恭介「人魚姫の物語」 (434)

自分にとって「大切な人」は誰かと考える事がある
ある人はそれは「恋人」だと言った。

僕にとっての志筑さんはそうだろうか。
復学して間もない頃彼女の告白を聞き。断る理由が無いから交際を始めている


ある人はそれを「親友」だと言った
医者に見離された怪我を最後まであきらめないでと励ましてくれた幼馴染の少女
僕にとってのさやかは「大切な人」なのだろうか



僕の腕が奇跡的に回復した事
またバイオリンが弾けるようになった事


自分勝手な僕でも感謝の気持ちを持つほどの余裕は出来た


3年生に進学する前の春休みに大型コンクールの参加が決まった


志筑さんはもちろん、さやかも招待しよう

そのためにも志筑さんには悪いけど今はバイオリンの練習に集中していたい



日々の練習で確実に以前よりも上達していくのがわかった
自分で言うのもなんだけど僕の将来は約束されていると自信が持てていた




だけど何故か「大人になる門」は硬く閉ざされている気がした。
コンクールの日でさえ、訪れることの無い遠い未来だと


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まどか☆マギカ 叛逆の物語を独自解釈した上で
後日談を書いてみようというSSです


上条恭介が主人公
恭さや、恭仁、その他恭介ハーレム要素注意


~校内~



仁美「上条君、今度の休日のご予定は・・・」


恭介「ごめん志筑さん。大事なコンクールのためにその日も練習に使いたいんだ」

さやか「む」



さやか「ちょっと恭介!あんたこの前もそんな事言ってなかった!?」

恭介「あの時はあの時でまたお世話になってる人が主催のコンクールだったんだ」


さやか「あんたね・・・仁美の気持ちも少しは考えなさいよ!」

恭介「今度のコンクールはあの世界的有名な音楽プロデューサージャニー北側が主催する物なんだ」



恭介「さやかも音楽をかじったことがあるなら名前くらい聞いたことはあるだろう?
他にもジャニー氏に目利きされたバイオリニスト達が参加する。絶対に手を抜けない戦いがそこにあるんだよ」


仁美「もうよろしいですわさやかさん・・・上条君の好きにさせてあげましょう」




恭介「それじゃあ僕は講師を待たせてるからこの辺で」



仁美「あっ」

さやか「恭介!まちなさ・・・」



仁美「・・・」

さやか「・・・」




杏子「なにしてんだよさやかー、さっさと帰ろうぜーまどかも待ってるぞー」

さやか「仁美、久しぶりにあんたも来る?」



~いつもの店(本編で仁美がさやかに宣戦布告した場所)~



仁美「もう私・・・上条君の気持ちがわかりませんわ」

仁美「いっその事・・・さやかさんが奪ってくれたほうが―」



さやか「おっと、そこから先は口に出さないほうが良いよ、仁美」


さやか「大胆な方法でいいのなら・・・恭介をモノにする可能性はまだあるんだよ」


仁美「大胆?」

さやか「恭介は・・・実は縞パンが好きだっていう未確認情報があってさ・・・アレ?誰に聞いたんだっけな?」


仁美「・・・!」

第一話「叶えたい願い」






恭介「さやかも志筑さんもちょっと束縛しすぎじゃないかな」

恭介「二人のためにもより良い音を聞かせたいって思うことがそんなに悪いことなのかな」



恭介「おかしいな・・・考え事をしてる時間が長い・・・とっくに公園を抜けてなきゃおかしいは・・・ず!?」




デェン!(魔獣結界)

恭介「な・・・なんなんだこれは・・・!?」



魔獣「ウォオオ・・・」


恭介「ひっ!?来るな!!来るなーっ!!」



魔獣「オオ・・・」(囚われる恭介)


僕にはそれが異質な存在だと言うことにすぐ気付いた
そして・・・彼らが捕食しようとしている「モノ」も


恭介「いやだ・・・こんな所で終わりたくない・・・」

恭介「僕は夢を叶えるんだ・・・より多くの人に・・・僕の演奏を・・・」




???「ティーロ!!」


バフン!

恭介「!?」


(魔獣が倒れて元に戻る風景)



恭介「元の公園だ・・・一体何が・・・」

???「大丈夫ですか?」



恭介「あ・・・あなたは?」

???(・・・!!)



???(この人・・・美樹さんの・・・)

???「今見たこと・・・誰にも言わないほうがいいわ。言った所で信じてくれないでしょうけど」

恭介「巴さん?三年生の巴さんですよね?」

マミ「!!私の事・・・」



恭介「さやかと仲の良い先輩だから知ってるんです。一体今・・・何が起きたんです?」

~恭介の自宅~


香月(バイオリン講師)「恭介君、なんだか音が乗ってる。ご機嫌だね」

恭介「はい。今、とってもときめいてます!」


香月「もしかして・・・彼女となにか良いこと(意味深)でもあったの?」

恭介「僕がときめいてるのは別の女性です!」




香月「え」



~次の日、昼休み~


さやか「私用?」

マミ「ごめんなさいね。ちょっと他の生徒と個人的なお話をしなければならないの」


マミ「今日の屋上は私のプライベートに使わせてもらえるかしら」

さやか「そうですか・・・じゃああたしらは自分の教室でお昼を」



杏子「さやか、まどか。早く飯にしようぜー」

まどか「あっ、杏子ちゃん待って」


仁美「さやかさん・・・上条君を見ませんでしたか?」

さやか「恭介?見てないよ」



仁美「さやかさんにアドバイスを頂いて大胆にお昼に誘う(意味深)おつもりでしたのに」

さやか「!?仁美・・・!?まさかアンタ今縞パンを・・・!?」


仁美「そういう意味ではありませんわ。縞パンは不確定情報ですからリスクが高いですから」

仁美「古典的ですが手作りのお弁当を作ってみましたの。上条君とご一緒したくて」



さやか「それいいじゃん!あいついつも購買部のパンとかだから喜ぶと思うよ」

仁美「ですけど・・・肝心の上条君はどちらに」



中沢「上条なら屋上に行くところをみたぜ」

さやか「え」



杏子「おいさやか・・・屋上って・・・今マミが・・・」


さやか「まさか・・・マミさん!?」


ガチャリ

マミ「来たわね」

恭介「と・・・巴さん!もう僕待ちきれないよ!!」ドキドキ

恭介「なんて・・・なんてすばらしいんだ」


恭介「ありがとう巴さん!僕も自分の世界が広がった(意味深)気がする!」


さやか(屋上から恭介の声!?やっぱりマミさんと話してる!?)

仁美「か・・・上条君!」

ガチャリ


さやか「あっ仁美!」



恭介「すごい良かったよ、巴さん!また会ってくれないかな?」


さやか「!!」

仁美「!!」ずどーん



仁美「良かった・・・?良かったって・・・何が・・・」



恭介「志筑さん!?」

さやか「マ・・・マミさん!?あんた・・・恭介とナニしてんです?」


マミ「美樹さん!?違うのこれは・・・」




さやか「マミさん!あんたあたしから恭介の事聞いてたでしょ!?
仁美と付き合ってるのを知った上でそんな・・・そんな事!!」


さやか「恭介と会うなんて一言もいわないであたしたちを騙してでもそんな・・・ハレンチな事を!」

マミ「ハレンチな事!?ハレンチってナニよ!?何もしていないわ!私はただ・・・」




仁美「・・・」ゴゴゴ


さやか(仁美!?魔女化しかけてるよ!?)


仁美「・・・」チラッ


マミ「え・・?え・・・?(胸を凝視して・・・)」

ぷるーん


仁美「上条君の・・・」



仁美「上条君のおっぱい星人!!もう知りませんわー!!」

バタン!!


恭介、マミ「「え・・・えええええええ!?」」

さやか「なにやってんの恭介!はやく追いかけて!!」


杏子「あーあ。なんだか今日の仁美、さやかみたいだなー」

さやか「どういう意味よ、杏子!」

杏子「そそっかしいって事さ。
マミと坊やには何も無かったのに、お互いに何か知らないけど同じような勘違いしてたし」


さやか「そ・・・そうだマミさん!あんた恭介と何してたの!?あたし達に嘘ついてまで!」

マミ「落ち着いて美樹さん。佐倉さんの言うとおり何もなかったのよ」


マミ「ただ・・・彼には説明しなければいけない状況にあったのよ」

さやか「説明?まさか・・・魔法少女の事?」



杏子「なんだ?変身するところでも見られたのか?」



さやか(あれ?)



さやか(さっきすんなりと・・・魔女化って言葉が出てきたけど・・・魔女って何だっけ?)



~昨日の回想~


マミ「呪いを振りまく魔獣と呼ばれる存在から人々を守るために戦う魔法少女・・・それが私よ」

恭介「・・・」


マミ「どう?今言ったこと全て信じられる?信じられないでしょう?だから今見たことは全部忘れて
明日からは普通の生活に戻るように―」


恭介「す・・・すごい・・・本当にいるんだ・・・魔法少女って!」キラキラ


マミ「え・・・ええええええええええ!?」






恭介「ねえ!巴さんはどんな魔法が使えるの?他にも仲間はいるの?」



マミ「食いついてきた!?大抵の目撃者は信じようとしないのに!」

キュゥべえ「人間の好奇心と言うものはつくづく底深いね」



恭介「わっ!?なんだこのしゃべる生物は!?」

恭介「そうか・・・魔法少女にマスコットはつきものだからね!」


マミ「!?あなた・・・キュゥべえが見えているの!?」



恭介「キュゥべえって言うんですか?見えてますよ。見えないものなんですか?」

恭介「魔獣に関わったから見えるようになったのかな?それにしても感激だなぁ。
本当に魔法の世界が存在していたなんて!」キラキラ


キュゥべえ「そうか・・・上条恭介・・・君は・・・」

キュゥべえ(「あの時」・・・「あの結界」に巻き込まれた人物・・・だったね)

キュゥべえ(繰り返される日常で無自覚のうちに・・・こちら側の世界とつながってしまったのだとしたら合点がいく)


キュゥべえ「君にも資質があるよ。マミと同じ・・・魔法少女・・・いや・・・魔法使いとしての資質が」


恭介「え?」

キュゥべえ「上条恭介、僕と契約して―」




マミ「待ちなさい!キュゥべえ!!」がばっ


キュゥべえ「きゅっ」


マミ「明日・・・きちんと魔法少女についてお話するわ。だから今日はまっすぐ帰りなさい」


恭介「は・・・はい」





~回想終了~

マミ「と、言うわけなの」


さやか「えええええええええ!?恭介・・・恭介にキュゥべえが!?」

杏子「ま・・・魔法少女上条恭子ちゃん!はははは!腹いてー!」



マミ「だからこそ・・・彼にはちゃんと話す必要があったのよ・・・」

マミ「彼が契約するようなことがあれば当然・・・美樹さんの事もバレるわ」



マミ「中途半端に関わらせて興味を持たれてしまうより、事情のわかる人間として
契約のリスクを説明するしか無かったの」


さやか「そ・・・それじゃあ恭介には全部話しちゃったんですか!?」


マミ「安心して。美樹さんの事は話してないわ」

マミ「念のため佐倉さんの事も秘密にしておいたわ。この町を守る魔法少女は私だけというのが彼の認識よ」



杏子「あたしは別にバレても構わないけどな」

マミ「あなたを通じて美樹さんの事がバレるかも知れないのよ」



マミ「キュゥべえにも他に魔法少女がいることは秘密にするように言っておいたわ。
ただ・・・上条君に契約を迫るのをやめさせるのは「僕の約束できる範囲じゃないね」と言っていたわ」

さやか「あいつ!」



杏子「それで・・・坊やは契約したいって言ったのかい?」


マミ「いいえ・・・ただ・・・」

さやか「ただ?」

マミ「怪我が治る前にその話を聞いていたら治すために契約しただろうって言っていたわね」

さやか「!」


マミ「僕にはバイオリンしかないからそうするだろうって・・・願うよりも前に叶った奇跡に感謝してるって」

さやか「そっか・・・」



マミ「それ以外は・・・魔法の世界に対する憧れのような話を延々と聞かされたの」

さやか「え」


マミ「美樹さん・・・上条君を巻き込みたくないのならせめて彼がオタク気質だって事も教えて欲しかったわ」

さやか「あたしも初めて知ったよ!恭介のそういうところ!まさか・・・こんなにも魔法少女に食いついてくるなんて!」



さやか「もしかして・・・あたしが最初から魔法少女の事含めて恭介に全部相談していれば・・・」

杏子「おい、坊やのことは吹っ切ったんじゃなかったのかー?」



さやか「な・・・なんでもねーって!恭介の事なんか考えてねーって!」




マミ「ところで上条君はどうなったのかしら?」

さやか「やばっ!誤解されたまんまじゃん!」



恭介「志筑さん違うんだ!誤解なんだ!」

仁美「離して!私が悪いのですわ!私にあのお方のような武器が無いから!」



仁美「お弁当も二人分食い尽くしてやりますわ!すべての栄養が胸にいくように願いながら!」


クラスメイト「なんだなんだ」ざわざわ


クラスメイト「修羅場!?修羅場なのか」


クラスメイト「上条の制止を振り切りながら二つの弁当を流し込んでいる!?なんだこの状況!?」



マミ(上条君!?聞こえる!?)

恭介「巴さん!?今どこに!?」



マミ(あなたの心に直接話しかけてるの。魔法少女の素質がある子同士ならいつでもつかえるテレパシーよ)



マミ(こんな時のための台本があるの。今から私がいう通りに志筑さんに説明してくれるかしら?)


恭介「わ・・・わかりました」



恭介「志筑さん!実は昨日・・・変な男に絡まれてるところを巴さんに助けられただけなんだ!」

仁美「え!?」

マミ(変な男・・・すなわち魔獣)

マミ(嘘はついてないわ!
上条君が私が助けた手段さえ言わなければ志筑さんに嘘をついたことにもバラした事にもならない)



マミ「私もそっちに向かうわ!志筑さんをなだめておいて」


杏子「なあ・・・あたし達も何か忘れてないか?」

さやか「えっと・・・」



さやか「そうだまどか!まどかをほったらかしだよ!」



ガチャリ
まどか「さやかちゃん・・・杏子ちゃん・・・」


さやか「まどか!?ご・・・ごめん一緒にお昼食べようっていったのに」

キンコーン


杏子「あ、昼休み終わっちまったすまねえまどか!昼抜きになっちまって!」



まどか「わ・・・私はちゃんと食べたよ・・・ほむらちゃんがね・・・一緒にいてくれたの」


さやか「え」



ほむら「まったく・・・まどかを放っておくなんて・・・許されることでは無いわよ美樹さやか」ファサッ



さやか「暁美ほむら!」ギリッ


ほむら「あなた達はまどかの大切な友達よただ・・・「それだけ」の役割をこなしていればいい」

ほむら「本当のことを忘れたまま・・・ただそれだけを延々と繰り返していればいいのよ」



さやか「まどか!早くそいつから離れて!」

まどか「えっ?さ・・・さやかちゃん!?」




杏子「本当にほむらとさやかは仲悪いよな・・・」


さやか(暁美ほむら・・・あたし達と同じ・・・見滝原の魔法少女・・・だけど・・・)

さやか(あたしの直感が告げている・・・こいつだけは信用しちゃいけない!何かを隠しているって!)



まどか「ねえほむらちゃん・・・さやかちゃんも・・・ちょっと落ち着いて・・・ちゃんと話し合ってみようよ」


まどか「もしかしたら・・・お友達になれるかもしれないのに・・・」


ほむら「美樹さやかと友達にはなれないわ・・・そして・・・あなたともね」


ほむら(そう・・・私が願うのは・・・あくまでまどかの幸せ)

ほむら(そのためなら私は・・・あなたと分かり合えなくても構わない・・・)

ほむら(仲間なんて・・・必要ない)



さやか「行こ、杏子、まどか。仁美と恭介がどうなったかも気になるし」



仁美「そ・・・それでは本当に上条君とは何も無いのですね!?」

マミ「ええ。本当よ。彼は一言私にお礼を言いたかっただけ」


仁美「では・・・「良かった」とは?」

マミ「変な男どもをなぎ倒した私の体術がって事よ」



さやか(色々苦しいな・・・でも嘘はついてないって事にしとかないと後々厄介だし)


仁美「わかりました・・・信用しましょう」

仁美「お見苦しいところをお見せして・・・恥ずかしいですわ」


恭介「いや・・・僕も悪かったよ。志筑さんに内緒で別の女性と会っていたのは事実だしね」




仁美「ところで・・・上条君はいつまで私の腕を握っているのでしょう///」

恭介「あっ・・・ご・・・ゴメン!」



仁美「よろしいですわ。それに・・・少し私も我慢せずに要望を伝えることも大事だとわかりましたから・・・」



仁美「上条君の帰り道に・・・その変な男は頻繁に現れるものなのですか?」

恭介「え?」



仁美「私も・・・護身術は一通りマスターしておりますし・・・」


仁美「これからは・・・帰り道もご一緒させていただいて・・・私が上条君をお守りいたしますわ!」

恭介「!!」


仁美「駄目・・・でしょうか?」

恭介「いや・・・構わないよ・・・でもお互いの家は全然別方向なのに・・・」



仁美「こうでもしなければ・・・二人きりの時間はとれませんわ」

仁美「上条君・・・バイオリンの稽古・・・納得がいくまで頑張ってください。その代わりそれ以外の時間は・・・
私も上条君に全力で尽くしますから」




さやか「ふぅ・・・雨降って地固まるってヤツですかな?
これがきっかけで恭介にも責任感が芽生えるといいんだけどねぇ・・・」

杏子「本当にいいのかー?強がってないかー?」ぼそっ



さやか「うるさいよ、杏子!」わちゃわちゃ

今日はここまで。一話書き上げる予定だった。


作者をとりまく環境が変わって(彼女できたとかじゃないよ)
投下ペースが前より遅いですが興味を持たれた方、このSSにお付き合いよろしくお願いします。

3ヶ月以内に完結させたいな

恭介「ありがとう志筑さん今日はわざわざ送ってくれて」

仁美「恋人なら当然のことですわ。お礼なんて言われるほうが失礼ですわよ」



恭介「それじゃあまた明日学校で」



~恭介の部屋~


キュゥべえ「やあ。上がらせてもらってるよ」

恭介「キュゥべえ」



キュゥべえ「マミから魔法少女の説明を受けたと思ってね。知った上で君に聞きたいことがあるんだ」

恭介「また契約の催促かい?悪いけど・・・」



キュゥべえ「願い事が無いのかい?」


恭介「強いて言うのなら・・・これからもバイオリンを弾き続けたい・・・かな」


恭介「目の前の「叶えたい願い」というのならとりあえずは春休みのコンクールでさやかや志筑さん、
他にもお世話になった人たちに練習の成果を聞かせたい・・・かな?」


恭介「奇跡や魔法でかなえてもらう程じゃないよ」



キュゥべえ「だとしたら・・・君のその望みは永遠に叶わないだろうね」

恭介「え?」






キュゥべえ「同じ時間を繰り返す箱庭世界・・・それがこの世界の実態さ」

キュゥべえ「ある少女のために・・・一番の思い出を繰り返すだけの世界・・・」

キュゥべえ「君は永遠に春休みを迎えることは出来ない」

キュゥべえ「少女は「友達と離れたくない。このままでいたい」と願うあまり同じ学年を
延々と繰り返す事でそれを叶えようとする悪魔がいる」



キュゥべえ「それは・・・上条恭介・・・君のクラスメイトでもあるんだよ」

恭介「なんだいそれは?それも・・・魔法少女が戦うべき敵というわけかい?」



キュゥべえ「いずれは魔法少女たちも真実にたどり着いて剣を取るだろうね・・・だけどそれじゃあ遅い」

キュゥべえ「君に話したのは・・・僕はその「世界を作り変えた悪魔」に「少女」に対して
その詳細をしゃべることを禁じられているからなんだ」


キュゥべえ「だから悪魔の目を盗むためには・・・少年に接触するしかなかった」


キュゥべえ「上条恭介・・・この世界を正常な流れに戻すために力を貸して欲しい」


恭介「ちょっと待って。何がなんだかわからないよ」

恭介「魔法少女と魔獣については実際に目で見たから信じるけど・・・その話は唐突過ぎるよ」

(キュゥべえほむらとまどか、さやか杏子の名前は出さずに説明)


恭介「つまり・・・魔法少女の裏切り者が・・・自分のために概念になった少女を現世に戻したと」

恭介「そして再度世界を作り変え・・・彼女が人間として暮らせる日常を演出していると」


キュゥべえ「そしてその茶番は・・・この星から魔獣が滅びるまで繰り返される」

キュゥべえ「悪魔と化したその少女の時間操作は魔獣だけは対象外なんだ」



キュゥべえ「同じ時間を繰り返しながら・・・少しずつ魔獣を見滝原に呼び寄せ数を減らしていく。
それがこの世界の現状なんだ」


恭介「・・・」

キュゥべえ「君だって違和感を抱いていたはずさ」



キュゥべえ「自分がこの先永遠に大人になれないような違和感を・・・未来が閉ざされた違和感を」


キュゥべえ「そしてその時間操作・・・つまりは時間の巻き戻しは春休み前・・・
3年生の卒業式に行われる」


キュゥべえ「3年生にも仲の良い友達ができた少女はその上級生にも「卒業しないで欲しい」と願ってしまったからね」


キュゥべえ「その卒業式の日に決算として地球上の魔獣全てが見滝原に攻め込んでくるのさ」

恭介「!」



キュゥべえ「正確には生き残った魔獣の集合体・・・「ワルプルギスの夜」と僕は呼んでいるけどね」

キュゥべえ「ワルプルギスの夜を倒せたら次は「悪魔」は正体を現し、少女たちの敵として立ちはだかる」


キュゥべえ「出来なければ「悪魔」は時間をリセットし・・・このおよそ1年間を繰り返す」



キュゥべえ「魔獣の数が減ってきているから・・・少しずつ「ワルプルギスの夜」は弱くなっているけどね」



キュゥべえ「それでも今まで勝てなかった。だからこそ悪魔は同じ時間を繰り返した」


キュゥべえ「全ての魔獣が滅びるまで「少女」に幸せな夢を見せ続ける・・・それが終われば
敵として立ちふさがる・・・それが「悪魔」の役割」



恭介「やっぱり・・・そんな話信じられないし・・・僕がどうのこうのする問題じゃないと思うよ」


恭介「その話がもしも本当なら・・・魔獣を全て倒しさえすれば世界は元通りになるんだろう?」

キュゥべえ「いや・・・だからその頃にはもう遅いんだ」



キュゥべえ「度重なる世界の書き換えで・・・この星は悲鳴をあげつつあるんだ」

恭介「え」


キュゥべえ「魔獣を全滅させるまでループを続けた先が・・・人間の住める世界であるとは限らないよ」


キュゥべえ「その前に何度も書き換えたことによる弊害で世界崩壊する確率が高い」

恭介「だとしたら・・・僕に何を望んでいるんだ」

キュゥべえ「手っ取り早い解決方法としてはやはり・・・元々概念であったその少女の覚醒さ」


キュゥべえ「神としての自覚を取り戻せば・・・悪魔に抵抗できる術は無い。
一瞬でワルプルギスも悪魔もなぎ倒して世界は元通りに戻る」



キュゥべえ「そのために・・・事情を説明した上で
監視対象外の「少年」を魔法使いにすれば悪魔に抵抗できると思ってね」




恭介「・・・」



キュゥべえ「信用できないなら信用できないで構わないさ・・・いずれ・・・嫌でもその日は訪れるから」



キュゥべえ「その時君は・・・僕の力が必要になるはずだからね」






~マミの卒業式~



さやか「風強いなしかし。こんな日に卒業式って大丈夫かオイ」

まどか「さやかちゃん、マミさん行っちゃうよ」




さやか「あ、そうだ。おーいマミさーん」


マミ「美樹さん、鹿目さん、佐倉さん」

杏子「もうあたし腹ペコだよ早く打ち上げ行こうぜ」




恭介「あの」

さやか「ん?恭介、仁美あんた達もマミさんに挨拶?」



恭介「さやかには本当に世話になりっぱなしだったから・・・それに巴さんにも助けてもらったし」

恭介「だからこれ・・・足りるかどうか解らないけど・・・とりあえず10枚チケット用意したから・・・」



さやか「おおっ!例のジャニー北側主催のヤツ!?」

恭介「さやか達で分け合って是非来てもらいたいんだ。もちろん・・・僕も演奏するから」




さやか「仁美の前で大丈夫?他の女子にこんな高そうなプレゼントしたりして」


仁美「私には・・・カーテンの裏側という特等席がございますから・・・」ドヤ

さやか「イラッ!」


仁美「さやかさん・・・巴さんと出かける前に少しお話しませんか」

仁美「多少強引に這い寄ってでも恭介さんに着いていくと決心したあの日以来・・・
私本当に仲良くしていただいて」


さやか「それは良かったじゃん。アイツにも責任感が芽生えたってわけだね」

さやか「そっか・・・もう下の名前で呼んでいるんだね」


仁美「はい。恭介さんも仁美さんと呼んでくださります」



仁美「ですけど・・・それで本当に良かったのかどうか・・・」

さやか「なんで?」



仁美「だってさやかさんの方が・・・立派でいい女だと・・・」

仁美「私・・・あなたを裏切るくらいのつもりで・・・恭介さんに想いを伝えたのに・・・」



仁美「こんな私に・・・さやかさんはいつまでも良くしてくれましたわ。
それどころか私と恭介さんの間を取り持ってもらって・・・」


仁美「さやかさんのような立派な人間には私なれないと思いましたの。
今の幸せを失いたくない必死な自分が・・・なんだかちっぽけな存在に思えて・・・」


さやか「そいつは違うよ仁美」



仁美「え」



さやか「あたしはまあ・・・なんつーかこういう事経験したからこそ得られる境地にたどり着いただけっつーか」


さやか「あの頃のあたしが恭介とくっついてたら・・・多分仁美と同じじゃないかな。
それどころかノロケも加わってどーしようも無いお調子モンになってたと思う」



さやか「きっとどこかの別の未来では恭介と一緒になれたことで
精神的に幼いままノロケまくりの自分がいる。そーいうもんなんだよ」

さやか「仁美の目の前に今いるあたしは、あくまで美樹さやかの数ある可能性の一つに過ぎないっつーかね」

仁美「そ・・・それは達観しすぎてませんか」



さやか「なんでだろうね・・・実際どこか夢の世界か何かで・・・あたしはそっちの未来も見てきたんだよ」

さやか「だから、大丈夫なんだよ。あたしはあたし。仁美は仁美。それぞれの進むべき道があるんだから」



さやか「この時間軸のさやかちゃんは全力で親友の恋を応援しますよ!ってそれだけの話なんだから」

さやか「仁美は仁美で・・・恭介の事ちゃんと捕まえときなさいよ!」




仁美「あ・・・ありがとうございます」


ゴウッ

さやか「しかし・・・なんだろうね今日はやたらと風が強い・・・嵐でも来るのかな?」

マミ「・・・!!」ピキーン

マミ(何・・・この魔力は・・・!?)

マミ「来るわよ・・本当に嵐が」


さやか「え・・・?」


さやか杏子「・・・!」ピキーン





ワルプルギスの夜「ウフフ・・・アハハハハ!!」ゴゴゴゴ


恭介「・・・!!」




恭介「嘘だろ・・・な・・・なんだアレ・・・」


仁美「恭介さん?どちらを見てますの?空に何か浮かんでいるのですか?」




ゴウッ



恭介「仁美さん!危ない!」



仁美「え」









恭介「・・・」


キュゥべえ「目が覚めたかい?」

恭介「キュゥべえ・・・一体何が・・・」




キュゥべえ「君には何度も・・・説明したはずだけどね」

キュゥべえ「この日ワルプルギスの夜が来る・・・そして・・・この町の魔法少女は全滅するとね」




恭介「全滅!?それじゃあ仁美さんは!?さやかは!?」


恭介「!!仁美さんの腕!そうかあの時とっさに掴んで・・・」

恭介「瓦礫の下敷きに・・・待ってて仁美さん!今助け・・・」


恭介「軽い・・・?」ズポッ


ぶらーん・・・


恭介「う・・・」




恭介「うわああああああああああああああ!!!」





キュゥべえ「そして世界は・・・また少女の思い出を繰り返す」


まどか「さやかちゃん・・・杏子ちゃん・・・マミさん・・・仁美ちゃん・・・」


まどか「嫌だ・・・嫌だよ・・・どうして・・・」


ほむら「大丈夫よ。まどか」



まどか「ほ・・・ほむらちゃん?」


ほむら「繰り返す。何度だって繰り返すわ」

ほむら「あなたがこの学校に転校してきたあの日から・・・
あなたにとって一番楽しい思い出になるであろうこの一年をね」



まどか「ほむらちゃん!?何を・・・」


がばっ



ほむら「心配要らないわ・・・何も心配要らないの」

ほむら「私はただ・・・あなたが幸せになる世界を望む・・・それだけだから」



バサアッ


恭介「あ・・・あれは・・・」



恭介「暁美さん!?彼女が・・・彼女が「悪魔」だったのか!?」

キュゥべえ「そういう事だよ。上条恭介」



恭介「そして・・・鹿目さんが・・・悪魔が愛した「少女」!」



ほむら「上条恭介!?見られてしまったわね」

ほむら「まあいいわ・・・あなたに見られたところで何も変わりは無いわ・・・私は私の役割をこなすだけ」



ほむら「時間を戻せばあなたのこの記憶も消える。あなたも大切な人を取り戻せる」

ほむら「また会いましょう。あなたとは別に接点を持つことも無いでしょうけど」



ゴゴゴゴ・・・

キュゥべえ「やっとわかったかい?僕が言っていた事が本当だったって」

恭介「キュゥべえ・・・」



恭介「僕が・・・鹿目さんの覚醒を促せる可能性を持っているって話・・・あれは本当かい?」

キュゥべえ「もちろんさ」


キュゥべえ(正確には・・・間接的な覚醒だけどね)

キュゥべえ(美樹さやかと接点のある君なら・・・美樹さやかの記憶を呼び戻せるかもしれない)


キュゥべえ(そして・・・さやかの記憶を呼び戻せば・・・円環の理本体であるまどかの記憶もあるいは・・・)




キュゥべえ(その時こそ僕らは・・・まどかを今度こそ認識できるだろう)

キュゥべえ(そうなれば円環の理を掌握するのはたやすい)




恭介「キュゥべえ・・・僕を魔法使いにしろ・・・」



恭介「仁美さんと・・・さやかに・・・コンクールに来て欲しいんだ」



恭介「絶対に・・・二人にバイオリンを聴いてもらうんだって・・・それだけは叶えたいから」




キュゥべえ「君の望みは?」


恭介「白々しいね・・・こうなる事・・・僕が叶える願いも見越した上で行動していたんじゃないのかい?」





恭介「僕の記憶を・・・今見たこの光景を・・・時間が戻った先でも維持していたい」




キュゥべえ「少女より素質が低い分・・・記憶が呼び起こされるのは
僕が君の部屋を訪れたあの日になるけど構わないかい?」

恭介「構わない・・・」



恭介「世界を救いたいんじゃない・・・ただ・・・大切な人達にバイオリンをもう一度聞いて欲しい」

恭介「だから・・・戦うよ・・・僕は・・・魔法使いになる」




キュゥべえ「契約は成立だ。君は魔法少女のサポート役としての力を得た」


キュゥべえ「時間が戻った先でまた会おう。君の記憶が戻り次第・・・君が取るべき行動を指示しよう」





続く

ここまで。

第二話「仁美さんの○○を僕にくれ」




恭介自宅

~仁美が見送った直後~


恭介「ハッ!」


キュゥべえ「記憶を取り戻したかい?」



恭介「僕は・・・僕は魔法少年になれたのかい?」

キュゥべえ「そうだよ。指をかざしてごらん」




(恭介の指先から実体化するソウルジェム)

恭介「これが・・・僕の・・・」



キュゥべえ「さっそくだけど・・・君には鹿目まどかの覚醒だけではなく
ワルプルギスの夜までに戦闘に慣れてもらう必要がある」



キュゥべえ「今、魔法少女たちが戦っている。なかなか大物の魔獣だよ」




恭介「えっと・・・変身ってどうすればいいの?」

キュゥべえ「魔法少女のそれとは違い・・・魔法使いの変身は「あるもの」を要する」



恭介「ある物?」

キュゥべえ「志筑仁美を今すぐ呼び止めてくれ。今は家の前まで見送った直後の時間だから」






恭介「仁美さん待って!」

仁美「か・・・上条君?」



仁美「ひとみさんって・・・///」

恭介「そっか!この時はまだ下の名前で呼び合ってなかったんだっけ」




恭介「仁美さん、家にあがっていって欲しいんだ」

仁美「え・・・?でもご迷惑では?」


恭介「迷惑なんかじゃないよ!今は僕以外誰もいないから」

仁美「!!」



仁美(ど・・・どういう事でしょう)ドキドキ

仁美(なぜ急に上条君は・・・私を仁美さんと呼び・・・家にあげたのでしょう)

仁美(しかも・・・「親がいない」と)




仁美(ここから導き出される答えは完全にアレしかありませんけど・・・
昨日まであんなに無反応だった上条君がいきなりという事はありえませんわ!)

仁美(で・・・でも上条君が強引に迫ってしまったら・・・私抵抗するのでしょうか?できませんわ。いやん!)ドキドキ



恭介「仁美さん、僕の部屋に来て欲しいんだけど」

仁美「ファッ!?」






~恭介の部屋~


仁美(ええええええええええええ!?)

仁美(どういう事なの・・・積極的すぎますわよ上条君!私男の子の部屋に入るのは初めてなのに!)



仁美(わかりましたわ!演奏会ですわね!これからは自宅練習も付き合って欲しいという遠回りなアピールですわ!)


仁美(私ともあろう者が・・・はしたない考えを起こしてしまいましたわ・・・)

仁美(中学生のうちからそんな所まで進んでしまったら・・・ますますさやかさんに顔向けできなく・・・)





仁美(アレ?でも演奏専用の大部屋は別にあったような・・・)



恭介「それじゃあ悪いんだけど脱いでもらえる?(棒読み)」

仁美「きゃう」




仁美「上条君!?どどどど・・・どうして!?」

恭介「唐突なお願いで混乱するかもしれない・・・でも、でも・・・」

恭介「世界を救うためなんだ」





恭介「仁美さんのパンティを僕にくれ!」ドバーン



仁美「かかかか・・・上条君!!」


ドサッ(恭介のベッドに寝転がる仁美)

仁美「どどどどど・・・・どうぞ!///」ドックンドックン



恭介「え」

仁美(ひ・・・ひとみさんを僕にくれ!だなんて・・・もう勘違いでもなんでも無くアレですわ!)

仁美(最初は・・・中学生のうちからそんな・・・と思っていましたけど・・・これは言い換えればチャンス!)



仁美(ここまで差をつけてしまえば・・・さやかさんはもちろん他の子にだって・・・上条君に近づけませんわ!)


仁美(覚悟を決めるのよ仁美!これは・・・これはチャンスですのよ!)バックンバックン



恭介(まいったな・・・ただ下着が欲しいだけなのに・・・寝転がるなんてどういうつもりだろう)

恭介(僕が脱がせないと駄目なヤツかな・・・ただでさえ・・・駄目もとで・・・嫌われる覚悟で
直球で頼んでみたのに・・・脱がせるとまでなると刺激が強すぎるよ!)



恭介「それじゃあ脱がせるよ///」

仁美「は・・・はいっ!!」ドキドキドキドキ




するっ



恭介「あれ?結構すぐ脱げるんだね」

キュゥべえ「君にそういうテクニックの才能があっただけの話だよ」





恭介「これを・・・どうすればいいんだキュゥべえ?」

キュゥべえ「ただ身に着けているだけでいい」



キュゥべえ「その後心で念じるだけで君は魔法使いに変身できる」


恭介「今魔法少女たちが戦ってる場所へ向かうって事は・・・巴さんにも当然見られるよね」


恭介「こんな物・・・目立つ場所に身につけてわざわざ変態アピールする必要ないよね」



恭介「内側胸ポケットに入れておこう。これでも変身に問題ないよね?」

キュゥべえ「なんの問題もないね」




恭介「あれ・・・?仁美さんのパンティの香りに・・・引き寄せられる!?」



恭介「顔がだんだん近づいて・・・い・・・いかん!被りたくなってきた!危ない危ない!」


恭介「これじゃあ僕がただの変態じゃあないか!」



ズボッ

恭介「あ、被っちゃった」


恭介「フォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」ピカッ!!

仁美「あれ・・・」


仁美「ちょっと上条君!?ど・・・どちらにいますの!?返事してください!」




~魔獣交戦地~


マミ「この魔獣・・・強い!」


大型魔獣「オオオ・・・」

まどか(未変身)「マミさん!」



ほむら「・・・」



ほむら(てこずっているようね・・・手を貸したほうが良いかしら)


ほむら(繰り返す日常におけるまどかは・・・インキュベーターが見える魔法少女候補という事になっている)

ほむら(記憶と力を取り戻さない限りまどかに巴マミを救う手立ては無い。)



ほむら(だけどまどかが望む幸せの条件には・・・巴マミの生存も含まれている)

ほむら(ワルプルギスの強制リセットが始まるその時まで・・・彼女には生きていてもらう必要がある)



ほむら(美樹さやかと佐倉杏子が到着するまで時間がかかる。
巴マミがこの魔獣にやられたループも存在すると考えたら・・・やはり助けるのが確実でしょう)




ほむら(悪魔の力で模倣した、魔法少女時代の盾に形だけ手を入れて重火器を取り出した振りをする)

ほむら(本当は何も無いところからでも銃を具現化することはできる。だけど魔法少女たちを欺くために
私の能力は魔法少女時代のそれを再現する物になっている)



ほむら「さてと・・・手榴弾あたりが手っ取り早いかしら?」



ズボッ


ほむら「え?」




???「それは、私のバイオリンだ」


ほむら「え?え?(誰!?)」


???「君が先ほど手を突っ込んだのは私のタキシードの社会の窓だ」


ほむら「嫌ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!
変態いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!?」





さやか「マミさんお待たせ!大丈夫!?」

杏子「さっさと片付けてお茶にしようぜ」


さやか杏子「「!?」」



???(!?さやか・・・と佐倉さん!?)


さやか(タキシードをまとった・・・仮面の少年!?)

杏子(こいつが被っているのは・・・女モンの下着!?)


さやか「んでもって・・・社会の窓は全開!!なぜか中からバイオリンがはみでている!」


さやか「へ」

杏子「変態だああああああああああああああああああああ!!」(CV:ビュティ)



さやか「な・・・なんなのよアンタ!?一体何者なの!?」



???「私は・・・」




???「下着の魔法使い。名前はまだ無い」




下着の魔法使い(とっさに被った志筑さんの下着が役に立った・・・
さやかに正体を知られずに済むぞ)



下着の魔法使い(しかし・・・さやかが何故巴さんの所にやってきたんだ?
しかも魔獣を見ても驚いていない・・・)


下着の魔法使い(さやかはすでに・・・魔法少女と魔獣について知っているのか?)

下着の魔法使い(そうか・・・巴さんと接点を持ったって事はさやかもまた・・・魔法少女候補生と言うわけだね)

下着の魔法使い(実際に巴さんの戦っている所を見て契約するかどうか決める体験ツアー的な物だね)




下着の魔法使い(さやかを危ない目に合わせられないな・・・尚更負けられないよ)


下着の魔法使い(キュゥべえ教えてくれ。下着の魔法使いと化した僕は何が出来るんだ?)


キュゥべえ(本能のおもむくまま(意味深)にバイオリンを奏でるんだ。結果はすぐに出る)

キュゥべえ(曲目はなんでもいい。とりあえず弾いてごらんよ)


下着の魔法使い「バイオリンを!?だけど・・・なんでもいいって言われるとかえって悩むな・・・」


下着の魔法使い「そうだ!仁美さんのイメージ曲を・・・」


下着の魔法使い「オリジナル交響曲第一!「ご令嬢の恥じらい」!」


♪~♪~♪

杏子「いきなりバイオリンを弾き始めた!?なんだコイツ!?」



さやか「この旋律・・・!?」

さやか(この懐かしい感じは・・・何?)




マミ「・・・!音楽のイメージが・・・実体化していく!?」



お嬢様のイメージ「ウフフ」

大型魔獣「!!」




大型魔獣「・・・///」




魔獣に彼女が出来ました




大型魔獣「アハハハ!」


しゅうう・・・(成仏)






ほむら「・・・」

さやか「・・・」







ほむらさやか「「は!?」」





下着の魔法使い「・・・倒せた・・・のか?」

キュゥべえ(すごいじゃないか恭介!今のは攻撃系の中でも最高の効果をもつ浄化系の演奏だよ!)



下着の魔法使い「浄化系?」



キュゥべえ(魔法使いの能力は主に魔法少女を強化させる補助系、相手の行動を制限する束縛系の物が多いんだけどね)

キュゥべえ(攻撃系魔法少女でもめったに発現しない「浄化系」の能力が君の演奏には備わっているみたいだ)




下着の魔法使い「相手が・・・男だったから・・・なのかな?」

下着の魔法使い「だけど・・・あの仁美さんの幻影は二度と使えないような気がする・・・
だって今の魔獣の彼女になっちゃったから・・・もう一度呼び出せば二股になっちゃうし・・・」

下着の魔法使い「能力の研究は後でするとして・・・とりあえずこの状況は・・・」


下着の魔法使い「さらばだ!魔法少女たち!また会おう!」バッ



さやか「あっ逃げた!」


マミ「一体なんなの・・・?」


ほむら「・・・」



キュゥべえ「なにか言いたげだね。暁美ほむら」


ほむら(インキュベーター・・・あなたは一体何をしたの!?)

ほむら(ここ数日でお前が接触した少女は全て人形達が監視していたのに・・・新たな魔法少女が生まれるなんて・・・)



ほむら(なるほど・・・「魔法使い」・・・ね)

ほむら(少年を魔法少女に変えることが・・・あなたのせめてもの抵抗って訳ね)



キュゥべえ(その通り。僕は彼・・・下着の魔法使いを使って君の支配から解放してみせる)

キュゥべえ(そして・・・女神を覚醒させて今度こそ円環の理を掌握するのさ)




マミ「下着の魔法使い・・・彼を仮に「ウィザード」と呼ぶのはどうかしら?」ドヤァ


さやか「は?」

杏子「こんな状況でも・・・相変わらずなんだな」



さやか「あの変態の正体も気になるけど、とりあえずはあんたよ。暁美ほむら!」


ほむら「!」


さやか「あんた・・・影からこそこそ伺ってたよね?隙を見てマミさんを倒すつもりだったの?
それとも・・・助けるつもりだったの?」



ほむら「助けるつもりだったと言っても・・・信用しないでしょう?あなたは」

ほむら「あなた達に生きてもらわないと困るのよ・・・まどかが・・・まどかが悲しむじゃない」ゆらぁ・・・




まどか「ほむらちゃん!?」


ほむら「ただ演じていれば良いのよ・・・あなた達はまどかを喜ばせる人形」


ほむら「「終わり」が必ず来るこの世界で・・・その瞬間までこの幸せを繰り返す。それがあなた達・・・
そして私の役目なのよ」


さやか「・・・あんた・・・一体何を・・・」


~上条家~


恭介父「いやあすまんね。うちの愚息がほうっておいてどこかに行っちまうなんて」

恭介母「ゆっくりしていってください。志筑家ほどのおもてなしは出来ませんけど」


仁美(ノーパン)「あ・・・ありがとうございます」



父「しかし・・・バイオリン一筋だったあの恭介が女性を家にあげるなんて」


母「小学生の時のさやかちゃん以来かしら」


父「私はてっきり恭介はさやかちゃんをくっつくものとばかり」

仁美(ノーパン)「うっ!」ぐさっ



仁美(わ・・・私実は歓迎されてないの!?)


母「懐かしいわね・・・あの時は恭介が恥ずかしがってるのにさやかちゃんが一緒にお風呂を」

仁美「そ・・・それはいつ頃の話で?」



父「小学校・・・いやえーと・・・ご」
仁美「もうよろしいですわ!聞くのが怖いですわ!」




仁美(ご!?五年生って言いかけました!?わりと最近ですわよ!)

仁美(それとも・・・小学生ではなく5歳ごろと訂正しようとしていた!?いずれにせよ・・・)




仁美(さやかさん・・・恐ろしい子!)




仁美「それにしても・・・上条君はどちらに・・・」


父「ま、さやかちゃんにせよ志筑さんにせよ。息子に彼女が出来た事は喜ばしいことかもね」

父「このまま恭介を待っていたら遅くなってしまうよ。なんなら泊まっていくかい?」



仁美「!!」


仁美「いえいえ!朝帰りなんてしてしまったら家の者がなんと言うか」

仁美「この辺で失礼させていただきますわ」


父「まぁそうだよな・・・中学生のうちから・・・なにか過ちが起きてはいけないからね・・・」

父「他に私達に出来る事は無いかね?」


仁美「でしたらえっと・・・」

仁美「上条君に脱がされてしまいまして・・・その・・・替えの下着をお貸し頂けないでしょうか」

父「!!」

下着の魔法使い「んっ!」


バサッ

恭介「はぁ・・はぁ・・・」


恭介「これが・・・魔法使いの・・・そして・・・仁美さんのパンティの力!?」



キュゥべえ「恭介・・・君の能力を解析してみてわかった事がある」

キュゥべえ「君は女性へのテーマ曲を奏でることによりその演奏が様々な効果になって現れるタイプみたいだね」



キュゥべえ「「浄化」の能力を持った演奏はその能力の一部にすぎない。」

キュゥべえ「志筑仁美をイメージして弾けば「浄化」の効果が現れる」



キュゥべえ「言い換えれば・・・他の少女のテーマ曲をきみが新たに作り出せれば
それはまた違った効果が現れる新しい曲となるだろう」



恭介「つまり・・・僕が暁美さんに対抗できるほど強くなるためには・・・」



キュゥべえ「志筑仁美以外の少女とも、交流を深めてテーマ曲をどんどん作れば良い。って事さ!」


恭介「・・・」


恭介「偶然とはいえ・・・本当に仁美さんのパンティで顔を隠したのは幸いだっかもね・・・」



キュゥべえ「さしずめ君が交流すべき少女は」

恭介「巴さん?それとも直接的に鹿目さん?」



キュゥべえ「いや・・・違う。女神の力の一部となって現世に顕現しているある少女さ」

恭介「女神の一部?」




キュゥべえ「君も知っている少女だよ。詳しい指示は明日学校が終わってから話すよ」



~教室:朝~



仁美「上条君、一体昨日はどこにいらしたのですの?」


恭介「昨日はって・・・あ」

恭介(しまった!魔法使いになった事で頭がいっぱいで忘れてた!)



仁美「それに・・・その・・・私の・・・パン・・・パン・・・ティを・・」



恭介「え?」

仁美「!?」

仁美(とぼけているの?それともき・・・聞こえていない!?
で・・・でもクラスメイトの前で大声で言える話題ではありませんわ!)


仁美(そ・・・それはもちろん・・・
上条君がどうしても欲しいとおっしゃるのなら・・・そのまま差し上げても構いませんが・・・)


仁美(でもそれには上条君の本心という物も大事ですわ!)

仁美(昨日も思わせぶりな行動をしておいて・・・私が遊ばれただけという可能性もありますし!)



恭介「・・・」


恭介(昨日は・・・キュゥべえから説明を受けるだけで精一杯だったけど・・・)

恭介(僕は・・・僕は一度仁美さんが死ぬところを見たんだよな・・・)




恭介(いや・・・それ以前の記憶でも・・・仁美さんがワルプルギスに巻き込まれて死んでいたかもしれない。
僕は・・・それを全て悪魔に忘れさせられてただけなんだ・・・)




恭介(なにはともあれ・・・戻ってこれてよかった・・・こうしてまた・・・
生きている仁美さんや・・・さやか達に会えた)




ぎゅっ

仁美「!!」



クラスメイト「うおおおおおおおおおおおおお!?」




さやか「えええええええええ!?」



仁美「かかかかか・・・上条君!?いきなり何を・・・///」ドキドキドキドキ

恭介「なんだか・・・また仁美さんに会えて嬉しいって・・・そう思ったんだ」



仁美「き・・・昨日もちゃんと顔を合わせたのに・・
そそそそ・・・そんな///」



恭介「戻ってこれた・・・戻ってこれたんだ」

ほむら(!?)



ほむら(戻ってこれた!?今・・・上条恭介は・・・戻ってこれたと言ったの!?)


恭介(ただ一つ残念な事は・・・僕と仁美さんが仲良くなる過程もリセットされてしまったという事だ)

恭介(だけど大丈夫・・・きっとうまくやれる・・・仁美さんも・・・さやか達も・・・僕がきっと救ってみせる)

恭介(そして今度こそ・・・コンクールに来てもらうんだ・・・)

ほむら(・・・)

~授業終了~

ほむら「上条恭介君、少しお時間いいかしら?」

恭介「え」

仁美「ごめんなさい暁美さん。私達放課後も予定がありまして」



ほむら「あなたには聞いてないわ。私が話しているのは上条君よ」

仁美「え」




ほむら「とても大事な話があるの。是が非でも付き合ってもらうわよ」

恭介「・・・!!」



恭介(この眼・・・!)

恭介(暁美さんは・・・昨日の戦いで・・・下着の魔法使いの正体を見破った!?)



恭介(さすがだよ・・・悪魔がなせる観察眼というヤツだね・・・だとしたら僕も・・・応じないわけにはいかない!)




仁美「あ・・・暁美さん?」

仁美「わざわざこんな事を・・・大勢の前で言うのは忍びないのですが・・・上条君は私の・・・」




恭介「構わないよ暁美さん。僕も君とゆっくり話がしたかったんだ」


仁美「!!」



さやか「ちょ・・・ちょっと恭介!?」



恭介「仁美さん、ごめん。この埋め合わせは必ず・・・」



仁美「上条君の・・・」

恭介「え」


仁美「上条君のまな板好き!もう、もう知りませんわ!わかりませんわ!!」



仁美「上条君の好みがどちらかもうわかりませんわー!!」ダダダ

さやか「ちょっと仁美!?ひとみー!!」


恭介ほむら「「・・・」」



恭介「ええええ・・・!?」


ほむら「・・・まな・・・板」

ほむら「志筑仁美!」ギリッ

放課後の屋上


ほむら「率直に伺うわ」

恭介「僕もだよ」



ほむら「下着の魔法使い・・・ウィザードはあなたの事かしら」

恭介「君が・・・この日常を繰り返している「悪魔」だね?」



ほむら、恭介「!!」



恭介、ほむら「やっぱり・・・」



恭介「ウィザード?」

ほむら「巴マミの命名よ。魔法使いだからウィザードと呼んでいるらしいわ」



恭介「そっか・・・僕は一晩かけてバイオリン仮面という名前を思いついたのに」

恭介「バイオリン仮面ウィザードって事で良いかな。まぁどちらで呼んでくれても構わないよ」





ほむら「その様子だと・・・インキュベーターから全てを聞いたみたいね」

恭介「インキュベーター?キュゥべえの事かい?」




恭介「うん。全部知ってるよ」


ほむら「あなたも・・・私の敵になるつもりかしら?」



恭介「そうなるだろうね・・・僕は・・・この箱庭世界から抜け出したいから」


恭介「バイオリンを聴いて欲しい人達がいるんだ・・・そして・・・大人になってからもその人達に聞いてもらいたい」




ほむら「なるほどね・・・なら今のうちに・・・貴方を殺すべきなのかしら?」

ほむら「美樹さやかと志筑仁美が悲しむでしょうけど・・・まどかはそれほどでは無い気がするわ」



ほむら「まどかが望む幸せに・・・あなたの存在が関係無いモノだとしたら・・・!」


恭介「どの道ワルプルギスのリセット日に全て時間を戻すんだろう?ここで僕を殺しても無駄さ」

恭介「記憶を維持する願いでキュゥべえと契約したからね」



ほむら「次のループではあなたを初めからいなかった人間として書き換えるだけよ」


カチッ(時間停止)

恭介「!!」

ほむら「ふふふ・・・無防備ね。上条恭介」



ほむら「そしてさようなら。私があの娘に与えられる幸せは誰にも壊させはしないわ」



パァン!(発砲、停止解除)

恭介「それは・・・私のバイオリンケースだ」





ほむら「!!」

ほむら(身代わり!?い・・・いつの間に!?)



恭介「・・・」スッ

♪~♪~♪



ほむら「いつのまにかバイオリンを弾いている!?一体何を!?」

恭介「悪魔をイメージした・・・つまり暁美さん。これは君のテーマ曲さ」




恭介「君が世界を書き換えたこと・・・そして鹿目さんへの底知れぬ想いを曲にしてみた」


恭介「現れた効果は・・・君と同じ時間を止める能力だった」

ほむら「!!」


恭介「もっとも・・・止まった世界の中で動ける君には効かないけどね・・・だけど言い換えれば
僕にも時間停止は意味が無いって事さ」




恭介「ゆっくり話をするにはちょうどいいだろう?」

ほむら「効果が無い演奏をして・・・あなたには・・・私を殺す気は無いのかしら」



恭介「できるのならとっくにしているさ」

恭介「僕は僕のペースで力を貯える。君は君でこの日常を演出していればいい」



恭介「来るべきワルプルギスの日まで僕は下手に君を倒そうとしない」

ほむら「今日のところは・・・宣戦布告をしにきただけという事ね」



(停止解除)

ほむら「いいわ。私もあなたというイレギュラーがどこまで私に逆らえるか興味が出てきたわ」


ほむら「もう少しだけ生かしてあげるわ。ただしあなたには「次」は無い」

ほむら「このループだけでどれだけあがけるか。見せてみなさい」


ガチャッ(屋上の扉)

さやか「恭介!!」

ほむら(・・・)



ほむら「でもね・・・上条恭介・・・これだけは覚えておきなさい」

ほむら「この世界を元に戻すという事は・・・あなたも大切な人と別れることを意味するのよ」



恭介「仁美さん!?仁美さんがどうなるっていうんだ」



恭介「もう二度と仁美さんを殺させない。そして・・・ワルプルギスも・・・君も絶対倒してみせる」

恭介「それで全てが救われるはずなんだ」




ほむら「・・・」


ほむら「ここまで鈍感だと・・・あの子も報われないわね」




ほむら「ごきげんよう上条恭介。あなたの覚悟・・・なかなか素敵だったわ」


さやか「暁美ほむら!あんた・・・」



ほむら「どいてくれるかしら?」すっ




さやか「・・・」



さやか「恭介!あんた仁美をほっぽりだして一体暁美ほむらと何やってたのよ!」




恭介「・・・」




恭介(そう言えば・・・さやかは昨日の戦いも見ていた・・・ということは
魔法少女の存在についても当然・・・・)




恭介「さやか・・・君ももしかして魔法少女になろうとしているのかい?」



さやか「え!?」



恭介「その顔は・・・やっぱり魔法少女の事を知っている反応だね」


さやか「だったら何だって言うのよ」

さやか「あたしがなんのために契約しようが恭介には関係ないでしょ!それより仁美にちゃんと説明―」



恭介「関係なくないよ」

恭介「さやかの事だから・・・なんだかとっても馬鹿な事に願い事を使いそうだし」

さやか「な!?」



恭介「さやかも巴さんから契約のリスクについてちゃんと聞いたんだろう?」

恭介「そこまでして叶えてもらうのに釣り合う願いをさやかが考えつくなんて考えられない」




さやか「はああああああああああああああ!?」ムカッ



恭介「さやかはそのままで良い。関わっちゃいけないと思うよ」

恭介「たしかに巴さんは素敵な人だけど・・・さやかがあこがれるとロクな事にならない気もするし」




さやか「ふざけるな!あたしが・・・あたしがどんな思いで・・・」


恭介「さやか?」



さやか「もう知らない!仁美も恭介も好きにすれば!あたしにはなああああああああああああんにも
関係ない!!」



バタン!!



恭介「・・・」


恭介「僕はただ・・・さやかに普通の人間でいてほしいって言っただけなのに・・・・」



キュゥべえ「恭介」

恭介「キュゥべえ」




キュゥべえ「出かけるよ。君が接触すべき少女の事を教えよう」



キュゥべえ「その娘の記憶を取り戻せれば・・・円環の理復活に一歩近づける」







マミ「ここの所戦わせっぱなしだったから・・・息抜きしろだなんて佐倉さんも美樹さんも大げさなんだから」



マミ「ふふっ。でも悪くないかもね。久しぶりにデートできるから!」


ここまで

テスト

なぎさ「今日は久しぶりのマミとのデートなのです!楽しみなのです!」


なぎさ「くんくん・・・チーズの匂い」

なぎさ「マミ!来てくれたのですね!」

ぼふっ


なぎさ「もがっ」

なぎさ(口の中に何か長いモノが・・・!?)



