まどか「時代はさやほむだよ!」(184)
ほむら「…え?」
さやか「なんでだよ!なんであたしがほむらなんか!」
ほむら「そうよ、まどか。美樹さやかと私は犬猿の仲なのよ」
まどか「ちっち、甘いよ2人共!さやかちゃん、思い出して!」
さやか「え…?」
まどか「ほむらちゃんの事、『才色兼備な美少女。萌えか?そこが萌えなのか?』って言ってたよね?」
さやか「うっ、あ、あれは…」
まどか「本当は問題をすらすら解くほむらちゃんやブルマ姿のほむらちゃんを見て一目ぼれしたんだよね?」
ほむら「さやか、あなた…」
まどか「ほむらちゃんも思い出して!私がさやかちゃんのソウルジェムを投げ捨てた時、ほむらちゃん必死で追いかけてたよね?」
ほむら「そ、それは…」
まどか「投げた瞬間わき目も振らず駆け出したよね?拾ってきた後、さやかちゃんのソウルジェムを暫くしげしげと見つめた後、さやかちゃんの手に大事そうに握らせてたよね?」
ほむら「うっうう…嘘よ、わ、私はさやかの事なんて…」
まどか「素直になりなよ、2人共。本当は相思相愛のカップルなんだって認めなよ」
マミ「それは違うわ、鹿目さん!」
まどか「マ、マミさん!?」
マミ「鹿目さんは、究極の愛って何だと思う?」
まどか「究極の愛……。
ス、スカトロ、ですか……?」
マミ「普通なら廃棄されるだけのオシッコやウンチまでも
相手の物なら何でも愛することのできるスカトロ趣味。
確かに深い愛だわ。
だけどまだまだね。
鹿目さん、なぜ佐倉さんは人気があるのかしら?」
まどか「それは……。
さやかちゃんを助けようとしたから……ですか?」
マミ「それでは50点と言ったところね。
佐倉さんは懸命に美樹さんを助けようとした。
そして助けられないとわかると、美樹さんとあの世で結ばれようと心中した。
つまり佐倉さんは心中によって
美樹さんとあの世で結ばれることを願ったから人気なのよ」
まどか「な、なるほど。
さすがマミさん!」
ほむら「いいえ、まどか。
巴マミの論理はおかしいわ」
ほむら「確か巴マミは究極の愛は何かと言う質問をしたはず。
でも佐倉杏子が人気である理由と、
究極の愛とやらがイコールで結ばれることはないわ」ファサ
マミ「あなたは何もわかっていないようね。
あんさやが世間的に認められるようになったのは
佐倉さんが美樹さんと心中したからよ。
つまり心中によって
あんさやは絶対的とも言える地位を占めることができたのよ」
ほむら「……何が言いたいのかしら」
マミ「つまり!
みんな死ぬしか無いじゃない!
とりあえず暁美さんのソウルジェムを砕いておけば、
マミほむのフラグ。
それを鹿目さんに邪魔されて、
逆に割られればまどマミのフラグ。
二度とカップリングでぼっちになることもない。
もう何も怖くない!」
何故誰も書かない
さや
☆
ほむら「…誰が認めるもんですか…こんな魚女」
さやか「はぁ?あんたには言われたくないわ変態ストーカーが」
まどか「二人とも!」
さやか「まどか…やっぱおかしいって」
ほむら「そうよ、こんなやつと相思相愛だなんて冗談はよして」
まどか「…でも…二人ともお互いのいいところだって知ってるはずでしょ…?」
ほむら「わたしが美樹さやかのソウルジェムを追いかけたのは後々面倒になりそうだったからよ、他に理由なんてないわ」
さやか「あたしだってこんなやつ興味ないっての」
まどか「そんな…」
さやか「そういうわけだから、もう顔見せてこないでね」
ほむら「ふん、こっちの台詞よ」
まどか「行っちゃった…二人とも仲良くすればいいのに…」
まどか「わたしはただ…ほむらちゃんとさやかちゃんがいちゃいちゃしているところが見たいだけなのに…」
まどか「どうにかして二人をくっつけないと…」
まどか「最悪恋仲まで行かなくてもいい、二人が仲良くなってくれたらうれしいな」
まどか「…でもどうすればいいかな…うーん」
まどか「…明日になったら考えよう」
―――
まどか「…杏子ちゃんに協力してもらうことにしよう」
