霧切「……アナタの生き死に関わりないﾊｽﾞでしょ
　　　萌えがどうとか」

苗木「ボクの心が救われないんだよ！」

苗木「やりなおしてよ霧切さん！」

霧切「……」

苗木「やりなおしてよ！」

霧切「……分かったわ」

　二時間後――TimeUnknown　希望ヶ峰学園シェルター＞？Ｆ
　 ＞ゴミ捨て場


　＞ヒュー……ドサッ


苗木「な……なんだ？　ゴミ袋が落ちてきたけど」

霧切「アナタを助けに来」

苗木「それは違うよ！」

苗木「無愛想な顔がドヤ顔になっただけじゃないか！」

苗木「ていうかまたカップラーメンかよ！
　　　2連続で乗せるなんて逆にすごいよ！
　　　確信犯を疑われて開始1秒で投票タイムまっしぐらだよ！」

苗木「魂胆が見え透いた萌えないゴミの見本だね霧切さんは！」

霧切「……」

苗木「ほら、早くハシゴを登ってやりなおしてよ」

霧切「な、苗木くn」

苗木「やりなおしてよ」

霧切「……はい」

　三時間後――TimeUnknown　希望ヶ峰学園シェルター＞？Ｆ
　 ＞ゴミ捨て場


　＞ヒュー……ドサッ


苗木「な……なんだ？　ゴミ袋が落ちてきたけど
　　　まさか中に人が入ってるなんてことは――」

霧切「よかった苗木くん　生きてたのね」

苗木「それは違うよ！」

苗木「ねぇ　何でスク水なの？
　　　格好を正せば萌えると思ってるならホント浅知恵もいいとこだよ！」

苗木「あとラーメンの残骸がスク水にこびりついてるのもイヤだから
　　　いい加減に学習してよ！　何度カップラーメンの食べかけと
　　　落下を共にしたら気が済むんだよキミは！」