バイオリン仮面「それは・・・私の指揮棒だ」



通行人「!!」




通行人「きゃああああああああああああ!!」


通行人「ぱんつを顔にかぶった変態が幼女に社会の窓からはみ出た長いモノ♂を咥えさせてるー!!」





バイオリン仮面「いかがわしいモノ♂では無い!これはうんまい棒だ!」


なぎさ「しかもチーズ味なのです!」



なぎさ「食べてもいいのですか?」



バイオリン仮面「あぁ・・・好きにするといい」


バイオリン仮面「ゆっくり・・・包装を剥いてな」



通行人「おおおおおおまわりさあああああああああああああああん!!」



通行人「いや、警察だけでなく救急車も必要だあああああああ!!」




なぎさ「お兄さんは誰なのです?」サクサク

通行人「食ってるー!!」



バイオリン仮面「下着の魔法使い・・・バイオリン仮面ウィザードだ」


なぎさ「ウィザードと呼べばいいのですね」

バイオリン仮面「ぐっ!?何故だ?何故バイオリン仮面の呼び名の方が浸透しない!?」



バイオリン仮面「なぎさちゃん。もっとうんまい棒♂チーズ味あげるからお兄さんについておいで」ハァハァ


通行人「おまわりさあああああああん!現行犯ですよおおおおおおおお!!早くきてええええええ!!」

なぎさ「一本目はありがたく頂いたけどそれは聞けない願いなのです。お兄さんにはついていかないのです」



通行人「よ・・・良かった・・・思ったよりしっかりした子だった」



なぎさ「10円程度のチーズじゃなぎさは動かないのです!もっと良いチーズを持ってくるのですよ」

通行人「そっちかよ!」




Y.AOI(さんま時代)「私安い女じゃなくてよ」


バイオリン仮面「あれ?なんだ今のイメージ?」





警察A「お前か!白昼堂々とこんな小さい子に痴漢しているロリコンは!」

警察B「現行犯逮捕だ!みんなそんな欲求を抑えながら暮らしているんだぞ!」



バイオリン仮面「ち・・・違う!私は彼女を目覚めさせたかっただけだ!」



警察A「目覚め・・・!?こんな小さな子供の体に何をするつもりだったんだ!」

警察B「イエスロリータノータッチ!みんな触りたいけどルールを守っているんだぞ!」




警察A「お前からも後で話を聞くからな」

警察B「えっ!?」





バイオリン仮面「ええい!やはり変身体ではなく素顔で接しなければ駄目か・・・!!」


バイオリン仮面「とうっ!」





警察A「あっ!待て!!」




なぎさ「・・・」





なぎさ「今のはいったい・・・何なのです?」



とんとん(肩)

なぎさ「また男の人の手!なぎさは安いチーズじゃぱんつも見せない女ですよ!他を当たって-」

恭介「やあなぎさちゃん。久しぶりだね、僕を覚えているかい?」

なぎさ「・・・!!恭介!!」

キュゥべえ「百江なぎさ。君も知っている少女だろう?」



恭介「なぎさちゃん?彼女も魔法少女だったのか」

キュゥべえ「正確には「元」だけどね」



キュゥべえ「悪魔による世界改変の際、より幼い精神の彼女は
円環の使者である事と同時に自分が魔法少女である事も忘れてしまったのさ」

キュゥべえ「結果彼女は魔法少女候補というだけの「普通の人間」として現世に存在していることになる」




キュゥべえ「君は入院中何度か百江なぎさと会話したことがあるはずだろ?
彼女の記憶を取り戻せるかもしれない」


キュゥべえ「それが出来れば・・・なぎさが預かっているまどかの力の一部をまどかにもどすことが出来るはずさ」





なぎさ「恭介の腕はすっかり良くなったのですか?」

恭介「うん。奇跡的に回復したんだ」



なぎさ「おめでとうなのです!これでいつかバイオリンを弾いてくれるという約束も果たせるのです!」

なぎさ「でもなぎさのお母さんは・・・」



なぎさ「なぎさのお母さんは助からなかったのです・・・」


恭介「・・・」

なぎさ「あの日・・・めったに手に入らない限定チーズケーキを二人で食べる約束をしていたのです」



なぎさ「なぎさが戻ったときにはもう遅かったのです・・・お母さんは・・・」


なぎさ「そこから先は記憶が無いのです。なぎさは数日行方不明になっていたみたいなのです」



恭介「そうか・・・辛かったんだね」



なぎさ「でもなぎさにも新しい出会いはあったのです!大切な人が出来たのです」

なぎさ「その人が今のなぎさにとってお母さんなのです!」


恭介「強いな・・・なぎさちゃんは」

恭介「僕は治らなかった時の事なんて考えてなかったから・・・もしバイオリンが弾けなかったら今頃
どうなってただろうって考えることがあるよ」


マミ「ごめんなさい。待たせちゃったかしら?なぎさちゃん?」


なぎさ「マミ!」


恭介「あれ?巴さん?」

マミ「・・・上条君?」

恭介「なぎさちゃんの今一番大切な人って巴さんだったんだね」

マミ「えっ///」

なぎさ「はいなのです!今日は二人でお出かけなのです!」



恭介「デートの邪魔しちゃ悪いからね。僕は帰るよ」

なぎさ「またなのです!バイオリン聞かせてくれる約束、忘れちゃ駄目なのですよ」




恭介「わかってるよ。なぎさちゃんのためだけの曲をいつか聞かせてあげるよ」



キュゥべえ(・・・)

キュゥべえ(なぎさに肝心なことは何も伝えず帰るつもりなのかい?)




恭介「今のなぎさちゃん。すごい幸せそうな顔をしていた」

恭介「なぎさちゃんの記憶を元に戻すって事は・・・魔法少女としての・・・戦いの運命にまた
彼女を巻き込むって事だろう?」





恭介「僕がバイオリンを弾き続けられる未来のためになぎさちゃんまで巻き込むのは・・・
なんだか彼女を犠牲にしてる気がして引けるんだ」



恭介「また別の方法を探るよ。たとえば鹿目さんに直接コンタクトしてみるとか」




仁美「かみじょうくぅん・・・」ゆらり


恭介「・・・!!仁美さん!!」




マミ「いけない!この状況は!!」

マミ「またいらぬ誤解が生まれるわ!・・・ってなぎさちゃんも一緒じゃない!非常にまずいわ!!」


なぎさ「誰なのです?」

マミ「上条君の彼女よ」




なぎさ「ああ。あれがさやかの次の新しい彼女ですか」

恭介「さやかは関係ないよ!それより・・・」




仁美「楽しそうですね上条君・・・素敵な女性を二人もお相手して・・・」

恭介「やっぱりこうなった!!巴さん、なぎさちゃん、僕と一緒に誤解をといてよ!」


なぎさ「確かに母の入院中は恭介を素敵だなと思ったこともあるのです!」キリッ

恭介「おおおおおおおおおおおい!?なぎさちゃああん!?」

仁美「へえ・・・」ゆらっ

恭介「ひ・・・ひとみさん!?」

マミ(様子がおかしいわ)




仁美「大きいおっぱい」モミッ

マミ「きゃあっ!!」



仁美「暁美さんよりも・・・さらにちっぱい」なでなで

なぎさ「小学生だから当たり前なのです!」




仁美「なるほど・・・上条君は欲張りさんですね・・・」

恭介「え?」




仁美「大きいのと小さいのを・・・一緒にいただいてしまおうという訳ですわね・・・」

恭介「さっきから何を言ってるんだ仁美さん!?いくらなんでも情緒不安定すぎるよ!」



仁美「おっぱい♪おっぱい♪まぁるぃおっぱい♪」(手拍子)


恭介「本格的に壊れてるー!!」




仁美「理想のおっぱいはど・ぉ・れ?」

仁美「理想は・・・なぎさちゃん?」ビシッ(指さし)



なぎさ「はえっ!?」

なぎさ「ち・・・違うと思います」





なぎさ「なぎさはピアニッシモ♪恭介は大きな音・・・フォルテシモ♪」

なぎさ「理想はマミ!」びしっ



マミ「えええ!?」



マミ「ちーがーうー」あたふた


マミ「私はコントラバス♪上条君の相棒はヴァイオリン♪」



マミ「理想は志筑さん!」びしっ(指差し)

恭介(うまい!切り抜けた!)

なぎさ(バストサイズの違いをコントラバスとヴァイオリンに見立てるなんて・・・
マミ・・・実は巨乳を自慢しているんじゃ・・・)

仁美「少女のお胸は柔い胸♪」

仁美「幼女のお胸は甘い胸♪」




仁美「丸々育って召し上がれー!!」



カッ

恭介マミなぎさ「「「!!」」」




ゴゴゴ・・・


恭介「な・・・なんなんだこれは!?」


なぎさ「マミ!これも魔獣の仕業なのですか!?」



マミ「魔翌力を感じるけど違うわ!」

マミ「この魔翌力の・・・発生源は・・・志筑さん!?」






女神仁美(貧乳)「ウフフ」

悪魔仁美(巨乳)「オーホッツホッホ!!」






恭介マミなぎさ「「「・・・」」」




3人「ええええええええええええええええ!?」









ほむら「生かしておいてあげると言っては見たけど・・・何も干渉しないとは言ってないわ」

ほむら「まどかを円環の理と人間に引き裂いたのと同じ要領で・・・志筑仁美の人格を2つに分けた」



ほむら「それは・・・まどかにとっては「人間として生きたい」という本心と「自分を犠牲にした救済」との葛藤」

ほむら「志筑仁美にとって・・・上条恭介が「巨乳」と「貧乳」どちらが好みかわからなくなってしまったという葛藤」



ほむら「馬鹿馬鹿しいけど・・・心に「迷い」がある人間はこうして二つの魔なる物へと変貌をとげる。
魔女や魔獣、ナイトメアに代わる魔法少女たちの新しい敵の設定よ」


ほむら「愛する人を相手にどう戦うか・・・楽しませて頂戴ね。上条恭介」バーン

続く

テスト「魔力」

ここまで。そして結局バイオリン仮面でした。
番組名的には「バイオリン仮面ウィザード」になるでしょう。
元のバイオリン仮面を知らなくても読めるように書いてるので新規さんも最後まで読んでいってね


ここまでのキャラの扱いに不満とかもあると思うのですが。全12話を予定してますので
このキャラが目立つ、目立たないを今のうちに決めずにじっくり待ってみてください。



「バイオリン仮面」と周りの人間が呼ばずに「ウィザード」なのは世界線の違いの演出というか、
「バイオリン仮面」という単語を全く出さない案もありました。

結果、キャラの名前欄だけにとどめておくという判断に至りました。この時間軸では終始「ウィザード」
または「下着の魔法使い」と呼ばれます



とりあえず今のところ目立っていないキャラへのフォロー


さやか→恭介が主役の話で目立たない訳は無い。活躍まで待機中なだけ。

杏子→中盤以降かなり重要な役割をする予定

まどか→女神の力を取り戻すとそれだけで話が終わってしまうので最後の最後まで出番が少なくなるかも

中沢→全く活躍するエピソードが思い浮かばない。いっそ恭介ハーレムにこの子を追加するイベントでも
組み込んでみようかと



旧バイオリン仮面でやっていた予告と小出しの設定公開も復活しようと思います。そちらは明日以降に。

銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード!」


なぎさ「なぎさは・・・戦う力が欲しいのです!」

マミ「この現象をルシファーと呼ぶのはどうかしら?」キリッ

キュゥべえ「悪魔がなせる力だね・・・僕も知らないルールを次々と介入できるのさ」


杏子「あたしとさやかも同じようにルシファー化した奴を相手にしてた」

さやか「30すぎてあの衣装はねえわ」



和子「半熟か固焼きかなんてわかるはずもないのよ!」

仁美「導き出される答えは・・・さやぱい!?」



第三話

恭介「相対的に小さく見えた」



銀河万丈「ハーレムは誰にも崩させない!!」(今作のキャッチフレーズ)




現在公開可能な情報

バイオリン仮面ウィザードの演奏


①ご令嬢の恥じらい

属性:リア充 イメージ:仁美のテーマ


仁美のイメージが魔獣の彼女になってくれる事により完全にその魂を「浄化」する。
しかし魔獣一匹につき一人しか相手できないため、
恭介は生涯一度きりの一撃必殺のこの曲を中ボスに使用してしまったことになる。

