櫻子「なんだこれ」(299)

櫻子「婚姻届……?」

おねがいしまーす

的な感じでおねがいしまーす

櫻子「げ! これって……」

向日葵「どうかしたんですの?」

櫻子「ひ、向日葵! いつからそこに!」

向日葵「今さっき戻ってきたんですわ。なんですの、せっかく人がお昼ご飯を作ってあげてきたというのに」

櫻子「え、ご飯?」

向日葵「あなたがお腹がすいたから、まだ11時なのにご飯を作る羽目になったんじゃねーかですの……」

櫻子「あ、そそそそうだっけ? ごめんごめん、早速頂きます!」

向日葵「……? ご飯の事を忘れるだなんて、何だか今日の櫻子はちょっとおかしいですわね」

櫻子「……」モグモグ

向日葵(言い返してこないだなんて、もっとらしくないですわね……)



こんな感じでいいんですか?

櫻子「ごちそうさまでした……」

向日葵「おそまつさまでした、では片付けはお願いしますわね」

櫻子「え?」

向日葵「え? じゃないでしょう、後片付けはキチンとやるという約束でご飯を作ったんですのよ?」

櫻子「あ、ああそうだったっけ」

向日葵「まったく、さっさと片付けてらっしゃい。ちゃんとお皿も洗うんですのよ?」

櫻子「わ、わかってるよ」バタン

向日葵「はあ、今日の櫻子は本当に一体どうしてしまっ――あら、櫻子のクッションから何かはみ出てますわね」

向日葵「何かしらこれは。なになに、婚姻……届……? あ、これは……!///」



続けますよ?

おねがいしまーす!

~キッチン~

櫻子「まったく向日葵は人使い荒いんだから……」ゴシゴシ

櫻子「あーあ、昔はもっと可愛げがあったんだけどなー。そういえば向日葵って案外泣き虫だったよね」

櫻子「あの時だって――って、そうだ婚姻届! おきっぱなしだよ!」

櫻子「は、早く戻ってもっとちゃんとした所に隠さないと……。ああでも、今すぐ戻った所で向日葵がいるから隠すに隠せないし……」

櫻子「と、とりあえず見つからないうちに、さっさとお皿を洗って戻ろう。ちゃんと洗わないと、また後で向日葵に文句言われる……」ジャーッ


~櫻子の部屋~

向日葵「何でこれがこんなところに……。しかもちょっと皺になっちゃってますし……」

向日葵「そういえばこれ、櫻子が持ってたんですのね。確か、私の机の引き出しにあったのが、ある日を境に急に見かけなくなったと思ったら……」

向日葵「これは問い詰める必要がありそうですわね。しかも櫻子、あの娘ったらクッションの下に入れてあるなんて、明らかに隠してやがるじゃねーですの」

向日葵「さっき様子がおかしかったのも、きっとこれのせいですわね。まったくあの娘は、こんな昔の物の事を気にして……」

向日葵「ちょ、ちょっとだけ内容を確認しておきますわ。後で櫻子を問い詰める時に必要になるかもしれませんから! それだけですから!」



向日葵の口調難しいのな…

がんばりやがれですの

アニメしか見てないけど向日葵ってやがれとか使うの?

向日葵「ええとなになに……? 『つまになる人』と『妻になる人』……ってなんですのコレ」

向日葵「確かに女の子同士ですけど、どう考えても男の子みたいな櫻子が夫で十分ですわ! わざわざこんな修正しなくても……これじゃあ提出出来ないじゃありま――」

向日葵「わ、私は何を……提出とかそういう問題じゃねーですの……」

向日葵「名前と生年月日は普通に記入してあるんですのね。本籍から下は……これは私達の自画像ですの……?」

向日葵「あんまり上手じゃありませんわね、きっと両方とも櫻子が無理を言って書いたに決まってますわ」

向日葵「その下は職業欄? またここも『つま』に修正されてますのね。こういう大事な――い、いいえ!どうでも!いい所!……は細かいんですのね、櫻子は……」

向日葵「櫻子の職業は、『との』……? この頃から頭がしっかりお花畑だった証拠になりますわね……」

向日葵「私は……『おかしやさん』……。今でもちょっと憧れますわね///」


>>19
原作でひよった時とか稀に使ってた気。使ってなかったらごめんなさい。

対櫻子の時はたまに敬語が崩壊する向日葵ちゃん可愛い

向日葵「証人は撫子さんだったんですのね。あの方も当時はまだ子供だったというのが、何だかおかしい気もするような」

向日葵「……ま、まぁこれじゃあお遊びの延長にしかなりませんわね」

向日葵「それにしても、これ一体いつ書いたんでしょう? 見返してみても、あんまり記憶が定かじゃありませんわ。私が持っていたのは覚えているんですが……」

向日葵「櫻子は――櫻子は一体何を考えながら、これを書いたのかしら……。も、戻ってきたらその辺も問い詰めてやらないとですわ!」

向日葵「それにしても……どうして櫻子はこれを持って行ったんでしょう? ああもう早く戻ってらっしゃ――」ドタドタ

櫻子「た、ただいま!」バタンッ

向日葵「お、おかえりなさいまし!」ササッ

櫻子「えっ? ど、どうしたのさ? 急にそんな畏まって……」

向日葵「な、何でもありませんわ! それより、ちゃんとお皿は洗ってきたんでしょうね」

向日葵(確かに早く戻って来いとは言いましたけど、思ったよりだいぶ早く戻ってきたから、焦りましたわ……)

櫻子「なにおう! 疑うってんなら見てくればいいだろー!」

櫻子(早くアレを隠さないといけないから、全力で洗ってきたんだよ! なんて言えるわけないし……)

櫻子(――って、あ、あれ?! クッションの位置がずれてる……? も、もしかしてもうバレた……?)

向日葵「そ、その……櫻子?」

櫻子「ひゃういっ?!」

向日葵「なんですのその面白い返事は……。あの……これなんですけど――って、あ……」

向日葵(咄嗟に後ろに隠したせいで、ぐしゃぐしゃになってしまってましたわ……)

櫻子「……!」

向日葵「あ、あのこれは……」

櫻子「……そっか……向日葵は……」

向日葵「は、はい?」

櫻子「向日葵は、それ、捨てちゃおうって思ったんだ……」

向日葵「え? 何を勘違いして――」

櫻子「向日葵は! やっぱり私の事なんて! 嫌いなんだ!」

向日葵「え? ち、違――櫻子あなた勘違――」

櫻子「うるさい! 出てってよ! なんで嫌いな私の部屋に堂々と居座ってるのさ! 嫌がらせのつもり?!」

ひまさくってだけでもう半ばハッピーエンド確定だから安心して読める
……閉じ込められて焼け死んだりするのは例外だけど

向日葵「なんですのその言い草は?! 大体あなたが――」

櫻子「うるさい出てけ! 出て行かないなら私が出て行くから!」

向日葵「どうぞ! ご自由にになさったら?!」

櫻子「ううう……! バカーーー!!!」バンッ

向日葵「あ……」


向日葵「本当に出て行ってしまいましたわ……。ここはあの娘の部屋なのに、相変わらずお馬鹿ですのね……」

向日葵「……いいえ、馬鹿は私の方ですわ。いつも通りに売り言葉に買い言葉で、つい喧嘩になってしまって……」

向日葵「いけませんわね……。これでは、櫻子の事をお馬鹿だなんて言う資格、私にはありませんわ……」コンコン

向日葵「は、はい。どなたでしょう――あ」

撫子「やあ、ひま子」

向日葵「撫子さん……」

撫子「櫻子、今凄い勢いで飛び出していったけど、何かあったの?」

向日葵「け、喧嘩ですわ。いつもよくある事ですの。撫子さんもご存知で――」

撫子「本当に?」

向日葵「うっ……」

撫子「本当に、いつもよくある喧嘩?」

向日葵「うう……実は……」

花子ちゃんは姉2人の惨状を見て早い内に牛乳を摂取する策士

撫子「なるほどね。これ、私も見覚えあるよ」ヒラヒラ

向日葵「うう……。証人に撫子さんのお名前がありますから、ご存知かとは思いましたが……」

撫子「え? だってこれ書いた時私もずっと一緒にいたじゃん。もしかして、覚えてないの?」

向日葵「書いた事自体と、これを私が持っていた事は思い出したんですが……。これを書いた時の事は、恥ずかしながらあまり……」

撫子「あー、やっぱり覚えてないのか。でもこの間聞いた反応だと、櫻子も覚えてなかったみたいだけどなぁ」

向日葵「櫻子に記憶の容量で負けるなんて、なんだかちょっと悔しいですわ……」

撫子「はは、あんた達らしいね。相変わらず仲良くて羨ましいよ」

向日葵「そんな、仲良くなんて! 良くなんて……」

撫子「仲、良いよね?」

向日葵「……はい……多分」

撫子「なに? 自信無いの?」

向日葵「さっきの事で……ちょっと自信を無くしてしまいましたわ……。というわけで、その……撫子さん」

撫子「なんだい?」

向日葵「ええと……。これを書いた時の事……詳しく教えて頂きたいのですが――」

撫子「だが断る」

向日葵「なっ、何故ですの?!」

撫子「いやだってさ、さっきは明らかに知らないような反応しちゃったんでしょ?」

向日葵「確かに櫻子には、知らないというか、いらないような物として扱ったように見えたかもしれませんわね……」

撫子「そんな風に見えた櫻子に、もしひま子急にその時の事ペラペラ喋りだしたら、流石の櫻子でも怪しむって。私の介入疑うでしょーが」

向日葵「撫子さんが入って来た事を知ると、またややこしいことになりそうですわね……」

撫子「いやもしかしたら櫻子の事だから、ひま子の反応なんて覚えてないかもしれないけどさ。ひま子はそんな櫻子に嘘つくみたいなことして、それでいいの?」

向日葵「う……そう言われるとそうですわね……」

撫子「でしょ? だったら、なんとか自分で思い出すか、もしくは櫻子に聞くしかないね」

向日葵「自分で思い出すのは困難そうですわね……これを見ても、特に何も思い出しませんし……。かと言って、櫻子に聞くのも癪に障るというか――」

撫子「まぁ、そもそもの問題はそこじゃないんだけどな」

向日葵「え?」

撫子「櫻子が怒ったのは、ひま子がこれを捨てようとしたって誤解してるからでしょ? そこをキチンと説明すれば、多分解決すると思うんだけど」

向日葵「そ、そうでした。私とした事が、つい問題をすりかえてしまっていましたわ……」

撫子「まぁ櫻子はあんなだから、きっとすぐ帰ってくるって。そん時にちゃんと謝って誤解を解けば、きっとあっという間に解決するでしょ?」

向日葵「ええ、櫻子はあんなですから。いっつもそうなんですのよ? 明らかに私が悪くない時でも、いつもいつも私から謝ってるのに、あの娘ったら――」

撫子(その後でまた、忘れただのなんだので、例の犬も食わないが始まりそうだけど)


向日葵「ハッ! と、とりあえず櫻子が帰ってくるまで、こちらに居させて頂きますわ……」

撫子「うん、いいよ。もし連絡とか会ったら知らせるから」

向日葵「あの、撫子さん……」

撫子「?」

向日葵「その、相談に乗って頂いて、ありがとうございます」

撫子「いいのいいの。可愛い妹と、その可愛い妻の事なんだから」

向日葵「つつつつつ妻なんかじゃないですわ!」

撫子「はいはい、そういうことにしておくから、んじゃね~」

~ゲーセン~

櫻子「何だよ、向日葵のバカ。バカっぱい……」ガチャガチャ

櫻子「向日葵のバカー! アホー! おっぱい虫ー!」ガチャガチャ

櫻子「……ぐぬぬ、また負けた」

櫻子「どうしよ……。財布は家に置いて来ちゃったし、ポケットに小銭しか無かったから、もう時間潰せない……」

櫻子「家に帰れば向日葵がいるだろうし……うーん……」

櫻子「あ、家に電話して、向日葵がまだいるかどうか聞けばいいのか――ってケータイも忘れてるじゃん……ハァ……」


京子「あれ? なあ結衣、あれって――」

結衣「ちょ、ちょっと待てよ手元狂うじゃないか。って、ああ大室さんじゃないか」

京子「そう、大室さんじゃないか」

結衣「おい、名前忘れてたのか……?」

京子「いやー、おっぱいちゃんとちっぱいちゃんってイメージが強過ぎてだねぇ」

結衣「失礼極まりない奴だな……」

京子「でも1人でいるなんて珍しいね、いつもおっぱいちゃん――」

結衣「古谷さん」

京子「そうそう、古谷さんと一緒にいるもんね」ダッ

結衣「まあ確かに、ちょっと気になるね、っておい京子!」ダッ

京子「おーい! ちっぱ――むぐっ?!」ガシッ

結衣「公衆の面前でそういう呼び方はするな……/// ゴホン……おーい、大室さん」

櫻子「……? あ、先輩……」

結衣「やあ、大室さんもゲームしに来たの?」

櫻子「ええ……まぁ……」

京子「おや? いつもの元気が無いぞー? ははーん、さてはおっぱ――古谷さん、もとい向日葵ちゃんと喧嘩でもしたのかー?」

櫻子「……!」ビクッ

結衣「京子……そういうプライベートな事は、いきなり聞くなよ。っていうか、お前の二人称安定しないな……」

京子「いやぁ。昨日のアニメ最終回でいきなり向日葵ちゃんって呼んでて、私も混乱してるよ~」

今回の百合姫こんな話なん?

結衣「で、大室さん。その……」

櫻子「向日葵が……いけないんですよ……」

結衣「え?」

櫻子「向日葵が……私達の婚姻届を……捨てようとするから……ううぅぅ……」グスッ

京子・結衣「「婚……姻……届……だと……?」」

櫻子「うわああああん! 向日葵のバカー! おっぱ――むぐっ?!」ガシッ

結衣「えっと……と、とりあえずここから出ようか?」

京子「結衣……今とっても誘拐犯に見えるよ!」テヘッ

結衣「テヘッ、じゃない! ほらさっさと出るよ!」

京子「ガッテンだ親分!」

結衣「その呼び方はフラグ立ちそうだからやめて……」

京子「もしかして私ルート?」キラキラ

結衣「逮捕ルートだろ……」


>>47
まぁ婚姻届云々の話なので。このSSはそれ前提で書いてるつもりですわ。

ワクワクしすぎておっぱい破裂した

~ワック~

結衣「少しは落ち着いた?」

櫻子「はい……すみませんでした……」

京子「いやー、しかしいきなり泣き出すとは私もびっくりだったよ」ズズーッ

櫻子「ご、ごめんなさい……///」

結衣「こら京子、大室さんせっかく落ち着いたのに。後シェイク飲みながら喋ると、結構カオスだから止めてくれ。書くのが面倒だからそのままになってるらしいが」

京子「??」

結衣「それで、えっと……婚姻……届? どうしてまたそんな事に……」

櫻子「そ、それはですね…… かくかくしかじか ……という事なんですが」

京子「浮気だね!」キュピーン

櫻子「えっ?!」

結衣「今の話のどこに浮気の要素が隠れてたんだよ?! ていうかお前ちょっと黙ってろ」ガシッ

京子「んんー! むむー?!」ジタバタ

ガチ川さんの魔の手だと……

櫻子「浮……気……?」ジワッ

結衣「い、いや、今のは京子の冗談だからね?! そんなことないと思うよ……あはは……」

結衣(ていうか、大室さん、普段は古谷さんに喧嘩吹っかけてばかりのイメージだったけど、やっぱりそうだったんだ……)

結衣(古谷さんも毎回大室さんの喧嘩を買ってるみたいけど、あっちもやっぱりそうなんだよね……)

京子「そうだよ、そんなわけないよ。そもそも大室さんと古谷さんって仲悪いじゃん! 浮気も何も――」

結衣(お前! ちょっと空気読まないのも大概過ぎるぞ!)ガシッ

京子「んんんんー?! むぐっ……」ジタバタ…コトリ…

結衣「よ、よし、話に戻ろうか。えっと、まず確認したいのが、本当に古谷さんはその婚姻届を捨てようとしたのかな?」

櫻子「私と向日葵は仲悪い私と向日葵は仲悪い私と向日葵は仲悪い私と向日葵は仲悪……えっ……?」

結衣(あー、やっぱり……早とちりしそうだもんね……。ていうかこの娘達、絶対に好き合ってるしそんな状況に陥るわけないよね……)

結衣「確認したわけじゃないんだ。なら、古谷さんに直接聞いてみたらどうかな」

櫻子「で、でも……向日葵はあれをぐしゃってしてて……」

結衣「そのぐしゃっとしちゃったのが、故意か過失だったかも聞いてないんでしょ?」

櫻子「は、はい……」

結衣「ほら、やっぱりすぐに聞いてみるべきだよ。こういうことは時間が経つと、どんどん気まずくなっていくしね」

櫻子「で、でも――」

結衣「聞く勇気が無い、とか?」

櫻子「……はい」

結衣「でもその勇気を振り絞らなかったら、もしかしたらこのままずるずるとこの状態が続いちゃうかもよ?」

結衣(あ、続くと言ってもこの件があったのって、たったの1時間前なんだっけ――)

櫻子「そ、そんなの絶対嫌です!」バンッ

結衣「えっ?!」

京子「?!」ビクッ

櫻子「私! 向日葵とはライバルなんです! だからちゃんと勝負して、決着付けないといけなくて……! だから……その……とにかくこのままじゃ駄目なんです!」

結衣(さ、さっき浮気って単語に普通に反応してたのに、未だにライバル扱いなのか……。古谷さんも苦労してそうだなぁ……)

京子「なになに?! ライバるんがどうしたって?!」

結衣「もっかい寝てろ」ゴスッ

京子「はうあっ」バタッ

櫻子「私……向日葵にちゃんと聞いてきます!」

結衣「え? あ、ああ。それがいいと思うよ」

櫻子「先輩、話聞いてくれてありがとうございました。急いで帰ります!」

結衣「うん、じゃあまたね」

櫻子「あ、ここの御代……。私さっき先輩に買ってきて貰ってたみたいなんですけど……今お金持ってなくて……」

結衣「いいよ、それくらい。代わりに明日、大室さんが古谷さんとちゃんと仲直りしてる所を見せてくれれば」

櫻子「え……でも」

結衣「ほら早く、古谷さんの所行きなって」

櫻子「わ、わかりました! ご馳走様でした! よーし見てろよあのおっぱい魔人ー!」ダッ

結衣(何か勘違いしてないだろうか……? まぁでもこの様子なら大丈夫そうだよね)

京子「うーん……結衣ー……」zzz

結衣「えっ? な、何だ寝言か……。京子ー……?」ツンツン ユサユサ

京子「結衣ー……抱っこー……」スヤスヤ

結衣「?!」

結衣(な、なんだ寝言か……。だ、抱っこは流石に無理だけど、仕方ないからおぶって帰ろうかな……///)

>結衣「いいよ、それくらい。代わりに明日、大室さんが古谷さんとちゃんと仲直りしてる所を見せてくれれば」

ぶ、ブラックジャック先生……!

~櫻子の部屋~

向日葵「中々帰ってきませんわね……」ソワソワ

向日葵「ま、まだ1時間くらいしか経ってないんですのね……」ソワソワ

向日葵「櫻子がいないと……その……なんだか落ち着きませんわね……」ソワソワ

向日葵「ハッ……! さ、櫻子なんて別にいなくても私には何の関係も――」

花子「向日葵お姉ちゃん」

向日葵「ひっ……?! は、花子さんじゃありませんの。驚かせないでくださいます?」

花子「そ、そんなに驚かなくたって……」

向日葵「ご、ごめんなさい。でも花子さんっていう響きだけで、それなりに驚くに値しそうですわね」

花子「あ、今けっこー傷付いたかも……」

向日葵「そ、それで? 私に何か御用でも?」

花子「あー、うん。そんなに櫻子が気になるなら、電話してみれば?」

向日葵「櫻子の事なんて別にっ……! って電話ですかー」

花子「電話が嫌だったらメールでも。怒って無いから帰ってきなよー、とかメールの方が言いやすいでしょ? あと、突っ込まないからね」

向日葵「そ、そうですわね……」

花子「じゃあ櫻子とっとと連れ戻してね? 今日櫻子がお昼の当番だったはずなのに、いなくなっちゃったお陰で困ってたんだから」

向日葵(あの娘……昼食は私に作らせたじゃありませんの……)

花子「そういうわけで、私は撫子と何か食べてきまーす。向日葵お姉ちゃんは、お昼食べてたって撫子から聞いたし、お留守番お願いね~」

向日葵「え、ちょ、この家に私だけですの?! 流石にそれは無用心というか……」

花子「平気平気! あ、5時くらいまで帰ってこない予定だから~、それじゃ~ね~」バタン

向日葵「5時? お昼食べるのにどんだけかかるんですの? ってもういないし!」


花子「撫子、あれでよかったの?」

撫子「あれでいいみたいだね」

花子「そうなの?」

撫子「きっとそうだよ」

花子「よくわかんない」

撫子「いつかわかるよ。何せ私らの妹だからね」

花子「ふーん」

向日葵「そうだ……メール……」

向日葵「なんて送ろうかしら……」

向日葵「えっと、ここは普通に『怒ってないから帰ってらっしゃい』とかでいいかしら……?」

向日葵「でもそれだと、また上から目線で! とか言われるかも……」

向日葵「じゃあ『ごめんなさい、私が悪かったから帰ってきて』とか……?」

向日葵「これじゃあ私が全面的に悪いみたいで、何だか不愉快ですわね……」

向日葵「で、でも仲直りする為にはこれくらい……」ピピッ

向日葵「送信……しちゃいましたわ……」<デイバイデイ ワタクシカラ アイヲコメテー♪

向日葵「ひっ?! どこから……あ、櫻子ケータイ忘れていってますの……。あ、あら? この曲……」

向日葵「この間、櫻子や赤座さん達と行った時、私がカラオケで歌った……」

向日葵「まっ、まさか録音してやがったんですの……?!」

向日葵「…………。も、もう一度メールを送って、確かめませんと……」

ここでキャラソンのCMとは抜かりねーですわね

櫻子(ゼェ……ハァ……つい全力疾走して帰ってきちゃった……)

櫻子(玄関の鍵は開いてたけど、撫子も花子も靴が無い。代わりに向日葵の靴だけはある……)

櫻子(えっとつまり……この家には今、向日葵だけって事か……。うう……急にハードル高くなった気がする……)

―――♪ ―――♪

櫻子(あれ? 何か聞こえる……?)

櫻子(わ、私の部屋からだ……。ってことは向日葵が何かしてるって事……?)

櫻子(間違いない……私の部屋で向日葵が何かしてるんだ……! しかも、何だか楽しそうに鼻歌唄ってるみたいだし?!)

櫻子(こっちはあんなに悩んで、全力疾走までして帰ってきたって言うのに……!)ムカムカ

櫻子(こうなったら一言言ってやらないと、気が済まない!)


櫻子「向日葵ーーー!!!」バタンッ

向日葵「っっっ??!!」ビクッ

櫻子ちゃんは本当にバカだなぁ……

ソウゾウデキナイ ミライヨリ イマガーダーイスキー♪

櫻子「」

向日葵「」

ミギテヲアゲテー ソラユビサシテー♪

櫻子「……」

向日葵「……」

セイイッパイノ キモチデス コエヲーカサネテミター♪

櫻子「ぷっ……あははははは! 向日葵、1人で何やってんのさ! あははははは!」

向日葵「……っっっ!///」

櫻子「自分で唄った歌に合わせて唄ってるとか、あはは、絶対おかしいよ、あははははは!」

向日葵「こっ、これはその……/// だっ、大体! あなた何でこれを携帯電話の着信音にしてるんですの?!」

櫻子「あはは……えっ……」

向日葵「まったく……恥ずかしいったらありゃしませんわ! まるでこれじゃあ私のストーカーみたいじゃないですの!」

櫻子「う、うるさいなあ! それより、私のケータイ返してよ!」バッ

向日葵「あっ……!」

櫻子「まったく向日葵ったら……何を送ってきたんだか……。って何これ?! 着信履歴9件?! 新着メール21件?!」

向日葵「……」

櫻子「し、しかも全部向日葵だし……。たった数十分でこんなに電話とかメールしてくるなんて、向日葵こそよっぽどストーカーじゃない!」

向日葵「そ、それはその……。さ、櫻子が私の歌を……着信音にしていてくれた事が嬉しくて……つい……」

櫻子「あ……」

向日葵「あ、いえ別にそんな凄く嬉しかったわけじゃなくて……。その……ちょ、ちょっとだけ嬉しかったから……」

櫻子「向日葵……」

向日葵「あの……」

櫻子「えっと……」

向日葵・櫻子「「ごめんなさい!!」」

向日葵・櫻子「「……え?」」

I am Maki.(ワタシマキー)

向日葵「櫻子……?」

櫻子「あ、あのね! 向日葵が……その……こ、婚約届を……ええと……」

向日葵「あ、あれは……私がつい弾みでくしゃくしゃに……」

櫻子「え……? やっぱりそうなの……?」

向日葵「そ、そうなんですの。それをあなたったら、私がまるで丸めてゴミ箱に捨てようとしたかのように誤解するなんて……」

櫻子「う……ごめんなさい……」

向日葵「まあ私も過失とはいえ、これをくしゃくしゃにしてしまったわけですし……」

向日葵「それに、その事を櫻子にちゃんと説明しないで、売り言葉に買い言葉で喧嘩にしてしまって……。本当にごめんなさい……」

櫻子「う、ううん?! そんなの全然いいよ! 私がちゃんと話し聞かなかったのが悪いんだし……気にしてないよ!」

向日葵「……気にしてないんですの……?」

櫻子「え……?」

向日葵「私、てっきりあれが櫻子にとって、とっても大事なものだから……。だから私の机の引き出しから、勝手に持って行ったのだとばっかり……」

櫻子「あっ……」

向日葵「櫻子にとって、あれはそんなに大事なものでも無かったという事ですのね……」

櫻子「ち、違っ――」

向日葵「でも私も、あれを書いた時の事をそんなによく覚えてないんですの……。おあいこですわよね……」

櫻子「え……覚えてないの……?」

向日葵「ええ……実はあまり……」

櫻子「向日葵の――」

向日葵「……?」

櫻子「向日葵の馬鹿!!!!」

向日葵「?!」

櫻子「見損なったよ! このアンポンタン! おっぱいワンタン!」

向日葵「櫻子……」

櫻子「なんだよ……なんだよ! いつもみたいに何か言い返してみなよ! ほら!」

向日葵「ごめんなさい……本当によく覚えてなくて……。でもそうですわよね、あいこだなんてズルいですわよね……」

櫻子「そうだよズルいよ!」

向日葵「私は櫻子との思い出を、忘れてしまってるんですものね……。お友達失格ですわ、こんな私が櫻子の側に――」グスッ…

櫻子「全然違うよ!」

向日葵「えっ……?」

櫻子「向日葵は! 私に! じゃんけんで負けて! 夫になるはずだったの!」

向日葵「夫……??」

櫻子「でも! 向日葵が! 泣いちゃったから! 私が! 代わってあげたの!」

櫻子「そしたら! ひまちゃんが! 結婚したら……! 毎日おかし作ってくれるって……」グスッ…

向日葵「あ……」

向日葵(なんとなく……思い出して来ましたわ……)

向日葵(確か、あの時私がじゃんけんで負けて……。そうしたら櫻子が……自分が夫の方でいいって……)

向日葵(あ……夫が『つま』になっていたのは、そういうことだったんですのね……)

なんか下がるペースがはやい気がする…
ちゃんと辻褄合わせて完結させたいので、10分位練ってきます
その間保守してくれてると、すごーく嬉しいなー…

ええやん……素敵やん……

櫻子「でも……婚姻届書いても、ひまちゃん毎日おかし作ってくれなかったし……」ヒック…

向日葵(『おかしやさん』……。だから櫻子は……)

櫻子「私……おかし毎日食べるって言ったのに……」グズッ…

向日葵(結局、何が違うのかよくわかりませんでしたわ……。婚姻届を持って行った経緯も教えてくれませんし……)

櫻子「ううぅ……うわあぁぁぁん……!」

向日葵(でも……)

向日葵「櫻――さーちゃん」

櫻子「……! な、なに……?」

向日葵「ごめんなさい……。おかし、毎日作ってあげるって言ってたのに……。私、すっかり忘れちゃってて……」

向日葵「でも、さーちゃんの気持ちは、ちゃんとわかってたつもりだから――ううん、今でもわかってるつもり」

櫻子「ひまちゃん……?」

向日葵「さーちゃん、私の事……その……。わ、私もさーちゃんの事! 今でも、その、だ――」

櫻子「だ……?」

向日葵「だ、大事……みたい」

櫻子「……何それ」

向日葵「だ、だって……しょうがないでしょ! 恥ずかしいんだから……///」

キュン死しそう

櫻子「ひまちゃ――向日葵って、案外ヘタレだよね……」

向日葵「なっ……?! 急に何を言い出すんですのこの娘はっ?!」

櫻子「だって……」

向日葵「で、でもさーちゃ――櫻子の想いは、ちゃんと私にも伝わりましたわ……」

櫻子「……私、なんて?」

向日葵「そっ、それは……その……だ、大事だって……」

櫻子「あーもー……!」ガラッ

向日葵「ちょ、窓なんて開けてどうするつもりですの?」




櫻子「私は! 大室櫻子は!! 古谷向日葵が!!! ひまちゃんが!!!! 大好きだーーーーーーー!!!!!」




向日葵「????!!!!」

櫻子「ハァ……ハァ……。にへへ、これでちゃんと伝わった……かな?」

向日葵「ちょ……あなた何を……!///」

櫻子「だって、ひまちゃんヘタレなんだもん。私がこれくらいしないと、あのままずるずると流れちゃいそうだったし」

向日葵「櫻子……だからって今のは……!///」

櫻子「ああもう、さーちゃんでいいって! 無理して櫻子って呼んでるの知ってるんだよ?! その喋り方も!」

向日葵「へっ?!」

櫻子「私だって……無理して向日葵って呼んでるんだし……。お互いたまにいい間違いそうになるのを、必死に我慢してるの、面白かったなぁ~」ケタケタ

向日葵「そそそそ、そうだったのね///」

櫻子「え、もしかして気付いてなかったの……? ヘタレな上に、鈍感ときたもんだ……。何だかどんどん昔のひまちゃんに戻ってる気がする」

向日葵「わ、私そんなに駄目な子だったの……?」

櫻子「うん。すぐ泣くし、すぐ私に甘えるし、いつも私の後ろにくっついてくるし……」

向日葵「ううう……」

櫻子「だから……私が守ってあげなくちゃってずっと思ってたんだよ?」

向日葵「櫻――さーちゃん……」

櫻子「ひまちゃんは、私の『妻になる人』だからね!」

向日葵「……!!///」

櫻子「そして私は、ひまちゃんの『つまになる人』なんだよ!」

向日葵「私が『妻』で……さーちゃんが『つま』……」

櫻子「声に出すと、どっちがどっちだかわかんないけどね、にはは」

櫻子「それじゃあ気を取り直して。これ、書こうよ?」バッ

向日葵「あ――!」

櫻子「じゃーん! 婚姻届! 新品だよ? さっき帰りがけに市役所で貰ってきたんだ~」

向日葵「随分と用意周到なことで……」

櫻子(船見先輩が、最後にこっそりアドバイスしてくれたからね)

