嗅いでみる? 待って、わたしが嗅いでからにして。大丈夫だよ、カレンの分もちゃんと残しておいてあげるからね。クンクン……ああ、いい香り!」
カレン「ちょっとよく分かんないのでイングリッシュでお願いシマス」
アリス「OK. It is all right because the talk of Shino is possible as many as one likes. I wanted to share happiness to Karen. It is provided when I joined hands with」
カレン「やっぱいいデース」
~放課後~
忍「アリス、手を」
アリス「うん!」
陽子「二人は仲良しだなぁ。ははは」
カレン「入り込む隙がないデスね」
忍「……」
アリス「~♪」
忍「……」ジー
綾「なんだかシノの様子がおかしいわね……」
忍「………………」
アリス「シノ? 目がうつろだよ。どうしたの?」
忍「アリスの指、舐めたら甘そうですね……」ボソッ
アリス「え!?」
忍「いえ、何でもないです! 何でも! さあ帰りましょう!」
忍「さすがに指をペロペロさせてくださいなんて言えませんでした……」
陽子「何を考えているんだおいこら」
忍「アリスのか細くてふにふにした指先が心地よくて、つい味見がしたく……」
陽子「嫌われるようなことだけはすんなよ……」
忍「不安です! いざって時に自分を抑えられる自信がありませんっ!」
陽子「しかしこれ以上は私の手に余る問題だ。とうとう助っ人を呼ぶ時がきたな……!」
綾「陽子ったらまたシノと二人で……」
陽子「綾ー!!」
綾「ひゃわっ! なっ、陽子!? なにかしら!?」
陽子「綾の力が必要なんだ! シノを助けてやってくれ!」
綾「何のことよ!」
陽子「シノ、いいよな? 綾に打ち明けても」
忍「……分かりました。これ以上陽子ちゃんにご迷惑をおかけすることはできません。一刻も早く事を解決しなければ!」
綾「だから何の話なの? 何が何だかわからないわ」
忍「実は……」
綾「……はぁ。むしろ最近まで欲情してなかったんだ~って感心するわ」
忍「綾ちゃんの目には、私がアリスに飢えるケダモノに見えていたのですか!?」
陽子「やっぱり期待できそうだな。乙女趣味の綾になら、シノに適切なアドバイスができるんじゃないかと思ったんだ」
綾「しかたないわね。私もなんとかシノが直る方法を考えてみるわ」
忍「ありがとうございますっ」
綾「私が見たところ、今のシノはアリスの要素一つ一つを求めている状態ね。アリスの一挙手一投足が気になって、ちょっとしたことでも感情が高まってしまっている」
忍「その通りです!」
綾「アリスの何もかもが欲しい、自分のものにしてしまいたい。その衝動がシノを変態にしてしまっているのよ」
忍「ヘン、タイ……」ガーン
陽子「言わないようにしてたのに……」
綾「でも、逆転の発想が一つあるわ。……そんなに欲しいんだったら、手に入れてしまえばいいんじゃないかしら?」
綾「どんなに欲しがっていたものでも、手に入れた後は興味が薄れていく一方だわ」
綾「それと同じで、アリスを自由にできる状態になれば無闇に欲情することはなくなるはずよ」
陽子「アリスを自由にったってどうするんだ?」
綾「告白するのよ。シノの思いの丈をアリスにぶつけて受け入れてもらうの。それしかないわ!」
陽子「本当にそれで大丈夫かな……」
忍「……私、やります」
忍「このままではだめだって自分でも分かっていました。今こそ勇気を出して、次の一歩を踏み出さなくてはならないのです!」
綾「がんばって! 応援してるからっ」
忍「はいっ!!」
陽子「いいお返事だ」
忍「アリス。お話があります」
アリス「シノ? いつになく真剣な表情……真面目な話なんだね」
忍「ええ。性的な……じゃなくて、誠実な想いを受けとめて欲しくて」
アリス「……聞くよ。聞かせて。シノの大事なお話を」
忍「ごほん。では!」
忍「アリス・カータレットさん。あなたに恋をしてしまいました。あなたが好きです。私のものになってください!」
陽子「もし振られたらどうすんのさ」
綾「それはそれで欲情しなくなるでしょうから、めでたく解決じゃない?」
陽子「なわけあるか!」
アリス「ラップ越しに唇を重ねた時から、シノの気持ちはなんとなく分かってたんだ」