一撃必殺とは言え、女性型の敵には効果が無い。
魔女ではなく魔獣が生まれる世界だからこその必殺技と言えるだろう。



②悪魔の銀の庭

属性:時間 イメージ:ほむらのテーマ

時間を止める。また恭介はこの曲を生み出したことにより
「止まった世界」に入門することが出来た。

同じ能力を持つほむらには効かない。
ほむらのそれと違い時間停止中もバイオリン演奏を止められないのでオリジナルの物より使い勝手は悪い



ルシファー現象

心に悩みや迷い、矛盾した欲望(仁美の場合、貧乳にも巨乳にもなりたいという願い)がある
人間が暁美ほむらの干渉を受けることにより生み出される魔翌力精神体。


その願望が両極端に実現した姿が「女神」と「悪魔」のイメージとなり実体化する


ウィザードの目的を妨害するために設定された
魔獣や魔女、ナイトメアともまた違う魔法少女達の新たな「敵」




なぎさの父「余命一ヶ月・・・」




父「・・・」

父「なぎさ・・・話がある」



なぎさ「お母さんが・・・」

父「すまない・・・本当は・・・なぎさに教えるべきでは無いと思ったんだが・・・」



父「知らなかったときの方が・・・お前を苦しませてしまう気がしてな」

なぎさ「・・・」



父「母さんにも伝えるべきかどうか・・・なぎさからも聞きたい」

なぎさ「大丈夫なのです・・・お母さんはきっと・・・真実を受け入れてくれるのです」




なぎさ「最後に最高の思い出を作るのです!お母さんと一緒に!」



~~~

なぎさの母「もう面会時間は終了よ。お帰りなぎさ」



なぎさ「嫌なのです!明日にはお母さんがいなくなるかもしれないのに規則なんて守ってられないのです!」

父「なぎさ。わがまま言うんじゃない。お母さんが安心できないだろ」



なぎさ「!!」

なぎさ「なぎさがわがままだとお母さんは悲しいのですか?」


母「そうね・・・お母さん・・・安心して天国に行きたいな」

母「なぎさが立派になってくれること・・・それがお母さんのお願いよ」



なぎさ「わかったのです!もうわがままは言わないのです」



なぎさ「とは言っても・・・一日の面会時間が限られてるんじゃお母さん退屈なのです」



なぎさ「そうだ!同じ患者さんがお母さんの友達になってくれればいいのです!
そうすればお母さんは孤独を感じずに済むのです」

なぎさ「手当たり次第病室を当たってみるのです!」


なぎさ「こんにちは!」ガチャッ

患者「わっ!びっくりした!」



なぎさ「こーんにちはー」トントン

恭介「・・・君は?」

恭介「なぎさちゃん悪いけど僕・・・症状が悪くて君のお母さんに会う余裕が無いんだ」

恭介「治ったとしても・・・以前の様にバイオリンが弾けるかどうか・・・」


なぎさ「恭介はバイオリンを弾くのですか?聞いてみたいのです!」

恭介「そうだね・・・もしも治るのなら聞かせてあげたいね」




なぎさ「恭介も面会以外の時間は退屈なのですか?」

恭介「毎日お見舞いに来てくれる友達が一人いるけどね・・・彼女が帰ったら暇になるね」



なぎさ「彼女・・・とな!?」


恭介「そういう意味じゃないよ!友達だって説明したじゃないか」

なぎさ「その子がいない時・・・こうやってまた遊びに来ていいですか?」




恭介「いいけど・・・別にさやかならいる時でも大丈夫だと思うよ」

恭介「君とさやかならすぐに友達になれそうだし」



なぎさ「二人の邪魔しちゃ悪いのです。
恭介が気づいてないだけでさやかって子はきっと恭介が好きなのですよ」



恭介「ハハ、まさか」





なぎさの母「昨日は知らない人がたくさん尋ねてきてくれたの」

母「なぎさ・・・あなたが呼んでくれたのね。ありがとう」

なぎさ「どういたしましてなのです」



なぎさ「なぎさにも新しいお友達が出来たのです。ちょっとかっこいい年上の男の子なのです」

母「あら?彼氏が出来たのかしら?」

母「ふふ・・・お父さんには内緒にしておかないとね」



なぎさ「残念ですけど彼女っぽい人が毎日お見舞いに来てるみたいなのです。
おっぱいとか太ももとかけしからん事になってたのです」


なぎさ「なぎさも大人になったらあんな風になるのです!」



母「それは楽しみね・・・なぎさが大人になる所・・・見てみたかったな・・・」

母「なぎさの赤ちゃんにおばあちゃんですよーって挨拶してみたいな・・・」


なぎさ「・・・」



恭介「ありがとうなぎさちゃん。さやかとなぎさちゃんのおかげで退屈を感じなくなってきたよ」

なぎさ「感謝してくれるのならなぎさのお願いも聞いてほしいのです」

恭介「なんだいそれは?僕にも出来そうな事なのかい?」





なぎさ「なぎさと子作りして欲しいのです!」





恭介「ブッ!!」

恭介「ゴホッ!ガホッ!!」




なぎさ「恭介!?大丈夫ですか?動揺しすぎなのです!」

なぎさ「子供を作るというのはそんなにも困難な事なのですか?」





恭介「い・・・色々段階があるんだよ!18歳以上の男女同士じゃないと警察に捕まるんだよ!(僕が)」

なぎさ「そうなのですか・・・それじゃあさやかとも子作りしてないのですね!」


恭介「だからさやかとはそういうのじゃ無いって!」


恭介「改めて意識しちゃうと・・・さやかの事をそういう目で見そうになるけどね」

恭介「でも違うんだ。さやかは優しい子だからね。僕のお見舞いに来てくれるのも幼馴染故の義理なんだ」



恭介「さやかが聞いてくれたバイオリンも弾けなくなっちゃったし・・・
事故以前も異性としては意識してなかったと思うよ」


恭介「昔から僕と一緒にたくましいヒーロー物の番組とか夢中に見てたからね」



なぎさ「なんだかじれったいのです!もっとお互いに踏み出すべきなのです!」




母「な・・・ぎ・・さ・・・」

母「そこにいるの・・・?ねえ・・・」




母「もう眼が見えないの・・・お願い・・・傍にいて・・・」



なぎさ「お母さん・・・お母さん・・・!」



なぎさ「最後に・・・チーズケーキを食べて欲しいのです」

なぎさ「誕生日に無理して並んでもらったあの店のケーキを」



なぎさ「なぎさは・・・なぎさはもう大人なのです!だからあの日のわがままを今度はなぎさがお返しするのです!」

限定チーズケーキ本日完売


なぎさ「そんな・・・」

キュゥべえ「他にもチーズケーキはあるじゃないか」

なぎさ「あのチーズケーキじゃなきゃ駄目なのです・・・」


なぎさ「お母さんに・・・お母さんに・・・もうなぎさはわがまま言わ無いのですって・・・
大人になったのですって伝えたいのです・・・」


なぎさ「あの時はわがまま言ってごめんなさいって伝えたいのです!
だから・・・だから・・・あの日のあのケーキじゃないと駄目なのです・・・」




キュゥべえ「どうしてもそれが欲しいと言うのなら僕が力になってあげられるよ」

なぎさ「え・・・?」




キュゥべえ「それが君の望みというのなら・・・僕が叶えてあげるよ」

キュゥべえ「だから百江なぎさ・・・」





キュゥべえ「僕と契約して魔法少女になってよ!」







なぎさ「お母さん!」ガチャン


なぎさ「!!」


なぎさの父「なぎさ・・・遅かったよ」

なぎさ「そんな・・・」




なぎさ「お母さん!お母さん!」


父「最期の最後まで・・・なぎさの名前を呼んでいたよ」

父「会いたいって・・・手を握って欲しいって」




父「寂しいって・・・それだけを繰り返しながら・・・」

父「うう・・・ううううう!」



なぎさ「・・・」



キュゥべえ「君が焦っていたから・・・説明を省略したけど・・・」


キュゥべえ「なぜ君はお母さんの快復を願わなかったんだい?」

なぎさ「・・・」


なぎさ「今・・・なんて言ったのです?」


キュゥべえ「君の願いを叶えてあげると言ったじゃないか」

キュゥべえ「その上でチーズケーキを選んだのは君自身だよ」



なぎさ「・・・!!」


なぎさ「そんな事聞いてないのです!あの時はチーズケーキをあげるよとしか言ってないのです!!」

キュゥべえ「叶えられる願いはそれだけじゃなかったんだけどな・・・」

なぎさ「じゃあ返して欲しいのです!お母さんを返して欲しいのです!お母さんを生き返らせて欲しいのです!!」




キュゥべえ「それは無理だ。君の望みは今さっき叶えたじゃないか」

キュゥべえ「一度きりの奇跡を君は使い切ってしまったのさ」



なぎさ「こんなの・・・こんなのあんまりなのです!」

なぎさ「チーズケーキもお母さんがいなければ意味が無いのです!お母さんを今すぐ返して!」



キュゥべえ「わがままだね君は・・・」

なぎさ「わがまま・・・?」ピクン



キュゥべえ「あのチーズケーキじゃなければ駄目。叶えたら叶えたで願い事を変えて欲しいだなんて」

キュゥべえ「そのわがままが結果何をもたらしたか理解しているかい?」




キュゥべえ「一番肝心な時に・・・君は母親のそばにいなかった」

なぎさ「!!」



キュゥべえ「どこかでわがままを妥協していれば最低でも母の最期を看取ることが出来た」


キュゥべえ「きっと君の母親は悲しんでいるだろうね・・・娘がわがままなまま何も変わって無かったってね」



なぎさ「そんな・・・」ピシッ




なぎさ「お母さん・・・なぎさは・・・なぎさは・・・」

キュゥべえ「魔法少女として働いてもらいたかったけど・・・これじゃあそれも望めそうに無い」



キュゥべえ「「幼すぎる」契約者も・・・考え物だよね・・・」


なぎさ「なぎさは・・・大人に・・・」


キュゥべえ「君は子供だよ」ピシッ

パチパチパチパチパチ・・・


なぎさ「あれ?」


医師「おめでとう」

看護士「おめでとう!」




母「なぎさ」

なぎさ「お母さん!?」




母「なぎさのおかげですっかり良くなったのよ」

なぎさ「お母さん!」


なぎさ「なぎさがお菓子を出すのです!退院パーティするのですよ!」





ポンッ

母「あら、すごいわね。なぎさは魔法が使えるのかしら」


なぎさ「はいなのです!なぎさは魔法少女なのです!」



なぎさ「でもチーズだけなぜか出せないのです。お母さんにあの日のチーズケーキを食べて欲しいのです」




母「焦らなくてもいいわ。チーズはあちらからやってくるから」





ガチャッ


マミ「こんにちは」

なぎさ「お姉さん、誰?」



マミ「なぎさちゃんにチーズケーキを届けにきたのよ」

なぎさ「!!」



なぎさ「チーズケーキ!あの日のチーズケーキなのです!」


なぎさ「・・・」うずうず



母「なぎさ、我慢しなくていいのよ。お母さんより先に食べなさい」

なぎさ「ご・・・ごめんなさいお母さん。なぎさは・・・まだまだわがままな子供なのです!」



なぎさ「いたたきますなのです!」クチャリ・・・・・・

第三話「相対的に小さく見えた」



女神仁美「ウフフ!」

悪魔仁美「オホホ!」



ゴゴゴ・・・(結界展開)




通行人「なんだよこれ・・・!?なんだよこれ!?」

通行人「力が抜ける・・・」ドサッ



マミ「魔獣同様に・・・人間の生命力を吸い上げているの!?」





恭介「キュゥべえ!?一体これは!?」

キュゥべえ「悪魔がなせる力という奴だね・・・僕も知らないルールをいつでも介入できるのさ」



キュゥべえ「志筑仁美の思念を媒介に実体化したアレは人間に危害を及ぼす性質があるみたいだ」


マミ「・・・」


シュイン!(変身の光)




恭介「巴さん!」



マミ「わかっているわ・・・志筑さんは一般人よ」

マミ「でもだからと言って・・・この状況を見過ごせないわ」




シュルシュル


マミ「拘束する。そしてこの結界を解除させる」


マミ「元に戻す方法はそれから突き止めるわ」




マミ「魔獣退治はオフの日なのに・・・ついてないわね・・・」



悪魔仁美「オーホッホッホ!!」


ギュイン!(上昇)



ギュルギュルルル!(急降下)



ガキィン!


マミ「くっ!」

ギギギギ・・・(マスケットで仁美の突進を止める)



ぷるんぷるん(仁美とマミのおっぱい)



通行人「ゴクッ」


通行人「す・・・すげえ!最近のJCすげえ!」


恭介「おとなしく倒れてろよ!余計なもんばっかり起ってるじゃないか!」





なぎさ「恭介はどうして平気なのです?」

恭介「そういうなぎさちゃんだって」


キュゥべえ「魔法少女、およびそれと同一の魔法使いはどうやらこの結界に耐性があるようだね」


なぎさ「なぎさは契約した覚えは無いのです」


なぎさ「それに・・・恭介も魔法少女だったのですか!?」






恭介「え?いや・・・その・・・」




恭介「うう・・・苦しい!急に苦しくなってきた!」バタン

なぎさ「恭介!?」


女神仁美「ウフフ!」
バッ(なぎさに襲い掛かる仁美)



なぎさ「きゃあ!」


恭介「!!」

恭介(なぎさちゃんの注意が仁美さんに逸れた!い・・・今だ!)


バッ(仁美ぱんつ)

恭介「フォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」ピカーッ

ドスッ(腹パン)


女神仁美「!?」


バイオリン仮面「それは・・・私のバイオリンケースだ」

バキィン



なぎさ「高そうなバイオリンケースが!」

バイオリン仮面「中身が無事なら問題ない」



マミ「ウィザード!?」




バイオリン仮面「また会ったな。魔法少女よ」


女神仁美「キャハハハ!!」



バイオリン仮面「思い出してよ仁美さん!僕だよ、恭介だよ!」(小声)


女神仁美「!?」


女神仁美「この人が被っているのは・・・わ・・・私のパンティ!?いやああああああ!!」



ドスドスドスドスドス!!(腹パンラッシュ)




バイオリン仮面「オブエッ!?」



女神仁美「あなたの様な変態が上条君であるはずありませんわ!!」



なぎさ「ウィザード!」


バイオリン仮面「君だけでも逃げてくれ・・・なぎさちゃん」



悪魔仁美「こっちを手伝ってください!女神さん!」

女神仁美「はい!!」




マミ「一人でも手こずっていたのに!」



ガキッガキッ(押されるマミ)


なぎさ「マミ!」

バイオリン仮面「早く逃げて・・・」


なぎさ「いやなのです!」

なぎさ「なぎさは・・・なぎさはわがままを言ってお母さんを寂しがらせてしまったのです」

バイオリン仮面「だったら・・・わがままを言わずに逃げてくれ・・・巴さんもきっとそれを望んでいる」


なぎさ「でも・・・わがままで良かったのです。あの時なぎさはお母さんの死を受け入れていたけど・・・
本当は生きて欲しいって何度も言いたかった・・・お母さんにもっともっと叱って欲しかったのです」



なぎさ「もう二度と大切な人を失いたくないのです・・・だからなぎさはわがままを言うのです!」

なぎさ「キュゥべえ!なぎさは契約します!マミを守るための力をくださいなのです!」



キュゥべえ「君は忘れているんだ。すでに僕と契約したことを」

なぎさ「えっ!?」




キュゥべえ「残念だけど二度目の契約は無効だよ。君は君自身でその記憶と力を取り戻すしかない」


なぎさ「そんな・・・」



女神の拘束されるマミ、
悪魔に乳を(服の上から)吸い取られるマミ


ちゅぱちゅぱ

マミ「ちょ・・・志筑さん!?駄目・・・やっ!そ・・・そんなところ・・・あっ」



巻き込まれた通行人「キマシタワー!!」

巻き込まれた通行人「ま・・・巻き込まれて良かった!いい物を見させてもらった!!」


バイオリン仮面「!!巴さんの胸を取り込み、さらに巨乳になろうとしているのか!?」




バイオリン仮面「・・・!!」


バイオリン仮面(なぎさちゃんが・・・戦う決意をした・・・なら僕は・・・)

バイオリン仮面(記憶を取り戻せば・・・なぎさちゃんは戦い続けることになる)




バイオリン仮面(だけど・・・今ここで巴さんを救えなければ・・・なぎさちゃんは・・・)



バイオリン仮面「なぎさちゃん」

なぎさ「はい?」




バイオリン仮面「戦いの運命に飛び込めば・・・君はもう二度と戻れなくなる」

バイオリン仮面「それでも・・・巴さんを救う力が欲しいかい?」


バイオリン仮面「僕なら・・・君の力と記憶を取り戻せるかもしれないんだ」

なぎさ「!!」

バイオリン仮面「僕の演奏にキュゥべえから聞いたなぎさちゃんが叶えた願い・・・
そして欠けている記憶を込めれば・・・戻せるかもしれない」

バイオリン仮面「しかしそれは・・・なぎさちゃんにもう一度絶望を与えることと変わりない」


バイオリン仮面「君はあの時・・・お母さんを助ける願いを放棄して・・・」

なぎさ「やってくださいなのです!」

バイオリン仮面「・・・」



なぎさ「今マミを助けないときっと後悔するのです!記憶が欠けている事が幸せだとしてもそんなの嫌なのです!」

なぎさ「今助けられるのはマミなのです!そのためなら、なぎさとお母さんの間に何があったか・・・
例えイヤだったことでも思い出したいのです!」



バイオリン仮面「わかったよなぎさちゃん・・・これが・・・君に贈る私の演奏だ」




♪~♪~♪



なぎさ「・・・!!」




なぎさ「この感じ・・・あなたの演奏は初めて聞くけど・・・なんとなくわかるのです」

なぎさ「あなたは・・・きょう・・・」





なぎさ「!!」ピキーン



なぎさ「そうだったのです・・・なぎさはあの時・・・」





ちゅぱちゅぱちゅぱ(マミの乳を吸い続ける悪魔仁美)


マミ「あっ・・・うんっ・・・も、もうだめええええええ!!」


通行人「巨乳の女の子が・・・!もう耐えられそうに無い!(意味深)」

通行人「何も出来ないのが悔しいなあ!(大嘘)」





なぎさ「サポナーリオ・ミトラッリャトリーチェ(シャボン玉のマシンガン)!!」



ドドド!


悪魔仁美「!!」


マミ「な・・・なぎさちゃん!?あ・・・あなた・・・」

なぎさ「マミのおっぱいから離れるのです!」

なぎさ「マミのおっぱいを吸ってもいいのはなぎさだけなのです!」

マミ「え」

なぎさ「うろ覚えだけど記憶があるのです!なぎさはマミのおっぱいをごちそうになっていた記憶が!」
(ベベ形態の時の記憶)





通行人「な・・・なんだってええええ!?」

通行人「幼児退行プレイ!?上級者すぎるよこの子達!」




マミ「ちょっとなぎさちゃん!デタラメ言わないで!私・・・おっぱい吸わせた覚えは無いわよ!」

なぎさ「だったら・・・これからその思い出を本当のモノにすればいいのです!」

なぎさ「マミはなぎさに吸われるのはイヤですか?」



マミ「えっと・・・その・・・」

マミ「いやじゃ・・・ないわ・・・」ぼそっ



通行人「!!」

マミ「なぎさちゃんになら・・・いつでも・・・」




通行人「うおおおおお!!」

通行人「俺だ!俺が先に吸う!」




マミ「生命力を吸い取られたはずの人たちが起き上がって・・・暴徒と化している!?」

マミ「いやあああ!こっちに来ないでええええええええ!!」




バイオリン仮面「吸いたければ思う存分に吸うがいい!」

バイオリン仮面「ただし・・・私のバイオリン♂をな!」ジー↓(社会の窓)バァーン!



マミ「ウィザード!」

バイオリン仮面「男共は私に任せろ!君たちも二人!敵も二人!そちらを任せたい!」



マミ「ええ、わかったわ。あなたが何者か気になるけど・・・とりあえず今は志筑さんの動きを止めないとね!」



マミ「レガーレ!!」シュルシュル!(悪魔拘束)


悪魔仁美「!!」





なぎさ「なぎさは・・・なぎさは思い出したのです」

なぎさ「なぎさが叶えた願い・・・そしてお母さんを最後に悲しませたこと・・・全部思い出したのです」


なぎさ「でも・・・だからこそなぎさは戦うのです」




なぎさ「あの時お母さんを悲しませた分・・・誰かを救って笑顔にしてあげたい。魔法少女ならそれができるのです!」

なぎさ「今一番・・・大切な人を守るためにもなのです!」




なぎさ「サポナーリオ・レクルズィオーネ!」(シャボン玉による幽閉)



女神仁美「!」フワ・・・(シャボン玉に閉じ込められる仁美)




なぎさ「今なのです!マミ!」

マミ「オッケー!わかったわ!」





マミ「ティロ・デクッサッツィオーネ!」(ティロ・フィナーレ2発分の交差攻撃)



カッ!



ドッグォン・・・




マミ「!!」




悪魔仁美「・・・」フラフラ

女神仁美「・・・」フラフラ




マミ「倒れていない・・・!?」

マミ「や・・・やっぱり彼女を止めるには・・・殺すしか無いの!?」




バイオリン仮面「案ずるな魔法少女よ!」

マミ「ウィザード?」


バイオリン仮面「彼女が女神と悪魔の魔力体を生み出してしまったのは「迷い」が原因だ」


バイオリン仮面「だとすれば・・・その「迷い」を取り除いてやれば彼女の精神は健全な物へと戻り・・・
魔力体も浄化される」



バイオリン仮面(そうだ・・・僕がもっとしっかりしていれば・・・仁美さんはこうはならなかったんだ)

バイオリン仮面「今君に届ける!この曲は君のテーマだ仁美さん!」


♪~♪~♪

マミ「何を・・・?」



バイオリン仮面「バイオリンの音色を通して仁美さんの精神との対話を試みる!」




悪魔仁美「・・・」

女神仁美「・・・」



マミ「動きが・・・止まった!?」


~ここから仁美の記憶が改ざん~

~喫茶店的な場所~



恭介「ごめんね仁美さん・・・本当に巴さんともなぎさちゃんとも暁美さんともなんとも無いんだ」

仁美「そうでしょうか?」




恭介「いつまでも疑われてばかりじゃらちがあかないから本当の事を言うよ」

仁美「本当の事・・・とは?」



恭介「僕も男だからね・・・僕の好みの胸のサイズについて」

仁美「!!」




恭介「実を言うと・・・入院生活が長かったから・・・仁美さんの胸は相対的に小さく見えたんだ」

仁美「な・・・なんですって!?」イラッ



恭介「他に比べる人がいないんだもの。しょうがないじゃないか」

恭介「ナースのおっぱいをじっくり見るわけにはいかないし」




恭介「でも・・・そんな事は僕の間違いだと気づいたよ。復学して同年代の子と比べると・・・
仁美さんはすごい発育が良い子だと気づいたんだ」



仁美「そ・・・そうですか」ドキドキ

恭介「僕の好みのサイズは・・・」


恭介「なぎさちゃんや暁美さんのような平らな感じでもなければ巴さんの様な「爆」サイズでも無いよ」

恭介「その中間点より少し巴さんよりというか・・・何というか・・・大きいけどこれで十分的なサイズというか」

仁美「で・・・では私の」

恭介「残念だけど・・・理想論で語ればそれも違うんだ」

恭介「理想は仁美さんより少し大きいくらいかな?」

仁美「え」



恭介「それでいて巴さんほど大きくは無くて大丈夫な感じ・・・って難しいよね・・・」

仁美「そ・・・そうでしたか・・・私では上条君の理想には届きませんか・・・」




恭介「ち・・・違うんだ仁美さん!中学生だからまだ成長の余地があるじゃないかって意味でね」


恭介「改めて言うと恥ずかしいけど・・・
そういう意味でも仁美さんの事を好きになれそうだなって思ってて・・・」




恭介「だから僕の理想のサイズは仁美さんだよ!だから・・・自分を見失わないで!」



仁美「か・・・上条君・・・」

恭介「あ・・・もちろんそういう意味だけじゃなくて・・・仁美さんは僕のこと真剣に考えてくれてるから・・・
僕も仁美さんだったら本気に好きになれそうって意味で・・・」




仁美「その言葉・・・信じます」

仁美「私・・・上条君のこと・・・大好きですから・・・」





しゅうう・・・


マミ「女神と悪魔が浄化されて・・・志筑さんが元に戻っていくわ」

バイオリン仮面「魔獣とは違う・・・一体これは・・・」



マミ「この現象をルシファーと名づけるのはどうかしら?」キリッ

バイオリン仮面「え゛」



なぎさ「マミ、さすがなのです!センスがあるのです!」




TEL音(マミスマホ)


マミ「もしもし・・・佐倉さん?こっちは大変だったのよ!」

マミ「志筑仁美さんがルシファー化して・・・それを食い止めるためになぎさちゃんまで・・・」



杏子「るしふぁー?だったらそれでいいや。実はあたしとさやかもルシファー化した奴と戦ってた」

さやか「30すぎてあの衣装はねーわ」



マミ「え?誰がルシファー化したの?」

さやか「早乙女先生」


和子「固焼きか半熟かなんてわかるはずも無いのよ!」


さやか「っていいながら悪魔と女神に分かれた」

杏子「悪魔は仕事に生きる先生、女神は家庭に生きる先生ってイメージらしい」




マミ「それで・・・浄化できたの?それとも・・・」

杏子「いや・・・和子先生のルシファー結界に中沢ってうちのクラスの男子が巻き込まれてだな」





中沢「どっちでもいいんじゃないかと・・・」



さやか「その一言で和子先生のルシファー化はあっさり解けたんだわ」




マミ「わ・・・私たちがあれだけ苦戦したのに・・・」



杏子「それより・・・ルシファーを倒したのならその辺に突起物が落ちてるはずだ」

マミ「え?」


杏子「それが・・・普通の人間をルシファー化させる作用をもたらしてるらしい。
グリーフキューブと同じようにソウルジェムの浄化作用もあるみたいだが・・・調べるためにも持ち帰れよ」




マミ「あったわ・・・これね」

スッ(グリーフシードに似た物体を持ち上げるマミ)




マミ「さしずめ・・・ルシファーシードと言った所でしょうね」




マミ「誰が・・・一体何のために・・・」




マミ(一番怪しいのは・・・目的もわからないウィザードだけど・・・
私を助けたことも含めて彼の計画だとすれば・・・)



バイオリン仮面「さらばだ魔法少女たち!また会おう!」バッ




マミ「あ!待ちなさい!!」


なぎさ「・・・」



なぎさ「恭介・・・?」

~次の日~

キーンコーンカーンコーン


仁美「~♪」

さやか「ご機嫌だね仁美。恭介と仲直りできたの?」



仁美「さ・・・さやかさん!」

仁美「ええ・・・実は・・・」



仁美「上条君が・・・理想のタイプは仁美さんだとおっしゃられて・・・」

さやか「うおおおお!それ真面目にすごい手ごたえだよ!恭介基本嘘つかないし」




さやか「あれ?でも何故今頃そんな話を?仁美が理想の女性なら告白したときそう返事すればいいのに」



仁美「胸のサイズの話ですわ。さやかさん」


さやか「おっぱい!?ってえええええええええ!?」



さやか「い・・・何時の間にそんな突っ込んだところ(意味深)まで話し合う間柄に!?」

さやか「こ・・・これは一大事ですよ!
仁美と恭介が中学生のうちからそんなディープな関係になっちゃうのも時間の問題ですかな~」ニヤニヤ





仁美「もうさやかさんたら!そんなのじゃありませんわ!」




仁美「・・・?」




仁美(あれ・・・?なんでしょう・・・この違和感・・・?)

仁美(手放しに喜んではいけない気がしますわ・・・私・・・何かを見落としている!?)




仁美(確かに・・・昨日上条君は私を褒めてくださいました・・・でもその言葉に・・・なぜか違和感を・・・)


仁美(落ち着いて・・・一字一句昨日上条君がおっしゃった言葉を思い返してみましょう)



仁美(「相対的に小さく見えた」・・・
これは入院生活が長くて女性のおっぱいなど比べる機会が無かったのが原因・・・)



仁美(いいえ!違いますわ!「相対的に」なんて・・・比べる対象が無い限り使うべき言葉ではありませんわ!)

仁美(つまり・・・上条君は入院中おっぱいに触れる(観察的な意味で)機会があった!だからこそ仁美パイを
「相対的に小さく見えた」と誤認してしまったのですわ!)


仁美(上条君が入院中に最も触れ合った(視聴的な意味で)おっぱいは何か・・・そんなの決まってます!)

仁美(さやかさん・・・!!)


仁美(さやぱいに触れ続けた(観察的な意味で)結果・・・
上条君の中でのおっぱいの基準が・・・さやぱいより小さいか否かになってしまったとしたら・・・)




仁美(退院してしばらくは・・・上条君は私のおっぱいを小さいものだと勘違いしていた・・・
つまり私の仁美ぱいがさやぱいより小さいことを意味しています)



仁美(さやぱいに劣っているだけならまだなんとも無いです・・・問題は・・・)



仁美(理想は仁美さんより少し大きいくらい・・・この言葉!)




仁美(導き出される答えは・・・さやぱい!?)


仁美(上条君の理想のおっぱいサイズは・・・さやぱいのそれなのでは無くて!?)




仁美(いいえ、違いますわ!さやぱいを無意識レベルに刷り込まれて(記憶的な意味で)・・・
自覚無しにさやぱいを好きになっているとすれば・・・)




仁美(さやぱいがたまたま上条君の好みだったのではなく・・・何度も押し付けられた(視覚的な意味で)
結果・・・上条君がさやぱいを好きになってしまったとしたら・・・!)



仁美(だとすれば・・・理想は私より少し大きいくらいとおっしゃられたのもわかりますわ!)




仁美(そして上条君は・・・私の事をこれから真剣に考えてくださるとは言いましたが・・・
まだ恋人としての好きでは無いということもおっしゃってました・・・)





仁美(こ・・・この条件から導き出される結論・・・それは・・・)




仁美(!!)






仁美(上条君は・・・無意識レベルでさやかさんの事を好きになっている!?)バァーン!



さやか「おーい仁美ーどうしたー?」


仁美「さやかさん!恐ろしい子!!」むにゅうっ


さやか「きゃあああああああああ!?」


男子「!!」

仁美「死してなお(恋の敗北的な意味で)ライバルであり続けるなんて・・・本当に恐ろしい子ですわ!」


むにゅっむにゅっ

さやか「ちょ・・・仁美!!んっ・・・やめてよ!男子も見てるのに!!」



仁美「いっその事巴さん超えしてしまえばいいのですわ!!もっと大きくして差し上げますわ!!」


中沢「すげぇ!なんだこの状況!?」

男子「いつもセクハラしてる美樹が・・・逆に志筑さんに揉まれている!?」





男子「しかし・・・こうしてみると美樹って結構大きいよな」

男子「ああ・・・しかも上条に彼女が出来たから今フリーなんだろ?」



男子「おい、実は狙い目なんじゃねーのか美樹って」





仁美「でも私負けませんわ!この勝負受けてたちますわ!」

仁美「絶対に上条君の心からさやかさんを消してさしあげます!」




さやか「ちょっと仁美?あたしはもう恭介の事は・・・」

仁美「いいえ、油断なりませんわ!つい最近(三年前)まで一緒にお風呂に入っていたことも聞きましたのよ!」




男子「え」

中沢「ええええええええええええええええええ!?」



さやか「ひとみいいいいい!?何言ってるのよ!
ほんの三ヶ月くらい最近な話し方しないでよ!年数を言いなさいよ!年数を!!」




仁美「さやかさんは私が上条君と付き合うようになってからも良いお友達でいてくれましたけど・・・
それも作戦のうちかもしれないと考えたら・・・友達付き合いはできませんわ!」


仁美「ごきげんようさやかさん。これから上条君の心を完全に奪うまではライバル関係でいましょうね」



さやか「ちょっとひとみー!?ひとみー!?待ってよ仁美ー!!」


ガバッ(さやかの前方に立ちふさがる男子たち)


中沢「美樹さん・・・放課後のご予定は?」キリッ

さやか「は!?」

中沢「僕と一緒にお茶でもしませんか?」キリキリッ


さやか「あんたさ・・・自分のキャラ見失わないほうがいいよ・・・昨日の和子先生みたいになりたくなければね・・・」

~また別の日~
マミ「美樹さん、佐倉さん!またルシファーと思われる反応よ!至急現場に向かって!」



さやか「オッケーわかったよ!ここからだと・・・あたしが一番に到着するね!」


さやか「!!」



さやか「もうすでに誰かルシファーと応戦している・・あれは・・・下着の魔法使い!?」



バイオリン仮面「・・・くそ!僕の演奏では攻撃方法に乏しい・・・!!」


バイオリン仮面「一体どうすれば・・・巴さんがなぎさちゃんが到着するまで持ちこたえるか・・・」




さやか「下着の魔法使い!あんた一体何やってるのよ!!」



バイオリン仮面「さやか!!」



一般人ルシファー(女神側)「ヒャッハー!」


バシュッ(魔力ビーム)



バイオリン仮面「危ない!!」



さやか「きゃっ!!」



ザシュ(バイオリン仮面の背中をかすめるビーム)



バイオリン仮面「なんでこんな所に来たんだ!」

バイオリン仮面「君は逃げるんださや・・・美樹さん!外に抜けたら巴さんかなぎさちゃんを呼んできてくれ」




さやか「は?あんた何言ってるの?知らないの?それとも・・・あたしを見下してるの?」



パアア!(バイオリン仮面の背中を癒す回復の光)


バイオリン仮面「!!」



シュイン!(変身の光)

さやか「あたしだって魔法少女だよ!マミさんと同じように戦えるんだから!」



バイオリン仮面「・・・!?」

バイオリン仮面「さやか・・・そんな・・・嘘だろ・・・!?」

続く

ここまで

銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード!」


恭介「なんでさやかがすでに魔法少女だって事黙っていた!?」

キュゥべえ「聞かれなかったからさ」


まどか「上条君は大事な人だよっ」

ほむら「・・・」

仁美「・・・」


なぎさ「マミのおっぱいを吸えば思い出すかもしれないのです」

マミ「ま・・・待って!心の準備が・・・」


さやか「下着が盗まれた!杏子!追って!」

杏子「マスクの下・・・あんたは・・・」



銀河万丈「第4話!」



恭介「僕の正体は」


銀河万丈「ハーレムは誰のも崩させない!」





銀河万丈「すいませんかみました」


公開設定

「ワルプルギスの夜」
かつて暁美ほむらが幾度と無く戦い続けた魔女と同じ姿をした正体不明の「呪い」の集合体。
その役割は繰り返される世界におけるリセット。

暁美ほむらが生み出したモノでは無く鹿目まどかの秘めた願望、
「みんなと離れ離れになりたくない」気持ちが魔獣の集合体を媒介に具現化したモノ。



作中魔法少女おっぱいランキング


マミ>さやか≧仁美>杏子>まどか>ほむら>なぎさ


作中魔法少女性欲ランキング(異性)

さやか>なぎさ>仁美>マミ>まどか>杏子>ほむら


作中魔法少女性欲ランキング(百合)

ほむら>杏子>仁美>マミ>なぎさ>まどか>さやか



ルシファーシード

これを埋め込まれた人間は内に潜んだ「矛盾した願望」や「見失った自分のキャラ」
が二つの形態として具現化する。
暁美ほむら作。

本来邪魔になるはずの恭介をあえて殺さずにもて遊ぶ(意味深)ため作り出した
魔法少女の「新しい敵」を生み出す種。



ひだまりスケッチ一挙を消化してました。また近いうちに書き始めます

第4話「僕の正体は」



バイオリン仮面「さ・・・やか!?」

バイオリン仮面「そんな・・・嘘だろ・・・」




ルシファー(悪魔側)「GYAASU!!」

さやか「危ない!」ザシュッ



ルシファー(女神側)「!!」



さやか「あんたにも一発!!」ブンッ





ルシファー(悪魔&女神)「KYOEEE・・・」しゅうう・・・




さやか「ふうっ・・・どうやら浄化しなくても倒しさえすればルシファーになった精神体は元の人間へと戻るらしいね」

さやか「それよりも下着の魔法使い、アンタ何やってんのさボーッとしちゃって・・・」



さやか「あれ?いない?」





さやか、なぎさ、マミ、杏子、まどかと合流



その様子を影から見ている恭介




恭介「・・・」

キュゥべえ「何か不満そうだね、恭介」



恭介「さやかが・・・」

キュゥべえ「?」


恭介「さやかが魔法少女だって事・・・なんで黙ってた!?」


キュゥべえ「聞かれなかったからさ」



恭介「・・・」

恭介「キュゥべえ・・・君は何を考えて・・・」



キュゥべえ「百江なぎさが記憶を取り戻したのはあくまで魔法少女としての記憶だ」

なぎさ「魔法少女として復帰したのはいいけど・・・何か忘れてる気がするのです」

なぎさ「なぎさには違う姿・・・違う役目があったはずなのです」


さやか「何言ってるのなぎさ?マミさんの病気が移ったの?」

なぎさ「なぎさは何か大切なことを忘れているのです!だけどマミのおっぱいを吸えば思い出すかも知れないのです!」


マミ「!!」

杏子「は?なんだそりゃ!?」



マミ「ま・・・待ってなぎさちゃん、まだ私心の準備が・・・」もじもじ

杏子「まんざらでもないのかよ!」




恭介「・・・」

キュゥべえ「なぎさはかつて円環の理の使者として顕現した時、人間では無い形態を使用していた」




キュゥべえ「孤独だったマミを癒す小動物的な役割。そしてマミは彼女に身を委ねた(直球)」

キュゥべえ「当然その時のスキンシップとして授乳するしないのやり取りが存在したのさ」


恭介「当然のスキンシップなのかい?それは」


キュゥべえ「なぎさが円環の使者としての記憶を取り戻すためにはマミから授乳するしかない」

恭介「なかなかシュールな覚醒条件だね」




キュゥべえ「口でああやって言ってるうちは冗談半分でマミも本気にしないさ」

キュゥべえ「つまり・・・マミからの授乳をトリガーになぎさが覚醒する可能性は皆無に等しい」




キュゥべえ「だとすれば・・・次はやはりもう一人の円環の使者の記憶を取り戻すのが妥当な方法といえるよね」


恭介「もう一人の・・・円環の使者!?」

キュゥべえ「それこそが・・・美樹さやかだ」




恭介「!!」

恭介「まさか・・・君が僕を魔法使いにした理由は・・・」



キュゥべえ「君の言う事ならさやかも耳を傾けると思ってね」

キュゥべえ「さあ上条恭介、下着の魔法使い・・・ウィザードの正体は自分だとさやかに明かすんだ」


キュゥべえ「そしてさやかが本来持っている使命を教えるんだ」

キュゥべえ「さやかの記憶が戻れば・・・円環の理本体である鹿目まどかも本当の力を取り戻すかもしれない」

キュゥべえ「君はこの箱庭世界を抜け出したいだろう?自分の未来を掴むために」

恭介「・・・」

恭介「いや・・・出来ることなら僕の正体は明かさずにいたい」

キュゥべえ「何故だい?」



恭介「僕はさやかに魔法少女になって欲しくなかった。衣装は可愛いけど」

恭介「魂がソウルジェムに分離されるデメリット・・・自分の身体が人間のそれと大きく異なってしまうこと・・・
それをさやかは大事として考えてしまうはずさ」



恭介「さやかはその条件を飲んででも叶えたい願いがあったんだろう。だけどさやかは僕にそれを知られたくないはず」

恭介「現にこうして・・・僕がさやかが魔法少女だったという事実に傷つくのを見越してね」


恭介「さやかだって・・・僕が魔法使いになってしまったと知ったら心を痛めるかもしれない」


恭介「だからお互い知らないままの方がいいんだ・・・上条恭介とウィザードは別人で無ければならないんだ」




キュゥべえ「もうそんな事も言ってられそうに無いと思うけどね」





マミ「さて・・・今日はそろそろ下着の魔法使い・・・
ウィザードの正体についてツッコミを入れようと思うのだけど・・・」チラッ


さやか「なんであたしの方を見るのよ」

なぎさ「さやか・・・まだ気づいてないのですか!?」



まどか「みんなさやかちゃんに気を遣ってツッコミを避けてきただけだよ」

杏子「ああ・・・そろそろあたしもツッコミたくて仕方が無かったところさ」





さやか「えええええ!?下着の魔法使いが恭介だって!?」サヤガーン



杏子「つーか・・・それしか考えられねーだろ・・・あたし達の事も知ってそうな感じだったし・・・
それでいてバイオリンを使う奴なんて」



さやか「認めない!認めない!ぜええええええったい認めない!共通点バイオリンしか無いじゃん!!」




まどか「さやかちゃん・・・なんでそんな頑なに否定するの?」

マミ「逆に上条君じゃない証拠が聞きたいのだけれども・・・」

さやか「恭介はぱんつを顔に被るような変態じゃない!そんだけ!」



恭介「・・・」

恭介「ごめんよさやか・・・仁美さんのパンティを被ったのは間違いなく男の本能さ」




なぎさ「被っているおぱんつが仁美のものだとしたら恭介が持っていても不思議じゃないのです!」

さやか「!!」


さやか「なぎさ!?あんた何言ってるの!?自分で意味がわかっていて言ってるんでしょうね!?」

なぎさ「もちろんわかってるのです!なぎさは恭介にフラれた後、猛勉強(意味深)しましたから!」



なぎさ「恭介はすでに仁美とおぱんつを脱がせあう様な間柄に-」

さやか「やめてええええええええええええええ!!それも駄目!聞きたくない!!そんなの認めないいいいいい」




さやか「恭介と仁美がそんな関係にまでなっちゃうのはイヤなのおおおおおおお!!
頭ではいつかそういう日が来るってわかってても割り切れないのよおおおおお!!」ジタバタジタバタ




さやか「断じて認めないから!下着の魔法使いと恭介は別人でなければならないの!!」



キュゥべえ「仲良いね君たち」

恭介「幼馴染だからね・・・相手が考えそうなことくらいわかるし、思考が被る事もたまにある」



恭介「だとしても・・・さやかがあそこまで焦ってる理由が少しわからないけど・・・」




恭介「僕は別の方法を探るよ。正体を隠す事にしても・・・さやかの記憶を取り戻す事にしてもね」






恭介「やらなくちゃいけない事はまだまだたくさんあるんだ・・・埋めなくてはいけない外堀が多すぎるから」




~学校~


昼休み


仁美「か・・・上条君!よろしければお昼をご一緒に・・・」

恭介「仁美さん悪いけど・・・」



仁美「きょ・・・今日も音楽室で練習ですの?それなら私もついていきますわ!」

恭介「ううん。ちょっと話したい人がいるからね」

仁美「え」




恭介「鹿目さん」

まどか「えっ?」ピクッ



恭介「話があるんだけど・・・屋上に来てくれないかな?」

仁美「え」

ほむら「え」

さやか「え」



まどか「えっと・・・上条君?あの・・・その・・・」


杏子(テレパシー)(申し出を受けろ、まどか)

まどか(えっ!?)



さやか(ちょ、ちょっと杏子!?)



杏子(ウィザードの正体は上条。これは確定と言っていい事実だ)

杏子(上条が敵か味方か・・・何を考えてるか探るにはいい機会だと思うぜ)

杏子(あたし達魔法少女に接触してきたって事は・・・
今までウィザードとしてあたし達の前に現れた事となんらか関係のある話をしてくるかもしれないからな)




さやか(じゃあなんでもない話だったら恭介が下着の魔法使いだって疑うの、もうやめてよ!)




仁美「・・・」ゴゴゴ

ほむら「・・・」ゴゴゴ




さやか(うわあこっちは魔女化寸前だよ・・・)



ほむら(上条恭介・・・ナニをたくらんでいるの!?)

ほむら(まさか・・・まどかが忘れている記憶を直接まどかに教えるつもり!?
それともまどかと仲良くなろうと・・・)




ほむら(後者だったら許せる話では無いわ!私がまどかと仲良くなれないのを知って見せ付けるように
にゃんにゃんするつもりね!)



ほむら(かといって箱庭世界になってからは、まどかの友達でも無い私が止めに入るのも不自然だし・・・
美樹さやか、佐倉杏子何しているの!?早くまどかを上条恭介から引き離しなさい!)





杏子(いざというときはあたし達が上条からあんたを守る。まどか、探りを入れてくれるな?)

まどか(・・・)




まどか「いいよ、わたしも上条君と少しお話してみたかったんだ」


ほむら「ほむぅ!?」

仁美「ひとぅ!?」

屋上


恭介「鹿目さん、演歌が好きなんだってね」

まどか「え」


恭介「音楽と名のつくものはなんでもやってみたくなるのが僕の性分でね・・・」

恭介「僕の作ったこの演歌・・・鹿目さんが評価してくれないかい?」

スッ(CD)


まどか「え・・えええええ!?」




まどか「こ・・・これって上条君からのプレゼントって事!?」

恭介「プレゼントって言える程昇華させた作品では無いけどね」




恭介「それじゃあ感想聞かせてね!絶対だよ」ガチャッ




キュゥべえ「・・・」


キュゥべえ「鹿目まどかの覚醒のために直接的に真実を伝えると思ったんだけど・・・随分
回りくどいやり方をするんだね」


恭介「まだ友達にもなれてない僕と鹿目さんの関係じゃあ僕の言葉を鹿目さんが信じるとは到底思えないし」

恭介「僕の目的は他にある。そのために鹿目さんと交流する必要があるんだ」



さやか「まどか!恭介と何を話したの?」

杏子「ウィザードの正体・・・あいつで間違いなさそうか?」




まどか「えっとね・・・CDもらっただけなんだけど・・・」

さやか「え」


まどか「ほとんど上条君とお話するのは初めてなんだけど・・・第一印象としてはなんだか・・・」

まどか「さわやかな人だなって・・・そう思ってしまうのでした☆」



さやか「まどか!?まさかあんた恭介のこと・・・」

まどか「ウェッ!?そういう意味じゃないよ!ただ・・・下着の魔法使いというか・・・・
下着を顔に被る人には間違っても見えないっていうか・・・」



杏子「・・・」


さやか「ほら杏子!まどかもこう言ってるじゃん!下着の魔法使いが恭介って事は絶対ありえないよ!」

さやか「あれ・・・?」


さやか「って事は・・・恭介は魔法使いとか魔法少女とか関係無く・・・
まどかと仲良くなるために話しかけてきたって事!?」

さやか「恭介ええええええええ!?あんた仁美にどう言い訳するつもり!?せっかく仲直りしたと思ったらああああ!!」



仁美「・・・ウフ・・・アハハ!」

ほむら(すごいヘイトが溜まってるわ・・・ルシファーシードを挿せば間違いなくもう一度闇落ち・・・いえ
病み落ちするでしょう)



仁美「別に女友達を作ることが悪いとは上条君にいうつもりはありませんのよ。暁美さん」くるっ



ほむら(ほむぅ!?絡んできた!?)

仁美「ただ・・・彼女よりも優先して話したい女の子って・・・それもうただの友達じゃあ無いじゃありませんかぁ」

ほむら(やだこの子怖い)



ほむら「か、上条君には何か考えがあるんじゃないかしら」ドキドキ

ほむら「たとえばほら!あなたへのサプライズプレゼントは何がいいかっていう質問をしていたとか・・・」


ほむら「こういうのは女の子に聞かないと女の子が何を欲しがるか掴めないし・・・」



仁美「それならさやかさんでいいじゃないですか!」ドンッ

ほむら「ほむぅ!?」ビクン



仁美「さやかさんに聞くのならまだわかります!私たちはずっと友達でしたし・・・」


仁美「私、鹿目さんとはほとんどお話したこと無いのに・・・鹿目さんに聞いて私の何がわかるというのですか!」




ほむら(・・・この子のまどかとの友人設定を書き換えた事が・・・思ったよりややこしいことになって来てるわね)


仁美「暁美さん・・・放課後のご予定は?」

ほむら「ほむぅ!?」




仁美「よければご一緒にお茶などして・・・日ごろの愚痴などを語り合いませんか?」

ほむら「それこそ美樹さやかとするべきだわ!私とあなたはほとんど話したことないじゃない!」



仁美「あら・・・私気づいてますのよ・・・暁美さんが鹿目さんを見つめるときの熱い視線を」

ほむら「あ・・・熱い視線!?」


仁美「相当鹿目さんに思い入れがあるみたいですけれども・・・何か鹿目さんと仲良くできない理由があるのでしょう?」


仁美「すっぽかされた者同士語り合おうじゃありませんか。もしかしたら私も暁美さんの鹿目さん攻略の手助けが
出来るかもしれませんし・・・」




ほむら「ご・・・ごめんなさい私・・・今日は両親が久しぶりに遊びに来ていて・・・」

仁美「でしたら私もご挨拶を」

ほむら「・・・!!」ぞわわわ


ほむら「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」




仁美「あっ!行ってしまわれましたわ・・・もう!」



ほむら(これが・・・今まで味わったことの無い追われる者の気持ちなの!?)

ほむら(どうやら私はとんでも無いモノにルシファーシードを植えつけてしまったみたいね・・・)



ほむら(まどかにつきまとえばまどかだってこういう気持ちになるのかしら・・・)

ほむら(だとすれば・・・影ながらまどかの日常を演出するこの「愛し方」は間違ってなんかいないのだわ!)




ほむら「そうよ・・・私は間違ってない」

ほむら「これがまどかの幸せ・・・私の事なんて忘れたまま・・・大切な人達に囲まれて・・・」ブツブツブツ




和子「ひぃっ!?暁美さん!?」ビクン






放課後


仁美「・・・」むすっ

恭介「仁美さん・・・やっぱり怒ってるのかい?」



仁美「別に怒ってなどいませんわ」


恭介「どうしても・・・鹿目さんと交流しなくてはいけない理由が僕にはあったんだ」

恭介「全部終わったら全部話すよ・・・だから今は何も聞かないで欲しい」


恭介(そう・・・誰からも理解されるはずも無い僕の今の行動は・・・色々な人を巻き込むの結果になるのは
目に見えるからね・・・)

恭介(だからすべてが終わったら仁美さんにも・・・さやかにも全部話そう・・・)


恭介(そして・・・さやかが何を望んで魔法少女となったのか聞けたら・・・)



さやか「さぁて帰るわよ杏子。今日の魔獣退治はマミさんとなぎさちゃんの番だから・・・」



杏子「あたしらオフだな!ゲーセン行こうぜ!」

さやか「だめ!まず宿題するの!」


中沢「美樹!」


さやか「ん?」

他のクラスメイトたち「美樹さん!」ズラッ

中沢「今日こそ俺たちと一緒に放課後のひと時を!」



恭介「え、何アレは」

仁美「最近さやかさん男子の中で人気が出てきたみたいですよ」


恭介「え」

仁美「いえ、元々人気があったのが「何か」がきっかけで表に出てきたのでしょう」

仁美(そのきっかけが・・・上条君がらみとは言えませんけど・・・)


恭介「・・・」



さやか「ちょ・・・ちょっとしつこいな!あたしは杏子と宿題するの!」

中沢「いや、あきらめないぞ!俺は前から美樹の事いいなって思ってたんだ」


クラスメイトたち「僕たちも!」




さやか「じゃあ言わせてもらいますけどね!あたし・・・彼氏が出来たの!」


杏子「え」

仁美「え」


恭介「えええええ!?」



中沢「な・・・なんだってー!?」




さやか「違う学校の男子なの。あたしの事すっごく大切にしてくれるんだから!」

さやか「もうすでに何回か家に呼んでる仲なんだから!」




中沢「そ・・・そんな・・・あ、ありえない・・・上条一筋だった美樹に・・・新しい彼氏が・・・」



恭介「さやかに・・・彼氏だって!?」プルプル

仁美「上条君・・・?」




さやか「だからあたしの事はあきらめて!それじゃ!」

杏子「お・・・おいさやか!?」




杏子「彼氏ってお前・・・マジなのか!?あたし・・・ぜんぜんそんな事知らなかったぞ!」

さやか「嘘に決まってるでしょ!あんたあたしと一緒に住んでるんだからすぐわかるでしょ!」

さやか「こうでも言わなきゃしつこく付きまとってくるし・・・それに・・・」

さやか「なんだかんだでやっぱまだ・・・恭介の事気になってる自分がいるって気づいたんだ」

さやか「だから中沢達の気持ちは嬉しいけど・・・今はまだちょっと新しい恋とか・・・考えられないかな」

杏子「そっか・・・」




杏子「ウィザードが上条だって言ったこと・・・取り消すよ」

さやか「え」



杏子「あいつが上条ならさやかが魔法少女になっちまった事・・・知った上で
あんたの思いと叶えた願いを無視し続けている事になるからな」


杏子「そんなの絶対許せない。だからあたしもウィザードと上条は別人でなきゃいけないって・・・
そう思えた」




さやか「ありがと、杏子。
っつっても下着の魔法使いが恭介って事は絶対ありえない話だから気にしなくてもいいけどね」





恭介(さやかに・・・彼氏・・・)

恭介(一体・・・どこの誰なんだ!?ちゃんと信用できる人物なのかい!?)




恭介「それからも僕は鹿目さんにオリジナル演歌CDをプレゼントし続けた」

恭介「そしてある日」



まどか「上条君、大分良くなったけどここはもっとこういう感じで」

恭介「へぇ・・・やっぱり奥が深いね」




仁美「もう我慢なりませんわ!」ガチャッ


まどか「し、志筑さん!?」

恭介「仁美さん!」





仁美「何か考えがあると思って我慢してきましたけど、最近はコンサートに向けての練習をしてるわけでも無いのに
鹿目さんへのプレゼント曲にかかりっきりですわ!」

仁美「たまには私のためにがんばってくださってもよろしいのでは無くて!?」



恭介「お、落ち着いて仁美さん、これにはわけが・・・」

仁美「だいたい鹿目さんも・・・なんでそう何回もホイホイ上条君についていってしまうのですか!」





まどか「えっと・・・」

恭介「仁美さん、君のテーマ曲はちゃんと作ってあげたじゃないか」

仁美「他の方々にも曲をプレゼントしてしまっては特別な存在だと感じられませんわ!」

仁美「鹿目さん!あなたは上条君の事・・・どう思って・・・」



ほむら「私からも聞きたいわ」

まどか「ほむらちゃん!?」




ほむら「鹿目まどか・・・あなたは上条恭介の事をどう思っているの?」

ほむら(以前のあなたなら・・・美樹さやかの幼馴染・・・つまり友達の友達という
割とどうでも良い人物だったはず)


ほむら(私がまどかの友達になれない事はまだ我慢できる。美樹さやかや佐倉杏子に
まどかを委ねれば済む話)


ほむら(だけど・・・男友達となれば話は別!ましてや・・・まどかが上条恭介に
特別な感情を抱いてしまったのだとしたら・・・なお更!)




ほむら(場合によっては・・・上条恭介をこの場で・・・)



まどか「えっとね・・・」



ほむら(あなた・・・家族や友達を大切にしている?)

まどか「・・・?」




まどか(あれ?こんなやり取りあったっけ?わたし・・・ほむらちゃんとそんな話したかな?)




まどか(でももしかしたら・・・わたし・・・またほむらちゃんに試されてるのかな?)


まどか(今の上条君は・・・わたしにとっても友達だから・・・)


まどか(上条君も・・・大切にしなきゃいけない友達の一人だから・・・)




まどか「上条君は・・・大事な人だよっ♪」





仁美「・・・」

ほむら「・・・」



まどか(あれ・・・?これで正解・・・だよね?)


ほむら「・・・!!」


ほむら(やはり・・・上条恭介!!こいつはまどかを惑わす不穏分子!)

ほむら(ルシファーを使ってじっくりもて遊ぼうなんて思ったのがそもそも間違いだったわ・・・)


ほむら(それもそのはず・・・こいつは男・・・!魔法少女達を放置するのとはわけが違う!)




バサッ(悪魔に変身)



まどか「ほむらちゃん!?」



恭介「・・・!」

ほむら(今この場で・・・上条恭介を・・・!)




ほむら(・・・!!)




ほむら(ここで上条恭介を殺す・・・!?まどかが見ているこの場で・・・!?)

ほむら(まどかにどんな影響が出るかもわからないのに・・・下手をすれば記憶を取り戻し-)

ほむら(ハッ!)





ほむら(やられたわ・・・上条恭介・・・これが狙いだったのね)

ほむら(恋愛感情か友情かに関係なく・・・まどかが上条恭介を「大切な人」と認識してしまったら・・・)



ほむら(それを壊すこと自体が・・・まどかの覚醒を促してしまうかもしれない・・・)




恭介(気づいたか・・・僕の狙いに・・・)




ほむら(こいつは・・・まどかと仲良くなることでワルプルギス前に私に強行手段を出させない保険を・・・)



スッ(悪魔化解除)




ほむら(だけど言い換えれば・・・こいつはまどかを延命のための手段としてしか考えていないという事!)



ほむら「ありがとう・・・上条恭介・・・これでなんのためらいも無くあなたを殺せそうよ」

恭介「今はまだ無理だね。やるのならワルプルギスの日のどさくさに紛れて・・・だろ?」

まどか「あの・・・ほむらちゃん?今のは・・・?」


ほむら「大丈夫。あなたは何も見てないわ」スッ(まどかと仁美の記憶操作)

キュゥべえ「すばらしい駆け引きだったよ恭介・・・まさかあの悪魔の上をいくなんてね」

恭介「悪魔よりもすごい存在ね・・・人はそれをなんと呼ぶんだろう」



キュゥべえ「特に鹿目まどかを単純な延命装置として割り切っている所に感心したよ」

恭介「・・・!!」



キュゥべえ「人間のというより感情の無い僕たちインキュベーターがやりそうな手段だった。
見習わせてもらうよ」


恭介「さやかが魔法少女だという事実を伝えなかったあたりから・・・君は信用できないと思っていたけど・・・」

恭介「感情が無い・・・そして自分たちの合理性のためだけに動く・・・それが君の本質か・・・」

恭介「だけど・・・君と一緒にされたくないよ・・・
これでも鹿目さんを利用していることに心を痛めているからね・・・」




キュゥべえ「さて・・・そろそろ頃合だと思うから説明しておこう」

恭介「なんだい突然・・・まだ伝えてないことがあったのかい?」



キュゥべえ「ソウルジェムを見てごらん」



恭介「濁ってるね・・・グリーフキューブかルシファーシードを使えば浄化できるんだろう?」


キュゥべえ「残念だけど・・・魔法使いのソウルジェム浄化方法は魔法少女のそれとは異なる」



恭介「じゃあ何を」

キュゥべえ「それも女性の下着さ」




恭介「え!?」





キュゥべえ「女性の下着を穢れたソウルジェムに近づけることで穢れを取り除ける。そう言ったんだ」



恭介「穢れを吸い取ったその下着はどうするんだ?」

キュゥべえ「もちろん、グリーフキューブ同様。僕が食べることで処理をする」




恭介「・・・」


恭介「感情が無いだって・・・!?立派な淫獣じゃあないか!」


キュゥべえ「身に着けているだけでいいと言ったのに・・・志筑仁美のパンティを顔に被って変身する
君には言われたくないよ・・・」


キュゥべえ「幸い君にはいざというとき文字通り一肌脱いでくれる志筑仁美という人物がいる」

キュゥべえ「そろそろ新しい下着を調達するべきだと、それだけ伝えておくよ」

恭介「仁美さんからは・・・これ以上下着をもらえないよ」



キュゥべえ「じゃあ誰から・・・言っておくけど・・・
未婚女性の下着でなければ浄化にも変身にも使えないからね・・・」


キュゥべえ「だから君のお母さんのタンスを漁るというのも無しだ」



恭介「ちょっと部屋を調べたい子がいるんだ。いや・・・調べなきゃいけない子が・・・」



恭介「その子の部屋を調査するついでに下着を調達するよ」





~さやかの家~



ガサゴソ・・・



キュゥべえ「なるほど・・・ここなら美樹さやかと佐倉杏子の下着両方を手に入れられる」



キュゥべえ「下着は袋に詰め終えたのに・・・君は一体何をしているんだい?」


恭介「彼氏だ・・・」


キュゥべえ「ん?」




恭介「さやかの彼氏の・・・私物が無いかを確認するんだ・・・本当に家に来ているかどうか」



恭介「身元がわかる物だったら・・・僕がこの目で確認するんだ・・・ちゃんとさやかの事を大切にしているかどうかを」



キュゥべえ「上条恭介・・・君は・・・志筑仁美を選んだのに・・・美樹さやかの事が気になるのかい?」





恭介「え?なんで僕が仁美さんと付き合っていることとそれが関係あるんだい?」

恭介「友達が心配なのは当然だろう?君に言ってもわからないか・・・」




恭介「さやかは思い込んだら・・・その物事にとことん尽くす所があるからね・・・」


恭介「悪い男にだまされてないか・・・僕がちゃんと確認しないと・・・!」



さやか「ただいまー」

杏子「たっだいまー!」

恭介「・・・!!」

さやか「あれ?誰かいるの?お父さん?お母さん!?」


恭介「まずい・・・!!」

杏子「いや違う・・・玄関に靴は無かった!泥棒ださやか!あんたの部屋から物音がする!」



恭介「せめて・・・顔は隠さないと!」


がばっ(さやかぱんつ)



恭介「フォオオオオオオオ!!」





さやか「誰なの!?」ガチャッ


バイオリン仮面「バイオリン仮面、ウィザード!!」バァーン!!




さやか「下着の魔法使い!」

杏子「ウィザード!!」


さやか「そ・・・それ・・・あたしのぱんつ!!」ガタガタ




バイオリン仮面「世界を救うためにも・・・君たちのブラ・パンティが必要なんだ!」



バイオリン仮面「さらばだ魔法少女達!また会おう!」バッ




さやか「あいつ!窓から・・・!!」

杏子「あたしに任せろ!!」



さやか「ごめん杏子!そっちは任せた!追って!」







杏子「待ちやがれ!!」シュッシュッ(槍)



バイオリン仮面「!!」



バイオリン仮面「下着を詰め込んだ袋が枷になっている!!佐倉さんの攻撃をよけて逃げるだけの余裕が無い!」


バイオリン仮面「ならば・・・曲を弾くしかない!新曲!!「エントロピー・シンドローム」!!」



♪~♪~♪

杏子「!!」



杏子「・・・こ、これは!!」


バイオリン仮面「君の見えてる風景を無数のキュゥべえに変える、幻惑魔法さ!」

バイオリン仮面「その無数のキュゥべえの中から・・・私を探し出せるかな?無理だろう?」





杏子「・・・」


バイオリン仮面「さらばだ魔法少女よ!君たちの下着は間違いなく役に立-」


がしっ(手づかみ)


バイオリン仮面「!!」


バイオリン仮面「馬鹿な・・・!!キュゥべえの幻覚に隠れたはずの私を何故・・・!?」





杏子「幻惑のスペシャリスト・・・佐倉杏子様に幻惑魔法をかけようってのはちょっと違うんじゃねーの?」

杏子「目を凝らせばわかるんだよ・・・幻惑とそうでない風景の違いなんてな!」




杏子「仮面を剥ぐ前に言っとくけどな・・・あたしはこの前まであんたを上条恭介と疑ってた」

バイオリン仮面「・・・!!」




杏子「だけど・・・やっぱ違うわ。さやかから話を聞いたり、上条のコンクールのビデオを見たんだけど、どう見ても
どんな理由があってもぱんつを顔に被る奴には見えなかった」




バイオリン仮面「待ってくれ佐倉さん!こ・・・これは・・・!!」



杏子「なんつーか・・・最初はさやかに八つ当たりするクズヤローと思ってたけど・・・
夢に向かって頑張ってる姿は・・・さやかが応援したくなる気持ちもわかるというか・・・」


杏子「ちょっとずるいじゃん、ちょっとかっこいいじゃんって思った」


杏子「だから、これでアンタの顔を堂々と拝めるわけだ!あたしも絶対あんたが上条じゃ無いって確信しているからな!」


バイオリン仮面「待ってええええええええ!!」

杏子「さあ!あんたはどこの変態だ!正体みせやがれ!!」バッ



杏子「・・・!!」



♪引きのBGM


恭介「はぁ、はぁ・・・」



杏子「ウソ・・・だろ・・・?」

杏子「おい・・・」




杏子「さやかが魔法少女だって知っていながら・・・お前は・・・」



杏子「お前の目的はなんなんだ・・・なんで・・・あたし達の前に現れた!?」


がしっ


杏子「なんとか言いやがれ!!」

恭介「・・・」





杏子「あたしは・・・あたしはさやかにどう伝えれば・・・」




続く

予告

銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード!!」


恭介「さやかとの出会いをやり直す」

杏子「あたしにウソの片棒を担がせる気か」


まどか「仁美ちゃん息してないよ!」

さやか「初めての相手は恭介じゃない!このさやかちゃんだァーッ!!」




第5話

???「僕の名前は氷室」



銀河万丈「ハーレムは誰にも崩させない!」


第5話「僕の名前は氷室」



~学校、昼休み~


恭介「ごめんね仁美さん、鹿目さんへ贈る曲が完成したからこれからは時間を取れるよ」

仁美「鹿目さんと会っていた理由・・・まだ教えてくださいませんの?」

恭介「もう少し待っていてくれないかな。本当にそういうのじゃなくて正当な理由なんだ」




さやか「杏子、ご飯行こう」

杏子「悪いなさやか、今日はこいつと話をつけなきゃいけない」



ドンッ(机)


恭介「!!」



杏子「わかってるよな?上条。今日はあたしに付き合ってもらうぞ」


仁美「佐倉さん!?」

さやか「杏子!?」




恭介「・・・」

恭介「そうだね・・・佐倉さんとはきちんと話をしなきゃいけないね」



さやか「またこのパターンかよ!」

仁美「あぁ・・・」フラッ

さやか「仁美ーッ!」




~屋上~


杏子「さやかにはどう言うつもりだ?」

恭介「できれば内緒にしたい」



杏子「あたしにウソの片棒を担がせる気?」

恭介「君がさやかに本当の事を言える訳がない。君もさやかが傷つくのをみたくないだろう?」


杏子「・・・」



杏子「そんで・・・あんたの目的は?」


恭介「魔法少女達も気づいていないこの世界の「歪んだ真実」・・・僕はそれを正常な物へと戻したい」

杏子「さやかが・・・円環の使者だって!?」

恭介「僕はさやかの、そして円環の理本体の少女の記憶を取り戻すために戦っている」



恭介「この世界の時間の流れを元に戻すためにね」

恭介「プロバイオリニストになる未来のためのもね・・・」



杏子「・・・」





杏子「もしもあんたが言うとおりさやかが円環の使者なら・・・元に戻すってことは・・・」

恭介「・・・?」




杏子(こいつは・・・解ってて言ってるのか?さやかがいずれ元の世界へ帰らなきゃいけないって事に・・・)


杏子(でもあり得そうだな・・・さやかを犠牲にしてでも
バイオリンを弾き続ける未来を手に入れたいって考えてるかも・・・)





恭介「佐倉さん、正体を知られてしまったならそれで構わない。僕の協力者になってくれないか?」

恭介「円環の理を取り戻すことは魔法少女にとっても大事な役目なんだろう?」



杏子「あんたには手を貸せない」

恭介「!?」



杏子「それどころか・・・敵になるかも知れないね」

杏子(こいつが・・・さやかがいなくなる事に対して何の感情も沸いてこない奴なら・・・)



杏子(ここが例え偽りの世界だとしても・・・あたしはさやかを守るためにこいつと敵対するかもしれない)



恭介「そっか・・・まあすぐに信用しろってのは無理があるよね」


恭介「でも・・・さやかにはちゃんと黙っていて欲しいな」

恭介「ぱんつを顔に被る変態だという事が、じゃなくて
僕を戦いに巻き込まれている事にさやかは心を痛めるだろうから・・・」



恭介「きっとさやかも僕に魔法少女だという事を知られたくないはずだから・・・
これがお互いにとって傷つかない選択だと思う」



杏子(さやかを気遣った言葉・・・なのか・・・いや、演技って事もありえる)

杏子「わかったよ。それだけは約束してやる。あたしとあんた。二人だけの秘密だ」




仁美「二人だけの秘密ですって!?」ガタッ

さやか「恭介杏子!あんたたち一体何を話していたの!?二人だけの秘密って・・・」

杏子「言葉通りの意味さ」

仁美「な!?」



杏子「あたしと上条はさやかにも仁美にも言えない秘密を共有してるって事」

杏子「な?上条?」



恭介「そうだね。これは僕と佐倉さんだけの話だからね。仁美さんにもさやかにも話せないよ」ビシッ





仁美「二人だけの秘密・・・それってそれって・・・」


仁美「あぁ・・・」フラッドサッ




さやか「仁美ー!!」

さやか「まどか!今すぐ屋上に来て!仁美を保健室に連れて行くよ!」




まどか「大変!仁美ちゃん息してないよ!」



さやか「えええええええ!?」

さやか「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ!こ・・・こういう時の応急処置はまず心臓マッサージして・・・」




さやか「そうだ人工呼吸!恭介!あんたがやりなさいよ!」


恭介「え」



さやか「恋人の一大事なんだよ!普段している事と同じ事をするだけでしょ!」

恭介「いや・・・今仁美さん僕に対して不信感を持ってるから逆効果だと思うけど・・・」



恭介「それに・・・僕と仁美さんはまだキスするような間柄じゃないし・・・」




さやか「はああああああ!?教室で抱き合ってたのは一体なんだったの!?」

さやか「だったらここで今済ませちゃいなさいよ!仲直りの意味もかねて!」




恭介「ええええ!?でも・・・でも・・・」


さやか「ええい意気地なし!だったらあたしが!」がばっ


杏子「さやか!?」

ズキュゥウウウウウウン


さやか「・・・」ちゅううう



杏子「さ・・・さやか!」ワナワナ


仁美「ぷはっ」



まどか「やった。息を吹き返したよ!」


さやか「はぁはぁ・・・」



さやか「仁美!大丈夫!?」


仁美「さやかさん・・・」



仁美「あの・・・今の感触は・・・」



さやか「え!?ええと・・・その・・・」



さやか「仁美ィ・・・恭介とキスはしたか?まだだよなァアアア」



仁美「え?え?」



さやか「初めての相手は恭介では無い!このさやかちゃんだーッ!」バシーン




さやか「・・・」

恭介「・・・」



仁美「・・・」

まどか「・・・」



杏子「・・・」





さやか「えっと・・・」

さやか「ごめえええええん!仁美!本当にごめええええん!」



仁美「えっと・・・その・・・」


さやか「緊急時だったの!仁美が息してなかったから・・・その・・・不可抗力で!」

さやか(小声)「あたしだって恭介を好きだった時は初めては恭介って考えてたし!」


さやか「痛み分けだよ仁美!ノーカンでも構わないから!」


仁美「気にしてませんわ。さやかさん」

仁美「それどころか・・・///」



さやか「仁美?」



仁美「さやかさんは私の事を一生懸命に助けてくださいました」



仁美「その行動に・・・とても感銘を受けました」

ぎゅっ



恭介「!!」

杏子「仁美が・・・さやかの手を・・・!」




仁美「さやかさん・・・///」ドキドキ



さやか「えええええええ!?」



さやか「恭介!あんた仁美と仲直りの口実考えときなさいよ!今日のところはあたしが相手(意味深)するから!」



杏子「さやか!」


恭介「佐倉さん、僕の話の本題はまだ済んでいない」

杏子「は!?」




恭介「仁美さんをさやかにまかせるから、僕たちも二人きりで」

杏子「ちょ、あんた・・・また誤解されるようなことを!」




さやか「行こう仁美。あたしたちなんだか邪・魔・者・み・た・いだから!」



杏子「さやかああああああ!!」


バタン!(屋上のドア)



~放課後~
いつものバーガー屋


杏子「何の話か知らないけど・・・お前が奢れよ」

恭介「ずばり聞くけど・・・さやかに彼氏はいるの!?」

杏子「は?」



恭介「中沢達に言ってたじゃないか。別の学校の男子の彼氏がいるって」

杏子「お前・・・まさかそのためにさやかの部屋を!?」



恭介「うん。彼氏の私物は出て来なかったから・・・本当かどうかわからなくて」

恭介「さやかに彼氏はいるのかい!?どんな奴なんだ!?信頼できる人なのかい!?」



杏子「落ち着け!あれは中沢達を巻くための嘘だ!」


恭介「えっ」




恭介「そっか・・・良かった」

杏子「は」


恭介「さやかは思い込むとまっすぐに尽くす傾向があるからね」


恭介「悪い男に騙されてないか心配だったけど・・・これで安心だ」


杏子「あのさぁ・・・」




杏子(こいつ・・・勝手な奴だな・・・自分は志筑仁美とよろしくやってるくせに・・・)



杏子(まあでも・・・こいつはこいつでさやかの事・・・心配してるのかな?)




杏子(まさか・・・無意識レベルではこいつとさやかは両想いだったのか?)



杏子「それより・・・さやかにこの状況どう説明するんだよ・・・あたし今日家に帰れねーよ」




恭介「僕がさやかの魔法少女姿を僕が目撃して、佐倉さんが僕をごまかしてたって体(てい)で」


杏子「・・・」



杏子「それがさやかにとって傷つかずに済む嘘なら・・・吐き通すべきなのかな・・・」


杏子「今日のところはマミの家にでも転がり込むかな」



杏子「それと・・・上条」

杏子「あんたがさやかを心配するのと同じように・・・
あたしもあんたがさやかにとって善い存在かどうかなんてわからないからな」

杏子「あんたが信用できるかどうか・・・さやかの事を本当に考えてるかどうか・・・」

杏子「それがはっきりしてから協力してやれるかどうか決めてやるよ」



恭介「ありがとう佐倉さん。今はそれで構わないよ」

杏子(さやかが真実を知れば・・・たとえ自分の存在が消えるとしてもこいつのためにも
世界を取り戻そうとするからな・・・)



杏子「・・・ちょっと待て」



恭介「ん」

杏子「あたしの下着・・・さやかのもだけど!そういえば取り返してねー!」




恭介「え」


杏子「返せこの変態!あたしの下着を返せ!」


恭介「お・・・落ち着いて佐倉さん!声が大きい!」



恭介「死活問題なんだ。魔法使いのソウルジェムは女性の下着を使わなければ浄化できない」



杏子「つ・・・使う!?」




杏子「ふざけんな!もう着られないって事か!?自分で履いたって事か!?」



杏子「今も履いてるって事か!?仁美のか!?さやかのか!?それともあたしのをか!?」


杏子「返せ!あたしの下着を返せ!!」




一般客「なんだなんだ」

一般客「痴情のもつれ?」



一般客(他校女子)「彼氏の方が彼女のパンティ盗んだらしいよ」

他校女子「変態!!」

他校女子「でも付き合ってる者同士なら有りじゃない?」



恭介「下着は返さない。君(とさやか)の下着を使ってから(ソウルジェムの)元気がみなぎってきてね」キリッ

杏子「な・・・!///」


他校女子「きゃあああああ!彼氏のほう大胆!」


他校女子「これは彼女の方も覚悟(意味深)を決めるしかないね!」

~マミの家~


杏子「邪魔するぜ」

マミ「佐倉さん?」



杏子「ちょっとさやかと喧嘩というか・・・上条との間に共通の秘密が出来ちまってな」

杏子「志筑仁美は勘違いするし・・・さやかはその仁美をなだめるのに必死だし・・・あたしも気まずいから
今日はここに泊めてくれ」



マミ「何があったの?」

杏子「さやかが魔法少女姿で戦ってるところをあいつに見られた」


杏子「あたしはそれをごまかすために上条と話をつけてたんだ。それをあいつらが早とちりして・・・」



マミ「その話・・・明日はちゃんと美樹さんに言える?」

杏子「・・・うん」




杏子「わかってるよ・・・ちゃんと説明する」



マミ「だったら良いわ。入って、どうぞ」




杏子「・・・今日は・・・なぎさは?」

マミ「私だってしょっちゅうなぎさちゃんの面倒を見てるわけじゃないわ」



マミ「確かにあの子お母さんを亡くしたけど・・・お父さんの仕事が少ない日はなるべく
家族と一緒にすごしてもらったほうがいいかなって」



杏子「そっか・・・今日はあたしとマミの二人か」



マミ「ふふ」

杏子「・・・?」



マミ「こうしてるとなんだか・・・昔に戻ったみたい」


杏子「ばっ・・・ばか!何言ってんだよ」


マミ「私は佐倉さんとまたこうしてゆっくり話せて嬉しいのよ?」



杏子「・・・」

杏子「ああそうだな・・・たまには悪くないかも知れないな・・・」


マミ「あら佐倉さん?今日はやけに素直なのね。ますます昔を思い出すわ」

杏子「いちいちオカン臭いな・・・相変わらず」

杏子(上条から聞いたこの世の真実・・・それが正しければ・・・)


杏子(なぎさもまた・・・円環の使者だとあいつは言っていたっけ・・・)

杏子(なぎさがいなくなったら・・・マミはどうなるんだ?いや・・・それ以前に
なぎさの存在を消してでも正しいことのために戦えるのかな・・・?)



杏子(もしもマミが・・・正しい事のために戦うと決めて・・・その先の未来に
なぎさを失って・・・あたしもさやかを失うようなことがあれば・・・)




杏子「そう遠くない未来・・・もしかしたらまた二人だけに戻っちまうかもしれねーな・・・」


マミ「え・・・?」



杏子「なぁマミ・・・」



杏子「もしも今いるこの世界がニセモノで・・・あたし達がその世界を作り出した奴に騙されているとして・・・」


杏子「身近な人間・・・あんたにとってなぎさが
そのニセモノの世界でしか一緒にいることが出来ない存在だとしたら・・・」


杏子「あんたは・・・正しい事のために戦えるかい?」


マミ「佐倉さん・・・?」



杏子「なぎさを失うとしても・・・あんたは真実に立ち向かっていけるか?」




マミ「・・・」




マミ「それが正しい事なら・・・戦うわ」

杏子「そっか・・・」



マミ「それはきっと・・・立場が逆だったとしてもあの子は同じ決断をすると思うから・・・」

杏子「・・・!!」



マミ「お母さんをあんな形で失ってしまったあの子だからこそ・・・正しい事のために
頑張ろうとするだろうし・・・」


マミ「私もあの子を信頼しているからこそ・・・そういう決断も出来るの」


マミ「そうで無くても・・・いずれは私達は円環の理に導かれる存在だから・・・
ある程度はそういう覚悟も必要だから」




杏子「そうだな・・・性質の悪い喩え話だった・・・忘れてくれ」


マミ「そうね。もう眠りましょう」カチッ(消灯)

杏子「信頼しているからこそ・・・か」



杏子「確かに・・・さやかが逆の立場だとしても・・・あいつは正しい事のために戦おうとするはず・・・」


杏子「さやかがそうするなら・・・あたしも・・・」



杏子「マミ」

マミ「なぁに?さっきから・・・今日は甘えんぼさんなの?」


杏子「ちげーよ・・・」

杏子「もしもさっきの喩え話と同じ状況になったとしても・・・あたしは先に消えたりしないから・・・」

杏子「しばらくは昔みたいに二人で暴れて・・・その後はあたしがアンタを見送ってやる」



マミ「佐倉さん・・・?もう、何言ってるのよ!」



杏子(上条に協力するかどうかはまだ分からない・・・だけどもしもあいつの話が本当なら・・・
あたしもまたマミの様に正しい事のために戦おうとするだろう・・・それだけはなんとなく分かる)




杏子(さやか達と出会って・・・マミと仲直りして・・・あたし・・・変わったかな・・・)



杏子(お前はどうする上条?具体的にさやかの記憶を取り戻す方法を考え付いたのか?)カチカチ




~恭介の部屋~


恭介「佐倉さんからメールだ」


恭介「具体的に・・・か」



恭介(さやかとの出会いをやり直す・・・僕は下着の魔法使い、ウィザードとして
さやかに話をしてみる)



杏子(アンタ・・・さやかの前では常にぱんつ被ったままにするつもりかよ!?)


恭介(そうなるだろうね・・・元々佐倉さんに正体を知られたのだって想定外の事態だから)




恭介(ウィザードとしての仮面をつけたまま君達に真実を伝えて・・・全部終わった後
ちゃんと正体を明かすっていう段取りだったんだ)



杏子(明日・・・久しぶりに4人全員(ほむらとまどかを除く魔法少女達)で魔獣、ルシファーの捜索をするつもりだ)


恭介(え)


杏子(協力するつもりじゃねーけど・・・
あんたがちゃんとこの世界の真実を伝えたいのなら絶好のタイミングなんじゃねーの?)

恭介(ありがとう佐倉さん・・・それだけで十分さ。後は自分の力でやってみるよ)


杏子(全部終わったら・・・下着新品にして返せよ)

恭介(えっ!古いほうはもらって構わないのかい!?)



杏子(なんでそんな嬉しそうな文面なんだ・・・)





~さやかの家、夕方まで遡る~


さやか「今日は仁美に元気になってもらうため急遽さやかちゃん家でお泊り会なのだー!」

まどか「良かったのかな・・・わたしも急にお邪魔しちゃって・・・」


さやか「いいのいいの!杏子の部屋も空いてるし!あいつ何故かマミさんの家に泊まるって言い出してさー」


仁美「ご迷惑をおかけします・・・さやかさん・・・」



さやか「良いの良いの!下着はちょっとした事情で貸してあげられないけど、
それ以外のことなら精一杯もてなすから!」



仁美「でしたらさやかさん、これから下着を買いに出かけませんか」

さやか「え」



仁美「それも・・・縞パンをですわ!」



さやか「え、なにそれは」



~下着売り場~

仁美「上条君は縞パンフェチという未確認情報があるのでしょう?」


さやか「仁美!?あんたともあろう子が・・・そんな事鵜呑みにするの!?」


仁美「お互い上条君を落とすために戦力(意味深)は必要でしょう?ですから新しく買うのなら縞パンかと」



さやか「えええええ!?あ、あたしはいいよ!仁美だけ買いなよ!」

さやか「あたし今更仁美と恭介の間に割って入る気は無いんだから!」



仁美「そうなのですか・・・」

さやか「それに、あんたも聞いてたでしょ!?あ、あたしはもう彼氏が出来たんだからね!」



まどか「さやかちゃん・・・その嘘まだ続けるつもりなの・・・?」



仁美「さやかさんがそうおっしゃるのなら構いませんけど・・・」

仁美「私・・・元々上条君を横取りするつもりは無くて・・・さやかさんと正々堂々と勝負したかったかもしれません」

仁美「ですから・・・上条君が他の女性にも興味を持ってしまったこの現状なら・・・
お互いの立場は対等かもしれません」


仁美「改めて・・・さやかさんにも上条君と結ばれる資格があってもいいはずだと私は思ってしまいますの」



仁美「それともさやかさんはもう・・・上条君のことが好きでは無くなってしまわれたの?」


さやか「うーん・・・」



さやか「多分、まだ好きなんじゃないかなってのはあるけどね・・・」


さやか「だけどさ・・・あたしとアイツで・・・絶対に一緒になれない理由があるんだよね・・・」

仁美「さやかさん・・・?」



さやか「でもそれがあいつの幸せならあたしは胸を張って送り出せるし・・・」

さやか「あたしも・・・そういう覚悟でそれを望んだから・・・」



まどか(多分さやかちゃん・・・
魔法少女の使命と・・・いつか消えなきゃいけない運命の事を話しているんだろうな・・・)



まどか(そんな事気にせずに・・・自分の幸せのために生きる生き方だって間違いじゃないのにな・・・)



さやか「仁美」

仁美「えっ」




さやか「改めて・・・あいつの事よろしく頼むわ」

仁美「さやかさん・・・」



さやか「きっと杏子と秘密を共有しているのだって理由があるはずだよ。
まどかへのプレゼントは本当に曲を贈るだけの純粋な物だったし」

さやか「サプライズプレゼントだよ。きっと!もしくはあいつの家、教会だから
求婚の段取りとか考えてたりしてね」



仁美「きゅっ・・・求婚!?」


まどか「わー、素敵。この歳でプロポーズしちゃうの?」



仁美「し・・・縞パンとそれに合わせた物を・・・!上下そろえて買いますわ!」

さやか「その意気だ仁美!あたしは例え仁美と恭介がオトナになったとしても祝福するよ!」



さやか「でも・・・縞パンか・・・確かに可愛いかも」サッ

まどか「結局買うんだ・・・」

さやか「こ・・・これは違うの!」

さやか「あたしの彼氏もーこういうの好きかもしれないからってーそれだけでー」

まどか「はいはい。もういいよさやかちゃんそのネタは」



ほむら「参考までにまどかはどんな勝負下着にグッとくるか教えて欲しいわ」


まどか「ほむらちゃん!?」

さやか「暁美ほむら!」


仁美「暁美さん!?」







さやか「あんた・・・何しにここに来た!?」

ほむら(次のルシファー候補を探しに来たのよ)




ほむら(あれは・・・)



美術高校女子生徒「・・・」ウロウロ




ほむら(迷える子羊発見・・・良いルシファーの素体になってくれそうだわ)




ほむら「邪魔したわね・・・さっき私が言ったことは忘れて良いわよ」




さやか「なんなんだアイツは・・・勝負下着って・・・アンタがまどかに見せるつもりかよ・・・」



まどか「でも・・・確かに縞パンって可愛いかもね・・・わたしも買っちゃおうかなー?」


ほむら「・・・!!」ピクッ




ほむら「残ってる縞模様全部頂くわ」チャリーン



さやか「お前もか!」

ほむら「まどか、これはあなたの分よ」パサッ

まどか「え・・・!?その・・・ありがとう?なのかな・・・」


ほむら(ほむっ・・・さっきの女子生徒・・・見失ったわね・・・)



ほむら(構わないわ・・・明日探し出してルシファーシードを植えつけるだけよ・・・)



次の日


恭介「ここにさやか達が集まるはず」




ほむら「こんに千和、上条君」

恭介「暁美さん!?」




美術科女子高生「離して~!な・・・なんなの~?」

恭介「やまぶき高校の制服?そ、その人は?」




ほむら「受け入れなさい。この種があなたの進路の悩みを解き放ってくれるわ」


スッ(ルシファーシード注入)



美術科女子「きゃあああああああ!?」




ゴゴゴ・・・



恭介「!!ルシファー化した!」



恭介「やっぱりルシファーは君が作り出したモノだったのか・・・」


ほむら「ごきげんよう」スッ



女神(高校生のままのイメージ)

悪魔(大学生のイメージ)



恭介「まずい!変身して戦わないと!」



スッ(仁美のパンティ)


がばっ


恭介「フォオオオオオオオ!!」




バイオリン仮面「下着の魔法使い、バイオリン仮面ウィザード!」バァーン!!




マミ「あれは!」

杏子「ルシファーと・・・ウィザード!」

バイオリン仮面「よく来てくれた!魔法少女達よ!(変身するところは見られてないよね?)」


バイオリン仮面「さあ、私と一緒に戦ってくれ!ルシファーを浄化しなければ!」

さやか「・・・」



さやか「この前もそうだけど・・・なんであんたが行く先行く先でルシファーが出現するのよ・・・」


バイオリン仮面「!!」



杏子「お・・・おいさやか!?」


さやか「まさかあんたが、ルシファー達を操ってるんじゃないでしょうね!?」



バイオリン仮面「違う・・・!私は・・・」


さやか「大体怪しすぎるのよ・・・あんたはまだ自分の目的も・・・敵か味方か、
正義か悪かも明かしていないじゃない!」




さやか「あんたには下着を盗まれた恨みもある!正体見せなさい!」


杏子「さやか・・・そいつは・・・」



バッ(切り刻まれるぱんつ)


恭介「し、しまった!!」

杏子「まずい!」バッ


さやか「・・・」



マミ「・・・!!」

なぎさ「・・・え!?」





恭介「つ・・・ついに見られてしまったか・・・さやか・・・」

恭介「驚かないでくれさやか・・・これには深い理由があって・・・」




さやか「いや、あんたどこの誰よ?」

恭介「え!?」



さやか「しかも下の名前で・・・なんでそんなに馴れ馴れしいのよ・・・
あたしはあんたの事なんか知らないってーのに・・・」


恭介「・・・!?」


さやか「それより質問に答えなさいよ!あんた・・・ルシファーと繋がりがあるの!?どうなの!?」

恭介(どうなっているんだ・・・?)


恭介(まさか・・・現実逃避!?目の前にいるのが僕だという事が受け入れられなくて・・・)

恭介(いや・・・そんな感じじゃないな)




杏子(おい、上条!テレパシー聞こえるか!?)

恭介(佐倉さん!?)




杏子(今あんたはあたしの幻惑魔法でまったく別の顔になっている・・・さやか達が見てるのはあたしが
作り出した幻さ)



恭介(・・・そんな事が可能なのか!?)



杏子(今この場はテキトーな名前を出して切り抜けるんだ!)



恭介「僕の名前は・・・氷室」



さやか「は?」



恭介「風見野中学二年生・・・氷室。それが僕の正体だ」



恭介「さやかの事は杏子から聞いていたんだけど・・・いきなり呼び捨ては馴れ馴れしかったよね・・・
ごめんね「美樹さん」」



さやか「きょうこ!?今度はそっちを呼び捨て!?一体なんなの!?杏子の知り合い!?」




さやか「まさかアンタ・・・杏子の彼s」

杏子「ちげーよ!!こいつは・・・」

さやか「ん?」





杏子「ハッ!?」


杏子(ハメられた!!あたしが口を挟むことで・・・上条の嘘の共犯者にならざるを得なくなっている!?)


杏子(こいつ・・・それを見越してあたしを呼び捨てにしたのか・・・!?
こ・・・こんな奴を助けようとしたばかりに・・・)



杏子「氷室は・・・あたしの母方の親戚だ」


さやか「え・・・?」


杏子「この前下着を盗まれた時・・・あたしはこいつに追いついて正体も見ていたんだけどさ・・・」

杏子「さやか達に報告するべきかどうか悩んでて・・・結局そのまま・・・」


マミ「そんな事言ってる場合じゃないわ!ルシファーが!!」



悪魔ルシファー「うふふ・・・」


さやか「・・・!!」(変身準備途中)



がしっ(捕まるさやか)


ポロッ

さやか「ソウルジェムが・・・し・・・しまった!!」




まどか「さやかちゃん!」




杏子「さやかが捕まった!しかもソウルジェムを手放しちまった!」



マミ「これじゃ美樹さんが変身できないじゃない!」




女神ルシファー「きゃはは!」


ギュイン!


杏子「来るぞ!」



マミ「任せて!レガーレ!(リボンによる拘束)」




ギュルギュル・・・ギュッ


女神ルシファー「・・・!!」




マミ「佐倉さん!今よ!」


杏子「オッケー!まずはこっちから片付けてやるぜ!!」バッ(槍で突進)




杏子「食ら・・・え!?」


ピタッ




マミ「佐倉さん!?」

マミ「リボンが・・・!!」


むくむく・・・


マミ「ルシファーがどんどん、ふくよかな体系になっていくわ!駄目・・・リボンが避けちゃう・・・!」



ビリーッ


女神ルシファー「キャハーッ!」


ドスッ


杏子「ぐっ・・・ふっ・・・!!」




マミ「佐倉さん!!」


杏子「な・・・なんて重い一撃なんだ・・・」

マミ「佐倉さん・・・どうして攻撃を止めたの!?」




杏子「悪魔側を見てみな」


マミ「・・・!!」




さやか「くぉら~離せ~!卑怯だぞ~!タイマンで勝負させろ~!」


悪魔ルシファー「・・・」シャキン





杏子「さっき氷室のパンティを切り裂いた剣をヒロってやがる・・・あたし達が女神の方に危害を加えれば
間違いなくさやかは殺られる・・・」


マミ「そんな・・・!」




杏子「チームプレイの悪い部分が出ちまったな・・・一人でも人質にされたらあたし達は動けねえ・・・」



恭介「・・・!!」

恭介(どうすれば・・・いいんだ!?)




恭介(僕の演奏なら・・・肉体では無く「精神」に訴える効果が出来る・・・攻撃せずともさやかを
助けられるかもしれない・・・)



恭介(だけど今日の僕は予備のパンティを持ってきていない・・・さやかに裂かれたあの一枚しか・・・)

恭介(今は変身・・・できない!!)

恭介(今手に入るパンティは・・・
ルシファーの相手をしている佐倉さんと巴さん以外・・・鹿目さんかなぎさちゃんの物!?)



恭介(なぎさちゃんは駄目だ・・・あの衣装だと脱ぐのに時間がかかる・・・その間にやられてしまう!)

恭介(だったら・・・)



恭介「鹿目さん!」

まどか「ウェッ!?」




恭介「緊急事態なんだ!君のパンティを僕に・・・」




カチッ



恭介「・・・!!」




恭介「時が止まった世界!?こ・・・これは・・・」



ほむら「上条恭介・・・いえ・・・今は氷室かしら」

恭介「暁美さん!?」





ほむら「まどかのパンティを顔に被ることは許さない。もしそんな事をすれば・・・
私はまどかを覚醒させるリスクを背負ってでも、あなたを「今」殺すでしょう」




ズポッ


恭介「!!鹿目さんのパンティを・・・!」


ほむら「私がこれを頂いてしまえば・・・あなたは変身できない」



恭介「ど・・・どうしてルシファーにみんなを襲わせるんだ!?
一人でも欠けたら「鹿目さんの幸せな世界」は実現できないじゃないか!」


ほむら「美樹さやかを人質にしているのはハッタリよ。私の目的は悪魔であなた」

恭介「・・・!!」



ほむら「だけど私の仕業だと悟られてはいけないの・・・あなたは悪魔でルシファーとの戦いで
命を落とす事にしないと・・・」



ほむら「今度こそごきげんよう、上条恭介。まどかのパンティは私が頂いていくわ」


ほむら「悪魔で・・・あなたの変身を妨害する意味でね・・・」ほむっ

カチッ(時間停止解除)



まどか「あれ?なんだか下がスースーする・・・」


まどか「ウェッ!?わたし・・・ぱんつ履いてない!?どうして!?」



ぺたん↓



なぎさ「まどか!」


なぎさ「何やってるのですか!逃げるのですよ!」


まどか「だめええええ!今走って万が一めくれたら見えちゃう!男の人の前でそんな事出来ないよ!」




恭介(・・・!!)



恭介(鹿目さんの動きも・・・封じられた!!)


恭介(まともに動けるのは自分だけ・・・だけど変身できないこの状況・・・)





恭介(一体・・・どうすれば・・・!?)





5話終了 続く

銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード!」




恭介「そうだ!敵がはいてるパンティを奪えば・・・」



なぎさ「お友達がピンチなのです、なぎさと一緒に来てほしいのです!」

仁美と声が似た人「ゆの・・・?」



中沢「この人が・・・美樹の彼氏!?」



第6話

さやか「その場しのぎだけど、あんな事されたし・・・」






申し訳ありません。リアルが忙しかったです

再開します

第6話「その場しのぎだけど、あんな事されたし・・・」



恭介「一体どうすれば・・・」



女子高生ルシファー(女神側)「私はずっと沙英のそばにいるの・・・」


恭介「・・・!?」



ルシファー(女神側)「ずっとひだまり荘にいたい・・・卒業なんてしたくない」




恭介(・・・)



恭介(卒業したくない・・・それがこの人がルシファー化した理由・・・!?)



恭介(だとすれば・・・沙英というのは・・・この人の友達・・・?)





なぎさ「なぎさも変身するのです!まどか、そこを動かないで待ってるのです!」


恭介「待ってなぎさちゃん!君は結界の外へ出てくれ!」

なぎさ「え?」




恭介「彼女を・・・浄化するためには友達の声を聞かせなければ駄目だ」


恭介「やまぶき高校の生徒・・・ひだまり荘の沙英という人を連れてきてくれ、今外に行けるのは君しかいない!」




なぎさ「・・・」



さやか「はぁ!?あんた何言ってるの?なぎさ、駄目だよ!
いくら杏子の知り合いだからってそいつが味方とは限らないから!」



なぎさ「わかったのです!その人を探してくるのです!」


さやか「なぎさ!?」




なぎさ「なぎさは顔を見るまでウィザードを恭介と思っていたのです」

なぎさ「そして今も・・・この人からは恭介と同じ感じがするのです、なんだか信用できるってそう思うのです!」




さやか「ど・こ・が!?どこが恭介に似てるっていうのよ!」


なぎさ「きっと氷室には考えがあるのです!なぎさは沙英という人を探してくるのです!」

恭介「そして・・・僕は変身する準備をしないと・・・どうにかして・・・誰かからパンティを!」


フラフラ・・・


さやか「ちょっと!いつまでこの場にいるつもりよアンタ!あんたこそ逃げるか変身して身を守るかしなさいよ!」



恭介「僕は・・・女性のパンティを身に付けないと変身出来ないんだ」

さやか「は!?」



恭介「さや・・・美樹さんが切り裂いちゃったから今は変身出来ないんだ」

さやか「ちょっと!あたしのせいにするつもり!?変態なら変態らしく複数身に付けときなさいよ!
ってかあたしから盗んだのはどうしたのよ!!」



恭介「巴さん、佐倉さ・・・じゃなくて杏子!できればパンティをこっちへ放り投げてくれないか?」



杏子「はぁ!?」

マミ「えええぇえええ!?」




恭介「もうすぐなぎさちゃんがルシファー化した女性の友達を連れてくる・・・僕の演奏があれば
その子の声を彼女の精神へと届けることができるんだ」



恭介「魔力演奏するためには変身しなければ・・・そしてそのためには女性のパンティが必要なんだ!」



ブン!(ルシファーの攻撃)



杏子「戦ってる最中に無理言うな!ぱんつを脱いでる間にやられちまうよ!それに隙が出来てもやらねーよ!」



恭介「・・・そうだ!二人が駄目でもルシファーからパンティを奪えば・・・」




ぎゅっ(再びリボンによる拘束)



マミ「佐倉さん今よ!ルシファーが再び肥大化する前に、もう一体のルシファーが美樹さんに手を掛ける前に!」


杏子「よっしゃ!」



恭介「今だ!拘束されているルシファーからパンティを奪えば・・・!」ダッ



杏子「は!?何前に割り込んでるんだ!?邪魔だああああ!!」



ドカッ(衝突する杏子と恭介)



杏子「いてて・・・何やってるんだお前は!?足手まといはひっこんでろ!」

なぎさ「氷室、あの人のお友達を連れてきたのです!」


沙英「ゆのに呼ばれた気がしたから来たんだけど・・・あんたたち一体誰?ってかどこここ!?」



ルシファー「さ・・・え・・・?」

沙英「ヒロ!?」



恭介「あなたが・・・沙英さんですね?」

沙英「そうだけど・・・どうなってんの!?ヒロに何が起きたの!?」





恭介「詳しい話は出来ないけど・・・あなたの友達がルシファー化して暴走しているんだ」

沙英「るしふぁー?暴走?ゴメン、あたしの作風とは違うからさっぱりだわ」



沙英「でも・・・非現実的な事がヒロの身に起こっていることだけはわかるよ・・・」

恭介「・・・理解が早くて助かるよ」



沙英「ヒロを元に戻すためにあたしが何かしないといけないんだよね・・・どうすればいいの?」



恭介「呼びかけて欲しい、今彼女は・・・卒業して今の環境が変わってしまう事を恐れている」



恭介「もちろんそれだけで精神に声が届くのなら苦労は無い。だけど、僕の演奏があれば・・・!」





恭介(これで後は・・・僕が変身できれば・・・)





恭介(だけど・・・誰のパンティを被ればいいんだ!?)

恭介(佐倉さん、巴さんは交戦中・・・鹿目さんのモノは悪魔が持って行った・・・)




恭介(なぎさちゃんは脱ぎにくい衣装だし・・・そもそも小さくてパンツが裂けちゃう可能性もある・・・)


恭介(となると・・・沙英さん!?沙英さんからパンティをもらう!?)



恭介(いやいやいや!初対面の人からパンティをもらうのはいくらなんでもハードルが高すぎだろ!)



恭介(でも・・・この人からなんだか仁美さんっぽさも感じるから・・・
頼み込めば仁美さんみたいに脱いでくれたり・・・)



キラッ

恭介「あれは・・・」

恭介「さやかのソウルジェム!」


ほむら(美樹さやかを人質にしているのはハッタリでしか無いわ)



恭介「そうだ・・・それがもし本当なら・・・さやかにソウルジェムを・・・」


がしっ

さやか「・・・?」




恭介「そのままじっとしていて美樹さん・・・ルシファーを刺激しないように・・・
今僕が・・・そこまでソウルジェムを届けるから!」



さやか「な・・・!?」


杏子「お、おい正気か!?今さやかは人質にされてるんだぞ!近づいたらさやかがやられちまうんだぞ!」





恭介「大丈夫・・・奴らにさやかは殺せないさ・・・」



スッ(一歩ずつ近づく恭介)



ルシファー「ソレイジョウチカヅイタラ、コイツヲコロス!」



恭介「出来ないよ・・・君には・・・というより君を操っている「悪魔」には出来ないはずなんだ」





スッスッ


マミ「え・・・!?」



杏子「どうなってやがる・・・ソウルジェムが手渡せる位置まで近づけたぞ!?」

なぎさ「ルシファーはさやかに手を出していないのです!」




恭介「さあ、美樹さん、ソウルジェムを・・・」スッ

さやか「氷室くん・・・」



ほむら(何をやっているの!?
美樹さやかは殺すなとは言ったけど、上条恭介を押しのけるくらいはできるはずよ)



ルシファー「ハッ!」


ルシファー「えーい!」ドンッ(押し出し)


恭介「うわっ」ドッシャーン(倒れて転げる恭介)

さやか「きゃっ!」

(ルシファーが突き出しの体制を取ったため腕から転がるさやか)



ドシーン


恭介「いてて・・・なんて強力な突き出しなんだ・・・」


恭介「あれ?なんだこの視界は・・・薄暗いぞ・・・」




恭介「それでいて・・・甘美な香りが誘う・・・ここは・・・」



恭介「さささ・・・さやかの・・・スカートの中!?」ドバァーン





さやか「ぎゃああああああああああああ!!どこに顔突っ込んでるのよおおおお!!」



恭介「め・・・目の前に・・・・」



恭介「さやかの・・・パンッ・・・」





するっ


さやか「きゃああああああ!?なんでぱんつが独りでに脱げるのおおおお!?」



すぽっ

恭介「あ、被っちゃった」


恭介「フォオオオオオオオオオオオオオオ!!!」ピカッ





バイオリン仮面「バイオリン仮面、ウィザード!!」バァーン!



沙英「え、何あれは(ドン引き)」





バイオリン仮面「沙英さん、君の友達の精神を浄化させてルシファー化を解呪する!」


バイオリン仮面「私のバイオリンの音にのせて君の声を届けるのだ!」

スッ(社会の窓からバイオリン)




沙英「ごめん、それ以上近づかないで」

♪~♪~♪


沙英「あれ?演奏は素敵」



ルシファー「・・・」ピタッ

杏子「ルシファーの動きが止まった!」




~ここからヒロと沙英の記憶改ざん~


~夜のひだまり荘~



沙英「寝てたから勝手に見させてもらったよ、進路希望用紙」


ヒロ「そ・・・それは」



沙英「すっごくいいね、先生」

ヒロ「え・・・?」




沙英「あたし、中学の頃先生の一言で動物描くの苦手になったっていったじゃん?
ヒロが美術の先生だったらどんなによかっただろうなって・・・」



ポロポロ・・・


ヒロ「私・・・卒業するの寂しい・・・」

沙英「ヒ・・・ヒロ!?」




沙英「大丈夫・・・大丈夫だよ」


ぎゅっ


沙英「あたし達ならきっと・・・どんな事があっても・・・」






~~~

しゅうう・・・


杏子「ルシファーが・・・浄化されて元の人物へと戻っていく・・・」


マミ「きっとあの二人の間でしかわからないやり取りが行われていたのね・・・だけど
なんだか他人のような気がしないわ・・・長年同じ荘にいた仲間を見送る気分だわ」

なぎさ「なぎさもなのです!」


まどか「・・・」

さやか「ハッ!そうだ、下着!!」

さやか「氷室ー!!どこにいった氷室ー!!あたしのぱんつ返せえええええ!!」


まどか「・・・」



まどか「あのヒロさんって人は・・・卒業することの寂しさから・・・ルシファーを生み出したんだよね・・・」

まどか「でもそれって・・・本当に悪いことなのかな・・・」


さやか「まどか・・・?」


まどか「ヒロさんは・・・卒業しても沙英さんや後輩の友達とずっとつながり続けるって決心したんだよね・・・」




まどか(わたしは・・・まだ怖いかなって・・・)

まどか(この先・・・マミさんが卒業して・・・)



まどか(わたしは・・・みんなと離れ離れになるのは・・・嫌だなって・・・そう思っちゃう)







恭介「はぁっ・・・はあっ・・・」ドキドキ



キュゥべえ「調子が悪そう・・・いや、なんだか興奮気味だね恭介、ナニがあったんだい?」



恭介「見ちゃった・・・」


キュゥべえ「え」



恭介「さやかのパンティを脱がすとき・・・至近距離でその・・・さやかの・・・」ドキドキ


キュゥべえ「・・・」




恭介「いけない!僕は・・・仁美さんというものがありながらさやかにこんな気持ちを抱くなんて・・・!」




恭介「忘れよう!そうだ!さやかの・・・を見てしまったのは上条恭介じゃない!かざみの中学の氷室だ!」



恭介「かと言って・・・佐倉さんの幻惑魔法が無いと氷室には変身できないんだよな・・・」



恭介「明日・・・佐倉さんとまた屋上に行って幻術の魔法を教えてもらおうかな・・・」






~翌日、学校、屋上~

杏子「ハァ!?幻惑魔法を教えてくれだって!?」

恭介「昨日顔を見せたことにより、少しはウィザードに対して警戒心が薄れたと思うし・・・」


恭介「本当のことを話して協力者を得るためにも・・・これからも氷室としての素顔が必要だと思うんだ」


杏子「・・・」

杏子「お前・・・幻惑魔法は初めてか?力抜けよ」



恭介「!?さ・・・佐倉さん///」



杏子「あたし並に使いこなすのは無理でも素顔を変えるくらいならちょっと教えを受ければすぐ出来るぞ」



杏子「昨日、その場しのぎであたしが見せたあんたの顔はこんな感じだ」

サラサラ



恭介「佐倉さん、あまり絵うまくないんだね」

杏子「ハッキリ言うな!じゃあ口で説明してやる!」



杏子「あたしの親戚って事で髪は赤色で・・・」

杏子「目つきも今のあんたよりちょっと鋭いだけで、後のパーツは上条本人の流用だな」





恭介「意外とバレないもんだね」

杏子「多分、さやかの中で上条が美化されてる結果だろ」


恭介「え?」

杏子「間違ってもぱんつを顔に被るような奴じゃないって思われてるって事だよ」




恭介「そっか・・・」


恭介「そんなさやかをいつまでも騙すわけにはいかないよね・・・いつか本当のことを打ち明けないと・・・」



杏子(・・・)




杏子(こいつ・・・知らないんだな・・・今自分がやってる行動がさやかを消すかもしれないって事に・・・)



杏子「よし、早速実践してみるぞー、変身してみろ」

恭介「え?いきなりかい!?」




さやか「杏子!あんたまた恭介と会ってるの!?」ガチャッ

恭介「さやか」

さやか「氷室!?」

杏子「!?」



氷室「!?」

杏子(恭介の素顔が・・・氷室に!)