まどか「もしだめならマミさんに協力してもらう」
まどか「他力本願だけどいいよね」
まどか「すべてはさやほむのいちゃいちゃを見るため…!」
まどか「…それで、杏子ちゃんは…あっ、いたいた」
杏子「……」パチパチ
まどか「カエルを串刺しにして焼いて食べようとしてる…」
杏子「…おっ、まどか」
まどか「おはよう杏子ちゃん…えっと…それ…」
杏子「苦手ならそっぽ向いてたほうがいいぞ、ちょっとあれだから」ガリガリ
まどか「うわぁ…」
杏子「げっぷ、ごちそうさま…ところでお前、なんか用があって来たんだよな?」
まどか「あっ、うん…まぁね」
杏子「何の用だよ?」
まどか「えっと…さやかちゃんとほむらちゃんのことで相談があって」
杏子「あいつらがどうかしたのか…?って、立ち話もなんだしうちにこいよ」
まどか「うちって…?」
杏子「ほらあるじゃんあれ、橋の下」
まどか「…だ、段ボールハウス…!」
まどか「…かくかくしかじかしかくいむーぶ」
杏子「なるほど」
まどか「…伝わったの?」
杏子「…伝わった」
杏子「要するにお前はほむらとさやかが犬猿の仲なのをなんとかしたいんだろ?」
まどか「うん」
杏子「で、その方法を考えるからあたしにも手伝えってことだろ」
まどか「杏子ちゃん、思ってたよりも頭いいんだね」
杏子「どういう意味だ」
まどか「そのまんまの意味」
杏子「てめぇ…」
杏子「…まぁいいや、それよりほむらとさやかを仲良くさせる方法だったな…」
まどか「愛嬌と度胸のタフガールだね杏子ちゃん」
杏子「お前も考えろよ!」
まどか「そんなこと言ったってあの二人の仲の悪さは尋常じゃないよ」
杏子「…まぁ、確かに」
まどか「どうすればいいんだろ…」
杏子「…あいつらが二人っきりになるような状況を作ってみればいいんじゃないか?」
まどか「それってつまり…?」
杏子「そういう状況を意図的に作り出すってことさ」
まどか「罠にはめるんだね」
杏子「それはなんか違う気がするけどな、まぁそんな感じか」
まどか「ナイスアイデアだよ、さっそく計画を練ろう」
―――
ほむら「…まったく、まどかも変なことをいうものね…」
ほむら「誰があんな足手まといと一緒になんか…」
ほむら「…思い出したら気分が悪くなってきたわ、さっさと家に帰ってQBを射殺しましょう」スタスタ
さやか「…まったく、まどかのやつ…なんてこと言い出すのよ」
さやか「誰があんな得体のしれないやつと一緒になんか…」
さやか「…思い出したら気持ち悪くなってきたよ、さっさと家に帰ってQBを切り殺そう」テクテク
ほむら「…あっ」
さやか「…あ…」
ほむら「……」
さやか「……」
ほむら「…あなた、家はこっちだったかしら?」
さやか「…あんたに教える義理はないわ」
さやか「ていうか、そういうあんたこそなんでこんなところに…」
ほむら「…あなたに教える義理はないわ」
さやか「……」
ほむら「……」
さやか「顔見せんなって言ったよね」
ほむら「そうね」
さやか「なんでいんのよ」
ほむら「別にあなたに会いに来たわけじゃないわ」
さやか「……」
ほむら「……」
さやか「ただの偶然ってだけ?」
ほむら「当たり前でしょ?」
さやか「……」
ほむら「……」
さやか「…あっそ」
ほむら「じゃあね」スタスタ
さやか「…ふん」テクテク
―――
杏子「まずあたしがさやかを、あんたがほむらをそれぞれ違う場所に誘う」
まどか「そしてそのあと、二人を同じ場所まで誘導して…」
杏子「タイミングを見計らって逃げ出し二人きりにする」
まどか「完璧とはいかないだろうけどいい作戦だよね」
杏子「ああ…ほとんどあたしが案を出したんだけどな…」
まどか「杏子ちゃん大好き!」
杏子「くっつくなよ、暑いわ」
まどか「それはともかく、作戦決行は?」
杏子「明日、学校か…それともどこかの遊園地とか公園とかか」
まどか「公園にしよう、どっか広いところ」
杏子「よし、わかった…それじゃあ明日に備えてもう寝るわ」
まどか「もう寝るの!?…じゃあ、わたしはいったん帰るね」
杏子「ZZZZ」
まどか「もう寝てる…」
―――
まどか「…学校終わった…」
ほむら「……」スタスタ
まどか「あっ、ほむらちゃん発見」
まどか「おーい、ほむらちゃーん」タタタタ
ほむら「…まどか」
まどか「ほむらちゃん、今日この後時間ある?」
ほむら「ええ、まぁ…」
まどか「じゃあさ、一緒に公園行こうよ、××公園」
ほむら「公園?…構わないけど…」
まどか「決まりだね、ついてきて!」ガッ
ほむら「あっ…引っ張らないでいいわよ、ちょっ…」
―――
さやか「あー疲れた…さっさと帰ろう仁美…」
仁美「はい…と言いたいのですが…まどかさんは…?」
さやか「…あれ、本当だ…さっきまで自分の席にいたのに…」
仁美「…あっ…今思い出しました…今日はわたくしお稽古が…」
さやか「本当?まぁ仕方ないか…じゃあね、仁美」
仁美「はい…申し訳ございません…失礼しますわ」
さやか「ばいばーい…さて、まどかを探さないと…」
杏子「…あっ、いたいた…おーい、さやかー」
さやか「あれっ、杏子…なんでここに?」
杏子「いやー…たまたま通りすがっただけなんだけどさ、さっきまどかと会って」
杏子「今日はほむらと帰るから先に帰ってていいよ、って言ってた」
さやか「ほむらと…?なんであんなのと…」
杏子「…そういえばお前、いつも一緒にいるわかめみたいなやつはどうした」
さやか「わかめとか言うな!…仁美ならお稽古があるって行って帰ったけど」
杏子「じゃあお前今日一人か」
さやか「…何よ、悪い?」
杏子「悪いなんて言ってねぇよ、お前さえいいなら一緒に帰ってやってもいいけど」
さやか「えっ…」
杏子「…なんだ、悪いのかよ」
さやか「…そんなこと言ってないっての…帰ろ」
杏子「…おう」
―――
まどか「着いた着いた、やっぱ広いねーここ」
ほむら「そうね…着いたはいいけど何をするの?」
まどか「…杏子ちゃんはまだ来てないか…」
ほむら「え?」
まどか「あ、ううん、なんでもない」
まどか「そうだねー…あっ、あのベンチでおしゃべりしようよ、おしゃべり」
ほむら「ふふ、ええ…いいわ」
まどか「ありがとー、じゃあ行こう?」
ほむら「ええ」
―――
杏子「おいさやか、寄り道していこうぜ」
さやか「寄り道って…どこに?」
杏子「ほら、あのでっかい公園」
さやか「いいけど…なんで?」
杏子「いや…別に理由はないけど」
さやか「ふーん…まぁいいや、行こ」
杏子「おう!」
―――
まどか「…それでね、マミさんってばロッソ・ファンタズマー(キリッなんて言っちゃって」
ほむら「巴マミらしいわね…」
まどか「…ねぇほむらちゃん」
ほむら「?」
まどか「ほむらちゃんはどうしてあんなにさやかちゃんと仲が悪いの?」
ほむら「……」
まどか「もちろんさやかちゃんにはだめなところもいっぱいあるけど」
まどか「いいところもいっぱいあるんだよ?」
ほむら「たとえば?」
まどか「たとえば…うーん、かわいいところとかかっこいいところとか優しいところとか明るいところとか!」
ほむら「…それは思わなくもないけれど…」
まどか「でしょ?だったら――」
ほむら「…彼女の場合、いいところよりも悪いところのほうが目立つのが問題なのよ…」
まどか「……」
まどか「じゃっ、じゃあさ!えっと…もっとさやかちゃんのいいところを見るようにしてあげてよ、ねっ?」
ほむら「…やれるだけならやってみるわ…」
まどか「…そんなに難しいことなの…?」
ほむら「残念ながら…」
まどか「…うぅ…」
まどか(これだと思ってたよりもさらに骨が折れそうかな…)
まどか(…まあいいや、作戦を次のステップに進めよう…)
―――
杏子「さやかー、早く登ってこいよー」
さやか「誰が登るか!もう中学生だってのに滑り台でなんか遊ばないわよ!」
杏子「ちぇっ…たまには悪くないと思うけどなぁ」シャーッ
さやか「ちょっ…バカ!滑り台の下にいるのに滑ってくるな!ぶつかる!」
杏子「ちっ…かわされたか」
さやか「当てようとしてたのかよ…最低」
杏子「なんだよ、ちょっとしたジョークみてーなもんだろうが」
さやか「本当に当たってたらジョークじゃすまないっつーの!…ったく、危なっかしい」
杏子「あはは、悪い悪い」
さやか「はあ…もう疲れるわぁ…」
杏子「あっ、そういえばあんたさ、ほむらのことどう思ってんの?」
さやか「知ってんでしょ、あんな奴大嫌いだって」
杏子「…やっぱりか…」
さやか「やっぱりよ」
杏子「なんでそんなにほむらのことを嫌うんだ?」
さやか「なんでって…いかにも怪しいし態度も気に入らないし」
さやか「そもそもあっちから悪態突き始めたんだから当然でしょ」
杏子「あー…そういえばそうだったな…」
杏子(なんか話がこじれ始めたけど…そろそろ頃合いか…)
杏子「…なあ、さやか…あの池のほうに行ってみないか?」
さやか「いいけど…今度は釣りでもすんの?」
杏子「アホか、公園の魚まで釣ろうとするほど生活に困ってねーよ」
さやか「ジョークだって」
杏子「わかってるよ…」
―――
まどか「ほむらちゃん、あの池の近くでお散歩しよう」
ほむら「唐突ね…構わないけど」
まどか「これがうまくいけばほむらちゃんとさやかちゃんのいちゃいちゃしているところが見れるかも…」
まどか「…ああっ、だめだ、よだれが…」ジュルッ
ほむら「…ま、まどか…?」
まどか「…はっ、いやいやいやなんでもないよ、行こ行こ?」
ほむら「えっ…ええ…」
―――
まどか「着いた」
ほむら「きれいな池ね…」
まどか「お魚がいっぱいだよほむらちゃん」
ほむら「そうね」
まどか「あっ…喧嘩し始めちゃった…」
ほむら「…すぐに仲直りするでしょう」
まどか「喧嘩するほど仲がいいって言うしね?ウェヒヒヒヒ」
ほむら「…はっ」
まどか「ほむらちゃん、わたしはあっちのお魚見てくるよー」
ほむら「あっ…っ…」
―――
杏子「着いたぞ」
さやか「きれいだねー」
杏子「あの魚焼いて食ったらうまそうだな」
さやか「…さっき自分でなんて言ってたか思い出してみなさい」
杏子「ジョークだって」
さやか「ああーめんどくさいやつだなーもー!」
杏子「そっくりそのまま返してやるよ…」
さやか「なんだとー?」
杏子「うっ…なあさやか…なんか腹痛くなってきた…昨日のカエル食ったのが当たったのかな…」
さやか「あんたカエルなんて食べたの…?」
ほむら「行っちゃった…」
さやか「行っちゃった…」
ほむら「…あれ?あの青いのって…」
さやか「…ん?なんだあの黒いの…」
ほむら「…さやか?」
さやか「…ほむら?」
ほむら「……」
さやか「……」
―――
まどか「…二人ともうまくいくかな…」
杏子「さぁ…どうだろうなぁ…」
まどか「…杏子ちゃん、昨日のカエルで当たったって本当なの?」
杏子「…嘘に決まってんだろ…」
まどか「そっか、それならいいんだけど…」
杏子「……」
―――
さやか「…またかよ」
ほむら「……」
さやか「なんであんたがここにいんのよ」
ほむら「こっちのセリフよ」
さやか「あたしは杏子と一緒にここに…」
ほむら「わたしはまどかに引っ張られる形でここに…」
さやか「…まどかに、って…あれ…なんか混乱してきた…」
ほむら「あなたの混乱するさまを見ていたらなんだかこっちまで混乱してきたわ…」
さやか「…えっと…だってほむらはまどかと一緒に帰ったはずで…でもあたしは杏子に連れられてここに来たわけで…」
さやか「…どういうこと…」
ほむら「偶然…?」
さやか「違う気がする…」
―――
まどか「どうしよう杏子ちゃん…なんか二人ともすっごく混乱してるみたいだよ…?」
杏子「混乱させるようなことしたつもりはないんだけどな…どうするか」
まどか「…もうちょっと様子見しよう」
杏子「…たしかにそのほうがいいか…」
―――
さやか「…もしかしてわざとだったりしないかな…」
ほむら「…え…?」
さやか「まどかと杏子がわざとあたしたちを二人きりにしたって考えれば…」
ほむら「…ありえないとは言い切れないわね…」
さやか「…ばかばかしいや…帰ろう」
ほむら「そうね…まどかには悪いけどわたしもそうさせてもらうわ」
さやか「…じゃーな」
ほむら「……」
まどか「…あれ?」
まどか「…帰っちゃった」
杏子「作戦失敗か…」
まどか「…いや…まだ大丈夫…すぐ追いかけよう!」
杏子「…追いかけてどうすんだ?また失敗するかもしれないぜ」
まどか「……」
杏子「…まどか…」
まどか「…構わないよ…何度失敗したって変わらないよ」
杏子「…!」
まどか「わたしはただ…ほむらちゃんとさやかちゃんに仲良くしてほしいだけ」
まどか「二人ともお互いのことをよく知ってるんだよ、きっと仲良くしたいって思ってるに違いない…」
まどか「ふたりのいちゃいちゃしてるところを見てみたいのは確かだけど…」
まどか「わたしは…二人にいがみ合ってほしくない、仲良くしてほしい」
まどか「だから…まだ、諦められないよ…ごめんね」ダッ
杏子「…!まどか…!」
杏子「…待った」
まどか「…!」
杏子「…ったく世話が焼ける…けどあんた、自分のためだけに動いてたんじゃなかったんだな」
杏子「乗りかかった船だ、あたしも最後まで手伝ってやるよ」
杏子「…それにさやかとほむらが仲良くしてる絵面ってのも拝んでみたいしな、あははは」
まどか「杏子ちゃん…」
杏子「…その代わり、あとでポッキーおごってくれよ」
まどか「…うん、お安い御用だよ!」
杏子「…それじゃあ獲物が逃げないうちに追っかけるぞ!」
まどか「うん!」
―――
さやか「…なんか無駄に疲れちゃった…早く帰りたい…」
杏子「おーい!さやかー!!」
さやか「…杏子…なんてことしてくれたのよ、転校生とあんな強引に…」
さやか「…はぁ、これからはもうあんたにもほいほいついてったりしないから」スタスタ
杏子「…やっと追いついたんだ、逃がすかよ」
さやか「…えっ…」ガシッ
さやか「ちょっ…離して…」
杏子「…いつまでも意地張ってちゃ意味ねーだろうが!」
さやか「なっ…なんのことよ…」
杏子「…これはあたしとまどかのおせっかいだしエゴだけど…」
杏子「でも!…悪いことじゃないはずだ」
さやか「だから何の話…」
杏子「…さやか、ほむらときちんと話して仲良くしてやってくれ…頼む」
さやか「いっ…いきなり何…ちょっ…どういうことよ…」
―――
ほむら「はぁ…徒労だったかもね…頭痛がするわ」テクテク
まどか「待って…ほむらちゃーん!」
ほむら「…まどか?」
まどか「はぁ…はぁ…やっと追いついたぁ…」
ほむら「…今日はどうしてあんなことを…」
まどか「…はぁ…はぁ…ごめんね…ずっと勝手なことばっかりして…」
ほむら「……」
まどか「でもね…二人ともわたしにとっては大切な親友だから…」
まどか「…もう…喧嘩してほしくないんだ…」
まどか「ほむらちゃん…また勝手なこと言っちゃうけどさ…」
まどか「さやかちゃんと…どうにか仲良くしてあげられないかな…」
ほむら「……」
まどか「お願い…」
ほむら「まどか…」
―――
さやか「…わけわかんないわよ…どうしてそんなにあたしとあいつとの仲にこだわるの…?」
杏子「知るか…あたしが知るか!」
さやか「なっ…!」
杏子「あたしじゃなくてまどかに聞けよ…あたしはあいつに言い負かされただけさ」
杏子「ただ欲張りなだけなんだろうけどな…まぁ」
杏子「お前とほむらがいがみ合ってるのはあいつにとってつらいんだよ、きっと」
さやか「…あたしが…まどかを…」
杏子「…本当に仲良くできないのか?」
杏子「ほむらのこと…何も知らないわけじゃないだろ?」
杏子「まどかのためだし、お前のためだ…どうにかならないか?さやか…」
さやか「…そんなこと…言われたって…」
―――
ほむら「…あっ」
まどか「ジェムが光ってる…もしかして」
ほむら「…魔女の反応だわ…この近くね」
まどか「ほむらちゃん、普段よりも輝きが激しい気がするけど…」
ほむら「…本当だ…まずいわ、同じ場所に魔女の結界が…この場合三つ、固まって出現している…」
まどか「うそ…そんなことってあるの…?」
ほむら「ふつうは有り得ないけれど…この公園は広いし人もよく来る」
ほむら「負の情念がたまたま集まり重なったのでしょうね…」
ほむら「…とにかく、被害が広がる前に急がないと…!」ダッ
まどか「そ…そうだね…!」ダダッ
―――
まどか「杏子ちゃん、さやかちゃん!魔女の反応が!」
杏子「わかってる!今行こうとしてたとこだ」
さやか「……」
ほむら「美樹さやか…なにをぼーっとしているの?行くわよ」
さやか「…わかってるわよ…」
―魔女の結界内部―
マミ「…結界が密着しているせいか…使い魔まで強力ね…」ズドドドドド
マミ「魔力は温存しておきたかったけれど…やむを得ないわ」ガチャッ
マミ「ティロ…フィナーレ!」ズガアアアアアア
マミ「…一通り片付いたかしら…」
まどか「マミさん!」
マミ「鹿目さん…美樹さん、佐倉さん、暁美さん」
杏子「マミ、魔女はこの奥か?」
マミ「ええ…急ぎましょう」
マミ「ここよ…魔女のいる部屋」
杏子「もしかして三体まとめて同じ部屋にいたりするのか」
さやか「…もしそうだったらちょっときついかもね…」
ほむら「こっちは魔法少女が四人いるのよ?負けるはずないわ」
まどか「でも油断しちゃだめだよ?」
ほむら「ええ、それはわかっているわ」
マミ「準備はできた?飛び込むわよ」
ギイーッ
さやか「…!」
杏子「…予想通り…」
魔女A「」
魔女B「」
魔女C「」
ほむら「三体まとめて…ね」
マミ「…やるわよ?」
杏子「…っ!」コォォォ
まどか「あっ…!」
杏子「よし…この壁の後ろならよほどのダメージを受けない限りは平気だ」
まどか「ありがとう杏子ちゃん、無理はしないでね」
杏子「ああ、ポッキーのために戦ってやるよ!」ズダッ
マミ「佐倉さん!私たちは魔女Aを倒しましょう」
杏子「了解!一気に行くぜ!」
さやか「あたしは魔女Bか…ほらこっちだこっち!かかってきなさい!」
ほむら「魔女Cは私ね…行くわよ…」カシャンッ
まどか「みんな…頑張って…!」
―――
杏子「よっ…これでも喰らえ!」ズガッ
杏子は槍のチェーンを伸ばして相手を巻きつけ魔女を拘束し、相手の動きを止める
マミ「ナイス佐倉さん!行くわよ…!」
マミは動けない標的をめがけ、大量に呼び出したマスケット銃で一斉に攻撃する
魔女A「グォォォ…」
魔女が煙に包まれ、咆哮をあげる
杏子「…やったか!?」
魔女A「グォォ…」
杏子「くそ…まだ駄目か、しぶてぇな…」
マミ「フラグ立てないでよ佐倉さん…」
魔女の攻撃が炸裂する
杏子「うぐっ…!」
マミ「…この攻撃!並みの魔女よりもはるかに強力だわ…!」
杏子「くっ…結界が連なってるってだけでこうも強力だとは…!」
マミ「…でも…負けるわけにはいかないわ…」
杏子「ああ…まだ始まったばっかりだ!」ズダッ
―――
魔女B「……」
魔女の攻撃がさやかに降り注ぐ
さやか「ぅああっ!!!」
大きく吹き飛ばされるが、なんとか立て直して魔女に向かっていく
さやか「はぁっ…まだまだ…!おりゃああああああああああ!!!!!」
しかし、結界の連結により負の感情を共有している魔女相手にたった一人では歯が立たない
さやか「はぁっ…はぁっ…うわっ!」
魔女の連続攻撃は止まずにさやかを襲い続ける
さやか「いっ…!!」
そのまま攻撃され、杏子の張ったまどかの前の壁にまで吹き飛ばされてしまう
まどか「さやかちゃん!大丈夫!?しっかりして!」
さやか「…ああ…あたしは平気だよ…それよりさ」
さやか「あいつを倒す方法…教えてよ、まどか…」
まどか「えっ…?」
さやか「…大丈夫、難しいことじゃないよ…」
さやか「『さやかちゃーん頑張ってー』って…一言でも二言でもいいから親友からの激励があったら」
さやか「あんなのひとひねりだから」
さやか「ねっ?まど――」
魔女B「……」
さやかが言葉を放ちかけたその瞬間、魔女の攻撃がさやかを三度射抜く
まどか「さやかちゃ――」
無意識に出てきた親友の名前。魔女を倒すヒント。
だったら――
これに懸けるしかない。
まどか「さやかちゃん、頑張って!」
攻撃の後に舞った土煙を引き裂いて破り、青い閃光が巨大な魔女を貫いた
さやか「うぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおりゃああああああああああああああああああああ!!!」
魔女B「グァァァ…」
魔女は短い悲鳴をあげ、粉々に崩れ去った
まどか「…さやかちゃん…」
さやか「へへっ…ちょっと危なかったかもね…回復しとかないと…」
さやかの体力を魔法で回復し、減った魔力はグリーフシードで回復させる
杏子「ぐわあああああああああああ!!」
まどか「クロコダイ…じゃなくて杏子ちゃん!」
マミ「きゃあああああああああ!!」
さやか「マミさんまで…!」
まどか「どうしよう…ほむらちゃんも危ないのかも…」
さやか「……」
まどか「さやかちゃん…」
さやか「…ほむらを信じて杏子たちのところに行くか…」
さやか「…杏子たちより先にほむらと合流して戦って…そのあと杏子たちのところに行くか…」
さやか「…多分…選べるとしたらそのどっちかだよね…」
まどか「…さやか…ちゃん」
さやか「…よし…決めた」
さやか「…ほむら…もう少し待ってて」ダッ
まどか「さやかちゃん!」
―――
ほむら「…そろそろ時間停止が使えなくなりそうね…使えるとしたらせいぜいあと二回…」
魔女C「グァァァ」
ほむら「一気に攻めましょう…」
魔女の攻撃をよけつつ、移動するルート上に設置しておいたバズーカやマシンガンなどを拾い上げ
隙を見て反撃する
魔女C「グィィィッ」
ほむら「…ろくに傷一つつかないわね…」
ほむらの止まった一瞬を突いて、魔女の攻撃がほむらにヒットする
ほむら「うぅ…!!」
ほむらが壁のほうへ大きく吹き飛ばされ叩きつけられる
ほむら「くっ…時間停止…!」
残ったすべての武装を駆使して一気に相手を攻めたてる
魔女C「」
ほむら「…もう盾の中に武器は入っていない…これで倒せていなかったら諦めるしかないわね…」
時間停止が解除される
魔女C「……」
魔女C「…グ…オォオオ…!」
ほむら「……」
魔女は多少よろめきながらも立ち上がり、咆哮を上げ、ほむらをめがけて攻撃する
ほむら「……」
ほむら「…まどか…」
ほむら「…さやか…」
さやか「――呼んだ?」
ほむら「…!」
さやか「ずいぶんいい恰好じゃない…ほむら」
ほむら「……」
さやか「…なんだよその目…これでも助けに来たつもりなんだけど?」
ほむら「…あなたの助けなんて必要ないわ…」
さやか「……」
ほむら「…と言いたいところだけど…すこしきついわね…」
さやか「…じゃあ…はい、これ」
ほむら「…グリーフシード…?」
さやか「マミさんと杏子を手伝ってやっつけた魔女から出たやつ」
さやか「3対1なら楽勝だったよ」
さやか「まぁ、二人ともまどかと一緒に…先に戻ってもらったけど…」
ほむら「…じゃあ…なぜあなたはここに…?」
さやか「…いや…親友の頼みでね…聞かないわけにはいかないし」
ほむら「…ふふ…それなら…仕方ないわよね」
ほむら「…さやか」
さやか「んー?」
ほむら「…今まで…ごめんなさいね」
さやか「…先に謝らないでよ」
さやか「…こっちこそ…ごめん」
ほむら「…行くわよ、戦友」
さやか「オッケー…転校生!」
二人同時に飛び出し、魔女をめがけて一直線に攻撃する
ほむら「…さやか、こっちに来て」
さやか「なに、なんか作戦?」
ほむら「…手を」
さやか「…なんで?」
ほむら「いいから早く!」
さやか「わ、わかった!」ガシッ
ほむら「…時間停止…」カチッ
さやか「…うおっ…すっご…時間が止まってる…」
ほむら「決して手を離さないでね」
さやか「りょ…了解…」
ほむら「…何照れてるのよ」
さやか「てっ…照れてなんかないって!」
ほむら「…行くわよ…」
さやか「…う…うん…」
後は、ほむら「まどかルートも飽きたしたまにはさやかルートでも行こうかしら」
さやか「転校生ってホントにまどコンだよね」
ほむら「頭痛い…」さやか「お腹痛い…」
辺りかな?俺がまどかの百合に目覚めたのはさやかルートでも~のせい
二人で手をつないだまま結界を飛び回る
武装を失い攻撃のできないほむらの代わりにさやかが無数の剣で魔女をさまざまな方向から
攻撃していく
ほむら「…そろそろ時間が元に戻るわ」
さやか「せっかくだしさ、カウントダウンみたいなのしよう、かっこいいよきっと」
ほむら「…意味あるの、それ…」
さやか「いいからいいから!」
ほむら「…5」
さやか「4」
ほむら「3」
さやか「2」
ほむら「1」
さやほむ「「0」」
魔女「グァァァァァァァァ!!!!!!」
時間停止の解除とともに魔女の悲鳴が結界中響き渡り、魔女が爆散した
ほむら「…勝ったわね」
さやか「そうだね…」
ほむら「…さやかがいなければ確実にやられていたわ…ありがとう」
さやか「なっ…なんか…ほむらにお礼言われるのってすっごい変な感じ…」
ほむら「…悪かったわね」
さやか「ああもう、すねんなよー」
ほむら「すねてなんか…」
魔女の結界が消滅する
まどか「ああー!ほむらちゃん、さやかちゃん!」
杏子「無事だったんだな…よかった」
マミ「もう…心配したのよ?」
さやか「ごめんなさい、マミさん…杏子も、まどかも…」
まどか「…あれ?二人ともなんで手つないでるの?」
ほむら「…!」
さやか「はっ」
「そのCPでしか見ることができないシチュ」というものを重要視するべきだ
ただ仲良くするだけならどんなCPでもできる。
ゆえに、本当に好きなCPならそういうことを考えることは大切だぞ?
本当にそのCPが好きならなら少しは考えろよ
えらそうでごめん
ほむら「……」
さやか「……」
まどか「二人ともどうしちゃったんだろ…」
杏子「…多分照れてるんだろ、そっとしといてやろうぜ」
マミ「鹿目さん、目的が達成できてよかったじゃない」
まどか「…うーん…もうちょっとイチャイチャしてたほうがいいんですけどねぇ…」
杏子「…手つなぎ以上は今のあいつらじゃハードル高いだろ…」
まどか「…まぁ、二人とも仲良しならそれでいっか!」
ほむら「……」
さやか「……」
マミ「…いつまでそうしてるつもりなの…」
まどか「それにしてもびっくりしたよ…さやかちゃんが一人でほむらちゃんの所に行こうなんて言い出した時は…」
ほむら「…えっ?」
さやか「まっ…まどか…」
マミ「引き止めても勝手に突っ走って行っちゃって…」
杏子「あたしたちの手伝いはいらないなんて言い出しやがって」
さやか「…あーもう!そういうことは言っちゃダメなのにー!」
ほむら「まどかの頼みだから来たわけじゃなかったのね…」
さやか「…ったく…せっかく秘密にしようとしてたのに…」
ほむら「…ふふっ」
さやか「…なんだよ、なんかおかしいのか!」
ほむら「いえ…ありがとう、さやか」
さやか「…っ!」
マミ「あらあら」
まどか「ウェヒヒヒ」
杏子「……」ニヤニヤ
さやか「…ニヤニヤしながらこっちを見るなぁっ!!」
まどか「結構からかい甲斐あるね…さやかちゃんって」
さやか「そんなものなくていいよ…」
マミ「…あら…ソウルジェムが光ってる」
ほむら「昨日ほど強くはないみたいだけど」
杏子「あんなのが何度も出てきたら困るっての」
まどか「…さやかちゃん…ほむらちゃん、みんな…頑張って」
ほむら「ええ…行きましょう…さやか」
さやか「はいはい…わかりましたよ、ほーむらっ」
ほむら「…それじゃあ」
さやか「…行ってきます」
必ず、親友の待ってる場所に戻ってこられるように
必ず、親友の待ってる場所を守っていられるように
そのために…私たちは今日も、戦い続ける。
これからも…ずっと。
やっぱ何も考えずに乗っ取っちゃいけない
また改めてそう思った
一応ほむさや間の関係は友情どまりなんですけどもうちょっと進展させたほうが面白いのかな…
蛇足かな
>>169
確かにそう言われればそうですよね…ごめんなさい
でもあんまりそういうのを深く考えたことなかったからよくわかんないといえばよくわかんないな…
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません