忍「ふん、まぁよい
ここははぐれたということにしておけば、お主が儂にドーナツを奢る口実になろう
光栄に思えよ？儂にドーナツを奢ることができるのはこの世でただ一人、我が主だけじゃ」

もこっち（回りくどいしゃべり方だな…
親の教育どうなってんだ）

もこっち（でも、子供相手なら普通にしゃべれそうだしちょっと付き合ってやるか）

もこっち「ド…ドーナツが好きなのかなぁ～…？」

忍「そう言っておろう
回りくどいやつじゃな」

もこっち「！？」

いらっしゃいませー

忍「おおー！秋の新作じゃ！
しかも何種類も！ぱないの！！」

もこっち「あぁ…こう見ると普通に子供だな」

忍「これと、これと、これと、これと……」

もこっち「ち、ちょっとー！あ…ぇと……」

もこっち（名前なんだっけ…）

忍「忍。忍野忍じゃ
何じゃ？儂に何か言いたそうじゃが」

もこっち「え～………ぁ～そにょ………」

忍「イライラするのう
はっきり言ってみろ」

もこっち「ぉ……お小遣いが………そにょ……残り、1000円………だから」

忍「あー、あーもうわかった！わかったからそのオドオドした態度をやめい！
まったく、我が主の無駄な自信を半分ほど分けてやりたい気分じゃ
いや待て。あの過剰なまでの自信家は一度鼻っ柱を折ってやった方が大人しくていいの
半分と言わず2/3ほど持って行くがよい
出血大サービスじゃ！かかっ！」

もこっち（う、うるせぇ…）

もこっち「ぇ、えーと…し、忍……ちゃん？
ど、どれにするか決めた…？」

忍「ゴールデンチョコレート
1000円分でな」

忍「うまい！」

もこっち（全部この幼女に…クソッ！クソッ！）

忍「どうした？食べんのか？」

もこっち「うえっ！？た、食べて…いいの…？」

忍「構わんぞ
ただし、手を出した瞬間肩から先が吹き飛ぶことになるがな」

もこっち（………何だろ？冗談に聞こえない…）

阿良々木「あー、いたいた」

忍「遅い。待ちくたびれたぞお前様よ」

阿良々木「いきなり飛び出していったのはお前だろ
………あー、えーと、どうもすみません
うちの忍が迷惑おかけして」

もこっち「へっ！？あ、あぁぁ～！い、いやいやいや…と、ちょ、ちょんでもございましぇん！！
へへへ…へへ…」

もこっち（な、何だ？こいつ、顔は普通なのに…
無駄にモテるオーラが出てやがる…！）

阿良々木「これ、たぶん足りると思いますけど」

もこっち「おぉぉー、お、お金なんて！しょんな！」

阿良々木「これぐらいはさせてください
ほら、忍
ちゃんとお礼は言ったのか？」

忍「調子に乗るな我が主よ
仮にも元吸血鬼の王である儂が、今さっき知り合ったばかりの人間なんぞに頭を下げられるわけがなかろう」

阿良々木「今さっき知り合ったばかりの人様にドーナツおごらせてんじゃねーよ！」