氷室(やった!初めての幻惑魔法だけどうまくいったぞ!)



さやか「あんた、見滝原の制服着てまでもぐりこんで何してるのよ?」

氷室「ちょっと杏子に用があってね」



さやか「んー?」じーっ

さやか「あんた達・・・本当にただの親戚なのー?」



杏子「当たり前だ」


さやか「まあいいや、それよりも氷室!あんた昨日・・・あたしのパンッ・・・」




氷室「あ・・えっと・・・」



氷室「ごめん・・・もうしばらく美樹さんのパンティを使いたいから返せないよ」



さやか「な・・・!?つ・・・使う~!?」





氷室(ぱんつだけじゃなくて・・・とんでも無いモノを見てしまったけど黙っておこう)


氷室「僕の素顔がバレてしまったから・・・もういい機会だと思って全部話そうかと思って・・・」




氷室「僕の目的も・・・僕が見てきた出来事もすべて話す。魔法少女達を屋上に集めてくれないか?」





~~~

ぞろぞろ・・・




屋上メンバー:氷室(恭介)、さやか、杏子、マミ、まどか、なぎさ、ほむら、キュゥべえ



ほむら「・・・」


氷室(あ・・・暁美さんまで来ちゃったよ・・・「魔法少女達」って言ったのがまずかったかな?)


氷室(めちゃくちゃ見てる・・・核心に触れることは言わせない気かな・・・)

氷室「改めて、自己紹介させてもらうよ。僕の名前は氷室。下着の魔法使い・・・ウィザードの正体だ」


さやか「なんのためにあたし達の前に姿を現したのよ」

氷室「世界を元に戻すため」



さやか「世界・・・?」




氷室「今の世界は特定の時間を繰り返すだけの偽りの世界・・・」

氷室「僕は繰り返される前の・・・前回の「ループ」の記憶を持ち越す事を「願い」として契約した」



氷室「このまま無理やり同じ時間を何度も繰り返せば・・・いずれ世界は負荷に耐えかねて崩壊する」

さやか「何それ?頭大丈夫?」




氷室「そう言うと思って今日はバイオリンを持ってきた」スッ


さやか「アレ?今度は社会の窓からじゃなくてまともなケースから出してきた」


さやか(あのケース・・・どこかで見たことあるような・・・)




氷室「これが前回のループで僕が見てきた記憶だ・・・」

氷室「それを「演奏」として表現することで君達にも僕の記憶の映像を見せることが出来る」



♪~♪~♪


一同「!!」



さやか「こ・・・れ・・・は・・・」





記憶の映像


ワルプルギスの夜「アハハハハ!」



ゴゴゴ・・・


マミ「ひどい・・・」



まどか「見滝原が・・・」

杏子「こいつはなんなんだ?魔獣ともルシファーとも違うじゃねーか!?」



氷室「別名ワルプルギスの夜・・・」

氷室「この「繰り返される世界」における「リセット」が彼女の役割なのさ」



氷室「この風景から見てもわかるだろう?リセットの審判の日は君達の学校の「卒業式」・・・
彼女によって一度地球上から全ての生命が消滅し、また「再構築」される」



氷室「僕達は永遠に大人になることなく・・・同じ時間を繰り返していたのさ」



さやか「一体こいつは・・・何のためにこんな事を!?」



氷室「とある少女の願い・・・」

さやか「え?」




氷室「友達と離れたくない・・・大好きな先輩に卒業して欲しく無い・・・そう思った少女の
願いを叶えるためにまた別の「とある少女」がこんな不器用なやり方でそれを叶えようとしているのさ」



ほむら「・・・」




さやか「は!?一個人にそんな願いを叶えてあげるために、わざわざ世界改変を繰り返すような力があるっていうの!?
その「少女」が魔法少女だとしても無理だよ!」



氷室「無理じゃないさ・・・普通の魔法少女じゃない。なぜなら「とある少女」も「その少女を思う少女」も
神に等しい力を持っているからね」




さやか「え、何その憂鬱しちゃいそうなラノベみたいな設定は」




氷室「かつて神だったその少女とその力を奪って「悪魔」となった少女・・・
その二人の気まぐれに何度も振り回されているのがこの世界の真実・・・」



氷室「そして・・・僕が見滝原に姿を現した理由・・・」



氷室「神と悪魔は・・・君達の中にいるんだ!」バァーン





まどか「え」

さやか「な、なんだってー!!」




ほむら(・・・!!)




氷室「直接その悪魔の実名を言うことは出来ない。言えばこの世界から強制的に排除させられる」

キュゥべえ「僕も同じくね。だから君達が自分から「悪魔」の正体にたどり着く過程が欲しかった」



まどか「氷室君の話が本当だとしたら・・・神様ってもしかして・・・わたしかも」

さやか「え?なぜに?」




まどか「昨日・・・ルシファー化したヒロさんを見てて気付いたんだ。わたしにもどこか
卒業したく無いって・・・マミさんに卒業して欲しく無いって思ってる所があるって」


まどか「さやかちゃん達はどう?皆と離れ離れになりたくないって思ったことある?
永遠にこの日常が続けばいいなって思ったことは?」


さやか「うーん・・・どうだろうなー」



さやか「あたしは別に将来の夢とか目標とかなんにも無いし・・・
あたしだけなら永遠の美少女のままでも構わないかなーとか・・・思っちゃうかもッ☆」



なぎさ「(言い方ウザッ!)・・・なら、さやかが神サマの可能性もあるのです!」


さやか「でも・・・やっぱ恭介の事を思うとそうもいかないっていうか・・・」


氷室「え」

杏子「・・・」




さやか「アイツはずっと頑張ってきたから・・・きっとバイオリンで世界に行きたいって考えてるはずだから・・・」



さやか「あたしも未来でアイツの演奏をずっと聞いていたいって思ってるから・・・例え
今の仲間達と離れ離れになる事があったとしても、同じ時間を繰り返したいとは思わないかな?」


氷室(さやか・・・)ズキッ



なぎさ「なぎさもマミみたいに早くおっきくなりたいのです!」

マミ「私もちょっとヒロさんみたいな所があるから・・・あ、体系的な意味じゃなくて・・・」




マミ「卒業するのは寂しいけど・・・だけどきっと大丈夫。繋がっていられるわ」


マミ「それに最近・・・アイドルのお仕事にも興味があって・・・
未来が無いって選択肢は・・・例えその瞬間が楽しくてもちょっと・・・」



杏子「あたしはどっちでも良い。元々惰性で生きているようなモンだし?」

杏子「さやかが信じるほうに従うよ。だからあたしも繰り返し反対だ」


まどか「じゃあやっぱり・・・わたしが神様?」ズパーン


ほむら「ほむっ!」ドキドキ

さやか「まどかが神様だと仮定すると・・・」

杏子「わざわざ世界をひっくり返してまでまどかを幸せにしようとする奴・・・」


マミ「過保護ね」

なぎさ「過保護なのです!」


ほむら「お、お母さんかしら?(すっとぼけ)」



さやか「てか、うん」



まどか「ほむらちゃん?」



ほむら「ほむぅぉ」ブホォ





まどか「ほむらちゃんが悪魔なの?」

ほむら「な・・・何のことかしら?」ドキドキ




ほむら「鹿目まどか・・・私とあなたは友達かしら?違うでしょう?」


ほむら「だから・・・私があなたのために世界そのものを作り変えるなんて事は有り得ないわ」


さやか「いや・・・あんたまどかの事すっごい熱い視線で毎日見てるじゃん」


ほむら「ほむっ!」






まどか「その視線にわたしも気付いていたよ」

ほむら「ほむるぅあっ」ブホッ




まどか「そういえば転校初日・・・ほむらちゃんが「欲望よりも秩序を大切にしてる?」ってこういう事だったんだね」


まどか「わたしのために秩序を捻じ曲げてまで作ったこの世界を・・・わたしにとって正しいか間違ってるか
聞きたかったんだ・・・」




ほむら「ち・・・違うのまどか・・・あれは・・・」


まどか「今の世界が出来上がるより前・・・わたしとほむらちゃんは友達だったのかな?」ズバッ

ほむら「・・・」



まどか「もしそうだとしたら・・・ほむらちゃんが悪魔だとしても辻褄が合っちゃうんだけど・・・」


ほむら「・・・」

ほむら「ええ、そうよ・・・悪魔は私」


まどか「・・・!!」

ほむら「かつて私は・・・魔法少女達の希望・・・「円環の理」そのものであるあなたから「力の一部」をもぎとった」




バサアッ


マミ「!!」


杏子「変身した!」




ほむら「でも一つ語弊があるわ・・・ワルプルギスの夜は私だけの力で生み出したものじゃない」



ほむら「無意識に「神の力」を発散させているまどかの
「卒業式」というイベントを否定する気持ちに私が支配下に置いているはずの「魔獣」が反応し姿を変えたモノ」




ほむら「言わば・・・ワルプルギスの夜は・・・私とまどか、双方によって生み出された・・・」




ほむら「ワルプルギスの夜は・・・私とまどかの愛の結晶!実の娘と言い換えられるわ!」ほむぅーん



さやか「ええええええええ!?」





まどか「ワルプルギスの夜は・・・ほ、ほむらちゃんとわたしの娘!?」


氷室「いや・・・その喩えはおかしい」




ほむら「まどか・・・褒めてあげるわ。真相にたどり着いたこと・・・私を敵だと認識できたこと」

ほむら「でもね・・・あなたが「神の力と記憶」を取り戻さない限り私に勝ち目は無いわ」



まどか「ほむらちゃん?」




ほむら「そして・・・「卒業式」を受け入れる大人としての決意・・・それが無ければ
ワルプルギスの夜を倒すことは出来ない」




ほむら「ええ、そうよ!私はまどかが好き!だからこそ・・・こうしてまどかが否定するやり方で
「庭」に閉じ込めておく愛し方しか出来ないの・・・それを無意識のうちにまどかも望んでいるから・・・」



ほむら「せいぜい楽しませて頂戴ね・・・正義の魔法少女達・・・あなた達が真相にたどり着いたこのループで
どこまで私に立ち向かえるか・・・」

さやか「落ち着いて今の状況と周りを見渡したほうが良いよ。悪魔っ娘」

一般生徒「なんだなんだ?」ざわざわ


一般生徒「屋上で暁美さんが恥ずかしい格好してる」


一般生徒「しかも鹿目さんに愛の告白だってよ」

一般生徒「やっぱりそっち系だったか」


ほむら「~///☆;+*}*!?」




一般生徒「エロいな・・・あの格好」

一般生徒「ええいなぜだ!?なぜひっかかりが無いに等しいのに胸部がずり落ちない!?」




ほむら「見・・・見られている!?しかもこんな大勢に!?」



さやか「いや・・・だってそんな大きな翼を広げちゃあ・・・・」




まどか「声も大きいよほむらちゃん・・・」


ほむら「~~!!!///」かぁあああ






ほむら「と、とにかく、今日から完全に私とあなた達は敵同士よ・・・!なぜなら私は悪魔なのだから・・・」

ほむら「繰り返される日常を打ち壊して滅び行く世界の崩壊を止めたければ・・・まどかを覚醒させるしかないわ!」




まどか「わざわざ教えてくれるんだ・・・」



さやか「また会う前提で話すすめてるけど、あんた、明日も学校ちゃんと来れる?」

ほむら「・・・!!」


一般生徒「やべえよやべえよ・・・」ひそひそ

一般生徒「いつか何かやらかすと思ってたけど・・・こんなに変人だったとは・・・」



一般生徒「悪魔・・・?そういう設定だよね?それとも信じきってる?」




ほむら「今日はもう・・・」

さやか「もう?」



ほむら「家に帰るわ!明日の事は後回しよ!」バサアッ



一般生徒「!!本当に飛んだ!?」

まどか「・・・」


さやか「恥ずかしい・・・あれは恥ずかしい」

杏子「敵役っぽく意味深な台詞とともに去るってやりたかったんだろうが・・・照れ隠しの逃亡だな・・・あれじゃ」

マミ「とてつも無いドジっ娘・・・本当に暁美さんが・・・円環の理を奪った悪魔なの?」



キュゥべえ「ちょっと自信無くなって来た」

キュゥべえ「世界再編中の誰も見てない異空間的な場所だと強気なんだけどね・・・」



キュゥべえ「こう、指でねっとり「いんきゅべぇたぁ(はぁと)」って撫で回されて・・・」

さやか「うわ、結局恥ずかしい子!」



なぎさ「痴女じゃなくて恥女なのです!恥知らずのパープル・ヘイズなのです!」




まどか「だけど、やっぱりほむらちゃんがそんなに悪い子じゃないって事はわかったんじゃないかな?」


一同「・・・」



まどか「きっと私と友達だった頃のほむらちゃんは・・・
悩みに悩んでこの世界を創造する決断をせざるを得なかったんだと思う」



まどか「ほむらちゃんは敵なんかじゃないよ、救ってあげなきゃいけないとても可愛そうな子なんだと思う」

まどか「やり方が間違ってただけで・・・本当のほむらちゃんはきっと・・・」




まどか「そのためには・・・わたしが記憶を取り戻さないとだよね・・・」

まどか「いきなり神様って言われても・・・なんだか漠然としすぎててちょっと自覚無いけど・・・」



さやか「とりあえずは・・・まどかの事は後回しでワルプルギスの夜って奴を倒すために色々考えるべきじゃないかな?」




さやか「氷室、あんたもわからないんでしょ?まどかを神様として覚醒させる方法・・・といっても
あたしもまだ色々と半信半疑だけど・・・」


氷室「・・・」

キュゥべえ「・・・」

杏子「・・・」




氷室「そうだね。今のところ僕にもわからない。とりあえず今出来る事を積み重ねるのが大事じゃないかな?」


氷室「これで僕の素性も目的も全て話した・・・後は君達の返事だ」



氷室「この世界の時間の流れを正常な物へと戻すため・・・
ワルプルギスの夜を倒し・・・暁美さんをこれ以上暴走させないためにも僕に力を貸して欲しい」

キュゥべえ「彼は味方だ。「魔法使い」とは元々男性も戦わざるを得ない場合に僕達が臨時で
契約を許可する特殊な「魔法少女」の一例なのさ」


キュゥべえ「魔法少女候補の「女性」は全て悪魔の人形(クララドールズ)によって監視されていた。
潜り抜けるために少年と契約するしか無かった」


キュゥべえ「彼は正式な手順によって僕と契約した「魔法使い」だ。怪しい者じゃない」



さやか「・・・怪しくない・・・ねぇ」


キュゥべえ「下着を被る行為を疑念しているのかい?あれは魔法使いが「変身」するための条件なんだ」

キュゥべえ「未婚女性の下着を体に身に付けることによってでしか、魔法使いは変身できない。
だから彼は変態じゃないと付け加えておこう」




さやか「なんでそんな変身条件をわざわざ設定したのよ・・・」


キュゥべえ「もっとも、ポケットに忍び込ませるだけでも変身できるけどね!
パンティを顔に被ったのは彼のアドリブさ!」





さやか「やっぱり変態じゃない!」



氷室「芳醇な香りに我慢できなくなって、つい・・・」

さやか「あ・・・あたしのぱんつも同じ理由でわざわざ顔に被ってるわけ!?」



さやか「返せ!あたしのぱんつを返せ!!親戚同士なら杏子がパンティを分けてあげればいいでしょ!」

杏子「はぁ!?あたしだってお断りだ!こいつは親戚の壁を超えてあたしのぱんつまで盗む変態なんだからな!」



氷室(ちょっと佐倉さん!?親戚相姦な設定まで付け加えないでよ!)



さやか「まぁ・・・変態だけど・・・正義のために戦ってるって事が本当ならあたしは別に文句無いよ」

マミ「私も賛成よ。もっとも私の下着には手を出さないで欲しいけど・・・」


なぎさ「エロアスミスななぎさもちょっと引いているのです。なぎさのおぱんつは渡せないのです」

杏子「みんなが良いなら、あたしも特に言うことは・・・・あ、下着は返して欲しいけど」



まどか「そうだね・・・わたしもほむらちゃんが苦しんでいるのなら救ってあげたい」


まどか「だからそのためにも、わたし達も・・・氷室君に力を借りたいと思うから・・・」



氷室「ありがとうみんな・・・僕を信じてくれるんだね」

まどか「ところで昨日・・・わたしのパンティが急に脱がされてたのって・・・あれは氷室君の仕業?
今も持ってるのかな?わたしの下着・・・」



氷室「え゛」

氷室「ち、違うよ鹿目さん。昨日鹿目さんのパンティを持ち去ったのは・・・」

まどか「持ち去ったのは?」



氷室「暁美さん・・・なんだ」

まどか「・・・」


氷室「暁美さんに僕と同じぱんつフェチがあるかどうかは知らない・・・でも・・・」

氷室「鹿目さんのパンティを手に入れたときの暁美さんは・・・悪魔ではなく年相応の少女の笑顔だった」



まどか「・・・」

まどか「ちょっとだけ・・・ほむらちゃんに同情するのはやめようって思っちゃったよ・・・」





~放課後~


氷室「さや・・・じゃなくて美樹さん」

さやか「ゲッ!氷室!あんたまだ学校にいたの!?しかもあたしが一人になる時に呼びかけて・・・」



氷室「大事な話がある。実は・・・鹿目さんの記憶を取り戻す方法・・・存在しない訳ではないけど・・・
美樹さんが深く関わっている事なんだ」

さやか「え、何それ?あたしとまどかが神様である事に何の関連性が?」





中沢「美樹!」ズラッ

男子生徒「美樹さん!」


さやか「中沢!?それに見慣れない男子達!?」



中沢「俺達はまだ美樹を諦めたわけじゃないぞ!美樹の彼氏とやらを拝むまでは!」


男子生徒「嘘なんでしょ!?彼氏いるっていうのは!あれだけ上条君一筋だった美樹さんが!」

男子生徒「やっと上条が志筑さんとくっついて俺達にもチャンスがめぐって来たんだ!話だけでも聞いて・・・」



氷室(さやか・・・本当に人気があるんだな・・・まぁ無理もないか)

氷室(それにしても・・・さやかにとっちゃいい迷惑だろうな・・・僕とずっと一緒にいたせいで
僕の事を好きだと周りの人たちが思い込んでるだなんて・・・)



さやか「ええい!しつこいなあんた達も!恭介とはなんでも無いんだってのに!」


中沢「・・・?美樹?そっちの人は?あまり見かけない奴だけど・・・見滝原の生徒?」

さやか「・・・!!」



さやか「こ、この人!この人があたしの彼氏!!」がばっ(腕)

氷室「・・・!!」中沢「な・・・!?」

さやか「彼ったらあたしの事が心配で見滝原の制服借りてまで忍び込んできたんだから」

さやか「ねー?氷室くん?」


氷室「えっ・・・その・・・あの・・・」


さやか(小声)「お願い!彼氏のフリして!あたし、なんか最近男子に言い寄られるてさ・・・困ってるんだよね」



氷室「・・・」

氷室「そっそうだ!僕とさやかは付き合ってるんだぞー(棒読み)」




中沢たち「・・・」

氷室「さ・・・さあ行こうさやか、今日も君の家にお邪魔して良いかなー」



さやか「も、もちろんよ!」




中沢「あ・・・あれが美樹の彼氏!?」

男子生徒「・・・きょ、「今日も」家にって・・・」

男子生徒「う・・・うらやましい!」





杏子「待たせちまったなさやか、さー帰ろうぜー」

杏子「・・・!!」




杏子「氷室・・・いや上条!あいつ・・・さやかにひっついて何やってんだ!?」





さやか「ごめんね。変なこと頼んで」

氷室「いや、別に構わないよ」




氷室「それでね美樹さん・・・さっきの話の続きだけど・・・」



さやか「いやー、ほんと助かったわ。今までのあんたへの罵倒は取り消すよ。氷室「君」」

氷室「えっと・・・」



さやか「よく見ると氷室君かっこいいし・・・後は変態なところ直せばの話だけど・・・本当に付き合っちゃう?」

氷室「え!?」


さやか「だって・・・中沢に言ったのはその場しのぎだけど・・・
あんな事(股間に顔をうずめる)されちゃったし・・・」


氷室「えっと・・・あの・・・その」あたふた

さやか「ぷっ、何あせってんの?冗談だよ。冗談」


氷室「え」

さやか「本当は彼氏っつーより、愚痴を聞く相手になって欲しいかなって」



氷室「・・・?話が見えてこないのだけれども・・・」

さやか「いやほら・・・あたし達魔法少女は・・・同じ立場の仲間や友達がいたとしても・・・
どこまでいっても同性じゃん?」



さやか「氷室君みたいな同じ立場の異性相手だからこそ話せる話もあるし・・・」

さやか「氷室君さえよければ・・・あたしと友達になってくれないかなーって・・・」




氷室「・・・」


氷室「うん。僕も同じことを考えていた・・・暁美さんに勝つためにも・・・
美樹さん達ともっと親密にならなくちゃいけないって」




氷室「こちらこそよろしくお願いするよ美樹さん。僕と友達になってくれないかな?」

さやか「うんいいよ。それと・・・また氷室君に彼氏のフリをしてもらう事があるかも知れないけど・・・」

氷室「僕は構わないよ」


さやか「ホント?やったっ」


さやか「早速だけど、いきつけのバーガー屋によっていかない?氷室君もあたしに話があるんだよね?」





杏子「ちょっとまて、さやか、氷室・・・あんた等一体何を・・・」


さやか「へ?杏子?」



杏子「おい氷室(上条)・・・正気か!?あんた本気でさやかと付き合うつもりか!?」

氷室「え、いや・・・そういう意味じゃなくて・・・」




さやか「何言ってるのよ杏子。あくまでフリだって!彼氏のふり!」

杏子「それでも色々問題あるんだ!こいつは・・・こいつは!!」



さやか「なんで氷室君が彼氏のフリすることが問題あるのよ・・・まさか!?やっぱり
杏子と氷室君・・・付き合って・・・」

杏子「そうじゃねーよ!ただ・・・ただ・・・」



氷室(テレパシー)「大丈夫だよ佐倉さん、佐倉さんの恐れているようなことは起こさないつもりだ」

杏子「・・・!」

氷室(テレパシー)「もしもさやかが氷室を好きになるような事があってもちゃんと断るさ。
上条恭介としての素顔では仁美さんと付き合っている訳だし・・・」


氷室「さやかの記憶を取り戻して間接的に鹿目さんの力を取り戻すためには・・・僕も氷室として
さやかと仲良くならなければならないし・・・本当にそれだけなんだ」



氷室「それに・・・中沢だったからまだ良かったけど・・・さやかに変な男が這いよる危険性も考えたら・・・
彼氏のフリっていうポジションはさやかを守るために必要じゃないかなって・・・」



杏子「・・・」

杏子(テレパシー)「わかった・・・好きにしろよ」




杏子「だけど・・・そこまでさやかの事が大切なら・・・やっぱり教えといた方が良いだろうな」

氷室「・・・?何の話だい?」






杏子「さやかの記憶を取り戻して・・・円環の理の機能を元に戻す事・・・それ自体が・・・
さやかを消滅させる可能性を秘めているって事をな・・・」


氷室「え・・・!?」




杏子「どういう意味かはあんたで考えろよ・・・あたしはさやかが消えるのには反対だ・・・だけど・・・」

杏子「円環の理を取り戻すこと・・・それをさやかが正しい事だと思えば、
さやかは自分が消えてしまうとしてもやり遂げようとするから・・・」



~ここから素の会話~

杏子「わかったよ。もう何にもいわね。さやか、そいつの性根はぱんつ大好きな変態だからあまり気を許すなよ」

杏子「先に帰ってる。あまり遅くなるんじゃねーぞ」


さやか「わかってるよ。ありがとうね、杏子」



さやか「それじゃあ氷室君、早速店へ出かけよう!」ぐいっ


氷室「わっ!ちょ・・・さや・・・美樹さん!?」



~いつもの店~

氷室「強引だなさやか・・・そんなに愚痴りたい事があったのかな・・・」



さやか「お待たせ」

氷室「ずいぶんたくさん買ってきたね美樹さん・・・成長期かな?」




さやか「そうなのよー!最近胸ばっかりに栄養が・・・じゃなくて!氷室君の分だよ!」

氷室「え、奢り!?(む・・・胸ばっかりだって!?)」ドキドキ

さやか「そ、あたしの奢り。絶対に長い話になるから・・・これくらいはしてあげないとって・・・」

氷室「い、いや・・・それは受け取れないよ、女の子に奢らせるだなんて・・・」



氷室「金額を言ってくれ美樹さん、ちゃんと払わせてもら・・・」


ドンッ(紙コップ)

さやか「黙りなさいよ・・・」




氷室「え・・・」



さやか「とりあえず飲もうよ」

氷室「いや・・・その・・・」



さやか「ひっどい男がいるのよ・・・・」

氷室「はい?」




さやか「あたしがずっと・・・男子の誰かに愚痴りたかった事ってのはそれだったのよ・・・」

さやか「杏子やまどかもあたしの愚痴を聞いてくれるけど・・・やっぱり同性としてそいつの
行動をどう思うか氷室くんみたいな人に聞きたくて・・・」





氷室「えっと・・・」


氷室「美樹さんは・・・過去にその男に騙されたとかそんな話なのかい?」


さやか「・・・騙されたってわけじゃないけど・・・その・・・なんというか・・・」




さやか「別に見返りが欲しかったわけじゃないけど・・・あれだけ世話焼いてやったのに・・・
ちっともあたしの事気付いてくれないようなどうしようも無い男で・・・」


氷室「・・・!?」

氷室「美樹さんは・・・その男の人の事が好きだったのかい?」



さやか「・・・」

さやか「まぁ・・・端的に言えば・・・///」



氷室「・・・」

氷室「フラれたの?」

さやか「うるさい」



氷室(全然知らなかった・・・さやかに・・・好きな人がいたのか・・・)

氷室(それにしても・・・どこの誰だ!?さやかみたいな良い子をふるだなんて・・・ひどい奴もいたもんだな・・・)

氷室(僕は知っている・・・さやかの良いところを・・・入院中何度もさやかの励ましに助けられたんだ)

氷室(それに・・・幼馴染っていう身内補正抜きで客観的に見てもさやかは可愛い。現に中沢たちに言い寄られている)

氷室(最近は身体的な成長も・・・)



氷室(だ、駄目だ!さやかをそんな目で見ては・・・仁美さんに申し訳ない!)

氷室(ずっと僕達は親友だったんだ・・・こんな事考えてるってバレたら幻滅されちゃうじゃないか!)



さやか「あたしが魔法少女になったのも、そいつが関係あるんだよね」

氷室「・・・」



氷室「まさか・・・契約時の願い事を・・・その彼のために!?」

さやか「う・・・うん」





氷室(さやか・・・!!なんて事だ!)

氷室(自分の一生を捧げるに等しい魔法少女の契約を・・・そんな他人のためなんかに・・・)



氷室(そこまでしたのに・・・さやかの気持ちに応えてやれないだなんてどこの誰だ!
見つけたら殴ってやるのに!)




氷室「なんてお願いしたか・・・聞いて良いかな?」

さやか「えっと・・・」




さやか「そういえば・・・氷室君もバイオリン弾きだったよね・・・」


氷室「氷室君「も」・・・?」



さやか「氷室君は・・・もしも事故でバイオリンを弾けなくなったとしたら・・・どうする?」


氷室「・・・うーん」





氷室「僕にとってバイオリンは全てと言っても過言じゃないし・・・もしそうなったとしたら・・・」

氷室「たとえ悪魔に魂を売ってでも治したいって思うんじゃないかな?
それこそ、魔法少女の契約を結んだとしても・・・」




氷室「ハッ!」


氷室「美樹さん・・・まさか君は・・・」



さやか「そうだよね・・・やっぱり治したいって思うよね・・・」

聞きたくなかった

さやかがすでに魔法少女になっている・・・その事実を見たときから・・・
本当は頭の中にその「可能性」は想定していたような気がする



にもかかわらず・・・その可能性を否定し続けていたのは・・・
「そんな悲劇はあってはならない」と心のどこかでそれを押し殺していたからかもしれない・・・




いやだ





嘘だといってくれ・・・それが叶わないのなら・・・





さやか・・・それ以上何も言わないで・・・






さやか「恭介の腕・・・治したのはね・・・」





逃げられない

それを今聞いたところで・・・僕にしてやれることは・・・











さやか「あたし・・・なんだ」







僕の心が「氷室」と「恭介」の二つに引き裂かれていくのをハッキリ感じた。




続く

銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード!」


氷室「僕も上条と知らない仲じゃないんだ。バイオリニストだからね」

さやか「そんな風に言ってくれるのは氷室君だけかも」


恭介「気持ちに応えられない僕のためにさやかは・・・これじゃあ人魚姫の物語じゃないか・・・」


ほむら「あなた・・・ルシファー化寸前ね」


杏子「さやか・・・あんたまさか・・・」



第7話

恭介「積み重なる嘘」



銀河万丈「ハーレムは誰にも崩させない!」

QB「やれやれ またイレギュラーか、その格好、君も魔法少女なのかい?」


「さあ・・・そんなこと、どっちでもいいんじゃないかと」


ほむら「ど・・・どうして・・・?私は無関係なあなたを・・・
     こんなことに巻き込んでしまったというのに・・・それなのにっ・・・!」



中沢「分かったんだ、俺が暁美さんの結界に呼ばれた理由
    君は・・・何があろうと還してみせる、あの世界に・・・!!」

http://livedoor.4.blogimg.jp/matomagi/imgs/e/b/eb6f547a.gif

第7話「積み重なる嘘」


氷室「・・・」

さやか「うーん?どうした、氷室君?」



氷室「あ、うん」

氷室「その恭介ってもしかして・・・上条恭介の事・・・?」



さやか「!?氷室君、恭介の事知ってるの?」

氷室「まぁね・・・僕だってバイオリニストだし・・・」



氷室「何回か彼の演奏を聞いたことがある、最近彼女が出来たとか・・・」

さやか「そ、仁美ね」



氷室(・・・)

氷室(うわぁ・・・目の前に本人がいるのに・・・僕自身の愚痴を聞かされるのか・・・)




さやか「あたしもさー、もう吹っ切ったから後からごちゃごちゃ言う必要無いんだけどー」

さやか「あたしの事友達としてしか見てなかったとしてももうちょっとさー」ぐちぐち



さやか「退院の時知らせてもくれなかったし、こう、一言お礼というか・・・」

さやか「仁美も仁美で「一日だけお待ちしますわ」って・・・そんなすぐにあたしが割り切れるわけ無いし、
恭介も恭介で何も考えずに返事を即答しなくてもいいのになー、っつーか・・・」ぐちぐち



氷室(台無しだよ!)



氷室(最近、さやかは何かを吹っ切ったというか・・・大人の女性としての雰囲気があったのに・・・)


氷室(それがまさか僕の事を諦めた事から来ているとは知らなかったし・・・そして今愚痴ったら台無しだよ!)




氷室「多分、上条の方に自覚というか・・・美樹さんに異性として好かれてるって意識が無かったんじゃないかな?」

さやか「いつまでたっても気付かない事が問題なんですけど・・・」



氷室「いや、幼なじみくらい距離が近すぎたら・・・かえってわかりにくいと思うよ」

氷室「美樹さんの好みじゃないんだろうなって上条は思っていたんじゃないかな?」


氷室(今のは紛れも無く僕の本心だ・・・さやかが僕の事好きだったなんて可能性すら考えなかったから・・・)


さやか「そんなもんかねぇ・・・って、あれ?」

さやか「あたしと恭介が幼なじみって事言ったっけ?」



氷室「・・・!」

氷室「うん、言った言った。「恭介ってのはあたしの幼なじみでー」って言ったよ!」


さやか「言ったかな・・・ま、いいや」

氷室(危ない、危ない・・・さやかにだけは僕の正体を知られるわけには・・・)




さやか「あたし・・・恭介にとって余計なことしたのかな・・・」

氷室「・・・」



氷室「余計な事・・・だったかもね・・・」

さやか「え」



氷室「上条にとってバイオリンを弾けるかどうかってのは・・・一生を左右する問題だから・・・」

氷室「美樹さんの願いで・・・それも美樹さんの一生を賭けた願いで彼の人生を決めてしまったのは・・・
もしかしたら余計な事だったかもしれない・・・」


氷室「でも上条が事前にその事を知ってたら・・・絶対に止めたはずだよ!」



さやか「氷室君・・・?」

氷室「美樹さんを犠牲にしてまでバイオリンがまた弾ける様にはなりたいとは思ってなかったはず」

氷室「大切な誰かが戦いの運命を背負って・・・それでバイオリンを弾けるようになっても・・・そんなの意味無いよ」




氷室「バイオリンを聞かせたい人達が危険な目にあうだなんて・・・そんなの本末転倒だよ!」


さやか「そうだね・・・だからこそあたしは恭介に本当のことが言えなかったんだ」

氷室「・・・!」



さやか「恭介が反対するかもって思ったら・・・言えなかった。でも・・・」

氷室「・・・」



氷室「そこまでして・・・彼のバイオリンを聞きたかったんだね・・・」

さやか「・・・うん・・・」



氷室「・・・」


氷室「・・・大丈夫・・・その願いは叶うよ・・・きっと叶う」



氷室「上条のバイオリンは確かにすごい、(自画自賛)だけどあいつ・・・子供っぽい所あるから・・・」


氷室「というより・・・直接伝えない美樹さんも十分子供で・・・」

さやか「あれ!?」


氷室「病室で眠っているときとか・・・いくらでもチャンス(意味深)はあったはずだよ!」

氷室「彼のはじめて(キス的な)を強引に奪うとか、そういう行動のほうがわかりやすかったよ」



さやか「ははは・・・はじめて!?あたしが恭介の初めてを!?ひひひ、氷室君!?ナニ言ってるの!?」

さやか「中学生でそんな!そんな!そんな事までしちゃうなんて!しかも病室で!!」



氷室「?ナニを焦っているんだい?」

さやか「第一、恭介に拒否されたらどうするのよ!あっちにとっては、あたしなんてただの友達だし!」



氷室「さやかみたいな可愛い子なら受け入れるよ!例え恭介みたいな鈍感な奴でも!」

さやか「ひ、氷室君!?」


氷室「ごめん・・・また呼び捨てにしちゃったね・・・」



氷室「あの・・・変な意味じゃないんだ・・・最初会った時から・・・美樹さんはとっても魅力的な子で・・・」

さやか「えっ!?///ええっ!?」



氷室「そんな美樹さんがフラれるなんて信じられない。だからきっと・・・お互いに子供だっただけなんだ」

氷室「先に伝えていたのが美樹さんなら・・・きっと上条はその気持ちに応えたはずだよ・・・」



氷室「上条も美樹さんも悪くない・・・お互いに近すぎる存在だったからこそ・・・すれ違っただけなんだ」



氷室「断言しても良い。美樹さんが仁美さんより先に、本当のことを上条に伝えていれば・・・
願いを叶えてもらった負い目とか・・・そんな物じゃなくてただ純粋に美樹さんの気持ちに応えたはず・・・」



氷室「悪くない・・・誰も悪くない。だから美樹さんが願いを叶えた事を余計だと負い目を感じることも無い」



氷室「絶対に・・・間違ってなんかいない・・・美樹さんの願いは間違いじゃない・・・」


ぎゅっ(手)

さやか「ひ、氷室君!?///」


氷室「もしも恭介が美樹さんの願いを否定するようなことがあるなら・・・僕が許さない・・・」


氷室「誰よりも先に・・・僕が恭介を許さない」



氷室「だから・・・もう自分の願いが余計な事だったとか・・・間違いだったとかは言わないで欲しい」


氷室「大丈夫・・・美樹さんにはこれから先・・・ずっともっと楽しい事が待ってるはず」



氷室「上条は・・・君のそばにいてやれないかも知れないけど・・・きっと一番の友達として・・・
そんな楽しい思い出話を・・・聞かせて欲しいって・・・」


さやか「あの・・・///その・・・や、やだなもう!
出会って間もない氷室君がそんなに深刻に考えなくてもいいんだよ!」

さやか「でも、ありがとね。」

さやか「あたしはただ愚痴りたいだけだったのに、そこまで真剣に答えてもらって・・・」


さやか「杏子達にもちょくちょく愚痴ってるんだけど・・・女子だけだから、恭介の行動ばかり叩くなっちゃって・・・」

さやか「ちゃんと恭介の事も客観的に見た意見を言ってくれたのは氷室君だけかも」


氷室(それはそうだよ!僕は恭介自身なんだし!)


さやか「はい、それじゃあもうこの話はおしまい!次は氷室君の話だよ」

氷室「え」

さやか「あたしに話があるから放課後声かけたんだよね?」



氷室「あ、うん。そうだった」

氷室「ええとね・・・」



氷室「・・・」


氷室「円環の理って・・・そもそも魔法少女達にとってどういう物か聞かせてくれないか?」

さやか「え?あんた何も知らずにキュゥべえに協力していたの?」



氷室「詳しいことだけ聞いていない。ただ「この世界を元に戻すため」取り戻す必要があるとしか」

さやか「あたし達魔法少女にとって・・・天国みたいな場所かな?」


氷室「・・・!」

さやか「もちろん、楽しいって意味の天国じゃなくて死後の世界って意味の天国ね」



さやか「それが・・・奇跡を願った者の代償・・・」

さやか「あたし達のソウルジェムが完全に呪いに染まる前に回収される世界だよ」



さやか「まどかが本当に円環の世界の神様なら、あたし達をいつか導く役目があるはずなんだ」



氷室「・・・」



氷室(円環の理は・・・魔法少女にとって死後の世界・・・)

氷室(そしてさやかは・・・忘れているけども・・・元、円環の使者・・・)


氷室(これらが導く結論・・・それはすなわち・・・)



氷室(さやかは・・・天使・・・天国の住人・・・!?)


氷室(さやかは・・・すでに一度円環の理に導かれた存在!?)



氷室「ハッ!!」

ほむら「あなたも大切な人を失うわよ」

杏子「円環の理を取り戻せば・・・さやかは・・・消える」



氷室「あの言葉は・・・そういう意味だったのか・・・」

さやか「氷室君?」


氷室(さやかは・・・すでに円環の理に導かれ・・・そして還らなければならない存在・・・)

氷室(円環の使者としての記憶を取り戻す行動そのものが・・・さやかを消失させる可能性を孕んでいる・・・)



氷室(さやかは絶望を募らせて・・・一度は円環の理に・・・)

氷室(一体何が原因で・・・そんなのは決まっている・・・)



氷室(この僕・・・上条恭介だ・・・)



氷室(ああ、なんてことだ!さやかは・・・さやかは・・・)

氷室(決して気持ちに応える事ができない僕なんかのために・・・大切な願い事を使って・・・
本当のことも言えず・・・そして・・・僕と仁美さんの事を割り切れなくなって・・・消滅して・・・)



氷室(これじゃあまるで・・・人魚姫の物語じゃないか・・・)




さやか「氷室君の話はそれだけ?わざわざあたしに聞かなくても良かったんじゃ・・・」

氷室「いや・・・うん」




氷室「ただ単純に・・・美樹さんと話がしたかっただけかも」

さやか「なっ!なに言ってんのよ、もう!」



氷室「それと・・・ちょっと付き合えるかな」

さやか「え?」



~夜の公園~


さやか(え、なにこの恋人が寄り添いそうな雰囲気の公園は・・・まさか氷室君本気であたしの事・・・)
ドキドキ

氷室(本当は・・・上条恭介としての僕も・・・入院中にお世話になったお礼として・・・この公園で・・・)



氷室「僕にはこんな事しか出来ないけど・・・聞いてくれ」

スッ

さやか「バイオリン・・・」



♪~♪~♪

氷室(僕の正体が恭介だとバレる事無く・・・さやかを感動させる演奏を・・・
これは難しいぞ・・・)

さやか「・・・素敵な音色・・・だけどなんだか悲しい・・・」


氷室(お互いに本当の事を言い合えない・・・その思いを今この曲に込めるよ・・・)

氷室(出来ない・・・出来っこない・・・円環の理を正常な物へと戻せば・・・さやかは消えてしまう・・・)



氷室(だけどそれじゃあ・・・この世界は誰も大人になる事無く・・・永遠に同じ時間を繰り返すだけだ・・・)

氷室(どうすればいい・・・どうすれば・・・さやかを失わず・・・僕も未来を掴み取れる!?)



杏子(さやかからは見えない位置)「・・・」




ほむら(杏子、さやかからは見えない位置)「・・・」


ほむら「佐倉杏子・・・あなた・・・ルシファー化寸前ね・・・」




氷室「ふぅ・・・」



さやか「・・・おぉ・・・」

氷室「どうかな?僕の演奏は?」




さやか「凄いよ!すっごい良かった!!」パチパチパチ

氷室「上条と比べた場合、どうかな?」



さやか「うーん・・・」

さやか「恭介とは全然違う作風だからわかんないかなー?」


さやか「恭介のオリジナル曲はもっと明るい曲が多いから・・・比べようが無いよ」


氷室「・・・!」

氷室(良かった。わざとらしすぎるくらい恭介の時とはイメージを変えた曲だけど・・・うまくごまかせている様だ)



さやか「あいつはいつも未来だけを見ていると言うか・・・
まぁ、そのせいで最近まで仁美の事ほったらかしにしていたんだけど・・・」


さやか「氷室君の曲には・・・過去の後悔とか・・・そういう感情も曲に込められている気がする。
だから比べられないよ・・・」



氷室「美樹さんは・・・本当に上条のことが好きなんだね・・・」

さやか「わ・・・!!やだなぁもお!過去形だよ過去形!!」



さやか「今はただ・・・親友二人の恋の行く末を暖かく見守ってあげたいというか・・・」


さやか「未来の世界で・・・あたしもまた・・・もっとうまくなったアイツの演奏を聞いていたいというか・・」

氷室「じゃあ・・・もしも上条の演奏が聞けなくなるとしたら・・・」

さやか「え・・・?」


氷室「たとえ話だけど・・・もしも円環の理を取り戻すために・・・美樹さんが全ての力を使わなきゃいけなくなって、
その結果、円環の理に導かれて・・・二度と上条に会えないとしたら・・・」


氷室「美樹さんは・・・戦うのをやめるかい?それとも・・・」

さやか「それが・・・もしもあたしにしか出来ない事なら・・・正しい事のために戦うよ」



氷室(・・・!!)

さやか「あたしだってこの先恭介の演奏を聞いたり、杏子達と馬鹿やったりして生きていたい。でも・・・」


さやか「なにより大切なのは・・・恭介・・・仁美・・・この町の人達・・・」

さやか「大切な人達が笑ってすごせる未来・・・それを守りたいって思ったから・・・」



さやか「あたしが魔法少女になったもう一つの理由がそれだよ。だから恭介と二度と会えなくなったとしても・・・
戦える」





氷室(・・・!!)


氷室(そうだ・・・そうだった・・・昔から・・・さやかはこういう性格だった・・・)

氷室(幼稚園の頃・・・僕が年上の子に絡まれたときも・・・さやかは女の子であるにも関わらず
僕を守ろうと身を挺して・・・)



氷室(だとしたら・・・さやかは戦いを降りようとはしないだろう・・・)

氷室(それが正しい事と思えるなら・・・さやかはたとえ自分が消滅するとしても・・・戦い続ける・・・)




氷室(いずれまた・・・現世から消えるしか無いさやかに・・・僕から出来ることは・・・)


氷室「明日もまた・・・迎えに行って良いかな?」


さやか「え・・・?」



氷室「いや、変な意味じゃなくて・・・その・・・あくまで彼氏のフリっていう立ち位置で・・・」


さやか「いいんじゃないかな・・・///」



さやか「あ、そうだ・・・名前」

氷室「え」



さやか「表向きは彼氏彼女なのに・・・いつまでも苗字で呼んでるとバレるでしょ?だから下の名前・・・」

氷室「あ・・・」



さやか「氷室君の・・・下の名前教えて欲しいな・・・とか」

~夜の公園その後~


恭介(変装解除)「・・・」


キュゥべえ「なにかを吹っ切ったようだね・・・上条恭介」

恭介「・・・」



恭介「現時点で僕は・・・さやかと仁美さん・・・どちらを好きになればいいのかなんてわからない」

恭介「だけど今更・・・仁美さんを裏切れない・・・」

恭介「さやかの本心を聞くまでは・・・上条恭介としての僕は仁美さんを好きになりかけていたんだから・・・」





恭介「最後の最後まで・・・・さやかを失わず・・・世界を元に戻す方法を考える・・・」

恭介「それが叶わないのなら・・・せめてさやかに最期の瞬間まで少しでも・・・幸せな気分でいて欲しい」



恭介「そのためなら僕は・・・なんだってするって決めたから・・・」

恭介「上条恭介と・・・氷室は別人でなければならない・・・」



恭介「何もしてやれなかった上条恭介の代わりに・・・さやかの幸せを守るために戦う男・・・
上条恭介の駄目な部分を客観的に見れて、それを克服できる男・・・」




恭介「氷室は・・・そんな人間でなくちゃいけないんだ・・・」


キュゥべえ「なるほど・・・」




キュゥべえ「でもだからこそ、ああ答えたんだね・・・「氷室の」下の名前を聞かれて君は・・・」




恭介「・・・黙れ」





~翌日、学校~



さやかの隠れファンA「うそ!?マジかよ!?」

さやかの隠れファンB「マジだよ!昨日、美樹さんの彼氏を名乗る男が放課後迎えに来て・・・」


さやかの隠れファンC「その話・・・上条は知ってるのか?」


仁美「なんだかさやかさんの話題で盛り上がってますわね」

恭介「知らなかったよ。さやかが男子に人気があったなんてね(すっとぼけ)」


中沢「おい上条!お前はどうするんだよ!昨日美樹の彼氏が来たんだぞ!」


恭介「とっくに知ってるよ・・・そして、僕がどうのこうの口を出す問題じゃない」

中沢「それ・・・本気で言ってるのか?お前・・・少しも悔しくないのか?」

恭介「なんで僕が・・・さやかの彼氏でもない僕が・・・なんで悔しがるんだい?」

中沢「いや・・・恋愛感情とかそういうの無しにしてもだな・・・」

中沢「今までずっと一緒にいた女の子が・・・どこの誰かもわからない奴に取られてなんとも思わないのか?
あれだけお前に優しくしてくれた女の子が・・・」

中沢「お前に子供じみた独占欲があるかどうか煽ってる訳じゃないけど・・・
少しも心配しないのはさすがに無神経すぎるっていうか・・・」




恭介「・・・」

恭介「仁美さんの手前でこんな事言うのは忍びないけど・・・正直さやかに対して独占欲的な物はあるかもね」



仁美「か・・・上条君!?」


恭介「正直・・・友情以上の感情をさやかに対して抱いているし、どこの馬の骨かもわからない男に
さやかを渡したくないって思うよ」

さやか「きょきょきょ・・・恭介!?///」




恭介「ただしそれは・・・あくまで「どこの馬の骨かもわからない男」に限る」

中沢「え」



恭介「その彼氏って「氷室」だろ?・・・彼は僕のバイオリン仲間で友達なんだ」

中沢「は」

さやか「え」



恭介「氷室は僕みたいな駄目男の駄目な部分をしっかりと見てきた人間だから、
女の子をないがしろにする事は無いと思うし・・・」


恭介「僕も良く知っている人間だから・・・安心してさやかを任せられるんだ」



さやか「そっか・・・やっぱり氷室君と恭介・・・友達だったんだ・・・」

恭介「うん、そうだよさやか。かつて同じ講師の下で教えられてた仲だよ(大嘘)」



さやか「でもだったら・・・一度くらい恭介のお見舞いに来てくれても良かったのにね・・・友達なのに・・・」



恭介「・・・」

恭介「さやか、僕と氷室の最大の違いは・・・「空気を読める男かどうか」なんだ」



さやか「え・・・?」

恭介「バイオリンを「弾けない」状態だった僕の病室にバイオリンを「弾ける」氷室がお見舞いに来て・・・
「上条恭介」はそれをどう捉えるか・・・」


恭介「「氷室は・・・僕をいじめているのかい」・・・と」

さやか「あっ・・・(察し)」

恭介「僕にとって一番ダメージが少ない選択をあの頃の彼はしてくれた。
彼は空気が読める男なのさ(こじつけ)」


恭介「だからさやかは・・・きっと幸せになれるよ」

さやか「へ?」



恭介「他の男だったら、僕も子供じみた独占欲丸出しで反対したと思う。だけど氷室なら安心だから」



恭介「僕なんかと違って女の子に優しいんだアイツは。だから・・・さやかはきっと幸せになれる」


さやか「えっとその・・・」



恭介「そんな氷室が・・・さやかの彼氏になってくれたからこそ・・・僕もさやかに抱いていた
独占欲を卒業することが出来るというか・・・」


さやか「え・・・え・・・!?」


恭介「本当は近いうちに・・・連絡も無しに退院したことのお詫びと、入院中のお礼も兼ねて
プレゼントイベント的な事をするつもりだったんだ」



恭介「だけど・・・今の僕には仁美さんがいるし・・・」

さやか「あたしには・・・氷室君が・・・か・・・」



恭介「そうだね・・・氷室が誤解してやきもち妬くといけないからね」

恭介「彼、さやかと知り合えた事すっごく喜んでたみたいだし」



さやか「え!?えええええええええ!?///」



さやか(ちょ、ちょっと待って!?あ、あたしが氷室君と恋人のフリをする約束したのは
つい昨日の事でしょ!?なのに・・・恭介にすぐ報告って・・・ええええ!?)


さやか(多分メールかなにかだと思うけど・・・もう!どれだけあたしの事好きなのよ氷室君は!?)



恭介「だから今までありがとうさやか。これからは・・・親友としてよろしく」

さやか「あ・・・うん、って、アレ・・・?」




恭介「お互い幸せになるため最善を尽くそう」キリッ

さやか「う・・・うん」



さやか「思いっきり恥ずかしいことを真顔で言うところは・・・恭介も氷室君も同じなんだよね・・・」

恭介「仁美さんも・・・」



仁美「ふ・・・ふぇっ!?」

恭介「僕が幸せになるための条件に・・・仁美さんが必ずいないといけないんだ」

仁美「かかか・・・上条君!?///」



恭介「ここ最近他の女の子と交流していた理由もいずれ話す・・・だから・・・」

恭介「最後まで信じて・・・ずっと僕のそばにいて欲しい・・・僕が恋人に選んだのは仁美さん一人だけだから・・・」



仁美「は・・・はい!ももも・・・もちろんですわ!///」ぷしゅう・・・




女子生徒「きゃあああああ!!上条君ったら大胆!!」

女子生徒「それ、もうプロポーズしたも同然じゃんか!!」



わいわい



~教室の外~


和子先生「・・・」



実家の母からのメール
「和子、あんたまだ独りでフラフラしてるの!?
現時点で彼氏がいないのならお見合いセッティングしてあげるから
こっちに戻ってらっしゃい!」




和子先生「・・・入り辛い・・・」




~放課後~



杏子「さやかー、帰ろうぜー」

さやか「ごめん杏子、今日は氷室君と一緒に帰る約束なんだ」



杏子「!?」



さやか「あっちは風見野中学だし・・・町一つ分離れているからさすがに時間差があるけど・・・」

さやか「ちゃんと待つ事にするんだ。それで・・・大事な話をしなきゃいけないし・・・///」



杏子「さやか・・・まさかあんた・・・」



~仁美と恭介の帰路~

恭介(仁美さんを家まで送ってから・・・氷室に変身してさやかを迎えに行く・・・
これで風見野から見滝原の時間差を演出できる)


恭介「そうだ、仁美さん。肝心な話を忘れていた」

仁美「肝心な話?」

恭介「人前ではさやかは「氷室君」って呼んでるけど・・・実は
さやかとその彼氏氷室はもう下の名前で呼び合ってる間柄なんだ」


恭介「だから・・・仁美さんも・・・僕の事を下の名前で呼んでくれないかな?」

仁美「えええええええ!?」



仁美「えっと・・・」


仁美「きょっ・・・きょうすけぇ・・・///」しゅうう・・・

恭介「ぅぉ・・・!!」ぞくっ



仁美「さん!」

恭介「あれっ?」がくっ



仁美「恭介・・・さん・・・」


仁美「今の私には・・・これが限界ですわ」


恭介「そっか・・・残念だな・・・」

仁美「だったら恭介さんも!」



恭介「え」

仁美「仁美さんじゃなくて・・・仁美と呼んで欲しいですわ」


恭介「えっと・・・その・・・」



恭介「ひ・・・ひとみ・・・」

仁美「ぁぁん・・・」きゅん




恭介「さん!」

仁美「あれっ」



恭介「ははは・・・ごめん、僕も今はこれが限界みたいだ」

仁美「お互い様・・・ですわね・・ふふふっ」



仁美「そういえば・・・氷室君という方の事は下の名前で呼ばれたりはしないのですか?
聞いた話ですとかなり恭介さんと仲の良い友達みたいですけど・・・」



恭介「ああ、色々紛らわしいから僕達は苗字で呼び合ってるのさ」

仁美「・・・紛らわしい?」




恭介「彼の・・・氷室の下の名前は・・・」

~見滝原中学~


さやか「杏子が氷室君と親戚同士なのに・・・苗字で彼の事呼んでる理由、わかったよ」

杏子「は?」



さやか「たしかに紛らわしいよね・・・そして・・・アレはあんたなりの気遣いでもあったんだよね・・・」


さやか「でも大丈夫だから!あたしはもう恭介の事引きずったりしないから!」

さやか「昨日の氷室君の話と・・・今日の恭介の言葉で・・・やっとそう思えたから・・・
完全に吹っ切れたから・・・」



杏子「さやか・・・あんた一体何を言ってるんだ!?」





氷室「美樹さん・・・!じゃなくて・・・さやかちゃん、お待たせ!」

杏子「氷室・・・!」



さやか「待ってたよ・・・氷室君・・・じゃなかった・・・」



さやか「約束したもんね・・・下の名前で呼んであげるって・・・」




さやか「待ってたよ・・・「きょうすけ」君・・・///ってもう!恥ずかしいなーもう!」





杏子「な・・・!?」




~昨日の夜~


氷室「きょうすけ・・・」

さやか「え!?」



氷室「冗談に聞こえるかも知れない。けれども・・・本当なんだ」

氷室「僕の下の名前も・・・上条と同じ「きょうすけ」・・・氷室きょうすけ・・・それが僕のフルネームなんだ」




氷室「ただし・・・「恭介」じゃなくて「杏介」・・・杏子と同じ「杏」を「きょう」と読ませる漢字だよ・・・」



さやか「そ、そうなんだ・・・うっわー凄い偶然!」

さやか「もしかして・・・あたしが恭介の事愚痴ってた時も・・・本当は耳が痛かったのかな・・・」


氷室「まぁそうだよね・・・自分の事を言われているみたいで(事実そうだから)なんだか複雑な気分だったよ」


氷室(僕は・・・卑怯だ)

氷室(さやかの気持ちに応えられないとわかっていて・・・尚、僕は・・・)

氷室(さやかに・・・また「きょうすけ」って呼んでもらいたい・・・だから僕は・・・こんな嘘を・・・)



氷室(積み重なる嘘・・・もう止まりそうに無いよ・・・)

氷室(さやかが・・・他の誰でも無い、僕自身のせいで幸せになれないなんて・・・嫌だから・・・)






杏子「おい氷室・・・テメェ・・・何考えてやがる!?」

ぐいっ


さやか「杏子!?」


杏子(わかって無いのか上条!?
アンタが適当な嘘つく度に・・・バレた時さやかがもっと辛い目に合うって事に・・・!)



氷室(だったら・・・最後までバレずに突き通すまでさ)

杏子(・・・!!)



氷室(さやかを・・・苦しめる権利なんて誰にもあってはならない・・・もちろん上条恭介にも・・・)



氷室(上条恭介がさやかに与えた負債を取り戻す。それだけのために氷室杏介は存在していると言っても過言じゃない)



杏子「お前・・・!」ギリギリ(両手で襟越しの首絞め)

さやか「何やってるのよ杏子!氷室君を離しなさい!」



パシン!


杏子「・・・!」

さやか「あ・・・!」



さやか「ご、ごめん杏子!あたし・・・そんなつもりじゃ・・・」




杏子「・・・」


杏子「先に帰ってる・・・悪かったな・・・邪魔して・・・」フラ・・・

さやか「杏子・・・待って杏子!!」



氷室「さやかちゃん!ここは下手に言い訳しないほうが良い」

さやか「え・・・?」


氷室「杏子が落ち着いてから・・・もう一度改めて話をするべきだよ。今の状態じゃ・・・こじれるだけだから・・・」

~氷室とさやかの帰路~


氷室「・・・」

さやか「・・・」



さやか「えっとね・・・杏介君・・・」

氷室「ん?」



さやか「昨日・・・恭介の事愚痴らせてもらったけどさ・・・なんか今日ね・・・恭介がね・・・」


さやか「遠回りに・・・あたしの気持ちに気付いてる様な事言ったんだ・・・」

氷室「・・・へぇ・・・」



さやか「気付いた上で・・・今更あたしの事はどうにも出来ないってニュアンスの発言も・・・」

さやか「多分、仁美と付き合うようになった後で・・・あたしの気持ちに気付いたって感じだった」



氷室「そうなんだ・・・」


さやか「杏介君が言ってたこと・・・なんとなく分かったよ・・・先に告白していれば・・・
ちゃんと恭介はあたしの気持ちに応えてくれたって事・・・」

氷室「当たり前じゃないか!」




さやか「でもだからこそ・・・吹っ切れたかな?」

さやか「恭介は・・・今更あたしの気持ちに応えられないけど・・・親友としてなら
あたしの事・・・大事に思ってくれている。それが分かったから・・・」



さやか「あたし自身が・・・恭介じゃない誰かと幸せになること・・・それが・・・
恭介の幸せでもあるって・・・そう言ってくれたんだ・・・だから・・・さ・・・」




さやか「あたし達・・・フリじゃなくて・・・本当に付き合わない?」


氷室「・・・!!」




さやか「も、もちろん、氷室君が嫌じゃなければの話だよ!だ、だってあたし・・・
恭介の事吹っ切ったけど・・・氷室君を好きになったって訳じゃないし・・・」



さやか「こんな中途半端な気持ちで・・・氷室君と付き合うと迷惑かかるのは目に見えてるし・・・」


氷室「ありがとうさやかちゃん、すごい嬉しいよ」

さやか「・・・!?氷室君!?」


氷室「本当は同じ事を・・・僕から言うつもりだったんだ」


氷室「見滝原で出会った魔法少女達の中で・・・付き合えるとしたらさやかちゃんがいいなって・・・
ずっと思っていた・・・」

氷室(今度は嘘じゃない・・・仁美さんを除外した場合・・・上条恭介は間違いなくさやかを選ぶ)


氷室「僕のほうからお願いしたい。さやかちゃんと交際させて欲しい」


さやか「ええっと・・・その・・・///いいのかな・・・?あ、あたしはまだ気持ちが中途半端だよ?」

氷室「僕だって・・・さやかちゃんを意識したきっかけはパンティだよ」


さやか「ファッ!?」

氷室「まずはお互いに何も考えずに軽く付き合ってみるのもいいんじゃないかな?」



氷室「もしも相性が悪かったとしても、まだ友達のうちなら別れてもダメージ少ないだろうし・・・」


さやか「そだね・・・そうだよね・・・」


さやか「それじゃあええと・・・」




さやか「こ、これからは恋人同士として・・・」

氷室「よろしく」




さやか「えへへ・・・///」




さやか「それじゃあ恋人同士になった後の決まり事!まずは・・・」

氷室(ん?決まり事?さやかは恋人を縛るタイプなのか?)





さやか「これからは・・・あたし以外のパンティで変身する事禁止ね!」

氷室「え」



さやか「なにキョトンとしてるのよ・・・当然でしょ?」


さやか「杏介君があたし達の前に初めて現れたとき被っていた・・・緑のパンティ・・・」


氷室「・・・」

さやか「そんでもって今確保している杏子のパンティ・・・それは全部使わないで欲しいな」




さやか「も、もちろんあたしが新しいのあげるって訳じゃないけど・・・今までに盗まれちゃった分は
もうそれでしょうがないから・・・」



さやか「なんとかやりくりして・・・あたしのパンティだけを使って欲しいな・・・とか」


氷室「・・・」

さやか「駄目・・・かな?」

氷室「わかった・・・約束する。
どうしても数が足りなくなった場合を除いて、僕はさやかちゃんのパンティしか使わない」キリッ


さやか「・・・本当は喜ぶべき台詞じゃないんだけど・・・とりあえすありがと」


氷室(僕は・・・卑怯者だ・・・)

氷室(さやかも幸せでいて欲しい・・・だけど・・・仁美さんを裏切る事も・・・正体を明かす事も出来ない)


氷室(さやかの悲しい顔を思い浮かべるだけで・・・心が苦しくなるんだ・・・)



氷室(完全に別人になることでしか・・・僕はさやかと向き合えない・・・僕は卑怯者だ・・・)


氷室(子供じみた独占欲は卒業しただって!?本当はそれ以上に・・・幼稚な感情を抱いているくせに・・・!)



氷室(さやかも仁美さんも幸せにした上で・・・僕自身も卑怯者だとバレたくない・・・そんな
わがままで稚拙な感情・・・!!)



氷室(自分すらも犠牲にしないで・・・誰も傷つかない都合のいい未来を・・・僕は思い描いているだけなんだ・・・)




♪♪(携帯電話のコール音)

さやか「!?」



さやか「マミさん!?ど、どうしたの?」

マミ「美樹さん!今すぐ来て!結界に一般人が巻き込まれてるの!!」




さやか「・・・!!魔獣のもの!?それともルシファー!?」

マミ「そのどちらでも無いわ・・・」


さやか「え・・・?それどういう事!?」



マミ「わからない・・・こんな事は初めてよ・・・」




マミ「ソウルジェムに穢れを溜めた魔法少女が・・・突然・・・」



ゴゴゴ・・・


ほむら「あり得ない・・・アレは・・・何故・・・この世界であんな物が・・・!」


キュゥべえ「あれが・・・円環の理が存在しない場合の・・・魔法少女の本来あるべき成れの果て・・・」

キュゥべえ「すばらしいエネルギーだ・・・これがまさしく・・・」


キュゥべえ「魔女・・・だね・・・」


続く

銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード!」


キュゥべえ「魔法少女を魔女にする・・・それが僕の本来の役割だったのさ」

氷室「そのために・・・僕は騙されたのか!」


ほむら「佐倉杏子・・・このままではあなたもいずれ・・・」

杏子「あたしは・・・あたしは!!」


まどか「わたしにはわからないよ!わたしのせいで・・・世界がおかしくなっちゃったとしても・・・
どうにも出来ないよ!」


さやか「今は・・・きょうすけ君が好き。それがあたしの素直な気持ち」




銀河万丈「第8話!」

恭介「僕はさやかが好きなんだ」




銀河万丈「ハーレムは誰にも崩させない!!」

仁美「フン!フン!!」ボスッボスッ

中沢「い、痛い!痛い!ちょっと志筑さん!
こんなときにご褒美(腹パン)なんかいらないよ!」

第8話「僕はさやかが好きなんだ」



沙々「うう・・・」フラフラ・・・


沙々(屈辱だ!この私が・・・呉キリカと美国織莉子にやられ・・・逃げているなんて・・・)

沙々(覚えていろよゴキブリども・・・この借りはいつか・・・)


ドロッ

沙々(ソウルジェム、真っ黒じゃねーか!畜生・・・!もうグリーフキューブのストックが無いってーのに!)



マミ「・・・!?」

マミ「あなた・・・魔法少女なの?その傷は・・・大丈夫!?」




沙々(巴マミ!!こ、こいつにまで見つかった!ヤバい!)

沙々(今戦ったら確実に負ける!逃げるんだ!・・・何が何でも逃げろ!)




沙々「だ、大丈夫です。し、心配しないでください」

マミ「大丈夫って・・・ソウルジェム真っ黒じゃない!」



マミ「私のグリーフキューブを分けてあげるわ!傷の手当もしてあげるからこっちへ来て!」



沙々「・・・」




沙々(ちゃぁんす・・・・巴マミがこんなにお人よしだとは知りませんでしたよ・・・)

沙々(ここは・・・手当てを受けるフリをしてしっかり洗脳させてもらいましょうか・・・)



沙々(巴マミを手駒に出来れば・・・あの二人にも勝てる・・・!)



パァァ・・・

マミ「・・・!?何をしているの?穢れきってるのにそれ以上魔力を使用しちゃ・・・」



ピシッ

沙々「アレ・・・?」



マミ「え・・・?」



沙々「どういう事ですか・・・!?私の・・・私の体が・・・!」

ゴゴゴ・・・



沙々「巴マミ!私の体に・・・何をしやがったあああ!?」

Erika Göpfert

洗脳の魔女

性質は「落下」

自分より優れた者を従わせる願いを叶えた魔法少女の末路。

他者を従わせるために
結界展開と同時に自らの戦闘力を徐々に下げる性質を持つ。
彼女の洗脳を回避するためにはより弱い魔法少女を連れてくるしかない。




マミ「何なの・・・これは・・・」

さやか「マミさん!」


杏子「こいつは・・・ルシファーじゃ無い!?」




ほむら「魔法少女が「魔女」に・・・あり得ないわ!」

さやか「「魔女」・・・?どこかで聞いたことがあるような・・・ってか暁美ほむら!あんたまでなんで来てるのよ!」




氷室「今回の騒動も・・・暁美さん、君が新しく設定した「敵」なのかい?」


ほむら「違うわ・・・私は何も・・・」


ほむら「・・・」




ほむら「姿を見せなさい。インキュベーター」


キュゥべえ「やれやれ」ひょい


ほむら「説明してもらうわよ。魔女が・・・再びこの世に現れた理由を・・・
あなたが「何か」をした事は分かっているわ」

ほむら「魔女の概念が復活して得をするのは貴方しかいないもの・・・」




グオォオオ(結界展開)

洗脳の魔女「KISHAAAAAA!!」


杏子「なんだか良くわかんねーけど・・・とりあえずアイツを倒せばいいんだろ?」


マミ「佐倉さん!?駄目よ近づいては!敵の能力もまだわからないのに・・・」


杏子「あたしは今・・・機嫌が悪いんだ。」チラッ



さやか「杏子・・・」

氷室「・・・」





ガキィン!

洗脳の魔女「PIGYAAA!」ジタバタ


杏子「なんだこいつ、てんで弱いじゃねーか!」

バシッバシッ



杏子「しかも殴る度に魔力が落ちている!楽勝だな!」

洗脳の魔女「・・・!」ピキーン



パワワワ(洗脳光線)

杏子「うっ!」



さやか「杏子!」



杏子「・・・」フラッ

マミ「佐倉さん?」



グオッ!(槍の大降り)


マミ「きゃあっ!」

さやか「マミさん!杏子・・・あんた一体どうしたって言うのよ!」



杏子「・・・」(虚ろな目)



さやか「・・・これは・・・?」

ほむら「気をつけて美樹さやか!佐倉杏子は魔女に洗脳されているわ!」







グルグル(杏子の槍に巻きつけにされるマミ)

マミ「きゃあ!」


洗脳の魔女「HYUAAA!」

ミュイイイイイイイイイイイイ(洗脳光線)



マミ「う・・・」ガクッ


マミ「・・・」フラフラ


さやか「マミさんまで!」


ほむら(巴マミや佐倉杏子がいとも簡単に・・・?おかしい・・・何かが・・・!)


ほむら(確実に洗脳できるなら・・・なぜ攻撃をわざと受けたの・・・?まさか・・・)


ほむら「ここは一度引くのよ、美樹さやか」

さやか「な・・・悪魔が何言ってるのよ!アレもあんたの差し金でしょ!」



さやか「杏子とマミさんが囚われているのにあたしが戦わないでどうすんのよ!」

ほむら「アレは・・・実力差の大きい相手であればあるほど簡単に洗脳できる性質を持っている」


さやか「え・・・!?」

ほむら「佐倉杏子の攻撃を受けたのはそのためよ。自らの体力を減らして洗脳の成功率を高めたの」




ほむら「だから、私もうかつに力を解放できない・・・悪魔が魔女に負けるのは腑に落ちないけどここは退くの」

ほむら(悪魔が自分より格下の魔女に操られるなんて・・・笑い話じゃ済まないもの)


さやか「その話が本当って根拠がどこにあるのよ!第一あんた、あたし達と敵対宣言したばかりでしょ!」


ほむら「そこの白いのが「魔女」について事情を知っているわ」


キュゥべえ「・・・」



さやか「・・・!?どういう事?」

ほむら「詳しい話は後よ。結界を抜けてから・・・」



氷室「さやかちゃん、ここは暁美さんの言うとおりにしよう」


氷室「キュゥべえが僕を「魔法使い」に選んだ理由・・・今回の件と関係ありそうだからね」




ほむら「・・・」


ボフッ(近代兵器による爆風)



がしっ(さやかの手を掴むほむら)

さやか「お・・・おい!」



しゅあああ・・・(結界を走り抜ける一同+一匹)




ほむら「ふぅ・・・」

さやか「どういう事か・・・説明してもらうわよ・・・」


なぎさ「さやか、氷室・・・それに・・・」

まどか「ほむらちゃん!?」


なぎさ「どうなっているのです?マミと杏子はどこに・・・」

ほむら「・・・」



ほむら「巴マミと佐倉杏子が囚われたのが、吉と出たかも知れないわ」

さやか「は?」

ほむら「説明しないさいインキュベーター。何故「魔女」が再び現れるようになったのかを」


さやか「説明するのはあんただ!あの化け物・・・「魔女」ってなんなのよ!」




ほむら「かつて魔法少女の敵・・・だったモノよ・・・あなたは忘れているけども・・・」

さやか「・・・!?」




ほむら「「魔女としての転生」・・・それがかつて、魔法少女の奇跡の対価だったわ」


ほむら「その時に生じる莫大な感情エネルギーを宇宙へと持ち帰る役割が・・・」


キュゥべえ「僕達インキュベーターと言うわけさ!」


まどか「え・・・」

なぎさ「キュゥべえは・・・宇宙人なのですか!?」





ほむら「かつて私は・・・幾度と無く同じ時間を繰り返し・・・この残酷な運命に抗い続けた」

ほむら「やがて世界は新たな理・・・「消滅による救済」により・・・
全ての魔法少女は呪いから解放されることとなったわ」




ほむら「それが・・・とある魔法少女が叶えた奇跡・・・つまりは・・・まどかであり・・・「円環の理」の事よ」


まどか「・・・!」

さやか「・・・「円環の理」は・・・元々は一人の魔法少女が叶えた奇跡!?・・・」

なぎさ「まどかが・・・円環の理の神様というのはそういう意味だったのですね!」




ほむら「まどか一人を犠牲にして書き換えられた世界で・・・
やがてインキュベーターはまどかを認識するための実験を行ったわ」

ほむら「私は・・・インキュベーターの企みを・・・まどかを現世へ引き戻すことで阻止した」



ほむら「結果・・・「円環の理」から「まどか」という人格が引き離されて
淡々と呪いを溜め込んだ魔法少女を消滅させるシステムだけが残ったわ」


ほむら「まどかを現実に戻した後でも・・・「円環の理」は機能していたはずなのに・・・一体どうして・・・」



キュゥべえ「まさにその点だ。未だに鹿目まどかが「神」であり、
「円環の理」とのつながりを断ち切れていない点に僕の戦略は存在したのさ」


キュゥべえ「「神」と同等の力をもつ少女が作り出した「理」も所詮は
「少女」によって管理されているに過ぎない」


キュゥべえ「第二次性徴期特有の不安定な精神・・・これを軽く揺さぶるだけで簡単に「円環の理」は崩壊する」



ほむら「その理屈はおかしいわ・・・今の今まで・・・何度も同じ思い出を繰り返した中で・・・
まどかの精神が大きく変動する事は無かった・・・「円環の理」も問題なく機能していたわ・・・」


キュゥべえ「今までのループで確実に存在しないモノがひとつ・・・いや、一人いるだろ?」



ほむら「・・・!!」

氷室「・・・!」



ほむら「氷室・・・!?」



キュゥべえ「その通りさ。鹿目まどかの精神を大きく揺さぶったのは・・・恭介・・・彼の事だ」

氷室「・・・まさか・・・そのために・・・鹿目さんの精神に干渉するために・・・僕を魔法使いに・・・」




さやか「でも「何が」って事になるわよ!氷室君が魔法使いになった事でまどかの何が変わったって言うのよ!」



キュゥべえ「強いて言うのなら・・・思春期特有の感情の発現・・・異性による興味」

さやか「は?」



まどか「えっと・・・つまりどういう事かな?」



キュゥべえ「「男の子と付き合うってどういう事だろう」という少女なら誰しもが抱く興味。
それが今までのループでは発現しなかった」


キュゥべえ「というより、許されなかった。そこにいる悪魔が鹿目まどかに男子を近づけまいと色々工作していたから」



さやか「こわっ!なにその独占欲。こわっ!」

ほむら「黙りなさい!まどかにはまだ男の子と付き合うとかそういうのは早いと私が判断したのよ!」



まどか「ええええ!?つまりわたしが・・・氷室君の影響で男子に興味を持ったことが原因!?」

なぎさ「もっと分かりやすく言えば・・・えっちな事への興味って事なのですか?だとしてもそれが何故・・・」



キュゥべえ「「女神の仕事を放り出して人間としての人生を過ごしたい」そういう思考に近づけば近づくほど
円環の理は崩れやすくなる」

キュゥべえ「まどかがほんの少しでも「将来、普通に男の人と結婚して~」と考えるだけで後はダムの決壊のように
システムエラーを引き起こすのさ」


キュゥべえ「だから僕は恭介を魔法使いに選んだ。彼がまどかの接触することで「まどかが恭介を好きになる」・・・
とまではいかなくてもまどかが異性に興味を持つだろうという確信ができていたから・・・!」

氷室「な・・・!?」

キュゥべえ(かつて志筑仁美と美樹さやかの心を乱した人物だから、今回もなんらかの波乱を引き起こしてくれるとね)

キュゥべえ「かつて自分の願いを否定し・・・幻惑の魔法が使えなくなった佐倉杏子と同じ様に・・・
まどか自身が「自分の叶えた願い」・・・「円環の理」について少しでも疑問を持ってしまった時点で次々と
僕達インキュベーターが「理」に干渉するだけの穴が出来てしまった」



キュゥべえ「そうなると、システムを書き換えるのは容易いよね」

キュゥべえ「今は見滝原だけに「魔女化」のルールが適応されているけど・・・いずれ僕達は
円環の理を完全に掌握するつもりだ」




まどか「それって絶対おかしいよ!わたし・・・氷室君とお付き合いしてみたいとは思ったこと無いのに・・・」



氷室(いや合っている・・・!キュゥべえが言うところの「きょうすけ」は氷室では無く、上条の方だ!)

氷室(おそらく上条の方の僕が・・・毎日のように自作の演歌CDをプレゼントし続けたことで・・・
鹿目さんの中にほんのちょっぴりでも異性への関心が芽生えたとしたら・・・辻褄が合う!)



氷室(鹿目さんが「気になっている男子」が氷室では無く・・・上条の方だとすれば・・・)




氷室「君は・・・嘘をついていたのか・・・?
「世界を取り戻すため」に力を貸してくれと言っていたのは・・・嘘だったのか?」



キュゥべえ「嘘じゃないさ」





キュゥべえ「僕は・・・まどかとほむらによって書き換えられた世界では無く・・・
「魔法少女が魔女として役目を全うする」
その世界を取り戻したいと最初から君にお願いしていたのさ!」



氷室「・・・!!」




氷室「インキュベーター!!」

ほむら「よしなさい氷室。そいつを殺しても無駄なのは私が一番良く知っているわ」

ほむら「奴のペースに飲まれては駄目。ここ見滝原で「魔女化」が有効化されているなら、それはあなた達も同じ」



ほむら「頭に血を上らせること・・・むやみに体力や精神力を消耗してソウルジェムを濁らせることは
魔女化に繋がるわ」



さやか「ほむら・・・あんた・・・」

まどか「ほむらちゃんは・・・わたし達の敵なの?味方なの?」



ほむら「魔女やインキュベーターが相手なら・・・私たちの共通の敵と言うだけよ・・・」


ほむら「まずはあの魔女を倒してマミと杏子を取り戻す」




ほむら「それから侵入された円環の理の修復手段を考える。私達の決着はその後の事なのよ」

キュゥべえ「美樹さやか・・・百江なぎさ・・・君達は元々円環の理の使者だったんだ」

さやか「え・・・」


キュゥべえ「この状況を打破したいのなら、君達が本来の力を解放するべきだと思うけどね」

キュゥべえ「君達がまどかから預かった円環の力・・・それをまどかに返せばあるいはまどかを・・・」



パンッ



ドサッ

ほむら「そいつの言葉に耳を貸しては駄目。この状況で円環の力を解放すれば魔女化するのはあなた達よ」


ほむら「急ぎましょう。いくら魔法少女とはいえ魔女の結界内にいては一日待たずとも消化されてしまうわ」



さやか「お、おい!なんだよ、あたし達が円環の理の使者って・・・どういう事!?」

なぎさ「円環の理・・・つまりはなぎさたちは一度導かれた存在なのですか?」




まどか「・・・」

氷室「鹿目さん・・・」



まどか「わからないよ・・・」

氷室「えっ」



まどか「わたしに神様の力があるとか・・・世界を変える力とか・・・
わたしの精神と円環の理が繋がってるとか・・・」


まどか「そんな事いきなり言われても・・・わたしには分からないよ」



まどか「でも・・・本当にわたしにそんな力があるのなら・・・杏子ちゃんとマミさんを助けるためにも・・・」




氷室「・・・」




~魔女結界~


ほむら「相手は自分よりも強い者を「洗脳」する能力を持っているわ」

ほむら「だから、力を抑えて戦う必要がある。奴に「洗脳するまでも無い」と思い込ませることが肝心よ」


ほむら「油断させた所を一気に力を解放して一撃で仕留める。これなら洗脳を受ける事無く敵を倒せる」

さやか「その方法なら・・・さっき普通にやれたんじゃないの?」


ほむら「杏子とマミが捕まって・・・あなた猪突猛進になりかけていたわ」

ほむら「あのまま戦っていれば間違いなく洗脳されていたわね」

さやか「ぐぬぬ」

なぎさ「さやか、癪だけどここはほむらに従うのです!
魔女の事を詳しく知っているのはほむらだけなのです」


さやか「・・・」

さやか「そうだね・・・まずは杏子とマミさんを救うのが先決だからね・・・」

さやか「一時休戦だよ。まずは目の前の共通の敵を倒すために協力するわよ」



ほむら「助かるわ」



ゴゴゴ


ほむら「来るわよ」


洗脳の魔女「KYOAAAA!」




ほむら「こちら側がなるべく弱そうな演技をするのよ」



さやか「たぁ」

なぎさ「なのです~」ぽこぽこ


洗脳の魔女「・・・!?」





さやか「今よ!ほむら!」



ほむら「悪魔の翼・・・」ゴゴゴ・・・



ギュルギュル(リボン+槍の拘束)


ほむら「・・・!!」



杏子「・・・」

マミ「・・・」




さやか「杏子!!マミさん!!」



洗脳の魔女「GYOOO!!」


ミュイイィイイ(洗脳光線)


ほむら(・・・!!)

ほむら(演技がばれている・・・!まずいわ・・・洗脳される・・・!)


~外~

キュゥべえ「暁美ほむらが敵の手に落ちた」

まどか「え・・・」


氷室「・・・」

キュゥべえ「敵は相手が強ければ強いほど洗脳が強力な物へと変化する性質を持っている」



キュゥべえ「そういう意味で悪魔と化した暁美ほむらは格好の標的だったと言えるね」



まどか「そんな・・・」


氷室(もう・・・手段は選んでられない・・・のか・・・!?)



氷室「鹿目さん」

まどか「・・・?」




氷室「僕の演奏は聞いた人の「記憶」に干渉する能力を持っている」

氷室「記憶に潜り込めば「女神」として眠っている君の力を解放できるかもしれない」


氷室「さやか達を助けたい。その点に置いて僕と君の気持ちは一緒だと思う・・・だから・・・」



まどか「いいよ・・・やって!」



まどか「わたしが思い出さないと・・・さやかちゃん達を・・・そしてほむらちゃんを救えないのなら・・・」



氷室「・・・」


♪~♪~♪



まどか「・・・!」


氷室(僕が上条の姿の時、鹿目さんにCDをプレゼントしたのはこの時のためだったんだ・・・)


氷室(鹿目さんは、上条の言いつけ通り毎日僕の演歌CDを聞いている・・・
だから僕の演奏と同調し易くなっている)


氷室(鹿目さんの記憶を辿って・・・女神としての力と記憶を見つければ・・・)



カッ

~まどかの記憶の世界~



氷室「ここが・・・鹿目さんの精神世界・・・」

氷室「見つけた!あれが・・・女神の時の記憶に違いない・・・」

氷室「・・・!!こ、これは・・・・」

~魔女結界~


ほむら「・・・」

マミ「・・・」

杏子「・・・」



さやか「暁美ほむらが・・・魔女の手に落ちた!」

なぎさ「数的にも圧倒的に不利なのです!しかも洗脳があるからうかつに力を出せないのです!」




さやか「それよりも厄介なのは・・・ソウルジェムだよ」

なぎさ「え?」


さやか「見てみなよ。三人のソウルジェムを。もっとも暁美ほむらのそれはソウルジェムと
呼べるか怪しいけどね」



なぎさ「・・・!!濁りが侵食しているのです!」

さやか「この魔女結界に長く居たことで濁りが早くなってるとしたら・・・」



さやか「最も恐ろしい事はこの結界で消化されることじゃなくて・・・
全員が魔女になっちゃう事かもね・・・」

なぎさ「そんな・・・」



さやか「円環の理が機能停止しているのなら・・・あの魔女だけでなくあたし達も例外じゃない」


さやか「悪魔だとしても・・・女神だとしても・・・基本は「ソウルジェム」を宿した
魔法少女に過ぎないんだ・・・あの魔女に誘発されて・・・穢れを溜め込めば・・・」



なぎさ「まどかと同等の存在であるはずのほむらも・・・例外無く魔女化するって事なのですか!?」



さやか「悪魔が魔女化したら・・・それこそどんな存在になるんだろうね・・・考えるだけで恐ろしいよ」


さやか「それに・・・杏子・・・!」


杏子「・・・」ジワジワ(ソウルジェム汚染)



さやか「あたしと氷室君と仲良くなる事が・・・杏子にとっては寂しさを溜め込む原因になってたんだね・・・」



さやか「そんなにソウルジェムを濁らせて・・・ごめんね杏子・・・あたし、まだ引っ叩いた事謝ってないよね・・・」



さやか「行くよなぎさ!洗脳光線さえ浴びなければ洗脳される事は無いから!」

さやか「このまま力を出し惜しみしても一方的にやられるだけだから!操られた三人は無視して本体を全力で狙うよ!」


なぎさ「了解なのです!」





悪魔ほむら「・・・」

さやか「その姿・・・あんたは・・・まどかのために悪魔になったって言ったっけ・・・」



さやか「この魔女を倒したら話してもらうよ!あんたが背負っているモノを!」



シュパァン!!



さやか「え・・・?」




なぎさ「・・・!?矢・・・!?」



しゅわああああ(結界浄化)



さやか「え!?え!?ええええええ!?」



洗脳の魔女「KYAAAAAA!!」


じゅわあああ(強制浄化)




ほむら「・・・」

マミ「・・・」

杏子「・・・」



ドサッ(倒れる3人)


さやか「何よこれ・・・一体どうなってんのよ・・・」


まどか「さやかちゃん、なぎさちゃん・・・」


なぎさ「まどか!?」

さやか「その格好・・・魔法少女!?」



さやか「まさか・・・今の攻撃は・・・まどかが!?」

氷室「僕の演奏で彼女の記憶に潜り込んだ」


さやか「杏介君・・・?潜り込んだって・・・」


氷室「残念だけど彼女の力は一部しか取り戻せなかった・・・
女神では無く・・・魔法少女としての姿しか・・・」


なぎさ「それでもすごい威力なのです!」

まどか「うぅ・・・」がくっ


さやか「まどか!!」

なぎさ「・・・!ソウルジェムが・・・凄い勢いで濁っているのです!」



さやか「なぎさ、予備のグリーフキューブは!?」

なぎさ「持ってないのです!」



ほむら「ハッ・・・!!」


ほむら「何をしているの!?グリーフシードを使うのよ!」



さやか「グリーフシード!?」


ほむら「魔女が倒れた場所!突起物が落ちているはずだわ!」


なぎさ「・・・!!」



なぎさ「あったのです!まどか!これを・・・!!」


ぱしっ

まどか「ありがとう・・・なぎさちゃん・・・」


まどか「・・・」



しゅうううう・・・・


さやか「穢れが浄化されている・・・これは・・・」


ほむら「かつて魔女がいた世界での・・・ソウルジェムの浄化手段よ」




さやか「暁美ほむら・・・あんたは・・・」

なぎさ「まどかを・・・そしてマミ達を助けてくれたのですか?」



ほむら「誤解しないで。私は悪魔で・・・まどかの幸せのためにこの力を望んだのよ」


ほむら「あなた達の生存・・・それが繰り返されるこの思い出世界での・・・まどかの幸福の条件なのよ」



さやか「・・・あんた・・・そうやって一人で背負い込んで・・・」


さやか「あんた自身はどうなのよ・・・!まどかの幸せのために・・・他の人どころか自分まで巻き込んで!」

さやか「まどかは・・・あんたに歩み寄ろうとしているのに・・・あんたはまどかと敵対する事になっても・・・
それでも構わないって言うの!?」


ほむら「・・・「一人で背負いこんで」・・・ね。そのセリフを言われるのは二度目よ・・・美樹さやか」

さやか「な・・・!?」

ほむら「あなたには言われたくないとでも言い返しておきましょうか」

ほむら「かつて上条恭介のために願いを使ったあなたに・・・それを言う資格があるかしら?」



氷室「・・・」

さやか「それがどう関係あるのよ!」


ほむら「愛する人のために秩序を守るか壊すか・・・あなたと私の違いはそれしか無いわ」

さやか「そんな事・・・あたしはもう恭介の事は・・・」



まどか「ほむらちゃん・・・」

ほむら「・・・」




まどか「わたしね・・・力と一緒に少しだけ記憶も取り戻したよ・・・」


まどか「ほむらちゃんがどういう思いで・・・今の世界と悪魔の力を望んだか・・・」



ほむら「そう・・・」


まどか「わたしが・・・皆とお別れしたくないって・・・そう願っちゃったからほむらちゃんは・・・」



まどか「魔女の概念が復活したのも・・・ほむらちゃんが悪魔になったのも・・・
ワルプルギスの夜が来るのも・・・全部わたしの心の弱さのせいなんだよね・・・」

ほむら「・・・弱くていいのよ・・・あなたは・・・何もかも背負いすぎたの」



まどか「わたし・・・もう逃げないよ」

まどか「神様として・・・皆とお別れしなくちゃいけないとしても・・・逃げないよ」



まどか「これ以上ほむらちゃんが傷つくのを見ていたくないんだ・・・」


まどか「だからほむらちゃん・・・一緒にワルプルギスの夜を倒そう。」

ほむら「・・・!?」

さやか「まどか!?」



まどか「お互いの心の弱さが生み出した、ワルプルギスの夜に立ち向かう力を貸して欲しいな」


まどか「この世界は長く続かないよ。嘘は・・・嘘でしか無いから・・・」


まどか「きっとそれは・・・ほむらちゃんの望む結末じゃないんだろうけど・・・
ほむらちゃんも正しい事を信じる勇気を・・・取り戻して・・・」


ほむら「あなたに分かってもらえなくても・・・嘘をついてたとしても・・・」


ほむら「それでも私は・・・あなたが普通の人間として生きていく世界を望むわ」



まどか「ほむらちゃん・・・」

ほむら「あの魔女を倒したからといって、円環の理が機能回復したわけじゃない」

ほむら「これからはソウルジェムの穢れに気をつける事ね・・・魔女化する前に浄化を怠らないで」

ほむら「もちろん・・・魔女化の危険は私もまどかも例外では無いわ。」




ほむら「んしょ・・・」ひょいっ


さやか「ちょっと待て、何してる」

ほむら「見ての通りよ。気絶した佐倉杏子を持ち上げているの」



さやか「何のために!?」

ほむら「お持ち帰りするのよ」


さやか「は!?あ、あんたまさか、まどかだけじゃ飽き足らず杏子の体を・・・」



ほむら「誤解しないで。少し話をしたら、無事に返すわ」

さやか「信用できるか!あんたたった今、あたし等と考えが違うって言ったばかりでしょ!」



ほむら「それも、あなたが言う資格は無いわと言えるわ」

さやか「な、なんだと!?」



ほむら「氷室とイチャついて杏子をほったらかしにした貴方には・・・ね」

さやか「イチャイチャって!・・・あたしと氷室君は・・・そんなのじゃな・・・」




ほむら「貴方も分かっているのでしょう?杏子がソウルジェムを濁らしているのは間違いなくあなたが関係している」

さやか「・・・!」




ほむら「貴方に口を出す権利は無い。次に会ったら謝る練習でもしてることね」


スッ・・・(悪魔ワープ)(悪役特有の便利すぎるアレ)


さやか「ま・・・待って!」


なぎさ「杏子が連れて行かれたのです!」




まどか「杏子ちゃんは・・・大丈夫だと思う」

まどか「ほむらちゃんが言う・・・「わたしのための行動」なら・・・杏子ちゃんに危害を加える事はまず無いよ」



まどか「それよりねさやかちゃん・・・なぎさちゃん・・・」

まどか「キュゥべえが言っていた、二人が円環の使者だって話・・・あれは本当だよ」


さやか「え?」

まどか「さやかちゃんとなぎさちゃんは一度円環の理に導かれた存在なんだ」


まどか「さやかちゃんとなぎさちゃんが・・・
ほむらちゃんの言うところの「魔女化」する瞬間の記憶を思い出したの」

まどか「今はまだ二人だけだけど・・・
きっとわたしは何人もの魔法少女を魔女化する瞬間に円環の理に導いたんだろうなって・・・」



さやか「ちょっとまて!そしたらあたし達・・・死人って事じゃん!」

なぎさ「びっくりなのです!」


さやか「何であたし達現世にいるのよ!「まどかの望む日常」を再現するために無理やり生き返ったの!?」



まどか「大体合ってるよ」

まどか「正確には円環の理の一部として、ほむらちゃんを迎えに行く時に一時的に実体化して・・・」


まどか「その後ほむらちゃんが悪魔の力で世界改変しちゃったから、そのまま世界に縛られたみたい」



まどか「言い換えれば・・・この世界そのものがほむらちゃんの巨大な結界って事だよ。
わたし達は、それに囚われている状態でしか実体化出来ないというか・・・」



まどか「わたしが今、完全に女神の力と記憶を取り戻せていない様に・・・さやかちゃん達も
忘れているんだ。円環の理の力の使い方と記憶を」



さやか「そんな事急に言われてもな・・・いまいちピンとこないよ・・・」

なぎさ「ほむらを倒して、世界が元に戻るとき・・・
なぎさは・・・またいつかマミ達とお別れしなくちゃいけないのですか!?」



なぎさ「そんなの嫌なのです!円環の理に還らなきゃいけないなんて嘘なのです!」



氷室「嘘じゃないよ」

なぎさ「氷室・・・?」



氷室「演奏を通して鹿目さんの精神に潜り込んだとき・・・僕もその記憶を見たんだ」


氷室「さやかが・・・魔女化する・・・その瞬間を」



さやか「嘘・・・」

氷室(もう少し精神の深いところまで飛び込めば・・・鹿目さんを女神として復活させる事が出来たかもしれない・・・)



氷室(でも・・・出来なかった・・・さやかの魔女化の瞬間・・・あれだけ傷ついたさやかを見ていたら・・・)


氷室(鹿目さんが女神としての使命と記憶を取り戻したら・・・さやかもその世界に還ってしまいそうで・・・)


氷室「さやか・・・!」ぎゅっ



さやか「え、ええええ!?///ちょ、ちょっと!杏介君!?」

氷室「上条(僕)なんかのために・・・傷ついて・・・本当の事も話せず・・・一人で抱え込んで・・・」


氷室「上条から何の言葉もかけられず絶望して魔女化した・・・それが真実なんだ」

さやか「そんな・・・」


氷室(あの時・・・照れくさいからとか・・・CDを割った事のうしろめたさとか・・・色々あって話せなかったんだ)

氷室(退院も・・・急に決まったことだし、連絡は父さん達に任せっぱなしだったから・・・
さやかに連絡が行ってないなんて知らなくて・・・)




氷室(あの時一言でも・・・さやかに優しい言葉を掛けていれば・・・さやかは・・・)



氷室「上条のために傷つく君を・・・見たくない」

氷室「さやかみたいな良い子が幸せになれないなんて・・・そんなの間違ってる」


さやか「あのちょっと・・・きょ、杏介君!?」

氷室「僕は・・・上条みたいな薄情な奴とは違う」




氷室「ずっとさやかの傍にいたい・・・さやかを守りたい」

氷室「上条のせいで傷ついた分だけ・・・僕が傍にいてあげたい」



氷室「さやかを・・・円環の理なんかに行かせはしない」



さやか「えっと・・・その・・・参っちゃうな・・・愛されちゃってますね・・・あたし!///」




まどか「え?」

なぎさ「さやか・・・もしかして氷室と・・・」



さやか「うん。付き合うことになったんだ」


まどか「えええええ!?」



さやか「やっぱり恭介を仁美に取られてから間も無いのに・・・軽々しいって思うよね?
でも・・・こんなに愛されてるのなら・・・悪い気はしないっつーか・・・」


まどか「軽々しいなんて思わないよ!おめでとうさやかちゃん!氷室君!」


なぎさ「とは言っても・・・氷室はぱんつが好きな変態って所以外は恭介との共通点も多いのです」



なぎさ「さやかは結局毎回、同じような男を好きになる傾向があるみたいなのです!
ちょっと危なっかしいけど・・・今回は成就したから良かったのです!」


さやか「あれ・・・?素直に祝ってくれるんだ?」

さやか「さっきまでの話だと・・・あたしはいつか円環の理に還らなきゃいけない存在なのに・・・」

まどか「それはまだ分からないよ」

まどか「円環の理を取り戻したからって・・・さやかちゃん達まで皆とお別れする必要なんて無いかもしれないよ」

まどか「最後までどうなるかわからないよ・・・だから諦めないで」


まどか「わたしは、お仕事があるから還らなくちゃいけないと思うけど・・・」

さやか「なんだよ~、あたしが生き残るっていうのならまどかも帰るなよ~!」



さやか「きっと暁美ほむらが背負い込んでるのも、そこが関係してると思うよ。
まどかが自分の幸せを放棄しようとしたから・・・あいつも・・・」


さやか「この世界に留まるのなら皆一緒だよ!方法は漠然としてるけど・・・きっと何かあるはずだから」

まどか「わたし・・・神様のお仕事を休んじゃっていいのかな・・・」



なぎさ「まどかも結局、現世にいたいのですね」

マミ「う・・・うん・・・」むくっ


マミ「あれ・・・どうしたの・・・何があったの?」




なぎさ「・・・!」

なぎさ(まどか・・・さやかとなぎさが円環の使者という話、マミには・・・)

まどか(聞こえてないと思うよ)





さやか「えっとね・・・杏介君・・・」

氷室「さやか・・・」



さやか「あたしも・・・どこにも行きたくない」

さやか「杏介君の気持ちに応えたい・・・だから最後まで考える」



さやか「円環の理を取り戻して・・・なおかつあたし達も人間らしく生きていく方法を・・・」

さやか「だからもう・・・杏介君がそんなに悲しい顔する必要無いんだ」



氷室「さやか・・・!」




~ほむら、杏子側~


ほむら「起きなさい、佐倉杏子」


杏子「う・・・ん・・・」


杏子「はっ!あ、暁美ほむら!?なんであんたが・・・あたしと一緒に!?」

ほむら「あなたのソウルジェムを確認しなさい」



杏子「・・・どうなってやがる・・・!?真っ黒じゃねえか・・・」

ほむら「あなたもまた・・・氷室の正体を知っているのね・・・というより、あの変装魔法はあなたが・・・」

杏子「・・・」


ほむら「確かに美樹さやかと氷室が親しくなればなるほど悲劇にしかならない」



ほむら「それでも上条恭介は嘘を吐き通す道を選んだ・・・そんな彼の気持ちが分からなくも無い」

ほむら「貴方のソウルジェムが濁らせているのは・・・美樹さやかに対する心配・・・氷室に対する嫉妬・・・
それらが絡み合った複雑な感情よ」



しゅうう・・・

杏子「ソウルジェムが浄化されていく!それは・・・」


ほむら「ルシファーシードを一つ・・・あなたに預けておくわ。これで浄化なさい」



ほむら「この町に「魔女化」のルールが適用されている以上・・・インキュベーターは
精神的に弱っている魔法少女に接触するのは間違いないでしょう」


ほむら「奴が次に狙うのは貴方かも知れないわ」

ほむら「いくら浄化しても・・・貴方が思いつめればそれだけソウルジェムの濁りは早くなる」



ほむら「どうしても魔女になりたくなかったら・・・美樹さやかの事を諦めるか・・・あるいは・・・」


杏子「・・・あんた一体なんなんだ!?あたし達の敵なのか・・・味方なのか・・・」

ほむら「まどかの幸せのために貴方を魔女にさせない。そして・・・
インキュベーターの好きにはさせない。それだけよ」




~さやかの家~


杏子「ただいま・・・」


さやか「杏子!」



さやか「ご・・・ごめんね杏子・・・あたし・・・」

杏子「いや・・・謝るのはあたしの方さ」



杏子「あの時氷室を・・・恭介を掴んだのは・・・あたしなりの心配っつーか・・・」

杏子「上条の時みたいなすれ違いになるのが怖くてさ・・・氷室が冗談半分で
さやかと付き合うって言うのなら・・・我慢なら無くて・・・」



さやか「杏子・・・そこまであたしの事を心配してくれて・・・」

さやか「でも大丈夫だよ!杏介君は本気だから・・・」


杏子「・・・」

さやか「あたしの事・・・全部知った上で、それでも傍にいたいって・・・そう言ってくれたから・・・」


杏子(違う・・・違うんださやか・・・アイツは・・・)

杏子「明日一日だけ・・・氷室を・・・恭介を借りるぞ」

さやか「え・・・?」




~学校~


さやか「あれ?恭介も休み?どうなってんの?仁美ー、なんか聞いてない?」

仁美「恭介さん、コンクール主催者のジャニー氏と打ち合わせがあるから今日は休むと・・・」


さやか「きょうすけさん・・・とな!?」

仁美「あ・・・」


仁美「ちっ・・・違うのです!これは・・・その・・・」

さやか「何が違うんだよー!この幸せ者めー!!」


仁美「さ、さやかさんこそ!氷室君と・・・」



~杏子に公園に呼び出される恭介~


杏子「何の話か・・・分かってるよな・・・」

恭介「さやかと氷室の事・・・だろ?」





杏子「さやかから大体の事情は聞いたよ・・・」

杏子「さやかが・・・あんたへの想いを募らせて魔女化した事も・・・」



杏子「それを同情して・・・氷室としてアイツの支えになりたいって思ったあんたの気持ち・・・
分からなくも無い・・・けどな・・・」




杏子「哀れみの気持ちだけで・・・さやかの恋人になったのなら・・・絶対あんたを許さない」

杏子「さやかは・・・氷室を好きになりかけている・・・無理ないよな・・・
中身はそのままあんたなんだから・・・」



杏子「あんたの気持ちが・・・氷室として出した言葉が・・・本当かどうか・・・」

杏子「あんたは・・・さやかの事をどう思ってるんだ!?」


恭介「・・・」

杏子(恭介の気持ちが・・・中途半端であるなら・・・そっちの方がまだ救いはあるんだ)


杏子(こいつを一発ぶん殴って・・・さやかに氷室を諦めさせれば・・・ダメージが少ないまま終わらせられる)




恭介「幼稚園の頃・・・」


杏子「・・・?」

恭介「いじめられがちだった僕を・・・いつも助けてくれたのは・・・女の子であるはずのさやかだったんだ」

杏子「おい・・・何の話をしてやがる・・・」



恭介「その頃も・・・よく男子と混じって遊ぶような活発な子だったな・・・」

恭介「さやかと一緒に遊べる男子を・・・羨ましいと思った・・・」


杏子「だから、何の話を・・・」



恭介「正しい事をまっすぐに信じる良い子だった・・・」

恭介「一緒になってテレビの仮面のヒーローに夢中になったっけ・・・」



恭介「きっとさやかの傍には・・・僕みたいな弱い男なんかじゃなく・・・
こんなヒーロー像的な男性が似合うだろうって」


恭介「そう思ったとき・・・なぜかとても寂しかった」



杏子「恭介・・・お前・・・」



恭介「事故にあった後も・・・さやかは毎日のようにお見舞いに来てくれて・・・」

恭介「でもその気持ちが・・・同情から来てる物だと思ったら・・・また自分が情けなくなったんだ・・・」


恭介「いつまでたっても・・・僕はさやかに守られる僕じゃなきゃいけないのか・・・って」


杏子「・・・」


恭介「仁美さんに告白された時・・・何故かさやかの事を思い出したんだ」

恭介「こんな僕でも・・・好きになってくれる人がいるって・・・もうさやかに守られるような子供じゃないって・・・
一人前に・・・なれた気がしたんだ」



恭介「さやかが・・・彼氏が出来たって言い出した時・・・絶対本人に会って、さやかに本当にふさわしいかどうか
確かめたくなった」



恭介「それが狂言だって知った時・・・安心した」



恭介「さやかが・・・僕の事を好きだったって聞いたときは・・・すごく嬉しかった」

恭介「僕でよかったんだって・・・勝手にさやかの隣にいるには相応しくないって・・・思い込んでたのに」



恭介「もう一度さやかの傍にいても良いって・・・今度はさやかを守れる自分になりたいって」


恭介「そう思ったら・・・どんどん本当の事を言えなくなった」


恭介「魔女化したさやかの記憶に触れたとき・・・それを確信したんだ・・・」

恭介「例えどんな事をしてでも・・・今度は僕がさやかを守らなくちゃって・・・」



恭介「・・・ああ、そうか・・・幼い頃から・・・すでに僕は・・・」



恭介「僕はさやかが好きなんだ」



杏子「・・・・!!!」


恭介「ずっとずっと・・・僕はさやかの事が好きだったんだね・・・」


~~~

ザーッ(大雨)



一人でまだ公園のベンチに座る杏子



杏子「・・・」

キュゥべえ「恭介と話して・・・君の心配事は解消されたかな?」


杏子「・・・最悪だ」

杏子「・・・どうしてあの二人は・・・ああなっちまったのかな・・・」


キュゥべえ「今君のソウルジェムを濁らせているのは・・・美樹さやかを心配する気持ちじゃない」

キュゥべえ「美樹さやかに対する勝手な独占欲から来る自分の穢れた部分への自覚・・・」




杏子「ハッ、なんだいそりゃ・・・」


キュゥべえ「美樹さやかにとって、最高の幸福は上条恭介と共に生きる事だ」

キュゥべえ「それを頭で分かっていながら・・・君は上条恭介が志筑仁美と交際した事に安堵した」


杏子「違う・・・」

キュゥべえ「上条恭介を諦めれば・・・美樹さやかは自分の傍にいてくれる・・・君はそれが嬉しかったんだ」


杏子「違う!」



キュゥべえ「氷室の・・・バイオリン仮面ウィザードの正体を知った時・・・それでも敢えて
変装の魔法を教えたのは何故か・・・」


キュゥべえ「少しでもさやかの気持ちが恭介に伝われば・・・それがさやかの幸福でもあると分かっていたからさ」


キュゥべえ「結果的に・・・さやかは氷室に惹かれていったけど・・・この結果が見えていなかった訳でもないよね?」


キュゥべえ「君のソウルジェムを濁らせているのは・・・
偽りの関係の中でも上条恭介と添い遂げる美樹さやかへの幸福を願う気持ち・・・」

キュゥべえ「それと相反する・・・自分が美樹さやかの支えになりたい気持ち・・・その葛藤さ」



杏子「違う・・・!!あたしが悩んでんのはそんな事じゃ・・・」


キュゥべえ「美樹さやかにとっての幸せが何かを分かっていながら・・・
それでも君は美樹さやかにとっての一番でありたいんだ」

キュゥべえ「これを見ても・・・違うって言い切れるかな?」

キュゥべえが杏子に見せているのは昨日の映像

~氷室とさやかの帰路~


さやか「あのね・・・杏介君・・・」

氷室「なに?」


さやか「えっとね・・・その・・・///」


さやか「あ、あたしは確かに・・・恭介が好き・・・」

さやか「それは・・・仁美と付き合い始めた今でも・・・これからも変わらないと思う・・・」



さやか「友人って立ち位置でも・・・あたしは恭介をいつまでも応援してあげたいって思ってる」

氷室「そっか・・・幸せ者だね・・・上条は」



さやか「でもね・・・」

さやか「あたしの事・・・真剣に心配してくれた杏介君のことは・・・もっと・・・」


氷室「さやか・・・?」



さやか「恭介にも話せないこと・・・杏介君は正面から受け止めてくれたよね・・・」


さやか「今・・・一番好きなのは杏介君だよ・・・///」


氷室「さやか・・・!」

さやか「今は杏介君が好き・・・それが・・・あたしの素直な気持ち」



~映像終了~


杏子「さ・・・や・・か・・・」


杏子「なんでかな・・・なんでこんなに・・・胸が痛いのかな・・・」

杏子「あたし・・・最初から気付いていたのにな・・・あんたが・・・氷室を好きになればなるほど・・・
あんたは不幸にしかならないって・・・」


杏子「それでもあんたは・・・氷室に惹かれてしまうんだろうなって・・・」


杏子「あたしが・・・もっと早くに正体をバラしてりゃ・・・こんな事にはならなかったのにな・・・」


杏子「ごめんなさやか・・・あたし・・・」

キュゥべえ「そうだね・・・暴露していれば・・・君は批難されるかもしれないけど」

キュゥべえ「今も君の隣に・・・美樹さやかがいてくれたかもね」



ピシッ


杏子「あ・・・」ドクン・・・ドクン・・・・


杏子「あたしは・・・あたしは・・・!!」




氷室、さやか「「杏子に謝らなくちゃ」」


氷室、さやか「「あれ?」」


氷室「さやかちゃんも・・・同じことを思っていたのかい?」

さやか「杏介君も・・・」


さやか「恭介にフラれた時・・・支えになってくれたのはアイツなんだ・・・」

さやか「アイツをほったらかして・・・勝手にあたし一人で立ち直っちゃったからね・・・
今までの事含めて・・・お礼とか・・・お詫びとか」


氷室「僕も・・・杏子に世話になりっぱなしだったから・・・」

氷室「杏子に間を取り持ってもらったから・・・僕の考えを見滝原の魔法少女の皆に伝えることが出来た」


氷室「さやかちゃんにも・・・出会えたんだ」



さやか「あいつが戻ってきたら・・・腹いっぱい奢ってやらないと・・・杏介君、お金貸して!」

氷室「しょうがないな・・・分かったよ。僕が負担してあげるよ」




氷室「さやかちゃんは・・・本当に杏子が好きなんだね」

さやか「嫉妬した?」

氷室「うん」


さやか「正直に言うなっつーの!///そこは照れるとこだろ~!」

氷室「上条と違って・・・僕は素直に生きるって決めたんだ」


さやか「もう・・・!バカバカバカバカバカ!!」



~~~

キュゥべえ(映像は編集でカットしないとは言ってない)


ゴゴゴ・・・


キュゥべえ「さぁ見せてくれ佐倉杏子・・・君ほどの魔法少女が魔女になれば、得られるエネルギーもまた凄まじ・・・」


キュゥべえ「!?こ・・・これは!?」

~~~

さやか「もう!なんで杏子を一人でほうっておくのよ!」

氷室「僕が何度呼びかけても返事をしてくれなかったんだ・・・」


マミ「ちょっと待って・・・何?あれは・・・」


ゴゴゴ・・・

なぎさ「魔力の波動が・・・あれは・・・!?」

まどか「魔女化・・・!?杏子ちゃんが・・・魔女に!?」

~続く~


銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード!」


キュゥべえ「してやられたよ・・・暁美ほむら」

ほむら「貴方の好きにはさせないと言ったはずよ」




第9話

杏子「もっと、別の出会い方」



銀河万丈「ハーレムは誰にも崩させない!」



お知らせ、「人魚姫の物語」主題歌決定。

OP曲名「ハーレム」歌:ClariS

ED曲名「水葬」歌:Kalafina


のつもりで脳内再生お願いします。

第9話「もっと、別の出会い方」


キュゥべえ「これは・・・!!」



ゴゴゴ・・・

女神杏子「・・・」

悪魔杏子「・・・」




キュゥべえ「ルシファー!?ルシファーじゃないか!」

キュゥべえ「何故・・・穢れを溜めた魔法少女が魔女ではなく、ルシファーに・・・」



キュゥべえ「はっ!」

ほむら「・・・」



キュゥべえ「なるほど・・・してやられたと言うわけだね・・・暁美ほむら」

ほむら「貴方の好きにはさせないと言ったはずよ」




ほむら「佐倉杏子は確かにソウルジェムを濁らせていた。
美樹さやかの幸福を願う気持ちと上条恭介の行動を責める気持ちで揺れ動いていた」


ほむら「魔女になりやすい精神はルシファー化しやすい精神状態でもあるのよ・・・
彼女は魔女になる寸前、ルシファーシードを挿してそれを回避した」


キュゥべえ「魔女化を回避したところでルシファーになってしまえばほぼ同じ事じゃないか・・・
僕はエネルギーを回収し損ねたけど・・・それが佐倉杏子の救いになるとは到底・・・」



ほむら「魔女と違ってルシファーは浄化する事で元の人間に戻る可能性がまだある」

ほむら「それが佐倉杏子の選択なのよ。仲間達ならルシファー化した自分を救ってくれると信じているから・・・」




ほむら「・・・!!」

ほむら「まどか達が来たわね・・・これ以上の長居は無用よ」

スッ(悪役ワープ)



~結界突入~


まどか「杏子ちゃん!」

さやか「杏子!!」


マミ「佐倉さんが・・・二人!!これは!」


なぎさ「ルシファー・・・!!杏子のルシファーなのです!!」

氷室「魔女化していない!?一体・・・」

キュゥべえ「佐倉杏子を魔女にすれば連鎖的に君たちの魔女化も誘発できると思ったんだけど・・・」

さやか「・・・!?キュゥべえ!!今回は暁美ほむらじゃなくお前の差し金か!!」


まどか「さやかちゃん!ルシファーなら今まで通り元に戻せる可能性があるよ!
消滅させざるを得なかった魔女化したあの娘と違って・・・」


キュゥべえ「並のルシファーならそうだろうね・・・しかし、今まで君たちが倒してきたのは
一般人のルシファーじゃないか」


一同「・・・!!」



キュゥべえ「魔女化寸前のソウルジェムがピークを迎え、より強大になった佐倉杏子の魔力を媒介に
あの二体のルシファーは生まれた」


キュゥべえ「魔法少女がルシファー化したモノとは戦っていないだろう?
アレは言うなれば、魔女二体分と考えていい」



キュゥべえ「魔女よりも厄介な存在になってまで魔女にはなりたく無かったらしい。
ボクには理解できないよ」



Ottilie(杏子のルシファー、女神側)

 美樹さやかの決意を肯定する佐倉杏子の精神体。
氷室(上条恭介)の行動も好意的に捉えている。

こちらの杏子は美樹さやかが自身を消滅させる選択をしたとしても、
例え上条恭介に騙されているとしても美樹さやかが幸せであればそれでいいと考える



Philine(杏子のルシファー、悪魔側)

 美樹さやかの決意に否定的な佐倉杏子の精神体。
氷室(上条恭介)の行動を批難している。

こちらの杏子は美樹さやかを自分のもとから離したくないと考えている。
正しいことのために自身を消滅させる選択を美樹さやかがするのなら、
それをいかなる手段を用いても阻止しようとする。

氷室(上条恭介)の嘘がいつかバレる脆いモノだと考え、
さやかがこれ以上傷つく前に二人を引き離そうとする。



女神杏子「HYUAAAAAAAAA!!」

悪魔杏子「GYOAAAAAAAAA!!」



マミ「来るわ!みんな・・・二手に分かれて!!」

なぎさ「なぎさとまどかは・・・マミと!」



さやか「じゃああたしは杏介君と!」

氷室「悪魔側の相手をするよ!!」


ガバッ(さやかぱんつ)

氷室「フォオオオオオオオオオオ!!!」




さやか「やっぱり何度見ても慣れないわ、これ・・・」

まどか「マジカル☆アローッ!!」


シュパァン!

女神杏子「ロッソ・ファンタズマ!!」



ズラッ

マミ「え・・・?何この数は・・・」


なぎさ「100人の杏子が一斉に襲い掛かってくるのです!」



ドドド・・・

まどか「きゃああ!!」


なぎさ「って・・・思ってたよりも・・・痛くない?」

マミ「佐倉さんの幻術は・・・質量を伴ったモノだったはず・・・なのに何故・・・」



マミ「まさか・・・ルシファー化して二人に分かれた時・・・女神側の能力が幻術魔法に特化されて・・・」


まどか「腕力が・・・悪魔側に?」


マミ「いけない!接近戦しかできない美樹さんが危ないわ!」





~氷室、さやか側~


さやか「あたしの防御力、回復力は杏子の攻撃力とピッタリ釣り合ってるの」

さやか「あたしが「壁」の役割をするから・・・そのスキに杏介君は演奏で杏子の心に呼びかけて!」



氷室「それって・・・さやかが攻撃を耐えている所を黙ってみてろって事かい?
僕に出来るかな・・・」

ぎゅっ(さやかの手)


さやか「だから!デートじゃないっつーの!杏子が大変な時に何やってるのよ!!///」



悪魔杏子「・・・」プルプル

悪魔杏子「さやかから・・・離れろーッ!!」


さやか「させない!」


キィン!

さやか「今よ!杏介君!・・・って・・・重っ!!」

さやか「杏子の攻撃力が・・・上がっている!?」



氷室「さやか!!」


さやか「あたしの事はいいから・・・早く!」


バイオリン仮面「・・・!」

♪~♪~♪



バイオリン仮面「!?」

悪魔杏子「さやか・・・なんでソイツを庇うんだよおおお!!」



バイオリン仮面「なんて事だ!!相手の心に入り込めない!」

さやか「ど、どういう事・・・!?きゃああっ!!」



ドシャアッ



バイオリン仮面「さやか!」


杏子から距離を取り、さやかを支える氷室


バイオリン仮面「僕の演奏は・・・それに対して少しでも「良い」って思ってくれる人じゃないと
全く効果が無い能力なんだ」



さやか「それって・・・」

バイオリン仮面「ああ・・・杏子側から「氷室」という人物を完全否定しているから・・・演奏は効果が無い」



バイオリン仮面「僕は相当に嫌われたらしい」



さやか「簡単な言葉で済ますなーッ!!」


悪魔杏子「最後の審判!!」



ドォーン!!



さやか「・・・げほっ、げほっ・・・どうすんのよ!!攻撃力じゃ勝てないわよ!!」


バイオリン仮面「なら・・・さやかの攻撃力を上昇させる演奏を・・・いや・・・
負担が大きくなればさやかのソウルジェムの濁りを早めるだけ・・・!!」



バイオリン仮面「相手が僕の演奏に同調してくれないのなら・・・僕から歩み寄る他は・・・」

バイオリン仮面(佐倉さんの心情を理解できれば・・・
佐倉さんの心に届く曲が弾けるはず・・・しかしどうやって・・・)



バイオリン仮面「ハッ!」

さやか「杏介君・・・?」


バイオリン仮面「さやか・・・頼みがある。そして・・・約束を破ることを許して欲しい」

バイオリン仮面「杏子のパンティを・・・僕にくれ!!」バァーン!

バイオリン仮面「さやかの素早さを見込んでパンティをずり下ろして欲しいんだ」

さやか「は!?」

バイオリン仮面「見て、あそこに倒れているのは杏子の本体だ」


杏子(ルシファー化した後の抜け殻)「・・・」


さやか「杏子!」

バイオリン仮面「僕がルシファーの注意を引き付けるから・・・
今抜け殻となってる本体の杏子からパンティを取ってきて欲しい」


さやか「そ、そんな事できるわけ無いでしょ!」

バイオリン仮面「さやか・・・僕の心配をしてくれるのは嬉しいけど・・・
さっき君は囮役を買って出たよね?それと同じ事を僕がするだけ・・・」



さやか「そうじゃなくて!なんで杏介君が杏子のパンティを被るための補助をあたしがしなきゃいけないのよ!!」


バイオリン仮面「君は・・・このまま杏子の意識を取り戻せなくなってもいいのか!?」

さやか「え・・ええええ!?」


さやか「杏子のぱんつと・・・杏子の意識にどんな関係性が!?」



バイオリン仮面「僕は被ったパンティの持ち主の心情をサイコメトリーする事が出来る」

バイオリン仮面「僕が杏子の心に響かせる演奏をするためには・・・杏子の気持ちを読み取る必要があるんだ!!」




さやか「・・・」

さやか「わかったわよ!今回だけだから・・・」



さやか「またあたし以外の娘のパンティ被ったら・・・今度こそ許さないから・・・」



バイオリン仮面「分かってくれてありがとう、さやか」



悪魔杏子「あたしの前で・・・さやかとイチャついてんじゃねー!!」



バイオリン仮面「こっちだ!来い、杏子!」



さやか「いまだ!」バッ



杏子(抜け殻)「・・・」

さやか「・・・」


さやか「杏子・・・ゴメン!!」


スルッ

さやか「・・・!!こ・・・これは!!」

さやか「縞パン・・・!!きょ、杏子が・・・縞パンを身につけている!?」


バイオリン仮面「それがどうかしたのかい?」

さやか「今、見滝原の女子の間で縞パンがブームなのよ」


さやか「縞パンなら好きな男子の心を射止められるっておまじないがあって・・・(噂の言いだしっぺ)」

さやか「ただの偶然・・・?それとも・・・杏子に好きな人が・・・」



バイオリン仮面「そ、そんな事は良いから、は、早くパンティを!」


さやか「杏介君!受け取って!!」


悪魔杏子「あ、あたしのパンティ!!///」

悪魔杏子「ぜ、絶対ダメだ!!アタシのパンティ!!アタシの感情を読まれてたまるか!!」



がしっ(悪魔杏子を押さえつけるさやか)
さやか「落ち着いて杏子!氷室君が、あんたを元に戻してくれるから!」



悪魔杏子「離せさやか!!アレは・・・アレは!」




ぱしっ


氷室「し・・・縞パンが男子の心を射止めるアイテム・・・」


氷室「確かに・・・これは来るモノがある・・・僕は縞パン好きだったのか・・・」ドキドキ




さやか「・・・杏介君が、杏子の縞パンにうっとりしてる・・・」

さやか「や、やっぱり噂は本当だったんだ・・・男子は縞パンが好きなんだ・・・」




悪魔杏子「ダメだ恭介ーッ!!被るなー!!」


ズポッ


氷室「フォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」



悪魔杏子「あ・・・あああああ!!///」


氷室「見える!見えるぞ!!杏子がさやかを想う熱い感情が!」


バイオリン仮面「バイオリン仮面ウィザード!フレイム(赤)スタイル!」バァーン


バイオリン仮面「今なら弾ける!杏子の心に響かせる演奏が!」

悪魔杏子「やめろ・・・これ以上アタシの心に触れるなーッ!!」

バイオリン仮面「僕の演奏を聞け!」♪~♪~♪

悪魔杏子「・・・」がくっ

バイオリン仮面「同調に成功した!今僕は杏子の思念に触れている!」

バイオリン仮面「これは・・・」


~杏子の記憶~

さやか「仁美が・・・恭介に告白するってさ」

杏子「そんで、あんたはどうするんだよ・・・」


さやか「どうにも出来ないよ・・・」

さやか「元々わかってたからね・・・契約前にキュゥべえは教えてくれたし(魔獣世界なので)」


さやか「普通の人間の体じゃなくなっちゃう事・・・それでも恭介のバイオリンをもう一度聴きたかったから・・・」


杏子「だったらなお更だ!高すぎる対価を支払っちまったんなら、もう自分の好き勝手に生きれば良いだろ!」

杏子「坊やに気持ちを伝えるのは悪いことじゃねーだろ!なんでアンタが諦める必要が・・・」



さやか「ありがと・・・でも、今すぐには割り切れないかな・・・」

さやか「仁美は明日までって期限決めてるし・・・」


杏子「おま・・・じゃあ何か!?自分が普通の人間じゃないってだけで、
これから先、好きな人が出来てもカンタンに諦めちまうのか!?」

さやか「相手があたし達と同じ立場の魔法少年とかだったら、
何も気にしないんだけどねー。なんつってー、ははは・・・」



杏子「それでもまだ仁美って奴とくっつくとは限らねーだろ!
あんたがそれだけ尽くしたんなら・・・きっとあんたの事気遣って・・・」

さやか「それは望み薄かなー・・・あたしは気持ちを直接伝えた訳じゃないし・・・」



バイオリン仮面「これは・・・まださやかと佐倉さんが仲良くなる前の記憶か・・・」





さやか「恭介、OKしたんだって」

杏子「・・・」



杏子「薄情な奴だな・・・恭介って」


バイオリン仮面「う・・・」



杏子「それが、アタシが感じたあいつの第一印象だった」

バイオリン仮面「え、なにこのナレーション」


和子「転校生を紹介します」

杏子「佐倉杏子だ。よろしくな」


さやか「杏子!?」

さやか「あんた・・・なんで・・・」

杏子「アタシの幻惑の魔法を使えば容易いことさ」

杏子「学校のお偉いさんに、アタシが転入生だと思い込ませたのさ」



杏子「それに、なんか・・・さやかの事ほっとけなくて、さ・・・」


~~~


魔獣軍団「ウォオオ・・・」
ぞろぞろ・・・



さやか「あいつ等が向かう先は・・・恭介の試験会場!?」

さやか「させるか!恭介に・・・恭介の夢を・・・お前らなんかに壊させるか!!」

杏子「さやか!無茶すんな!マミ達が来るまで待て!」



さやか「数が多い!このままじゃマミさん達が来る前に・・・」



さやか「うわあああああ!!」


カッ!

杏子「さやかあああああ!!」



シーン・・・

杏子「魔獣が・・・全部消し飛んでる・・・さやかは!?」

マミ「佐倉さん!」

ほむら「・・・あれは!」



さやか「・・・」しゅうう・・・


さやか「杏子・・・ごめんね・・・」


杏子「・・・!!」


しゅうう・・・

マミ「・・・逝ってしまったわ・・・円環の理に導かれて・・・
美樹さん・・・今の一撃に全てを・・・」


杏子「馬鹿やろう・・・惚れた男の為だからって・・・自分が消えちまってどうするんだよ・・・
せっかく友達になれたのに・・・」


~~~

恭介「25番、上条恭介です・・・課題曲は・・・アヴェ・マリア」

仁美「・・・」

バイオリン仮面「・・・!?この記憶は一体・・・!?」

バイオリン仮面「そうか・・・これが・・・魔女世界では無く・・・魔獣世界でのさやかの最期・・・
以前鹿目さんの記憶にあった物とは・・・別の・・・」

バイオリン仮面「佐倉さん自身も・・・さやかが一度消えたことを忘れているんだ・・・これは・・・
奥底にある封印された記憶か・・・」




ザザッ(砂嵐)


バイオリン仮面「記憶を改ざんした跡が・・・そうか・・・この後暁美さんが・・・世界改変を・・・」

バイオリン仮面「さやかは戻ってきたけど・・・世界そのものが偽りの町と化して・・・」

バイオリン仮面「佐倉さんが・・・さやかと同居することになった過程も省かれている・・・」



杏子「さやか、何見てるんだ?」

さやか「撮り溜めしてた恭介の演奏会」

杏子「未練がましいな~。まだ好きなら奪っちまえばいいのに・・・」


さやか「そんなんじゃないってーの!あたしは、友達のままでも恭介の夢を応援したいから・・・」

さやか「ほら、杏子も聞いてみなよ!絶対気に入るから」



杏子「・・・確かにいい音だな」

杏子「それに・・・さやかに八つ当たりしてた奴と同じ男とは思えない程かっこいいじゃん」


さやか「杏子!?」

杏子「さやかが惚れるのも解った気がする」



さやか「杏子!?だ、駄目だよ!今の恭介には仁美がいるんだから・・・」

杏子「バーカ、冗談に決まってるだろ?」


杏子「ま、あたしがもしも恭介に惚れたなら魔法少女の身体とか、相手に彼女がいるとか
関係無しに奪うけどね。坊や、仁美と話してても上の空みたいだし」


さやか「そうじゃ無くて!今のあたしは・・・杏子が彼氏とか作ってどこかに行っちゃうのが嫌なの!」

杏子「え・・・///」

さやか「あ・・・///」



杏子「馬鹿やろう・・・だから冗談だって言ってるじゃん・・・///」

さやか「そうだよね・・・ごめん・・・///」

杏子「あたしも今はこれが一番楽しいかな・・・」

杏子「さやかと一緒にいる、この時間が・・・///」


さやか「杏子・・・///」


バイオリン仮面「なるほど・・・これはいい物だ♀」

~~~

杏子「下着の魔法使い!正体を見せやがれ!」

バッ

恭介「・・・はぁ、はぁ・・・」

バイオリン仮面「これは・・・最近の記憶か・・・」



杏子「下着の魔法使いが恭介である事・・・それは恭介がさやかが魔法少女になってしまった事を
知っている事を意味する」

杏子「さやかはもう十分に傷ついた。だからあたしは・・・これ以上さやかが傷つかない為に・・・
恭介の嘘に乗っかった」



杏子「下着の魔法使いを・・・氷室と言う人物にでっち上げ・・・苗字が違うから、
あたしの母方の親戚と口裏も合わせて・・・」


さやか「ねえ杏子、氷室君ってどんな人なの?」

杏子「え」



杏子「お、お前まさかアイツを・・・」

杏子「あいつだけは止めとけ!下着被る変態だぞ!!」



さやか「いや、そんなんじゃ無いし・・・まぁ変態なとこ以外は
恭介と似た雰囲気があるのは認めるけど・・・声も似てるし・・・」

さやか「前にちょっと言ったじゃん。あたし達と同じ立場で男の子・・・魔法少年的な奴がいたら、
あたし達の理解者になってくれるんじゃないかなって」



杏子「そ・れ・で・も、やめとけ!」



杏子「アイツは・・・野獣だぞ!」

さやか「ファッ!?」




杏子「小さい頃同じ風呂に入ってたけどその頃からあたしの体を嘗め回すように見てたし
(恭介とさやかの幼児期のエピソードの改変)」


杏子「あたしの実家の教会で何度もごっこさせられたぞ!あたしは親戚同士だから無理だって言ったのに・・・」



さやか「え?実妹とかじゃなくて、親戚なら結婚できるけど?」

杏子「え」



さやか「ん?」


杏子「ともかく!あいつは・・・女なら誰でも良いって奴だし・・・」

杏子(事実、先に告白されてたら、仁美やさやかどころか、まどかやアタシにまでOK出しそうないい加減な奴だし・・・)





杏子「さやかが・・・次第に氷室に惹かれていくのは当然だった・・・中身は上条恭介そのものなんだからな・・・」

杏子「一つの救いは・・・話しているうちに恭介は恭介でちゃんとさやかの事を大切に思ってるって
わかった事だ」


杏子「あたしの中で恭介は「薄情な奴」って考えはこの時にはすでに無かった気がする」

杏子「そして、さやかと氷室は付き合い始めた」

杏子「仲良くなる二人を見てると寂しくなった」

杏子「恭介がナニを考えてOKを出したかわからない。もしもさやかの気持ちを弄んでるのなら、許せなかった」



杏子「だからアタシは、恭介を呼び出して真意を問いただした」


恭介「僕はさやかが好きなんだ」




杏子「それだけで十分だった」

杏子「誰もさやかと恭介の間を裂く権利なんて無い。最後はお互いに傷つくだけだってわかってながら・・・
アタシは二人の仲を認めるしかなかった」




パリィーン(杏子の意識の深いところに潜り込んだ恭介)


恭介「佐倉さん!」


杏子「・・・」

杏子「人の心を・・・随分と覗いてくれたじゃねーか・・・」




恭介「あ、ごめん・・・」

恭介「だけど・・・君の心は伝わったよ」



杏子「な・・・!?///」

恭介「君はこんなにも・・・」



杏子「ば、馬鹿よせ!やめろ!!そんなんじゃ・・・///」


恭介「こんなにも・・・さやかの心配をしてくれていたんだね」



杏子「え」


杏子「・・・」

杏子「こりゃ、さやかと仁美も苦労するわけだ」

恭介「え?」


杏子「じゃあ、それで。あたしがさやかの事しか考えてないって事でいい」


杏子「どうせ・・・女同士でそんなの変だってあんたは思うんだろ?」

恭介「思うわけ無いだろ!!」


杏子「・・・!?恭介!?」


恭介「さやかを心配する気持ち・・・そこに男だからとか女だからとか関係無いよ!」

恭介「僕と同じなんだ君は・・・そんな人を、変だって思うはず無い!」

杏子「・・・」


杏子「あんたは・・・これからさやかの事・・・どうするつもりだい?」

恭介「僕も君と同じ様にさやかを失いたくない」


恭介「だけど・・・最後の決断はさやかに任せるつもりだよ。さやかが望む結末を全力で叶えてあげたい」

恭介「たとえ円環の理に還るのが運命だとしても・・・」



恭介「さやかと一緒にいたいって願ったのは・・・僕の勝手なわがままだから・・・」


恭介「もしもさやかが消えなきゃならないのなら・・・
さやかの最期を見届けて・・・今までのことを全て正直に謝るつもりだ」



恭介「それが・・・さやかが叶えた願いへの・・・礼と贖罪になるのなら・・・」



恭介「だからこそ・・・最期のその瞬間まで・・・さやかと一緒にいたいって・・・
さやかに幸せな夢を見させてあげたいって・・・」




杏子「そっか・・・」

杏子「さやかの事・・・好きだっていうのは本気みたいだな・・・」



杏子「でも・・・だからって仁美を裏切るような事はするなよ?それはさやかが望んでることじゃない」

杏子「自分があんたと結ばれる事以上に・・・あいつはあんたの幸せを望んでいるからさ・・・」



恭介「仁美さんも大事にしたいっていうのも・・・間違いなく上条恭介の感情だ」

恭介「だけど今・・・さやかがすぐにでも消えてしまう存在なら・・・僕はさやかを・・・」



杏子「さやかの事・・・あんたに任せるよ」

杏子「悪かったな・・・あんたとさやかに対するやきもちなんかで手間かけさせて・・・」



恭介「佐倉さん・・・」


杏子「杏子で統一してくれ。氷室の時は親戚っていう設定だし」

恭介「杏子・・・さやかを・・・さやかをこんなにも好きでいてくれて・・・ありがとう・・・!」



杏子「さやかはズルいな・・・」

杏子「もっと別の出会い方してれば・・・あたしも・・・」



恭介「え・・・?」


~現実世界~



バイオリン仮面「・・・」

さやか「ネガティブ(悪魔側)の杏子の精神が浄化されていく・・・」

さやか「マミさん達は!?あっちの戦いはどうなったの!?」




マミ「任せておいて、こっちも仕上げよ」


マミ「ティロ・フィナーレ!!」



ドォーン


しゅううう・・・



なぎさ「杏子の精神が本体へと戻っていくのです!」


まどか「杏子ちゃん!」



杏子「あ・・・あたし・・・」

さやか「杏子!」がばっ





さやか「良かった・・・良かったよ杏子・・・杏子が戻ってきてくれて・・・」

さやか「ごめんね・・・あたし・・・またいつの間にか自分の事ばかり考えてた・・・」


さやか「杏子はいつでも・・・あたしの事心配してくれていたのに・・・」



杏子「さやか・・・」




どろっ・・・

ほむら「!?」



ほむら「何をしているのさやか!!早く杏子のソウルジェムを浄化しなさい!」


さやか「ほむら!?」


杏子「うっ・・・」ゴゴゴ・・・

バイオリン仮面「!?ど、どういう事だ!?ルシファーを倒したのにソウルジェムの穢れが浄化されない!」



キュゥべえ「それは、一般人がルシファー化した場合のルールだろう?」

キュゥべえ「魔法少女のソウルジェムの穢れを浄化するのは例外なく
グリーフキューブ、またはグリーフシードで無ければならない」

キュゥべえ「精神を蝕んでいた「悩み」が晴れたとしてもソウルジェムが浄化されるわけでは無い」


ほむら「さやか!これを!!」ぱしっ

さやか「!!ルシファーシード!?」

キュゥべえ「そうそう、暁美ほむらが作り出すルシファーシードも同じ作用をもたらしたね」


キュゥべえ「だけど・・・」


ぱくっ

さやか「!!ルシファーシードが!」

マミ「キュゥべえ!?あなた何を!?」




キュゥべえ「悪いけど妨害させてもらうよ」

キュゥべえ「せっかく佐倉杏子が今度こそ魔女になるという時に・・・横槍は入れてほしくないからね」



キュゥべえ「そして駄目押しに・・・この映像を見てもらおうか」


キュイイイ・・・


杏子「・・・!!こ、これは・・・」





杏子「あああ!!あああっ!!」

ズキィン!ズキィィッ!!




バイオリン仮面「杏子!!」


バイオリン仮面「キュゥべえ!!杏子に何を見せている!?」




キュゥべえ「幾通りもありえる未来の映像さ」

キュゥべえ「恭介がさやかはもちろん
、仁美やマミ達と恋人同士になる「ありえるかもしれない」未来の映像を見せている」




キュゥべえ「ただしその組み合わせから恭介×杏子を除外した映像をね」




バイオリン仮面「なぜそんな事を!?そしてなぜそれで杏子は苦しんでいるんだ!?」

キュゥべえ「気づいていなかったのかい?天然ジゴロとは君みたいな人の事を言うんだね」



バイオリン仮面「!?」

さやか「ま、まさか杏子!?」


キュゥべえ「君は実にすばらしいよ恭介・・・まさにハーレムという名の固有結界と言っていい」

キュゥべえ「佐倉杏子もまた・・・恭介の結界に捕らわれてしまったという事さ」


バイオリン仮面「インキュベーター!!」

キュゥべえ「君を魔法使いにして良かった・・・大好きだよ。恭介・・・」ゴゴゴ・・・

杏子「さ・・・や・・・か・・・」


ピギィ!

さやか「杏子ーッ!!」



ゴゴゴ・・・

杏子(抜け殻)「・・・」


ドサッ



一同「・・・!!」


武担の魔女「KYOAAAAAAAAA!!」



さやか「杏子が・・・魔女に・・・」


さやか「嘘・・・でしょ・・・」


ほむら「・・・!!」



バサァッ(悪魔化)

さやか「!!アンタ、一体何を!?」


悪魔ほむら「アレを殺すわ」


悪魔ほむら「円環の理が機能していない今、魔女を消滅させるには殺すしかないのよ」


悪魔ほむら「魔女は魔女よ・・・元の姿に戻るなんて・・・有り得ないことだから・・・」



さやか「冗談だよね・・・」


さやか「ルシファーが人間に戻るように・・・もっと他に手があるんだよね?杏子を元に戻す方法が・・・」

悪魔ほむら「事実よ。受け入れなさい」



悪魔ほむら「だからこそ彼女は自分にルシファーシードを挿してそれを回避しようとしたのよ・・・」

悪魔ほむら「インキュベーターがああいう手段に出たのは私の失念だったわ・・・それは認める。だからこそ殺すの」



さやか「まどか!ねぇ、まどか!!」


まどか「・・・」

さやか「まどかなら・・・なんとか出来るんでしょ!?円環の理そのものなんでしょ!!」



さやか「杏子を助けてよ!こんなのって・・・無いよ!!」

悪魔ほむら「言ったでしょ・・・まどかの記憶と力は完全に戻ってるわけじゃないと」

悪魔ほむら「例え思い出したとしても・・・杏子を元には戻せない。円環の理は
あくまで救いがある「消滅」でしか無いから・・・」

悪魔ほむら「でもね・・・杏子を取り戻す方法が無いわけじゃないのよ」

さやか「え・・・」


悪魔ほむら「ワルプルギスによるリセットを受け入れなさい。そうすれば繰り返す世界で
またあなたは佐倉杏子に会えるわ」


さやか「ふ・・・ふざけるな!!」

悪魔ほむら「大切な人を取り戻す・・・私の今の姿と力は・・・そのための物なの」


さやか「・・・!!」

悪魔ほむら「杏子を取り戻すためにいちいち手段を選ぶつもりなら・・・諦めるしかないわ」




悪魔ほむら「今は・・・一般人に被害が出る前にあの魔女を殺すしか無い」

悪魔ほむら「あなた達は気が引けるでしょう?だから私がするのよ」



さやか「・・・」



さやか「あたしがやるわよ・・・」


悪魔ほむら「!?」



マミ「美樹さん・・・」

なぎさ「さやか!?」




さやか「元はと言えば・・・あたしに責任があるんだし・・・」

バイオリン仮面「違う・・・さやかのせいじゃない」



さやか「杏介君・・・お願いがあるんだ」


バイオリン仮面「・・・」

さやか「杏介君の演奏は・・・あたしが忘れている記憶に干渉できるんだよね・・・」



さやか「あたしが忘れてる・・・杏子との記憶・・・それを思い出さなくちゃいけない気がするの」



さやか「あたしが戦ってる間・・・演奏してほしいな」

バイオリン仮面「さやか・・・」



バイオリン仮面「わかった・・・出来るだけやってみるよ」

まどか「さやかちゃん・・・」


さやか「皆は手を出さないで・・・暁美ほむら・・・あんたも」


さやか「杏子だけは・・・あたしが・・・やらなくちゃいけないから・・・」

さやか「ほむら・・・」

ほむら「・・・」


さやか「あんたが・・・まどかを裏切ってまで取り戻したかった物・・・今なら解る気がする」

さやか「だけど・・・あたしは・・・あんたとは別の道を行くよ」

さやか「正しい事のために・・・あたしはこの力を使う・・・!」

さやか「杏子を・・・魔女になったみんなを・・・これ以上苦しませたくないから・・・」



バイオリン仮面「・・・」


♪~♪~♪(オクタヴィアのテーマ)


さやか(なんか・・・懐かしいな・・・)


武担の魔女「HYUAAAAAA!!」


増えた魔女(ロッソ・ファンタズマ)が一斉に襲い掛かる
それを一振りでなぎ払うさやか


さやか(こんなに辛いはずなのに・・・何もかも懐かしいよ)

さやか(あの時とは・・・立場が逆になっただけ・・・だもんね)



ドバァッ

地面から突き出す槍。抵抗しないまま刺され、宙吊りになるるさやか



まどか「さやかちゃぁん!!」


なぎさ「ひどいのです・・・」

マミ「もう、見てられないわ!」バッ



ほむら「やめなさい」

ほむら「美樹さやかが望んだ事よ・・・手出しは許されないわ」




さやか「今・・・全部思い出したよ杏子・・・」

さやか「あの時のあんたも・・・こんなに痛かったのかな・・・」


さやか「一人ぼっちは・・・寂しいもんね・・・」



さやか「あたしもすぐに・・・そっちに行くからね」


人魚の魔女「GYAAAAAAA!!」ゴゴゴ・・・


ほむら「あれは・・・!!」


まどか「さやかちゃん!!」

杏子「まぁ・・・恭介がどうのって言うわけじゃなくて・・・正直言うと家族ってのに憧れてるかな」

さやか「杏子・・・?」


杏子「あたしの家族は・・・あたしのせいで死なせちまった様なもんだし・・・」

杏子「だから・・・これから先さ・・・あたし達魔法少女も・・・普通に結婚してさ・・・」


杏子「普通に子供を産んで普通に家庭を持つような・・・そんな普通な幸せが許されても良いんじゃねーかな・・・
なんて・・・」


さやか「杏子・・・」


さやか「なんか、可愛い」

杏子「な・・・!?///」


さやか「よし、それまではあたしが、見滝原の皆が杏子の家族だからね」

さやか「ほら、お姉ちゃんだと思って甘えてみ?ほらほら」



杏子「やめろ馬鹿!お前のどこがお姉ちゃんだ!どっちかと言うと手のかかる妹だ!うわ!くっつくな!!」



カッ!!


しゅうう・・・


まどか「杏子ちゃんが・・・消え・・・」


マミ「嘘吐き・・・」

なぎさ「マミ・・・」



マミ「私より先に逝かないっていったのに・・・佐倉さんの嘘吐き・・・!!」

マミ「うわあああああああああ!!」ドサッ



さやか「・・・」


バイオリン仮面「さやか・・・!!」




さやか「ねぇ・・・杏介君・・・」


さやか「杏介君の能力・・・本当は・・・あたしの記憶の深い所・・・
円環の記憶と力・・・そこまで潜り込めるんじゃないかな・・・」



バイオリン仮面「・・・」


恭介(そうだ・・・さやかは・・・昔から・・・)


さやか「もう・・・杏子みたいな子をこれ以上増やしたくない・・・だから・・・」

さやか「あたしに・・・円環の騎士としての力を・・・蘇らせてよ!」

恭介(さやかは正義を貫き・・・そして僕は・・・さやかを失う・・・) 【続く】

銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード!!」


さやか(5歳)「こらー!きょうすけくんをいじめるなー!」

きょうすけ(5歳)「ぼく、なさけない・・・」


ひとみ(5歳)「あちらのおかたは?かみじょう、きょうすけくん?」

恭介父「恭介、一曲弾いて上げなさい」



仁美「私・・・さやかさんに・・・ひどいことをしたのに・・・」

壁ドンッ


恭介「黙れよ・・・」

仁美「・・・///」



銀河万丈「第10話!!」


きょうすけ「さやかちゃんとひとみちゃん」



銀河万丈「ハーレムは誰にも崩させない!」

恭介「自分にとって「大切な人」が誰かを考えることがある」

恭介「ある歌ではそれは「恋人」だと言った」

恭介「僕にとっての仁美さんはそうだろうか。
復学して間もない頃彼女の告白を聞き、断る理由が無いから交際を始めている」


恭介「また、ある歌はそれを「親友」だと言った
医者に見離された怪我を最後まであきらめないでと励ましてくれた幼馴染の少女
僕にとってのさやかは「大切な人」なのだろうか」



恭介「きっとそれは・・・何よりも「失いたくない」と感じる気持ちなんだろう」

恭介「僕にとってのそれは・・・今までバイオリンだった・・・
バイオリンさえ弾ける身体なら・・・他に何もいらないと思っていた」



恭介「でも今は・・・失いたくない人達がいる」



仁美「あの・・・恭介さん?」

恭介「なんだい?」


仁美「さやかさんの気持ち・・・気付かれていたんですね・・・」


恭介「・・・」



恭介「うん・・・とは言っても、仁美さんと付き合うようになってからなんだけどね・・・」


仁美「私・・・恭介さんに気持ちを伝える前の日・・・さやかさんに・・・」

仁美「さやかさんに・・・ひどい事を・・・」



壁ドンッ


恭介「黙れよ・・・」

仁美「えぇっ・・・!?///」




恭介「仁美さんは・・・自分の気持ちに一生懸命向き合っただけなんだよ・・・さやかの事は気にしないでいい」

恭介「確かに・・・先に僕がさやかの気持ちに気付いていたなら・・・さやかを選んだかもしれない。でも・・・
そんな「もしも」の事を話していたらきりがないじゃないか・・・」


恭介「仁美さんが罪悪感を感じることなんて何一つ無いんだ」


仁美「きょ、恭介さん・・・///」ポッ



仁美(あ、憧れの壁ドンキタァーッ)



恭介「仁美さんは、自分の気持ちから逃げ出さずに行動するタイプの人だ」

恭介「だからこそ・・・好きだと言って貰える事がどれだけ本気か解ったんだ・・・ただその気持ちが嬉しくて・・・」



恭介「今の僕は・・・仁美さんを失いたくない」

さやか「あたしは消えたって構わない・・・「円環の理」の力と記憶を、あたしに呼び覚ましてよ!」


恭介「僕は知ってるよ・・・君が正義感の強い子だって事を・・・」

恭介「見返りを省みず正しい事に突き進むその性格が・・・時折自分自身を傷つけていた事も」

恭介「さやかが・・・自分の気持ちから逃げ出さざるを得なかった経緯を・・・」


恭介「辛い時もずっと支えてくれた親友・・・僕はさやかを失いたくない」

恭介「だけど・・・ずっと前から解っていたんだ・・・君が選ぶだろう道を・・・」



恭介「ずっと昔から・・・僕はさやかの事を知っているよ・・・」




~~~


きょうすけ(5歳)「うわっ!」ドサッ

園児A「かなせんせ~!きょうすけのやつまた、ようちえんにバイオリンもってきてるよ~」


原田(幼稚園教師)「いいのよ。コンクールが近いから幼稚園でも練習させてほしいって
きょうすけ君のお父さんが言ったのよ」


園児A「でも、ぼくのおもちゃはだめだったよ!ぼっしゅうされたよ!」

原田「後で返したでしょ。ほら、きょうすけ君にごめんなさいしよ?」



園児A「いーやーだー!ぼっしゅう!ぼっしゅう!」

園児A「きょうすけのバイオリンもぼっしゅうするんだー!」


きょうすけ「や、やめてよ!!」



さやか(5歳)「なにやってるのよ!あんた!きょうすけくんをいじめるなー!!」

園児A「うわっ!みきだ!!にげろー!!」



さやか(5歳)「まてー!!」




きょうすけ「さやかちゃん・・・」

さやか「だいじょうぶ?きょうすけくん」



きょうすけ「ありがとう・・・だけどぼく・・・なさけない」

さやか「いいんだよ!きょうすけくんのては・・・
なぐったりするんじゃなくて、すてきなきょくをひくためにあるの!」


さやか「きょうすけくんはそれでいいんだよ」

きょうすけ「さやかちゃん・・・」


原田「それじゃあ、絵本でも読みましょうか・・・えっと・・・「人魚姫」!」

さやか「わーい!あたし、かなせんせーの癒し系ポイズン声での、ろうどくだーいすき!」

~読み聞かせ終了~


さやか「うぐっ・・・ひっく」ぐすん

きょうすけ「さやかちゃん!?」



さやか「やだよぉ・・・にんぎょひめさんかわいそうだよぉ・・・」


うわーん


園児A「・・・!!」


園児A「みきのじゃくてんをみつけたぞ!あしたは・・・おれがみきをいじめてやる!」




きょうすけ「あ、あいつ!わるいことかんがえてるな・・・!さやかちゃんにふくしゅうするつもりだ!」


きょうすけ「こ、こんどはぼくがさやかちゃんをまもらないと・・・」



次の日

きょうすけ「ぼくがにんぎょひめのものがたりを・・・あたらしく書き直したこの本をあげるよ」

きょうすけ「だから・・・げんきだしてよ」



さやか「ありがとう、きょうすけくん」


松来「青春ですね~」

原田「みゆ先生はあの子達に先越されちゃいそうですね」



松来「やめて!それだけは言わないで!」




さやか「しゃこうじれい?」

きょうすけ「とうさんのせんぱいとかじょうしとかいうひとのパーティに参加しなくちゃいけないんだ」


きょうすけ「おとなのつきあいっていってたっけ・・・ぼくにはよくわからないけど」

さやか「じゃあこんどのにちようびはあそべないんだね・・・ざんねん」




~社交辞令のパーティ~



きょうすけ「ん?まいごかな・・・?さやかちゃんとおなじくらいのとしかな?」


きょうすけ「ねぇ君、どうしたの?」

ひとみ(5歳)「あなたは・・・?」


きょうすけ「どうせおとなばかりでつまらないし・・・
お父さんお母さんのところに帰るより外でおはなししないかい?」

ひとみ「これは・・・?」

きょうすけ「えっと・・・おじょうさまだからわからないかな・・・いわゆる「しょみんのあそび」って奴だよ」



ひとみ「しょみん・・・?わたくし・・・パーティに来るのはてっきりおなじようなひとたちだとばかり・・・」

きょうすけ「いつもいっしょにあそんでくれる子がおしえてくれるんだ」



恭介父「恭介!ここにいたのか!」


仁美父「仁美!?勝手に出歩いて・・・」

ひとみ「おとうさま!」



ひとみ「わたくし・・・こちらのおかたにしょみんのあそびを教えていただいてましたの・・・」

ひとみ「とてもたのしい時間でしたわ・・・」



仁美父「いいからもう入りなさい。お前を会わせなきゃいけない人たちがたくさんいるんだ」


恭介父「志筑さん・・・この度は息子がご迷惑を・・・」

仁美父「いや、良いんです・・・子供のした事です。私も娘も・・・挨拶周りで退屈していた所ですし・・・」




恭介父「恭介・・・父さんが昔世話になった人が・・・どうしても演奏を聴きたいと言って来てね・・・」

恭介父「断りきれなかったんだ・・・一曲・・・弾いてくれるかい?」



きょうすけ「しょうがないな父さんは・・・」



ひとみ「あ・・・あの・・・」



♪~♪~♪

ひとみ「あちらのおかた・・・お名前は・・・」


ひとみ「かみじょう・・・きょうすけくん?」



ひとみ「そつえんご、どちらの小学校に?」




見滝原小学校入学式


仁美「上条君・・・私の事覚えてくださいますかしら・・・」

仁美「声・・・かけてみようかな・・・でも一緒のクラスになれませんでしたし・・・」


仁美「あ、上条・・・く」



恭介「一年生から、またさやかと一緒だね」

さやか「うん、周り知らない子ばっかりだし。何かほっとしたよ」

仁美「・・・」




仁美を通り過ぎる恭介とさやか

仁美「とても仲良さそうな二人ですわ・・・」

仁美「覚えているわけ・・・無いですわよね」



仁美「だってあの時・・・名乗ってもいなかったのですもの・・・」

仁美「切り替えるしか有りませんわ・・・いったんこの想いは心の奥に仕舞ってしまいましょう」


仁美「でもいつか・・・縁があれば改めてお友達になって・・・」




恭介「最初に感じたのは・・・小学校3年生くらいになってからかな・・・」


昼休み

男子「上条ーお前もサッカーやるか?」

恭介「いや、遠慮しておく。僕はまた音楽室で練習するよ」


男子「なんだよ・・・人数足りねーじゃん、そうだ!美樹!お前入れよ」

さやか「何よもう!あたしも久しぶりに恭介の練習に付き合いたかったのに!」


男子「お前に音楽とか似合わないし!」

さやか「なにおぅ!」


男子B「美樹は俺達のチームな!美樹がいるとたいてい勝てるんだよな」

男子「勝手に決めるんじゃねー!ジャンケンさせろジャンケン!」



さやか「恭介ゴメン、なんか勝手に進められてるみたいだから・・・あたし行くね」


恭介「さや・・・か・・・」



恭介「・・・」


音楽室

♪~♪~♪


恭介「僕も・・・バイオリンだけで無く運動神経もあれば・・・昔みたいにさやかと遊べたのかな・・・」

恭介「でも仕方ないよね・・・さやかよりもたくましい男子じゃないと・・・さやかには着いていけないだろうし・・・」



恭介「3年生になったあたりから・・・さやかは僕以外の男子の友達が増えた気がする・・・
それだけでなんとなく寂しい気分になるのはなぜだろう・・・」



恭介「鹿目さんと同じクラスになったのは・・・5年生になってからだっけ・・・」

さやか「あんた達・・・クラスが変わってもまだまどかをいじめているの!?」

女子A「い、いやこれは・・・」


まどか「み・・・美樹さん、もういいよ!もうやめ・・・」


パチーン

女子A「・・・!!」



さやか「いじめられる側にも理由があるってよく言うけどね・・・あたしはそんなの認めないよ」

さやか「いじめる奴が一番悪いに決まってる!!」





恭介「さやか・・・」


恭介(そうか・・・僕はあの時から・・・)

恭介(正しい事を信じる・・・さやかのその心が好きだったんだ)

恭介(さやかに他にも友達が出来ても構わないじゃないか・・・さやかはさやかなんだ・・・)



恭介(僕は僕のやるべき事をするだけさ)



小学校卒業直前

~コンクール会場~


♪~♪~♪

さやか「・・・」



さやか「恭介すごいよ!また上手くなってるじゃん」

恭介「ありがとう」



恭介(昔より一緒に遊んだりする時間は減ったけど・・・さやかはコンクールには必ず来てくれる)

恭介(今となっては・・・音楽が僕とさやかを繋ぎとめている絆のようなものかな・・・)



恭介(お互いに別の友達もたくさん出来た。すこし寂しい気分になる時もあるけど・・・今はこれでいい)

恭介(バイオリンさえ弾ければそれでいいんだ・・・)


さやか「えへへ・・・」

恭介(さやかの笑顔は・・・やっぱり落ち着くな)



コンクール会場に来ていた仁美が会場を振り返る

仁美「結局・・・6年間の間、一度も上条君とも美樹さんとも同じクラスになれませんでしたわ・・・」


~見滝原中学入学式~

恭介「さやかは部活に入るのかい?」

さやか「うーん・・・運動部の予定は無いかなー・・・やるとしても助っ人とか」


恭介「そっか・・・運動神経良いのにもったいないな」

さやか「中学生からはあたしも・・・ちょっとは女の子らしくなろうかなって・・・」



恭介「・・・?同じクラスの男子に好みの生徒でもいたのかい?」

さやか「あれっ」がくっ



仁美「あの・・・」

さやか「ん?あなたは確か同じクラスになった・・・えっと・・・」

恭介「志筑さんだよ・・・小学校も一緒だったじゃないか」



仁美「・・・!!お、覚えてくださいましたか」

恭介「でも、今まで同じクラスになった事が無かったよね。改めて「初めまして」、上条恭介です」

仁美「あらっ」がくっ



さやか「美樹さやかだよー。よろしくね」


仁美「し、志筑仁美です・・・」


さやか「そうだ!まどかの事も紹介してあげる!こっち来て!」

ぐいっ

仁美「わ・・・ちょ、ちょっと・・・美樹さん!?」


さやか「いいからいいから!きっと志筑さんもまどかの友達になれるから!」

さやか「あ、そうだ。仁美って呼ぶね!あたしの事もさやかって呼んで!」



仁美「・・・」


仁美「わかりましたわ、さやかさん」


恭介「ははは・・・さやからしいや」



中沢「・・・あの上条って奴・・・やたらと女子の知り合いが多いな・・・」

中沢「あいつと友達になれば俺も・・・よし、」


中沢「上条君、これから男子達でカラオケ行くんだけど・・・君もどうかな?」(爽やかスマイル)


~~~カラオケ、女子側
さやか「こういう普通の女子の集まりってやっぱりお嬢様だと抵抗ある?」


仁美「いいえ。とっても楽しいですわ」



仁美「さやかさんといると・・・昔少しだけ遊んだ友達を思い出しますの」

さやか「ん?意味深な赤らみ・・・ま、まさか初恋の人!?」


仁美「かも知れませんわね。でも・・・その後話すことがなくて一度は諦めましたわ」


~~~


中沢「え?上条君は美樹さんと付き合ってるわけじゃないの?」

恭介「違うよ」



中沢「じゃあ俺、狙っちゃおうかな・・・」

恭介「え」


中沢「お、今すごい焦った顔してたぞ。やっぱり美樹さんの事・・・」

恭介「い、いや・・・そんな事は・・・」




~1年次社会科見学~

魔女の結界に巻き込まれるさやかとまどか



さやか「え、なによこれは・・・」

まどか「子供の笑い声が聞こえる・・・怖いよ」



杏子「出口はそっちじゃないよ、あっちだ」


まどか「どなたか知りませんけど、ありがとう!」


さやか「さ、まどか、こっちだよ!!」


まどか「待ってさやかちゃん、わたし足ひねっちゃったみたい」

さやか「え」


まどか「必ず後で追いつくから・・・さやかちゃんだけでも先に・・・」

さやか「んな事できるかー!!」



さやか「ほらまどか!早く乗りな!!」(おんぶの体制)

まどか「え!?ええええええ!?」




カッ(外の光)


さやか「ふう・・・どうやら集合に間に合ったみたいだね」


和子「明日から三者面談です。進級前に自分の進路のこと、少しでも考えておくように」


さやか「げ」

和子「さやかちゃんは・・・とてもいい子です。困ってる生徒がいたら、放っておけない性格みたいで・・・」

和子「男女問わず仲の良い子が多いです。だけど・・・」



和子「宿題を・・・提出してません」

さやか母「・・・」プルプル



さやか「ご、ごっめーん」

さやか母「さやかああああああああ!!」




恭介「あ、さやか、今終わったところかい?」

恭介母「こんにちは。さやかちゃん、しばらく見ない間におっきく(意味深)になったわね」


さやか「恭介とお義母、じゃなくておば様・・・」



恭介「さやかはどうだった?面談」

さやか「・・・ボロボロですよー!!」



さやか「正義感を持った良い子だけど、勉強が・・・って言われて・・・」


恭介「うん。とってもさやからしい結果だね」

さやか「きょうすけええええ!?」



恭介「ごめんごめん。馬鹿にしたわけじゃないよ」

恭介「昔から変わらないさやかが・・・なんだか微笑ましくてね」



恭介(そうだよ・・・さやかはそれで良いんだ)


恭介(さやかの勇気や優しさに救われる人たちがこれからもいる。そして僕もその一人だったんだ)


恭介(だからこそ・・・僕もさやかの親友として、対等でありたいって思ったんだ)

恭介(たった一つだけでも誇れること・・・僕はバイオリンを弾き続けるよ)



恭介(他の男子のようにやんちゃにはなれないけど・・・それでもさやかは、僕の友達でいてくれるかな?)


恭介(いつかはさやかに頼られる自分になりたいな・・・)



12月24日 クリスマスイブ

和子先生の憂さ晴らしクリスマス会


和子「デート中に静電気が来たら彼氏はつないだ手を離しますか?我慢しますか?はい、中沢君!」

中沢「ええ!?えっと・・・我慢するのが正しいんじゃないでしょうか・・・」

さやか「駄目だったか・・・」

まどか「駄目だったんだね・・・」

和子「今日は先生のおごりです。いっぱい食べて飲んで、騒いでくださいね」

さやか「やったー!」

恭介「さやか・・・子供みたいだよ」

さやか「こ、子供じゃないもん!来年はどうなってるかわからないんだから!!」


恭介「・・・?どういう意味だい?」

さやか「来年度のさやかちゃんの目標その1!来年は彼氏と二人きりのクリスマスを過ごすのだー!!」


恭介「え・・・!?」ぷるぷる

さやか「なんちゃって・・・って恭介?」



恭介「ああ、そうだね。さやかならきっと素敵な彼氏を・・・」

さやか「もおおおおお!!そうじゃないってーの!!」


ワイワイ がやがや



恭介(そうだよな・・・さやかだって・・・年頃の女の子なんだ・・・気になる男子の一人くらい・・・)


さやか「仁美は今日、家族と一緒じゃなくて良かったの?」

仁美「ええ。こういうクリスマスも悪くありませんわ」


仁美「それに・・・」チラッ

恭介「・・・?」




女子生徒「さやかー!コスプレ衣装あるんだけど・・・着ていかない?」

さやか「ああ~いいっすね!」



さやか「じゃーん!チャイナさやかちゃんの登場ですよ!!」


男子生徒「うおおおおおおお!?」


まどか「さ、さやかちゃん・・・すごくセクシーだよ!!」



中沢「腰とか胸とか尻とか太ももが」ぼそっ

恭介「うわあああ!?中沢!?耳元で話しかけるな!!」




中沢「お前は知っていたのか?美樹があれだけエロい身体してたって事」

恭介「エロ・・・って・・・さやかをどんな目で見てるんだ君は!」



恭介「他の部位はともかく・・・胸はさすがに衣装のオプションパーツのパッドだと思うよ」

恭介「さやかはあそこまで胸は大きくなかったはず。僕が証明してあげるよ」


中沢「お、おい上条!?」

恭介「さやか・・・見栄を張っちゃいけないよ、パッドを入れるほど色気づくにはまだ早・・・」
むにっ

恭介「あ・・・れ・・・!?」



さやか「な・・・な・・・な・・・!!///」

男子生徒「はあああああああああああああ!?」ムカッ



仁美「・・・!!」ぴくぴく



中沢「かかかか・・・上条が!上条が美樹のおっぱいを・・・!!」

さやか「きょきょきょ・・・きょうすけのえっち!!」バチーン



恭介「うわっ!!」ドシャーン




女子生徒「きゃああああああ!!」

女子生徒「か、上条君って変態だったのね!!」



恭介「ち、違う!!ぼ、僕は・・・」

恭介「僕はただ・・・明らかにいつもより大きい気がしたから・・・
絶対パッドだって確証を持って行動したのであって・・・」



恭介「さ、さやかの胸を揉みたかったわけじゃない!信じてくれ!!」

さやか「ひ、ひどいよ恭介・・・遊びのつもりで揉んだっていうの?」



恭介「な・・・!?」

恭介「え・・・いや!そうじゃなくて!!」



恭介「むしろ嬉し・・・気持ち良・・・じゃなくてその・・・なんというか・・・」


恭介「さやかが・・・知らないうちに・・・女の子として成長してたなんて知らなくて・・・」

さやか「え・・・///」



恭介「ごめん・・・僕が無神経だった・・・本当にごめん・・・」

さやか「・・・」



さやか「次から・・・気をつけてよね///」


中沢「・・・次・・・?」

女子生徒(美樹さん・・・それはまた触られても許すって意味!?)



仁美「・・・」ぱくぱく(白目)

まどか「仁美ちゃん!?」

恭介「えっと・・・その・・・」ドキドキ

恭介(なんだこれ!?なんだこれ!?さやかも女の子だって意識したら・・・まともに顔が見れない・・・)ドキドキ

恭介(さやかは・・・こんなに可愛かったかな?)



さやか(あれ・・・?意外にいい雰囲気?)

さやか「も、もしかして今なら・・・!きょ、きょうすけ!!あ、ああ、あたしね・・・」




和子「はい、私を置いてカップル成立は禁止ですよ!!」

ずいっ(割り込み)

女子生徒「和子先生!?」


女子生徒「せっかくいい雰囲気だったのに!何してんの!」



さやか「あ」

恭介「あ」




仁美「ほっ」

まどか「ひ、仁美ちゃん大丈夫?すごい汗だったよ!」



仁美「ええ・・・も、もう大丈夫ですわ・・・」


仁美(・・・)



仁美(やっぱり・・・私、再会してからまた上条君の事を・・・)

仁美(いつかは・・・この気持ちとさやかさんに決着をつけなければなりませんわね・・・)





恭介(僕の潜在意識に・・・さやぱいの素晴らしさを刷り込まれたのは多分この時が最初だと思う)



恭介(その後すぐに、バイオリンにしか興味の無い日常恭介に戻ったけど・・・確かに僕の中でそれは育っていたんだ)




恭介(いつかはさやかにも恋人が出来るんだろう。
僕は・・・活発なさやかに着いていけるほどたくましくは無い)


恭介(僕とは正反対のヒーローみたいな男性をさやかは好きになるだろう。ならせめて
僕は・・・幼い頃からのさやかとの絆・・・バイオリンを弾き続けるよ)



恭介(当時の僕は・・・そんな事を考えていたのかも知れない。だから・・・)


~中学二年時、事故当日~
衝突した暴走車の傍ら、左手を押さえながらうなだれる恭介


恭介(バイオリンを弾けなくなった自分が・・・ただ許せなかった)

恭介「やあ、さやか」

さやか「はい。これ」スッ(CD)


恭介「この人の演奏は本当にすごくてね・・・さやかも聴くかい?」

さやか「えっ・・・!?い、いいのかな・・・///」




恭介「また・・・さやかに助けれる自分に戻っちゃったな・・・」

恭介「ねぇさやか・・・」

恭介「さやかが僕に優しくしてくれるのは・・・僕が可哀想な人間だからかな・・・?」



恭介「さやかに自慢できるものを失ったけど・・・その代わりさやかと一緒にいる時間が増えた」

恭介「昔と変わらないまっすぐなさやか・・・そして無意識のうちに刷り込まれていく
さやぱい、さや太もも、さや尻の良さ」



恭介「無自覚のまま・・・さやかを好きになっていたんだ」



恭介「だからこそさやかの優しさが・・・痛かったんだ」


恭介「哀れんだ気持ちで僕を見てほしくなかったんだ・・・自立した一人の男として・・・
早くバイオリンに復帰したかった」



恭介「だから医師に見放されたとき、僕は怒りにまかせて君を傷つけてしまったんだ」




医師「奇跡としか言いようがありません・・・ズタズタにされたはずの神経が・・・」

恭介「え・・・?」




病院屋上



恭介「弾ける・・・!!」


恭介「弾けるぞ!!」

恭介「僕はまた・・・バイオリンを弾けるんだ!!」






恭介「さやかとの絆を取り戻したような気がした」

恭介「父さん、明日にでも退院しよう。バイオリンの講師にも連絡して、すぐにでも復帰できるように!」


~退院時~

恭介父「そういえば、さやかちゃんには連絡したのか?」

恭介「え?父さんがしてくれたものとばかり」

恭介「まぁ・・・学校でもすぐに会うし、ちゃんと話せばわかってくれるよ」

反逆終了後の設定まとめ


鹿目まどか:
女神の自覚を忘れる。ほむらに対しては不審に思いつつもリボンをずっと付けているあたり
悪い印象を持っているわけではない。

能力としては普通の人間。女神にもソウルジェムがあるという公式設定なのでキュゥべえと多重契約することはできない
魔法少女として目覚めるとしたら女神の記憶を一部でも取り戻したとき!?

ほむらの過保護で赤点をとった英語(サニーデイライフ)の心配として
帰国子女設定を付加される

同じく幼い頃から見滝原に住んでいたさやかと面識があってもおかしくなさそうだが、
どうやらさやかとの幼なじみ関係もリセットされた模様



美樹さやか:
女神の鞄持ちとしての自覚を忘れる。ほむらに対しては潜在意識程度の警戒心しか覚えていない。
恭介はいまでも気になる様子だが魔法少女としての使命、漠然と頭に残る「円環の天使」としての使命感ゆえに
仁美とうまくいって欲しいと誰よりも願う。

能力は普通の魔法少女、ほむらにより円環の記憶を消され
人魚の魔女を具現化させる、自己結界を展開させる能力は失われたもよう



佐倉杏子:
能力は普通の魔法少女
さやかスレの考察より、世界改変後はさやかと同居しているわけでは無いらしい。
風見野から遠距離登校!?


巴マミ:
能力は普通の魔法少女
ほむらの改変により貧乳化が危惧されたが、悪魔の怒りに触れないで済んだらしい
改変後も魔法少女5人(さやか杏子マミなぎさほむら)をまとめるリーダー?


百江なぎさ;
能力は普通の魔法少女
幼さ故かさやかよりも円環の使いとしての記憶をなくすのが早かった。
マミとふとしたきっかけで出会い、魔法少女の仲間として、友人として交流していくことになる


暁美ほむら:
世界に二度目の改変をもたらした自称、他称「悪魔」
まどかにとって優しい「閉ざされた世界」を守るためなら手段を選ばない。

表向きは普通の魔法少女並みの能力に制御しつつ
マミの指導のもと魔獣を倒す「ごっこ」に付き合ってる模様だが、
ティーカップを割るシーンから、心では決別している模様


魔獣の設定も改変することができるかどうかは不明だが、
「人魚姫の物語」では改変に制限がないことにする

サブキャラ:
和子先生、中沢
他のモブより少しだけほむらの印象に残っていたためほむらの結界に巻き込まれた一般人。
世界改変の特異点にいたため彼らも記憶を取り戻しキーパーソンになる可能性が!?