アリス「分かったうえで嬉しかった。こんなにも幸せなことがあるんだって知ることができたから!」
アリス「もっとこの気持ちでいたい。シノと一緒に、もっともっと幸せになりたいっ」
アリス「だから……大宮忍さん。わたしをあなたのものにしてください!!」
陽子「こんなにも上手くいくとはなぁ」
綾「ふふっ、こうなることは分かってたもの。最初から何の心配もしてなかったわ」
陽子「うん……やっぱ綾に相談して本当によかったよ。綾は頼りになるなぁ」
綾「何よ急に。そんな風に言われたって何も出ないんだからねっ」
忍「アリスが私のものに……興奮してきました」ハァハァ
アリス「シノ?」
忍「アリスに叩かれました」
アリス「シノなんかきらい!」
陽子「何があった」
忍「あれは今朝の、寝起きの時です。なんとなくムラムラきた私は、寝ているアリスのパジャマ越しに胸をもみもみしました」
綾「何をやってるの!?」
アリス「起きた瞬間ビンタしたよ! シノがあんなことする人だなんて思わなかった!」
忍「機嫌を直してください。もうしませんから……」ジー
アリス「言いながらどこを見てるの?」
忍「おしり……はっ!?」
アリス「だいきらい!」
陽子「だめだこりゃ」
カレン「オハヨウゴジャイマース!」
アリス「ふんっ」プンプン
カレン「アリス? なに怒ってるデス?」
アリス「怒ってないよ。行こ!」
忍「アリス~! 置いていかないでください~っ」
カレン「ハハーン。読めたデス」
カレン「シノは浮気してアリスを怒らせたに違いないデス。相手は誰? ヨーコ? あやや?」
陽子「シノがアリスに痴漢して怒らせたんだよ」
カレン「チカン?」
綾「勝手に胸を揉んだりお尻を触ったりすることよ」
カレン「シノ、アリスにそんなことしたデスか」ジトー
陽子「おっ、カレンが珍しく不機嫌そうな表情に!」
綾「これは本気で怒っている目だわ!」
カレン「そこのシノ、ちょいと待つデス!」
忍「はいっ?」
カレン「私の親友アリスにチカンするとは不届き千万! その真っピンクなセクハラ根性、叩き直してくれるデス!」ペチッ
忍「痛っ、叩かないでくださいっ」
カレン「許すまじ! 許すまじ!」ペチッ ペチッ
忍「金髪少女のお仕置き……! これまた興奮してきました……!」ドキドキ
忍「二人の金髪少女の信頼を失ってしまいました。このままでは生きていけません」
陽子「シノの変態を直さなきゃなー」
綾「そうね。シノの変態さえ直ればなんとかなるわ」
忍「言うほど変態でしょうか?」
陽子「シノみたいな変態でなけりゃアリスの寝込みを襲ったりなんかしないぞ」
忍「だって、寝ているアリスのエロスが私を誘惑するから……」
綾「だってもヘチマも無いわ! 反省しなさい!」
忍「ひっ、ごめんなさいっ」
陽子「これはちょっと厳しくしてやらなきゃ駄目みたいだな」
綾「そうね。でなきゃシノのためにならないわ」
忍「優しくしてください」
陽子「シノは今日から一週間、アリス禁止の刑に処す。その間アリスはうちや綾の家で預からせてもらうよ」
忍「そんな!?」
綾「一週間で済んでよかったと思いなさい」
忍「あ、アリスを……私からアリスを奪わないでください……」
陽子「一週間後、シノの反省っぷりを見てアリスを返すかどうか判断する。駄目そうならまた一週間延長するからな」
忍「そん……な……」
禁アリス生活・一日目
陽子「今日はうちに泊まっていきなよ」
アリス「うんっ」
忍「アリス、私から離れたくないなら正直に」
アリス「シノなんか知らない!」
忍「アリス……!」ガーン
陽子「じゃあなー」
綾「明日からお休みだから、また来週ね」
忍「行かないで……」
禁アリス生活・二日目
忍「アリスの写真も没収されてしまいました」
勇「陽子ちゃんに頼まれたのよ。ま、自業自得ね」
忍「アリスぅ……」
禁アリス生活・三日目
忍「今日は日曜日……」
忍「アリスのいないお休みなんて、金髪少女のいないイギリスと一緒です……」
禁アリス生活・四日目
忍「アリスの居ない食卓。アリスの居ない夜。アリスの居ない朝。そして、アリスの居ない通学路……」ズーン
カレン「オハヨーゴジャイマース! シノ、ちゃんと反省してるデス?」
忍「はい……それはもう、深々と……」
カレン「こないだはいっぱい叩いちゃってゴメンナサイ。痛かったデスよね?」