ふぉあーーーーーーーーーーーーーーー

櫻子「えっと、まずは『夫』を――」

向日葵「?」

櫻子「えいー!」グシャグシャ

向日葵「あ、さーちゃん……! そんなに塗り潰したら受理されなくなっちゃう……」

櫻子「へーきへーき、大丈夫だって。あれ、『妻』ってどうやって書くんだっけ……?」

向日葵「隣に書いてあるよ……」

櫻子「おおさすがひまちゃん! 勉強は昔から出来たよね!」

向日葵「うん……」

櫻子「嫌味か?! それは嫌味なのかー?!」

向日葵「ちょ、ちょっとさーちゃん……落ち着いて……」

櫻子「ご、ごめんごめん。ついいつもの癖で……」

向日葵「やっぱり、最近の私達に戻った方が――」

櫻子「それは駄目!」

向日葵「だ、駄目って……」

櫻子「だって……」

向日葵「?」

櫻子(だって……こっちのひまちゃんの方が、絶対可愛いし……///)

向日葵「あの……さーちゃん……?」

櫻子「ハッ! さ、さっ? どんどん書いてこー!」

向日葵「う、うん……」

櫻子「本籍ってどこだろう?」

向日葵「うーん……多分住所と同じでいいんじゃないかしら……?」

櫻子「そっか」カキカキ


櫻子「はっ……!」

向日葵「どうしたの?」

櫻子「これは……非常に重要な問題だよ……!」

向日葵「どれ?」

櫻子「次の【(4)婚姻後の夫婦の氏】って項目……」

向日葵「あ……」

ガチ川さんに人生相談しないと……

櫻子「ええっと……まぁ私が『つま』なんだし、私の方でいいよね」

向日葵「で、でも『大室 向日葵』って変じゃないかな……?」

櫻子「うーん……確かに違和感がある」

向日葵「じゃ、じゃあ『古谷 櫻子』の方がいい……?」

櫻子「そっちもそっちで違和感だなぁ」

向日葵「どうしよう……?」

櫻子「……決めた! ひまちゃんは私の嫁に来るんだし、やっぱり『大室 向日葵』がいいよ!」

向日葵「そ、そうかな?」

櫻子「絶対そうだよ!」

櫻子「できたー!」

向日葵「後は証人ね」

櫻子「また撫子に頼む?」

向日葵「でもこれ2人いるみたいだけど……」

櫻子「じゃあ生徒会の先輩にでも頼もっか?」

向日葵「ええっ?! 恥ずかしいですわ……」

櫻子「ひまちゃん、戻ってる戻ってる」

向日葵「はっ! 生徒会という単語を聞いてつい……さーちゃん、ごめんね?」

櫻子(うっ……。最近『ですの』ばっかりだったから、このひまちゃんが可愛すぎる件……)

向日葵「さーちゃん?」

櫻子「なっ、なんでもない! じゃあここは、明日先輩達に頼もう?」

向日葵「本当に先輩達にするんだ……」

櫻子「いいじゃん、どうせそのうちバレるんだろうし」

向日葵「そうかなぁ……」

向日葵「じゃ、じゃあ私今日はもう帰るね。そろそろ撫子さん達帰ってくる頃だろうし……」

櫻子「待った」

向日葵「へ?」

櫻子「危うくあやふやにするところだったけど、私、まだひまちゃんの気持ちちゃんと聞いてないよ?」

向日葵「あ――」

櫻子「私だけにあんな恥ずかしい告白させておいて、それで1人だけ逃げるなんて、そんな事しないよねひまちゃん?」

向日葵「う……うう……///」

櫻子「なんでそこでひまちゃんが恥ずかしがってるのさ! 恥ずかしいのは私の方なんだけど……」

向日葵「だ……だって……」グスッ…

櫻子「うわぁ?! ひ、ひまちゃん泣いてる?! もしかして泣いてる?!」

向日葵「だってだって……あんなの恥ずかしくて真似出来ないよ……」グスグス…

櫻子「べ、別に真似しろだなんて言って無いから! た、ただ私にもちゃんと言葉で言って欲しいなー? なんて……」

向日葵「そう……?」

櫻子「そうそう! 大丈夫だから……」

櫻子(な、なんか泣き虫な所まで昔に戻っちゃってる……?!)

向日葵「じゃあ……言うね……?」

櫻子「う、うん……」

向日葵「さーちゃん……えっと……大好き……!」

櫻子「」

俺「」

~翌日~

櫻子(気付いたら朝だった)

櫻子(私は昨日、気を失っていたらしい)

櫻子(その……多分、さーちゃんに『大好き』って言われた時に……)ピンポーン

撫子「櫻子ー! ひま子が迎えに来てるよー?」

櫻子「……」

櫻子「えっ?!」

撫子「あー、まだ櫻子部屋みたいだから上がっていってよ?」

櫻子「えっ?! えっ?!」

向日葵「その……じゃあ、お邪魔します……」

櫻子「えっ?! えっ?! えっ?!」

向日葵「櫻子? 入りますわよ?」

櫻子「ええっ?!」

向日葵「おはよう櫻子」

櫻子「あ……向日葵……」

向日葵「なにボケっとしてるんですの? さっさと学校に行きますわよ?」

櫻子「う、うん……」

櫻子(あれ……ひまちゃ――向日葵戻ってる……?)

向日葵「ほら、さっさと着替えて。朝ごはん、どうしますの?」

櫻子「あ、歩きながら食べるよ……」

向日葵「お行儀が悪いですわね。まぁ、櫻子なら仕方ないでしょうけど」

櫻子「うん……」

櫻子(も、もしかしてあれは全部夢だったのかな……? そんなー……私の一世一代の告白は一体どうなったんだよぅ……)

向日葵「さーちゃん……」

櫻子「?!」

向日葵「あ、あのね? あの後私、考えたんだけど……やっぱり皆の前で昔みたいになるのは恥ずかしいから……」

櫻子「あ……う、うん……」

向日葵「だ、だから! さーちゃんと2人きりの時は――」コンコン

撫子「おうい、お二人さん遅刻するぞー?」ガチャッ

向日葵・櫻子「「!!」」ビクッ

撫子「なに、どしたの? 朝からキスの練習でもしていちゃついてたの? あー、お熱いねぇ」ケラケラ

櫻子「ば、馬鹿じゃないの?! どうして私が――! 私が……向日葵……なんかと……」

向日葵「と、当然ですわ! 撫子さんもそんな勘違いなさらないでくださいな!」

花子「もうバレバ――」ガシッ

撫子「ハイハイ、それよりさっさと学校行った方がいいんじゃないの?」

花子「むぐぐっ……むーー!!」ブンブン

向日葵「そ、そうですわ櫻子! ほら、急いで!」

櫻子「う、うんわかってるって!」

撫子「いってらっしゃーい」フリフリ


花子「ぐむむっ……ぷはー! 撫子、何するの酷いじゃんか!」

撫子「ああいうのは、最初は知らないフリして見守ってあげるのがいいんだよ」

花子「そうなの?」

撫子「きっとそうだよ」

花子「よくわかんない」

撫子「いつかわかるよ。何せ私らの妹だからね」

花子「撫子そればっか」

~教室~

櫻子「ギリギリセーフだったね……」ゼェゼェ…

向日葵「そうですわね……」ハァハァ…

あかり「櫻子ちゃん向日葵ちゃん、おはよー」

ちなつ「おはよう、ギリギリだったみたいね」

櫻子「あ、うん、おはよう」

向日葵「おはよう……」

あかり「うん?」

ちなつ「え?」

向日葵「ごっ、ございますですわ!」

あかり「ひ、向日葵ちゃん?!」

ちなつ「ど、どうしたの急に? 大声で挨拶なんてして……」

向日葵「はっ……!」

櫻子「あ、あはははは! ひーちゃ――向日葵、実は昨日変なもの食べちゃって……」

ちなつ「変なもの? 道に落ちてたかりんとうとか?」

あかり「あはは、ちなつちゃんそれはないよ~。でもそれはどっちかといえば、櫻子ちゃんの役割だよねー」

櫻子「あ、あかりちゃんひっど~」

あかり「あはは、ごめんね」

向日葵「……」

ちなつ「えっと、向日葵ちゃん……?」

向日葵「……! え、えっと……なんでしょう吉川さん」

ちなつ「大丈夫? 具合悪かったりしない?」

向日葵「だ、大丈夫です。どこも問題ありませんわ」

あかり「でも、いつもならさっきのとこで櫻子ちゃんの事怒るよね~」

櫻子(何かいつもと感覚が違うと思ったら……確かに)

チーナ……

ちなつ「でも本当に具合悪かったら言ってね? 保健室に連れて行ってあげるから」

あかり「そうだよ? 向日葵ちゃんに何かあったら大変だからね」

向日葵「お二人とも……ありがとうございます……」キーンコーンカーンコーン

櫻子「ほ、ほら向日葵。早く席について。HR始まっちゃう」

向日葵「うん……あ……! えっと……は、はい! ごめんなさい……」

あかり(やっぱりなんだか様子がおかしいよね……心配だよぉ……)

ちなつ(これは……間違いなく何かあったわね。主にこの2人の間に)キュピーン

櫻子「っ……?!」ゾクッ

櫻子(何だか寒気が……。後ろの席から冷気が流れ込んできたような……ちなつちゃんから……?)

~昼休み~

櫻子「向日葵、それじゃ生徒会室に行こう」

向日葵「えっ……」

櫻子「その……あれの証人を先輩にお願いするって言ったじゃん」

向日葵「でもやっぱり……恥ずかしいよ……ですわ……」

櫻子「あーもー、こういうのはキッチリ決めとかないと駄目なの!」

向日葵「……さーちゃ――櫻子がそう言うんでしたら……」

櫻子「じゃあ行くよ? あ、あれはちゃんとクリアじゃないファイルに入れてあるから、見られる事は無いと思うし」

向日葵「気が利いてる……ますのね……」

ちなつ(証人……? ファイル……? まさか何かの事件にでも巻き込まれて……?!)

あかり「ち、ちなつちゃんの顔とかポーズとか、その他も色々と怖いよぉ……」

櫻子「あ、でも今日2年生は昼休みに何かあるって言ってたよね。あかりちゃん、何だっけ?」

あかり「えっ? あ、えーと確かお巡りさんが学校に来るって言ってたような……」

ちなつ(お巡り……って刑事が学校に来るですって?! 本格的に事件に匂いがするわね!)

櫻子「あ、そっか。防犯なんとかの説明とかだっけ?」

あかり「そうそう、そんな感じだったと思うよ~。私達1年生は明日みたいだね~」

櫻子「だってさ向日葵、昼休みは無理みたいだから放課後にしよう」

向日葵「うん……」コク

あかり(向日葵ちゃん、やっぱり元気無いなぁ)

ちなつ(これは結衣先輩にも伝えて、放課後監視するしか無いわね……)

~放課後~

櫻子「よしっ。向日葵、行くよ」

向日葵「うん――はい……」

あかり「あ、櫻子ちゃん、向日葵ちゃん、また明日ね?」

櫻子「えっ?! あ、う、うん! また明日!」

向日葵「ご、ごきげんようですわ……」

あかり「ひ、向日葵ちゃんがいつもより更に丁寧になってる……?」

櫻子「……さっさと行こうか」

向日葵「……」コクコク

ちなつ(よし……尾行開始よ……!)

~生徒会室~

櫻子「こ、こんちゃーす」

向日葵「し、失礼しますわ」

綾乃「あら2人共、何だか随分と久しぶりな気がするわね」

千歳「ほんまやわぁ、週末とお昼休みに会わなかっただけやのにねえ?」

綾乃「さて、今日の仕事もぱっぱと片付けちゃいましょうかしら」

櫻子「あ、あの!」

綾乃「? 何よ急に、びっくりするじゃないの」

千歳「何か偉く緊張しとるみたいやねぇ? 古谷さんも今日は何だかずっと下向いとるし……」

櫻子「せ、先輩方にお願いがありまして!」

綾乃「お願い? 何かしら」

千歳「お腹が減ってるから、綾乃ちゃんのプリンを分けて欲しいんとちゃうの? 歳納さんみたいに」

綾乃「だだだだ誰が歳納京子なんかにあげるもんですか! って、あ、もしかしてそれで古谷さん元気が――」

櫻子「全然違います」

向日葵「……」

綾乃「じょ、冗談よ。千歳が変な事言うから――」

千歳「もー、綾乃ちゃんも冗談が通じん人やな~」

綾乃「悪かったわね。で、話の腰折ってごめんなさい。お願いって何?」

櫻子「お願いは……その……これです!」サッ

綾乃「……?」

千歳「……?」

向日葵「……///」

櫻子「……///」

綾乃・千歳「へ……?」

~生徒会室前~

結衣「ちょ、ちょっとちなつちゃん押さないで……」

ちなつ「でも、早くしないと事件の一部始終を見損ねちゃいますよ?!」

京子「あーんちなつちゃーん、私も押してよー」

ちなつ「何言ってるんですか、京子先輩は勝手についてきたんじゃないですか。私、この事は結衣先輩にしか言ってませんよ?」

あかり「あのねっ! あかりも! あかりもいるよ!?」

ちなつ「あ、うん」

結衣「京子が呼んだの?」

京子「ううん」

あかり「えっ! さっき廊下であかり皆に誘拐されたよね?! ううん……あれは誘拐どころか拉致だよぉ……」

ちなつ「ちょっと、あかりちゃん黙ってて」

あかり「ガーン……」

ちなつ「とりあえず、扉に聞き耳を立てて……」

―――! ―――!

京子「どう? 何か聞こえる?」

結衣「ちょ、京子……! 顔近いって……///」

京子「ん? 結衣、何か言った?」

ちなつ「……京子先輩、場所変わりますよ。こっちの方がよく聞こえるでしょうから」

京子「え? ホント? わーい、珍しくちなつちゃんが優しい!」

結衣「……バカ」

あかり「あ、あかりもー! あかりも聞きたいよー!」

~生徒会室内~

綾乃「……これ……その……、婚姻……届……よね?」

櫻子「……はい」

千歳「あ、あはは……2人共、これはちょっと冗談きついで――」

櫻子「冗談なんかじゃありません!」

綾乃・千歳「「?!」」ビクッ

櫻子「あ、すみません……。で、でも、これは私達にとっては大事な事なんです……」

綾乃「ええと……きっとお役所はこれを受理する事は無いと思うけど……?」

櫻子「わかってます。これは記念みたいなものなんです」

千歳「詳しい事情はようわからんけど、2人共本気みたいやねぇ」

綾乃「ち、千歳……?」

熱烈支援

千歳「ええよ、ウチで良かったら書いたる~」

綾乃「ちょっと、千歳? 本気なの?」

千歳「勿論。綾乃ちゃんだって2人が真剣なのくらい、わかってるやろ?」

綾乃「う……ええまぁ確かに……。ていうか、あなた達いつの間にそんな関係になってたのかしら……?」

櫻子「えっと……昨日からです……」

綾乃「昨日からって……また随分と唐突ね……」

千歳(元々十分に、そういう関係やったと思うんやけどなぁ……。本人達が認めへんかっただけで)

櫻子「その……副会長にも書いて欲しいんですけど……」

綾乃「け、けどどうして私なの? 他に誰かいなかったのかしら……」

櫻子「私達の身近な人で、一番信用出来る年上の人で、丁度2人同時にいるっていうのが先輩達だったんです」

綾乃「なるほど……。証人は2人必要なのね……」

千歳「そやでー? 綾乃ちゃんの時は、うちが片方なったるから、もう片方の人ちゃんと探しておいてなー?」

綾乃「ちちちち千歳?! からかうのはやめて頂戴……!」

千歳「あはは、うち本気やで~?」

~再び廊下~

―――! ―――!

結衣(あれからどうなったかと思ってたけど、上手くいったみたいだ……良かったね、2人共)

ちなつ「婚……姻……届……っ?! な、なんて甘美な響きなの……!」

ちなつ「さあ結衣先輩! 今すぐ! 今すぐチーナと『婚・姻・届!』を提出しに行きましょう!」グイグイ

結衣「ちょっ……ちなつちゃん落ち着いて……!」

京子「そうだよちなつちゃん、落ち着いて私と出しにいこーよ!」ムギュー

ちなつ「丁重にお断りします」ペシッ

京子「ガーン……また振られた……」

京子「ん? 待てよ? そういえばつい最近どこかで婚姻届って聞いたような……?」

結衣(え……京子……記憶が……! や、やばい……///)

あかり「あかり……拉致された意味あったのかなぁ……」

~再び室内~

綾乃「はい、これでいいかしら」

櫻子「あの……ありがとうございました!」ペコリ

向日葵「ありがとうございました……」ペコリ

綾乃「い、いいのよ。でもここで必要以上にイチャつくのは厳禁よ? もし破ったら罰金バッキンガムなんだからね?!」


結衣『ぶふっ!』


綾乃「っっっ?!」

千歳「だ、誰かそこにおるん?!」

向日葵「えっ……? さ、さーちゃん……」ギュッ

櫻子「だ、大丈夫だよ、ひまちゃん……」ギュッ


京子『ゆ、結衣のおバカ! 何やってんのさ!』

結衣『だ、だって……罰金バッキンガムって……ぶふふっ!』

ちなつ『ま、不味いわ……早く離脱しないと……! でも腹筋崩壊した結衣先輩を抱えて逃げ切れるかしら……』

あかり『もう……私だって聞きたいって言ってるのにーーー!!!』

綾乃「い、いいのよ。でもここで必要以上にイチャつくのは厳禁よ? もし破ったら罰金バッキンガムなんだからね?!∵」

あかり『私も! 混ぜてよー!! えーーーい!!!』

京子『え、ちょ、あかりっ?! うわあ?!』

ちなつ『きゃあ!』

結衣『わわわっ!』


バターン…


千歳「な、なんや?! ド……ドアが……」

綾乃「けほっ……埃が……。って……歳納京子……とごらく部の……? アンタ達そこで何してるのよ……」

京子「げほっげほっ……。や、やあ綾乃ー! プリンあるかー?」

綾乃「無いに決まってるでしょ! あったとしてもこの状況じゃ絶対にあげないわよ!」

ちなつ「迂闊だった……まさかあかりちゃんがここまで行動力を発揮するなんて……」

結衣「げほげほ……。どうやら筆者は、最終回で更に酷い扱いを受けてたあかりにもちゃんと出番をあげたいみたいだからな……」

あかり「ご、ごめんなさ~い! ドア、すぐ直しますから……」

神に愛されたアッカリン

~10分後 ドアハメコミ済~

綾乃「――で、全部聞いちゃったってわけなのね?」

結衣「うん……ごめん2人共」

櫻子「い、いいえ! 船見先輩にはアドバイス頂きましたし、お陰でこうしてひまちゃ――向日葵と……///」

京子「ん? 結衣、いつの間にアドバイスなんてしてたんだ?」

結衣「えっ?」

京子「だって2人がそういう関係になったのって、昨日からなんでしょ? もしかしたら、昨日急遽結衣に相談したんじゃないかなーって」

結衣「うっ?!」

結衣(な、何でこういう時だけ無駄に鋭いんだよコイツは……!)

京子「ていうかさー、私、昨日の記憶が――」

結衣「と、とにかく! 2人共素直になれてよかったね!」

あかり「うん、おめでとうだよ。2人共、お似合いだと思うよ?」

ちなつ「おめでとう、先越されちゃったわね」

あかり「これで、今日2人の様子がおかしかった理由がやっとわかったね」

ちなつ「そういえばそんな事もあったような……」

千歳「それにしても、古谷さんはさっきからずっと下向いとるねぇ? そんなに恥ずかしいん?」

向日葵「……!///」

櫻子「じ、実は!」

京子「実は?」

櫻子「向日葵は!」

結衣「古谷さんは?」

櫻子「じゃなくて、ひまちゃんは!」

綾乃「うんうんひまちゃんは……って……ええっ?!」

櫻子「かくかくしかじか なわけでして……」

綾乃「ま、まさか古谷さんがキャラを作っていたなんて……」

結衣「うーん……まあ作るって言うか、段々と大室さんに合わせたような感じじゃないのかな?」

千歳「それならどっちかと言うと、相反する方向に行ったんやないの?」

京子「アニメでもよくあるよね! 似たもの同士が、それぞれ別の道を歩んで――」

あかり「きょ、京子ちゃん。それって、最後には大抵宿命のライバルになってたりしない?」

ちなつ「確かに2人はライバルだったけど、元々が似たもの同士っていう感じはしないわよね……」

結衣「むしろ、生い立ちの違う2人がライバルを経て、最後は共に戦うってシナリオのがしっくり来るんじゃないか?」

向日葵「あ、あの……」

櫻子「な、何か私達そっちのけで盛り上がってるね……」

結衣「で、婚姻届は無事書けたの?」

櫻子「……はい!」

京子「どうせなら私にも名前書かせて欲しかったな~」

向日葵「……駄目です……」ボソッ

京子「え?」

向日葵「さ、さーちゃんは先輩には渡せません……!」

京子「へっ?」

あかり「ちょ、ちょっと京子ちゃん!」

ちなつ「ま、まさか京子先輩は櫻子ちゃんの事も……。こっ、この変態! ケダモノ!! ロ○コン!!!」

綾乃「と……歳納京子……。アンタまさかそういう趣味が……?」

結衣「な、何とか言えって京子!」

千歳「歳納さん……いくら女の子同士でも、犯罪は犯罪やで……? ノータッチは鉄則や……!」

京子「ちょ、ちょっとちょっと……! 皆何勘違いしてるんだよ! 私は別に――」

櫻子「はっ、まさか……ひまちゃんのおっぱいを……」

京子「え?」

櫻子「ひまちゃんは私のです! どうしてもひまちゃんのおっぱいが欲しければ、私を倒していってからにしてください!!」キシャー

あかり「ちょ、ちょっと京子ちゃん!」

ちなつ「ま、まさか京子先輩は向日葵ちゃんの事も……。こっ、この変態! ケダモノ!! 巨乳好き!!!」

綾乃「と……歳納京子……。アンタまさかそういう趣味が……///」

結衣「な、何とか言えって京子!///」

千歳「歳納さん……そっちなら、タッチしてもええで~……///」ブシュッ

京子「何このデジャヴュ……無限ループって、恐ろしいよね……?」

京子「だから~、私はただ証人に名前を書ければと思って――」

綾乃「わかった! わかったから引っ付かな――あっ……べ、別に――」

結衣「ほ、ほら京子。綾乃も迷惑がってるだろ?」

京子「だって皆がー……」

あかり「ご、ごめんね京子ちゃん……」

ちなつ「私、無意識のうちに京子先輩に酷い事言ってた気がします……」

あかり(ちなつちゃん、あれ無意識だったの?! 怖い……)

櫻子「大丈夫、何があってもひまちゃんは私が守るから」

向日葵「え、ええ……あ、うん……」

千歳「」ドクドク

京子「と、言うわけで!」

綾乃「どういうわけよ」

京子「誓いのキスに移りたいと思います!」

櫻子「」

向日葵「」

綾乃「は、はああああぁぁぁぁっっっ??!!」

あかり「え、えええぇぇぇぇっっっ??!!」

ちなつ(まぁ付き合ってるどころか、結婚までしちゃう仲なら、それくらい当然よね……)

結衣「また悪ふざけして……。あのなぁ、婚姻届を提出するのと、結婚式はまた別物なんだぞ?」

京子「そうなの?」

結衣「大体この婚姻届だって、どこに提出するわけでもないし。2人共ごめんね、京子の奴がまた余計な事を――」

櫻子「や、やります!」

向日葵「やらせてください!」

結衣「……えっ……」

京子「おー、ノリがいいねぇ、じゃあさっそくここの窓をステンドグラスに見立ててーっと」

綾乃「え、ちょっと2人共、ホントにやる気?」

櫻子「は、はい!」

向日葵「さーちゃんとなら……いつでも……///」

櫻子「わ、私だってひまちゃんとなら……///」

結衣「ほ、本気だった……」

あかり「す、凄いね! あかりドキドキしちゃうよぉ……」

ちなつ(流石にこれは、私だってドキドキしちゃうわよ……)

京子「あ、会長さんは牧師さん役お願いね」

りせ「……」コクン

あかり「か、会長さん?! いたんだ……」

ちなつ「会長さんも、あかりちゃんには言われたく無いと思う」

あかり「ちなつちゃん……流石にそろそろ酷すぎない……?」

りせ「……」

京子(雰囲気! 雰囲気だよー!)

櫻子「えっとー……ち、誓います?」

りせ「……」

綾乃(相変わらず会長は何を喋っているかわからないわね……)

向日葵「誓います……///」

あかり「向日葵ちゃん……顔真っ赤だけど嬉しそうだよぉ……」

ちなつ「あれが向日葵ちゃんの本性……ちょっとかわい――」

櫻子「!!」キュピーン

ちなつ(い、今櫻子ちゃんの目が私を射抜いた……?!)

結衣「ち、ちなつちゃん大丈夫? 凄い汗かいてるよ?」

ちなつ「は、はい……」

ちなつ(今後は迂闊な事は言えないわね……)

京子「はいじゃーぶっちゅーっと行っちゃって!」

結衣「雰囲気とか言ってたのはどこの誰だ」

綾乃「まったくよ……せっかくの儀式が台無しじゃない」

櫻子「ひまちゃん……」

向日葵「さーちゃん……」

京子「はい! ぶっちゅー! ぶっちゅ――」ガシッ

結衣・綾乃((お前・アンタは少し、黙ってろ・なさい!!!))ドスッドスッ

京子「おおぼぼぼぼ……」ガクッ

櫻子「……」

向日葵「……」

あかり「わあ……///」

ちなつ「きゃっ……///」

結衣「うっ……///」

綾乃「こ、これは……///」

りせ「……///」

千歳「う…ううう……。うちは一体……はっ!」

櫻子「……ん」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「んん……」

千歳(あっ、あかん! 大室さんと古谷さんだってわかっとるのに! 眼鏡もかけとるのに!)

千歳(勝手に脳内で綾乃ちゃんと歳納さんにコンバートされてもーてる!! あはー……人生の最後に、いいもの見せて頂きましたー……)


ブシャー


……

…………

………………


櫻子(その後、池田先輩の鼻血で生徒会室が凄い事になり、気付いたらてんやわんやのうちにその日は過ぎていた)

櫻子(あの日以来変わった事といえば、私と向日葵――ひまちゃんと、仲のいい友達・先輩との付き合い方が、ほんの少し変わっただけ)

櫻子(あ、それともう1つ変わった事といえば――)

向日葵「櫻子! おはようですわ」

櫻子「あ、ひまちゃ――今日は向日葵なんだっけ」

向日葵「今日はってなんですの? 私はいつでも古谷向日葵ですわ」

櫻子(どうやら古谷向日葵は、ひまちゃんの時と向日葵の時を使い分けるようになったってことかな)

向日葵「さて櫻子。今日の英語のテスト、負けた方が1週間相手の言う事を聞く罰ゲームでしたわよね?」

櫻子「げげっ、そうだっけ?!」

向日葵「あなた……自分で勝負を吹っ掛けておいて、忘れるなんてどういうことですの?」

櫻子「うう……そういえばそんな話もしてたような……」

向日葵「これでは勝負の結果が出る前に、私の勝ちは決まったようなものですわね」

櫻子「や、やってみるまで結果はわからないよ?!」

櫻子(こうやって、私と勝負する時は、主に向日葵になるらしい)

向日葵「そんなことより、早くしないと学校に遅刻しますわよ?」

櫻子「ええー? 起き上がるのが面倒だなぁ……」

向日葵「仕方ありませんわね……」

櫻子「ねえ向日葵、私の事引っ張っておこし――」

向日葵「ん……」

櫻子「……っっ?!」

向日葵「……///」

櫻子「……ひ、向日葵……? あれ……今はひょっとして、ひまちゃん……?」

向日葵「ららら、ライバルがこうだと張り合いがないので! おおおお、お目覚めのキスですわ! どう?! 少しは気持ちよく起きれて――」

櫻子「んちゅー」ガバッ

向日葵「んんんっっっ?! さ、櫻子……何を……」

櫻子「へへー、ひまちゃん大好きー♪」

向日葵「な、櫻子……ちょっと……おやめなさ……やめ……ホントに……」

櫻子「ひまちゃんちゅっちゅー」

向日葵「や……めて……ぐす……さーちゃん……ひっく……」

櫻子「あ……ご、ごめん……」

向日葵「うう……こんなの……負けた気がして許せませんわ!!」ガバッ

櫻子「えっ?!」

向日葵「さあ、さーちゃん! 今度は私からですわよ?!」

櫻子「ちょ、ま、先攻は向日葵だったんじゃ――!」


櫻子(こんな感じで、大抵毎日2人して遅刻してる。そろそろ先生の目が痛い……)

櫻子(まったく、向日葵のせいで私まで遅刻する羽目になるなんて)

櫻子(まったく、向日葵は、ひまちゃんも、ホントにホントーにまったくだよ!)

