事の発端
　回想　
　　１時間前
　　　ちなつの家

あかり「～～～っ…」

ちなつ「ん………」ﾁｭｰ

結衣「………」

京子「………！？」ｷﾞｮｯ

ﾐｰﾝﾐｰﾝﾐｰﾝ…

現在
　回想終わり
　　結衣のマンション

京子「……」ｳｽﾞｸﾏﾘ

京子「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

結衣（…うわあめっちゃへこんでる）

結衣（……大丈夫か？）

京子「…………」ｼｰﾝ

結衣「…京子？」

京子「…………」ｽﾞｰﾝ

結衣「なぁ、おい…」

京子「…ゆいっ」ﾀﾞｷｯ

結衣「わっ」ﾋﾞｸｯ

結衣「お、おい京子…」

京子「…あの二人、キスしてた…よな…？」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

結衣「……」ﾄﾞｷﾝ

結衣「お前顔色悪いぞ…」

京子「だ、だって…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

京子「ちなつちゃんと…あかり…が…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

結衣「す、少し落ち着こう、な？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

京子「うぅ…結衣ぃ…」ｸﾞｽｯ

結衣（こんな京子、久しぶりに見た…）

京子「うぅぅ……」ｸﾞｽｸﾞｽ

結衣「…………」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

京子「…………」ｽｰｽｰ

結衣（泣き疲れて寝ちゃった）

結衣（あの二人…そういう仲だったのかな）

結衣「…………」

～♪

結衣「わっ」ﾋﾞｸｯ

結衣「な、なんだ携帯か…！」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

着信：吉川ちなつ

結衣「…ちなつちゃん？」

ﾋﾟｯ

結衣「はい、もしもし？」

ちなつ『違うんです結衣先輩ーーーーーッ！！』

結衣「！？」ｷｲｨｨｰﾝ

ちなつ『違うんです、違うんですっ』

結衣「え、ちょ待っ何」ｷｰﾝ

ちなつ『さ、さっきの…キス…！』ﾄﾞｷﾄﾞｷ

結衣「え」

ちなつ『別に私はあかりちゃんと…！そういう訳じゃぁ…！！』

ちなつ『って、あかりちゃんも好きですけど…そういう好きじゃなくて…！』

ちなつ『練習！練習なんです！！』

結衣「………」ｱｯｹ

ちなつ『わ、私が好きなのは！ゆ…』

結衣「えっ」

ちなつ『きゃー！言っちゃった言っちゃったー！！』ｷｬｱｷｬｱ

結衣「お、落ち着いてちなつちゃん、聞こえないよ多分言えてないよ」

ちなつ『きゃーあかりちゃーーん！！』

あかり『えっ、な』ﾌﾞﾁｨ

結衣「あっ」

結衣「……えー」ﾂｰﾂｰ

結衣「………」ﾋﾟｯ

結衣「…ふぅ」

京子「………結衣？」ﾓｿﾞ

結衣「あ、起きた？」

京子「…電話？誰？」

結衣「ちなつちゃんから」

京子「！」ﾋﾟｸｯ

結衣「…ってわけ」

京子「な、なんだぁ…！」ｸﾀｯ

京子「……よかった」ﾎｯ

結衣「………」

京子「ふふん、それにしてもちなつちゃん…！」ｷﾞﾗﾝ

結衣「？」

京子「いつか私とキスするために練習するなんてさぁー」ﾎｩ

結衣「いや違うだろ」ｽﾞﾋﾞｼ

京子「いや私以外に誰がいるんだ」

結衣（…いや）

結衣（こう思うのはナルシストみたいで嫌だけど）

結衣（ちなつちゃんが好きなのは私だろ）

結衣（流石に言われなくても気づく…）

結衣（…こいつ気づいてないのか？）

結衣（…………）

結衣（…これ）

結衣（三角関係…？）

京子「～♪」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

結衣（またレベル上げないでボスまで行ってる…）ｼﾞｰ

京子「また負けたー」ｹﾗｹﾗ

結衣「………」ﾌｩ

結衣「…今日の夕飯、オムライスでいいか？」

京子「うん、いいよー」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

京子「オムライスうめえ」ﾓｸﾞﾘﾓｸﾞﾘ

結衣「それはよかった」ﾑｸﾞﾑｸﾞ

京子「ねえ結衣」ﾏｸﾏｸ

結衣「ん？」ﾑｼｬﾑｼｬ

京子「…私もキスの練習したいなあ」

結衣「ごほっ！？」ﾌﾞﾊｯ

京子「うぁ、汚っ」

結衣「いきなり何言ってんだてめえ！！」ｺﾞﾎｺﾞﾎ

京子「いや、だってさ」

京子「ちなつちゃんとキスするとき、リードしてあげたいじゃん？」ﾃﾚｯ

結衣「………」ｲﾗｯ

結衣「知るか」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

京子「え、なんで機嫌悪いの」

結衣「私はお前の練習台じゃない」

京子「あ、ごめ…そういうつもりじゃ…！」ｶﾞﾀｯ

結衣「…風呂入ってくる」ｽﾀｽﾀ

結衣「…………はぁ」ﾁｬﾌﾟﾝ

結衣（やっぱり…）

結衣（京子はちなつちゃんが好き、なんだよな）

結衣（ちなつちゃんの目は私に向いてたから、安心しきってたけど）

結衣（その目が京子を見るかもしれない事だってある）

結衣（…もし京子とちなつちゃんが付き合ったら）

結衣（…やっぱり、キス、するのかな）

結衣（……やだな）

結衣「京子……」ﾎﾟｿ

結衣（ちなつちゃんに…とられたくない）

結衣（離れて…欲しく、ない…！）

……

結衣「ふー…ただいま…」ｶﾞﾁｬ

結衣「…ん」

結衣（京子がいない）

京子「あ…」ｶﾞﾁｬ

結衣「なんだ、外行ってたのか」

結衣「お風呂空いたから、つ…」

京子「ごめんっ、結衣！」

結衣「…な、なんだよ」

京子「その…ひどいこと言ったから、これ」ｻｯ

結衣「…アイス？」

京子「…………」

結衣「…………」ｶﾞｻｶﾞｻ

結衣「…おい」

結衣「ついでに自分用のラムレーズンまで買ってんじゃねえ」

京子「てへ☆」

結衣「まったく」ﾌｩ

京子「食おうぜー」

結衣「………あぁ」

京子「ラムレーズンうめえ」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

結衣「…………」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

京子「…結衣、ごめんね」

結衣「うん？」

京子「その…結衣のこと、練習台扱いして…」ｼｭﾝ

京子「そんなつもりじゃなかったんだけど…」

結衣「…京子」

結衣「キスの練習、しよう」

京子「は？」

結衣「…………」

京子「…え？」

結衣「お、お前から言い出したんだろ！！」

京子「あー…えーと…いいの？」

結衣「……いい、よ」

京子「…熱は」ﾍﾟﾀ

結衣「ねえよ」

京子「…ほんとにいいの？」

結衣「京子なら、いいよ」

京子「…じゃあ、目、閉じて？」

結衣「ん…」ﾊﾟﾁ

京子「………」

結衣「………」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

京子「………」ｸﾞｲｯ　ﾊﾞｷｨ

結衣「！？」

結衣「い、痛っ、いたたた」ﾊﾞｯ

京子「ど、どうした」

結衣「お前が顔抑えて変な方に捻るからだろ！」ｽﾞｷｽﾞｷ

京子「いやー…なんか顔の向きがキスしにくいというか」ｴﾍﾍ

結衣「このヘタクソ！」

結衣「もういいよ…私がするから」

京子「え」

結衣「！」ﾊｯ

京子「結衣がするの？」ｷｮﾄﾝ

結衣「あ、いや…」

京子「じゃあ私が…」ｸﾞｲ

結衣「痛っ…！やめろ馬鹿」

京子「ど、どうしろと」

結衣「うぅ……！」ｶｱｧ

結衣「…う、上向け」ｸｲ

京子「おぉっ？」

結衣「………っ！」ﾁｭ

京子「……！」

結衣「………」ﾁｭｰ

京子「………」

結衣「…っ」ｽｯ

京子「……ぁ」ﾎﾟｰ

結衣（…やってしまった）

結衣（や、柔らかい…っ）ｶｱｧ

結衣「…大丈夫か？」

京子「…ぅん」ﾄﾛﾝ

結衣（なんか…いつもと違う…）

結衣（顔赤いし…息あがってて…）

結衣「京子…」ｷﾞｭ

京子「う、うわ…なに…」

結衣「………ん」ﾁｭｰ

京子「んぅ！？」ﾁｭｰ

結衣「…っはぁ」

京子「ま、待って、結衣」

結衣「…もう一回」ｸﾞｲｯ

京子「ふぐっ！？………！」ﾁｭｰ

結衣「……ん」

京子（…！？…べろっ！？舌っ！？）ｱﾀﾌﾀ

京子「～～～ッ！」ｼﾞﾀｼﾞﾀ

結衣「……ふぅ」ｽｯ

京子「はぁっ…！はぁっ…！」ｾﾞｪｾﾞｪ

結衣「…まだ」ｸﾞｲ

京子「ゆ、ゆいっ？これっ、練習なんだよね？」ｱｾｱｾ

結衣「はっ」ﾊﾟﾁｰﾝ

結衣（わ、私は何をやってるんだ）

結衣（…でも）

結衣（京子が、欲しい）

結衣（他の誰にも渡したく、ない）

結衣「……練習、だよ」

京子「そ、そっか…」

京子「…………」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

京子「練習なら…しょうがない」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

結衣「…しょうがないよな」ｺﾞｸﾘ

結衣「…上向け京子」ｸﾞｯ

京子「ふぁ…」

結衣「ふぅ……ん……」ﾁｭｰ

京子「んぁ…ぅ、ゆ、ゆいぃ…っ」ﾋﾟﾁｬﾋﾟﾁｬ

結衣「きょーこぉ…」ﾋﾟﾁｬﾋﾟﾁｬ

結衣（京子の舌、温かくて、柔らかくて）

結衣（…ずっと、こうしてたい）

京子「はぅ……」ﾄﾛｰﾝ

結衣（京子顔真っ赤…）

結衣（…でも私もだろうなぁ）

京子「結衣？顔近い…」

結衣（あぁ…なんかいい匂いする…）ｸﾝｸﾝ

結衣（この匂い、大好きだ）

結衣（匂いだけじゃない）

結衣（京子の声も、髪も、眼も、指も、全部）

結衣（…昔から好きだった）

結衣「………愛してる」

ﾁｭﾝﾁｭﾝ

結衣「……ん」ﾊﾟﾁ

結衣（…朝か？）ﾑｸﾘ

京子「～♪」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

結衣「うぁっ」ﾋﾞｸｯ

京子「あ、起きた？」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

結衣「きょ、京子…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

結衣（気まずい…！）

京子「お腹減ったー、何か作って？」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

結衣「あ、あぁ…」

結衣（…いつも通りだ）

結衣（…別に、気にしてないってことか）

結衣（…そうだよな）

結衣（『練習』、だもんな）ｼｭﾝ

京子「……」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

結衣「……はぁ」ﾄﾞﾄﾞﾝﾖﾘ

京子「ふっふふーん」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

結衣（…レベル上げたのか）

京子「…っしゃー！ボス倒した！」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

結衣「…そうか」

京子「…………」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

京子「結衣？」

結衣「なに？」

京子「…あの、さ？」ﾃﾚｯ

京子「…次はちゃんと、私にも練習させてね」ﾎﾟｿ

結衣「……！！」

結衣「しょうがないな…」ｶｱｧ

結衣「…首、捻るなよな」

京子「へへへ…」

京子「…♪」

結衣（昨日は練習だったから）

結衣（次は、ちゃんと）

結衣（京子に、好きって、言おう）

結衣（好きだよ、京子）







…

ちなつ「きゃー！言っちゃった言っちゃった言っちゃったー！！」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

ちなつ「これはもう結衣先輩と付き合ってるって言っても過言じゃないよね！？」ｷﾗｷﾗ

ちなつ「ねえあかりちゃん聞いてる？」

あかり「うぅ…眠いよぉ、ちなつちゃん昨日からずっと同じ話しかしてないよ…」

あかり「あかり、お家帰りたいよぉ…」ｼｸｼｸ


おしまい