忍「そんな、大したことでは」
カレン「日本ではこうやるんデスよね。いたいのいたいのー、とんでけー!」ナデナデ
忍「あっ……」キュン
忍「はぁ」
アリス「シノ、なんだかすごく落ち込んでるみたい……」
陽子「情けなんかかけちゃだめだ。アリスも時には鬼になる覚悟が必要なんだ」
綾「これも二人の未来のためなのよ」
アリス「うん、分かってる。シノにはいっぱい反省してもらわないと!」
忍「カレン……」
禁アリス生活・五日目
カレン「ヘイ! オハヨウゴジャイマース!」
忍「カレン! 今日も元気いっぱいですね。カレンのおかげで私も元気が出てきましたっ」
カレン「それは良かったデス。落ち込んでるシノを見てるのはつらかったデスから」
忍「カレン……なんて優しいのでしょう」キュンキュン
禁アリス生活・六日目
忍「うーん、今朝はいい目覚めですっ」
忍「早く朝ごはんを食べて支度しましょう」
忍「ああ、カレン……早く会いたいです」
禁アリス生活・七日目
陽子「アリス禁止週間も七日目だ。今日いっぱいは我慢だぞ」
忍「はい、頑張って耐え抜きます!」
綾「この調子なら大丈夫そうね」
陽子「ああ。よかったな、アリス」
アリス「うん!」
カレン「ふぁぁ、昨夜は夜更かししちゃってちょっと眠いデス……」
忍「ふふっ、早く寝なきゃだめですよ」
陽子「……気のせいだろうか。最近シノがカレンばっかり見てる気がする」
アリス解禁日
アリス「シノっ、ただいまー!!」
忍「あ、はい。おかえりなさい」
アリス「シノに会いたくて、今日は早起きしてここに来たよ!」
忍「アリスは張り切り屋さんですね」
アリス「この間はだいきらいとか、ひどいこと言ってごめんね。本当はシノのこと大好きだよ? 会えない日もずっとシノのことを考えていたよ!」
忍「私もですよー。これぞ両想いですね」ナデナデ
アリス「えへへ。よかった、シノがいつものシノに戻って!」
アリス「シノと一緒の通学路はやっぱり嬉しいね」
忍「そうですね。私も嬉しいです」
カレン「オハヨウゴジャイマース!」
アリス「あ、カレン。おは」
忍「おはようございますっ!! カレン、朝のハグをしましょう!」
アリス「え?」
カレン「またデスか~? シノはハグが好きですね」
アリス「またって、え? 毎日してるの……?」
忍「はぁ、カレン……いい匂い……」ハァハァ
カレン「シノもいい匂いです」
忍「ずっとこうしていたいです」
カレン「それじゃあ学校に行けマセンよー」
アリス「シノ……シノのっ、浮気者ー!!」
陽子「シノがカレンと浮気だって!?」
綾「アリスがいないのに元気だと思ったら、そういうわけだったのね!」
カレン「誤解デスよー! シノを取ろうなんて、全然そんなつもりは……」
アリス「うわぁん、シノもカレンもだいきらい~っ!」
忍「泣かないでくださいっ。ほら、私はアリスが大好きです! ぎゅう~!」
アリス「グスン……ほんと? 私が一番?」ギュー
忍「はい。……あれ? なんか前ほど興奮しないですね」
アリス「!!」
陽子「アリスから距離を置かれたことで欲情の対象がカレンに移ってしまったというのか」
綾「考えられないわ……」
アリス「日本人は一途だって思ってた……」
カレン「まあまあ、これでチカンされなくなってよかったではないデスか。めでたしめでたしデス」
アリス「めでたくないよ! シノ、胸もおしりも触っていいよ、今だけの出血大サービス!」
忍「アリス。そんな痴女みたいなことを言ってはだめですよ? 変態さんじゃないんですから」
アリス「」ガーン
アリス「カレンばっかり見てるシノなんていやだよっ。これなら前のスケベなシノのほうがよかったよぉ~!!」
陽子「ごめんなーアリス。まさかこんなことになるなんて」
綾「世の中、何が起こるか分からないわね」
忍「カレン、こんど一緒にお風呂屋さんへ行きましょう」ハァハァ
カレン「オー。温泉デスネ! 一度行ってみたいと思ってマシタ!」
忍「銭湯じゃだめですか?」
カレン「? なんか違うデス?」
アリス「ううっ、シノ、お願いだからわたしに欲情してーーーっ!!」
忍「欲情しちゃいました」
おしまい
乙でした。
これってコメディでいいんだよね?
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません