玲「暇なので、アキくんと遊びましょう」(113)
玲「はぁ、お仕事も一段落しましたし暇ですね……」チラッ
明久「……どりゃ!そぉい!」ピコピコ
玲「姉さんは暇を持て余してます」チラッチラッ
明久「どっせぃや!!……おっいい感じぃいたたた!!!肘がっ肘が変な方向に曲がってるぅぅ!!」
玲「姉さんは!暇でっ!つまらないっ」
明久「ちょっ!分かったから!分かったから肘はそんな方向にはマガラナィイィイいい!!!」
明久「……で、何なのさ。折角の日曜日なのに……」
玲「ゲームなんてしてる暇があるなら勉強か姉さんと一緒に遊びなさい」
明久「えーでも休日はゲームを2時間やっていいって言ったよね?僕、まだ30分もやってないんだけど……」
玲「……そうですね、分かりました。アキくんの言い分も最もです。なので姉さんも妥協します」
明久「?」
玲「なので、姉さんと健全な遊びをするか不健全な遊びをするかはアキくんが決めて構いません」
明久「その二択で決定!?他の選択肢を要求する!!」
玲「却下です」
明久「非道い!?」
玲「私のおススメは断然後者です」
明久「えっと、あのさ……一応聞くけど後者の不健全な遊びって具体的に何やるの?」
玲「アキくんの保健体育の成績の向上も兼ねて、姉さんと実技形式の講習です」
明久「え?遊びじゃないの?」
玲「いいえ、アキくんは遊びにしないとすぐに飽きてしまうと思いましたからそこらへんは考えてありますよ」
明久「へぇ……で、具体的に何やるの?」
玲「はい。アキくんは初めから難しいことは出来ないと思うので手始めに姉さんと子作りをします」
明久「はいストップ。手始めから意味が分からない!何か実の姉から弟に向けてありえない言葉が発せられた気がするんだけど!?」
玲「それが終わったら次は子供の名前を真剣に考えます。最近は変な名前を付ける人が多いらしいですからね」
明久「え!?スルー!?だからやらないよ!」
玲「……さっきからうるさいですよ?人の話はちゃんと聞きなさい。唯でさえ類も見ない救いようの無い馬鹿なんですから」
明久「何から何まで酷い!!姉さんは一体僕をどうしたいの!?困らせたいの!?」
玲「……さっきから弟の言っている意味が分かりません」
明久「いやいや、何その『ああ、私の弟はこんな事も分からないのか……』みたいな感じなの!?変なのは100%姉さんだからね!?」
玲「……アキくんは姉さんが嫌いなのですか?」
明久「え、何でいきなりそんな話に……。そりゃあ、まぁどっちかといえば……好きだけど」
玲「ほう、アキくんは姉さんをぐちゃぐちゃに犯し孕ませ性奴隷にしたいほど愛していると」
明久「誰もそんなこと言ってないよ!!別にそれほど大好きってほどじゃってやめて!無言で鳩尾に拳をいれないで!!地味に痛い!!!」
玲「はぁ、アキくんの暴言に姉さんはとても深く傷つきました。弟にこんな態度をされて姉さんは悲しくて泣きそうです……」
明久「いや、僕の方が肉体的ダメージで泣きたいよ……」ズキズキ
玲「それはともかくアキくんは結局どっちがいいですか?後者ですか?」
明久「それはない!」
玲「そうですか、残念です。……では、前者ということですね?」
明久「ああ、もうそれでい……」
玲「……?どうしました」
明久「……いや、一応念のために前者の方の具体的な内容も聞いておこうかな」
玲「そうですか、分かりました。前者は比較的健全です」
明久「へえ」
玲「まずお医者さんごっこをした後に新婚さんごっこをします」
明久「あっぶねー!!聞いておいてよかった!!やっぱりロクな内容じゃ無かった!!」
玲「そんな事ありません。そんな事言われるなんて心外ですね。姉さんは二度までも深く傷つきました」
明久「そんな事あるよ!?何で本当にそんな顔してるの!?普通のいい歳した姉弟が一緒に遊ぶ内容じゃないよ!!」
玲「大丈夫です。お医者さんごっこでもナース役はアキくんです」
明久「そうだった姉さんは普通じゃなかった!変態だったぁぁ」
玲「む、いい加減にしてください!!姉に向かって変態とは何ですか!!」
明久「だって弟にお医者さんごっことか強要する姉は普通じゃないよ!!」
玲「……もういいです。アキくんがそういう態度を取るなら、姉さんももう容赦しません」
明久「ははーん、別にいいよ。姉さんの考えてる事なんてどうせ大したことじゃないだろうしね」
玲「アキくんの不健全な教科書は全て焼却します」
明久「すみません、勘弁してください」ゲザァァァ
玲「……とはいえ、私も鬼ではありません」
明久「姉さん……」
玲「姉物だけは許可します」
明久「いや!持ってないよ!!!」
玲「……」イラッ
明久「えっ何でそんな露骨に嫌な顔!?」
玲「アキくん、アキくんは本当に馬鹿なんですね」
明久「……今更そんな事言わなくたって」
玲「仕方ありません。アキくん、私はアキくんに常識を説いてあげます」
明久「姉さんに説かれる常識なんてないと思うけど」
玲「いえ、アキくんは常識知らずです。いいですかアキくん」
明久「何さ」
玲「弟の初めては姉で卒業するのが世間一般の常識なのですよ?」
明久「はい、嘘!!そんな常識あってたまるか!!」
玲「……そう言うと思っていました。なので今回は証拠を持って来ています」
明久「え?証拠?……ははっ馬鹿な、そんな出鱈目に証拠も何も……」
玲「……という訳なんです」
明久「嘘……だろ?」
玲「嘘かどうか思うのは勝手ですが、これは事実です」
明久「こっこんな……まさか」
玲「……まぁ、衝撃的な事なのは分かります。少し心の整理の時間も必要でしょう」
明久「う、うん。じゃあちょっと買い物に行ってくるよ……」
玲「はい、行ってらっしゃい」
玲「…………」
玲「…………」ニヤリ
明久「ご馳走様」
玲「ご馳走様でした」
明久「ふぅ、最近はちゃんとご飯が食べれてて幸せだなぁ」
玲「……アキくん」
明久「何?」
玲「心の整理はつきましたか?」
明久「えっ!?えっと……ごめん、やっぱり常識でも、恥ずかしいし……」
玲「そうですか。まぁ、明日は私は早いですから今日はもう寝ます。このことはまた明日話し合いましょう」
明久「う、うん」
明久「はぁ……」トコトコ
瑞希「明久君!おはようございます!」
明久「あ、姫路さん。おはよう」
瑞希「どうしたんですか?何だか元気が無いようですけど」
明久「いや、昨日衝撃的な事実を知っちゃって……」
瑞希「衝撃的な事実?何ですかそれ」
明久「えっと……あー、いやこれは人に言うようなことじゃないよな……」
瑞希「?」
明久「いや、何でもないよ!それより早く学校に行こう!」ダッ
瑞希「あ、待ってください!明久君!!」
明久「…………はぁ」
雄二「……どうしたんだ?明久のヤツ」
秀吉「なんか元気がないのう、明久があんなんだとコッチも調子が狂うわい」
康太「…………怪しい」
瑞希「……やっぱり今朝の事なんでしょうか?」
美波「今朝?アキが何か言ってたの?」
瑞希「あ、はい。何か朝に何だか『衝撃的な事実』を知ったとかで」
雄二「何だそりゃ」
秀吉「昨日といえば日曜日じゃのう。昨日何か重大なニュースでもあったかのう」
美波「え、それは無いでしょ。そもそもアキがニュースを観るとは思えないし」
雄二「だな」
康太「…………ありえない」
雄二「……に、してもだ。あの様子はおかしいよな」
瑞希「はい……。やっぱり心配です」
秀吉「うむ、じゃあワシが聞いてきてやろうかの」
秀吉「のう、明久。今日はどうしたんじゃ?浮かない顔をしておるが」
明久「あ、秀吉。いや……あっ!そういえば秀吉にもお姉さんがいたな……」
秀吉「?」
明久「ちょっと秀吉!!確かめたい事があるんだけど、ここじゃ話し辛いからちょっと来て!!」
秀吉「え?おっおい!何じゃ!!」ガララバタン
雄二「……行っちまったな」
美波「何かしら。……まさか、変な事じゃ……」ゴゴゴゴ
瑞希「む、どうして明久君、私のときは話してくれなかったのに……」ブツブツ
康太「…………帰ってきた」
雄二「おっ秀吉!どうだったんだ?」
秀吉「…………」ズーン
美波「秀吉?」
秀吉「……すまぬ皆、少しの間一人にしてくれ……」
瑞希「え?」
雄二「おいおい、何なんだ?明久に連れてかれたと思ったら、秀吉まで……」
康太「…………ますます怪しい」
雄二「こりゃあ、何かあるな」
美波「一体なんなのよ……」
瑞希「これも『衝撃的な事実』に関係する事なんでしょうか」
雄二「まず間違いなくそうだろうな。そしてそれは、明久だけでなく秀吉にも衝撃的だったってわけだ」
瑞希「……でも、明久君はどうして木下君には言って私には言ってくれなかったのでしょう」
雄二「うーん、女には言いにくい事だったのか、それとも秀吉だけは教えていい事だったのか」
康太「…………俺にも教えてはくれなかった」
美波「って聞いてきたの!?」
康太「…………何だか分からんが、口外する事じゃない……とか」
雄二「つまり、秀吉にだけは言ってもいいことだったという事になるな」
美波「でも何で秀吉だけ?」
瑞希「2人に共通点がある……?」
雄二「そしてショックを隠せないような位の嫌な事実だったってことか?何にしても情報が少なすぎるな」
美波「まぁ、アキは馬鹿だし何かしらやったらボロだしてしゃべるんじゃない?」
康太「…………よし」
瑞希「そうですね!元気の無い明久君なんて嫌です!」
瑞希「あ、あの……皆さん何か分かりましたか?」
雄二「あっはっは!駄目だ!」
美波「あいつ全然しゃべらないから……ああああ!!イラつく!!!」
康太「…………駄目」
瑞希「えええ!!??どうするんですか!?もう放課後ですよ!?」
雄二「秀吉ももう帰っちまったし、今日は諦めないか?」
美波「そうね、納得いかないけど……仕方ないわね」
瑞希「……」
康太「…………解散」
雄二「よーし、じゃあ帰るか」
翔子「……うん」
雄二「っておおい!!!いつの間に!?」
翔子「……私はいつも雄二と一緒」
美波「はぁ、アツアツでいいわね」
康太「…………死滅しろ……!!」
雄二「だからちげーっての!!」
翔子「……照れ屋だから、もう」
瑞希「……やっぱり、聞いてきます」
美波「え?……あっ瑞希!!」
瑞希「明久君!!」
明久「えっ?ああ、姫路さん」
瑞希「明久君!!一体どうしたんですかっ?私も一緒に考えてあげますから!!」
明久「いっいや!!大丈夫だから!!本当に大丈夫だからっ!……えっと、それじゃ!また明日!」ダッ
瑞希「あっ!明久君!!まだお話は……!!」
雄二「あーあ、行っちまったな」
美波「……あ、鞄忘れて行っちゃったんじゃない?」
康太「…………間抜け」
雄二「はぁ、当人も帰っちまったし……今日は帰ろうぜ」
翔子「ええ、2人の愛の巣に……雄二」ギュ
雄二「だあああ!!誰が愛の巣だっ!!つーか離せ!!」
ガヤガヤ……
瑞希「……はぁ、私も帰ろう。……?」
瑞希「明久君の鞄から何か……資料?……!!!!」
瑞希「こっ……これは……!!」
明久「ただいまぁ」
玲「おかえりなさい、アキくん」
明久「うん、今日の夜ご飯はって何て格好してるの!?」
玲「裸エプロンですが」
明久「え、何その『見て分からないの?馬鹿なの?』みたいな感じ!!そうじゃなくて何でそんな格好してるのさ!!」
玲「いえ、アキくんが帰ってきたら直ぐに情事に入れるようにと」
明久「えええ!?いっいや、でも……」
玲「まだウジウジとしているのですか?いつまで女性を待たせるつもりなのですか、アキくん。そんなんではモテませんよ」
明久「でも事が事だし……姉さんとそんなことしたくな……って無言でビンタしないで!!しかも音が響かない方のビンタはやめて!!!」
玲「早くなさい。姉さんはもう我慢が限界まで来ています」ハァハァ
明久「ひぃ!!姉さんが犯罪的な目に……!!これは、不味い!!」
玲「さあ、さあ!」
明久「く……この場を切り抜けるのは……逃げるしか!!」ダッ
玲「因みに外に逃げようが何であろうが私はそのままアキくんを追いかけ続けます」
明久「っと思ったけど外に行くほどでもないよねっ!家族から犯罪者が出るのは嫌だしね!!」
玲「……アキくん。やっと受け入れてくれたのですね」
明久「ぐ……いくら常識とはいえ、こんな事で僕の純潔が……」
玲「ああ、そこのところは安心してください」
明久「えっ!」パァァ
玲「私も初めてですし、これまでもこれから先もずっとアキくん以外に身体を許すことはありませんから、安心してください」
明久「クッソオオオオ!!!5秒前の少しでも開放を期待して喜んだ僕死ね!!!」
玲「アキくん、そんな下品な言葉を使うのはやめなさい」
明久「その前に姉さんのその非常識な格好をどうにかしようよ!!そういうのは夫婦間でやることでしょ!?」
玲「なら、大丈夫ですね。アキくんは私にお嫁にいけなくなるような身体にして事実婚のような形になるのですから」
明久「駄目だ……。この人に常識を説く事は出来ない……」
玲「では、早速始めましょう。アキくん、服を脱いで下さい」
明久「く……最早これまでか……!!」
明久「……ん、待てよ?非常識……?あっそうか!!」
玲「……?」
明久「ふっふっふ、姉さん。残念だったね。そうだ!!何も別に常識に囚われる必要は「アキくん万歳してください」あ、うん。必要はない!!」
明久「つまり!僕はその常識に従って行動す「ズボンも脱がせますね」る事もないってあれええええ!?いつの間にパンツ一丁に!?」
玲「さて、ここじゃ何ですからアキくんの部屋に行きましょうか」
明久「ちょっと待って!?僕の話聞いてたよね!?」
玲「はい、勿論聞いていましたよ。じゃあ、部屋に行きましょう」
明久「ああそうだった!くそう!!この人は言う事を聞いてくれる人じゃなかった!!」
玲「さっきからゴチャゴチャうるさいですよ」
明久「もう嫌だ!何で僕がこんな目に!!」
玲「……まるで罰ゲームのような言い方ですね」
明久「いやその通りだよ!!寧ろまだ異端審問に掛けられたほうが幾分マシだよ!!」
玲「……もういいです。姉さんも堪忍袋の緒が切れました」
明久「え?」
玲「そこまでアキくんが嫌だというのならもうアキくんに配慮はしません。姉さんが全て自己判断でやります」
明久「えっちょっ……」
玲「本当は熱いチュウをして少しいじって終わりにしようと思いましたが、私が妊娠するまでヤリ続ける作戦に変更せざるを得ませんね」
明久「いやああああ!!!誰かぁああああ!!」ジタバタ
玲「さあ、アキくん。やっと一緒になれますね……。姉さんは実はアキくんのお嫁さんになって実姉なのにこんな酷な現実を突きつけて打ちひしがれ、後悔しながらも死ぬにも死にきれないアキくんを見るのが夢だったんです」
明久「ひぃ!!悪魔っ!悪魔がいる!!僕の人生が終わっちゃう!!!」
玲「さて、まず最初にお嫁にいけなくなるようなチュウをしましょう」
明久「姉さん!!ホントにいいの!?お嫁にいけなくなっても!!」
玲「はて、私は一向に構いませんが。お嫁にいけなくなるのはアキくんも一緒ですし」
明久「もう何を言っているのか分からない!!!そしてこんな事も分からないのか、この馬鹿。みたいな顔もすっごいむかつく!!!」
明久「く…………最早これまでか……グッバイマイハッピーライフ……」
ピリリリリ
明久&玲「!!」ビク
明久「で、電話だ」
玲「……残念ですね。出なさい、アキくん」
明久「え、いいの?」
玲「急な用事だったらどうするんですか。ほら、相手を待たせてしまったらいけません」
明久「う、うん……姫路さんから?なんだろ」ピッ
明久「もしもし?どうしたの」
瑞希『明久君!!まだ玲さんとその……エッチな事はしてないですよねっ!!』
明久「えっ!」
瑞希『……ま、まさか……もう既に……』
明久「いっいや、どうしてそれを!!」
瑞希『あ、あああ……明久君……もう、した後なんですね……』
明久「ちょっちょっと待ってよ!!僕はまだ変な事は……」
瑞希『えっ!その反応は……まだ何ですね!!いいですか明久君!!もうすぐ明久君の家に着きますから!!』
明久「えっ!僕の……?」ドンドン アキヒサクーン!!
明久「あ、ホントに来た!これは助け!!!よっしゃあ!!助かっ─」ガシ
玲「電話は終わったみたいですね。外がなにやら騒がしいですが、それはさておき続きを始めましょう」
明久「─ってなかったぁぁ!!くっそう!!姫路さっ助けてぇぇ!!」
アッアキヒサクーン!?ドンドン
ドウシタンダ?
アキヒサクンガッ!!
……マカセロ
玲「さぁ、チュウを……」
明久「うわわ……」
瑞希「明久君!!!」バン
明久「ひっ姫路さん!!」
玲「……何故、鍵は締まっていたはずですが」
康太「…………ピッキングなど俺にとっては朝飯まっ」ブシャアアアアアアア
明久「うわぁ!ムッツリーニがかつて無いほどの血が噴出している!!」
雄二「明久っ!!って……裸エプロ!!!??」グチャ
翔子「……雄二、浮気……許さない……!!」グチグチ
雄二「ぎゃああああ!!!眼!!眼があああああ!!!!」
美波「なっなんて……」
瑞希「玲さん!!!明久君から離れてください!!」
玲「…………」
康太「…………」ドクドクドクドク
明久「ひぃぃ!みんなっ誰か救急車を!!ムッツリーニが身体からあり得ないほどの血がっ!!」
康太「…………待て、明久」ドクドク
明久「ムッツリーニ!?」
康太「…………我が人生に、一片の悔い無しっ……!!」バタ
明久「ムッツリィィィイイイイニィィィイイイイイ!!!!」
玲「信じられませんね、人の家にこんな大勢で押しかけるなんて。非常識ですよ?」
瑞希「非常識なのは玲さんです!!」
美波「そっそうよ!あんな嘘を並べてその姉弟と……だなんてっ!!」
玲「……何のことですか?」
瑞希「これです!!」バサ
明久「あっ!!何でそれを!!」
雄二「お前鞄忘れてったろ」
明久「ああ、そういえば。あの時いきなり話しかけられて逃げてきちゃったんだっけ」
雄二「まぁ、お前の事だ。何かしゃべったらボロを出すもんな。……あと翔子、いい加減にしてくれないか?多分これ以上は失明する」
翔子「……平気。私が雄二の眼になるから」
雄二「っざけんな!!全然平気じゃねーよ!!」
明久「……雄二、こんな時にイチャイチャするなんて……常識がないよね」
雄二「お前はこれがイチャついてる様に見えるのか!?そうならお前の眼は腐りきっている!!」
康太「…………」ドク…ドク…
瑞希「こんなものをでっち上げて明久君を騙すなんて……」
明久「えっ!?」
玲「はぁ……アキくんは、本当にドジなんですから……こんな物を学校に持っていくなんて」
明久「えっ!!どういうこと!?もしかして……弟の初めては姉で済ませるって……」
雄二「そんな常識あるか。それこそ常識で分かるだろうが」
明久「えええ!?でも、あの資料は!?めっちゃリアルだったけど!?」
雄二「お前、ああいう資料って見たことあるのか?比較できるほどに」
明久「…………」サッ
玲「……仕方ありませんね。こんな状況じゃ、アキくんと一つにはなれないでしょう。一端着替えてきます」
瑞希「明久君と一つだなんて……!!姉弟でそんなの間違ってます!!」
俺も
雄二「ふぅ、何とか眼はどうにかなったな……」
翔子「……うん」
雄二「ってお前が原因だからな?」
翔子「……ごめん、雄二。よく考えたらお腹の子を雄二が見れないのはよくない。……ね、しょうゆ」サスサス
雄二「だーかーら!!妊娠なんてしてねーだろうが!!あとその名前は止めろって言ってるだろ!!」
翔子「……なら何て名前がいい?」
雄二「そうだな……って何で俺がお前との子供が出来るの前提なんだよ!!」
翔子「……そんなこと言ってっ」パシパシ
明久「ねぇねぇムッツリーニ」
康太「…………今輸血中だ。あまり興奮させるな……あと、雄二は殺す……!!」
明久「よし!あんなゴミクズこの世から生かしておく理由は無いしね!」
瑞希「ちょっと明久君!!!聞いてますか!?」
明久「あっゴメン。……でも、姉さん。どうしてあんな嘘を……」
玲「その事でしたら、姉さんはアキくんの事が大好きだからですよ」
明久「へぇ~僕も、好きだよ。姉弟として」
玲「はい。異性として愛しています」
明久「あーあーキーコーエーナーイー」
玲「そもそも、これは私達の問題で他人が口出しするのはおこがましいとは思いませんか?」
瑞希「いっいえ!これには断固抗議させてもらいます!これだけは退けません!!」
明久「えーっと何だか長くなりそうだから……僕、着替えてきてもいいかな。そろそろこんなクラスメイトの前でパンツ一丁の羞恥プレイは辛いんだ……」
美波「アキ!!動かない!!」
明久「えっ!!だからちょっと着替えてくるだけで!!」
玲「アキくん」
明久「な、何?姉さん」
玲「騙したのは事実です。それについては謝ります」
明久「えっと、何かシリアスに始めちゃったけどもう駄目なの?じゃあせめてそこの制服に着替えさせて!」
瑞希「それだけじゃ駄目です!!姉弟でこんなこと……間違ってます!!」スッ
明久「ちょっ!姫路さん!?どうして僕のズボンを隠してるの!?」
美波「……うん、間違ってる。ウチも瑞希に賛成よ」スッ
明久「美波まで!!ねぇ!僕の制服を持ってどうするのさ!!」
玲「世間一般ではそうかもしれません。しかし、私は常識に囚われる小さな人間ではありません」
明久「自分が常識外れって自覚をしていた……!?そんな馬鹿な……!?」
玲「アキくんはこの前からずっと失礼ですね。永遠に姉から離れられなくなるくらいのチュウをしますよ?」
明久「すみません。黙ってます」
瑞希「でも……明久君は嫌がってるじゃないですか!!」
玲「アキくんは照れてるだけです」
美波「でも、助けてって言っていたような……」
玲「空耳です」
雄二「いや、俺も聞いたぜ?確かに明久は助けを呼んでいたな」
明久「雄二……」
雄二「……ま、身内のアレコレは分かるからな」
康太「…………一応、証拠はある」カチ
明久『いやあああ……助けてぇぇ……』
明久「改めて聞くと情けないね……」
玲「…………」
瑞希「やっぱり空耳じゃないですね」
翔子「……雄二。お腹の子の名前どうする?」
雄二「だーかーら!!何度も言わせんな!!そこまで言うなら証拠を出してみやがれ!!」
翔子「……証拠があれば認める?」
雄二「……ああ、いいぜ。ま、絶対ありえないけどな」
翔子「……『翔子』欲しい?」
雄二「ああ、あるなら早く出してみろ」
翔子「……ちゃんと言って」
雄二「うん?ああ、もう俺は『証拠』が欲しい!!ほら、これでいいだろ」
翔子「……はい、喜んで」ギュ
雄二「……は?何言ってんだ?」
翔子「……もう逃がさない」カチ
翔子「『翔子』欲しい?」カチ
雄二「『俺は『証拠』が欲しい!!』」
雄二「」
翔子「……うふふ」
雄二「くっそおおお!!そいつを渡せぇぇ!!!ぶっ壊してやる!!」
明久「さっきから雄二はうるさいな。今大変なんだから黙っててよ」
雄二「残念だがそれは無理な願いだ!!今俺も人生のターニングポイントを迎えているところだ!!」
翔子「さて、これを皆に聞かせれば」
康太「…………死は免れない」
瑞希「明久君!!」
明久「え、何!?」
瑞希「今、明久君のためにお話してるんですよ?ちゃんと聞いてください!」
美波「……まぁ、あんなに騒がれたら機にはなるでしょうけどね」
明久「あ、うん。で……結局どうなったの?」
美波「アンタね……よくもまぁ他人事のように言えるわね……」
玲「確かに今回の事では私にも多少の非はあるでしょう」
明久「多少?全部でしょ?」
玲「アキくんは姉さんとキスがしたいのですか?」
明久「あはは、まさか」
玲「……アキくんはそうやって昔から姉さんを苛めるますが、姉さんはとても傷ついているのですよ?」
明久「どっちかというと苛められてるのは僕だったけどね」
瑞希「ともかく!そんなおかしな事はもう止めてください!!明久君も馬鹿な事で騙されないで下さい!」
明久「う……ごもっともで」
玲「分かりました。今回の件に関しては貴方達にご迷惑をかけてしまった様ですからね」
瑞希「あ、いえ……私もつい熱くなって……ごめんなさい」
明久「あ、でもそういうのなら姉さんとだって不純異性交遊になるんじゃないの?」
玲「馬鹿ですね。家族なのですからスキンシップは家族間でのコミュニケーションに繋がるのですよ?」
明久「あっそうか」
玲「つまり、本来であればスキンシップはオーケーのはずなんですが……」
明久「いや、過度のスキンシップは犯罪だと……あっ!!!」
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