向日葵「櫻子、英語のテストいかがでしたの?」

櫻子「……48点」

向日葵「あら、まったく勉強してない割には頑張ったんですのね? それでも負けは負け、私は86点でしたわ」

櫻子「ちくしょー! また負けたー!」

向日葵「では1週間、私の言う事を聞いて頂きますわよ?」

櫻子「はいはい、何でも聞けばいいんでしょー?」

向日葵「で、では……」コホン

向日葵「い、今から一週間、どっちの私のときでも……さ、さーちゃんの時のように接してくれる……かしら?」

櫻子「へ?」

向日葵「や、やっぱり嫌でした?」

櫻子「……全然! 向日葵!」ダキッ

向日葵「ちょ、ちょっと櫻子?!」

櫻子「さーちゃんだって、向日葵が言ったんだよ?」

向日葵「……そ、それなら私だって、ひまちゃんですわ……」





櫻子「ふふっ……ひまちゃん♪」



向日葵「さーちゃん……♪」



櫻子・向日葵「「大好き!!!」」









これで終わりだ!

おまけ

綾乃「千歳が入院してからこれで5日、明日退院だなんて早いものね~」

京子「そういや先週の日曜日なんだけどさー」

結衣「う、うん……なに?」ギクッ

京子「いやー、記憶が無くなってるって言ったじゃん? その後体のあちこちに違和感があってさ~」

結衣「そ、そうか。大丈夫か……?」

京子「あ、何か耳たぶに変な跡がついてたんだよね~」

結衣「へ、へえ……そうなんだ……」

京子「あとさ、首筋にも謎の痣が沢山出来ててさ~」

結衣「そ、それは恐ろしいな~……」

綾乃「船見さん……ちょっといいかしら……?」ゴゴゴゴゴゴ…

結衣「綾乃……さん……?」

京子「どったの綾乃? 私も――」

綾乃「あなたは ここで 待っていて 歳納京子 ?」

京子「――ハイ」

綾乃「単刀直入に聞くわ。あなた、歳納京子に……何かしたわね……?」

結衣「えっ……そ、そんなわけないじゃんか……! あはは、綾乃ったら――」

綾乃「誤魔化さないでいいのよ。そんな嘘、通じるわけ無いって、船見さんならわかるでしょう?」

結衣「……う、うん……ごめん……」

綾乃「まったく……。しかも歳納京子に覚えが無いって事は、寝てる間に何かしたんでしょう? 一応聞いてあげるわ、何をしたの?」

結衣「ええと……み、耳たぶの甘噛みと……首筋に……その……キスを少々……ハハ……」

綾乃「」

結衣「おーい……綾乃さーん……?」フリフリ

綾乃「! なっ、なんて破廉恥な! 船見さんって案外不潔だったのね!」

結衣「ふ、不潔って……ちょっと傷付くな……」

綾乃「こ、この際だからもうはっきりさせましょう! どちらが歳納京子に相応しいか、本人に選んでもらうのよ!」

結衣「え? ほ、本気で?!」

綾乃「本気も本気よ! あなたみたいな不潔な人に、歳納京子は任せておけないわ! さあ、そうと決めたらすぐに歳納京子の元に戻るのよ!」

綾乃(と、とうとう私にもこんな勇気を出せる日が来たわ!)

綾乃(これも、1年生コンビのラブラブぶりを毎日見せ付けられた影響かしらね……千歳の犠牲に感謝しなくっちゃ)

結衣「でも、本当にいいの?」

綾乃「何がよ?」

結衣「正直言って、京子は私無しじゃ生きられない体なんだけど……」

綾乃「」

結衣「あれ……? 綾乃さーん……またですかー……?」フリフリ

綾乃「! 不潔! 不潔よ! 不潔ここに極まれりね!」

結衣「い、いやそういう意味で言ったんじゃなくて……その、食事とか生活の事だよ……」

綾乃「えっ?! あ、ああそう、そういう事だったの……」

結衣「でも、だからって綾乃に勝ち目は無いと思うし、このままの友人関係を続けても私は――」

綾乃「あら、でも私がさっきの事を歳納京子に言ったら、どうなるかしら?」

結衣「……!!」

綾乃「安心して、私はそんな卑怯な事はしないわ」

結衣「綾乃……」

綾乃「そもそも、……あんな事を……それも寝ている間にする船見さんなら、例え歳納京子が今はあなたを選んだとしても、すぐに私の所に泣きついてくるに決まってるわ」

結衣「……」

綾乃「あなたこそ、逃げ出すなら今のうちよ?」

結衣「いいよ……いずれこんな日が来るかも、って思ってた。こういうのは逃げちゃいけない」

綾乃「流石ね、それでこそ私の真のライバルよ」

結衣「はは……京子とのライバル関係は、完全に茶番だったものね」

綾乃「茶番とは何よ! 私、あれでも相当に真剣だったのよ?」

結衣「知ってるって、綾乃がいつでも一生懸命な事くらい。私みたいにだらだら京子に振り回されてる人間とは、全然違うタイプだって」

結衣「でも私、綾乃のそういう所、好きだよ?」

綾乃「えっ……?」

結衣「うん、嘘じゃないよ」

綾乃「わっ……わわわわ私も船見さんの……そういう正直な所……嫌いじゃないわ……///」

結衣「……はは、ありがとう。あ、京子の所まで戻ってきちゃったね」

綾乃「……そうね」

結衣「綾乃、最初に言っておくけど、どっちが勝っても恨みっこ無しだよ」

綾乃「わ、私は負ける心配なんかこれっぽっちもしてないけど。もし、万が一負けた時の事を考えるんであれば、あなたを恨みなんかしないって誓うわ」

京子「お~い! 結衣~! 綾乃~! 一体何があったんだ~?」

結衣「それより京子、お前にどうしても聞きたい事があるんだ……」

京子「? なに? 急にあらたまって、どしたの?」

綾乃「そ、それより! ちゃんと正直に答えなさいよね!」

京子「しょ、正直も何も、まだ何も聞かれて無いから答えようが無いんだけど……」

結衣「じゃあ、聞くぞ……? 京子、お前は――」

綾乃「じゃあ、聞くわよ……? 歳納京子、あなたは――」


結衣・綾乃「「私達の、どっちが好き?!」」


京子「……へ?」

京子「なに? どしちゃったの2人共……なんかの心理ゲーム?」

結衣「いいいいいから早く答えろ!」ガシガシッ

綾乃「そそそそそうよ! 早く答えなさい!」ユサユサユサユサ

京子「わ~あ~あ~ふ~た~り~と~も~す~き~だ~よ~~~」グワングワングワングワン

綾乃「ちょっと! それじゃあ意味無いのよ!」

結衣「そうだぞ京子! どちらか1人を選ばないといけないんだ!」

京子「だ~あっ~て~ふ~た~り~と~も~し~ん~ゆ~う~だ~し~」

結衣「ち、違うんだ京子……。こここここれはだな……?」

綾乃「そそそそそうなのよ……。これはその……」

結衣・綾乃「「恋愛的な意味で、どっちが好きかって聞いてるの!!」」

京子「……恋……愛……?」クラクラ

結衣「そ、そうだ、恋愛だ」

綾乃「そ、そうなの、恋愛なの」

京子「えーっと……それは完全に2択限定……なの……?」

結衣・綾乃「「??」」

!?

結衣「もももももっもしかしてお前!」

綾乃「ほほほほほっ他に好きな人とか!」

京子「他? 他って何? とりあえず、好きな人ならいるけど」

結衣「そっ、そうかちなつちゃんだな! 京子! 私と来れば、一緒にちなつちゃんを愛でる事が出来るぞ!」

綾乃「船見さん?! ずっ、ずるいわよ! 歳納京子! あなたの好きな人って、もしかして……千鶴さんじゃないの……? それなら、お姉さんの千歳と仲がいい私の方が……」

京子「ん~とね、私の好きな人はね――」

結衣・綾乃「「すっ、好きな人は……?!」」

京子「えへへ……実は……あかりだよん♪」

結衣「」

綾乃「」

結衣・綾乃「「……………………………………………………は?????」」

京子「わー言っちゃった! 恥ずかしい!///」

結衣・綾乃「「……………………………………………………は?????」」

結衣「お、おい京子……ちょっと待て……。あかりって……あの……あかりか……?」

京子「? あかり以外にあかりがどこにいるのさ、変な結衣」

綾乃「赤座さんに負けた赤座さんに負けた赤座さんに負けた赤座さんに負けた赤座さんに……」ブツブツ

京子「綾乃ー? どうしたんだろ? 固まっちゃってるなぁ」

結衣「な……んで……あかり……なんだ?」

京子「んーとね。可愛いし、優しいし、気が利くし、頑張りやさんだし、いい子だし、後いい子だし」

結衣「えっと……」

京子「まぁ好きになっちゃった理由なんて、そんなに細かく言い表せないよね。というわけで、これからあかりに告白しに行こうと思いまーす!」

結衣「は……?」

京子「千歳が退院してきた時に、もう1組カップルが出来てたら、凄く驚くでしょ? 驚かせたくってさ~、元々今日これからするつもりだったんだよね~」

綾乃「赤座さんに負けた赤座さんに……はっ! と、歳納京子! あなた、千歳を驚かせるために、いたずらしてるだけでしょ?!」

京子「え? やだなぁ綾乃。確かに千歳の退院を言い訳に使うなんて、よくないかもしれないけど……私だって、結構恥ずかしいんだよ……?///」

結衣「うっ……?!///」

綾乃「あっ……?!///」

京子「だから……恥ずかしいのを我慢する為にね、私の心の中でだけ、千歳にほんのちょっと力貸してもらうんだけど……やっぱり勝手には駄目かな?」

結衣「……ああっ! もうっ! 好きにして来い!」

綾乃「……そうよ、好きにしてくればいいのよ……」

京子「ホント?! って2人はついて来てくれないの……?」

綾乃「行かないわよ! そういうのは1対1でこそ意味あるものでしょ?!」

結衣「そうだよ、ちゃんとあかりと1人で向き合って来い! ちょっとだけ千歳の力を借りてな」

京子「う、うん……頑張る……。あ、でも2人の力も、今ほんのちょっと借りれた気がするよ?!」

結衣「そっか……頑張れよ」

綾乃「頑張りなさいよね……」

京子「うん! 2人共、ありがとね? 私、何だか絶対上手く行く気がするよ! じゃあ行ってくるね!」ダッ


綾乃「行っちゃったわね……」

結衣「そうだね……」

綾乃「どの口が1対1とか言ってるのかしらね……」

結衣「まったくだよね……」

結衣「はは、どうしよっか私達……」

綾乃「どうしようもないわね……。なんというか、ホントにこれが失恋だったのかしらね……」

結衣「でも、京子がああいう奴で助かったよ……」

綾乃「ああいう奴だから、私達も好きになっちゃったんでしょうね……」

結衣「なんか、無意味に清々しいな」

綾乃「そうね」

結衣「屋上でも行く? 今日晴れてたし、風も結構あった」

綾乃「もっと清々しくなりそうね。いいわ、付き合ってあげる」

結衣「ははは、それって嫌味?」

綾乃「ば、馬鹿ね! 特に深い意味は無いわよ!」

結衣「そっか……」

綾乃「そうよ……」

~ごらく部 部室~

あかり「京子ちゃんたち遅いな~」

あかり「ちなつちゃんは、今日はどうしても外せない用事があるって言って帰っちゃったし」

あかり「はっ……も、もしかして……あかり、また皆に忘れられて――」


京子「あっかりーーーーーーん!!!!!」ガラッ


あかり「はっ、はいっ?!」ビクッ

京子「あ、良かった……ちゃんといた……」ゼェゼェ…

あかり「きょ、京子ちゃん? どうしたの? 息荒いけど、走ってきたの?」

京子「う、うん……走ってきた……」ハァハァ……

あかり「えっと、どうして走ってきたのかな?」

京子「うんとね……? あかり、今から話す事、よく聞いてね……?」ヒューヒュー…

あかり「京子ちゃん……急に改まってどうしたの? ていうか、息ひゅーひゅー言ってるよ……? 苦しそうだけど、大丈夫……?」

京子「……!」コクコクコクコク

あかり「も、もしかしてまたあかりの出番が減るとか、そういう話……?」ウルウル

京子(……!! い、いけない! ここで怯んじゃ駄目だ! せっかく皆から力を借りてきたっていうのに……!)

京子「あ、あかrげふげふっ……!」

あかり「あっ、京子ちゃん! 大丈夫?! お水お水!」

京子「ふう……」

あかり「落ち着いた? もう京子ちゃん、びっくりさせないでよぉ?」

京子「ご、ごめんごめん……まさか自分でも、あんなになるほど全力疾走してたとは、思ってもみなくてさ……」

あかり「でも京子ちゃんが、それほどまでに急いでくる用事ってなんだろう? あかり、ちょっと楽しみだな~」

京子(……)スッ

あかり「あ、でもあんまり良い用事じゃないって事もあるよね。ごめんね? あかり、楽しみとか言っちゃった……」

京子「あかり」

あかり「? 京子ちゃん? なんで正座してるの?」

京子「えっと……その……だ、大事な話なんだ……」

あかり「よ、よくわからないけど、あかりも正座した方がいいのかな??」スッ

京子「あのさ……ええと……ううんと……」

あかり「大丈夫? もっとゆっくりして、ちゃんと落ち着いてからでもいいんだよ?」


京子(ああ……やっぱりあかりは……優しいよなぁ……)


あかり「お水、もっと飲む? ごめんね、お水しかなくて。実は麦茶もお茶の葉切らしちゃってて~、ちなつちゃん今日用事あっていないみたいだし――」


京子(あかりと居ると、穏やかな気持ちになるんだ。さっきまで心臓がバクバク言ってたのに――走ってたせいもあるけど――、あかりと居ると、こんなにも安心出来る)

京子(きっと、これから告白するっていう人間の心境じゃないよね、絶対。でも――)

京子(それでも、私はきっと自信を持って言えるよ、これが私の本当の気持ちだって。それを、皆の力をちょっとずつ借りて、後は全部私の力であかりに伝えるんだ)


あかり「――京子ちゃん? 聞いてる? もしかして具合悪いの? それなら早く――」


京子「あかり、ううん――」


あかり「?」



京子「赤座あかりさん、あなたが好きです、いいえ――」


あかり「――――」


京子「大好きなんです、だから――」


あかり「――――」


京子「もし、よかったら――」


あかり「――――」


京子「私と、お付き合いしてください――」


あかり「――――」


京子「お願い、します――」

あかり「……」

京子「……」

あかり「…………」

京子「…………」

あかり「あの……」

京子「……?」

あかり「…………ハイ///」

京子「え……」

あかり「その……私、まだお付き合いとかよくわからないんだけど……」

京子「う、うん……」

あかり「でも、京子ちゃんが、冗談なんかじゃなくて、本当に真剣にあかりの事を……その……『好きです』って言ってくれたのはわかったから……」

京子「う、うん……。あ、でも好きじゃなくて、その、大……好きなんだけど……」

あかり「あ、ご、ごめんね……? あかり、これじゃあちゃんと聞いてなかったみたいだよね……?」

京子「わ、私のほうこそ! 変に水差して……ごめん」

櫻子「なんだこれ」

スレタイに偽りなし

あかり「えっと……その……とりあえず……」

京子「う、うん……」

あかり「…………ハイ、お願いします……///」

京子「……」ポケー

あかり「ちょ、ちょっと京子ちゃん?!」ユサユサ

京子「……はっ?!」

あかり「もう、どうしちゃったの? 大事な話の途中だったんでしょ?」

京子「……ご、ごめん……なんか人間、嬉しいとかそういう気持ちが大きくなり過ぎると、ちゃんと処理できないみたいだよ……」

あかり「もう、京子ちゃんったら。あかりをほったからかしにして~」

京子「ごめんねあかり……。でも、これからは、絶対にほったからかしなんかにしないからさ」ギュッ

あかり「わわっ?! もう……約束だよ?」ギュッ

京子「え、えっとさ……」

あかり「うん……」

京子「私達って、とりあえずはカップル……になったんだよね……?」

あかり「え……? う、うん……多分……///」

京子「だったらさ……ひまちゃんと、さーちゃんみたいに……さ……」

あかり「えっ? えっ?! えええっ?! 流石にそれは……まだ恥ずかしいよぉ……」

京子「そ、そうだよね?! ごめんね……私いきなり変な事言って!」

あかり「で、でも……もうちょっと経ったら……いい……かも……なんて」

京子「ほ、ホント……? う、うん……じゃあ……もうちょっと経ったら……うん」

あかり「えへへ♪」

京子「ははっ♪」

~屋上~

結衣「晴れてるな」

綾乃「風が強いわね」

結衣「空が高いなー」

綾乃「雲の流れがはやいわねー」

結衣「ああもう……逆にやきもきしてきた!」

綾乃「そうね、まったくもって同感だわ!」

結衣「ようしこうなったら……スゥー――」

俺「なんだこれ」

結衣「京子のバカヤローーーーー!!!!!」

綾乃「っっっ……!! ……なんだ、船見さんも結局引きずってるんじゃないの……」

結衣「『も』って……てことは、やっぱり綾乃もか……。なら、吐き出しちゃいなよ」

綾乃「そうね、そうするわ……スゥー――」

綾乃「歳納京子のアホンダラーーーーー!!!!!」

結衣「っっっ……!! ……はははっ、綾乃は悪口のセンスがちょっと珍しいよね」

綾乃「そっ、そうかしら……?」

結衣「そうだよ」

綾乃「そうかもね」

結衣「ふふっ」

綾乃「ふふっ」





おまけ?もこれで終わりだ!


いやあよく考えてみれば、自分で立てたスレじゃないのよねこれ…。
ここまで保守してくれて、本当に感謝です。
昼の1時前からやってるとか、頭おかしいんじゃないか…?


おまけのおまけ、綾結はまた次の機会があれば。
ていうかいっそ書いちゃおうかと思ったんだけど、流石にそろそろ手の方が限界で…。
IDも変わるし丁度いいよね。


後、さくひまの最初の婚姻届を何故櫻子が奪ったか、の経緯についてとか、
完全に書くの忘れてました…。
長くなるの前提なら、ちゃんと書こうとしたことメモっとかないと駄目ですね…。

最後に…スレタイに戻るネタをヲチとして使おうと思ってたら、まさかの>>265->>267
そのネタが使われてしまったのが、大変ショックでした…。
ちくしょう! なんだこれ!


さて、明日は待望のBD&DVD第1巻と、さくひまのキャラソン発売ですね。
ていうか、これ書いてたから密林支払い行けなかったわwwwこれじゃあ明日届かないじゃんwww


あ、スレが落ちるまでSS内容なんかに質問があれば、受付てますよ。

ちなつとはなんだったのか

奪った経緯

sssp://img.2ch.net/ico/kuma-16.gif
良かったよ
またさくひまで頼む

>>265は俺だ
正直すまんかったと思ってる

>>285
ちなつはキャラとポジションが固定してしまっている分、扱い辛いんだなこれが…

>>286
結局スルーしちゃったので、kwskは考えて無いけど、単純に恥ずかしかったからとか程度の予定だったかと

>>287
正直さくひまはカップリングが完成されすぎてて、話広げるのが難しすぎるんだよね…

>>288
気にするな、俺は気にして…ないぞ…

お疲れ様でした
肩でもお揉みしましょうかオヤビン

>>289
謝れ!毎日毎日きっかり0:40にひまさくスレを立て続ける漢に謝れ!

>>291
正直肩より左手が…
後せっかくのこのスレで書くのが非常にアレだが、ずっと座りっぱなしだったので膀胱が痛い…

>>292-293
彼凄いよね、ちょっと尊敬するw
今スレ立てられないからこんなことになってるけど…

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