苗木「まったく萌えないゴミもいいとこだ」

霧切「……」

苗木「はやく一階に帰ってやりなおしだね
　　　は・や・く！　あっソレは・や・く！」

霧切「っ――わ、分かったわ……だから
　　　その手拍子……や、やめて……？」

　三時間後――TimeUnknown　希望ヶ峰学園シェルター＞？Ｆ
　 ＞ゴミ捨て場


　＞ヒュー……ドサッ


苗木「あ、またゴミ袋が降ってきた……」

苗木「今度は価値あるゴミが入ってるといいな」

霧切「待たせたわね苗木くん」

苗木「ふざけんなよ！」

苗木「カップラーメンがカップ焼きそばになってるだけじゃないか！」

苗木「ふざけんなよ！」

普通にツッコんでてワロタ

霧切「……だけど苗木くんが拒んだのはあくまでカップラーメn」

苗木「ボクからとれた言質が『カップラーメン』のみだからって
　　　カップ焼きそばは肯定されるとかワケのわからない遊びをしてるんじゃないんだよ！」

霧切「……」

苗木「その回りくどい性格に味わいのくどいソースの臭いもプラスされて
　　　もう萌えどころの話じゃないよ！　今の霧切さんはただのゴミ！」

苗木「早く戻って次の降下作戦ステンバイしろ霧切響子！」

霧切「……うん　分かった、わ……」

　四時間後――TimeUnknown　希望ヶ峰学園シェルター＞？Ｆ
　 ＞ゴミ捨て場


　＞ヒュー……ドサッ


苗木「はいはい、今度はなに？　カップスープでもかぶったの？
　　　それともまた衣装をチェンジした……の」

霧切「どう？　このゴミ袋とても素敵でしょ？」

霧切「超高校級の探偵の絵心を総動員してプリントした
　　　痛車ならぬ痛ゴミ袋よ」

苗木「それは違うよ！」

苗木「確かに痛いけどこの痛さは
　　　ヘタクソな絵でドヤ顔してる霧切さんの痛さでしかないよ！」

苗木「ていうかなにゴミ袋に代理させてるんだよ！
　　　ボクが要求してるのは萌えるゴミであって
　　　萌えるゴミ袋じゃないんだよ！」

苗木「言葉遊びするヒマがあるなら　自分を磨けよ萌えないカス！」

霧切「……はい」

苗木「これからすること分かってるよね？」

霧切「い、一階に戻って……また、落ちてくるわ……」

苗木「期待しないでまってるよ　バイバイ」

霧切「……ｸﾞｽｯ」

　一時間後――TimeUnknown　希望ヶ峰学園シェルター＞？Ｆ
　 ＞ゴミ捨て場


　＞ヒュー……ドサッ


苗木「ん？　なんだ
　　　　萌えないゴミの霧切さんか」

霧切「ここに山田くんの描いたいかがわしいイラストが数点あるわ」

霧切「絵の作風も女性のタイプも様々よ　この中から好きな娘を選びなさい」

苗木「それは違うよ！」

苗木「もう他力本願かよ！　萌えの対象もだけど
　　　こんな形で死者に頼るなよ！」

霧切「でも……ほら、私のえっちぃ絵もチラホラ」

苗木「そういうこと言ってるんじゃないんだよ！」

苗木「この絵は確かに素晴らしいからもらっておくけど

　　　遺品漁られるとか山田くんにとってすればHDD覗かれたのと同義だろ！

　　　そういう無神経なリアル霧切さんが、このエロカワ霧切さんの価値すら貶めてるんだよ！」

苗木「さっさと去ね！　この萌えないゴミ！」

霧切「……ぅん」

　八時間後――TimeUnknown　希望ヶ峰学園シェルター＞？Ｆ
　 ＞ゴミ捨て場


苗木「ふぁ……よく寝た」

霧切「おはよう苗木くん」

霧切「残飯でも漁る？　またはドラム缶風呂？
　　　それともワ・タ・シ？」

苗木「どれも違うよ！」

苗木「ゴミ捨て場での自給自足を勧めるお嫁さんとか最悪だよ！」

苗木「どれも違うよ！」

論破(オールレンジ）

霧切「違うわ
　　　私はゴミ捨て場での自給自足を手伝う通い妻よ」

苗木「なおさら悪いよ！」

苗木「ていうか何回も往復してるんだから
　　　食べ物とエロ絵以外にも気の利くモノ持ってくるべきだよね？」

苗木「そういう気配りができない妻なんて
　　　ハナッからｺﾞﾒﾝこうむるよ！」

苗木「あーくさいくさい　ゴミとしてもう一度まとまってきなよ
　　　次はもう少しマシなゴミとして生まれ変われるようにね！」

霧切「……ｳﾝ」

　五時間後――TimeUnknown　希望ヶ峰学園シェルター＞？Ｆ
　 ＞ゴミ捨て場


　＞ヒュー……ドサッ


苗木「……」

霧切「にょりりりーん！　霧切響子だゆん！
　　　苗木きゅん☆きゅんをお助けするために参ったでござりんス！」

苗木「……」

霧切「……」

苗木「……」

霧切「……」

苗木「……」

霧切「……もう一度降ってくるわ」

苗木「うん」

さすがの残姉ですらここまで無理なキャラ作りはしない

　二時間後――TimeUnknown　希望ヶ峰学園シェルター＞？Ｆ
　 ＞ゴミ捨て場


　＞ヒュー……ドサッ


苗木「ドーナツうめぇ」

霧切「……」

霧切「ねぇ……苗木くん」

苗木「アンパン美味しい」

霧切「たしかに……私が悪かった
　　　いくら黒幕を出し抜くためとはいえ、このような環境に
　　　アナタを陥れてしまうなんて……」

苗木「甘食うまうま」

霧切「だから私は……せめてアナタの意のままに動くことで
　　　アナタへの償いを少しでもしたかった……でもね苗木くん」

苗木「ｸﾞﾐむぎゅむぎゅ」

霧切「私……もう怖いの……
　　　登るのも落ちるのも……とても怖い」

霧切「て、手の甲だけじゃなく手のひらだって――
　　　マメにまみれて醜くなってしまったわ……うっ、ｸﾞｽｯ」

霧切「ゴ、ゴメンナサイっ……泣いちゃ、ダメっ……よね
　　　私に泣く資格なんかｸﾞｽｯないし……こんなんじゃ
　　　ｳｯずっと萌えないゴミのまま、よねっｸﾞｽｯ」





苗木「それは違うよ！」

苗木「今の霧切さんはぜんぜん醜くなんてない！　――だって」

苗木「今の霧切さんはスゴく萌えるから」

霧切「……ほんと？　萌える？」

苗木「うん」

霧切「ど、どのくらい？　ペヤングくらい？」

苗木「チキンラーメンくらい萌えるよ！」

霧切「！！！！！！！！　すごい！！！！！！」

苗木「助けにきたはずの人間がいつの間にか
　　　助けられる側の人間になっている」

苗木「外法で勝利をつかむダークヒーローな側面だけじゃ
　　　イマイチだったけど　そこにデレが重なったことで
　　　見事なクズデレ要素が生まれたんだ」

苗木「そしてクールで何者をも寄せ付けない霧切さんが
　　　ボクの前だけでそんな姿をさらしてくれるクーデレがプラスされることで
　　　新たな境地が生まれゆく！」

苗木「クズでクールだけどデレる
　　　いわゆるクーズデレがね！」

苗木「そんな萌えに足を踏み入れた今の霧切さんはまさに萌えるゴミだ！」

霧切「苗木くん……わたし、嬉しい……！」

苗木「行こう！　萌えるゴミの霧切さん！　ボク達の希望を掴むために！」

霧切「えぇ……！」

霧切(……あれ？　どのみちゴミ扱いであることには変わりないのかしら)

霧切(……)

霧切(まぁいいか)


おしまい

　皆さん乙でした！　VIPや支部や現実において

　ストーカーだったり変態だったりキチガイだったりナルトスだったり

　様々な場所で量産され多様化した霧切さんの人物像は

　今も拡大の一途をたどり、それらが集まってしまえば
　希望や絶望に並び立つ第三勢力として活動を始めてしまうかもしれません

　だから皆さんも一度初心に返って　本来の霧切さんが
　どういった人物なのかを思い出してみましょう！

　オレはごめん被るがな！！！！！！

　ではおやすみなさい！