上条恭介:
改変後は仁美と順調の模様。
さやかの気持ちはいまだに理解できていないがどういう風に答えを出すか
公式でも非公式でもちゃんとした物を見せて欲しい

志筑仁美:
ナイトメア撃破後は幸せな夢を見てもう一度恭介を信じてみようと努力する。
結果改変後の世界では仲睦まじく登校している


キュゥべえ:
ボロボロになりながら呪いを処理する様はまさに公衆便所
暁美ほむらの正体について記憶を持ち越してるかどうかは不明。
第3者に協力を仰ぐと素体を破壊される



「人魚姫の物語」では
この人物たちに「氷室」が追加。


前作と違った設定だけど間違いなく行動理念は「氷室」なキャラが登場するので
前作で氷室が好きになった(恭介とはもはや別個体なので)人は期待して欲しい


氷室杏介(ひむろきょうすけ):
上条恭介と関係がある人物。という事しか分かっていない

恭介「さやか・・・昨日は話しかけてくれ無かった・・・やっぱり怒ってるのかな」





~~~


さやか「仁美に恭介とられちゃうよ・・・でもあたし何も出来ない・・・だってあたし・・・ゾンビだもん」


恭介「やめてくれ・・・」

恭介「僕なんかのために・・・さやかが傷つく必要なんて・・・」



恭介「もう・・・正義の味方じゃなくていい・・・さやかは、さやかの思うように・・・」



ホスト二人組「な・・・なんだこいつ!?」

ショウ「俺達が悪かった!だから、その剣をしまえ!!」




恭介「やめろさやか・・・!」


カラァン(剣)


さやか「う・・・」

さやか「うぁあああ・・・」ドサッ



ホスト二人組「ひいいい!!」




恭介「さやか・・・!」




~~~

さやか「あたしって・・・ほんと、バカ」




ゴゴゴ・・・


恭介「・・・」



恭介「どうして・・・」



恭介「鹿目さんの記憶と・・・僕自身の記憶・・・そしてさやかの記憶・・・それらに触れたとき、全てを理解したよ」


恭介「正しい事を成し遂げようとして傷ついた君が・・・それでも諦めずに正しい事のため・・・
再び円環の世界から現世に舞い降りたことに・・・」

恭介「だからこそ想ったんだ」

恭介「たとえさやかと離れ離れになるとしても、さやかに尽くすためだけに戦う・・・もう一人の
「上条恭介」・・・「氷室」みたいな男がいてもいいと・・・」

恭介「君はきっと・・・自分の人間としての幸せよりも、正しさを選ぶ」

恭介「正しいことを成し遂げた後・・・君は円環の世界へと再び旅立つ」



恭介「そんな・・・「人魚姫の物語」のような結末を・・・君は選択してしまう事も」


恭介「それでも僕は・・・君に消えて欲しくない」

恭介「だけど君が選んだ道なら・・・僕はそれを止められないんだろうな・・・」



恭介「だからせめて・・・僕は弾き続けるよ」

恭介「さやかが守ってくれた・・・この音を」



恭介「さやかが消えるその時も・・・さやかが消えてからも」

恭介「それが・・・僕がさやかのために贈る「人魚姫の物語」だから・・・」




~~~学校(現在の時間)~~~


仁美「さやかさん・・・佐倉さんはどちらに?」

さやか「あ、ええと・・・杏子はね・・・」



さやか「アイツは・・・親戚に引き取られて・・・風見野に帰っていったよ・・・」

仁美「そうでしたか・・・」




仁美「さやかさん・・・とても寂しそうな顔をしてらしてました」

仁美「氷室君という方が・・・さやかさんの支えになってくださればいいのですが・・・」



恭介「・・・」


恭介(僕は・・・すでにさやかの事が好きになってしまってる・・・)

恭介(このまま仁美さんを傷つけるより・・・本当の事を話すべきなのか・・・?)




仁美「恭介さん、こちらを」

ふわっ(マフラー)



恭介「・・・!!」

仁美「もうすぐクリスマス・・・」


仁美「私・・・恭介さんと過ごせる日をずっと待ち望んでいましたの」


恭介「仁美さん・・・」

仁美「覚えてますか?私、
恭介さんと・・・幼い頃一度お会いした事がありましたのよ」

仁美「その時すでに恭介さんを想っていたかも知れません」

仁美「だけど・・・さやかさんとの仲の良さを見て、一度は諦めた恋でした」


仁美「ですから・・・告白する時はさやかさんに伝えなければって思っていました」

仁美「一度諦めた想いですから・・・私よりさやかさんが先に伝えるべきだと」




仁美「でも・・・今はっきりわかりました」

ぎゅっ


恭介「ひ・・・仁美さん!?///」



仁美「諦めてなどいませんでした・・・あの頃から・・・ずっと恭介さんの事が好き」

仁美「もしかしたら・・・さやかさんより長い間想っていたとしたら・・・
さやかさんにも渡したく無いって・・・」




仁美「クリスマスの後は大晦日・・・お正月・・・バレンタイン」

仁美「色々な日々を・・・恭介さんと一緒に過ごしていきたい」



仁美「これからもずっと・・・それが私の嘘偽りの無い気持ちですわ」



恭介「・・・」



恭介「僕もだよ・・・仁美さん」

恭介「これからもずっと・・・僕は仁美さんと一緒にいるよ」



恭介(もしも僕が・・・氷室としてさやかの気持ちに触れていなかったのなら・・・)

恭介(上条恭介はこの瞬間、仁美さんを好きになっていただろう)



恭介(はっきりわかったんだ・・・仁美さんを好きになった上条恭介・・・
さやかを好きになった上条恭介・・・「氷室」)



恭介(僕の中に・・・二人いる)

恭介(どちらも本当の気持ちで・・・どちらも手放したくないと思っている自分がいることに)



仁美「いつか・・・さやかさんが私を許してくださる時・・・その・・・」

仁美「あちらの氷室君も交えて・・・一度お話してみたいですわ・・・Wデートと呼ばれる物、なのでしょうか?」



恭介「・・・!!」

恭介「わかったよ仁美さん・・・僕からも氷室に頼んでみるよ」

恭介「それと・・・」

恭介「氷室は僕なんかよりずっと良い人だから・・・さやかはとっくに仁美さんを許してくれているはずだよ・・・」

キュゥべえ「見てごらん、円環の理が機能していない今・・・佐倉杏子の魂が行き着く果てを」


ほむら「あれは・・・」

まどか「そんな・・・」


さやか「ワルプルギスの夜・・・!?」



マミ「佐倉さんだけじゃないわ・・・!魔女化した魔法少女の魂が・・・あそこに集まっていく!」

なぎさ「円環の理が「天国」だとしたら・・・ワルプルギスの夜は「地獄」なのです・・・
死んだ魔法少女の魂が・・・呪いに染まっていくのです!」



キュゥべえ「すでに見滝原以外の町数点も僕たちの手に落ちた」

キュゥべえ「その町には魔女化のルールが適応されている。そして・・・魔法少女の魂を
ワルプルギスの夜が吸い取り、成長する」



キュゥべえ「佐倉杏子の魂もまた・・・ワルプルギスの一部となったのさ」



キュゥべえ「そしてワルプルギスの夜も・・・僕達インキュベーターの支配下に落ちた」

キュゥべえ「来る3月・・・見滝原中学卒業式・・・奴は現れる」



キュゥべえ「暁美ほむらの眷属として世界をリセットするためじゃない・・・今度は・・・
君たち全員を魔女にするためにね」



ほむら「・・・!?」

ほむら「なんですって・・・!?」



キュゥべえ「魔女化が適応されているこの世界。このルールで完結するのさ」

キュゥべえ「そのために、リセットと再構築の役割を持つワルプルギスを押さえる必要があったからね」



ほむら「・・・!!」



キュゥべえ「強制的に世界改変を行うつもりかい?ほむら・・・無駄だよ」

ほむら「・・・!?」



キュゥべえ「円環の理を支配しつつある僕達が許可していないから」

キュゥべえ「君の悪魔の力は円環の理の一部だ。君にその力を使う事を円環側からシャットアウトさせてもらった」



キュゥべえ「一番厄介な能力・・・こちらの努力を全て覆す「世界改変」から封じさせてもらったよ」

ほむら「インキュベーター!!」



さやか「でもそれって・・・杏子を元に戻せる可能性があるって事かな・・・?」

氷室「・・・!?さやか?」

さやか「杏子の意識は消えたわけじゃない・・・ワルプルギスの夜の一部になったのだとしたら・・・」

さやか「こちらから・・・なんらかの呼びかけが出来るわけだよね・・・」



さやか「それこそ・・・あたしかなぎさ・・・まどかが円環の力を取り戻せれば・・・!!」

氷室「さやか・・・」




さやか「杏介君が駄目って言うのなら・・・あたしは自力で取り戻すよ」

さやか「杏子との戦いで・・・何かを掴みかけたんだ・・・具現化された魔女はあたし自身だったんだ・・・」



さやか「ワルプルギスにとらわれて・・・呪いに染まった魔法少女達の魂を救うためにも・・・」




まどか「ほむらちゃん・・・」

まどか「今のほむらちゃんにとって・・・ワルプルギスの夜は共通の敵にはならないのかな・・・?」



まどか「お願いほむらちゃん・・・力を貸して」



ほむら「私は・・・私は・・・」



氷室「・・・」



氷室「解ったよさやか・・・さやかの望む通りにする・・・僕は・・・さやかの記憶を呼び起こしてみる」

さやか「本当?」




氷室「でも・・・だからこそ・・・僕のわがままを聞いて欲しいな・・・」


ぎゅっ

さやか「杏介・・・君?」



氷室「さやか・・・決戦の日のその時まで傍にいてくれ」

氷室「そして・・・僕のわがままを・・・聞ける範囲で構わない・・・叶えて欲しい」



氷室「杏子を・・・ワルプルギスにとらわれた魔法少女達を・・・必ず取り戻す」

氷室「だから・・・クリスマス・・・大晦日・・・お正月・・・バレンタイン、ホワイトデー・・・」



氷室「卒業式までの残りの日々を・・・さやかと一緒に・・・普通の恋人として過ごしたいな」

さやか「杏介君・・・」



さやか「ごめんね・・・あたしより辛い思いするのは・・・取り残される杏介君かもしれなかったのに・・・」


さやか「わかった・・・あたしも杏介君の気持ちに応える・・・だから・・・」

恭介「さやかと約束した・・・」

恭介「僕はさやかが円環の力を取り戻すために。さやかは僕のわがままを叶えるために・・・
お互い精一杯尽くすことに」



恭介「その日僕は夢を見た」



恭介「幼い頃の夢を見た。さやかだけじゃなく鹿目さん、佐倉さん、仁美さん、暁美さん」


恭介「年が離れているはずの巴さんやなぎさちゃんも一緒の幼稚園、一緒の組に通っている夢を」




きょうこ(5歳)「ほらきょうすけー!うまならもっと早く走れよ!」ピシピシ

さやか(5歳)「やめろよきょうこ!きょうすけ、いやがってるだろ!」



まどか(5歳)「きょうすけくん、えんかとか興味ない?」

さやか「だめー!きょうすけはくらしっく一筋なの!」



ほむら(5歳)「きょうすけくん、心臓が痛いの・・・さすってくれないかな?」

さやか「だ、だめだよきょうすけ!ほむらの胸さわっちゃいやだよ!」



なぎさ(5歳)「きょうすけー、チーズたべさせてあげるからあーんしてほしいのです」

さやか「だめー!!」




マミ(5歳)「ほらほらみんな。けんかしないの」

きょうすけ(5歳)「ありがとうマミちゃん。マミちゃんはみんなのお母さんだね」


さやか「マミちゃんをしたうのもだめー!!」



ひとみ「あの、きょうすけくん・・・」

きょうすけ「なに?ひとみちゃん」



ひとみ「よろしければ・・・今度うちのパーティに・・・」

さやか「う~」ギリギリ


ひとみ「・・・さ、さやかさんもごいっしょにいかが?」


さやか「ほんと?いいの!?ひとみちゃんはやっぱり他の子とちがうなー!」


なかざわ(5歳)「え、なにあのすてきくうかんは」

恭介「平和な日常ならハーレムだと笑える夢だったかもしれない・・・だけど・・・その時僕は
むしょうに寂しくて悲しくなった」


恭介「誰をおよめさんにするの?幼稚園の先生からそう聞かれ、夢の中の僕はこう答えた」


きょうすけ「さやかちゃんとひとみちゃん!」 第10話「さやかちゃんとひとみちゃん」【続く】

銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード!!」


仁美「も・・・もしも恭介さんと一晩すごす事になったら・・・」ドキドキ

さやか「クリスマスイブってのは・・・そういうもんだよね・・・
やだあたし・・・杏子が大変な目にあったのに・・・こんな気持ちで・・・」ドキドキ



なぎさ「マミ・・・なぎさも決心したのです!だから・・・おっぱいを吸わせて欲しいのです!」

マミ「あっ・・・///うんっ・・・ベベ・・・駄目っ」ちゅぱちゅぱ



まどか「杏子ちゃん待ってて!わたし・・・絶対力を取り戻して・・・あなたを救ってみせるから!」


ほむら「ワルプルギスを倒せば・・・私がまどかから奪った力も元に戻る!」


恭介「ひ・・・仁美さんが・・・服を・・・」ドキドキ


氷室「さ・・・さやか!?ぼ・・・僕はそんなつもりじゃ・・・」ドキドキ




銀河万丈「第11話!!」


恭介「二枚の縞柄下着(ジョーカー)」



銀河万丈「ハーレムは誰にも崩させない!!」

第11話「二枚の縞柄下着(ジョーカー)」



~12月24日(日)クリスマスイブ~


恭介「お待たせ、仁美さん」

仁美「きょ、恭介さん・・・///」



仁美「それでは参りましょうか」




恭介「まずは、オーケストラコンサートに行こう」



~見滝原中学~


和子「・・・」ゴゴゴ・・・


女子生徒「うわぁ・・・早乙女先生すごい剣幕・・・」


女子生徒「今年はイブが休日だから仕事に逃げられなかったからね・・・」



和子「毎年の恒例行事にさせないためにも・・・今年で終わらせるつもりで盛り上がっていきましょう!」

クラス別クリスマス会、まどか達のクラスの場合



和子「じゅんこ~、もっと飲みなさいよ~」

詢子「相当焦ってるみたいだね・・・あんた」




まどか「今年はお父さん、お母さん達も参加するんだよね。にぎやかで嬉しいな」

さやか「そうだね・・・」




まどか「・・・」

まどか「さやかちゃん・・・やっぱり杏子ちゃんの事・・・」


まどか「大丈夫だよ・・・きっとなんとかなる、ううん、なんとかする」

まどか(待ってて杏子ちゃん・・・絶対力を取り戻して・・・あなたを救ってみせるから!)



まどか「だから今日くらいは・・・ちょっと息抜きしても良いんじゃないかな・・・」

まどか「氷室君だって・・・本当はさやかちゃんと出かけたかったと思うし・・・」



さやか「まどか・・・」

さやか「確かに・・・デートに誘われたんだけどね・・・」


さやか「杏子が大変な時に・・・あたしだけはしゃぐわけにはいかないからって・・・断っちゃった・・・」

まどか「さやかちゃん・・・」

中沢「今年は・・・生徒側の参加者が去年より少ないな」

男子生徒「うん。アレだ。カップルになった生徒が何組かいるからな」


男子生徒「上条と志筑さんとか」


中沢「あれ?あそこにいるのは上条と志筑さんの両親じゃないか?」



とある生徒の母「あら?そういえば上条さんと志筑さんとこのお子様は・・・?」

上条父「若いもの同士ふたりきりにさせたほうが良いと思いましてね」


仁美母「私達がこちらにお邪魔することで水入らずで過ごせるようにと・・・」




中沢「な・・・!?」


中沢「おい上条・・・お前・・・まさか今夜・・・」




~コンサート終了~


恭介「どうかな・・・?気に入ってもらえたかな?」

仁美「ええ、とっても・・・ですが、
恭介さんは今回どちらのコンクールにも参加されないで良かったのですか?」




恭介「確かにクリスマスはコンサートやコンクールが増えるから・・・参加しようと思えば出来たけどね」

恭介「僕は・・・春休みのコンクール一本に精一杯がんばるって決めたから・・・」



恭介「それに・・・」

恭介「今日この日は・・・初めから一番大切な人のために使うって決めてたから・・・」



仁美「きょきょきょ・・・恭介さん!?///」

仁美「あ・・・あぁう・・・そ、そんなもったいないお言葉を・・・」しゅうぅ



恭介「可愛いな仁美さんは・・・焦るとなんだかさやかみたいだよ」

仁美「え・・・えっと・・・」



恭介「あ、ごめん。さやかの名前を出したのは無神経だったかな」

仁美「い、いえ・・・構いませんわ」



仁美「春のコンクール・・・さやかさん達も来てくれるでしょうか・・・」

恭介「来てくれるさ。きっと」


仁美「でしたら・・・その時こそ氷室君にご挨拶を・・・」

恭介「そうだね・・・アイツも呼んで・・・Wデートを成立させるのも悪くないね・・・」

恭介「僕の願いは・・・お世話になった人たちに演奏を聴いてもらう事なんだ」

仁美「・・・?恭介さん?」


恭介「仁美さんや・・・さやかはもちろん・・・
巴さん、なぎさちゃん、鹿目さん、佐倉さん・・・暁美さんも」


恭介「皆に演奏を聴いてもらう事・・・それは何に変えても叶えたい願いなんだ」

仁美「大げさですわ恭介さん・・・さやかさんはきっと来てくれますわ」



恭介「そうだね・・・きっと」ぽろぽろ


仁美「きょ・・・恭介さん!?」



恭介「叶うといいな・・・僕の願い・・・」ぷるぷる

恭介「また・・・昔みたいにさやかは喜んでくれるかな・・・?」



恭介「う・・・うぁああああ!!!」ぎゅっ

仁美「・・・!?」



恭介「さやかと・・・さやかと離れ離れにならなくちゃいけないんだ・・・もうすぐ!!」

恭介「今までずっと・・・僕を支えてくれた友達だったのに・・・僕が何も恩返しできないままさやかは・・・!!」




仁美「さやかさんが・・・?」


仁美「大丈夫・・・大丈夫ですわ。恭介さん」ぎゅっ

恭介「・・・う・・・うっ」ポロポロ




仁美「さやかさんに何があっても・・・私だけはあなたの傍にいます」

仁美「これからもずっと・・・」



恭介「仁美さん・・・」




~暁美ほむらのクリスマス~

ドールズ「ケケケ!!」


ぐしゃあっ


ドールズ「・・・」



ほむら「人形一人潰すのに・・・これだけ手こずるなんて・・・」

ほむら「悪魔の力が弱まっている・・・円環の理を掌握しつつあるというインキュベーターの
言葉は本当のようね・・・」

ほむら「だとすれば・・・ワルプルギスの夜を倒せば・・・まどかから奪った力も元に・・・」

~マミ、なぎさのクリスマス~


マミ「クリスマス仕様、特製チーズケーキよ」

なぎさ「わーい!」



マミ「・・・」

なぎさ「マミ?」



なぎさ「やっぱり・・・浮かれてる場合じゃないのです・・・なぎさは・・・悪い子なのです」

なぎさ「なぎさも円環の力を取り戻して・・・杏子をワルプルギスから救い出してみせるのです!
だから・・・マミには元気になってほしいのです!」



マミ「その後・・・あなたはどうなるの?」

なぎさ「マ・・・マミ!?」



マミ「佐倉さんもあなたも・・・美樹さんも鹿目さんも・・・」

マミ「天秤に掛けられる仲間なんて・・・誰もいないのよ!
佐倉さんが戻ってきても・・・あなた達が消えたら・・・私・・・」



なぎさ「・・・」

なぎさ「それでもなぎさもさやかもまどかも・・・正しい道を選択するのです」


なぎさ「それが・・・魔法少女達の救済の力・・・「円環の理」の使者の役目なのですから・・・」



なぎさ「正しい理を取り戻せば・・・いつかマミを迎えに行くのです」

なぎさ「だから・・・なぎさは精一杯思い出を作るのです」


マミ「本当なの・・・!?本当に・・・もう一度あなたに会えるの!?」



なぎさ「楽しければ楽しいほど・・・別れの時が辛くなるのです。でも再会のときはきっと、もっと嬉しいのです」




なぎさ「おばあちゃんになるまで・・・なぎさはマミを迎えになんて行かないのです」

マミ「そんな・・・」



なぎさ「だからマミには長生きして欲しいのです・・・なぎさとの約束なのです」

なぎさ「マミが大好きなのです。お母さんと同じくらい」



なぎさ「なぎさは親不孝で・・・「おばあちゃんになりたい」というお母さんの願いを叶える前に導かれちゃったのです。
マミはお母さんの代わりに・・・その願いを叶えて欲しいのです」


なぎさ「きっとマミの旦那になる人は・・・毎晩マミを・・・ですから子供なんてすぐに」

マミ「ストーップ!!ストップ!!それ以上は駄目!」


マミ「なぎさちゃんが猥談を話すほうがお母さん悲しむわよ!」

なぎさ「そして・・・円環の記憶が訴えているのです・・・」

なぎさ「なぎさが円環の力を取り戻すために必要なこと・・・それはマミのおっぱい」

マミ「え・・・?」


なぎさ「マミ、なぎさの事をベベと呼んで・・・そして授乳させて欲しいのです!」

マミ「え、ええええええええ!?」




なぎさ「お願いなのです!なぎさは力を取り戻したいのです!」

マミ「・・・」



マミ「わ・・・わかったわ・・・」

マミ「なぎさちゃんになら・・・何されてもいいかもって・・・心のどこかで思っていた気がするの」



マミ「さぁ・・・来なさい、ベベ・・・」


ぽろり

なぎさ「おおっ!!」



なぎさ「・・・」

ちゅぱちゅぱ・・・


マミ「んっ・・・」


マミ「あ・・ああっ・・・」


マミ「ベベ・・・駄目・・・もうすこしゆっくり・・・う・・・んっ・・・///」



キュゥべえ「何やってるんだ・・・この子たちは・・・」




~仁美の家、仁美の部屋~


仁美「落ち着きましたか・・・?恭介さん」



恭介「うん・・・ありがとう仁美さん・・・」

恭介「ところで・・・仁美さんのご両親は?」


仁美「・・・」

仁美「恭介さんのご両親と一緒に・・・学校の方のクリスマス会へ」

恭介「・・・!?」

仁美「つまり・・・パーティが終わる22時・・・それまではふ・・・ふたりきりですわ!」


仁美「10時以降出歩いているわけでは無いですから・・・ちゅ、中学生として健全なデートですわ!」


恭介「え・・・えええええ!?」ドキドキ

恭介(ま・・・まさか・・・!?いや有り得ない!!)

恭介(いたってマジメな・・・お嬢様である仁美さんの方から・・・そんな事・・・)


恭介(・・・!?なんだ・・・僕のこの感情は!?さっきまで悲壮感にひたっていたくせに!)

恭介(だ、だからこそなのか・・・僕の寂しさをやわらげてくれる・・・
仁美さんの・・・と・・・一つになりたいと思っている・・・!!)




仁美「恭介さん・・・」

仁美「いつだった恭介さん・・・強引に私を自分の部屋へと・・・お誘いになりましたよね?」


はらり

恭介(ひ・・・仁美さんが・・・服を・・・!!)ドキドキ


仁美「あの時の続き・・・私はいつでも宜しかったのですよ?」



パサッ(スカート)

恭介「・・・!!」


恭介「し・・・しししし・・・縞パン!!」


恭介「仁美さんの・・・縞パン!!」ドキドキ


仁美「やはり・・・お好きでしたのね・・・」




仁美「ここからは・・・恭介さんの番ですわ」

仁美「本能のままに・・・私の縞パンを・・・」



恭介「ほほほ・・・本当に良いのかい!?」

仁美「ええ・・・は、早く来て・・・」




恭介(僕は・・・僕は・・・)


恭介(一つに・・・仁美さんの・・・と一つになりたい!!)




恭介(仁美さんの・・・・仁美さんの・・・・!!)

スルッ(ぱんつ脱がし)

仁美(・・・つ、ついにこの時が・・・!!)




恭介(仁美さんの縞パンと・・・!!一つになりたい!!)

がばっ

仁美「え」

恭介「フォオオオオオオオオオッ!!!」ピカーッ


仁美「・・・?」



しーん・・・


仁美「きょ・・・恭介さん!?」

仁美「恭介さん!?ど・・・どこに行ってしまったの・・・」




~外~

バイオリン仮面「・・・!!」


バイオリン仮面「力が・・・かつてない程の力がみなぎっている!!」

バイオリン仮面「杏子の縞パンもすごかったが・・・仁美さんの縞パンはそれ以上だ!!」



バイオリン仮面「今の私なら・・・魔女や魔獣が何体いたとしても・・・」





バイオリン仮面「!!」



モブ魔女「KYOAAAAAA!!」


モブ魔獣「UOOOOOOO!!」

モブルシファー「「HYAHAHAHAHAHA!!」」



一般人「うわ・・・うわああああああ!!」




バイオリン仮面「やめろ!!その人たちに手を出すな!!」


バイオリン仮面「私の演奏を聴け!!」


♪~♪~♪



しゅわああああ・・・・




~~~

キュゥべえ「!?」

ほむら「!?」



ほむら「大きな魔力が複数現れて・・・より多くの魔力がそれらを一瞬にして消した!?」

キュゥべえ「上条恭介・・・君は・・・」



バイオリン仮面「ハッ!」

バイオリン仮面「仁美さんを置いてきてしまった・・・」


(変身解除)



恭介「な、なんて言い訳すれば・・・とりあえずメールだけでも打っておこう・・・」


恭介「・・・」



恭介「私のほうこそ・・・焦っていたみたいでごめんなさい・・・
中学生らしく健全なお付き合いから進めていきましょう、おやすみなさい・・・」



恭介「ガッカリしてるのかな?僕は・・・?」


恭介「・・・今度は氷室の携帯からさやかに連絡を取ってみよう」





~クリスマス会~


和子「なかざわくぅ~ん」ぎゅっ


中沢「う、うわ先生!?な、何してるんですか!?」



和子「彼女にするなら年下ですか?年上ですか?はい!」

中沢「相当酔ってますね・・・」


和子「私は真剣えすよぉ」



和子「おへんじ・・・聞かせてくださいね・・・大人のお姉さんと・・・思い出作りしてみない?」



中沢「・・・」

中沢(しょ・・・正直アリかも知れない・・・先生可愛い)


中沢(いや・・・でも俺にもこの先若い子達との出会いも・・・)



中沢(あああああ!どうすんの俺!先生と同い年ならOKするのに!)

詢子「おい和子・・・マジなら免職モノだぞ・・・」



和子「だめなら・・・しんせきのおにいさんとか紹介して~」

詢子「相当追いこまれてるなコレは・・・」


さやか「・・・」



♪(着信音)
さやか「!杏介君!?」

さやか「・・・」

まどか「さやかちゃん、出なよ」



さやか「あたしは・・・」


ピッ

氷室「さやか・・・やっぱり今からでも会えないかな?」



さやか「杏介君・・・」


まどか「行ってきたら?さやかちゃん」


まどか「わたし達は・・・もしかしたら明日にでも円環の世界に還らなくちゃいけない存在だから・・・」

まどか「楽しめる時に楽しまないと損だよ・・・お別れの時後悔するより、ずっと良いよ」

まどか「だからわたし・・・さやかちゃんをクリスマス会に誘ったの。
ここの所ずっと元気が無かったから・・・」


さやか「違うの・・・」

さやか「杏子がここにいないのに・・・あたしだけ・・・あたしだけがそれを忘れるわけには・・・」



まどか「杏子ちゃんが消えて悲しいのは氷室君も同じだよ」

まどか「だからこそ・・・さやかちゃんが傍にいるべきだと思う」



さやか「まどか・・・」


まどか「信じようよ・・・わたし達はきっと、ワルプルギスの夜を倒して・・・
杏子ちゃんを取り戻せるって」

まどか「杏子ちゃんを忘れるわけじゃない。絶対助かるって信じているからこそ、
わたし達は今出来ることを一生懸命するの」



さやか「・・・」


さやか「まどかゴメン、あたしやっぱり行くね・・・」



まどか「うん。頑張って」



さやか「なにをだよ!夜も遅いしちょっと会うだけだよ!」




中沢「あっ!早乙女先生にちょっと傾いていたら美樹がいつのまにかいない!?」

男子生徒「彼氏に呼び出されたらしいぜ」


男子生徒「や、やっぱり本当にいたのか・・・上条似の新しい彼氏・・・!」


~外~
さやか「杏介君・・・!」

氷室「やあさやか・・・来てくれたんだね」

さやか「・・・」

さやか「と、とりあえず・・・うちに来て話さない?親もうすぐ帰ってきちゃうけど・・・」

氷室「う、うん」



~さやかの家~


氷室(さやかの家で二人きりになるのは初めてな気がする)ドキドキ

氷室(だけど・・・今度こそ仁美さんの時の様なハプニングは無いだろう。
親がすぐ帰ってくるって言ってるし・・・)



さやか「この写真・・・見てくれるかな」

氷室(ロッキー・・・)



さやか「あたしが昔飼ってた犬でね・・・ロッキーって言うんだけどさ・・・」


さやか「あたしが辛い時・・・こっちに来るなってヒスを起こしても・・・
それでもただ黙ってあたしの傍にいてくれたんだ」

さやか「不思議だけどさ・・・そうしたらいつの間にか・・・
辛い気持ちが和らいたんだ・・・」


さやか「誰かが傍にいてくれるだけの事が・・・こんなにも安らぐ事なんだって・・・その時思った」

さやか「だから・・・あたし達に必要なのも・・・何も言わずにただ傍に寄り添うことなのかもって」


さやか「杏介君は・・・無意識のうちに杏子を傷つけていたことを後悔してる・・・
あたしは・・・杏子を見てなかった事を・・・直接手をかけた事を・・・」

さやか「今は・・・ただお互いに傍にいるだけでいいんじゃないかなって・・・」



氷室「さやか・・・」


♪(着信音)

さやか「ん、お母さんからだ」


さやか「もしもし」

さやか「は?」




さやか「ええええええ!?友達と話し込んでたら盛り上がって泊まる事になったって!?お父さんも!?」

氷室「な・・・!?」



さやか「・・・」

さやか「と、いう事です・・・」


氷室「えっと・・・状況がつかめないんだけど・・・」


さやか「杏介君が望むなら・・・その・・・朝まで二人きりって事に・・・///」

氷室「・・・!!」

氷室「そ、そこまで迷惑かけられないよ!帰る!ちゃんと帰るから!!」

さやか「本当にそれでいいの?」

氷室「・・・!!」

氷室「さ・・・さやか!?何故服を脱ぐんだい!?僕・・・そんなつもりじゃ・・・」


さやか「あたしね・・・初めては恭介にって思ってたけど・・・」

さやか「あたしの事・・・本気で心配してくれた杏介君が・・・今は一番だから・・・」



さやか「あたし・・・消えちゃうかもしれないんだよ・・・だから・・・」

さやか「杏介君のわがまま・・・なんでも言って良いよ・・・今日は・・・全部叶えてあげる」



氷室「さ・・・さやか!!」ドキドキ


さやか(わああああああ!!言っちゃった!勢いでとんでも無い事言っちゃったよ!)

さやか(で・・・でも間違ってないよね!?クリスマスイブってそういう物よね!!)バックンバックン




さやか(お、落ち着けさやかちゃん!杏子が大変な目にあったっていうのに・・・
こんな気持ちでどうする!!)

さやか(あ・・・あたしはあくまで・・・杏介君の期待に応えるために・・・)



氷室「し・・・縞パン!?」

さやか「そんなにジロジロみないでよ・・・早く脱がせて・・・」



氷室(ど・・・どういう事だ!?杏子、仁美さん、さやかと・・・
続けて縞パンを身につけて僕の前に現れるなんて・・・!?)


氷室(ま・・・まるで僕の趣味を見透かしたかのように・・・
い、いや違う!元々僕が縞パン好きだったわけじゃない!)

氷室(あ、あくまで魅力的な女の子がそれを身につけているから・・・より魅力的に感じるのであって・・・
あ・・・ああ駄目だ・・・本能に逆らえない・・・!!)



氷室「そ・・・それじゃあ僕のお願い・・・聞いてくれるかな?」

さやか「う・・・うん///」





氷室「君のパンティを、僕にくれ!!」するっ

さやか「え?」



バイオリン仮面「フォオオオオオオオオオッ!!」ピカッ



バイオリン仮面「素晴らしい・・・なんて素晴らしい力なのだ!縞パンによる変身は!!」

さやか「ちょ・・・ちょっと杏介君!?」




バイオリン仮面「ありがとうさやか・・・」

バイオリン仮面(二枚の縞柄下着(ジョーカー)を手に入れた・・・この力なら、きっと
ワルプルギスの夜にも・・・)



さやか「杏介君のバカーッ!!」

ぱちーん



バイオリン仮面「おんぷぅッ♪」



さやか「あああああああああ信じられない!」

さやか「あたしが一生懸命勇気を出したのに!!バカバカバカ!!」



氷室「だ・・・だって縞パンだよ!さやかの縞パンだよ!」

氷室「ま、まずは被ってみたいと思うじゃないか!僕が新しい力を使えるようになるかもしれないんだし!」



氷室「さやかの縞パンを被りたいという紳士な気持ち!そして、新しい変身形態を試してみたいという
特撮ヒーロー的な男子心がくすぐられて・・・」



さやか「もおおお!!説明しなくていいの!!バカバカバカ!!」



さやか「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ・・・」


さやか「・・・」



さやか「ま・・・いっか・・・まだ、中学生だもんね・・・あたし達」


さやか「いいよ・・・それ、あげる」




さやか「やっぱり縞パン好きだったんだね・・・杏介君」

氷室「あ・・・うん」


氷室「縞パンが好きな気持ちが先か・・・さやか達が着ているから好きになったかはわからない」

氷室「かつてない力を・・・縞パンは僕に与えてくれるんだ・・・」



さやか「・・・」

さやか「とりあえず泊まっていってよ・・・」


氷室「さやか・・・いやそのだから僕は・・・」

さやか「言ったでしょ・・・傍にいてくれるだけで良いって・・・」


さやか「あたしが本当に消えるしか無いのなら・・・最後のその時まで、もっと杏介君の事・・・知りたいし」

さやか「何か話そうよ。朝まで」



~朝~


さやか「やばっ!お母さん達もうすぐ帰ってくる!」

氷室「ど、どうしよう!?」


さやか「とりあえず、窓から逃げて!ご、ごめんね・・・無理に引き止めちゃって」


氷室「さやか・・・」

さやか「何?」



氷室「僕が望む本当のわがまま・・・今は言わずにとっておくよ」

さやか「そっか・・・あたしはその・・・」


さやか「いつでも・・・準備は出来てるから・・・///」


さやか「ワルプルギス、そしてほむらとの決着をつける時までには・・・決心してほしいな」

氷室「・・・わかってる」





氷室「・・・」


(氷室解除)


恭介「・・・」



恭介「さやか・・・」





~~~卒業式直前、「ワルプルギスの夜」数日前、マミの家~~~



氷室「僕が前回のループで見たこいつは「何の前触れも無く」突然姿を現した」

氷室「恐らく「卒業式」というイベントが関係あるんだと思う。
卒業式を延期させて生徒を避難させたとしても・・・その別の日に顕現するだけ」


まどか「わたしが・・・みんなとお別れしたくないって思ってるから・・・だよね」


氷室「鹿目さんが気にする事は無いよ。今のワルプルギスの夜は・・・
鹿目さんの精神が変化したモノじゃなく、インキュベーターの最終兵器だ」

氷室「倒すのに・・・何の躊躇も持たなくていいんだ」



マミ「事前に見滝原の生徒を避難させてくても信じてもらえないでしょうね・・・
巨大な魔女が学校を襲うなんて」

なぎさ「やるとしたら・・・当日なのです・・・ワルプルギスの夜を確認させてから
わたし達が全校生徒を誘導するのです!」


さやか「避難経路はこの5箇所。それぞれの担当箇所を覚えてね」


♪:ピンポーン(チャイム)

マミ「はーい、今開けます」

マミ「!!あ、あなたは・・・!!」



ほむら「開ける必要は無いわ・・・わたしが用があるのは・・・」

さやか「あ、暁美ほむら!!」



ほむら「まどかと話がしたいの・・・お願いできないかしら」

まどか「ほむらちゃん!?」




なぎさ「まどか!行っちゃ駄目なのです!そいつは・・・そいつは!」

まどか「・・・」



まどか「良いよほむらちゃん・・・外、行こっか・・・」

さやか「まどか!?」




~~~

まどか「調子・・・戻らないみたいだね」

ほむら「それはお互い様よ・・・」




ほむら「インキュベーターが・・・円環の理を掌握して・・・悪魔の力の大半を
ワルプルギスの夜に閉じ込めてしまったのだから・・・」


ほむら「まどかはどう?記憶と力・・・すこしずつ戻ってきているのでしょう?」

まどか「まだ完全にじゃないよ・・・」



まどか「もし力が戻ってるのなら・・・円環の理からキュゥべえ達を追い出して・・・
ワルプルギスの夜なんて来ないようにするし」



ほむら「それもそうね・・・」

まどか「・・・」

ほむら「・・・」



ほむら「ねぇまどか・・・」

ほむら「あなたは本当に・・・正しさのために自分が消える事を望むの?」

ほむら「この世界は・・・概念になったあなたを受け入れてくれるわ」


ほむら「あなたも楽しんでいたはずよ・・・家族や友達との何気ない日常を・・・」

ほむら「本当に・・・みんなとお別れしても構わないって言うの?」


ほむら「私が作り変えたこの世界なら・・・みんな大人になる事も無く・・・
まどかにとって一番楽しい一年を・・・繰り返して・・・」

まどか「ほむらちゃん・・・」


まどか「わたしが・・・あの時皆とお別れしたくないって言ったから・・・
ほむらちゃんは今の世界を望んだんだよね・・・」

ほむら(もうそこまで記憶が・・・)


まどか「ワルプルギスの夜も・・・わたしの心の弱さが実体化した物」

まどか「だけど・・・もうわたし逃げないよ・・・」



まどか「わたしは・・・やるべき事をやり遂げて、円環の理へと還るよ」

ほむら「そう・・・」




まどか「だけど・・・それはほむらちゃんの作った世界を否定することじゃない」

まどか「もう一度・・・皆と会えて嬉しかった。それだけは本当だから」



まどか「ほむらちゃんがやった事も・・・自分の存在も否定しない答えを・・・わたし考えたんだ」





ほむら「なら・・・私ももう逃げないわ」



ぎゅっ

まどか「ほむらちゃん・・・!?」



ほむら「私が奪った記憶・・・それをまどかに返すわ」

ほむら「私の答えはもう決まってるわ・・・私はあなたをために悪になる」



ほむら「決着の日・・・正々堂々と戦いましょう。敵として」



まどか「なら・・・その日にわたしが考えた答え・・・教えるね」




ほむら「ええ。必ず力を取り戻すわ・・・あなたも記憶が戻ったのだから・・・あとはきっかけよ」

ほむら「お互い全力で・・・完全決着よ」

まどか「うん」




さやか「まどか!」


さやか「暁美ほむらは!?」

まどか「もう行っちゃった」


なぎさ「何の話をしていたのです?」

まどか「ないしょ」

氷室「さやか・・・それと、鹿目さんとなぎさちゃん」


氷室「縞パンで変身した僕の演奏なら・・・円環の理の使者としての記憶を取り戻すことが出来る」

氷室「今まで試そうとしなかったのは・・・僕にとっても君たちにとっても・・・そしてとり残される人たちにとっても」


氷室「自身が消滅するその選択を・・・本当に正しいと思えるかどうか・・・わからなかったから・・・
僕は今でも・・・さやかを失いたくない」



氷室「さやかは杏子との戦いから・・・なぎさちゃんは巴さんからの授乳、鹿目さんも・・・暁美さんから
何かを受け取ったみたいだし・・・」

氷室「君達が力を取り戻すための基盤は完成した・・・
後は僕の演奏が君達の精神を刺激し・・・きっかけになれば・・・」

氷室「君達3人は・・・円環の力を取り戻せる!」



さやか・まどか・なぎさ「!!」キリッ(決意した表情)



マミ(・・・)

マミ(彼はなぎさちゃんと私の授乳行為をいつ知ったの!?というか・・・縞パンって言葉も出てきたわよね!?)


マミ(ああ、もう!いつの間にか慣れてる!下着で変身形態するこの少年のペースに飲まれている!
なんで誰も突っ込まないの!?)



氷室「だけど・・・それはどうしようも無くなったときの最終手段だ」




氷室「円環の力を使わず・・・ワルプルギスと暁美さんに勝つ方法・・・
生きて帰る努力をしてほしい」

さやか「一個忘れてるよ!それと杏子を、ワルプルギスの夜から救い出さないとね!」



氷室「魔力演奏による精神への干渉は・・・危険でもあるんだ」

氷室「その気になれば・・・演奏で君達全員を思うがままに・・・そして動けなくする事も出来るからね・・・」



さやか「・・・?今更何言ってるのよ?あたし達の身体を操作して氷室君になんの得が・・・」

なぎさ「氷室・・・もしかしてなぎさ達とハーレムプレイをするつもりですか!?」



さやか「な・・・なんですとー!?」サヤガーン

氷室「そ、そうじゃない!そういう意味で言ったんじゃない!」



氷室「悪の演奏仮面がいたら・・・付け込まれる危険性だってあるって事・・・
もしくは、インキュベーターが僕の演奏を再現して利用するかもって事」


氷室「君達は何度も僕の演奏を聴いて・・・そして感動して同調した・・・
僕の演奏一つでどうにでも自由が奪われるんだ」


氷室「演奏を悪用して・・・君達を操ろうとする奴が出てきたら・・・躊躇無く倒してほしい」


さやか「わざわざ言うまでもないよ。そんなの、当たり前じゃん、それに・・・
現れてもいない敵の事を考えてもどうしようも無いよ」

さやか「杏介君の曲を悪用しようとする奴がいたら・・・同じ奏者として恭介だって
絶対許せないって思うはずだし・・・」


さやか「あたしは・・・戦えるよ・・・たとえ、悪の魔法使いが現れたとしても!」

氷室「ありがとうさやか・・・それでこそさやかだよ」



氷室「卒業式の日は・・・僕も風見野の学校を休んで見滝原の生徒として潜り込む」

氷室「以降連絡は全てテレパシーを使う。お互いの姿が見えなくても焦らないように」



さやか「わかった」

マミ「ええ」

なぎさ「なのです!」


まどか「うん!」



~~~


さやか(ってか・・・卒業式まで・・・あと一週間も無いんじゃ・・・)

さやか(ならもう・・・今夜こそ!)




さやか「杏介君!あ、あたしの家今日親が帰って来な-」

さやか「って・・・もういないし!!」




恭介「仁美さん・・・!!」


~~~仁美の家~~~

仁美「きゅ、急にいらして・・・今宵はどのようなご用で・・・」ドキドキ



恭介「仁美さん・・・」

恭介「卒業式の日・・・嵐が来るんだ」


仁美「え?でも・・・予報ではそんな事・・・」


恭介「とてつもなく大きく・・・全てを飲み込む嵐・・・」

恭介「出来れば仁美さんは・・・遠くへ逃げてほしいけど・・・今のままじゃ信じてもらえないと思う」



恭介「卒業式の日全てをあなたに話す・・・僕の正体も」

恭介「その時・・・落ち着いて僕の言うとおりに逃げてほしいんだ」ぎゅっ

仁美「きょ・・・きょうすけさん!!///」


恭介「目の前で八つ裂きにされた君を・・・僕はもう二度と失いたく無い・・・!!」




~そして・・・卒業式当日(体育館)~


さやか(杏介君・・・姿が見えないけど、本当にここにいるの?)

恭介(ああ、とある生徒の姿を借りてるけど、ちゃんといるよ)



さやか(へぇ・・・変装魔法って便利だね。杏子から教えてもらったの?)

恭介(「変装」か・・・)



恭介(本当の自分がどっちか・・・もうわからない・・・)



アナウンス「在校生による生演奏です。上条恭介君、どうぞ」


恭介「・・・」



仁美「恭介さん・・・頑張って!」



♪~♪~♪


三年生「すごい・・・」うっとり

マミ「さすがね・・・上条君」


さやか「・・・?」

さやか「恭介の演奏にしては・・・何か違和感が・・・」



さやか「ま、まさか杏介君が入れ替わった生徒って・・・」


恭介(体育館の生徒達は・・・「僕の演奏を聞かせた」状態になった・・・)

恭介(これで避難指示を受け入れるための軽い精神操作なら可能になるはず・・・)




ピキーン

マミ「・・・!!」


まどか・さやか「!!」

体育館外、


なぎさ「あれは・・・!!」



恭介「ついに・・・現れたな」


ワルプルギスの夜「ウフフ・・・アハハハ!!」


生徒達「み、みんな外を見ろ!」

教師達「!?な、なんだアレは!?」

ドドド・・・


生徒「竜巻!?さっきまで何もなかったのに!」


生徒「校舎を破壊しながら突き進んで・・・!こっちに来る!!」



わーわーぎゃーぎゃー


仁美「恭介さん!!」

恭介「仁美さん、早く逃げて!!」



仁美「竜巻もそうですけど・・・あの大きな歯車と人形のようなモノは一体なんですの!?」

恭介「・・・!?」


恭介「ひ・・・仁美さん!?あ、アレが見えているのかい!?」



仁美「・・・?」


恭介(何故だ!?前回のループでは仁美さんに見えていなかったワルプルギスが何故!?)


恭介「詳しい説明は後だ・・・とにかく、避難してくれ」

仁美「逃げるなら恭介さんと一緒です!」



恭介「僕は・・・アレを止めなくちゃいけないんだ」

仁美「な・・・何を言ってるんですか!?」



恭介「ずっと・・・嘘を吐いて来た・・・」

恭介「僕の中に・・・仁美さんと同じくらい大切な人がいる」


スッ

仁美「さ・・・さやかさんのパンティ!?」



恭介「その子が選ぶべき道を・・・僕は全力で後押ししたい」

恭介「かつてその子が・・・僕をそうしてくれたように・・・今度は僕が」



恭介「さやかへの気持ちに決着をつけたら・・・今度こそ上条恭介の・・・
たった一人の一番大切な人になってくれるかな?」


仁美「え・・・?」



ガバッ

恭介「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」ピカッ



仁美「きょう・・・すけさん・・・?」

バイオリン仮面「もう一つの理由は・・・今度こそ君を守るために!」バッ

わーわー、きゃーきゃー


バイオリン仮面「僕の演奏を聴いて、落ち着くのだ!!」


♪~♪~♪

生徒、教師「・・・?」



さやか「!!皆が冷静さを取り戻した!今よ!!」



ピカッ(さやか、まどか、なぎさ、マミの変身の光)


三年生「巴・・・さん!?」


中沢「美樹!?鹿目さん!?こ・・・これは!?」




さやか「みんな落ち着いた?あたし達の指示通りに避難して!!」


まどか「5箇所に分かれて避難します!前の人に合わせてゆっくり移動してください!!」





~~~


さやか「どうやら全員、避難出来たようだね・・・」


仁美「さやかさん・・・?その姿は・・・」

さやか「・・・まだいたの?早く逃げなよ」



さやか「・・・この格好は恭介の腕を治すために・・・ちょっとね」


仁美「え・・・!?」



さやか「この戦いであたし・・・今度こそ消えるかもしれないんだ」

さやか「だから・・・恭介の事・・・お願いね」



仁美「さ・・・さやかさん!?」

さやか「あたしは・・・魔法少女さやかちゃん・・・」



さやか「仁美を・・・恭介を・・・大切な人達を守るために・・・あたしは戦う!!そんだけ!」バッ


仁美「さやかさぁあああん!!」




ワルプルギスの夜「ウフフフ・・・アハハハ!!」

さやか「最終決戦だね・・・」

ほむら(物陰)「・・・」

バイオリン仮面「さやか!!」


さやか「杏介君!って・・・まだ縞パン装備じゃ無いんだ」

バイオリン仮面「言っただろ?縞パンは最終兵器だとね」


バイオリン仮面「風で裂けるかもしれないし・・・暁美ほむらとの連戦も想定して温存する」



マミ(・・・)

マミ(やっぱりパンティを被ることに違和感を感じなくなってるわ・・・)




さやか「杏介君・・・それじゃあまずは打ち合わせ通りに」


バイオリン仮面「ワルプルギスの「中」で耐えられる時間は少ない・・・逆に取り込まれないように注意してくれ」



バイオリン仮面「ワルプルギスの夜!!僕の演奏を聴け!!」


♪~♪~♪



ワルプルギス「ウフフ・・・アハッ・・・!?」ピタッ


ほむら「・・・!?ワルプルギスの夜の動きが・・・!?」



ほむら「そうね・・・ワルプルギスの夜は・・・私とまどかの精神の融合体」

ほむら「インキュベーターの支配下に落ちたとしてもそれは変わらない・・・
私やまどかが・・・上条恭介の演奏を聴いていたことでワルプルギスもまた・・・それに「同調」しているのね」




くぱぁ(ワルプルギスの中への扉)

バイオリン仮面「動きを止めていられる時間は短い!さやか!早く!!」



さやか「必ず助ける!!6人でこいつに勝つんだ!!」

(扉に飛び込むさやか)



キュゥべえ「なんだ・・・!?何をするつもりなんだ・・・」

キュゥべえ「6人・・・?まさか・・・佐倉杏子のサルベージ!?諦めていなかったのか・・・」



~ワルプルギスの中~
さやか「杏子!!」



キュゥべえ「無駄だよ。美樹さやか」

キュゥべえ「すでにワルプルギスは数千人の魔法少女の魂を吸って成長している」


キュゥべえ「その中から、佐倉杏子だけを見つけ出すなんて・・・そんなの不可能だ」


さやか「必ず・・・必ず見つけ出す!!」

ワルプルギスの中、大量にうごめくソウルジェム
その中でひときわ輝く赤いソウルジェム


さやか「見つけた!」


キュゥべえ「!?」




バイオリン仮面「インキュベーター・・・君は言ったよね・・・僕を魔法使いにして良かったって」

バイオリン仮面「僕の無意識のハーレムの素質が・・・さやかや仁美さんだけでなく・・・杏子達も巻き込むと」



バイオリン仮面「だけど・・・こうして僕の音楽に「同調」して杏子のソウルジェムを発見できたのもまた・・・
僕が魔法使いになったおかげでもあるんだ」



バイオリン仮面「お前からもらったこの力で・・・僕達はお前の企みを全て打ち砕く!!」



さやか「あたしにもう一度・・・円環の力を・・・」

さやか「杏子・・・!!絶対あんたを戻して見せる!!」



ピカッ


さやか「うあああああっ!!」

まどか「さやかちゃん!」


なぎさ「さやかが・・・ワルプルギスからはじきだされたのです!!」


マミ「佐倉さんは・・・!?」


バイオリン仮面「・・・む、無理なのか・・・!?」




ワルプルギス「・・・」

バイオリン仮面「まずい!ワルプルギスの夜が再び動き出す!」



ワルプルギス「アハハハ!!」



魔力波で四方に吹っ飛ばされる魔法少女達


さやか「うあああっ」

バイオリン仮面「あっ・・・ぐっ!!」


ドサッ ドサッ



バイオリン仮面「さ・・・やか・・・」


さやか「ごめん杏介君・・・やっぱ、限界みたい」

さやか「演奏・・・してよ。あたしの円環の力を・・・完全に取り戻す演奏を」

バイオリン仮面「・・・」



さやか「それしか無いよ・・・このままだと・・・」


ワルプルギス「アハハ・・・!!」


キュイイイイイ(溜め)



ゴウッ(口からの火炎放射)


さやか「・・・!!」


バイオリン仮面「さやか!!」




パキィン!!


さやか「・・・」

バイオリン仮面「・・・」



バイオリン仮面「これは・・・」


さやか「編みこみ結界・・・まさか・・・」



杏子「でっけー目覚ましだなさやか・・・おかげでまだ本調子になれねー・・・」

さやか「杏子・・・!!」


杏子「おっす」




まどか「杏子ちゃん!」

なぎさ「杏子!」

マミ「さ・・・佐倉さん!!」




さやか「杏子!!ば・・・バカ!!あたしの声が届いたんなら・・・もっと早く来なさいよ!!」

杏子「ハァ!?これでも全力で走ってきたっつーの・・・」



杏子「あたしの体・・・風見野の教会に安置してたろ?」

さやか「あ」



杏子「おかげでここに来るまでにちょっと消耗しちまったし・・・
特殊な結界で保存してくれてたみたいだけど・・・今まで何も食ってなかったし・・・」

さやか「杏子・・・」

杏子「ラーメンおごってもらうぜ、さやか!!」バッ

さやか「・・・!!」

さやか「いいよ・・・何でもおごってあげるよ!杏子!!」



マミ「待って!佐倉さん!!」


杏子「わ、なんだよマミ・・・これから反撃って時に・・・」

マミ「合体技・・・考えてみたの・・・この日のために皆で練習してきて・・・」



杏子「ハァ!?」

まどか「・・・///」


なぎさ「なのです」

さやか「・・・あー・・・アレか・・・」



杏子「それならあんた達でやってろよ・・・あたしずっといなかったし・・・ワザワザチームワークを乱してまで・・・」

マミ「5人揃わないと出来ない必殺技なの」



杏子「は!?」

杏子「どういう事だよそれ!5人揃わないとって・・・あたしが元に戻らなかったら無駄骨じゃねーか!!」



さやか「戻ってくる・・・そう信じてたからこそ・・・ですよね?マミさん」

マミ「ええ!だからお願い・・・佐倉さんも!!」ワクワク



杏子「・・・」


杏子「仕方ねーな・・・ぶっつけ本番だけどやってやる・・・やり方を教えろ」

マミ「あ、ありがとう佐倉さん!」


マミ「必殺技の名前はね・・・」

杏子「そこから!?」





ワルプルギス「ウフフ・・・」


杏子「うわぁ・・・」

マミ「佐倉さん・・・叫んでくれないの?」



杏子「・・・」

杏子「わかったよ・・・やってやるって!」


杏子「お前らも絶対叫べよ・・・あたしだけ叫ばせて笑いを取ろうってのなら後でぶっ飛ばすからな!!」

さやか「え」


まどか「えー↓」

バイオリン仮面「話はまとまったようだな・・・魔法少女たちよ!」

バイオリン仮面「私の演奏と同調することで・・・君達の魔力は何倍にも増大する!」



♪~♪~♪


マミ「みんな、行くわよ!」

なぎさ「なのです!!」



杏子「くそ・・・」

まどか「ふふっ・・・」


さやか「いっせーのー!!」



5人「セイクリッド・ペンタグラム!!!」




ピカーッ!!


ワルプルギス「ウフフ・・・アハハ・・・キョアアアアアアア!!!」



しゅわしゅわ・・・



キュゥべえ「な・・・!?」


ワルプルギス「ア・・・ハハ・・・」



キュゥべえ「ワルプルギスが・・・ワルプルギスが吸収したはずの魔法少女達の魂が・・・浄化されていく!?」


キュゥべえ「・・・!!」




キュゥべえ「馬鹿な・・・!!さらに「魔女化」が適応されている町の理が・・・元の法則へと・・・
円環の理へ戻っている!?」

キュゥべえ「今の一撃に・・・そんな都合のいい効果が・・・!!」



まどか「いつかキュゥべえは言ったよね・・・わたしの精神と・・・円環の理はつながってるって・・・」

まどか「なら・・・わたしが強い心を持つことで・・・円環の理もまた・・・本来の機能を取り戻せるって」


キュゥべえ「・・・!!」


まどか「二度とあなたに・・・円環の理を触らせない・・・!!」

ゴゴゴ・・・(半女神化)


キュゥべえ「・・・!!」

まどか「円環の理から・・・消え去れ!インキュベーター!!」

ピカッ(アルティメット矢)

~円環世界(ルミナスのあの風景)~


そこの風景にそぐわぬ機械類(インキュベーターの技術)を持ち込んで
円環の理を解析、侵食しているインキュベーター達


シュパシュパシュパアッ(まどかの矢)


インキュベーター達「・・・!!」



インキュベーター達「「わけがわからないよ」」



ちゅどーん(一匹残らずまどかの矢に射抜かれるインキュベーター達)




~現実世界~



さやか「や・・・やったの・・・?」

まどか「うん・・・これで・・・とりあえずはインキュベーターの侵攻を防げたはずだよ・・・」




杏子「それなら・・・後は・・・」

ワルプルギス「ア・・・アハハ・・・」ボロボロ・・・



なぎさ「ワルプルギスの夜に・・・とどめを・・・!!」


バッ!(地に伏したワルプルギスの前に現れた人影)

ほむら「・・・」



マミ「あ、暁美さん!?」



ほむら「この子を・・・やらせないわ」

ほむら「言ったでしょ・・・この子は・・・まどかと私の娘でもあるのよ・・・」



ほむら「何より・・・悪魔の力は今・・・この子の奥に閉じ込められているのだから・・・」



さやか「ワルプルギスと同化して力を取り戻すつもり!?させるか!!」


まどか「さやかちゃん!」

さやか「・・・!?まどか!?なんで止めるの?」


まどか「・・・」

まどか「それが・・・ほむらちゃんとわたしとの約束だからだよ・・・」



ほむら「「何度繰り返すことになっても・・・あなたを救って見せる」」

ほむら「それが・・・私がまどかと交わした約束・・・そして今も変わらない誓い」

ほむら「だから私は・・・あなたにどう思われようと・・・」


ほむら「この世界で永遠に繰り返すこの世界に・・・あなたを傷つけないこの優しい世界に・・・」

ほむら「あなたを閉じ込めておく・・・それだけよ」


ズボッ(ワルプルギスの体内へと同化するほむら)



まどか「もしもわたしが・・・ほむらちゃんと違う道を選ぶのなら・・・」


ほむら「敵になる・・・その時は・・・」



まどか「全力で・・・相手しなくちゃいけないって・・・そう思ったから・・・」


まどか「ほむらちゃんが使える悪魔の力・・・全部わたしが受け止めるよ!!」




ワルプルギスの欠けた顔半分から悪魔ほむらの上半身が出現し、羽を広げる
(イメージ的にはデビルガンダム)





ワルプルギス「ウフフ・・・アハハ・・・!!」



悪魔ほむらと一つになった事により、再び浮上するワルプルギス。


Homupurgisnacht

デェン!!(魔女文字)



ほむら「来なさいまどか・・・!!」(1stテイクボイス)


ほむら「あなた達の勇気が勝つか・・・私の愛が勝つか・・・」



ほむら「二つに一つでしか決着はつかないわ・・・!!」




ゴゴゴ・・・



さやか「これが本当の最終決戦・・・!!」

なぎさ「もう・・・チーズが食べられそうに無いのです!」


マミ「完全に迷いを吹っ切ってるわ・・・!!」

杏子「ああ・・・今のアイツはもう・・・まどかを閉じ込めておく事しか頭に無い・・・!」


バイオリン仮面「勇気か・・・愛・・・」

バイオリン仮面(それなら僕は・・・さやかを・・・)


【続く】

銀河万丈「バイオリン仮面ウィザード最終話!!」



♪~♪~♪(コンクール、大衆の前でバイオリンを弾く恭介)

恭介「さやか・・・」


仁美「おめでとうございます。恭介さん」

恭介「仁美さん・・・僕と一緒に来てくれないか」



恭介「さやか・・・これでお別れだね・・・」

恭介「今まで・・・ありがとう・・・」



最終話

恭介「僕の願いは叶ったよ」



銀河万丈「その時、ハーレムは完成する!」

最終話「僕の願いは叶ったよ」


ほむら「・・・」ゴゴゴ・・・



まどか「ほむらちゃん・・・」

ほむら「これが愛の究極形態・・・」



ほむら「まどかのいるべき世界も・・・そこにある命も・・・時間も・・・全て私が管理・支配する」

ほむら「恐れる必要は無いわ・・・だって次の世界で・・・また会えるのだから」



ほむら「その時には・・・あなた達は全てを忘れているでしょうけどね・・・」



キュイン!


カッ(爆発波)


さやか「うわああああ!!」


バイオリン仮面「さやか!!」




杏子「あの野郎!!」

杏子「!!」



ボトッ ボトッ ボトッ


クララドールズ(ドイツ語)「僕達の親がまた姿を変えたよ!」


クララドールズ「でも、まだ魔法少女っぽいよね?」


クララドールズ「笑っちゃうよね、滑稽だよね」



クララドールズ「だから・・・破滅していく姿を見ていたいよね」

クララドールズ「君達に邪魔はさせないよ!」



ゾロゾロゾロ・・・(数千人)


マミ「この数は・・・」

まどか「みんな!来るよ!!」



クララドールズ「HYAHHAAAAA!!」

なだれ込むドールズ達
数の暴力で一人ひとり孤立させられる魔法少女達

杏子「分身なら負けねー!ロッソ・ファンタズマ!!」ズラッ


質量を持った分身、ロッソ・ファンタズマがクララドールズ達をなぎ払い、
空間を作る


杏子「みんなバラバラになるな!あたしの傍にいろ!」

さやか「杏子、やるじゃん!」



杏子を中心に円陣を組みながら人形の相手をする5人の魔法少女+バイオリン仮面


マミ「きゃっ!?」


なぎさ「マミ!」

人形数人に抱えられるマミ


クララドールズ(ドイツ語)「貢物だ!」



クララドールズ「あたし達の親への貢物!」

クララドールズ「こいつを取り込めば、きっとあいつの胸も!」



ほむら「・・・」



ぐわっ(ワルプルギス部分の口が開く)


ぽいっ

ドールズによって口に投げこまれるマミ


マミ「いやあああああ!!」


ごっくん・・・

まどか「マ、マミさああああああああん!!」


なぎさ「マミが・・・マミがワルプルギスに取り込まれてしまったのです!」




ほむら「捕まえてあげるわ・・・まどか」


シュルシュルシュルシュル!!
(ワルプルギスの腕部分から黒いリボンを展開)


さやか「・・・!!こ、これは・・・!!」


杏子「マミのリボン!?」


バイオリン仮面「巴さんを体内に取り込み、使えるようになったのか!」


ぷちっ ぷちっ ぷちっ(人形を潰しながらまどかに向かってくる数百本のリボン)


まどか「・・・!」
さやか「まどか!!」バッ

ギュルギュルギュル・・・!!


まどかをかばい、黒いリボンに拘束されるさやか

さやか「あ・・・うっ!」


まどか「さやかちゃん!」

バイオリン仮面「さやか!!」



ほむら「順番が狂ってしまったわね・・・まぁいいわ」


拘束したさやかを自分の傍(ワルプルギス頭部)へと移動させるほむら


杏子「あいつ・・・!!」



ほむら「動かないで」

杏子「・・・!」



ほむら「あなた達・・・本当にこの世界を元に戻しても構わないの?」

杏子「な、何言ってんだ今更・・・!」



ほむら「あなた達が求める正しさは・・・まどかはもちろんあなた達の日常も奪ってしまうものなのよ」

ほむら「円環の理であるまどか・・・美樹さやか、百江なぎさ」


ほむら「この子達は・・・私の世界だけで存在できる・・・
世界を元に戻せば・・・間違いなくこの子達は消えるわ」



ほむら「佐倉杏子・・・あなたは・・・美樹さやかを失っても構わないの・・・?」


杏子「・・・!!」



さやか「杏子!こいつの言葉に耳を貸すな!!あたしは構わず今のうちに!!」



ほむら「巴マミ・・・」


ワルプルギス頭部から取り込まれたマミの体が浮き出る。

両手、両足は拘束されたまま


ほむら「あなたを取り込んだ時に記憶が流れてきたわ・・・
「天秤にかけられる仲間なんていない」・・・それがあなたの言葉だったわね・・・」


マミ「誰も失いたくない気持ちは今でもあるわ・・・だけど、それが魔法少女の務めだから・・・!」


ほむら「あなたは進んで苦難を選んでるわけじゃない・・・世話を焼きたいだけよ」

ほむら「一度に作るケーキやお茶の量が減って・・・寂しい思いをするのはあなたよ」


マミ「・・・!!」

ほむら「ほらね、もっともっと誰かの世話をしていたいってそんな顔してるわよ」

ほむら「あなた・・・皆には黙っているけど芸能界にスカウトされて、都会の高校を受験したそうね」

マミ「そ、それは・・・!」

なぎさ「え・・・?」

まどか「マ・・・マミさん?」


ほむら「このままだと・・・世界が元に戻ってもあなたは皆と離れ離れになるわ」

ほむら「その点・・・私の造る世界なら安心よ」



ほむら「ここでリセットされた生命は新しく生まれ変わる。もう一度同じ形で・・・
もう一度一番楽しい一年を繰り返すために」


ほむら「あなたも高校にあがる事無く、同じ時間を繰り返す・・・ずっと皆のいいお母さんでいられるのよ?」



マミ「・・・それでも・・・私は・・・」



さやか「違う!!マミさん違うよ!!今悩むことはそこじゃない!!」


マミ「・・・!!美樹さん!?」



さやか「もう一度同じ形に生まれ変われば・・・ってね・・・結局あんたがやってる事は・・・ただの大量虐殺よ!」



ほむら「なんですって・・・」


さやか「あんたが作ったこの世界が正しいかどうかは解らない・・・でも、
生き返らせるから殺しても構わない・・・諦めても構わないなんて・・・そんな理屈だけは絶対間違ってる!」



さやか「あんたが殺した・・・そしてもう一度殺そうとしている命には・・・
まどかが守ろうとした家族や学校の皆だっているんだ!!」


まどか「さやかちゃん・・・」

さやか「確かにあんただけのせいじゃないよ・・・ワルプルギスはまどかの心にほんの少しあった
「皆と同じ時間を繰り返していたい」って願望が実体化したモノ・・・あんたはそう言った・・・」




さやか「でも、そんなの誰だって思ってる!!
それをあんたは・・・頼まれもしていないのに・・・こんな形で実現させて!!」


さやか「結局あんたは・・・駄目だったら別の時間軸に逃げ込むあの時のままなんだ!
自分も他人も傷つけて・・・まどかを悲しませて!!」



ほむら「少し口がすぎるわよ・・・美樹さやか!」

ギリギリ・・・(拘束が強くなる黒いリボン)


さやか「あ・・・うぐぅっ・・・!!」

ほむら「相手の気持ちも顧みず
頼まれもしない願いを叶える・・・その点ではあなたも私と同一だと思うのだけれども?」

ほむら「上条恭介・・・彼はあなたと引き換えにしてでもバイオリンを弾きたいと望んだのかしら・・・?」

バイオリン仮面「・・・!!」

ほむら「あなたが戦いの運命を受け入れて叶えた願いが・・・バイオリンだと知ったら・・・
彼はとても悲しむと思うわ」

チラッ(氷室を見るほむら)


ほむら「僕のせいでさやかは消滅し、そしてもう一度同じ運命を選ぼうとしているとね」チラッチラッ


バイオリン仮面「・・・」



ほむら「私はまどかを愛する・・・だけど私はまどかに愛されなくても構わない」

ほむら「彼からの見返りを諦め、吹っ切ったあなたなら・・・わかると思ったのだけれど・・・」



さやか「見返りなら・・・もらったよ・・・」


バイオリン仮面「!!」




さやか「だって恭介は・・・バイオリンを弾いてくれているから・・・」

さやか「あたしが願った奇跡で・・・これからも・・・」



さやか「恭介が・・・バイオリンを弾き続けて・・・仁美と幸せになる未来・・・それがあたしの願いだから・・・」

ほむら「それは嘘よ・・・あなたは彼をまだ・・・」



さやか「うん。あたしは恭介が好き・・・それは友達として、今も変わらない」


さやか「あいつをずっと見守っていたい・・・あいつの未来を守りたい」

さやか「「人魚姫の物語」の続きの様に・・・あたし自身がたとえ何に変わったとしても」


さやか「恭介のためにも・・・同じ時間を繰り返すだけのこの世界は、変えなくちゃいけないんだ!」


バイオリン仮面「さやか・・・!」



さやか「あたしは・・・恭介からも逃げない!」

さやか「この戦いが終わったら全部恭介に伝える。好きだった事も・・・叶えた奇跡も!!」



さやか「それが恭介にとって余計な事だったとしても・・・あたしは・・・自分が叶えた願いから・・・
その願いをほんの少し後悔した事からも絶対逃げない!!」



さやか「そんなあたしだからこそ言えるんだ・・・まどかの意志を一方的に無視して
その力を引き裂いたあんたを・・・絶対許しちゃいけないって!」

ほむら「私がああしなければ、まどかは自分を犠牲にして正しい事を選ぶに決まってた!
あなたは・・・まどかがこのまま人間である事を辞めても構わないと言うの!?」



さやか「一人で背負い込むなって言ってんだよ!!」


ほむら「!!」

さやか「あんたが円環の力を奪ってした事にしても、もっと違うやり方だってあったはずだ!」

さやか「世界改変できる程の力なら・・・あんたもまどかも・・・
その両方が幸せになれた方法だってあるかもしれないのに・・・!!」


さやか「まどかの意見はガン無視して・・・「まどかの幸せ」を一方的に決め付けてそれを実行している!」

さやか「あんたは結局・・・
まどかから逃げ続けているだけなんだ!!まどかはいつでも救いの手を差し伸べていたのに!」



さやか「だからあたしは・・・一人で背負い込んでまどかを・・・自分を傷つけるあんたを許さない!」

さやか「ぶっ飛ばして・・・目を覚まさせて円環の理に連れて帰る!!
皆と・・・まどかにごめんなさいしてもらった上でね!」



さやか「あんたの時間も・・・恭介の時間も・・・そしてこの世界を平和に生きる人たちの時間を
・・・もう一度進めるために・・・」




さやか「あたしは信じている!この先辛い事や親しい人との別れがあったとしても・・・」


さやか「皆それを乗り越えて・・・希望を持って未来を生きてくれる・・・!」




さやか「あんたが止めている時計の針を・・・あんたが奪った人々の、あんた自身の未来を取り戻す!
それが・・・円環の使者!!」

さやか「ううん、魔法少女としての使命そして・・・」




さやか「あたしが憧れてきた・・・正義の味方のあり方なんだあああああああああああああ!!」


ギリギリギリ・・・


(引き裂かれそうになる黒リボン)



ほむら「な・・・!?」

さやか「正義の魔法少女・・・さやかちゃんは勝ああああああああつ!!!」



杏子「さやか・・・!!」

まどか「さやかちゃん!!」

なぎさ「さやか!!」




マミ「美樹さん・・・」

マミ「そうね・・・私も・・・大事な事を忘れていたわ」



ほむら「まさかあなたに・・・その言葉を二度言われるとは思って無かったわ」

ギュッ!(再び締めが強くなる黒リボン)



さやか「ぐはっ!!さやかちゃんのパワーアップシーンが!!余力があったんかい!!」

ほむら「やっぱり、あなたと私の行動理念は似ているようでまるっきり違う道を歩むようね・・・」

ほむら「魔法少女時代・・・あなたと友達になれた時間軸の方が少なかったのですもの」

さやか「眼鏡のほむらは素直で可愛かったなー」しみじみ



ほむら「ほむぅっ!?もうそんな所まで記憶が!?」

ほむら「ええい!忘れなさい!!忘れなさいと言ってるのよ!!」


ぎゅうううう


さやか「痛い痛い痛い!!ち、違います~わ、私はかぼちゃ~♪」

ほむら「黙れラズベリー」



ほむら「恥ずかしい記憶と共にあなたを取り込んであげるわ」


ズズズ・・・

再びワルプルギスの体内に取り込まれるマミと
新たに取り込まれるさやか




さやか「マ、マミさん!」

マミ「美樹さん・・・!」



ほむら「私は私の道を行く・・・あなたと考えが交わる事は絶対に無い」

さやか「あたしも絶対に考えを変えたりしない!杏子達なら・・・きっとあたし達を助けてくれるって信じてる!」



ほむら「あなた達の意志は無視してその能力を奪い取る・・・これこそ悪魔の生業よね」


さやか「一人じゃ寂しいだけなんじゃ・・・
あ、ちょ・・・やめて!!外の様子を見ていたいの!!顔は取り込まないで!!」



ズズズ・・・



ズポン・・・



まどか「さやかちゃん!マミさん!!」


なぎさ「二人とも・・・完全に取り込まれてしまったのです!!」



ほむら「そして奪った能力と私の能力を融合させ・・・新しい魔法を打ち出す・・・これが悪魔の力!」


ほむら「名づけてオーラ・ストッパーレ・ティロ・スパーダ!!」どばーん


ほむら(・・・!?///口が勝手に!?)

バイオリン仮面「え!?」

杏子「な・・・なんだって!?」

カッ!(必殺技発動)


杏子「」

なぎさ「」

まどか「」


バイオリン仮面「・・・」



停止した時間。
4人の周りはマミの大砲が囲んでいる



ボシュボシュボシュゥッ


マミの大砲から大量の剣が打ち出され、標的の直前で再び停止する


ほむら「時間(オーラ)停止(ストッパーレ)からの大量の剣(スパーダ)の一斉射撃(ティロ)・・・!!
さぁどうかわすのかしら・・・?」


ワルプルギス部分の腕がまどかだけを避ける



ほむら「まどか以外の3人にはご退場してもらうわ・・・」



ほむら「停止解除3秒前・・・2、・・・1・・・」



バイオリン仮面「なぎさちゃん!杏子!」バッ!!

ほむら「・・・!?」



シュパシュパシュパシュパシュパアッ




バイオリン仮面「あっ・・・ぐうっ!!」



降り注ぐ剣から二人を庇ったバイオリン仮面。
左手の甲を剣がかすめ、負傷する



なぎさ「氷室!!」

杏子「恭介!?い、一体今、なにがどうなったんだ!?」



まどか「え・・・!?え・・・!?」


ほむら「・・・」


ほむら「そうね・・・そう言えば氷室恭介・・・あなたも時の止まった世界へと入門していたわね・・・」


ほむら「停止解除直前に二人の前に割り込んだのはいいけど・・・その左手じゃもう演奏は・・・」


バイオリン仮面「いや・・・僕は弾く!!」

杏子「無茶だ!そんな事したら・・・お前の腕はまた!」

バイオリン仮面「杏子・・・」


バイオリン仮面「さやかの決意・・・伝わったよね・・・君も今の僕と同じ気持ちのはずだよ」

杏子「・・・さやかが信じる道を・・・って事か?」



バイオリン仮面「もう僕に迷いは無い!たとえさやかを失う事になっても・・・!」

バイオリン仮面「さやかが出した答えに!精一杯応える!」

バイオリン仮面「最後に選ぶのはさやかだ!僕はさやかが信じる正義なら・・・!」



バイオリン仮面「皆!僕の演奏に続け!悪魔と同じように合体技で対抗する!!」



♪~♪~♪



まどか「力が・・・」

なぎさ「みなぎってくるのです!!」




ほむら「これは・・・」




クララドールズ(ドイツ語)「巨乳勢を二人もとりこんだのに、アイツ変化しないよ!」

クララドールズ「本当だ!ちっぱいままだ!」



ほむら「・・・」



ぐしゃあっ(ワルプルギスに潰されるドールズ)



クララドールズ「おっぱいが足りないのなら、もっと連れてこようよ!」

クララドールズ「志筑仁美はどうかな?あの子もなかなかのモノを持って・・・」





バイオリン仮面「!!」ピキーン



バイオリン仮面「仁美さんに・・・手をだすなああああっ!!」



まどか「いくよ、杏子ちゃん、なぎさちゃん!」


まどか杏子なぎさ「「「ウルティモ・ドルチェリーア・ファンタズマ!!」」」



カッ!(必殺技発動)

女神まどかの姿をした幻影が数人ドールズに立ちふさがる


女神まどか達「「はぁっ!!」」


一斉射撃した矢の一つ一つが光り輝くお菓子の魔女の巨大形態に変化していく


お菓子の魔女の幻影「モジュベベ~!!」



クララドールズ「・・・!!」



バクンバクンバクンバクン!!!


一匹残らず捕食されるドールズ






ほむら「子供達が・・・!!」


バイオリン仮面「今こそ・・・円環の力を取り戻す!!」



バイオリン仮面「もう一度だけ聞く・・・杏子・・・さやかを失っても・・・後悔は無いかい?」

杏子「さっきも言っただろ?あいつが選んだ道を・・・あんたと同じさ」


バイオリン仮面「鹿目さん・・・なぎさちゃん・・・」

バイオリン仮面「現世にもう二度と戻れなくても・・・それでもやるのかい?」



なぎさ「ここには・・・なぎさが守りたい人たちがいるのです!
この世界が壊されてしまったら元も子もないのです!」


まどか「・・・」

まどか「わたしはちょっとだけ・・・違う答えを見つけたけどね・・・」



まどか「それをほむらちゃんに伝えるためにも・・・良いよ氷室君、演って!!」



バイオリン仮面「鹿目さん・・・上条の言いつけ通り・・・彼から貰ったCDは毎日聞いているかい?」

まどか「・・・!?なんで氷室君がその事を!?・・・聞いてはいるけど・・・なんで・・・?」



バイオリン仮面「演歌としてアレンジしているけど・・・あの曲には元となった曲が存在するんだ」


バイオリン仮面「結婚式をイメージして作った曲・・・それを今、弾くことで!!」


バッ!(さやかノーマルパンティの変身解除)

まどか「・・・!!」


なぎさ「え・・・!?」

恭介「今、君達に円環の力を届ける!」

まどか「かかかか・・・上条君!?」

なぎさ「きょきょきょ・・・恭介!?」


杏子「・・・」



恭介「さやか・・・約束したのに・・・
何度も何度も・・・君以外のパンティも身に着ける僕を・・・許してくれ!!」


スッ(仁美の縞パン)

杏子「あれは!!」



ドックン・・・ドックン・・・ドックン・・・




がばっ



恭介「フ・・・」










恭介「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」


ピカーッ(顔と股間から強烈な光を放ちながら、再び変身形態する恭介)


ゴゴゴ・・・



金色の装飾とダイヤモンドを模したアーマーの新バイオリン仮面が現れる



バイオリン仮面「バイオリン仮面サバイブ・インフィニティ(無限)!!」バァーン!!



バイオリン仮面「僕の演奏を聴け!!」


♪~♪~♪



まどか「・・・!!」


なぎさ「・・・!!」



杏子「まどか!なぎさ!」



ほむら「・・・うっ!?」



~ワルプルギスの胎内~


魔女の内臓と思わしきものに敷き詰められながら、抱き合わせているさやかとマミ


マミ「窮屈ね・・・痛くない?美樹さん」

さやか「マミさんのおっぱいクッションなら全然平気です!」


さやか「むしろ・・・このままでもいいかなって・・・///」

さやか「憧れのマミさんと一緒か・・・ま、こんな最後も悪くないよねって・・・思ってきちゃったり?」



マミ「もう!ちゃんとなさい、あなたには未来を守りたい男の子が二人はいるでしょう?」

さやか「恭介と杏介君・・・」




さやか「ん?マミさん!なんか聞こえてきませんか?」


マミ「これは・・・バイオリンの演奏!?」




さやか「この曲は・・・」

さやか「そっか・・・あいつの・・・」




ピカッ

光りだすさやか



マミ「美樹さん!?」


さやか「マミさん、脱出するよ!ここからはあたし達の反撃だよ!!」




スパァン!!

魔女の内臓に切り込みを入れ、流血させるさやか


さやか「出て来い!あたしの絶望!!そして・・・あたし自身!!」


血を媒介にそれは実体化する

人魚の魔女「KUOOOOOOOOOOO!!!」



マミ「これは!!」


苦しみ出すワルプルギス



ほむら「う・・・うあああああああ!!」


ベリベリベリ・・・バギィン!!
ワルプルギスの下腹部を手で引き裂き、出現する人魚の魔女

人魚の魔女「UOOOOOOOOOO!!」


杏子「あれは・・・さやか!!」



さやか「皆!!」

マミをお姫様抱っこして地上に降り立つさやか


まどか「さやかちゃん!」

なぎさ「マミ!!」




杏子「さやか・・・その体の光は・・・」

さやか「ごめん杏子・・・あたし・・・もう、ラーメン奢ってやれないみたいだわ・・・」



バイオリン仮面「さやか・・・!」



さやか「・・・そのパンティ・・・」


さやか「そっか・・・やっぱりそうだったんだ・・・」




さやか「ずっとずっと・・・あたしを守ってくれたんだね・・・嬉しいよ・・・「恭介」」




バイオリン仮面「さやか・・・!!」


バイオリン仮面「ごめん・・・ごめんよさやか・・・!!」



杏子「・・・」

杏子「早く済ませちまえよ・・・余計に悲しくなる・・・」



さやか「まどか・・・なぎさ・・・手を出して」



がしっ

それぞれの手を取り合う3人



さやか「あたしとなぎさが預かってた円環の力・・・それを今まどかに戻すよ・・・」


なぎさ「わたし達は・・・!!」

まどか「魔法少女の希望・・・!」



さやか「「「円環の理!!」」」


ピカッ

ゴゴゴ・・・

まどかの力が完全復活し、女神まどかの姿となる




杏子「これが・・・!!」


マミ「鹿目さんの・・・円環の理の真の姿・・・!!」

さやか「やったねまどか!元に戻れたよ!!」



女神まどか「皆・・・お願いがあるの」


女神まどか「ほむらちゃんに伝えなくちゃいけない事・・・それをわたしは・・・
たった一撃に全て込めたいの・・・全力全開の一撃に全てを・・・」



なぎさ「時間稼ぎなのですね?」

さやか「オッケー任せて!!」



バイオリン仮面「さやか!!」



さやか「何やってるの恭介!置いてくよ!!」


バイオリン仮面「さやか・・・!!君を騙し続けていたこの僕を許してくれるのかい!?
また・・・一緒に戦ってくれるのかい!?」



さやか「何言ってるの恭介!!あたしが今まで恭介に本気で怒ったことなんてある?」


さやか「いつだって「ありがとう」だよ!恭介のおかげでまどかは力を取り戻せたんだ!」



さやか「それに・・・氷室君としてあたしといてくれた時間・・・とても楽しかった・・・
すっごい嬉しかった・・・それがあたしへの気遣いだったとしても」



さやか「だから改めて言うよ!!あたしは・・・世界の誰よりも恭介が好きだよ!!」



ちゅっ(ほっぺへのキス)

バイオリン仮面「ささささ、さやか!?」


さやか「でも、これからは友達だからここまで!続きは仁美に教えてもらうんだぞ!!」


ワルプルギスの下腹部を押さえながらうずくまるほむら

ほむら「させない!!やらせない!!まどかを・・・まどかを神様なんかにしちゃいけない!!」



ほむら「まどか!!打たせないわ!!私は・・・私はあなたを・・・人間としてのあなたを守るのよ!!」



バッ!(ほむらの前に立ちふさがる4人+バイオリン仮面)


さやか「まどかの所に行きたければ、先にあたし達を倒しなさい!!」

ほむら「邪魔しないで!!まどか!!まどかぁ!!」


「全ての魔女を生まれる前に消し去りたい」
ほむらはまどかがその言葉を口にした時の光景をフラッシュバックしていた




マミ「ドレッドノート・ティロ・フィナーレ!!」



列車大砲から繰り出されたティロ・フィナーレはほむらが同化しているワルプルギスの右腕を吹き飛ばした



ほむら「まどか!」

右腕を失いつつもまどかに直進するほむら。周りの魔法少女達などおかまいなしに。



杏子「ディーエス・イーレ!!(最後の審判の日)」



巨大槍がワルプルギスめがけて突進する。
衝突の瞬間、ワルプルギスは体勢を崩し、今度は左腕を吹き飛ばされる



ほむら「まどか・・・!!」フラフラ・・・



さやか「スクワルタトーレ!!」


さやかの斬撃が左下半身を捉える




なぎさ「ボッラ・エスプリズィオーネ!!」


なぎさが繰り出したシャボン玉はワルプルギスの右下半身に触れると同時に
爆発する



四肢を損傷し、ついに歯車だけになったワルプルギス。
それでもほむらはワルプルギスとの融合を解除せず、這うようにまどかに直進する

ほむら「まどか・・・まどか・・・まどか・・・!!」カサカサカサ!!

這うスピードが異常に速くなり、まどかの目の前まで近づく



さやか「!!な、なんていう執念!!」



ほむら「まどか・・・!!」


バイオリン仮面「鹿目さん!!危ない!!」



がしっ

ほむら「つ・か・ま・え・た♪」(1stテイク)


まどか「ううん、捕まえたのはわたしだよ」
ほむら「・・・!?」

ぎゅっ(ほむらをそっと抱き寄せるまどか)


ほむら「まどか・・・?」



まどか「わたしね・・・ずっと考えてた」

まどか「ほむらちゃんが作ってくれたこの世界の事・・・ずっと考えてたんだ・・・」



しゅうう・・・

まどかに抱かれ、悪魔化とワルプルギスとの同化を解除させられるほむら

ほむら「・・・」


ほむらから離れ、
歯車だけとなったワルプルギスが世界中から呪いを吸収し、再びその体を形成しようとする


杏子「ま、まずい!!」




まどか「もう一度皆と会えて思ったんだ・・・やっぱり皆と・・・お別れしたく無いって・・・」


まどか「そう気付かせてくれたほむらちゃんに・・・その願いを叶えてくれたほむらちゃんに・・・
今では「ありがとう」って思うよ」


まどか「ほむらちゃんが作ってくれたこの世界のこと・・・愛おしいって思ったんだ」




さやか「まどか!早くワルプルギスにとどめを!!」


まどか「わたしのために・・・こんなに傷つきながら・・・
ありがとねほむらちゃん・・・大好きだよ」



ほむら「駄目・・・!!」

ほむら「私は・・・あなたに愛されてはいけない存在なの!その証拠に・・・
あなたは口ではそう言っても・・・また神様になろうとしている!!私の決意を・・・
私の作ったこの世界を否定しようとしている!!」




まどか「それは違うよ・・・私・・・自分の願いも・・・ほむらちゃんの願いも
無駄にしない「答え」を考えたんだ・・・」




ワルプルギス「ウフフフ・・・!!」

口が再生され笑えるようになったワルプルギス、その巨体を再び宙に浮かせる



まどか「あともう一度だけ・・・もう一度だけ世界を書き換えよう」



まどか「でもその場所には・・・わたしもほむらちゃんも・・・さやかちゃんもマミさんも
杏子ちゃんもなぎさちゃんも・・・上条君や仁美ちゃん・・・パパママ、タツヤ、学校の皆・・・
世界の皆もちゃんといるよ・・・」



ほむら「・・・!?ど、どういう事なの!?」

まどか「ほむらちゃんが叶えてくれた「鹿目まどかの平凡な日常」・・・
そこに決定的な意見の食い違いがあるとしたら・・・それは「時間」」


まどか「たしかに皆とお別れしたくないけど・・・学校も卒業出来ずに「延々と同じ時間を繰り返す」のだけは
ちょっと違うかなって・・・」


女神まどかが弓を再生中のワルプルギスに向ける



まどか「ほんの少しだけ・・・「皆との別れ」を恐れたからこそ・・・あの子が生まれた・・・!」


まどか「認めるよ・・・あの子はわたしの心の弱さ。わたしとほむらちゃんの心の弱さが生み出した
実の「娘」だって事を!!」



ギリギリギリ・・・

力いっぱい弓を引っ張るまどか



まどか「でもだからこそ・・・あの子を導いてあげなくちゃ!!」



ほむら「まどか・・・!!あなたの・・・あなたの出した答えって!?」


まどか「女神の仕事・・・ほんのちょっとだけお休みをもらえばいいんだよ」



ほむら「え・・・?」



まどか「今度は・・・時間の流れを繰り返さない世界で・・・わたしは・・・わたしは・・・!!」



まどか「わたしは皆と一緒に・・・鹿目まどかとしての!人間としての人生を全うする!!」




まどか「それがわたしの・・・悪魔になってまでわたしを人間に戻してくれたほむらちゃんへの!」



まどか「「応え」だから!!」


シュパアッ




女神まどかの放った矢が歯車を射止める


ワルプルギス「ウフフ・・・アハハ・・・!?」



ワルプルギス「アハ・・・アハハ・・・ヒャアアアアア!!」




崩壊していく歯車。雨雲がすこしずつ晴れていく


ほむら「まどか・・・!!」

さやか「まどか!!」

杏子「まどか!」


なぎさ「まどか!」

マミ「鹿目さん!」


バイオリン仮面「鹿目さん!!」




杏子「やったのか・・・?」


まどか「ううん、呪いの量があまりにも多いから・・・今でもまだ導いてる途中なんだ」

ピキピキ・・・パリィン!!

ワルプルギスの歯車が割れ、中から光の玉が出てくる




まどか「そしてあれが・・・ほむらちゃんが奪った私の力・・・」

まどか「主に世界改変を行うための力だよ」



さやか「あれを手に入れれば・・・全部終わるんだね・・・」




なぎさ「仕事を休むって・・・ほんとにそんな事許されるのですか?」

まどか「多分大丈夫だと思う・・・元々わたしが作ったシステムだし・・・
長生きしても人間の場合100年として計算しても・・・」



まどか「人類が誕生してから万年単位で導いてきたし・・・
そしてこれから何億年って続く仕事だからそれくらいは・・・」



まどか「平行世界の数も考えれば・・・もうすでに1000万年は仕事してきた事になってるのかな?」


まどか「引継ぎは・・・ジャンヌちゃんあたりが適役かな?100年だけだし引き受けてくれるよね?」


さやか「まどか・・・あんた仕事のこなし方がママに似てたわよ・・・
ジャンヌは意外にそそっかしい所あるけど大丈夫か?任せて」


杏子「おいそこ・・・歴史上の偉人で友達トークすんな」




さやか「それはそれで片がつくとしても・・・本当にあたしとなぎさも復活できるの?
そんな何もかも都合が良くなる結末が?」


まどか「間違いなく復活するよ・・・ただ・・・」



さやか「ただ・・・?」



まどか「ほむらちゃんとわたしの記憶を元に・・・もう一度世界を構成するから・・・
運命的な事は変えられないんだ・・・」

ほむら「私とまどかの記憶・・・?つまりはあの日・・・まどかが私を迎えに来たあの日までに確定した事実は・・・」

まどか「変わらない・・・変えられないんだ・・・」



まどか「だから・・・もう一度命をもらっても、さやかちゃんは上条君のために契約して・・・
そして中学を卒業する前に・・・導かれるのは変わらないんだ・・・」



バイオリン仮面「・・・!!」


さやか「そっか・・・」



さやか「ま、それは仕方ないよね。んまぁ、もう一度生まれ変われるだけ幸せだよ!」



まどか「それとね・・・皆・・・特に上条君にとって大事な話なんだけど・・・」



まどか「世界改変すれば・・・この世界で起きた出来事は・・・皆忘れちゃうんだ・・・
この戦いの記憶も・・・何もかも」


マミ「え!?上条君!?上条君がどこにいるって!?」キョロキョロ




まどか「上条君は本来・・・魔法少女になるはずのなかった存在だから・・・
改変すれば・・・もう二度と魔法少女に関わる事は無いの」




まどか「さやかちゃんが願った奇跡も・・・その理由も知らないままになっちゃうの・・・」

バイオリン仮面「・・・」




さやか「・・・」

さやか「でもまぁ、バイオリンに集中するって考えればむしろそれって都合のいい事なんじゃないの?」



バイオリン仮面「さやか・・・」



さやか「あたしの気持ちを知っちゃうと・・・仁美ともイチャイチャできないっしょ?だからそれで良いよ」



さやか「今のこの記憶が無くなるとしても・・・
ちゃんと伝え合えたこの世界であたしと恭介が分かり合えた。それだけであたしは幸せだから」




まどか「ごめんねさやかちゃん・・・一回目の女神化の時も・・・さやかちゃんの望む未来を無くしたのに・・・」

さやか「いいのいいの!あたしはもう吹っ切ってるから!!」



さやか「あたしのじゃなくて・・・恭介は仁美の縞パンを選んだ・・・つまりはそういう事でしょ?」


バイオリン仮面「さやか・・・これは・・・」

マミ「えっ!?えええええ!?ウィザードが上条君だったの!?」

なぎさ「マミ・・・少し黙ってて欲しいのです」




まどか「さて・・・そろそろ世界改変、始めなきゃ」


さやか「いったん皆とはお別れだね・・・」

杏子「復活してもまたすぐいなくなるもんな・・・さやかのバカ・・・」



ほむら「・・・」

ほむら「いいわまどか・・・好きになさい」ドサッ



ほむら(これで良かったのよね・・・まどかは・・・私の願い通り・・・
「人間としての幸せ」をこれから生きていくわけだし・・・)



ほむら(この答えが最善かどうかわからない・・・だけど・・・私はもう
スッキリしてしまっている・・・)


ほむら「私はこれで報われたのかしら・・・?」



バイオリン仮面「さやか・・・!!」



さやか「恭介・・・」




まどか「上条君・・・これが最後だよ・・・」

まどか「ここまで心が通い合った二人は・・・今のこの世界だけだから・・・」




まどか「さやかちゃんのために・・・弾いてあげて・・・!」



バイオリン仮面「・・・」


スッ(バイオリン)



♪~♪~♪



魔法少女達「・・・」うっとり



さやか「ありがとう恭介・・・やっぱり・・・大好き」


さやか「ねえ知ってる?あたしが幼稚園の時泣き出した「人魚姫の物語」・・・実は続きがあるんだって事」




バイオリン仮面「王子様との恋に破れ、身投げした後の事かい?」

さやか「その後が肝心なんだよね・・・人魚姫は・・・風の精霊シルフィードに転生するんだ」


さやか「世界中の人々に・・・幸せの春風を送り届ける精霊・・・それに変化した人魚姫が
最初に祝福したのは・・・王子様とお姫様だって・・・」



さやか「だからあたしも・・・そうありたいって思ったんだ・・・」

さやか「だから恭介・・・仁美と・・・仁美と絶対幸せになってよね!」


さやか「恭介と仁美を一番に祝福できる風の精霊に・・・さやかちゃんは生まれ変わるんだ!
二人に祝福の風を送り届けるんだってね・・・」




バイオリン仮面「ああ・・・良く知ってるさ・・・!」

泣きながら演奏するバイオリン仮面



さやか「恭介の未来・・・そして・・・」







さやか「恭介の「願い」が・・・今度こそ叶うんだね・・・!!」






バイオリン仮面「・・・!!」





♪~♪~♪~♪



まどか「え、え、ええ!?」




マミ「曲調が・・・曲調が突然恐ろしいものに変わった・・・!?」




さやか「そんな・・・この曲は・・・この曲はシューベルトの・・・!!」



ほむら「・・・!?上条恭介!?あなた一体何を・・・!?」




バイオリン仮面「良く知ってるよ・・・人魚姫の物語は・・・!」

バイオリン仮面「あの日泣き出したさやかのために・・・僕は人魚姫の想いが報われる話を書いたんだ」


バイオリン仮面「その時書いた物語こそ・・・「バイオリン仮面ウィザード」の原型だったのかもしれないね・・・」

バイオリン仮面「だけど・・・これから僕が奏でるのは・・・その結末とも違う・・・別の「物語」さ・・・!!」

さやか「この曲は・・・!!」ゴゴゴゴ・・・

バイオリン仮面「人魚姫は身投げする前にある選択を迫られる」

バイオリン仮面「王子の心臓を刺して、
その血を持って元の姿に戻るか、人間に恋した呪いで消え去るかの選択をね・・・」



バイオリン仮面「さやか・・・君は僕の命で人間としての人生を取り戻すのさ」

さやか「何言ってるの恭介・・・!!?こ・・・これは・・・!?」


♪~♪~♪



杏子「・・・!!か、体が動かねー!!」



なぎさ「恭介!!何をするつもりなのです!!」



バイオリン仮面「今・・・演奏による精神操作で君達の動きを全て止めさせてもらった・・・」


バイオリン仮面「そして・・・」


演奏しながらまどかの力の一部に触れようとする恭介



まどか「待って上条君!やめて!!」



さやか「恭介!?何をしているの!?早く拘束を解いて!!」



バイオリン仮面「僕は結局・・・さやかか仁美さんか・・・決められなかったよ・・・」


さやか「え・・・!?」



バイオリン仮面「だから僕は・・・こうするんだ・・・この力があれば・・・
僕の「願い」は叶うんだ・・・!!」



さやか「嘘よ!恭介が愛してるのはあたしじゃなくて仁美だよ!その証拠に・・・その証拠にあんたは
仁美の縞パンを・・・!!」




バイオリン仮面「・・・」ジーッ↓

社会の窓を開ける恭介


さやか「・・・!!」


まどか「そ、そんな・・・」


杏子「し・・・下にもう一枚!!」


マミ「み・・・美樹さんの縞パンを!!」


バァーン!!

バイオリン仮面「さやかか仁美さん・・・
どちらか一枚だけの縞パンを身につけてもここまでの力は得られなかった・・・」



バイオリン仮面「僕が「その存在」になれたのは・・・
さやかと仁美さん・・・その両方の縞パンを見につけたからこそなんだ・・・!!」


さやか「恭介!目を覚まして!!あんたの願いは・・・バイオリンを弾き続ける事でしょ!!」



バイオリン仮面「違うよさやか」

さやか「え・・・!?」



バイオリン仮面「君の言うとおり・・・僕は・・・僕の「願い」を叶えるために「その存在」になるんだ・・・」


さやか「だから・・・恭介の願いは!!」

バイオリン仮面「「さやかにコンクールに来て欲しい」だよ」


さやか「・・・!!」



バイオリン仮面「一番初めに・・・キュゥべえに告げた願いが・・・それだった・・・」

♪~♪~♪



ほむら「「その存在」・・・!?上条恭介!あ、あなた一体何者になろうとしているの・・・!!」


ほむら「私とまどかを・・・悪魔と女神・・・その両方を出し抜いて・・・一体どこに行き着こうと・・・!!」




♪~♪~♪


さやか「そうだよ・・・この曲は・・・シューベルトの・・・」



バイオリン仮面「さやかや仁美さんだけで無く・・・君達の身体を操れるほどに僕の演奏は
君達の心を侵してしまった・・・」



バイオリン仮面「そして今・・・その能力を悪用し・・・君達を思うがままに囲おうとしている」

バイオリン仮面「君達全員を幸せにする結末を・・・」


バイオリン仮面「ハーレムは誰にも崩させない!!」



バイオリン仮面「「そんな存在」はもう・・・」


さやか「「魔王」・・・!」




バイオリン仮面「と、でも呼ぶしか無いんじゃないかな?」ゴゴゴ・・・


バイオリン仮面「だけど・・・僕は暁美さんとは違う・・・さやかの意志を無視するわけじゃない」
パチン!(指)

さやか「・・・!?」ガタッ



さやか「体が・・・動く!?」

バイオリン仮面「さやかだけ動けるようにしておいたよ」



再びまどかの力に歩み寄る恭介


さやか「恭介!待って!!」


シュッ!(恭介に剣を突きつけるさやか)


さやか「動かないで恭介・・・それ以上それに近づいたら・・・恭介でも斬るよ!」



バイオリン仮面「そうださやか・・・それで良いんだ・・・」


がしっ

さやか「・・・!?」



さやかの剣を掴んで自らの心臓の位置を差し出す恭介



バイオリン仮面「わかっていたさ・・・僕のわがままは失敗に終わるって・・・」

バイオリン仮面「正義の味方のさやかなら・・・きっと僕を止めてくれるって・・・」



さやか「な・・・何言ってるの恭介?は、早く冗談はやめて、みんなにかけた演奏魔法を解いてよ!」



バイオリン仮面「駄目だよさやか・・・約束したじゃないか・・・」


バイオリン仮面「悪い奴相手なら・・・たとえ演奏仮面でも戦うと・・・!!」


さやか「・・・!!」




バイオリン仮面「さやかに殺されるのなら・・・それで良い・・・
さやかがそれを選ぶのなら・・・僕は自分のわがままを諦めきれるから・・・」


バイオリン仮面「そういう意味で僕は・・・「さやかの選ぶ道を信じる」って言ったんだ・・・」



バイオリン仮面「正義の味方に憧れてるんだろう!!
僕を殺して・・・本物のヒーローになるんださやか!!」



さやか「う・・・う・・・うああああああ!!」ガタガタガタ

泣きながら剣で威嚇するさやか。震えが止まらない。



さやか「勝手なことばかり言って・・・仁美は!仁美はどうなるのよ!!
あんたが死んだら・・・仁美は!!」

バイオリン仮面「音楽のため海外留学にでも行ったと伝えてくれないかな?」

バイオリン仮面「僕を一度殺して世界改変の際生き返らせようだなんて甘い考えは捨てたほうが良いよ・・・
世界改変の際生き返りを拒否するくらいの力なら今の僕にだってあるからね・・・」


バイオリン仮面「僕を殺して正義の味方になるか・・・それとも偽りだとしても人間としての幸せに浸るか・・・」



バイオリン仮面「奇しくも人魚姫が迫られた二択と同じさ」



さやか「なんで・・・!?なんでなのよ・・・!!」ガタガタガタ



仁美(丸一日だけお待ちしますわ)


さやか「なんで仁美も恭介も・・・!!あたしにこんな大事な選択を迫るの!?なんで!?」


さやか「そんな大事なこと・・・答える準備をしてない時に限って・・・なんで・・・!!」




バイオリン仮面「いつだって迫られているよさやか・・・」

さやか「・・・!!」



バイオリン仮面「最初から君が僕に伝えてくれれば・・・僕は君の物になったんだ・・・」



バイオリン仮面「もっと言うなら・・・バイオリンを弾けなくても・・・さやかと一緒に
「普通の人間として」歩む道が・・・」


バイオリン仮面「そうなっていたのなら・・・僕だって君が消える事を受け入れられずに
こんな事をするなんて考えもしなかったさ」



さやか「あたしの・・・」


さやか「あたしのせいなの!?あ・・・あたしが恭介に告白出来なかったから・・・
あたしが・・・勝手に恭介の腕を治しちゃったから・・・!!」


さやか「あたしの弱さが・・・恭介を魔王に変えちゃったって言うの・・・!?」




まどか「違うよさやかちゃん!それは弱さじゃない!!」



杏子「やれさやか!!そいつはもう恭介じゃない!
世界をわがままに支配したいだけの「魔王」だ!!」



さやか「う・・・うわあああああああああああ!!」


勢いをつけて恭介の心臓を突こうとするさやか



ピタッ

しかし、やはり止まる剣先

カラァーン
さやかは剣を落とす

さやか「出来るわけ無い・・・出来るわけ無いよ・・・」


さやか「たとえ悪い奴でも・・・あたしが・・・あたしが恭介を殺すなんて・・・出来るわけない!!」


さやか「う・・・うあああああ!!」

さやか「うわあああああああああああああああ!!」

泣き崩れるさやか



まどか「さやかちゃん・・・」


ゴゴゴ・・・



悪魔の力が恭介に吸収される



バイオリン仮面「僕の勝ちだねさやか・・・」


バイオリン仮面「だけど信じているよ・・・
君は必ず自分の使命を思い出して・・・いつか僕を殺してくれるって・・・」



バイオリン仮面「その時こそ君は・・・本当の意味で正義の味方になれるのさ・・・」


ゴゴゴゴ・・・


地上が黒い瘴気を覆い、そして恭介の姿を隠す

まどか「上条君!!」




地球全体がバイオリンの形をした瘴気に包まれ、再び世界改変が始まろうとしている

~~~


ほむら「・・・」




ほむら「世界が書き換えられていく・・・だけど何故・・・私にこの光景が見えるの!?」



恭介「暁美さん・・・」

ほむら「上条恭介!?あなたが私を呼んだの!?一体何故!?」



恭介「口ではああ言ったけどね・・・僕は君より上位の「悪魔」になる気は無いんだ・・・」



恭介「君でなくては出来ないことがあるんだ・・・だから僕は・・・君の上に立つ気は無い」

ほむら「・・・!?どういう意味!?何を考えてるの!?」




恭介「この身体の全てを・・・君に差し出す。そう言っているんだ」

ほむら「・・・!?」

恭介「そして改心しかけた所悪いけど・・・やはり君には悪魔の仕事を続けてもらいたいからね」



ほむら「・・・!!」

ほむら「やはりあなたは・・・魔王と呼ぶのにふさわしいわ・・・」



恭介「それはありえないね・・・何故なら今から僕は・・・君の・・・「悪魔の」眷属になるのだから・・・」


ひざまずいてほむらの手の甲にキスをする恭介。




~~~~~




世界改変後、ワルプルギスが来ること無く平和に卒業式を終える見滝原中学の風景。


そして春休み




わいわいがやがや・・・

~ジャニー北側主催、バイオリン・コンクール~



まどか、ほむら、なぎさ、マミ、杏子、さやか、そしてさやかの隣に男性と思わしき人物がそれぞれ招待された
指定席に座る



恭介「25番、上条恭介・・・」


♪~♪~♪

ステージのカーテン裏で恭介を見守る仁美




~~~

コンクールが終わり、恭介と仁美がいる控え室へとむかう魔法少女6人と一人の男性



仁美「皆様・・・今日は恭介さんのコンクールにお越しいただいて・・・まことにありがとうございます」


さやか「おおっ!仁美すっかり恭介のお嫁さんっぽさが身についてきたね!!」


仁美「も・・・もうさやかさん!からかわないでください!!」


さやか「あれ?そういえば恭介は?」

仁美「主催者のジャニー氏に呼ばれたとかで・・・まだ帰ってきてませんわ」



仁美「さやかさんのお隣の方・・・あなたが・・・」


氷室「初めまして。氷室杏介です」


さやか「へへーんどうだ!恭介よりかっこいいだろー!でも仁美にはあげないよ!!」

恭介「・・・」ガチャッ


仁美「あ、恭介さん、お帰りなさい」


恭介「さやか・・・それに皆さん・・・来てくれたんだね・・・」

恭介「それと・・・氷室・・・」



氷室「本当は客としてじゃなくて・・・奏者として君と再会したかったけどね、上条・・・」

恭介「・・・」



恭介「左手の傷さえ無ければ・・・残念だったね・・・」




氷室「僕なら大丈夫・・・何年かかっても復帰してみせるさ・・・」

さやか「そうだよ恭介!なんたったって杏介君には、あたしがついてるんだからね!!」



さやか「ところで・・・ジャニーさんの用って何だったの?」



恭介「・・・」




恭介「アメリカに留学する気は無いかと・・・誘われたよ」



仁美「・・・!」

さやか「やったじゃん恭介!あのジャニーさんに誘われるなんて、本当にすごい事だよ!!」



仁美「お・・・おめでとうございます」震える仁美


マミ、なぎさ、まどか「おめでとう!!」

杏子「おめでとさん」

ほむら「おめでとう・・・」


恭介「決め手は今回のコンクールだったらしいけど・・・実は以前から何度も誘われていたんだ・・・」


仁美「そ・・・それでお返事は・・・」





恭介「・・・OKを出したよ」



仁美「そう・・・ですか・・・出発はいつ・・・」


恭介「春休みが終わってすぐ・・・だから僕は・・・見滝原中学の三年には進級しないつもりなんだ・・・」

仁美「・・・」


さやか「ちょ・・・!?ちょっと恭介!?いくらなんでも急すぎるでしょ!仁美になんの相談も無しに!?」

仁美「以前・・・恭介さんが言っていたのはこの事だったのですね・・・
「さやかさんと離れ離れにならなくちゃいけない」と言っていたのは・・・」


恭介「仁美さん・・・」


仁美「はい・・・」



恭介「僕と一緒に・・・アメリカに来てくれないか?」

仁美「・・・!!」



さやか「うおおおおおおおおお!?」

氷室「・・・!?」




恭介「いきなりでこんな事無茶なのはわかってる・・・だけど・・・だけど
ジャニーさんは許可してくれたんだ!」


恭介「仁美さんはどこまでも僕についてきてくれるって言ったよね?だから・・・だから・・・」




仁美「・・・」


仁美「嬉しい・・・」


恭介「えっ・・・?」



仁美「すごく嬉しくて・・・涙が止まりませんわ・・・」ぽろぽろ・・・



仁美「もちろん・・・もちろん喜んでお供させて頂きますわ!私の両親は・・・私が説得します!」



恭介「ありがとう・・・仁美さん・・・」



さやか「うーん、じゃあさ!送別会やろうよ!恭介と仁美が日本にいるうちに盛大にさ!」


恭介「うん、だからそのつもりで・・・僕も準備をしてきたんだ」



恭介「佐倉さん、以前から頼んでいたあの件、了承してくれるかい?」

杏子「ああ、あたしの教会を借りるってアレか。ボロボロでよければ別に構わないぜ」




恭介「鹿目さん、以前あげた演歌のCD、いつでも歌えるように準備しておいて!」

まどか「ウェッ!?あ、あのプレゼントってそういう意図があったの!?」



仁美「きょ、教会で歌で送り出されるって・・・送別会と言うよりはその・・・」

仁美「結婚式・・・みたいですわね・・・///」ぽっ

恭介「僕はそのつもりだけど?」どばーん

さやか「・・・!!」

氷室「・・・!!」


マミ「え、えええ!?ええええええ!?///」

なぎさ「きょ、恭介!だ、大胆!!」



さやか氷室「「せーのっ」」





氷室さやか「「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」」




恭介「なんだそのリアクション!?というか息ピッタリじゃないか!!あわせてきたのか君達は!!」



仁美「・・・///」ぽー



仁美「」ぷしゃああああ


鼻血を出して卒倒する仁美



恭介「ひ、仁美さん!?」


さやか「まどか!保険委員!はやくなんとかして!!」



ほむら「焦りすぎよ・・・鼻血くらいで・・・こういうときはまず気道を確保して・・・」

まどか「ほむらちゃん、それ人工呼吸」



ほむら「ほむっ!?」



杏子「お、仁美とほむらがキスすんのか?二人ともその気がありそうだからなー」



ほむら「杏子!!」


~~~

送別会



さやか「仁美?どうしたの?」

仁美「い、いえ・・・珍しい猫が紛れ込んでいると思ったのですが・・・どうやら見間違いのようですわ」




さやか「それじゃあ盛大に!」

さやか「恭介、仁美、留学アンド結婚おめでとー!!」パァン!パァン!!


その他「おめでとう!!」パァーン!

さやか「これ、あたしからのプレゼント!」スッ


仁美「絵本?」

恭介「人魚姫じゃないか・・・懐かしい」



仁美「でもなんで・・・絵本?私たちなら活字の原作でもよろしかったのに・・・」


さやか「ああ、違う違う。あんた達の子供に読み聞かせてやれって意味だよ」


仁美「なななな・・・!?///」


恭介「さやか!?い、一体何を言ってるんだ!!」



さやか「次に会うときはガキの一人や二人こさえとけよ!って・・・別れの時の台詞の定番じゃなかったっけ?」

恭介「どんな定番だよ!一年そこいらで帰ってくるのに作るわけないじゃないか!!」



さやか「ん?じゃあ子作り自体は興味あるんだ?」

恭介「な・・・!?///」



仁美「さやかさん!!///」




さやか「嘘嘘。じゃあ次に会うときはオトナになってるんだぞ!って事で許してあげるよ!!」

恭介「さやかと氷室もね!!」


さやか「ななななななな!!///あたし等の事は関係ないでしょ!ほうっておいてよ!!」





さやか「でもこの本懐かしいな・・・あたし、小さい頃泣き出したんだっけ?」

氷室「怖くて泣いたのかい?」



さやか「怖くてって・・・そんなんじゃないよ・・・どっちかっていうと悲しい系のお話・・・
ってアレ?」


ペラペラ・・・


氷室「どうかしたの?」



さやか「うん・・・いや、まぁ・・・怖い話だったけどさ・・・」


さやか「人魚姫って・・・こんな話だったっけ?って思ってね・・・」



氷室「そりゃあ何百年も前の作品だからね・・・出版社によって解釈が違うよ」


さやか「そうかな?うーん・・・なんかおかしいんだよなー・・・」

~見滝原空港~


恭介と仁美を見送る一同


恭介「これで・・・ひとまずお別れだね・・・さやか」

さやか「うん・・・」



恭介「今までありがとう・・・」


ツー(涙)



さやか「恭介!?」


恭介「君がいてくれたからこそなんだ・・・」

恭介「コンクールに来てくれたとき・・・すごい嬉しかった・・・」



恭介「今まで当たり前だった事が・・・何故か叶わない願いのような気がしていた・・・」

恭介「だけど・・・わかったんだ・・・」



恭介「僕の願いは・・・叶ったよ・・・」



さやか「きょ、恭介!?大げさだなぁもう!」

さやか「あたしはいつだって、恭介の事応援しているから!これからも・・・ずっとね!」



恭介「さやか・・・!」

さやか「それともなに?まさかアンタ、仁美の事ほっぽりだしてあたしに未練が沸いてきたとか
そんな事じゃないでしょうね!!」



恭介「い、いやそういうつもりじゃ・・・」


さやか「あたしはいつまでも大好きだよ恭介・・・」

さやか「だけどその気持ちが・・・今は友情に変わったってだけの事」




さやか「これからは・・・あたしに感じていた友情の分まで・・・仁美の事・・・幸せにしてあげてほしいな」


恭介「さやか・・・」




氷室「上条・・・さやかは大丈夫だ・・・」

氷室「僕が必ずさやかを守る・・・君は飛び立つんだ」


恭介「氷室・・・」


氷室「いつか僕も・・・怪我を治して君に追いついてみせる・・・だから今はひたすらに前を見るんだ」

~飛び立つ飛行機を見守る一同~


さやか「行っちゃったね恭介・・・」

氷室「そうだね・・・」



さやか「ねぇ、杏介君!」

氷室「なんだい?」


さやか「あたしにはきっと・・・少なくても二通りの未来があったと思うんだ」

さやか「恭介の腕を治す道と・・・魔法少女にならずに・・・それでも恭介を一生支え続ける未来」



さやか「あの時選ばなかった未来を・・・きっとあたしは試されてるんだと思うんだ・・・」


ぎゅっ

さやかが氷室の左手を握る


さやか「少しずつだけど・・・あたしの回復魔法で・・・治り始めてる」


さやか「これからも一緒だよ杏介君。あたしが杏介君の腕になってあげるんだから!」



氷室「うん。さやかと一緒なら・・・どんな困難もきっと受け入れられるよ」




~~さらに流れていく月日~~



~ほむらのアジト~



ほむら「・・・」



ほむら「これで良かったの?恭介」


恭介「うん・・・これで良いんだ」



特殊な結界に遺体となって安置されている恭介
ほむらに発した声はテレパシーによるものだ




ほむら「「美樹さやかと志筑仁美、そのどちらをも選べない」・・・」

ほむら「確かに・・・ルシファー化の条件を満たしていた・・・そしてあなたはあの時・・・」



恭介「再び悪魔となった君の・・・ルシファーシードを受け入れた・・・」



恭介「結果・・・本物の上条恭介の肉体は抜け殻となり・・・その意志は2つに別れた」

恭介「すなわち・・・仁美さんを愛した恭介「上条」と・・・さやかを愛した恭介「氷室」にね・・・」

恭介「この世界では・・・「上条」も「氷室」も実在する人物としての過去が存在する」


恭介「今ほむらさんと共にいる
この僕は・・・そのどちらの意志でも無い・・・上条恭介の思念を媒介に生まれた・・・いわば」

ほむら「魔王・・・」



魔王恭介「あの時さやかは・・・僕を殺せなかった・・・」

魔王恭介「だけどさやかは必ず立ち上がる・・・僕を倒すためにね・・・」



魔王恭介「たとえ氷室を・・・愛する人を失うとしても・・・必ず・・・」

魔王恭介「その時・・・あの肉体には「上条」の意志が再び戻されるだろうね・・・」



ほむら「生き残るのが「上条」とは限らないわ」

ほむら「あの時・・・美樹さやかがあなたへの剣を納めたのは・・・
あなたを殺せなかったからだけでは無いかもしれない」



魔王恭介「つまり・・・「氷室」と自分が暮らす幸せを・・・って事かい?
さやかが人間としての幸せを諦め切れなかったから・・・とでも?」



魔王恭介「だとしても・・・さやかが仁美さんの気持ちを踏みにじって・・・「上条」を見捨てて
「氷室」を選ぶとは思えないけどね・・・」



ほむら「さやかが選ぶかどうかの問題では無いわ」

ほむら「いつか敵として立ちはだかるのは・・・あの魔法少女達だけじゃない・・・と言う事よ」



~~アメリカ~~


キュゥべえ「キュウ?」


仁美「あら、あなた確か・・・日本でも見かけましたわね・・・珍しい種類の猫ちゃんでは無かったのかしら・・」



キュゥべえ「キュ!キュゥキュゥ!!」じたばた

仁美「何か私に訴えたいことがあるのでしょうか・・・?でも解りませんわ・・・」



恭介「仁美さん、おまたせ。さぁ、寮に帰ろう」

仁美「ええ」


~~~
ほむら「それにしても・・・随分と細かい所まで世界改変していたみたいだけど・・・一体何を改ざんしていたの?」

魔王恭介「人魚姫の物語・・・」



魔王恭介「その話の元となった魔法少女の結末を操作した」

魔王恭介「そして物語は終わっていない・・・今まさに「人魚姫の物語」は続いているんだ・・・」

魔王恭介「僕の心臓を抉り出して・・・さやかが真の正義の味方になるという結末に向けてね・・・」


ほむら「あの子達にとって・・・さらに辛い戦いになるわね」




~中沢と和子先生~


中沢「先生、俺やっぱり・・・若い子達との出会いを諦めきれない・・・」

中沢「だから・・・親戚のおじさんを紹介するよ!!」



バッ


和子「・・・!!」(タ・・・タイプだわ!)どきゅーん



布袋「初めまして。中沢のおじの、布袋です」




中沢:魔王恭介の世界改変の際、気まぐれでルシファーシードを埋め込まれる。
その際和子先生を愛する青年形態「布袋」と若い子を諦めきれない「中沢」とに分離する



~マミが引っ越した都会のスタジオ~


講師「マミ!もっとおなかから声を出して!そう、そうよ!!」

マミ「がんばらなくっちゃ!」




巴マミ:卒業後、芸能プロダクションに所属。レッスンに集中するため
都会の高校へと進学する。アイドルになるため、日夜レッスンに励む



さやか「え?杏子、杏介君のご両親に引き取られて・・・一緒に住むことになったの?」

杏子「そういう事になった・・・くそぅ・・・さやかと一緒が良いのに・・・」



さやか「赤の他人より親戚の方がいいでしょ!これなら高校からは幻術使わず堂々と通えるじゃん!」

杏子「お前はそれでいいのかさやか?一緒に暮らすって事は・・・あたしが杏介とひとつ屋根の下って事だぞ?」



さやか「な・・・!?し、親戚同士でそんな事許されるわけ無いじゃん!」

杏子「親戚同士なら結婚できるって教えてくれたのはさやかだぞー!ざまぁ見ろ!」



杏子:「氷室」が実在する人物と世界改変された事で身元引受人として氷室の両親が名乗り出る。
恭介に抱いていた淡い恋心は氷室への気持ちと変換されている。



~まどかの家、タツヤと遊ぶなぎさ~

なぎさはマミが離れて以降、まどかの家へと遊びに行くことが多くなった様子

~再びアメリカ~


さやかが仁美に送った「にんぎょひめ」の絵本がひとりでに開く




「にんぎょひめ」


にんぎょひめは あらしのよる ふねからなげだされ、おぼれるおうじさまのたすけ、そしてこいをしました


にんぎょひめは のろいをもったにんげんのあしをてにいれ おうじさまにあいにいきました



おうじさまはすでに となりのくにのおひめさまと けっこんしていました



のろいをとくには おうじさまのしんぞうがひつようだったのです


しかしにんぎょひめは おうじさまをころせず あわとなってきえたのです


そのご おうじさまは にんぎょひめの ほんとうのきもちにきづきました



おうじさまはあくまに からだをうりわたし そのこころをふたつにわけました


そのうちひとつは おひめさまのもとへ そのうちひとつは にんぎょひめのもとへと 



まおうになってにんぎょひめを いきかえらせたおうじさまは まちつづけているのです



じぶんのしんぞうを にんぎょひめにさしだす そのひを





バイオリン仮面ウィザード


【人魚姫の物語】













【完】

あとがき及び補足説明


氷室:ワルプルギスの夜との戦いで負った傷が原因でしばらくはバイオリンを弾けない。という設定

キュゥべえ:今後言葉巧みに何かしらの企みを実行させないために
人語および文字、イメージ映像投影等の意思伝達能力を失う。

彼と契約するには第三者の魔法少女からの仲介がなければならない


ワルプルギスの夜:
導かれる途中で世界改変されたため、魔女が存在する別の時間軸に投げ出された。
人格が存在しないため、中核を形成する魔法少女を探しながら魔女軸の並行世界をさまよう。

まどかとほむらの力を受け継いでいるため、円環の理の力を負に傾けた
「世界中の呪いを集め、際限なく成長する」という性質になっている



叛逆以降「ワルプルギス=ほむら説」が再燃してきたみたいなので
私は少し捻って「ワルプルギス=ほむらとまどかの能力の合成体説(要するに二人の娘)」を提唱してみます。


前作のバイオリン仮面に出てきたワルプルギスの夜も
こちらと同一個体ではありますが、「中核となった魔法少女がまどかともほむらとも関係の無い人物」
と言う事にして下さい。




これでひとまず物語は終わりです。


続編があるとしたら、「仁美も魔法少女になる」
「二人の恭介が自身の正体に苦悩する」展開になると思いますが、
ルシファー、魔法使い以上にオリジナル設定を盛り込みすぎて「まどマギ」のモチーフから
大きく外れてしまう恐れがあるため、今のところ執筆の予定はございません。

「ハーメルンのバイオリン弾き」「ダイの大冒険」に似た物になると思います



虚淵大先生の最近の作品の出来映えを見させて頂き、
「モチーフはなるべく統一させた方がいい」と勉強させて頂いてますので。


氷室×さやか

恭介×仁美


魔王恭介×悪魔ほむら



全て書き切り、出し尽くしたと思います。



前バイオリン仮面で設定した「時空管理局」の介入が無いのは
「時空犯罪者が絡んでるわけでは無いから」という事にしてください。

あっちの時間軸のバイオリン仮面達が助けに来るという事も多分無いです。


もしもまとめて下さる方がいるならこの地味なタイトルに「バイオリン仮面」を付け加えて編集して頂いても構いません。


本家「叛逆の物語」が一部で「ほむらの悪魔化が唐突すぎる」と評されているので
恭介がああいう手段をとらざるを得なかった過程をじっくり書き切れたかな。と思います。


さやかが氷室を好きになる過程はもうすこし詰めるべきでしたけど。


それでは依頼を出して来ます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年04月05日 (水) 21:24:16   ID: XD9P7xPB

面白かった。
もう少し恭介とまどかの絡みがあって良いと思った。

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